JP6836436B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

乗員保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6836436B2
JP6836436B2 JP2017060286A JP2017060286A JP6836436B2 JP 6836436 B2 JP6836436 B2 JP 6836436B2 JP 2017060286 A JP2017060286 A JP 2017060286A JP 2017060286 A JP2017060286 A JP 2017060286A JP 6836436 B2 JP6836436 B2 JP 6836436B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
airbag
push
thigh
seat surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017060286A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018161969A (ja
Inventor
勇 長澤
勇 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2017060286A priority Critical patent/JP6836436B2/ja
Publication of JP2018161969A publication Critical patent/JP2018161969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6836436B2 publication Critical patent/JP6836436B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置に関する。
自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置には、シートベルトやフロントエアバッグを用いるものがある(特許文献1)。
シートベルトは、一般的に三点式であり、シートに着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前にリトラクタでシートベルトを巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルトの送り出しを規制する。これにより、衝突時にシートから前へ移動しようとする乗員の身体をシートに着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグは、乗員室においてシートの前に設けられるハンドルまたはダッシュボードに設けられ、シートへ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグで支えて衝撃を吸収する。
特開2010−235009号公報
しかしながら、このような乗員保護装置を用いても、すべての衝突形態において適切に保護できる訳ではない。
たとえば前面衝突においても、衝突の衝撃によりシートに着座した乗員が前へ移動する可能性がある。そして、乗員の腰部がシートの着座位置から前へ滑って移動してしまうと、腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込もうとする上体は、フロントエアバッグに近づいた状態から前へ倒れ込むことになる。この場合、フロントエアバッグと上体との接触状態は、腰部がシートの着座位置にある場合に想定していたものとは異なる。
このように、乗員保護装置では、乗員保護性能についての更なる改善が求められている。
本発明に係る乗員保護装置は、車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、を有し、前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記シートの座面の上へ可動して前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させる。
好適には、前記押上部材は、前記座面エアバッグの少なくとも一部が上に被った状態で設けられ、前記シートの座面の上へ可動する、とよい。
好適には、前記座面エアバッグは、前記シートの座面の上へ可動した前記押上部材より上において展開する展開上部と、前記シートの座面の上へ可動した前記押上部材の周囲において展開する展開中部と、を有し、前記展開上部は、前記展開中部よりも左右方向へ幅広に展開する、とよい。
好適には、前記押上部材は、前記座面エアバッグが展開を開始するより先に前記シートの座面の上へ可動し、または遅くとも前記座面エアバッグが前記シートの座面の上へ展開すると同時に可動する、とよい。
好適には、前記シートの座面の左右方向中央部の下に設けられ、前記座面エアバッグを収容するエアバッグ本体を有し、前記押上部材は、前記エアバッグ本体と一体化し、前記エアバッグ本体を前記シートの座面へ向かって可動させることにより前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動する、とよい。
好適には、前記シート内で左右方向へ展開する展開下部と、前記押上部材が上へ可動しない場合に前記座面エアバッグの替わりに前記展開下部を展開させる切替部材と、を有する、とよい。
本発明では、シートの座面の左右方向中央部の下側に設けられた押上部材が、シートの座面の下から上へ向かって可動する。よって、可動前にシートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間が閉じていたとしても、それらの間に座面エアバッグを上へ展開させることができる空間を確保することができる。
そして、座面エアバッグは、車両のシートの座面の左右方向中央部の下から座面の上へ展開する。これにより、座面の上へ展開した座面エアバッグは、右腿部と左腿部との間に展開することができる。
