JP6845718B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置に関する。
自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置には、シートベルトやフロントエアバッグを用いるものがある(特許文献1)。
シートベルトは、一般的に三点式であり、シートに着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前にリトラクタでシートベルトを巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルトの送り出しを規制する。これにより、衝突時にシートから前へ移動しようとする乗員の身体をシートに着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグは、乗員室においてシートの前に設けられるハンドルまたはダッシュボードに設けられ、シートへ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグで支えて衝撃を吸収する。
特開2010−235009号公報
しかしながら、このような乗員保護装置を用いても、すべての衝突形態において適切に保護できる訳ではない。
たとえば前面衝突においても、衝突の衝撃によりシートに着座した乗員が前へ移動する可能性がある。そして、乗員の腰部がシートの着座位置から前へ滑って移動してしまうと、腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込もうとする上体は、フロントエアバッグに近づいた状態から前へ倒れ込むことになる。この場合、フロントエアバッグと上体との接触状態は、腰部がシートの着座位置にある場合に想定していたものとは異なる。
このように、乗員保護装置では、乗員保護性能についての更なる改善が求められている。
本発明に係る乗員保護装置は、車両のシートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって展開する座面エアバッグと、前記シートの座面と座面エアバッグとの間に位置するように前記シートに設けられ、前記座面エアバッグが上へ展開することにより前記シートの座面の左右方向中央部に押し付けられて切り裂く切割部材と、を有し、前記シートの座面の左右方向中央部には、前後方向へ伸在するように前記シートの座面の他の部分より裂け易く形成された亀裂部が設けられる
好適には、前記切割部材は、前記シートの座面の左右方向中央部の下側において前後方向に沿ってエッジが形成されるように上縁同士が互いに合わされる第一陥入板部および第二陥入板部と、前記シートの座面の下に陥入部分を形成するように前記シートの座面と前記第一陥入板部の下縁との間を連結する第一連結板部と、前記シートの座面の下に陥入部分を形成するように前記シートの座面と前記第二陥入板部の下縁との間を連結する第二連結板部と、を有し、前記座面エアバッグは、上縁同士が互いに合わされた前記第一陥入板部と前記第二陥入板部とにより形成される略逆V字状の空間へ向かって上へ展開する、とよい。
好適には、前記第一連結板部と前記第二連結板部とは、前記シートの座面の裏側に取り付けられる上縁同士の左右方向の間隔が、下縁同士の左右方向の間隔より狭くなるように前記シートの座面の下に設けられる、とよい。
また、本発明に係る乗員保護装置は、車両のシートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって展開することにより、前記シートの座面の上において左右方向へ展開可能な座面エアバッグと、前記シートの座面と座面エアバッグとの間に位置するように前記シートに設けられ、前記座面エアバッグが上へ展開することにより前記シートの座面の左右方向中央部に押し付けられて切り裂く切割部材と、を有し、前記座面エアバッグは、前記シートの座面の上へ展開できない場合、前記シートの下で左右方向へ展開するようにしてもよい。
本発明では、車両のシートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって座面エアバッグが展開する。また、シートの座面と座面エアバッグとの間には、シートに設けられた切割部材が位置する。そして、座面エアバッグが上へ展開することにより切割部材がシートの座面の左右方向中央部に押し付けられて座面を左右へ切り裂く。これにより、シートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって展開する座面エアバッグは、座面の裂け目から座面の上へ展開でき、シートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間に展開できる。たとえば展開前にシートに着座した乗員の右腿部と左腿部との間が閉じていたとしても、それらの間に座面エアバッグを押し込んで、座面エアバッグを右腿部と左腿部との間に展開することができる。
