JP6784502B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents
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Description
そして、エアバッグ装置には、特許文献1のように乗員の前側から後向きに展開するフロントエアバッグがある。フロントエアバッグは、たとえば車両が前方から衝突する場合に展開され、前方衝突の際に前へ移動しようとする乗員を受け止めて支える。
また、特許文献2のように車両側面内側に沿って前後方向に展開するカーテンエアバッグがある。カーテンエアバッグは、たとえば車両の側方から衝突があった場合に展開され、側方衝突の際に車幅方向外側へ向かって移動しようとする乗員を受け止めて支える。
また、カーテンエアバッグの下側において、車両側面内側と乗員との間で展開するサイドエアバッグがある。サイドエアバッグは、カーテンエアバッグとともに、側方衝突の際に車幅方向外側へ向かって移動しようとする乗員を受け止めて支える。
しかも、乗員の前側に垂れ下がるショルダエアバッグは、その先端部の周面が、シートに着座した乗員の下肢の周囲で展開する下方エアバッグに当たる。よって、乗員の上体がシートから離れる方向へ移動することによりショルダエアバッグに荷重が作用した場合、その荷重の一部を下方エアバッグが負担することができる。ショルダエアバッグ単体では荷重変形する場合であっても、下方エアバッグとの協働により、ショルダエアバッグが原形を維持し易くなる。
その結果、ショルダエアバッグは乗員の荷重が作用してもその原形の湾曲形状または屈曲形状を維持し、乗員がシートから離れ難くなるように好適に支えることができる。
特に、乗員の荷重が直接作用するショルダエアバッグの下側においてそれと別体の下側エアバッグが接触するので、たとえば着座する乗員の体形等の違いでショルダエアバッグに作用する荷重の大きさや向きが異なることになっても、ショルダエアバッグが下側エアバッグに作用させる荷重の一部を下側エアバッグへ逃がすことができる。
図2(B)には、シート5に着座した乗員の外側において、前後方向に沿ってカーテンエアバッグ17を展開するカーテンエアバッグ装置16と、カーテンエアバッグ17の下側で前後方向に沿ってサイドエアバッグ22を展開するサイドエアバッグ装置21と、が図示されている。カーテンエアバッグ装置16の本体18は、たとえばルーフレールに配置される。カーテンエアバッグ装置16は、AピラーからCピラーまでの範囲で、窓ガラスに沿って展開する。サイドエアバッグ装置21の本体23は、たとえばシート5の背部の外側部分に配置される。サイドエアバッグ装置21は、シート5の背部の外側部分から前へ向かってサイドエアバッグ22を展開する。カーテンエアバッグ17およびサイドエアバッグ22が、シート5に着座した乗員の車幅方向外側で展開することにより、たとえば側方からの衝突の際に車幅方向外側へ移動しようとする乗員を受け止めたり、乗員とドアとの間の空間を確保したりできる。
図2(C)には、フロントエアバッグ装置11と、サイドエアバッグ装置21とが図示されている。フロントエアバッグ12およびサイドエアバッグ22が、シート5に着座した乗員の前側および車幅方向外側で展開することにより、たとえば斜め前方からの衝突の際に前斜め外側へ移動しようとする乗員を受け止めて支えることができる。
このように、自動車1では、複数の衝突形態に対応するために、複数のエアバッグを設けている。エアバッグの個数は、対処しようとする衝突形態の数に応じて、略比例的に増加している。今後衝突安全基準が強化されたり見直されたりすることにより、より多くのエアバッグを、設ける必要に迫られる。
このため、自動車1では、エアバッグの個数増加を抑制しつつ、複数の衝突形態に対処できるようにすることが求められている。
ショルダエアバッグ装置101の本体103は、たとえばシート5の背部の右側に配置される。本体103は、シート5のヘッドレストの右側部分に配置されてもよい。ここで、右側は、車幅方向内側である。
ショルダエアバッグ102は、基本的に略L字形状の袋体である。ショルダエアバッグ102は、シート5に着座した乗員の後上側から展開を開始し、頭部右側面の近くを通過して、上体の前面に沿って下向きに展開される。この展開状態において、ショルダエアバッグ102は、上体の前側において左側から右下へ掛け渡されるシートベルト110と交差する。乗員の左右の鎖骨および肩は、ショルダエアバッグ102およびシートベルト110により羽交い締めにされる。
ニーエアバッグ装置71の本体73は、トーボードについてのシート5の前側部分に配置される。
ニーエアバッグ72は、基本的に前後方向に長尺の袋体である。本実施形態では、ニーエアバッグ72は、延長展開部74を有する。
そして、ニーエアバッグ72は、シート5に着座した乗員の下肢に向けて展開し、乗員の下肢を前側から押さえる。延長展開部74は、下肢当接面から更に後方へ向かって展開し、シート5に着座した乗員の上体近くまで腿上で展開する。
また、延長展開部74についての後端面は、下部より上部の方が乗員の身体へ向かって突出する傾斜面75に形成されている。
制御部60は、たとえば撮像デバイス51の画像に基づいて衝突の可能性を周期的に予測する。そして、衝突の可能性がある場合、制御部60は、シートベルト装置を作動させ、巻き取ったシートベルト110により、乗員の上体をシート5に引き付ける。
その後、制御部60が、たとえば加速度センサ52の検出値などに基づいて衝突を検出する。そして、衝突が検出された場合、制御部60は、エアバッグ装置を作動させる。
また、ニーエアバッグ72は、本実施形態では更に展開し、図5(B)に示すように、延長展開部74が、シート5に着座した乗員の両腿上側に展開する。