その結果、乗員の腰部は、右腿部と左腿部との間に展開した座面エアバッグにより前から押さえられ、シートの着座位置に保持される。そして、たとえば前面衝突の際に乗員の上体は着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、衝突の際の乗員の上体の挙動は所望のものに近づく。上体が着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れることにより、上体をフロントエアバッグにより好適に支えて衝撃を吸収することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置が適用可能な自動車の説明図である。 図2は、フルラップ正面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。 図3は、乗員の腰部がシートの着座位置にあるままで上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。 図4は、第1実施形態に係る乗員保護装置の説明図である。 図5は、図4の座面エアバッグ装置の展開状態の説明図である。 図6は、図4の座面エアバッグ装置のシートの下への格納状態の説明図である。 図7は、図4の座面エアバッグ装置の作動順の説明図である。 図8は、第2実施形態の座面エアバッグ装置の格納状態および展開状態の説明図である。 図9は、第3実施形態の座面エアバッグ装置の格納状態および展開状態の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置10が適用可能な自動車1の説明図である。
自動車1は、車両の一例である。自動車1は、乗員室2が形成された車体3を有する。乗員室2には、乗員室2において前向きに設けられて乗員が着座する2つのフロントシート4、リアシート4が設けられる。乗員室2についての左右両側には、乗員が乗降するために開閉されるドア5が設けられる。フロントシート4の前には、乗員室2の左右幅に対応する長さのダッシュボード6が設けられる。2つのフロントシート4の間には、センターコンソール7が設けられる。
ところで、このような自動車1では、他の自動車などと衝突した際に、シート4に着座した乗員を保護する装置が設けられる。
図1には、シートベルト19、フロントエアバッグ16が図示されている。
シートベルト19は、一般的に三点式である。三点式のシートベルト19は、シート4に着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前に図示外のリトラクタでシートベルト19を巻き取ってたるみを減らし、さらに衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグ16は、乗員室2においてシート4の前に設けられるハンドルまたはダッシュボード6に設けられ、シート4へ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグ16で支えて衝撃を吸収できる。
しかしながら、このような乗員保護装置10を用いても、すべての衝突形態において乗員を適切に保護できる訳ではない。
たとえば図2は、前面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。
乗員がシート4に着座した状態で前面衝突が起きると、図2(A)に示すように、衝突の衝撃によりシート4に着座した乗員には相対的に前へ移動しようとする力が作用する。
この際に乗員がシートベルト19により押さえられていないとすると、図2(B)に示すように、乗員の腰部はシート4の着座位置から前へ滑って移動する。
そして、乗員の腰部はたとえば膝頭がダッシュボード6に当たった状態で止まり、乗員の上体は、図2(C)に示すように、その位置の腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込むことになる。
これに対し、図3は、乗員の腰部がシート4の着座位置にあるままで乗員の上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。
図2(C)でのフロントエアバッグ16に対する上体の接触状態は、図3と比較すれば明らかなように腰部が着座位置にある場合において想定したものとは異なる。乗員の上体は、フロントエアバッグ16に近づいた位置において前へ倒れ込む。展開したフロントエアバッグ16と上体との接触状態は、腰部がシート4の着座位置にあると想定した場合のものとは異なる。この場合、展開したフロントエアバッグ16により、適切に倒れ込んだ上体を支持して衝撃を吸収することができない可能性がある。
また、上体は腰部の移動が止まった後に短時間で急に前へ倒れることになる。
このように、乗員保護装置10では、乗員保護性能を更に改善することが求められている。
図4は、第1実施形態に係る乗員保護装置10の説明図である。
図4には、乗員保護装置10とともに、自動運転制御装置40が図示されている。自動運転制御装置40は、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、動力源45、を有する。
車外撮像センサ41は、たとえば車体3の前方を撮像する。これにより、たとえば走行中の車体3に対して前から近づく他の車体を画像として撮像することができる。
操舵アクチュエータ43は、ハンドルの替わりに、自動車1の操舵装置を駆動する。
ブレーキアクチュエータ44は、ブレーキペダルの替わりに、自動車1の制動装置を駆動する。
動力源45は、たとえばガソリンエンジン、電気モータである。
自動運転制御部42は、自動車1の走行を自動制御する。自動運転制御部42は、たとえば目的地までの走行経路情報にしたがって、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。また、自動運転制御部42は、車外撮像センサ41の画像に基づいて接近物を特定し、接近物との衝突を予想する。そして、接近物との衝突を予想した場合には、自動運転制御部42は、その衝突を回避するように操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。
