JP6782545B2 - 異常判定装置、異常判定方法及びプログラム - Google Patents

異常判定装置、異常判定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、異常判定装置、異常判定方法及びプログラムに関する。
鉄道及び新交通システムなど軌道の切替が行われる交通システムでは、軌道の切替が正しく行われることが、安全性の確保及びダイヤの正確性の確保のために重要である。そこで、軌道の切替部分の障害を検出するための幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の転てつ機用状態監視装置は、スイッチアジャスタの歪みを監視し、歪みの検出値を転換力に変換して出力又は表示する。また、特許文献1には、出力又は表示された転換力と、転てつ機が正常であるときに事前に計測された基準転換力との比較により状態監視を行うことが記載されている。
特許第5343294号公報
軌道の切替部分に障害が発生した場合、速やかに障害を解消するために、障害の発生個所を速やかに把握することが重要である。交通システムの場合、使用される装置の数が多く、また、広域にわたって装置が設置されるため、障害発生個所を速やかに把握することが特に重要である。
本発明は、軌道の切替部分に障害が発生した場合に、障害の発生個所を把握するための情報を得られる異常判定装置、異常判定方法及びプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によれば、異常判定装置は、向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定する異常判定装置が、前記駆動装置が出力する前記転換力を測定する転換力測定部と、前記駆動装置に供給される電圧を測定する電圧測定部と、前記駆動装置を流れる電流を測定する電流測定部と、前記転換力の大きさと、前記電圧の大きさと、前記電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。
前記異常判定装置は、車両の走行経路に沿って前記走行経路の左右それぞれに設けられた前記分岐レールの変位を、左右の分岐レールそれぞれについて測定する変位測定部をさらに備え、前記異常判定部は、左の前記分岐レールの変位と右の前記分岐レールの変位との差に基づいて、前記分岐レールの異常の有無を判定するようにしてもよい。
本発明の第2の態様によれば、異常判定方法は、向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定する異常判定装置が、前記駆動装置が出力する前記転換力を測定し、前記駆動装置に供給される電圧を測定し、前記駆動装置を流れる電流を測定し、前記転換力の大きさと、前記電圧の大きさと、前記電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する。
本発明の第3の態様によれば、プログラムは、向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定するコンピュータに、前記駆動装置が出力する前記転換力の大きさと、前記駆動装置に供給される電圧の大きさと、前記駆動装置を流れる電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定させるためのプログラムである。
上記した異常判定装置、異常判定方法及びプログラムによれば、軌道の切替部分に障害が発生した場合に、障害の発生個所を把握するための情報を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る異常判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態に係る車両が直進する場合の分岐レールの向きの例を示す説明図である。 同実施形態に係る車両が直進する場合の分岐レールの位置の例を示す説明図である。 同実施形態に係る車両が左へ曲がる場合の分岐レールの向きの例を示す説明図である。 同実施形態に係る車両が左へ曲がる場合の分岐レールの位置の例を示す説明図である。 同実施形態に係る荷重センサの設置位置の例を示す説明図である。 同実施形態における電流及び電圧の測定箇所の例を示す説明図である。 同実施形態に係る変位センサの設置位置の例を示す説明図である。 同実施形態に係る荷重センサ111の測定値及び変位センサ141の測定値の例を示すグラフである。 同実施形態に係る異常判定部が判定する異常及び異常発生個所の例を示す説明図である。 同実施形態に係る分岐装置による可変分岐レールの転換の経時的変化の例を示すグラフである。 同実施形態に係る異常判定部が1種類の測定値と閾値との比較にて異常の有無を判定する例を示すグラフである。 同実施形態に係る異常判定部が2種類の測定値と閾値との比較にて異常の有無を判定する例を示すグラフである。 同実施形態に係る異常判定部が異常の有無を判定する順序の例を示す説明図である。 同実施形態における異常の傾向を示す測定値の履歴の第1の例を示すグラフである。 同実施形態における異常の傾向を示す測定値の履歴の第2の例を示すグラフである。 同実施形態に係る異常判定装置が分岐装置に関する異常の判定を行う処理手順の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る異常判定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、異常判定装置1は、測定部100と、異常判定装置本体200とを備える。測定部100は、転換力測定部110と、電流測定部120と、電圧測定部130と、変位測定部140と、駆動装置温度測定部150と、環境温度測定部160とを備える。異常判定装置本体200は、測定結果取得部210と、操作入力部220と、表示部230と、記憶部280と、制御部290とを備える。記憶部280は、測定結果記憶部281を備える。制御部290は、異常判定部291を備える。
異常判定装置1は、分岐装置に関する異常の有無を判定する。ここでいう分岐装置は、例えば新交通システム(案内軌条式鉄道)に用いられて、分岐レールの向きを切り替える電動の装置である。
但し、異常判定装置1が対象とする分岐装置は、新交通システムの分岐装置に限らない。分岐レールの向きを切り替えることで車両の走行経路を切り替えるいろいろな交通システムに用いられる電動の分岐装置の監視に異常判定装置1を用いることができる。
ここで、図2〜図5を参照して、分岐装置が行う分岐レールの切替について説明する。具体的には、軌道の分岐点で車両が直進する場合と左側へ曲がる場合とでの分岐装置による分岐レールの向きの変化の例について説明する。
図2は、車両が直進する場合の分岐レールの向きの例を示す説明図である。同図は、軌道の分岐点を走行する車両を上(上空側)から見た様子を示している。
同図に示す新交通システム700は、軌道800と、車両900とを備える。軌道800は、路面810と、ガイドレール820と、分岐レール830と、分岐装置840とを備える。分岐レール830は、固定分岐レール831と可変分岐レール832とを備える。分岐装置840は、駆動装置841とロッド842とを備える。車両900は、車両本体910と、支持物920と、案内輪930と、分岐輪940と、走行用タイヤ950とを備える。
また、車両900の進行方向を矢印B11で示している。
軌道800は、車両900の走行経路を構成する。
路面810は、車両900が走行する面である。路面810は、例えばコンクリートの表面にておよそ水平に形成されている。車両900は、路面810に接している走行用タイヤ950を回転させることで路面810上を走行する。