ショルダエアバッグ102は、乗員の後上側から展開を開始し、頭部右側面の近くを通過て、上体の前面に沿って下向きに展開される。ショルダエアバッグ102は、シートベルト110と交差し、シートベルト110とともに乗員の上体を羽交い締めできる状態になる。
その後、ショルダエアバッグ102の先端部は、展開途中で、ニーエアバッグ72の延長展開部74の後端面と、乗員の上体の前面との間に入り込む。また、更にその後、図5(C)に示すように、ショルダエアバッグ102がその先端部を含めて展開する。これにより、ショルダエアバッグ102の先端部は、ニーエアバッグ72の延長展開部74の後端の傾斜面75と乗員の上体の前面との間に挟み込まれる。ショルダエアバッグ102の先端部は、仮固定された状態になる。
しかも、乗員の前側に垂れ下がるショルダエアバッグ102は、その先端部の周面が、シート5に着座した乗員の下肢の周囲で展開するニーエアバッグ72に当たる。よって、乗員の上体がシート5から離れる方向へ移動することによりショルダエアバッグ102に荷重が作用した場合、その荷重の一部をニーエアバッグ72が負担することができる。ショルダエアバッグ102単体では荷重変形する場合であっても、ニーエアバッグ72との協働により、ショルダエアバッグ102が原形を維持し易くなる。
その結果、ショルダエアバッグ102は乗員の荷重が作用してもその原形の湾曲形状または屈曲形状を維持し、乗員がシート5から離れ難くなるように好適に支えることができる。
特に、乗員の荷重が直接作用するショルダエアバッグ102の下側においてそれと別体のニーエアバッグ72が接触して押さえているので、たとえば着座する乗員の体形等の違いでショルダエアバッグ102に作用する荷重の大きさや向きが異なることになっても、ショルダエアバッグ102に作用する荷重の一部をニーエアバッグ72へ逃がすことができる。
図6(A)では、ショルダエアバッグ102は、仕切り板61により、基端側の第1気室と、先端側の第二気室とに分かれている。これらの気室の間には、弁が設けられる。この場合、ショルダエアバッグ102は、まず第1気室が展開することにより前へ展開し、その後に圧力が弁の閾値を超えると、第2気室が展開するようにできる。
図6(B)では、ショルダエアバッグ102は、テザー62を有する。テザー62は、前後方向へ展開する部分と、上下方向に展開する部分との間に掛け渡される。この場合、ショルダエアバッグ102は、略L字形状に展開し易くなる。
これらの場合でも、ショルダエアバッグ102は、略L字形状に好適に展開することができる。
図7のニーエアバッグ72についてのショルダエアバッグ102と接触するり後側の傾斜面75は、摩擦係数が低い材料によりコーティングされている。これにより、後から展開するショルダエアバッグ102が、展開途中において先に展開したニーエアバッグ72に引っ掛かり難くなる。なお、コーティングは、ショルダエアバッグ102に塗布してもよい。
図8(A)では、シートクッションエアバッグ装置81は、シートクッションエアバッグ82を、シート5から展開して着座した乗員の両脚部の間から上へ向かって展開する。そして、ショルダエアバッグ102の下側の先端部は、シートクッションエアバッグ82と乗員の上体との間に挟まれる。
図8(B)では、サイドエアバッグ装置21は、サイドエアバッグ22を、シート5に着座した乗員の外側である左側から前内側へ向かって展開する。そして、ショルダエアバッグ102の下側の先端部は、サイドエアバッグ22と乗員の上体との間に挟まれる。
2…前室
3…乗員室
4…後室
5…シート
11…フロントエアバッグ装置
12…フロントエアバッグ
13…本体
16…カーテンエアバッグ装置
17…カーテンエアバッグ
18…本体
21…サイドエアバッグ装置
22…サイドエアバッグ
23…本体
51…撮像デバイス
52…加速度センサ
53…速度センサ
54…ブレーキ操作センサ
55…角速度センサ
56…ベルト張力センサ
57…ベルト巻取量センサ
58…着座センサ
59…タイマ
60…制御部
61…仕切り板
62…テザー
71…ニーエアバッグ装置
72…ニーエアバッグ
73…本体
74…延長展開部
75…傾斜面
81…シートクッションエアバッグ装置
82…シートクッションエアバッグ
101…ショルダエアバッグ装置
102…ショルダエアバッグ
103…本体
110…シートベルト
Claims (4)
- 車両に乗車した乗員が着座するシートと、
前記シートに着座した乗員の後上側から頭部側面の近くを通過して上体の前面に沿って斜め下向きで且つ乗員の腿上に展開されるショルダエアバッグを有するショルダエアバッグ装置と、
前記シートに着座した乗員の下肢に向けて展開し、下肢に当接することで乗員の下肢を前側から押さえ、更に後方へ展開して乗員の腿上で展開する下方エアバッグを有する下方エアバッグ装置と、
を有し、
前記ショルダエアバッグと前記下方エアバッグとは、少なくとも前記シートの車幅方向中央で当接し、
乗員の前側に垂れ下がり腿上に展開した前記ショルダエアバッグの先端部は、後方へ展開して乗員の腿上で展開した前記下方エアバッグと乗員の身体との間に挟まれる、
車両の乗員保護装置。 - 前記下方エアバッグは、前記ショルダエアバッグの前記先端部との接触部の下部より上部の方が乗員の身体へ向かって突出する傾斜面に形成されている、
請求項1記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ショルダエアバッグは、前記下方エアバッグの後から展開し、展開した前記下方エアバッグと乗員の身体との間に、展開途中で入り込む、
請求項1または2記載の車両の乗員保護装置。 - 前記ショルダエアバッグは、前記シートに着座した乗員の後上側から頭部側面の近くを通過して上体の前側に掛け渡されるシートベルトと交差する、
請求項1から3のいずれか一項記載の車両の乗員保護装置。
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