JP7284655B2 - 異常値判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道変位の測定値が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法に関するものである。
鉄道線路等の軌道における軌道変位の測定データから将来の軌道変位を予測するシステムとして、高頻度に取得された過去の軌道変位の履歴データから、軌道変位推移の傾向を分析し、新たな測定データが取得されるたびに、傾向の変化を考慮した将来の軌道変位を予測するシステムが知られている。
ここで、軌道変位として、レールの上下方向の変位である高低変位と、レールの幅方向(左右方向)の変位である通り変位と、左右両側のレール同士の間隔の設定値からの差分である軌間変位と、左右両側のレール同士の高さの差の設定値からの差分である水準変位と、一定距離を隔てた2点間の水準の差である平面性変位と、を例示することができる。
特開2018-76724号公報(特許文献1)には、所定の軌道検測区間を測定して得られた時系列データの逐次更新予測判定方法において、新規に取得した時系列データをもとにした事後分布を算出し、1又は複数回前の事後分布結果の変化速度と新規に取得したデータをもとにした事後分布の変化速度と比較する技術が開示されている。
特開2018-76724号公報
従来の軌道変位を予測するシステムでは、履歴データに、軌道保守により軌道変位が大きく変化した直後の軌道変位の測定値が含まれている場合、このような軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値は、本来異常値ではないにも関わらず、異常値と判定されてしまい、異常値を正しく判定できないおそれがある。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、軌道変位の測定値が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法において、過去の軌道変位の履歴データに、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値が含まれている場合でも、異常値を正しく判定することができる異常値判定方法を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一態様としての異常値判定方法は、互いに異なる複数の時点の各々で軌道変位をそれぞれ測定することにより取得された複数の測定値の各々が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法である。当該異常値判定方法は、複数の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の測定値の各々がそれぞれ平滑化された複数の基準値を算出する(a)ステップを有する。また、当該異常値判定方法は、(a)ステップの後、複数の測定値の各々について、測定値を第1測定値としたときに複数の基準値のうち第1測定値が平滑化された基準値である第1基準値、複数の測定値のうち第1測定値が測定された時点よりも1つ前の時点で測定された測定値を第2測定値としたときに複数の基準値のうち第2測定値が平滑化された基準値である第2基準値、及び、複数の測定値のうち第1測定値が測定された時点よりも1つ後の時点で測定された測定値を第3測定値としたときに複数の基準値のうち第3測定値が平滑化された基準値である第3基準値、に基づいて、第2基準値に対する第1基準値の第1差分と、第1基準値に対する第3基準値の第2差分と、の間の変化を表す第1指標を算出し、算出された第1指標を第1閾値と比較する(b)ステップを有する。また、当該異常値判定方法は、(b)ステップにて第1閾値と比較された第1指標が第1閾値以上のときは、複数の測定値であって、第1測定値が測定された時点以後の時点で測定され、且つ、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には第1基準値以上であり、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合には第1基準値以下であるもののうち、最も早い時点で測定された測定値である第4測定値を選択し、選択された第4測定値が異常値ではなく、且つ、軌道保守の前後で軌道変位が増加又は減少したものであると判定する(c)ステップを有する。また、当該異常値判定方法は、(c)ステップの後、複数の測定値のうち第4測定値が測定された時点よりもメディアンフィルタの次数に基づいて設定された個数であるn個(nは2以上の整数)後の時点で測定された測定値である第5測定値を選択し、複数の測定値のうち第4測定値が測定された時点以後で且つ第5測定値が測定された時点以前の複数の時点の各々でそれぞれ測定された複数の測定値である複数の第6測定値の各々について、複数の基準値のうち第5測定値が平滑化された基準値である第4基準値、及び、第4測定値に基づいて、第6測定値が異常値であるか否かを判定する(d)ステップを有する。
また、他の一態様として、(d)ステップでは、基準時点から軌道変位が測定された時点までの経過日数を横軸とし、軌道変位を縦軸としたグラフにおいて、基準時点から第4測定値を測定した時点までの経過日数及び第4測定値を示す第1点と、基準時点から第5測定値を測定した時点までの経過日数及び第4基準値を示す第2点と、を結ぶ直線を第1直線としたとき、複数の第6測定値の各々について、基準時点から第6測定値を測定した時点までの経過日数及び第6測定値を示す第3点の第1直線からの第1乖離度を算出し、算出された第1乖離度が第2閾値以上のときは、第6測定値が異常値であると判定してもよい。
また、他の一態様として、(d)ステップでは、第1乖離度が第2閾値未満で、第6測定値が第4基準値及び第4測定値のいずれよりも小さい第1下限値を超え、且つ、第6測定値が第4基準値及び第4測定値のいずれよりも大きい第1上限値未満のときは、第6測定値が異常値ではないと判定し、第1乖離度が第2閾値以上か、第6測定値が第1下限値以下か、又は、第6測定値が第1上限値以上のときは、第6測定値が異常値であると判定してもよい。
また、他の一態様として、第1乖離度は、第1直線上の点であって第3点が示す経過日数と等しい経過日数を示す点である第4点と、第3点と、の距離であってもよい。
また、他の一態様として、メディアンフィルタの次数をm(mは3以上の奇数)としたとき、nは、n=(m-1)/2を満たしてもよい。
また、他の一態様として、メディアンフィルタの次数をt(tは3以上の奇数)としたとき、(a)ステップでは、複数の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の測定値の各々について、測定値が測定された時点を中心として連続するt個の時点の各々でそれぞれ測定されたt個の測定値を選択し、選択されたt個の測定値の中央値を基準値とすることで、複数の測定値の各々がそれぞれ平滑化された複数の基準値を算出してもよい。
また、他の一態様として、第1指標は、第1差分の第1絶対値から第2差分の第2絶対値を減じた第3差分の第3絶対値であってもよい。
また、他の一態様として、当該異常値判定方法は、(a)ステップの後、(b)ステップの前に、複数の測定値の各々について、測定値が平滑化された基準値からの測定値の第2乖離度を算出し、算出された第2乖離度が第3閾値未満のときは、測定値が異常値ではないと判定し、第2乖離度が第3閾値以上のときは、測定値が異常値であると判定する(e)ステップを有してもよい。(c)ステップでは、第4測定値が(e)ステップにて異常値であると判定された測定値であるときは、第4測定値についての(e)ステップにおける測定値が異常値であるとの判定を取り消し、第4測定値が異常値ではないと判定してもよい。
また、他の一態様として、第2乖離度は、基準値に対する測定値の第4差分の第4絶対値であってもよい。