ガイドレール820は、車両900が路面810上を走行するように車両900の向きを制約する。図2の例では、ガイドレール820は軌道800の両側それぞれ(路面810の両脇それぞれ)に設けられており、車両900は、案内輪930をガイドレール820に当てながら(当接させながら)走行する。これにより、車両900は路面810上から逸脱しないように向きを制約される。
分岐レール830は、は、軌道800の分岐箇所に設けられており、分岐箇所を走行する車両900を分岐先のいずれかの軌道へと導く。
図2の例では、軌道800の分岐先のそれぞれに固定分岐レール831が設置されており、固定分岐レール831それぞれの手前(車両900の進行方向に向かって後ろ側)に可変分岐レール832が設置されている。具体的には、車両900が直進する際の分岐先の軌道の右側(車両900の進行方向に向かって右側)に固定分岐レール831が設置され、その固定分岐レール831の手前に可変分岐レール832が設置されている。また、車両900が左へ曲がる際の分岐先の軌道の左側(車両900の進行方向に向かって左側)に固定分岐レール831が設置され、その固定分岐レール831の手前に可変分岐レール832が設置されている。
以下では、車両900の進行方向に向かって左側に位置する固定分岐レール831、可変分岐レール832を、それぞれ左固定分岐レール831a、左可変分岐レール832aと称する。また、車両900の進行方向に向かって右側に位置する固定分岐レール831、可変分岐レール832を、それぞれ右固定分岐レール831b、右可変分岐レール832bと称する。図2の例で、左可変分岐レール832aは、回転中心P11を回転軸として向きを可変に設置されている。右可変分岐レール832bは、回転中心P12を回転軸として向きを可変に設置されている。
分岐装置840は、可変分岐レール832の向きを変化させることで車両900の走行経路を切り替える。
駆動装置841は、可変分岐レール832の向きを切り替える転換力を出力する。ここで、可変分岐レール832の転換とは、車両の走行経路を切り替えるために、可変分岐レール832の向きを切り替えることである。
ロッド842は、駆動装置841からの転換力を可変分岐レール832に伝達する。具体的には、駆動装置841は、転換力を生成するモータを備える。このモータが回転することで、駆動装置841は、ロッド842をおよそロッド842の長手方向に移動させる。ロッド842には、左可変分岐レール832a、右可変分岐レール832bがそれぞれ結合されており、ロッド842移動することで左可変分岐レール832a、右可変分岐レール832bそれぞれが向きを変える。
図2の例では、左可変分岐レール832aが端部P21を軌道800の外側寄りに向け、右可変分岐レール832bが端部P22を軌道800の内側寄りに向けている。端部P21は、左可変分岐レール832aの長手方向の両端のうち、回転中心P11と反対側の端部である。端部P22は、右可変分岐レール832bの長手方向の両端のうち、回転中心P12と反対側の端部である。
車両900は、軌道800が構成する走行経路を走行する。車両900は、例えば乗客又は貨物を搬送する。
車両本体910は、例えば乗客又は貨物など搬送対象を収容する。また、車両本体910の下部には走行用タイヤ950が設けられている。また、車両本体910から両横に突出して支持物920が設けられている。
支持物920は、案内輪930及び分岐輪940を支持している。具体的には、支持物920の左右それぞれの端部に、案内輪930及び分岐輪940が設けられている。支持物920は、案内輪930及び分岐輪940と車両本体910との間隔をおよそ一定に保っている。
案内輪930は、上述したように、車両900が走行する際にガイドレール820に当たることで、車両900が路面810上を走行するように車両900の向きを制約する。
分岐輪940は、軌道800の分岐箇所にて分岐レール830に沿って移動することで、車両900を分岐先の軌道800のいずれかへ導く。図2の例では、車両900の右側(車両900の進行方向に向かって右側)の分岐輪940が右可変分岐レール832b及び右固定分岐レール831bに沿って移動することで、車両900を直進させている。
走行用タイヤ950は、車両本体910の下側(路面810に近い側)に設けられ、路面810に接している。走行用タイヤ950が回転することで、車両900移動(走行)する。
図3は、車両が直進する場合の分岐レールの位置の例を示す説明図である。図3は、車両900の進行方向の後ろ側から見た場合の、図2の線L11の位置における分岐輪940と可変分岐レール832との位置関係を示している。図3では、図2の各部のうち、路面810と、ガイドレール820と、左可変分岐レール832aと、右可変分岐レール832bと、車両本体910と、支持物920と、案内輪930と、分岐輪940とが示されている。
図3に示すように、可変分岐レール832の内側(反対側の可変分岐レール832に近い側)には内壁833が設けられている。分岐輪940が内壁833よりも外側に位置する場合、この分岐輪940は、車両900の走行に伴って可変分岐レール832に沿って移動する。一方、分岐輪940が内壁833よりも内側に位置する場合、この分岐輪940は、可変分岐レール832に拘束されない。
固定分岐レール831についても同様である。
図3の例では、車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bの内壁833よりも外側に位置している。これにより、図2に示すように車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bに沿って移動する。
一方、図3の例では、車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aの内壁833よりも内側に位置している。これにより、図2に示すように車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aから離れて移動し得る。
これにより、図2に示すように、車両900は右可変分岐レール832bに沿って移動することで直進する。
図2を参照して説明したように、左可変分岐レール832aが、端部P21を軌道800の外側寄りに向けている。このため、図3では、左可変分岐レール832aが軌道800の外側寄りに位置し、右可変分岐レール832bが軌道800の内側寄りに位置している。特に、左可変分岐レール832aがガイドレール820の下に位置しているのに対し、右可変分岐レール832bはガイドレール820よりも内側(軌道800の内側寄り)に位置している。
これにより、車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aの内壁833よりも内側に位置するようになる。
一方、右可変分岐レール832bは、端部P22を軌道800の内側寄りに向けている。これにより、車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bの内壁833よりも外側に位置するようになる。
図4は、車両が左へ曲がる場合の分岐レールの向きの例を示す説明図である。同図は、軌道の分岐点を走行する車両を上(上空側)から見た様子を示している。
図4に示す構成は図2の場合と同様である。図4の各部に対応する図2の各部と同一の符号(700、800、810、820、830、831、831a、831b、832、832a、832b、840、841、842、900、910、920、930、940、950)を付して説明を省略する。また、図4に示す回転中心P11及びP12も、図2の場合と同様であり、説明を省略する。
図4の例では、左可変分岐レール832aの向き及び右可変分岐レール832bの向きが図2の場合と異なっている。図4の例では、左可変分岐レール832aが端部P21を軌道800の内側寄りに向け、右可変分岐レール832bが端部P22を軌道800の外側寄りに向けている。