その結果、座面エアバッグを乗員の腰部の前に展開でき、展開した座面エアバッグにより腰部を前から押さえることができ、腰部をシートの着座位置に保持することができる。そして、たとえば前面衝突の際に乗員の上体は着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、衝突の際の乗員の上体の挙動は所望のものに近づく。上体が着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れることにより、上体をフロントエアバッグにより好適に支えて衝撃を吸収することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置が適用可能な自動車の説明図である。 図2は、フルラップ正面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。 図3は、乗員の腰部がシートの着座位置にあるままで上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。 図4は、実施形態に係る乗員保護装置の説明図である。 図5は、図4の座面エアバッグの展開状態の説明図である。 図6は、図4の座面エアバッグのシートの下での格納状態の説明図である。 図7は、図4の座面エアバッグの通常の展開動作の説明図である(その1)。 図8は、図4の座面エアバッグの通常の展開動作の説明図である(その2)。 図9は、シートの座面の上に展開できない場合の予備的な展開状態の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置10が適用可能な自動車1の説明図である。
自動車1は、車両の一例である。自動車1は、乗員室2が形成された車体3を有する。乗員室2には、乗員室2において前向きに設けられて乗員が着座する2つのフロントシート4、リアシート4が設けられる。乗員室2についての左右両側には、乗員が乗降するために開閉されるドア5が設けられる。フロントシート4の前には、乗員室2の左右幅に対応する長さのダッシュボード6が設けられる。2つのフロントシート4の間には、センターコンソール7が設けられる。
ところで、このような自動車1では、他の自動車などと衝突した際に、シート4に着座した乗員を保護する装置が設けられる。
図1には、シートベルト19、フロントエアバッグ16が図示されている。
シートベルト19は、一般的に三点式である。三点式のシートベルト19は、シート4に着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前に図示外のリトラクタでシートベルト19を巻き取ってたるみを減らし、さらに衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグ16は、乗員室2においてシート4の前に設けられるハンドルまたはダッシュボード6に設けられ、シート4へ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグ16で支えて衝撃を吸収できる。
しかしながら、このような乗員保護装置10を用いても、すべての衝突形態において乗員を適切に保護できる訳ではない。
たとえば図2は、前面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。
乗員がシート4に着座した状態で前面衝突が起きると、図2(A)に示すように、衝突の衝撃によりシート4に着座した乗員には相対的に前へ移動しようとする力が作用する。
この際に乗員がシートベルト19により押さえられていないとすると、図2(B)に示すように、乗員の腰部はシート4の着座位置から前へ滑って移動する。
そして、乗員の腰部はたとえば膝頭がダッシュボード6に当たった状態で止まり、乗員の上体は、図2(C)に示すように、その位置の腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込むことになる。
これに対し、図3は、乗員の腰部がシート4の着座位置にあるままで乗員の上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。