また、他の一態様として、(e)ステップは、複数の測定値の各々について、第2乖離度を算出する(e1)ステップと、複数の測定値の各々についてそれぞれ算出された複数の第2乖離度のばらつきを表す第2指標を算出し、算出された第2指標及び第2下限値に基づいて、第4閾値を設定する(e2)ステップと、複数の測定値の各々について、(e2)ステップにて設定された第4閾値と第2乖離度とを比較し、第2乖離度が第4閾値未満のときは、測定値が異常値ではないと判定し、第2乖離度が第4閾値以上のときは、測定値が異常値であると判定する(e3)ステップと、を含んでもよい。また、(e)ステップは、(e3)ステップの後、複数の測定値のうち第2乖離度が第4閾値以上である測定値を除いた複数の測定値である複数の第7測定値の各々についてそれぞれ算出されている複数の第2乖離度のばらつきを表す第3指標を算出し、算出された第3指標及び第2下限値に基づいて、第3閾値を設定する(e4)ステップと、(e3)ステップにて第4閾値と比較された第2乖離度が第4閾値未満のときは、第2乖離度と第3閾値とを比較し、第2乖離度が第3閾値未満のときは、(e3)ステップにおける、測定値が異常値ではないとの判定を維持し、第2乖離度が第3閾値以上のときは、(e3)ステップにおける、測定値が異常値ではないとの判定を取り消し、測定値が異常値であると判定する(e5)ステップと、を含んでもよい。(e2)ステップでは、算出された第2指標に基づいて、第5閾値を設定し、設定された第5閾値が第2下限値を超えているときは、第4閾値が第5閾値に等しくなるように、第4閾値を設定し、第5閾値が第2下限値以下のときは、第4閾値が第2下限値に等しくなるように、第4閾値を設定してもよい。(e4)ステップでは、算出された第3指標に基づいて、第6閾値を設定し、設定された第6閾値が第2下限値を超えているときは、第3閾値が第6閾値に等しくなるように、第3閾値を設定し、第6閾値が第2下限値以下のときは、第3閾値が第2下限値に等しくなるように、第3閾値を設定してもよい。
また、他の一態様として、当該異常値判定方法は、(b)ステップの前に、(e4)ステップにて算出された第3指標及び第3下限値に基づいて、第1閾値を設定する(f)ステップを有してもよい。(f)ステップでは、第3指標に基づいて、第7閾値を設定し、設定された第7閾値が第3下限値を超えているときは、第1閾値が第7閾値に等しくなるように、第1閾値を設定し、第7閾値が第3下限値以下のときは、第1閾値が第3下限値に等しくなるように、第1閾値を設定してもよい。
本発明の一態様を適用することで、軌道変位の測定値が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法において、過去の軌道変位の履歴データに、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値が含まれている場合でも、異常値を正しく判定することができる。
実施の形態の異常値判定システムを備えた軌道変位予測システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態の異常値判定方法の一部のステップを示すフロー図である。 比較例の異常値判定方法における異常値判定処理を模式的に示すグラフである。 比較例の異常値判定方法を用いて予測された軌道変位の予測値を、軌道変位の測定値と一緒に示すグラフである。 実施の形態の異常値判定方法における異常値判定処理を模式的に示すグラフである。 実施の形態の異常値判定方法を用いて予測された軌道変位の予測値を、軌道変位の測定値と一緒に示すグラフである。 軌道変位の測定値、及び、軌道変位の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行ったときの基準値を示すグラフである。 軌道保守の前後における軌道変位の測定値及び基準値の一例を示すグラフである。 軌道保守の前後における軌道変位の測定値及び基準値の一例を示すグラフである。 軌道保守の前後における軌道変位の測定値及び基準値の他の例を示すグラフである。 図8のグラフに一例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を示すグラフである。 図8のグラフに一例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を示すグラフである。 図10のグラフに他の例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を示すグラフである。 実施の形態の異常値判定方法における進み判定処理及び三次異常値判定処理を模式的に示すグラフである。 実施の形態の異常値判定方法における進み判定処理及び三次異常値判定処理を模式的に示すグラフである。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
更に、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチング(網掛け)を省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
なお、以下の実施の形態においてA~Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
(実施の形態)
<軌道変位予測システム及び異常値判定方法>
本発明の一実施形態である実施の形態の異常値判定システムを備えた軌道変位予測システム及び異常値判定方法について説明する。本実施の形態の軌道変位予測システムは、互いに異なる複数の時点の各々で軌道変位をそれぞれ測定することにより取得された複数の測定値に基づいて、将来の軌道変位を予測する軌道変位予測システムである。また、本実施の形態の異常値判定方法は、互いに異なる複数の時点の各々で軌道変位をそれぞれ測定することにより取得された複数の測定値の各々が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法であり、本実施の形態の軌道変位予測システムにおける異常値判定方法である。
図1は、実施の形態の異常値判定システムを備えた軌道変位予測システムの構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態の異常値判定方法の一部のステップを示すフロー図である。
図1に示すように、本実施の形態の異常値判定システムを備えた軌道変位予測システム10は、算出部11(基準値算出部、基準線作成部)と、第1判定部12(基準線からの離れ量による異常値判定部)と、第2判定部13(基準線による判定部)と、第3判定部14(検測データによる判定部)と、第4判定部15(進み判定部、三次異常値判定部)と、を有する。第2判定部13乃至第4判定部15により、保守判定部16が構成されている。また、算出部11及び第1判定部12乃至第4判定部15により、異常値判定システムとしての異常値判定部21が構成されている。また、本実施の形態の軌道変位予測システムは、軌道変位を測定する測定部22と、異常値判定部21及び測定部22の動作を制御する制御部23と、を有してもよい。算出部11及び第1判定部12乃至第4判定部15即ち異常値判定部21、及び、制御部23として、例えば算出部及び各判定部に一定の動作をさせるためのプログラムを実行するコンピュータを用いることができる。
測定部22は、例えば軌道検測車に設けられており、軌道検測車が軌道を走行する際に、軌道の変位である軌道変位を測定する。また、前述したように、軌道変位として、レールの上下方向の変位である高低変位と、レールの幅方向(左右方向)の変位である通り変位と、左右両側のレール同士の間隔の設定値からの差分である軌間変位と、左右両側のレール同士の高さの差の設定値からの差分である水準変位と、一定距離を隔てた2点間の水準の差である平面性変位と、を例示することができる。測定部22として、例示した各種の軌道変位を適切に測定可能な各種の測定装置を用いることができる。
[基準線作成及び異常値判定]
本実施の形態の異常値判定方法では、まず、基準線作成処理を行って、異常値判定で用いる基準線(基準値)を、メディアンフィルタ(中央値)処理を行うことにより、作成する。この基準線作成処理では、各検測データ(各測定値)を中心に、その前後複数の検測データ(複数の測定値)の中央値を算出して基準線とすることで、検測データを平滑化し、履歴データの全体的な推移傾向を考慮した基準線を作成する。
そして、基準線作成処理を行った後、異常値判定処理を行って、基準線作成処理にて作成した基準線(基準値)からの各検測データ(各測定値)の離れ量(乖離度)を算出し、その離れ量が閾値以上である検測データを異常値と判定する。なお、この異常値判定処理で用いる閾値については、検測データのばらつきを考慮し、判定対象とする検測データの基準線からの一定の離れ量を許容して設定する。
後述するように、異常値判定処理が、一次異常値判定処理、及び、二次異常値判定処理を含む場合でも、一次異常値判定処理、及び、二次異常値判定処理を行うための基準線としては、一種類の基準線を、メディアンフィルタ(中央値)処理により作成することができる。但し、一次異常値判定処理と二次異常値判定処理との間で、後述するメディアンフィルタの次数又は回数を変更することもできる。
なお、本願明細書では、以下では、メディアンフィルタ処理をメディアンフィルタを用いた平滑化処理と称し、検測データを測定値と称し、検測データ即ち測定値に対してメディアン処理即ちメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより測定値が平滑化された基準値を結ぶ基準線に代えて、基準値と称する場合がある。
ここで、本実施の形態の異常値判定方法において、基準線を用いることの技術的意義について、比較例の異常値判定方法と比較しながら説明する。