また、図2の例では、車両900の右側の分岐輪940が右可変分岐レール832b及び右固定分岐レール831bに沿って移動しているのに対し、図4の例では、車両900の左側の分岐輪940が左可変分岐レール832a及び左固定分岐レール831aに沿って移動している。これにより、車両900が左へ曲がっている。図4における車両900の進行方向を矢印B12で示している。
図5は、車両が左へ曲がる場合の分岐レールの位置の例を示す説明図である。図5は、車両900の進行方向の後ろ側から見た場合の、図4の線L12の位置における分岐輪940と可変分岐レール832との位置関係を示している。図5では、図4の各部のうち、路面810と、ガイドレール820と、左可変分岐レール832aと、右可変分岐レール832bと、車両本体910と、支持物920と、案内輪930と、分岐輪940とが示されている。
図5に示す構成は図3の場合と同様である。図5の各部に対応する図3の各部と同一の符号(700、800、810、820、830、832、832a、832b、833、900、910、920、930、940)を付して説明を省略する。
図5の例では、可変分岐レール832の位置が図3の場合と異なっており、これによって可変分岐レール832と分岐輪940との位置関係も図3の場合と異なっている。
具体的には、図5の例では、車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aの内壁833よりも外側に位置している。これにより、図4に示すように車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aに沿って移動する。
一方、図5の例では、車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bの内壁833よりも内側に位置している。これにより、図4に示すように車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bから離れて移動し得る。
これにより、図4に示すように、車両900は左可変分岐レール832aに沿って移動することで左へ曲がる。
図4を参照して説明したように、右可変分岐レール832bが、端部P22を軌道800の外側寄りに向けている。このため、図5では、右可変分岐レール832bが軌道800の外側寄りに位置し、左可変分岐レール832aが軌道800の内側寄りに位置している。特に、右可変分岐レール832bがガイドレール820の下に位置しているのに対し、左可変分岐レール832aはガイドレール820よりも内側(軌道800の内側寄り)に位置している。
これにより、車両900の進行方向右側の分岐輪940は、右可変分岐レール832bの内壁833よりも内側に位置するようになる。
一方、左可変分岐レール832aは、端部P21を軌道800の内側寄りに向けている。これにより、車両900の進行方向左側の分岐輪940は、左可変分岐レール832aの内壁833よりも外側に位置するようになる。
測定部100は、駆動装置841又はその近傍に設置された各種センサを用いて駆動装置841に関する各種データを測定する。
転換力測定部110は、駆動装置841が出力する転換力の向き及び大きさを測定する。具体的には、転換力測定部110は、ロッド842に設置された荷重センサを備え、転換時にロッド842にかかる荷重を測定する。
転換力測定部110が備える荷重センサとして、例えば歪ゲージ(歪ゲージ式ロードセル)を用いることができる。この場合、転換力測定部110は、例えば電池等の電源を備えて歪ゲージに直流電圧を印加する。ロッド842の圧縮又は引張に伴って歪ゲージが圧縮又は引張されて抵抗値が変化すると、歪ゲージを流れる電流が変化する。転換力測定部110は、この歪ゲージを流れる電流をアンプで較正することにより、駆動装置841が出力する転換力の向き及び大きさを測定する。
図6は、荷重センサの設置位置の例を示す説明図である。同図に示す各部のうち、図2の各部と同一の部分には同一の符号(700、800、810、820、830、831、831a、831b、832、832a、832b、840、841、842、900、910、920、930、940、950)を付して説明を省略する。
図6の例では、図2に示された各部に加えて、転換力測定部110の荷重センサ111が示されている。具体的には、ロッド842に荷重センサ111が設けられている。荷重センサ111として歪ゲージを用いる場合、図6のようにロッド842に荷重センサ111(歪ゲージ)を貼り付けてロッド842の圧縮又は引張を検出することで、上記のように駆動装置841が出力する転換力の向き及び大きさを測定することができる。
但し、転換力測定部110が備える荷重センサは、歪ゲージに限らない、転換力測定部110が、静電容量型ロードセルなど歪ゲージ以外のセンサを備えるようにしてもよい。
あるいは、転換力測定部110が、転換力を出力するモータの負荷(例えば負荷トルク)を測定することで、転換力を測定するようにしてもよい。
電流測定部120は電流センサを備え、駆動装置841を流れる電流を測定する。
電圧測定部130は電圧センサを備え、駆動装置841に供給される電圧を測定する。
図7は、電流及び電圧の測定箇所の例を示す説明図である。同図の例では、電圧測定部130の電圧センサ131は、駆動装置841に電力を供給する電源850の電圧を測定する。また、電流測定部120の電流センサ121は、電源850から駆動装置841への電流を測定する。すなわち、電流センサ121、電圧センサ131は、それぞれ、駆動装置841の電源電流、電源電圧を測定する。
但し、駆動装置841を流れる電流の測定箇所、及び、駆動装置841に供給される電圧の測定箇所は、これに限らない。例えば、電流測定部120の電流センサ121が駆動装置841の内部に設けられ、上述した転換力を生成するモータを流れる電流を測定するようにしてもよい。また、電圧測定部130の電圧センサ131が駆動装置841の内部に設けられ、このモータに印加される電圧を測定するようにしてもよい。
変位測定部140は変位センサを備え、分岐レール830の変位を、左右の分岐レール830それぞれについて測定する。
図8は、変位センサの設置位置の例を示す説明図である。同図に示す各部のうち、図3の各部と同一の部分には同一の符号(700、800、810、820、830、832、832a、832b、833、900、910、920、930、940)を付して説明を省略する。
図8の例では、図3に示された各部に加えて、変位測定部140の変位センサ141と、変位センサ141を支持する支柱860とが示されている。具体的には、左右両方の可変分岐レール832の外側にそれぞれ支柱860が設けられ、それぞれの支柱860に変位センサ141が設けられている。
変位センサ141として、変位センサ141自らと可変分岐レール832との距離、又は、変位センサ141自らと可変分岐レール832との距離の変化を測定可能ないろいろなセンサを用いることができる。例えば、変位センサ141は、渦電流式のセンサであってもよいし、レーザ式、超音波式、又は、ワイヤ式のセンサであってもよい。
以下では、車両900の進行方向に向かって左側の支柱860に設けられている変位センサ141を左変位センサ141aと称する。また、車両900の進行方向に向かって右側の支柱860に設けられている変位センサ141を右変位センサ141bと称する。
変位測定部140は、左変位センサ141aと左可変分岐レール832aとの距離の変化を検出することで、左可変分岐レール832aの変位(左可変分岐レール832aの位置の変化)を検出する。同様に、変位測定部140は、右変位センサ141bと右可変分岐レール832bとの距離の変化を検出することで、右可変分岐レール832bの変位(右可変分岐レール832bの位置の変化)を検出する。
図9は、荷重センサ111の測定値及び変位センサ141の測定値の例を示すグラフである。同図は、可変分岐レール832が正常に動作している場合の例を示している。