図2(C)でのフロントエアバッグ16に対する上体の接触状態は、図3と比較すれば明らかなように腰部が着座位置にある場合において想定したものとは異なる。乗員の上体は、フロントエアバッグ16に近づいた位置において前へ倒れ込む。展開したフロントエアバッグ16と上体との接触状態は、腰部がシート4の着座位置にあると想定した場合のものとは異なる。この場合、展開したフロントエアバッグ16により、適切に倒れ込んだ上体を支持して衝撃を吸収することができない可能性がある。
また、上体は腰部の移動が止まった後に短時間で急に前へ倒れることになる。
このように、乗員保護装置10では、乗員保護性能を更に改善することが求められている。
図4は、実施形態に係る乗員保護装置10の説明図である。
図4には、乗員保護装置10とともに、自動運転制御装置40が図示されている。自動運転制御装置40は、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、動力源45、を有する。
車外撮像センサ41は、たとえば車体3の前方を撮像する。これにより、たとえば走行中の車体3に対して前から近づく他の車体を画像として撮像することができる。
操舵アクチュエータ43は、ハンドルの替わりに、自動車1の操舵装置を駆動する。
ブレーキアクチュエータ44は、ブレーキペダルの替わりに、自動車1の制動装置を駆動する。
動力源45は、たとえばガソリンエンジン、電気モータである。
自動運転制御部42は、自動車1の走行を自動制御する。自動運転制御部42は、たとえば目的地までの走行経路情報にしたがって、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。また、自動運転制御部42は、車外撮像センサ41の画像に基づいて接近物を特定し、接近物との衝突を予想する。そして、接近物との衝突を予想した場合には、自動運転制御部42は、その衝突を回避するように操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。
図4の乗員保護装置10は、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、乗員保護制御部14、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、座面エアバッグ装置20、を有する。
乗員保護制御部14には、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、座面エアバッグ装置20、が接続される。
乗員位置センサ11は、シート4に着座した乗員の頭部の位置または上体の位置を検出する。たとえば乗員位置センサ11は、シート4に背を付けた着座位置を基準として、前方への移動量または左右方向への移動量を検出する。
Gセンサ12は、自動車1に作用する加速度を検出する。検出する加速度の方向は、前後方向、左右方向、上下方向でよい。
タイマ13は、時刻または時間を計測する。
フロントエアバッグ装置15は、シート4に着座した乗員の前に設けられる。フロントエアバッグ装置15は、たとえばダッシュボード6、ハンドルに設けられる。フロントエアバッグ装置15は、フロントエアバッグ16、インフレータ17、を有する。点火信号が入力されることにより、インフレータ17は、フロントエアバッグ16内へガスを放出する。これにより、フロントエアバッグ16は、シート4に着座した乗員へ向けて後方へ展開する。乗員の上体の前にフロントエアバッグ16が展開される。
三点式シートベルト装置18は、シートベルト19を有する。シートベルト19は、図示外のタングがバックルと係合することにより、シート4に着座した乗員についての腰部の周りに対して設けられるラップ部と、上体についての一方の肩部から腰部の内側部分にかけてたすき掛けされるショルダ部と、を形成する。そして、プリテンション信号や支持信号が入力されることにより、図示外のリトラクタは、シートベルト19を巻き取る。たとえば、衝突前にシートベルト19を巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持することができる。
図5は、図4の座面エアバッグ21の展開状態の説明図である。
図6は、図4の座面エアバッグ21のシート4の下での格納状態の説明図である。
座面エアバッグ装置20は、座面エアバッグ21、インフレータ24、エアバッグ本体25、切割部材26、を有する。
また、シート4の座面には、シート4の座面の他の部分より薄く形成された亀裂部27が設けられる。亀裂部27は、シート4の左右方向中央前部において、前後方向へ伸在するように設けられる。
エアバッグ本体25は、図6に示すように、シート4の座面の下に格納するように、シート4の座面の左右方向中央前部の下側に設けられる筐体である。