図3は、比較例の異常値判定方法における異常値判定処理を模式的に示すグラフである。図4は、比較例の異常値判定方法を用いて予測された軌道変位の予測値を、軌道変位の測定値と一緒に示すグラフである。図3(a)は、比較例の異常値判定方法において測定値が異常値と判定される場合を示し、図3(b)は、比較例の異常値判定方法において測定値が異常値と判定されない場合を示す。また、図4では、測定値30を「検測データ」と表示している。
図5は、実施の形態の異常値判定方法における異常値判定処理を模式的に示すグラフである。図6は、実施の形態の異常値判定方法を用いて予測された軌道変位の予測値を、軌道変位の測定値と一緒に示すグラフである。図6は、軌道変位の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を5回行ったときの基準値を示す。即ち、図6は、メディアンフィルタの回数が5の場合を示す。また、図6では、測定値30を「検測データ」と表示し、基準値40を「基準線」と表示している。
図4及び図6のグラフでは、基準時点から軌道変位が測定された時点までの経過日数を横軸とし、軌道変位を縦軸としている(図7乃至図13においても同様)。また、図4及び図6のグラフでは、測定値30を示す点即ちプロットのうち、異常値30aであると判定されたものについて、ハッチングを付して示している(図8乃至図13においても同様)。また、図6のグラフでは、基準値40を示す点即ちプロットについて、ハッチングを付して示している(図7乃至図13においても同様)。
比較例の異常値判定方法では、複数の測定値30の各々について、図3(a)に示すように、測定値30である測定値31、複数の測定値30のうち測定値31が測定された時点よりも1つ前の時点で測定された測定値30である測定値32、及び、複数の測定値30のうち測定値31が測定された時点よりも1つ後の時点で測定された測定値30である測定値33、に基づいて、測定値32に対する測定値31の差分DF11の絶対値AB11、及び、測定値31に対する測定値33の差分DF12の絶対値AB12を算出する。そして、算出された絶対値AB11及び絶対値AB12のいずれも閾値TH11以上の場合、測定値31が異常値30aであると判定する。
そのため、図3(b)に示すように、異常値と判定されるべき測定値30が連続して測定された場合には、絶対値AB11は閾値TH11以上であるが絶対値AB12は閾値TH11未満であるため、異常値と判定されるべき測定値30が異常値ではないと判定される場合がある。図4の波線で囲まれた領域RG1及び領域RG2には、異常値と判定されるべき測定値30が複数連続して測定された場合において、連続して測定された複数の測定値30が異常値ではないと判定されている例を示す。その結果、比較例の異常値判定方法では、図4に示すように、全体的な推移傾向から明らかに外れた一部の測定値30を異常値と判定できておらず、将来の軌道変位推移を予測するための予測線PL1が、本来想定される予測線とは大きく異なる傾向を示している。
一方、本実施の形態の異常値判定方法では、基準値からの測定値の乖離度を算出し、算出された乖離度と閾値とを比較する。
具体的には、例えば、算出部11(図1参照)は、図5に示すように、複数の測定値30に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の測定値30の各々がそれぞれ平滑化された複数の基準値40を算出する(図2のステップS10)。また、ステップS10では、図6に示すように、基準時点から軌道変位が測定された時点までの経過日数を横軸とし、軌道変位を縦軸としたグラフにおいて、基準時点から測定値30を測定した時点までの経過日数及び基準値40をそれぞれ示す複数の点50に基づいて、例えば複数の点50の各々を結ぶようにして、基準線を作成する。なお、図5では、理解を簡単にするために、複数の測定値30のうち測定値31が平滑化された基準値40である基準値41のみを示している。
具体的には、例えば、第1判定部12(図1参照)は、図5に示すように、ステップS10の後、ステップS30の前に、複数の測定値30の各々について、測定値30が平滑化された基準値40からの測定値30の乖離度DE11、即ち基準値40と測定値30との間の差分である乖離度DE11を算出し、算出された乖離度DE11が閾値TH21未満のときは、測定値30が異常値ではないと判定し、乖離度DE11が閾値TH21以上のときは、測定値30が異常値30aであると判定する(図2のステップS20)。即ち、ステップS20では、基準線からの離れ量による異常値判定を行う。
これにより、図6に示すように、全体的な推移傾向から外れた検測データが連続した場合でも全体的な推移傾向から外れた検測データを異常値と判定でき、将来の軌道変位推移を予測するための予測線も、想定される予測線に近い傾向を示している。図6の波線で囲まれた領域RG1及び領域RG2には、異常値と判定されるべき測定値30が複数連続して測定された場合において、連続して測定された複数の測定値30が異常値30aであると判定されている例を示す。その結果、本実施の形態の異常値判定方法では、図6に示すように、全体的な推移傾向から明らかに外れた一部の測定値30を異常値と容易に判定できるので、将来の軌道変位推移を予測するための予測線PL1が、本来想定される予測線に近づいている傾向を示している。
好適には、乖離度DE11は、基準値40に対する測定値30の差分の絶対値である。このような場合、乖離度DE11を容易に算出することができる。
また、本実施の形態の異常値判定処理では、一次異常値判定処理、及び、二次異常値判定処理を行うことにより、異常値を確実に見つけることができる。一次異常値判定処理の手順、及び、二次異常値判定処理の手順については、後述する。
ここで、メディアンフィルタの次数とメディアンフィルタの回数について説明する。図7は、軌道変位の測定値、及び、軌道変位の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行ったときの基準値を示すグラフである。図7は、軌道変位の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を1回行ったときの基準値を示す。即ち、図7は、メディアンフィルタの回数が1の場合を示す。また、図7では、測定値30を「高低右(検測値)」と表示し、基準値40を「1回メディアン」と表示している。また、「高低右」は、高低変位を意味する。
例えばメディアンフィルタの次数をt(tは3以上の奇数)とした場合を考える。このような場合、ステップS10では、図5に示すように、複数の測定値30に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の測定値30の各々について、測定値30が測定された時点を中心として連続するt個の時点の各々でそれぞれ測定されたt個の測定値30を複数の測定値30から選択し、選択されたt個の測定値30を昇順又は降順に並べたときの中央値を基準値40とすることで、複数の測定値30の各々がそれぞれ平滑化された複数の基準値40を算出する。メディアンフィルタの次数は、任意に設定することができる。図5では、メディアンフィルタの次数tが7である場合を例示している。
また、メディアンフィルタの回数とは、例えばメディアンフィルタの回数をk(kは2以上の整数)としたとき、1回目のメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の基準値40を算出した後、算出された複数の基準値40に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、複数の基準値40の各々について、その基準値40に対応した測定値30が測定された時点を中心として連続するt個の時点の各々でそれぞれ測定されたt個の測定値30の各々にそれぞれ対応したt個の基準値40を昇順又は降順に並べたときの中央値を基準値40a(図6参照)として更新することにより、複数の基準値40の各々がそれぞれ更に平滑化された複数の基準値40aを算出する平滑化処理を、(k-1)回行うものである。
メディアンフィルタの回数は、任意に設定することが望ましいが、図7に示すように、メディアンフィルタを用いた平滑化処理の回数が1回であって不十分な場合には、基準線が乱れる、即ち基準時点から軌道変位が測定された時点までの経過日数が一定の範囲内に含まれる場合の基準値40のばらつきが大きくなる、ことがある。そのため、メディアンフィルタを用いた平滑化処理の適切な回数を、ユーザーが設定できるようにすることが望ましい。図6及び図7に示した例では、メディアンフィルタの回数が5回の場合(図6参照)、メディアンフィルタの回数が1回の場合(図7参照)に比べて、基準線が乱れにくいことが分かる。