図9の線L21は、荷重センサ111による可変分岐レール832の転換時の荷重の測定値(駆動装置841が出力する転換力の測定値)の例を示す。線L21のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は荷重を示す。
線L22は、左変位センサ141aによる左可変分岐レール832aの変位の例を示す。線L22のグラフの横軸は、線L21のグラフの横軸と同じ時刻を示し、縦軸は変位を示す。縦軸の下側ほど、左可変分岐レール832aが左変位センサ141aに近いことを示し、縦軸の上側ほど、左可変分岐レール832aが左変位センサ141aから遠いことを示す。
線L23は、右変位センサ141bによる右可変分岐レール832bの変位の例を示す。線L23のグラフの横軸は、線L21のグラフの横軸と同じ時刻を示し、縦軸は変位を示す。縦軸の下側ほど、右可変分岐レール832bが右変位センサ141bに近いことを示し、縦軸の上側ほど、右可変分岐レール832bが右変位センサ141bから遠いことを示す。
時刻T11では、図4及び図5の例のように、左可変分岐レール832aが端部P21を軌道800の内側寄りに向け、右可変分岐レール832bが端部P22を軌道800の外側寄りに向けた状態になっている。このため、線L22に示されるように、左可変分岐レール832aが左変位センサ141aから比較的遠い位置にある。一方、線L23に示されるように、右可変分岐レール832bが右変位センサ141bに比較的近い位置にある。
時刻T11から時刻T12までの間、線L21に示されるように、駆動装置841が転換力を出力し、ロッド842がこの転換力を左可変分岐レール832a及び右可変分岐レール832bの各々に伝達している。これにより、線L22示されるように、左可変分岐レール832aは、左変位センサ141aに近づくように向きを変える動作を行っている。また、線L23に示されるように、右可変分岐レール832bは、右変位センサ141bから遠ざかるように向きを変える動作を行っている。
時刻T12では、図2及び図3の例のように、左可変分岐レール832aが端部P21を軌道800の外側寄りに向け、右可変分岐レール832bが端部P22を軌道800の内側寄りに向けた状態になっている。このため、線L22に示されるように、左可変分岐レール832aが左変位センサ141aに比較的近い位置にある。一方、線L23に示されるように、右可変分岐レール832bが右変位センサ141bから比較的遠い位置にある。
時刻T12から時刻T13までの間、線L21に示されるように、駆動装置841は転換力の出力を停止しており、左可変分岐レール832a及び右可変分岐レール832bは、図2及び図3に示される状態を維持している。
時刻T13から時刻T14までの間、線L21に示されるように、駆動装置841が転換力を出力し、ロッド842がこの転換力を左可変分岐レール832a及び右可変分岐レール832bの各々に伝達している。時刻T13から時刻T14では、駆動装置841は、時刻T11から時刻T12までの間の場合と逆向きの転換力を出力している。これにより、線L22示されるように、左可変分岐レール832aは、左変位センサ141aから遠ざかるように向きを変える動作を行っている。また、線L23に示されるように、右可変分岐レール832bは、右変位センサ141bに近づくように向きを変える動作を行っている。
時刻T14では、時刻T11の場合と同様、図4及び図5の例のように、左可変分岐レール832aが端部P21を軌道800の内側寄りに向け、右可変分岐レール832bが端部P22を軌道800の外側寄りに向けた状態になっている。
時刻T14の後、線L21に示されるように、駆動装置841は転換力の出力を停止しており、左可変分岐レール832a及び右可変分岐レール832bは、図4及び図5に示される状態を維持している。
駆動装置温度測定部150は、分岐装置840の温度を測定する。例えば、駆動装置温度測定部150は、上述した転換力を生成するモータ内又は当該モータの外面に設けられ、当該モータの温度を測定する。
環境温度測定部160は、例えば外気温を測定するなど、監視対象である分岐箇所における環境温度を測定する。
なお、測定部100が、必ずしも転換力測定部110、電流測定部120、電圧測定部130、変位測定部140及び駆動装置温度測定部150の全てを備えている必要はなく、これらのうち2つ以上を備えていればよい。例えば、測定部100が、転換力測定部110と、電流測定部120と、電圧測定部130とを備えるが、変位測定部140と駆動装置温度測定部150とを備えていない構成になっていてもよい。
異常判定装置本体200は、測定部100による測定値に基づいて分岐装置840の異常を検知する。異常判定装置本体200は例えばコンピュータを用いて構成される。
測定結果取得部210は、測定部100による各種測定値を取得する。測定結果取得部210は、例えば異常判定装置本体200が備える通信回路を含んで構成され、異常判定装置本体200と測定部100との通信インタフェースとして機能する。
操作入力部220は、例えばキーボード及びマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。
表示部230は、例えば液晶パネル又はLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示面を備え、各種画像を表示する。特に、表示部230は、異常判定部291が分岐装置840の異常の有無および異常発生箇所を判定した判定結果を表示する。
記憶部280は、異常判定装置本体200が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種データを記憶する。
測定結果記憶部281は、測定部100による各種測定値を記憶する。例えば、測定結果記憶部281は、測定部100の各部が測定した測定値の履歴を、測定を行った機能部毎に、かつ、測定時刻を示す情報と対応付けて記憶する。
制御部290は、異常判定装置1の各部を制御して各種処理を実行する。制御部290は、例えば異常判定装置1が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部280からプログラムを読み出して実行することで構成される。
異常判定部291は、転換力測定部110による転換力の測定値と、電流測定部120による電流の測定値と、電圧測定部130による電圧の測定値とに基づいて異常の有無を判定する。特に、異常判定部291は、分岐レール830における異常と、駆動装置841における異常と、駆動装置841への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する。
図10は、異常判定部291が判定する異常及び異常発生個所の例を示す説明図である。同図に示すように、異常判定部291は、測定項目と検出された異常とに基づいて、原因と異常発生個所とを判定する。そして、異常判定部291は、判定した原因及び異常発生個所を示すメッセージを表示部230に表示させる。以下では、表示部230が表示する異常を知らせるメッセージをアラームと称する。
図10に示すように、変位測定部140が測定する変位が所定の変位量に満たない場合(すなわち、可変分岐レール832の転換が不完全な場合)、異常判定部291は、可変分岐レール832に異物が混入し、可変分岐レール832が異物を噛み込んで変位が不十分になっている可能性ありと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を可変分岐レール832と判定する。
また、左右の変位量が相違する場合、可変分岐レール832とロッド842との締結が緩んでいる可能性ありと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を可変分岐レール832と判定する。ここで、左右の変位量が相違する場合の例として、左変位センサ141aが測定した変位量の大きさと右変位センサ141bが測定した変位量の大きさとの差が所定の閾値以上である場合が挙げられる。