図4の乗員保護装置10は、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、乗員保護制御部14、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、座面エアバッグ装置20、を有する。
乗員保護制御部14には、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、座面エアバッグ装置20、が接続される。
乗員位置センサ11は、シート4に着座した乗員の頭部の位置または上体の位置を検出する。たとえば乗員位置センサ11は、シート4に背を付けた着座位置を基準として、前方への移動量または左右方向への移動量を検出する。
Gセンサ12は、自動車1に作用する加速度を検出する。検出する加速度の方向は、前後方向、左右方向、上下方向でよい。
タイマ13は、時刻または時間を計測する。
フロントエアバッグ装置15は、シート4に着座した乗員の前に設けられる。フロントエアバッグ装置15は、たとえばダッシュボード6、ハンドルに設けられる。フロントエアバッグ装置15は、フロントエアバッグ16、インフレータ17、を有する。点火信号が入力されることにより、インフレータ17は、フロントエアバッグ16内へガスを放出する。これにより、フロントエアバッグ16は、シート4に着座した乗員へ向けて後方へ展開する。乗員の上体の前にフロントエアバッグ16が展開される。
三点式シートベルト装置18は、シートベルト19を有する。シートベルト19は、図示外のタングがバックルと係合することにより、シート4に着座した乗員についての腰部の周りに対して設けられるラップ部と、上体についての一方の肩部から腰部の内側部分にかけてたすき掛けされるショルダ部と、を形成する。そして、プリテンション信号や支持信号が入力されることにより、図示外のリトラクタは、シートベルト19を巻き取る。たとえば、衝突前にシートベルト19を巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持することができる。
図5は、図4の座面エアバッグ装置20の展開状態の説明図である。図5(A)は正面図、図5(B)は上面図である。
図6は、図4の座面エアバッグ装置20のシート4の下への格納状態の説明図である。
座面エアバッグ装置20は、座面エアバッグ21、インフレータ25、エアバッグ本体26、押上部材27、アクチュエータ28、を有する。
エアバッグ本体26は、図6に示すように、シート4の座面の下に格納するように、シート4の座面の左右方向中央部の下側に設けられる筐体である。
エアバッグ本体26には、座面エアバッグ21、インフレータ25が設けられる。
座面エアバッグ21は、エアバッグ本体26に設けられる。点火信号が入力されてインフレータ25がガスを座面エアバッグ21内へ放出することにより、座面エアバッグ21は、シート4の座面の左右方向中央前部を破り、シート4の座面から上へ向かって展開する。
展開した座面エアバッグ21は、展開上部22、展開中部23、を有する。
展開中部23は、シート4の座面の左右方向中央部から上へ展開してシート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間に立設される展開する部分である。
展開上部22は、展開中部23の上端から左右の横方向へ展開して右腿部および左腿部の上に展開する部分である。展開上部22は、展開中部23より上において、展開中部23よりも左右方向へ幅広に展開する。
また、座面エアバッグ21は、シート4の座面の下に格納した状態において、エアバッグ本体26内で折り畳んで格納される。この際、展開上部22は、展開中部23より遅れて展開するように、捩じれた折り畳み状態で格納してよい。また、展開中部23は、捩じれた折り畳み以外の状態、たとえばロール状に巻いた状態や蛇腹状に折り畳んだ状態で格納してよい。
押上部材27は、柱形状または薄板形状を有する。押上部材27を、中空の楕円柱形状のハニカム構造とすることで、シートの座面を突き破ることができる剛性を確保しながら軽量化できる。
押上部材27は、格納されている展開上部22が上に被った状態となるように、座面エアバッグ21の展開中部23内において立設される。展開上部22は、押上部材27の上に重ねて折り畳まれている。
押上部材27は、シート4の座面の下から上へ向かって可動可能に設けられる。押上部材27は、展開中部23と別体に設けられている。この場合、押上部材27は、展開中部23の展開とは異なる前後のタイミングにおいて、可動することができる。
なお、押上部材27は、展開中部23と一体化されていてもよい。押上部材27が展開中部23と一体化している場合、押上部材27は展開中部23の展開とともに上へ可動することができる。この場合、アクチュエータ28は不要としてもよい。
アクチュエータ28は、押上部材27の下側に設けられる。アクチュエータ28と押上部材27との間に、座面エアバッグ21の下部が挟まれている。これにより、押上部材27を座面エアバッグ21の内部に設けつつ、押上部材27をアクチュエータ28により押し上げることができる。
乗員保護制御部14は、自動車1の走行状態に応じて乗員保護装置10の動作を制御する。具体的には、フロントエアバッグ装置15の展開、三点式シートベルト装置18の作動、および座面エアバッグ21の展開、を制御する。
図7は、図4の座面エアバッグ装置20の作動順の説明図である。図7では、シート4に着座した乗員の右腿部と左腿部とが図示されている。右腿部と左腿部とは、シート4の左右方向中央部において互いに接するように揃えられている。
図7(A)に示すように衝突前には、乗員保護制御部14は、たとえば車外撮像センサ41による車体3の前方の撮像画像、自動運転制御部42からの走行状態情報に基づいて、衝突の可能性を予想する。走行状態情報には、操舵アクチュエータ43の操舵量、ブレーキアクチュエータ44および動力源45による加減速量などがある。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて車体3の進行経路を判断する。また、車体3の前方の撮像画像に基づいて進行経路上または近傍の対象物を特定する。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて、対象物との正面衝突の可能性を判断する。なお、これらの判断を自動運転制御部42で実行し、乗員保護制御部14はその判断結果を自動運転制御部42から取得してもよい。