エアバッグ本体25には、座面エアバッグ21、インフレータ24が設けられる。
座面エアバッグ21は、エアバッグ本体25に設けられる。点火信号が入力されてインフレータ24がガスを座面エアバッグ21内へ放出することにより、座面エアバッグ21は、シート4の座面の左右方向中央前部を破り、シート4の座面から上へ向かって展開する。
展開した座面エアバッグ21は、図5に示すように、展開上部22、展開下部23、を有する。
展開下部23は、シート4の座面の左右方向中央前部から上へ展開してシート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間に立設される展開する部分である。
展開上部22は、展開下部23の上端から左右の横方向へ展開して右腿部および左腿部の上に展開する部分である。展開上部22は、展開下部23より上において、展開下部23よりも左右方向へ幅広に展開する。
また、座面エアバッグ21は、図6に示すようにシート4の座面の下に格納した状態において、エアバッグ本体25内で折り畳んで格納される。この際、展開上部22は、展開下部23より遅れて展開するように、捩じれた折り畳み状態で格納してよい。また、展開下部23は、捩じれた折り畳み以外の状態、たとえばロール状に巻いた状態や蛇腹状に折り畳んだ状態で格納してよい。
切割部材26は、図6に示すようにシート4の座面と、座面エアバッグ21との間に設けられる。
切割部材26は、第一陥入板部28、第二陥入板部29、第一連結板部30、および第二連結板部31、を有する。
第一陥入板部28、第二陥入板部29、第一連結板部30、および第二連結板部31は、たとえば矩形の可撓性シートで構成されてよい。
第一連結板部30の上縁は、シート4の座面の裏側に固定される。
第一連結板部30の下縁と、第一陥入板部28の下縁とは、たとえば接着して重ね合わされる。
第一陥入板部28の上縁と、第二陥入板部29の上縁とは、たとえば接着して重ね合わされる。
第二陥入板部29の下縁と、第二陥入板部29の下縁とは、たとえば接着して重ね合わされる。
第二連結板部31の上縁は、シート4の座面の裏側に固定される。
これにより、第一陥入板部28、第二陥入板部29、第一連結板部30、および第二連結板部31は、断面略W字形状に組み合わされる。
そして、第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とが重ね合わせることにより形成されるエッジ32が、シート4の座面の左右方向中央前部の下側において亀裂部27に沿って前後方向に伸在するように、シート4の座面の裏側に取り付けられる。
また、第一陥入板部28および第二陥入板部29による略逆V字形状の構造の下側に、格納された座面エアバッグ21が位置する。
また、第一連結板部30と第二連結板部31とは、シート4の座面の裏側に取り付けられる上縁同士の左右方向の間隔DUが、下縁同士の左右方向の間隔DLより狭くなるように、シート4の座面の下に取り付けられる。
これにより、シート4の座面の下側には、第一陥入板部28と第一連結板部30とによる略V字形状の陥入部分と、第二陥入板部29と第二連結板部31とによる略V字形状の陥入部分とが形成される。
乗員保護制御部14は、自動車1の走行状態に応じて乗員保護装置10の動作を制御する。具体的には、フロントエアバッグ装置15の展開、三点式シートベルト装置18の作動、および座面エアバッグ21の展開、を制御する。
次に、座面エアバッグ21の通常の展開動作について説明する。
図7および図8は、図4の座面エアバッグ21の通常の展開動作の説明図である。図7(A)において右腿部と左腿部とは、シート4の左右方向中央部において互いに接するように揃えられている。
図7(A)に示すように衝突前には、乗員保護制御部14は、たとえば車外撮像センサ41による車体3の前方の撮像画像、自動運転制御部42からの走行状態情報に基づいて、衝突の可能性を予想する。走行状態情報には、操舵アクチュエータ43の操舵量、ブレーキアクチュエータ44および動力源45による加減速量などがある。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて車体3の進行経路を判断する。また、車体3の前方の撮像画像に基づいて進行経路上または近傍の対象物を特定する。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて、対象物との正面衝突の可能性を判断する。なお、これらの判断を自動運転制御部42で実行し、乗員保護制御部14はその判断結果を自動運転制御部42から取得してもよい。