このように、異常判定部291は、左可変分岐レール832aの変位と右可変分岐レール832bの変位との差に基づいて、可変分岐レール832の異常の有無を判定する。
また、変位測定部140が測定する変位に所定の閾値以上のオフセットが生じている場合、異常判定部291は、可変分岐レール832又はロッド842が変形している可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を可変分岐レール832と判定する。
また、可変分岐レール832の切替速度が所定の閾値よりも小さい場合、異常判定部291は、可変分岐レール832が錆又は凍結等で固渋している可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を可変分岐レール832と判定する。
ここでいう可変分岐レール832の切替速度は、可変分岐レール832の向きを切り替える際の、可変分岐レール832の変位の速さである。例えば、異常判定部291は、変位センサ141が測定する可変分岐レール832の変位を時間で除算して、可変分岐レール832の切替速度を算出する。
また、転換力測定部110が測定する転換力が所定の閾値よりも大きい場合(従って、駆動装置841が可変分岐レール832の向きを切り替える際の抵抗が増加している場合)、異常判定部291は、可変分岐レール832が錆又は凍結等で固渋している可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を可変分岐レール832と判定する。
また、電圧測定部130が測定する電圧が所定の上限閾値より大きい場合、又は、所定の下限閾値よりも小さい場合、異常判定部291は、電源の不具合の可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を電源と判定する。
また、電流測定部120が測定する電流が所定の閾値よりも小さい場合、異常判定部291は、駆動装置841内の断線又は接触不良など、駆動装置841の故障の可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を駆動装置841と判定する。
また、電流測定部120が測定する電流が所定の上限閾値より大きい場合、又は、所定の下限閾値よりも小さい場合、異常判定部291は、電源の不具合の可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を電源と判定する。
なお、電流測定部120が測定する電流が所定の閾値よりも小さい場合、異常判定部291は、電圧測定部130が測定する電圧の異常の有無に基づいて、原因及び異常発生個所の切り分けを行う。具体的には、電圧測定部130が測定する電圧に異常があると判定した場合、異常判定部291は、電源の不具合の可能性有りと判定し、異常発生個所を電源と判定する。一方、電圧測定部130が測定する電圧に異常がないと判定した場合、異常判定部291は、駆動装置841の故障の可能性有りと判定し、異常発生個所を駆動装置841と判定する。
また、駆動装置温度測定部150が測定する温度が所定の第一閾値よりも高い場合、異常判定部291は、駆動装置841の故障の前兆の可能性有りと判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を駆動装置841と判定する。
また、駆動装置温度測定部150が測定する温度が所定の第二閾値よりも高い場合、異常判定部291は、駆動装置841内部で焼損が起きている可能性があると判定する。この場合、異常判定部291は、異常発生個所を駆動装置841と判定する。ここで、第二閾値は、第一閾値よりも高い温度に設定されている。
また、異常判定部291は、環境温度測定部160が測定する環境温度を凍結の有無の判定に用いる。例えば、転換力測定部110が測定する転換力が所定の閾値よりも大きく、かつ、環境温度測定部160が測定する環境温度(例えば気温)が0℃よりも低い場合、異常判定部291は、可変分岐レール832が凍結して固渋している可能性有りと判定する。
ここで、異常判定部291が、転換力測定部110による転換力の測定値、電流測定部120による電流の測定値、及び、電圧測定部130による電圧の測定値のうち少なくともいずれか1つの経時的変化に基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。
ここでいう経時的変化は、例えば経年変化(年単位など比較的長い時間の経過による変化)である。あるいは、数カ月の経過など比較的短い時間の経過による変化であってもよい。
図11は、分岐装置840による可変分岐レール832の転換(向きの切替)の経時的変化の例を示すグラフである。同図に示すグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は検出量(荷重、切替時間、又は、切替速度)を示す。
線L31は、荷重センサ111が検出する荷重の経時的変化の例を示している。この荷重センサ111が検出する荷重は、図10を参照して説明した転換力測定部110が測定する転換力の例に該当する。
上述したように、可変分岐レール832が錆等で固渋した場合、或いは、可変分岐レール832が異物を噛み込んだ場合、荷重センサ111が測定する荷重が増加する。また、可変分岐レール832が凍結等で固渋した場合も、荷重センサ111が測定する荷重が増加する。
この荷重の増加は、転換力を出力するモータの負荷の増加を示している。モータの負荷が高い状態は故障の原因につながる。そこで、異常判定部291は、荷重が大きい状態を検出すると表示部230に、可変分岐レール832の異常の可能性を示して点検を促すメッセージ(アラーム)を表示させる。
例えば、測定結果記憶部281が、図11の時刻T21にて荷重センサが測定した荷重を記憶しておく。そして、異常判定部291は、この時刻T21における荷重を基準として、荷重センサ111の測定値が、この基準よりも所定の荷重以上大きくなったことを検出すると、表示部230にアラームを表示させる。
線L32は、可変分岐レール832の切替時間の経時点変化の例を示している。ここでいう可変分岐レール832の切替時間は、車両の進行方向を切り替えるために可変分岐レール832の向きを切り替えるのに要する時間である。例えば、可変分岐レール832を図2の状態から図4の状態に切り替えるのに要する時間が、可変分岐レール832の切替時間の例に該当する。また、可変分岐レール832を図4の状態から図2の状態に切り替えるのに要する時間も、可変分岐レール832の切替時間の例に該当する。
異常判定部291は、例えば、荷重センサ111による荷重の測定値に基づいて、可変分岐レール832の切替時間を検出する。例えば、異常判定部291は、図9の時刻T11から時刻T12までの間、または、時刻T13から時刻T14までの間のように、荷重センサ111が転換力を検出し始めてから検出し終わるまでの時間を、可変分岐レール832の切替時間として検出する。
例えば、可変分岐レール832が錆等で固渋した場合、或いは、可変分岐レール832が異物を噛み込んだ場合、上記のように荷重センサ111が測定する荷重が増加するとともに、可変分岐レール832の切替時間も長くなる。
そこで、異常判定部291が、荷重の増加に代えて、可変分岐レール832の切替時間の増加を検出するようにしてもよい。
線L33は、可変分岐レール832の切替速度の経時的変化の例を示している。上述したように、例えば異常判定部291は、変位センサ141が測定する可変分岐レール832の変位を時間で除算して、可変分岐レール832の切替速度を算出する。
線L33に示される可変分岐レール832の切替速度が遅いほど、線L32に示される可変分岐レール832の切替時間が長くなる。そこで、異常判定部291が、荷重の増加、可変分岐レール832の切替時間の増加及び可変分岐レール832の切替速度の低下のうち、いずれか1つのみを検出するようにしてもよい。