なお、測定データの始終点付近では、通常のメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことが難しい。そのため、測定データの始終点付近では、通常のメディアンフィルタが有する次数とは異なる始終点用の次数を設定し、設定された始終点用の次数を有するメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことが望ましい。
[基準線作成に用いるパラメータ]
また、基準線作成に用いるパラメータの設定値を、以下にあらためてまとめて示す。
・メディアン回数
:正の整数
:設定値回数分、メディアン処理を繰り返して基準線を作成する。
・メディアン次数
:正の整数
:始終点を除く通常のメディアン処理の次数
・始終点メディアン次数
:正の整数
:始終点に適用するメディアン処理の次数
上記したパラメータを用いることにより、基準線作成処理を容易且つ適切に行うことができる。
[一次異常値判定]
前述したように、本実施の形態の異常値判定処理では、一次異常値判定処理、及び、二次異常値判定処理を行うことにより、異常値を確実に見つけることができる。以下では、一次異常値判定処理の手順、及び、二次異常値判定処理の手順について、順次説明するが、まず、一次異常値判定処理の手順について、説明する。
一次異常値判定処理では、図5に示すように、具体的には、例えば、第1判定部12(図1参照)は、ステップS20では、まず、複数の測定値30の各々について、乖離度DE11を算出する(図2のステップS21)。なお、図5では、複数の測定値30のうち1つの測定値31について、乖離度DE11を算出する様子を示している。
また、第1判定部12(図1参照)は、ステップS20では、次に、複数の測定値30の各々についてそれぞれ算出された複数の乖離度DE11のばらつきを表す指標IN11を算出し、算出された指標IN11及び下限値LL11に基づいて、閾値TH21としての閾値TH22を設定する(図2のステップS22)。
このステップS22では、算出された指標IN11に基づいて、閾値TH23を設定し、設定された閾値TH23が下限値LL11を超えているときは、閾値TH22が閾値TH23に等しくなるように、閾値TH21としての閾値TH22を設定し、閾値TH23が下限値LL11以下のときは、閾値TH22が下限値LL11に等しくなるように、閾値TH21としての閾値TH22を設定する。これにより、指標IN11が極めて小さく、閾値TH23が極めて小さい場合でも、閾値TH22をある程度大きくすることができる。そのため、一次異常値判定処理において、異常値ではないと判定されるべき測定値を異常値であると誤判定することを、防止又は抑制することができる。
また、第1判定部12(図1参照)は、ステップS20では、次に、複数の測定値30の各々について、ステップS22にて設定された閾値TH22と乖離度DE11とを比較し、乖離度DE11が閾値TH22未満のときは、測定値30が異常値ではないと判定し、乖離度DE11が閾値TH22以上のときは、測定値30が異常値30aであると判定する(図2のステップS23)。
即ち、一次異常値判定処理では、基準線作成処理(図2のステップS10)で作成した基準線(基準値40)からの各検測データ(測定値30)の離れ量(乖離度DE11)を算出し、その離れ量が一次異常値判定閾値以上である検測データを異常値30aと判定することになる(図5参照)。また、一次異常値判定閾値として、全時点における基準線(基準値40)に対する検測データ(測定値30)の差分(乖離度DE11)の標準偏差(σ)に一次異常値判定係数(i)を乗じた値である一次異常値判定閾値(i×σ)を用いることができる。即ち、複数の乖離度DE11のばらつきを表す指標IN11として、乖離度DE11の標準偏差(σ)を用いることができる。但し、一次異常値判定閾値(i×σ)には、異常値判定下限値(下限値LL11)を設けることになる。
検測データ(測定値30)をMとし、基準線(基準値40)をSとし、一次異常値判定閾値をTとし、異常値判定下限値をLとし、(S-M)の絶対値をABS(S-M)としたとき、一次異常値判定の条件は、下記式(数1)乃至下記式(数3)により表される。
ABS(S-M)≧T・・・(数1)
=i×σ(i×σ>Lのとき)・・・(数2)
=L(i×σ≦Lのとき)・・・(数3)
上記式(数1)乃至上記式(数3)における変数は、下記に示すような変数である。
σ:検測データ(測定値)の基準線(基準値)からの差(乖離度)の標準偏差
:一次異常値判定係数
そして、上記式(数1)乃至上記式(数3)を満たす場合、測定値30を異常値30aと判定し、上記式(数1)乃至上記式(数3)を満たさない場合、測定値30を異常値ではないと判定する。
[一次異常値判定に用いるパラメータ]
また、一次異常値判定に用いるパラメータを、以下にあらためてまとめて示す。
・一次異常値判定係数(i
:正の値
:基準線(基準値)に対する検測データ(測定値)の差の標準偏差(σ)に
一次異常値判定係数(i)を乗じた値を一次異常値判定閾値とする。
・異常値判定下限値
:正の値
:i×σが異常値判定下限値(下限値LL11)以下の場合、異常値判定下限値
を一次異常値判定閾値とする。
上記したパラメータを用いることにより、一次異常値判定を容易且つ適切に行うことができる。
[二次異常値判定]
次に、二次異常値判定処理の手順について、説明する。二次異常値判定処理では、図5に示すように、具体的には、例えば、第1判定部12(図1参照)は、ステップS20では、ステップS23の後、複数の測定値30のうち乖離度DE11が閾値TH22以上である測定値34を除いた複数の測定値30である複数の測定値35の各々についてそれぞれ算出されている複数の乖離度DE11のばらつきを表す指標IN12を算出し、算出された指標IN12及び下限値LL11に基づいて、閾値TH21としての閾値TH24を設定する(図2のステップS24)。
このステップS24では、算出された指標IN12に基づいて、閾値TH25を設定し、設定された閾値TH25が下限値LL11を超えているときは、閾値TH24が閾値TH25に等しくなるように、閾値TH21としての閾値TH24を設定し、閾値TH25が下限値LL11以下のときは、閾値TH24が下限値LL11に等しくなるように、閾値TH21としての閾値TH24を設定する。これにより、指標IN12が極めて小さく、閾値TH25が極めて小さい場合でも、閾値TH24をある程度大きくすることができる。そのため、二次異常値判定処理において、異常値ではないと判定されるべき測定値を異常値であると誤判定することを、防止又は抑制することができる。
また、第1判定部12(図1参照)は、ステップS20では、次に、ステップS23にて閾値TH22と比較された乖離度DE11が閾値TH22未満のときは、乖離度DE11と閾値TH24とを比較し、乖離度DE11が閾値TH24未満のときは、ステップS23における、測定値30が異常値ではないとの判定を維持し、乖離度DE11が閾値TH24以上で且つ閾値TH22未満のときは、ステップS23における、測定値30が異常値ではないとの判定を取り消し、測定値30が異常値30bであると判定する(図2のステップS25)。
即ち、二次異常値判定処理では、一次異常値判定処理(図2のステップS23)で異常値30aと判定された検測データを除いた検測データ(測定値30)について、再度基準線(基準値40)に対する検測データ(測定値30)の差分(乖離度DE11)の標準偏差(σ)を算出する。次に、一次異常値判定処理と同様に、基準線(基準値40)からの各検測データ(測定値30)の離れ量(乖離度DE11)を算出し、その離れ量が二次異常値判定閾値以上である検測データを異常値30bと判定することになる。
二次異常値判定閾値として、一次異常値判定処理での異常値30aを除いた時点における基準線、即ち一次異常値判定箇所を除いた基準線(基準値40)、に対する検測データ(測定値30)の差分(乖離度DE11)の標準偏差(σ)に二次異常値判定係数(i)を乗じた値である二次異常値判定閾値(i×σ)を用いることができる。即ち、一次異常値判定処理(図2のステップS23)で異常値30aと判定された検測データを除いた検測データ(測定値30)について、複数の乖離度DE11のばらつきを表す指標IN12として、複数の測定値35の乖離度DE11の標準偏差(σ)を用いることができる。但し、二次異常値判定閾値(i×σ)には、一次異常値判定処理と同じ異常値判定下限値(下限値LL11)を設けることになる。
検測データ(測定値30)をMとし、基準線(基準値40)をSとし、二次異常値判定閾値をTとし、異常値判定下限値をLとし、(S-M)の絶対値をABS(S-M)としたとき、二次異常値判定の条件は、下記式(数4)乃至下記式(数6)により表される。
ABS(S-M)≧T・・・(数4)
=i×σ(i×σ>Lのとき)・・・(数5)
=L(i×σ≦Lのとき)・・・(数6)
上記式(数4)乃至上記式(数6)における変数は、下記に示すような変数である。
σ:一次異常値を除く検測データ(測定値)の基準線(基準値)からの差(乖離度)の標準偏差
:二次異常値判定係数