そして、正面衝突の可能性がある場合、乗員保護制御部14は、乗員保護制御を開始する。乗員保護制御において、乗員保護制御部14は、座面エアバッグ装置20を作動させる。
乗員保護制御部14は、まず、アクチュエータ28を作動させる。これにより、押上部材27は、シート4の座面を破り、シート4の上へ突出するように可動する。これにより、図7(B)に示すように、互いに接触していた右腿部と左腿部との間に押上部材27が入り、右腿部と左腿部との間に空間が形成される。また、シート4の上へ突出した押上部材27の周囲は、未展開の座面エアバッグ21により覆われている。
次に、乗員保護制御部14は、インフレータ25へ点火信号を出力する。これにより、座面エアバッグ21は、展開を開始する。
展開を開始した座面エアバッグ21では、図7(C)に示すように、展開中部23および展開上部22が展開する。
展開中部23は、シート4の座面の上へ可動した押上部材27の周囲において展開する。右腿部と左腿部との間で展開する。展開中部23は、押上部材27より若干大きく展開する。
展開上部22は、押上部材27の上に被せて格納されていたので、押上部材27の上で展開する。具体的には、シート4の座面から上へ突出した立設展開部23の上端から左右の横方向へ展開する。右腿部の上側および左腿部の上側に展開する。
これにより、衝突の際にシート4の座面の上で前へ滑ろうとする乗員の腰部は、座面エアバッグ21により前および上から押さえられる。乗員の腰部は、シート4の着座位置から移動し難くなる。
次に、乗員保護制御部14は、Gセンサ12の加速度信号に基づいて正面衝突を実際に検出すると、フロントエアバッグ装置15を展開させる。乗員保護制御部14は、フロントエアバッグ装置15のインフレータ17へ点火信号を出力する。これにより、フロントエアバッグ16は、シート4の前側から後向きに展開する。
その後、正面衝突の衝撃入力により、乗員の上体は、前へ倒れる。乗員の上体は、図3に示すように、シート4の着座位置に維持された腰部を軸としてその周りで回転するように前へ倒れる。
なお、上述した乗員保護制御は、正面衝突の可能性を判断したタイミングからではなく、正面衝突を実際に検出したタイミングから座面エアバッグ装置20を作動させてもよい。
また、押上部材27が座面エアバッグ21の展開中部23と一体化している場合、正面衝突を実際に検出したタイミングにおいて座面エアバッグ21の展開を開始することにより、押上部材27を座面エアバッグ21とともに上へ可動させることができる。
このように押上部材27は、座面エアバッグ21が展開を開始するより先にシート4の座面の上へ可動しても、または遅くとも座面エアバッグ21がシート4の座面の上へ展開すると同時に可動してもよい。いずれの場合でも、押上部材27を上へ可動させて右腿部と左腿部との間に座面エアバッグ21を展開させるための空間を確保することができる。
以上のように、本実施形態では、シート4の座面の左右方向中央前部の下側に設けられた押上部材27が、シート4の座面の下から上へ向かって可動する。よって、押上部材27がシート4の座面の上へ可動し、シート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保することができる。たとえば可動前にシート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間が閉じていたとしても、それらの間に座面エアバッグ21を上へ展開させることができる空間を確保することができる。
そして、座面エアバッグ21は、自動車1のシート4の座面の左右方向中央前部の下から上へ展開する。これにより、座面エアバッグ21は、座面の上へ展開して、右腿部と左腿部との間に展開することができる。
その結果、乗員の腰部は、右腿部と左腿部との間に展開した座面エアバッグ21により前から押さえられ、シート4の着座位置に保持される。そして、たとえば前面衝突の際に乗員の上体は着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、衝突の際の乗員の上体の挙動は所望のものに近づく。上体が着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れることにより、上体をフロントエアバッグ16により好適に支えて衝撃を吸収することができる。
本実施形態では、押上部材27は、座面エアバッグ21の少なくとも一部が上に被った状態で設けられ、シート4の座面の上へ可動する。よって、シート4の座面の上に突出した押上部材27の周囲には、座面エアバッグ21が広がって展開する。その結果、乗員の腰部は、シート4の座面の上に突出した押上部材27に対して直接的に接触することなく、座面エアバッグ21により支えられる。
本実施形態では、座面エアバッグ21が、シート4の座面の上へ可動した押上部材27より上において展開する展開上部22と、シート4の座面の上へ可動した押上部材27の周囲において一体的にまたは別体に展開する展開中部23と、を有する。そして、展開上部22は、展開中部23よりも左右方向へ幅広に展開する。よって、シート4に着座した乗員の右腿部の上側および左腿部の上側に座面エアバッグ21の展開上部22を展開させて上から押さえることができる。乗員の下肢は、シート4に着座した状態に支持される。
本実施形態では、押上部材27は、座面エアバッグ21が展開を開始するより先にシート4の座面の上へ可動し、または遅くとも座面エアバッグ21がシート4の座面の上へ展開すると同時に可動する。よって、座面エアバッグ21の展開についての事前にまたは略同時に押上部材27をシート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保した状態で座面エアバッグ21を展開させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る乗員保護装置10について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