あるいは、異常判定部291が、荷重の増加又は可変分岐レール832の切替時間の増加と、可変分岐レール832の切替速度の低下とを検出するようにしてもよい。これにより、荷重センサ111又は変位センサ141のいずれかが故障した場合でも、可変分岐レール832の異常を検知し得る。
このように、異常判定部291が、過去の測定値を基準として異常の有無を判定することで、測定値の経時的変化に基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。過去の測定値を基準として異常判定の閾値を設定することで、異常判定部291は、装置の個体差に応じた閾値を設定することができる。この閾値を用いることで、異常判定部291は、より高精度に異常の有無を判定することができる。
なお、異常判定部291が、1種類の測定値と閾値との比較にて異常の有無を判定するようにしてもよいし、複数種類の測定値の組み合わせと閾値の組み合わせとの比較にて異常の有無を判定するようにしてもよい。この点について図12及び図13を参照して説明する。
図12は、異常判定部291が1種類の測定値と閾値との比較にて異常の有無を判定する例を示すグラフである。同図の横軸は時刻を示し、縦軸は電圧を示す。線L41は、電圧測定部130が測定する電圧の例を示す。
また、図12の電圧V11は、電圧測定部130が測定する電圧の基準値を示し、電圧V11を含む領域A11は、異常判定部291が正常と判定する範囲を示す。
図11を参照して説明したように、測定結果記憶部281が記憶している過去の測定値を基準値(図12では電圧V11)として、異常判定部291が、この基準値から所定の範囲を正常の範囲(図12では領域A11)に設定するようにしてもよい。あるいは、記憶部280が、正常の範囲を予め記憶しておくようにしてもよい。
異常判定部291は、測定値が正常の範囲を逸脱したと判定すると、測定値の種類に応じたアラームを表示部230に表示させる。
図12の例では、時刻T31までは、電圧測定部130による電圧測定値が正常の範囲内(領域A11の範囲内)にある。一方、時刻T31より後は、電圧測定部130による電圧測定値が正常の範囲内を逸脱している。ここで、図12の例のように電圧測定部130による電圧測定値が上昇する原因として、電源の異常が考えられる。
そこで、記憶部280が、異常を示す測定値の種類と異常の原因との対応関係を示す情報を予め記憶しておく。そして、異常判定部291は、測定値と閾値との比較で異常ありと判定すると、記憶部280が記憶している情報に基づいて、異常の原因に応じたアラームを表示部230に表示させる。
図12の例の場合、時刻T31より後のある時点で、電圧測定値が正常値の上限(閾値)よりも大きいと判定すると、異常判定部291は、記憶部280が記憶している情報に基づいて、電源の異常を示して点検を促すアラームを表示部230に表示させる。
なお、図12では、電圧測定部130が測定する電圧を例に説明したが、異常判定部291が、閾値に基づいて異常の有無を判定する対象は電圧に限らない。転換力測定部110が測定する転換力、電流測定部120が測定する電流、電圧測定部130が測定する電圧、変位測定部140が測定する変位、駆動装置温度測定部150が測定する温度のいずれか又はこれらの組み合わせについて、異常判定部291が、閾値に基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。
図13は、異常判定部291が2種類の測定値と閾値との比較にて異常の有無を判定する例を示すグラフである。同図の横軸は電圧を示し、縦軸は電流を示す。
また、図13の電圧V21は、電圧測定部130が測定する電圧の基準値を示し、電圧V21を含む領域A21は、異常判定部291が電圧について正常と判定する範囲を示す。線L51は、電圧との関係で決定された電流の基準値を示し、領域A21の範囲内、かつ、線L51を含む領域A22は、異常判定部291が正常と判定する範囲を示す。
図11を参照して説明したように、測定結果記憶部281が記憶している過去の測定値を基準値(図13では電圧V21)として、異常判定部291が、この基準値から所定の範囲を第1の測定値の正常の範囲(図13では領域A21)に設定するようにしてもよい。あるいは、記憶部280が、正常の範囲を予め記憶しておくようにしてもよい。
また、記憶部280は、第1の測定値と第2の測定値の基準値との関係を示す情報を予め記憶しておく。そして、異常判定部291は、第1の測定値の正常の範囲について、第2の測定値の基準値(図13では線L51)を求め、得られた基準値から所定の範囲を、第1の測定値と第2の測定値との組み合わせの正常の範囲(図13では領域A22)に決定する。
或いは、記憶部280が、第1の測定値と第2の測定値との組み合わせの正常の範囲(図13では領域A22)を示す情報を予め記憶しておくようにしてもよい。
このように、異常判定部291が複数種類の測定値の組み合わせに基づいて異常の判定を行うことで、より高精度な判定を行うことができる。
例えば、駆動装置841に供給される電源電圧に異常がある場合、駆動装置841自体には異常がなくても駆動装置841を流れる電流にも異常が生じることが考えられる。
この場合、仮に異常判定部291が、電流測定部120が測定する電流のみに基づいて異常有りと判定すると、異常判定部291は、電流の異常を検出したことから駆動装置841内の異常と判断する。すると、駆動装置841自体には異常がないにもかかわらず、異常判定部291は、駆動装置841に異常があると誤判定してしまう。
これに対し、図13の例で、異常判定部291が、領域A21の範囲外については、電圧の異常と判定して電流の異常の有無は判定せず、領域A21の範囲内で領域A22から逸脱した場合に電流の異常と判定するようにする。これにより、駆動装置841自体には異常がないにもかかわらず、異常判定部291が、電圧の異常に起因して駆動装置841内の異常と誤判定してしまうことを回避し得る。
また、測定値の種類毎に判定の優先度を設定しておき、異常判定部291が優先度の高い測定値から順に異常の有無を判定するようにしてもよい。
図14は、異常判定部291が異常の有無を判定する順序の例を示す説明図である。
異常判定処理を開始した異常判定部291は、まず、電圧の異常の有無を判定する(ステップS11)。具体的には、異常判定部291は、電圧測定部130による電圧測定値が所定の正常範囲内にあるか否かを判定する。
電圧の異常有りと判定した場合(ステップS11:YES)、異常判定部291は、電源異常時の処理を行う(ステップS12)。例えば、異常判定部291は、異常発生個所が電源と推定され、電源の不具合の可能性があることを示すメッセージ(アラーム)を表示部230に表示させる。
ステップS12の後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS11で電圧の異常なしと判定した場合(ステップS11:NO)、異常判定部291は、電流の異常の有無を判定する(ステップS21)。具体的には、異常判定部291は、電流測定部120による電流測定値が所定の正常範囲内にあるか否かを判定する。
このように、異常判定部291が、電圧の異常の有無を判定し、電圧の異常有りと判定した場合に、電流の異常の有無を判定することで、電流の異常の有無を判定する際、電源が正常であると想定することができる。これにより、異常判定部291は、電流の異常有りと判定した場合に、異常発生個所の候補から電源を除外することができる。
ステップS21で電流の異常有りと判定した場合(ステップS21:YES)、異常判定部291は、転換力の異常の有無を判定する(ステップS22)。具体的には、異常判定部291は、転換力測定部110が測定する転換力の大きさが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。