そして、上記式(数4)乃至上記式(数6)を満たす場合、測定値30を異常値30bと判定し、上記式(数4)乃至上記式(数6)を満たさない場合、測定値30を異常値ではないと判定する。
[二次異常値判定に用いるパラメータ]
また、二次異常値判定に用いるパラメータを、以下にあらためてまとめて示す。
・二次異常値判定係数(i
:正の値
:一次異常値判定箇所を除いた基準線(基準値)と検測データ(測定値)との差
の標準偏差(σ)に異常値判定係数(i)を乗じた値を二次異常値判定閾値
とする。
・異常値判定下限値
:正の値
:一次異常値判定と兼用する。
上記したパラメータを用いることにより、二次異常値判定を容易且つ適切に行うことができる。
このように、一次異常値判定処理及び二次異常値判定処理を行って、異常値判定処理を2回行うことにより、一次異常値判定処理で異常値ではないと判定された測定値のうちから更に異常値を見つけることができるので、異常値をより正しく判定することができる。
[保守判定]
本実施の形態の異常値判定方法では、次に、保守判定を行う。保守判定として、大別すると、以下に説明するように、基準線による判定処理、検測データによる判定処理、並びに、進み判定処理及び三次異常値判定処理、の3つの処理を行う。
図2に示す例では、基準線作成処理を行った後、異常値判定処理を行い、異常値判定処理を行った後、保守判定を行う例を説明する。しかし、少なくとも軌道保守により変動した軌道変位の測定値が異常値として判定されないようにするためには、保守判定を行う前に異常値判定処理を行わなくてもよく、基準線作成処理を行った後、保守判定のみを行うだけでもよい。
[基準線による判定]
保守判定処理では、まず、基準線による判定処理を行う(図2のステップS30)。図8及び図9は、軌道保守の前後における軌道変位の測定値及び基準値の一例を示すグラフである。図10は、軌道保守の前後における軌道変位の測定値及び基準値の他の例を示すグラフである。図9は、図8の一部を拡大して示す。
なお、図8乃至図10のグラフでは、測定値30を示す点即ちプロットのうち、基準線による判定処理により異常値ではないと判定されたもの(測定値36を示す点即ちプロット)について、ハッチングを付して示している。また、図8及び図9のグラフでは、異常値30aを「平面性(異常値)」と表示し、測定値30を「平面性(検測値)」と表示している。また、図10のグラフでは、異常値30aを「高低左(異常値)」と表示し、測定値30を「高低左(検測値)」と表示している。また、図8乃至図10のグラフでは、基準値40を「5回メディアン」と表示し、異常値30bを「二次異常値」と表示し、測定値36を「保守判定」と表示している。また、「平面性」は、平面性変位を意味し、「高低左」は高低変位を意味する(図11乃至図13においても同様)。
基準線による判定処理(図2のステップS30)では、具体的には、例えば、第2判定部13(図1参照)は、図9に示すように、ステップS24にて算出された指標IN12及び下限値LL21に基づいて、閾値TH31を設定する(図2のステップS31)。
この、ステップS31では、指標IN12に基づいて、閾値TH32を設定し、設定された閾値TH32が下限値LL21を超えているときは、閾値TH31が閾値TH32に等しくなるように、閾値TH31を設定し、閾値TH32が下限値LL21以下のときは、閾値TH31が下限値LL21に等しくなるように、閾値TH31を設定する。これにより、指標IN12が極めて小さく、閾値TH32が極めて小さい場合でも、閾値TH31をある程度大きくすることができる。そのため、実際には軌道保守が行われていない時点の測定値であるにも関わらず、軌道保守が行われたことにより軌道保守の前後で軌道変位が軌道保守により増加又は減少したものであると誤判定することを、防止又は抑制することができる。
また、ステップS30では、第2判定部13(図1参照)は、ステップS31の後、図9に示すように、複数の測定値30の各々について、測定値30を測定値31としたときに複数の基準値40のうち測定値31が平滑化された基準値40である基準値41、複数の測定値30のうち測定値31が測定された時点よりも1つ前の時点で測定された測定値30を測定値32としたときに複数の基準値40のうち測定値32が平滑化された基準値40である基準値42、及び、複数の測定値30のうち測定値31が測定された時点よりも1つ後の時点で測定された測定値30を測定値33としたときに複数の基準値40のうち測定値33が平滑化された基準値40である基準値43、に基づいて、基準値42に対する基準値41の差分DF21と、基準値41に対する基準値43の差分DF22と、の間の変化を表す指標IN21を算出し、算出された指標IN21を閾値TH31と比較する(図2のステップS32)。
好適には、指標IN21は、差分DF21の絶対値AB21から差分DF22の絶対値AB22を減じた差分の絶対値である。このような場合、指標IN21を容易に算出することができる。
即ち、基準線による判定処理では、基準線の始終点を除く全点について、1点前の基準線との差の絶対値(絶対値AB21)と1点後の基準線との差の絶対値(絶対値AB22)を算出し、その差が保守判定閾値以上であるときに、検測データによる判定処理(図2のステップS40)に進む。保守判定閾値として、二次異常値判定処理(図2のステップS24)にて算出した標準偏差(σ)に、保守判定係数(h)を乗じた値である保守判定閾値(h×σ)を用いることができる。但し、保守判定閾値(h×σ)には、保守判定下限値(下限値LL21)を設けることになる。
差分DF21をDとし、差分DF21の絶対値AB21をABS(D)とし、差分DF22をDとし、差分DF22の絶対値AB22をABS(D)とし、保守判定閾値をTとし、保守判定下限値をLとしたとき、基準線による判定の条件は、下記式(数7)乃至下記式(数9)により表される。
ABS(ABS(D)-ABS(D))≧T・・・(数7)
=h×σ(h×σ>Lのとき)・・・(数8)
=L(h×σ≦Lのとき)・・・(数9)
上記式(数7)乃至上記式(数9)における変数は、下記に示すような変数である。
σ:一次異常値を除く検測データ(測定値)の基準線(基準値)からの差(乖離度)の標準偏差(前述箇所と同様)
h:保守判定係数
そして、上記式(数7)乃至上記式(数9)を満たす場合、検測データによる判定処理(ステップS40)を行うが、上記式(数7)乃至上記式(数9)を満たさない場合、検測データによる判定(ステップS40)を行わない。
なお、ステップS30では、ステップS31を行わないか、ステップS31とは別の方法により閾値TH31を設定した後、ステップS32を行うこともできる。
[検測データによる判定]
保守判定処理では、次に、検測データによる判定処理を行う(図2のステップS40)。このステップS40では、図9に示すように、具体的には、例えば、第3判定部14(図1参照)は、ステップS32にて閾値TH31と比較された指標IN21が閾値TH31以上のときは、複数の測定値30であって、測定値31が測定された時点以後の時点で測定されたものであり、且つ、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には基準値41以上であり、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合には基準値41以下であるもののうち、最も早い時点で測定された測定値30である測定値36を選択する。
また、第3判定部14(図1参照)は、ステップS40では、選択された測定値36が異常値ではなく、且つ、複数の測定値30のうち測定値36よりも1つ前の時点で測定された測定値である測定値37が測定された後、測定値36が測定される前か、又は、測定値36が測定された時に、軌道保守が行われたことにより軌道保守の前後で軌道変位が増加又は減少したものであると判定する。即ち、第3判定部14(図1参照)は、ステップS40では、測定値36がステップS20にて異常値であると判定された測定値であるときは、測定値36についてのステップS20における測定値が異常値であるとの判定を取り消し、測定値36が異常値ではないと判定する。
また、第3判定部14(図1参照)は、ステップS40では、ステップS32にて閾値TH31と比較された指標IN21が閾値TH31未満のときは、測定値36の選択を行わない。
即ち、検測データによる判定処理では、x時点における基準線(基準値40)の値をy(x)とし、x時点における検測データ(測定値30)の値をy’(x)とする。また、x時点において、基準線による判定処理(図2のステップS30)の条件を満たしたとする。ここで、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には、x時点以降(x時点を含む)の時点において、y’(x’)≧y(x)を満たす最初の時点であるx’時点における測定値を、保守直後の検測データと判定し、進み判定処理及び三次異常値判定処理(図2のステップS50)に進む。なお、後述するように、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合には、y’(x’)≧y(x)に代えてy’(x’)≦y(x)を用いる。