図8は、第2実施形態の座面エアバッグ装置20の格納状態および展開状態の説明図である。図8(A)は展開前の正面図、図8(B)は展開後の正面図である。
図8(A)の展開前の正面図において、エアバッグ本体26は、シート4の座面の左右方向中央前部の下に設けられる。押上部材27は、薄板状のエアバッグ本体26の上面に立設される。座面エアバッグ21は、エアバッグ本体26の上面において押上部材27を包み込むように設けられる。インフレータ25は、エアバッグ本体26内に配置される。
そして、アクチュエータ28は、エアバッグ本体26の下側に設けられる。この場合、アクチュエータ28は、押上部材27が一体化されたエアバッグ本体26を、シート4の座面へ向けて上へ押し上げる。
図8(B)の展開前の正面図において、押上部材27は、エアバッグ本体26とともに押し上げられて、シート4の座面の上へ突出する。また、インフレータ25からの高圧ガスにより、座面エアバッグ21の展開上部22および展開中部23が、シート4の座面の上で展開する。
以上のように、本実施形態では、押上部材27がエアバッグ本体26と一体化してエアバッグ本体26とともに上へ可動する。よって、シート4の上から圧力が作用していたとしても押上部材27が倒れにくくなり、押上部材27はより確実に座面から上へ突出するように可動することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る乗員保護装置10について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
図9は、第3実施形態の座面エアバッグ装置20の格納状態および展開状態の説明図である。図9(A)は展開前の正面図、図9(B)は展開後の正面図である。
図9(A)の展開前の正面図において座面エアバッグ装置20は、座面エアバッグ21とともに、展開下部24を有する。
そして、インフレータ25と、座面エアバッグ21および展開下部24との間に、切替部材29が設けられる。切替部材29には、たとえば電磁弁、アクティブベントなどを用いればよい。
また、押上部材27は、座面エアバッグ21の展開中部23と一体化されている。押上部材27は、座面エアバッグ21が展開を開始すると、展開中部23とともに上へ可動する。
乗員保護制御部14は、正面衝突の可能性がある場合、乗員保護制御を開始する。乗員保護制御において、乗員保護制御部14は、座面エアバッグ装置20のインフレータ25へ点火信号を出力する。これにより、座面エアバッグ21は、展開を開始する。
その後、乗員保護制御部14は、座面エアバッグ21の展開状態を監視する。そして、座面エアバッグ21が十分に展開できない場合、乗員保護制御部14は、切替部材29を切り替える。または、切替部材29は、インフレータ25のガスの排出先を切り替える。これにより、展開下部24が、シート4の前部の座面下で、展開する。図9(B)に示すように、シート4の座面の前部が持ち上がる。
このように、座面エアバッグ21の展開中部23および展開上部22が十分に展開できない場合に、展開下部24を展開させる。展開下部24は、シート4内で左右方向へ展開する。よって、図9(B)に示すように、たとえばスカートなどによりシート4の上がふさがれて展開中部23および可動部材がシート4の上へ展開できない状況であっても展開下部24を展開させることによりシート4の座面を押し上げて乗員の腰部が前へ滑って移動し難くできる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
1…自動車(車両)、2…乗員室、3…車体、4…シート、5…ドア、6…ダッシュボード、7…センターコンソール、10…乗員保護装置、11…乗員位置センサ、12…Gセンサ、13…タイマ、14…乗員保護制御部、15…フロントエアバッグ装置、16…フロントエアバッグ、17…インフレータ、18…三点式シートベルト装置、19…シートベルト、20…座面エアバッグ装置、21…座面エアバッグ、22…展開上部、23…展開中部、24…展開下部、25…インフレータ、26…エアバッグ本体、27…押上部材、28…アクチュエータ、29…切替部材、40…自動運転制御装置、41…車外撮像センサ、42…自動運転制御部、43…操舵アクチュエータ、44…ブレーキアクチュエータ、45…動力源。

Claims (5)

  1. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、
    を有し、
    前記押上部材は、前記座面エアバッグの少なくとも一部が上に被った状態で設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記シートの座面の上へ可動して前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させる、
    乗員保護装置。
  2. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、
    を有し、
    前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記シートの座面の上へ可動して前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させ、
    前記座面エアバッグは、
    前記シートの座面の上へ可動した前記押上部材より上において展開する展開上部と、
    前記シートの座面の上へ可動した前記押上部材の周囲において展開する展開中部と、
    を有し、
    前記展開上部は、前記展開中部よりも左右方向へ幅広に展開する、
    乗員保護装置。
  3. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、
    を有し、
    前記押上部材は、前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記座面エアバッグが展開を開始するより先に前記シートの座面の上へ可動し、または遅くとも前記座面エアバッグが前記シートの座面の上へ展開すると同時に可動して、前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させる、