転換力の異常有りと判定した場合(ステップS22:YES)、異常判定部291は、駆動装置の異常時の処理、及び、可変分岐レールの異常時の処理を行う(ステップS23)。具体的には、異常判定部291は、ステップS21での電流の異常有りとの判定結果に基づいて、異常発生個所が駆動装置と推定され、駆動装置内の断線又は接触不良など駆動装置内の故障の可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。さらに、異常判定部291は、ステップS22での転換力の異常有りとの判定結果に基づいて、異常発生個所が可変分岐レールと推定され、可変分岐レールが錆又は凍結等で固渋している可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
ステップS23の後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS22で転換力の異常なしと判定した場合(ステップS22:NO)、異常判定部291は、駆動装置の異常時の処理を行う(ステップS24)。具体的には、異常判定部291は、ステップS21での電流の異常有りとの判定結果に基づいて、異常発生個所が駆動装置と推定され、駆動装置内の断線又は接触不良など駆動装置内の故障の可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
ステップS24の後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS21で電流の異常なしと判定した場合(ステップS21:NO)、異常判定部291は、転換力の異常の有無を判定する(ステップS31)。具体的には、異常判定部291は、転換力測定部110が測定する転換力の大きさが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。
転換力の異常有りと判定した場合(ステップS31:YES)、異常判定部291は、分岐レールの異常時の処理を行う(ステップS32)。具体的には、異常判定部291は、異常発生個所が可変分岐レールと推定され、可変分岐レールが錆又は凍結等で固渋している可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
ステップS32の後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS31で転換力の異常なしと判定した場合(ステップS31:NO)、異常判定部291は、変位の異常の有無を判定する(ステップS41)。具体的には、異常判定部291は、変位測定部140による変位の測定値に基づいて、図10を参照して説明した異常の有無を判定する。
変位の異常有りと判定した場合(ステップS41:YES)、異常判定部291は、ステップS41で異常有りと判定した異常に応じた処理を行う(ステップS42)。
具体的には、変位測定部140が測定する変位が所定の変位量に満たない場合、異常判定部291は、異常発生個所が可変分岐レール832と推定され、可変分岐レール832が異物を噛み込んで変位が不十分になっている可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
また、左右の変位量が相違する場合、異常判定部291は、異常発生個所が可変分岐レール832と推定され、可変分岐レール832とロッド842との締結が緩んでいる可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
また、変位測定部140が測定する変位に所定の閾値以上のオフセットが生じている場合、異常判定部291は、異常発生個所が可変分岐レール832と推定され、可変分岐レール832又はロッド842が変形している可能性があることを示すメッセージを表示部230に表示させる。
ステップS42の後、図14の処理を終了する。
一方、ステップS41で異常なしと判定した場合(ステップS41:NO)、異常判定部291は正常時の処理を行う(ステップS51)。
例えば、異常判定部291は、異常が発見されなかったことを示すメッセージを表示部230に表示させる。あるいは、ステップS51では、異常判定部291が、特に何も処理を行わないようにしてもよい。
ステップS51の後、図14の処理を終了する。
なお、異常判定部291が、測定結果記憶部281が記憶している測定値の履歴を用いて、異常の傾向の有無を判定するようにしてもよい。この点について、図15及び図16を参照して説明する。
図15は、異常の傾向を示す測定値の履歴の第1の例を示すグラフである。
同図のグラフの横軸は可変分岐レール832の切替速度を示し、縦軸は荷重を示す。点P31〜P35は、それぞれ、1回の可変分岐レール832の転換における切替速度の平均値と、当該転換の際にロッド842にかかった荷重の平均値とを示している。例えば、可変分岐レール832の転換が行われる毎に、異常判定部291が当該転換での切替速度の平均値とロッド842にかかった荷重の平均値とを求める。そして、異常判定部291は、転換が行われたタイミングを示す情報(例えば転換が開始された年月日及び時刻を示す情報)と対応付けて測定結果記憶部281に記憶させておく。
可変分岐レール832の転換が行われた時刻は、点P31、P32、P33、・・・、P35の順である。点P31が示す転換が最も古く、点P35が示す転換が最も新しい。図15では、この時系列の順序を破線の矢印で示している。
図15の例では、異常判定部291は、時系列上で隣接する転換について、切替速度の差(変化量)と荷重の差とを求める。そして、異常判定部291は、切替速度の低下が所定の閾値よりも大きいこと、及び、荷重の増加が所定の閾値よりも大きいことのうち少なくともいずれかが生じていると判定した場合、異常の傾向を検出したと判定する。
異常の傾向を検出した場合、異常判定部291は、1回目の検出では、注意喚起を促すメッセージを表示部230に表示させる。また、2回目の異常の傾向の検出では、異常判定部291は、点検を促すメッセージを表示部230に表示させる。異常判定部291は、測定値自体が異常判定の閾値を超えているか否かにかかわらず、これらの処理を行う。
図15の例の場合、点P31と点P32との間では、切替速度の低下、荷重の増加共に閾値の範囲内であり、異常判定部291は正常と判定する。図15では、正常の判定結果を丸で示している。
一方、点P32と点P33との間では、切替速度の低下が閾値よりも大きくなっている。このため、異常判定部291は要注意と判定する。ここでいう要注意の判定は、注意喚起を促すメッセージを表示部230に表示させる判定である。図15では、要注意の判定結果を三角で示している。
点P33と点P34との間では、切替速度の低下、荷重の増加共に閾値の範囲内であり、異常判定部291は要注意の判定を維持する。
一方、点P34と点P35との間では、切替速度の低下が閾値よりも大きくなっている。このため、異常判定部291は要点検と判定する。ここでいう要点検の判定は、点検を促すメッセージを表示部230に表示させる判定である。図15では、要点検の判定結果をバツ印で示している。
図16は、異常の傾向を示す測定値の履歴の第2の例を示すグラフである。
同図のグラフの横軸は可変分岐レール832の切替速度を示し、縦軸は荷重を示す。点P41〜P46は、それぞれ、1回の可変分岐レール832の転換における切替速度の平均値と、当該転換の際にロッド842にかかった荷重の平均値とを示している。例えば、可変分岐レール832の転換が行われる毎に、異常判定部291が当該転換での切替速度の平均値とロッド842にかかった荷重の平均値とを求める。そして、異常判定部291は、転換が行われたタイミングを示す情報(例えば転換が開始された年月日及び時刻を示す情報)と対応付けて測定結果記憶部281に記憶させておく。
可変分岐レール832の転換が行われた時刻は、点P41、P42、P43、・・・、P46の順である。点P41が示す転換が最も古く、点P46が示す転換が最も新しい。図16では、この時系列の順序を破線の矢印で示している。