図8に示す例では、図9に拡大して図示するように、基準線による判定処理(図2のステップS30)の条件を満たしたx時点において、検測データによる判定処理(図2のステップS40)の条件を満たしており、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっているため、x時点における測定値36(測定値31)が、軌道保守が行われたことにより軌道保守の前後で軌道変位が増加したものであると判定する。
一方、図10に示す例では、拡大した図示は省略するものの、基準線による判定処理(図2のステップS30)の条件を満たしたx時点から1つ後の時点である(x+1)時点において検測データによる判定(ステップS40の判定)を満たしているため、(x+1)時点における測定値36(測定値33)が、軌道保守が行われたことにより軌道保守の前後で軌道変位が増加したものであると判定する。
このように保守判定を行うのは、図10に示すように、異常値が混在することによって、軌道保守のタイミングと、軌道保守による基準線の大きな変動のタイミングが一致しない場合があるためである。即ち、保守判定として、基準線による判定処理(図2のステップS30)、及び、検測データによる判定処理(図2のステップS40)を行うことにより、異常値が混在することによって、軌道保守のタイミングと、軌道保守による基準線の大きな変動のタイミングが一致しない場合でも、軌道保守による変化を異常値から精度良く区別することができる。
図8及び図9に示すように、また、前述したように、軌道保守の方向がプラス側の場合、即ち、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には、y’(x’)≧y(x)を満たす最小の時点であるx’時点における測定値30即ち測定値36を、保守直後の検測データと判定する。一方、軌道保守がマイナス方向の場合、即ち、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合には、y’(x’)≦y(x)を満たす最小の時点であるx’時点における測定値30を、保守直後の検測データと判定する。
以上説明した保守判定処理の条件をまとめると、保守判定処理の条件は、下記式(数10)乃至下記式(数12)により表される。
y’(x’)≧y(x)(プラス側)・・・(数10)
y’(x’)≦y(x)(マイナス側)・・・(数11)
x’≧x・・・(数12)
そして、上記式(数10)乃至上記式(数12)を満たす場合、進み判定処理及び三次異常値判定処理(図2のステップS50)を行うが、上記(数10)乃至上記式(数12)を満たさない場合、進み判定処理及び三次異常値判定処理(図2のステップS50)を行わない。
軌道変位を予測するシステムにおける異常値判定方法であって、上記した保守判定処理を行わない異常値判定方法を用いて、軌道保守により軌道変位が大きく変化した直後の軌道変位の測定値が含まれている履歴データにおける異常値を判定する場合を考える。このような場合、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値は、測定値の基準線からの乖離度が大きい場合等に、本来異常値ではないにも関わらず、異常値と判定されてしまい、異常値を正しく判定できないおそれがある。
一方、本実施の形態の異常値判定方法では、上記した、検測データによる判定処理(図2のステップS40)を行う。これにより、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合、及び、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合のいずれについても、軌道保守の前後での軌道変位の測定値の変化の傾向と基準値の変化(指標IN21)の傾向との関係に合致した傾向の変化を示す測定値(指標IN21が大きい測定値)については、測定値が大きく変化した場合でも、軌道保守が行われたことにより軌道保守の前後で軌道変位が軌道保守により増加又は減少したものであり、異常値ではないと判定することができる。そのため、軌道保守により軌道変位が大きく変化した直後の軌道変位の測定値を、異常値と精度良く区別することができるので、履歴データ中に、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値が含まれている場合でも、異常値を正しく判定することができる。
即ち、本実施の形態の異常値判定方法によれば、履歴データ中に含まれる、全体的な推移傾向から外れている異常値を、正しく判定することができる。また、本実施の形態の異常値判定方法によれば、従来の軌道変位を予測するシステムにおける異常値判定方法に比べて、軌道変位推移の予測精度を向上させることができる。
また、前述したように、保守判定として、基準線による判定処理(図2のステップS30)、及び、検測データによる判定処理(図2のステップS40)を行うことにより、異常値が混在することによって、軌道保守のタイミングと、軌道保守による基準線の大きな変動のタイミングが一致しない場合でも、軌道保守による変化を異常値から精度良く区別することができる。
また、メディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより測定値が平滑化された基準値(基準線)に基づいて、基準線による判定処理(図2のステップS30)、及び、検測データによる判定処理(図2のステップS40)を行う場合、指標IN21と比較する閾値TH31、及び、メディアンフィルタの次数を調整することにより、測定値36を容易且つ精度良く抽出することができる。そのため、測定値36が測定される前か、又は、測定値36が測定された時に、軌道保守が行われたことを精度良く判定することができる。
[進み判定及び三次異常値判定]
保守判定では、次に、進み判定処理及び三次異常値判定処理を行う(図2のステップS50)。図11及び図12は、図8のグラフに一例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を示すグラフである。図13は、図10のグラフに他の例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を示すグラフである。図12は、図11の一部を拡大して示す。図14及び図15は、実施の形態の異常値判定方法における進み判定処理及び三次異常値判定処理を模式的に示すグラフである。
なお、図11乃至図13のグラフでは、測定値39を示す点即ちプロットのうち、進み判定処理により異常値ではないと判定されたものについて、図8乃至図10のグラフに比べてプロットの大きさを増加させ、且つ、図8乃至図10のグラフでのハッチングと異なる種類のハッチングを付して示し、「進み判定」と表示している。また、図11及び図12のグラフでは、異常値30aを「平面性(異常値)」と表示し、測定値30を「平面性(検測値)」と表示している。また、図13のグラフでは、異常値30aを「高低左(異常値)」と表示し、測定値30を「高低左(検測値)」と表示している。また、図11乃至図13のグラフでは、基準値40を「5回メディアン」と表示し、異常値30bを「二次異常値」と表示し、測定値36を「保守判定」と表示し、異常値30cを「三次異常値」と表示している(但し、図13のグラフでは異常値30cと判定された測定値30は表示されていない。)。
また、図11乃至図15のグラフでは、理解を簡単にするために、経過日数及び測定値を示す点即ちプロットに、点61乃至点63の符号のみならず、測定値30等の符号を付している。
第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、図12及び図14に示すように、具体的には、例えば、ステップS40にて測定値36が異常値ではなく、且つ、軌道保守の前後で軌道変位が増加又は減少したものであると判定されたときは、ステップS40の後、複数の測定値30のうち測定値36が測定された時点よりもメディアンフィルタの次数に基づいて設定された個数であるn個(nは2以上の整数)後の時点で測定された測定値である測定値38を選択する。
また、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、複数の測定値30のうち、測定値36が測定された時点以後で且つ測定値38が測定された時点以前の間の複数の時点の各々でそれぞれ測定された複数の測定値である複数の測定値39の各々について、複数の基準値40のうち測定値38が平滑化された基準値40である基準値44、及び、測定値36に基づいて、測定値39が異常値であるか否かを判定する。