そして、正面衝突の可能性がある場合、乗員保護制御部14は、乗員保護制御を開始する。乗員保護制御において、乗員保護制御部14は、座面エアバッグ装置20を作動させる。
乗員保護制御部14は、インフレータ24へ点火信号を出力する。これにより、座面エアバッグ21は、展開を開始する。
展開を開始した座面エアバッグ21では、図7(B)に示すように上への展開を開始し、切割部材26の第一陥入板部28と第二陥入板部29との間に入り込み、切割部材26を押し上げる。座面エアバッグ21は、上縁同士が互いに合わされた第一陥入板部28と第二陥入板部29とにより形成される略逆V字状の空間へ向かって上へ展開する。
押し上げられた切割部材26では、第一陥入板部28と第二陥入板部29との間から押し上げられることにより、エッジ32がシート4の座面の左右方向中央前部に設けられた亀裂部27に押し当たる。
座面エアバッグ21が更に上へ展開すると、略逆V字形状を構成している第一陥入板部28および第二陥入板部29が押し上げられる。
これにより、図7(C)に示すように、第一陥入板部28に対して第一連結板部30が開き、第二陥入板部29に対して第二連結板部31が開き始める。
これにより、座面エアバッグ21で上に押されたシート4の座面は、左右方向中央前部が凸となるように上昇し始める。右腿部と左腿部との間は少し広がり始める。
座面エアバッグ21が更に上へ展開すると、図8(A)に示すように、切割部材26のエッジ32により、シート4の座面の左右方向中央前部に亀裂部27が切り裂かれる。
そして、亀裂部27から上へ第一陥入板部28および第二陥入板部29が更に押し上げられることにより、第一連結板部30および第二連結板部31が反転してシート4の座面の上にでる。右腿部と左腿部とは左右に大きく開かれる。
座面エアバッグ21が更に上へ展開することにより、図8(B)に示すように、第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とが剥がれて、これらの間が開く。
切割部材26は、反転した第一連結板部30とその上の第一陥入板部28による部分と、反転した第二連結板部31とその上の第二陥入板部29による部分と、に炸裂される。
座面エアバッグ21は、切割部材26が左右に炸裂されてなる一対の板部により左右に大きく開かれた右腿部と左腿部との間から、上へ突出する。
その後、座面エアバッグ21は、図8(C)に示すように、左右に炸裂した第一陥入板部28と第二陥入板部29との間から上へ突出する。
座面エアバッグ21の展開上部22は、シート4の座面から上へ突出した展開下部23の上端において左右の横方向への展開し、右腿部の上側および左腿部の上側に展開する。
また、展開下部23は、右腿部と左腿部との間に展開する。
これにより、衝突の際にシート4の座面の上で前へ滑ろうとする乗員の腰部は、座面エアバッグ21により前および上から押さえられる。乗員の腰部は、シート4の着座位置から移動し難くなる。
次に、乗員保護制御部14は、Gセンサ12の加速度信号に基づいて正面衝突を実際に検出すると、フロントエアバッグ装置15を展開させる。乗員保護制御部14は、フロントエアバッグ装置15のインフレータ17へ点火信号を出力する。これにより、フロントエアバッグ16は、シート4の前側から後向きに展開する。
その後、正面衝突の衝撃入力により、乗員の上体は、前へ倒れる。乗員の上体は、図3に示すように、シート4の着座位置に維持された腰部を軸としてその周りで回転するように前へ倒れる。
なお、上述した乗員保護制御は、正面衝突の可能性を判断したタイミングからではなく、正面衝突を実際に検出したタイミングから座面エアバッグ21を展開させてもよい。
次に、シート4の座面の上が塞がれて、座面エアバッグ21がシート4の座面の上に展開できない場合について説明する。
図9は、シート4の座面の上に展開できない場合の予備的な展開状態の説明図である。
図9(A)において、シート4の座面の上は、たとえばスカートなどにより塞がれている。
この場合、乗員保護制御部14が座面エアバッグ21の展開を開始させた後、座面エアバッグ21は、当初は図9(B)のように上へ展開する。
しかしながら、シート4の座面の上が塞がれているため、その後には、図9(C)に示すように、座面エアバッグ21はシート4の前部の座面下で展開する。その結果、シート4の座面の前部が持ち上がる。
このように、座面エアバッグ21がシート4の上へ展開できない場合に、座面エアバッグ21をシート4内で左右方向へ展開させる。よって、たとえばスカートなどによりシート4の上が塞がれて座面エアバッグ21がシート4の上へ展開できない状況であってもシート4内で座面エアバッグ21を展開させることによりシート4の座面を押し上げることができる。その結果、シート4に着座した乗員の腰部は、前へ滑って移動し難くなる。