異常判定部291が異常の傾向を検出する方法、及び、異常を検出した場合の処理は、図15を参照して説明したのと同様である。
図16の例の場合、点P41と点P42との間では、切替速度の低下、荷重の増加共に閾値の範囲内であり、異常判定部291は正常と判定する。図16では、正常の判定結果を丸で示している。
一方、点P42と点P43との間では、切替速度の低下が閾値よりも大きくなっている。このため、異常判定部291は要注意と判定する。図16では、要注意の判定結果を三角で示している。
点P43と点P44との間では、切替速度の低下、荷重の増加共に閾値の範囲内であり、異常判定部291は要注意の判定を維持する。点P44と点P45との間についても同様である。
一方、点P45と点P46との間では、負荷の増加が閾値よりも大きくなっている。このため、異常判定部291は要点検と判定する。図16では、要点検の判定結果をバツ印で示している。
図15及び図16を参照して説明したように、異常判定部291が異常の傾向を検出し、測定値自体が異常判定の閾値を超えているか否かにかかわらず、ユーザに通知を行うことで、ユーザは、故障など不具合発生の可能性を比較的早い段階で把握できる。これにより、ユーザは、時間的余裕を持って対策を行うことができる。また、ユーザが、故障等の発生を未然に防ぐことができる可能性がある。
次に、図17を参照して異常判定装置1の動作について説明する。
図17は、異常判定装置1が分岐装置840に関する異常の判定を行う処理手順の例を示すフローチャートである。異常判定装置1は、例えば定期的に図17の処理を行う。
図17の処理で、転換力測定部110は、分岐装置840が可変分岐レール832の向きを切り替える転換力を測定する(ステップS101)。また、電圧測定部130は、駆動装置841に供給される電源電圧を測定する(ステップS102)。電流測定部120は、駆動装置841を流れる電流を測定する(ステップS103)。
ステップS101〜S103の実行順序は任意でよい。例えば、異常判定装置1がステップS101とステップS102とステップS103とを並行処理で実行するようにしてもよい。
ステップS101〜S103の処理が終了すると、異常判定部291が分岐装置840に関する異常の有無を判定する(ステップS111)。異常判定部291は、ステップS101で得られた転換力の測定値と、ステップS102で得られた電圧の測定値と、ステップS103で得られた電流の測定値とに基づいて、分岐装置840に関する異常の有無を判定する。ここで、例えば図10を参照して説明したように、異常判定部291は、分岐装置840に関する異常の有無を、分岐レール830における異常と、駆動装置841における異常と、駆動装置841への供給電力の異常とを切り分けて判定する。
ステップS111の後、図17の処理を終了する。
以上のように、転換力測定部110は、駆動装置841が出力する転換力を測定する。また、電圧測定部130は、駆動装置841に供給される電圧を測定する。電流測定部120は、駆動装置を流れる電流を測定する。そして、異常判定部291は、転換力の測定値と、電圧の測定値と、電流の測定値とに基づいて、分岐レール830における異常と、駆動装置841における異常と、駆動装置841への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する。
このように、異常判定部291が異常発生個所を切り分けて異常の有無を判定する点で、ユーザは、軌道の切替部分に障害が発生した場合に、障害の発生個所を把握するための情報を得られる。これにより、ユーザが、障害の発生個所を速やかに特定できることが期待される。障害の発生個所を速やかに特定することで、ユーザは、速やかに障害を解消し得る。
また、変位測定部140は、車両900の走行経路に沿って走行経路の左右それぞれに設けられた分岐レール830の変位(可変分岐レール832の変位)を、左右の分岐レール830それぞれについて測定する。そして、異常判定部291は、左の分岐レール830の変位と右の分岐レール830の変位との差に基づいて、分岐レール830の異常の有無を判定する。これにより、異常判定部291は、可変分岐レール832とロッド842との締結の緩みの可能性を検出するなど、異常の分類をより詳細に行うことができる。
また、異常判定部291は、転換力の測定値、電圧の測定値及び電流の測定値のうち少なくともいずれか1つの経時的変化に基づいて異常の有無を判定する。
異常判定部291が、過去の測定値に基づいて異常判定の閾値を設定することで、装置の個体差に応じた閾値を設定することができる。この閾値を用いることで、異常判定部291は、より高精度に異常の有無を判定することができる。
また、異常判定部291が、測定値の変化量に基づいて異常の傾向を検出してユーザに通知することで、ユーザは、故障など不具合発生の可能性を比較的早い段階で把握できる。これにより、ユーザは、時間的余裕を持って対策を行うことができる。また、ユーザが、故障等の発生を未然に防ぐことができる可能性がある。
なお、制御部290の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 異常判定装置
100 測定部
110 転換力測定部
120 電流測定部
130 電圧測定部
140 変位測定部
150 駆動装置温度測定部
160 環境温度測定部
200 異常判定装置本体
210 測定結果取得部
220 操作入力部
230 表示部
280 記憶部
281 測定結果記憶部
290 制御部
291 異常判定部

Claims (4)

  1. 向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定する異常判定装置が、
    前記駆動装置が出力する前記転換力を測定する転換力測定部と、
    前記駆動装置に供給される電圧を測定する電圧測定部と、
    前記駆動装置を流れる電流を測定する電流測定部と、
    前記転換力の大きさと、前記電圧の大きさと、前記電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する異常判定部と、
    を備える異常判定装置。
  2. 車両の走行経路に沿って前記走行経路の左右それぞれに設けられた前記分岐レールの変位を、左右の分岐レールそれぞれについて測定する変位測定部をさらに備え、
    前記異常判定部は、左の前記分岐レールの変位と右の前記分岐レールの変位との差に基づいて、前記分岐レールの異常の有無を判定する、
    請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定する異常判定装置が、
    前記駆動装置が出力する前記転換力を測定し、
    前記駆動装置に供給される電圧を測定し、
    前記駆動装置を流れる電流を測定し、
    前記転換力の大きさと、前記電圧の大きさと、前記電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定する、
    異常判定方法。
  4. 向きを可変に設けられた分岐レールの向きを切り替える転換力を出力する駆動装置と、前記駆動装置からの転換力を前記分岐レールに伝達するロッドとを備える分岐装置に関する異常の有無を判定するコンピュータに、前記駆動装置が出力する前記転換力の大きさと、前記駆動装置に供給される電圧の大きさと、前記駆動装置を流れる電流の大きさとに基づいて、かつ、前記電圧の大きさ及び前記電流の大きさのうち少なくともいずれか1つの経年変化に基づいて、前記分岐レールにおける異常と、前記駆動装置における異常と、前記駆動装置への供給電力の異常とを切り分けて異常の有無を判定させるためのプログラム。
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