軌道変位を予測するシステムにおける異常値判定方法であって、上記した保守判定処理を行わない異常値判定方法を用いて、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進行した測定値が含まれている履歴データにおける異常値を判定する場合を考える。このような場合、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進行した軌道変位の測定値は、測定値の基準線からの乖離度が大きい場合等に、本来異常値ではないにも関わらず、異常値と判定されてしまい、異常値を正しく判定できないおそれがある。
一方、本実施の形態の異常値判定方法では、上記した、進み判定処理及び三次異常値判定処理(図2のステップS50)を行う。これにより、軌道保守の前後で軌道変位が軌道保守により増加又は減少した後、軌道変位が進む際の軌道変位の変化の傾向に合致した傾向の変化を示す測定値については、測定値が大きく変化した場合でも、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進む際に軌道変位が変化したものであり、異常値ではないと判定することができる。そのため、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進行した測定値を、異常値と精度良く区別することができるので、履歴データ中に、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値が含まれている場合でも、異常値を正しく判定することができる。
好適には、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、図11乃至図14に示すように、基準時点から軌道変位が測定された時点までの経過日数を横軸とし、軌道変位を縦軸としたグラフにおいて、基準時点から測定値36を測定した時点までの経過日数及び測定値36を示す点61と、基準時点から測定値38を測定した時点までの経過日数及び基準値44を示す点62と、を結ぶ直線を直線LN1としたとき、複数の測定値39の各々について、基準時点から測定値39を測定した時点までの経過日数及び測定値39を示す点63(図14参照)の直線LN1からの乖離度DE21を算出する。
また、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、算出された乖離度DE21が閾値TH31未満のときは、測定値39が異常値ではないと判定し、乖離度DE21が閾値TH31以上のときは、測定値39が異常値30c(後述する図15(b)参照)であると判定する。
好適には、乖離度DE21は、直線LN1上の点であって点63が示す経過日数と等しい経過日数を示す点である点64と、点63と、の距離DS1である。このような場合、乖離度DE21を容易に算出することができる。
即ち、図14に示すように、x時点において、基準線による判定処理(図2のステップS30)の条件を満たし、x’時点において、検測データによる判定処理(図2のステップS40)の条件を満たしたとする。また、メディアンフィルタの次数を、smed(smedは3以上の奇数)とする。このとき、x’時点における検測データ(測定値30)の値であるy’(x’)を示す点(点61)と、(x+(smed-1)/2)時点における基準線(基準値40)の値であるy(x+(smed-1)/2)を示す点(点62)と、を結ぶ直線(直線LN1)を算出し、x’≦x≦x+(smed-1)/2の範囲において、この直線からの検測データ(測定値30)であるy’(x)の離れ量(乖離度DE21)により、進み判定処理及び三次異常値判定処理を行う。即ちメディアンフィルタの次数をm(mは3以上の奇数)としたとき、前述したメディアンフィルタの次数に基づいて設定された個数を表すnは、n=(m-1)/2を満たす。
具体的には、離れ量(乖離度DE21)の絶対値が、進み判定閾値よりも小さい場合は、測定値30が、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進行した軌道変位の測定値であると判定し、離れ量の絶対値が、進み判定閾値以上の場合は、測定値30が異常値30c(後述する図15(b)参照)であると判定する。進み判定閾値として、二次異常値判定処理(図2のステップS24)にて算出した標準偏差(σ)に、進み判定係数(s)を乗じた値である進み判定閾値(s×σ)を用いることができる。但し、進み判定閾値(s×σ)には、進み判定下限値(下限値LL31、図15(b)参照)を設けることになる。なお、後述する図15(b)を用いて説明するように、進み判定閾値(s×σ)には、進み判定上限値(上限値UL31、図15(b)参照)を設けてもよい。
このような場合、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位が進行した測定値を、異常値とより精度良く区別することができるので、履歴データ中に、軌道保守により大きく変化した軌道変位の測定値が含まれている場合でも、異常値をより正しく判定することができる。
smed(smedは3以上の奇数)として前述したメディアンフィルタの次数について、smedに代えてm(mは5以上の奇数)と表記したとき、即ちメディアンフィルタの次数をm(mは5以上の奇数)としたとき、前述したメディアンフィルタの次数に基づいて設定された個数を表すnは、n=(m-1)/2を満たす。このような場合、mが3である場合即ちメディアンフィルタの次数がかなり少ない場合に比べて、複数の測定値30のうち測定値36が測定された時点よりもn個(nは2以上の整数)後の時点が、軌道保守後軌道変位が十分進んだ時点になるので、進み判定処理及び三次異常値判定処理を更に容易且つ更に精度良く行うことができる。
また、一般に、高低変位を保守した際の保守直後の進みは、図14に示すように非線形となる。そのため、直線LN1との離れを進みと判定する閾値は、比較的大きな値にする必要があり、進み判定係数(s)を比較的大きな値に設定することが想定される。一方で、図15(a)に点63として示すように、初期沈下付近(測定値38の時点付近)に異常値が混在した場合、離れ量(乖離度DE21)と進み判定閾値(s×σ)だけで進み判定処理を行うと、この異常値を進みと判定するおそれがある。
そこで、図15(b)に示すように、直線の始終点となる検測データy’(x’)と基準値y(x+(smed-1)/2)との間の範囲から、二次異常値判定処理のステップS24にて算出した二次異常値判定閾値(i×σ)又は一次異常値判定処理と同じ異常値判定下限値(下限値LL11)を加えた範囲外(下限値LL31以下)の検測データは、進みではなく異常値と判定するようにする。
即ち、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には、好適には、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、乖離度DE21が閾値TH31未満で且つ測定値39が下限値LL31を超えているときは、測定値39が異常値ではないと判定し、乖離度DE21が閾値TH31以上か又は測定値39が下限値LL31以下のときは、測定値39が異常値30cであると判定する。なお、下限値LL31は、(下限値LL31)=y(x+(smed-1)/2)-i×σ又は(下限値LL31)=y(x+(smed-1)/2)-(下限値LL11)を満たすことができる。
また、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には、図15(b)に示すように、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、乖離度DE21が閾値TH31未満で且つ測定値39が上限値UL31未満のときは、測定値39が異常値ではないと判定し、乖離度DE21が閾値TH31以上か又は測定値39が上限値UL31以上のときは、測定値39が異常値であると判定する。なお、上限値UL31は、(上限値UL31)=y’(x’)+i×σ又は(上限値UL31)=y’(x’)+(下限値LL11)を満たすことができる。
図15(a)に示すように、乖離度DE21を閾値TH31のみと比較する場合、測定値38の時点に近い(軌道保守からかなり後の)時点の測定値39が基準値44よりもかなり小さい場合でも異常値でないと判定されるおそれがあるか、又は、図15(a)では図示は省略するが、測定値36の時点に近い(軌道保守直後の)時点の測定値39が測定値36よりもかなり大きい場合でも異常値でないと判定されるおそれがある。
一方、乖離度DE21を下限値LL31とも比較することにより、測定値38の時点に近い(軌道保守からかなり後の)時点の測定値39が基準値44よりもかなり小さい場合には異常値30cであると判定することができる。また、乖離度DE21を上限値UL31とも比較することにより、測定値36の時点に近い(軌道保守直後の)時点の測定値39が測定値36よりもかなり大きい場合には異常値であると判定することができる。