なお、本実施形態では、座面エアバッグ21がシート4の上へ展開できない場合に、座面エアバッグ21をシート4内で左右方向へ展開させている。この他にもたとえば、座面エアバッグ21とは別の袋体を設け、その袋体をシート4内で左右方向へ展開させてもよい。
以上のように、本実施形態では、自動車1のシート4の座面の左右方向中央前部の下から上へ向かって座面エアバッグ21が展開する。また、シート4の座面と座面エアバッグ21との間には、シート4に設けられた切割部材26が位置する。そして、座面エアバッグ21が上へ展開することにより切割部材26がシート4の座面の左右方向中央前部に押し付けられて座面を切り裂く。これにより、シート4の座面の左右方向中央前部の下から上へ向かって展開する座面エアバッグ21は、座面の裂け目から座面の上へ展開し、シート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間に展開できる。たとえば展開前にシート4に着座した乗員の右腿部と左腿部との間が閉じていたとしても、それらの間に座面エアバッグ21を押し込んで、座面エアバッグ21を右腿部と左腿部との間に展開することができる。
その結果、座面エアバッグ21を乗員の腰部の前に展開でき、展開した座面エアバッグ21により腰部を前から押さえることができ、腰部をシート4の着座位置に保持することができる。そして、たとえば前面衝突の際に乗員の上体は着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、衝突の際の乗員の上体の挙動は所望のものに近づく。上体が着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れることにより、上体をフロントエアバッグ16により好適に支えて衝撃を吸収することができる。
本実施形態では、シート4の座面の左右方向中央前部には、前後方向へ伸在するように、シート4の座面の他の部分より裂け易く形成された亀裂部27が設けられる。よって、少ない力でシート4の座面を割くことができる。座面エアバッグ21は、高い圧力による上への展開性能を損なわれることなく上へ展開でき、閉じている右腿部と左腿部との間に好適に押し込まれる。
本実施形態では、シート4の座面と座面エアバッグ21との間に位置する切割部材26は、シート4の座面の左右方向中央前部の下側において前後方向に沿ってエッジ32が形成されるように上縁同士が互いに合わされる第一陥入板部28および第二陥入板部29と、シート4の座面の下に陥入部分を形成するようにシート4の座面と第一陥入板部28の下縁との間を連結する第一連結板部30と、シート4の座面の下に陥入部分を形成するようにシート4の座面と第二陥入板部29の下縁との間を連結する第二連結板部31と、を有する。そして、座面エアバッグ21は、上縁同士が互いに合わされた第一陥入板部28と第二陥入板部29とにより形成される略逆V字状の空間へ向かって上へ展開する。これにより、上へ展開する座面エアバッグ21の力で、第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とが互いに合わされてなるエッジ32を、シート4の座面の下に圧接させることができる。シート4の座面を容易に切り裂くことができる。
しかも、略逆V字状に形成された第一陥入板部28の下縁は、第一連結板部30によりシート4の座面と連結され、第二陥入板部29の下縁は、第二連結板部31によりシート4の座面と連結される。したがって、上へ展開する座面エアバッグ21により第一陥入板部28と第二陥入板部29とが押し上げられることにより、第一陥入板部28と第二陥入板部29とは、第一連結板部30および第二連結板部31により両側から押され、更に間隔を狭めるようになる。よって、第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とが互いに合わされてなるエッジ32により、シート4の座面をより確実に切り裂くことができる。
本実施形態では、切割部材26の第一連結板部30と第二連結板部31とは、上縁同士の左右方向の間隔が、下縁同士の左右方向の間隔より狭くなるようにシート4の座面の下に設けられる。よって、第一連結板部30および第二連結板部31も、略逆V字状に配置される。そして、上へ展開する座面エアバッグ21により第一陥入板部28と第二陥入板部29とが押し上げられることにより、第一連結板部30の上縁の周囲で第一連結板部30および第一陥入板部28が回転するとともに第二連結板部31の上縁の周囲で第二連結板部31および第二陥入板部29が回転するようになる。その結果、シート4の座面では、第一連結板部30の上縁と第二連結板部31の上縁との間の部分が左右方向へ引っ張られる。第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とが互いに合わされてなるエッジ32により、シート4の座面をより確実に切り裂くことができる。