    乗員保護装置。
  4. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下に設けられ、前記座面エアバッグを収容するエアバッグ本体と、
    を有し、
    前記押上部材は、前記エアバッグ本体と一体化し、
    前記エアバッグ本体を前記シートの座面へ向かって可動させることにより前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動し、
    前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記シートの座面の上へ可動して前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させる、
    乗員保護装置。
  5. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下側に設けられ、前記シートの座面の下から上へ向かって可動する押上部材と、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下から上へ展開する座面エアバッグと、
    前記シート内で左右方向へ展開する展開下部と、
    切替部材と、
    を有し、
    前記押上部材が前記シートの座面の下から上へ向かって可動することにより、前記シートの座面の上へ可動して前記シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に空間を確保し、前記シートの座面の下から上へ展開する前記座面エアバッグを前記右腿部と前記左腿部との間に展開させ、
    前記切替部材は、前記押上部材が上へ可動しない場合に前記座面エアバッグの替わりに前記展開下部を展開させる、
    乗員保護装置。
JP2017060286A 2017-03-27 2017-03-27 乗員保護装置 Active JP6836436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017060286A JP6836436B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 乗員保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017060286A JP6836436B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 乗員保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018161969A JP2018161969A (ja) 2018-10-18
JP6836436B2 true JP6836436B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=63859588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017060286A Active JP6836436B2 (ja) 2017-03-27 2017-03-27 乗員保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6836436B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018161969A (ja) 2018-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6601804B2 (ja) 乗員保護装置
EP3280620B1 (en) Airbag assemblies for vehicles with generous leg room
JP2018161966A (ja) 乗員保護装置
US10589706B2 (en) Occupant protection device
JP6836449B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6409038B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6784502B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6826473B2 (ja) 乗員保護装置
JP6613855B2 (ja) 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
JP6960236B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP7168496B2 (ja) 乗員保護装置
JP2018171991A (ja) 車両の乗員保護装置
JP6871787B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6860394B2 (ja) 乗員保護装置
JP7381772B2 (ja) シート内蔵エアバッグ装置
JP6826480B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP6937144B2 (ja) 乗員保護装置
JP6937145B2 (ja) 乗員保護装置
JP6836436B2 (ja) 乗員保護装置
JP6839012B2 (ja) 乗員保護装置
JP6842330B2 (ja) 乗員保護装置
JP6836437B2 (ja) 乗員保護装置
JP6860395B2 (ja) 乗員保護装置
JP6845718B2 (ja) 乗員保護装置
JP6836438B2 (ja) 乗員保護装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6836436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250