また、互いに合わされていた第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とは、それらが逆向きに反転するように動作する。よって、シート4の座面を切り裂いた後に第一陥入板部28の上縁と第二陥入板部29の上縁とは、左右に離れるようになる。
よって、座面エアバッグ21の上への展開により、シート4の座面が押し上げられ、さらに切割部材26を左右に分割するようにしてシート4の座面を割き、その状態で座面エアバッグ21を第一陥入板部28と第二陥入板部29との間から上へ向かって展開することができる。
これにより、右腿部と左腿部とを、座面エアバッグ21が展開する前に、座面エアバッグ21が展開しようとする範囲から左右両側へ開いて逃がすことができる。
このように、確実に右腿部と左腿部と開いて、座面エアバッグ21が腿部へ向かって当たるように展開し難くなる。
本実施形態では、座面エアバッグ21は、シート4の座面の上へ展開しない場合、シート4の下で左右方向へ展開する。その結果、シート4の座面が押し上がり、乗員の腰部が前へ滑って移動し難くなる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
1…自動車(車両)、2…乗員室、3…車体、4…シート、5…ドア、6…ダッシュボード、7…センターコンソール、10…乗員保護装置、11…乗員位置センサ、12…Gセンサ、13…タイマ、14…乗員保護制御部、15…フロントエアバッグ装置、16…フロントエアバッグ、17…インフレータ、18…三点式シートベルト装置、19…シートベルト、20…座面エアバッグ装置、21…座面エアバッグ、22…展開上部、23…展開下部、24…インフレータ、25…エアバッグ本体、26…切割部材、27…亀裂部、28…第一陥入板部、29…第二陥入板部、30…第一連結板部、31…第二連結板部、32…エッジ、40…自動運転制御装置、41…車外撮像センサ、42…自動運転制御部、43…操舵アクチュエータ、44…ブレーキアクチュエータ、45…動力源。

Claims (4)

  1. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって展開する座面エアバッグと、
    前記シートの座面と座面エアバッグとの間に位置するように前記シートに設けられ、前記座面エアバッグが上へ展開することにより前記シートの座面の左右方向中央部に押し付けられて切り裂く切割部材と、
    を有し、前記シートの座面の左右方向中央部には、前後方向へ伸在するように前記シートの座面の他の部分より裂け易く形成された亀裂部が設けられる、
    乗員保護装置。
  2. 前記切割部材は、
    前記シートの座面の左右方向中央部の下側において前後方向に沿ってエッジが形成されるように上縁同士が互いに合わされる第一陥入板部および第二陥入板部と、
    前記シートの座面の下に陥入部分を形成するように前記シートの座面と前記第一陥入板部の下縁との間を連結する第一連結板部と、
    前記シートの座面の下に陥入部分を形成するように前記シートの座面と前記第二陥入板部の下縁との間を連結する第二連結板部と、
    を有し、
    前記座面エアバッグは、上縁同士が互いに合わされた前記第一陥入板部と前記第二陥入板部とにより形成される略逆V字状の空間へ向かって上へ展開する、
    請求項1記載の乗員保護装置。
  3. 前記第一連結板部と前記第二連結板部とは、前記シートの座面の裏側に取り付けられる上縁同士の左右方向の間隔が、下縁同士の左右方向の間隔より狭くなるように前記シートの座面の下に設けられる、
    請求項2記載の乗員保護装置。
  4. 車両のシートの座面の左右方向中央部の下から上へ向かって展開することにより、前記シートの座面の上において左右方向へ展開可能な座面エアバッグと、
    前記シートの座面と座面エアバッグとの間に位置するように前記シートに設けられ、前記座面エアバッグが上へ展開することにより前記シートの座面の左右方向中央部に押し付けられて切り裂く切割部材と、
    を有し、
    前記座面エアバッグは、前記シートの座面の上へ展開できない場合、前記シートの下で左右方向へ展開する
    員保護装置。
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