また、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合には、好適には、図15(b)に示すように、第4判定部15(図1参照)は、ステップS50では、乖離度DE21が閾値TH31未満で、測定値39が基準値44及び測定値36のいずれよりも小さい下限値LL31を超え、且つ、測定値39が基準値44及び測定値36のいずれよりも大きい上限値UL31未満のときは、測定値39が異常値ではないと判定し、乖離度DE21が閾値TH31以上か、測定値39が下限値LL31以下か、又は、測定値39が上限値UL31以上のときは、測定値39が異常値30cであると判定する。なお、このように、下限値LL31のみならず上限値UL31を用いる判定方法は、軌道保守の前後で軌道変位が増加することが予め分かっている場合のみならず、軌道保守の前後で軌道変位が減少することが予め分かっている場合にも、適用可能である。
このようにして、図8のグラフに一例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を図11及び図12に示し、図10のグラフに他の例として示した軌道変位の測定値に対して更に進み判定処理及び三次異常値判定処理を行った結果を図13に示す。図11及び図12のグラフでは、図8及び図9のグラフでは異常値30aであると判定されていた測定値39が異常値ではないと判定され、図13のグラフでは、図10のグラフでは異常値30aであると判定されていた測定値39が異常値ではないと判定されている。そのため、図11及び図12に示す例、並びに、図13に示す例のいずれの場合でも、軌道保守後の軌道変位の進みを正確に判定できていることが分かる。
また、メディアンフィルタの次数をmとしたとき、保守判定により抽出された測定値36よりも((m-1)/2)個後の時点で測定された測定値38に対応した基準値44を示す点62を直線LN1の終点として抽出する場合、メディアンフィルタの次数を調整することにより、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位の測定値が進行した時点を、点62として容易且つ精度良く抽出することができる。そのため、指標IN21と比較する閾値TH31と合わせて調整することにより、軌道保守が行われたことを精度良く判定しつつ、軌道保守により軌道変位が大きく変化した後に軌道変位の測定値が進行するまでの間も、測定値が異常値であるか否かを精度良く判定することができる。
[保守判定、進み判定及び三次異常値判定に用いるパラメータ]
また、保守判定、進み判定及び三次異常値判定に用いるパラメータを、以下にあらためてまとめて示す。
・保守判定係数(h)
:正の値
:一次異常値判定箇所を除いた基準線(基準値)と検測データ(測定値)との差
の標準偏差(σ)に保守判定係数(h)を乗じた値を保守判定閾値とする。
・保守判定下限値
:正の値
:h×σが保守判定下限値(下限値LL21)以下の場合、保守判定下限値を
保守判定閾値とする。
・進み判定係数(s)
:正の値
:一次異常値判定箇所を除いた基準線(基準値)と検測データ(測定値)との差
の標準偏差(σ)に進み判定係数(s)を乗じた値を進み判定閾値とする。
・進み判定下限値
:正の値
:検測データ(測定値)が進み判定下限値以下の場合、進み判定閾値を進み判定
下限値に対応した値とする。
上記したパラメータを用いることにより、保守判定、進み判定及び三次異常値判定を容易且つ適切に行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、軌道変位の測定値が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法に適用して有効である。
10 軌道変位予測システム
11 算出部
12 第1判定部
13 第2判定部
14 第3判定部
15 第4判定部
16 保守判定部
21 異常値判定部
22 測定部
23 制御部
30、31~39 測定値
30a~30c 異常値
40、40a、41~44 基準値
50、61~64 点
AB11、AB12、AB21、AB22 絶対値
DE11、DE21 乖離度
DF11、DF12、DF21、DF22 差分
DS1 距離
IN11、IN12、IN21 指標
LL11、LL21、LL31 下限値
LN1 直線
PL1 予測線
RG1、RG2 領域
TH11、TH21~TH25、TH31、TH32 閾値
UL31 上限値

Claims (11)

  1. 互いに異なる複数の時点の各々で軌道変位をそれぞれ測定することにより取得された複数の測定値の各々が異常値であるか否かを判定する異常値判定方法において、
    (a)前記複数の測定値に対してメディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、前記複数の測定値の各々がそれぞれ平滑化された複数の基準値を算出するステップ、
    (b)前記(a)ステップの後、前記複数の測定値の各々について、前記測定値を第1測定値としたときに前記複数の基準値のうち前記第1測定値が平滑化された基準値である第1基準値、前記複数の測定値のうち前記第1測定値が測定された時点よりも1つ前の時点で測定された測定値を第2測定値としたときに前記複数の基準値のうち前記第2測定値が平滑化された基準値である第2基準値、及び、前記複数の測定値のうち前記第1測定値が測定された時点よりも1つ後の時点で測定された測定値を第3測定値としたときに前記複数の基準値のうち前記第3測定値が平滑化された基準値である第3基準値、に基づいて、前記第2基準値に対する前記第1基準値の第1差分と、前記第1基準値に対する前記第3基準値の第2差分と、の間の変化を表す第1指標(IN21)を算出し、算出された前記第1指標を第1閾値と比較するステップ、
    (c)前記(b)ステップにて前記第1閾値と比較された前記第1指標が前記第1閾値以上のときは、前記複数の測定値であって、前記第1測定値が測定された時点以後の時点で測定され、且つ、軌道保守の前後で前記軌道変位が増加することが予め分かっている場合には前記第1基準値以上であり、前記軌道保守の前後で前記軌道変位が減少することが予め分かっている場合には前記第1基準値以下であるもののうち、最も早い時点で測定された測定値である第4測定値(36)を選択し、選択された前記第4測定値が異常値ではなく、且つ、前記軌道保守の前後で前記軌道変位が増加又は減少したものであると判定するステップ、
    (d)前記(c)ステップの後、前記複数の測定値のうち前記第4測定値が測定された時点よりも前記メディアンフィルタの次数に基づいて設定された個数であるn個(nは2以上の整数)後の時点で測定された測定値である第5測定値(38)を選択し、前記複数の測定値のうち前記第4測定値が測定された時点以後で且つ前記第5測定値が測定された時点以前の複数の時点の各々でそれぞれ測定された複数の測定値である複数の第6測定値(39)の各々について、前記複数の基準値のうち前記第5測定値が平滑化された基準値である第4基準値、及び、前記第4測定値に基づいて、前記第6測定値が異常値であるか否かを判定するステップ、
    を有する、異常値判定方法。
  2. 請求項1に記載の異常値判定方法において、
    前記(d)ステップでは、基準時点から前記軌道変位が測定された時点までの経過日数を横軸とし、前記軌道変位を縦軸としたグラフにおいて、前記基準時点から前記第4測定値を測定した時点までの前記経過日数及び前記第4測定値を示す第1点と、前記基準時点から前記第5測定値を測定した時点までの前記経過日数及び前記第4基準値を示す第2点と、を結ぶ直線を第1直線としたとき、前記複数の第6測定値の各々について、前記基準時点から前記第6測定値を測定した時点までの前記経過日数及び前記第6測定値を示す第3点の前記第1直線からの第1乖離度(DE21)を算出し、算出された前記第1乖離度が第2閾値(TH31)以上のときは、前記第6測定値が異常値であると判定する、異常値判定方法。
  3. 請求項2に記載の異常値判定方法において、
    前記(d)ステップでは、前記第1乖離度が前記第2閾値未満で、前記第6測定値が前記第4基準値及び前記第4測定値のいずれよりも小さい第1下限値を超え、且つ、前記第6測定値が前記第4基準値及び前記第4測定値のいずれよりも大きい第1上限値未満のときは、前記第6測定値が異常値ではないと判定し、前記第1乖離度が前記第2閾値以上か、前記第6測定値が前記第1下限値以下か、又は、前記第6測定値が前記第1上限値以上のときは、前記第6測定値が異常値であると判定する、異常値判定方法。
  4. 請求項2又は3に記載の異常値判定方法において、
    前記第1乖離度は、前記第1直線上の点であって前記第3点が示す前記経過日数と等しい前記経過日数を示す点である第4点と、前記第3点と、の距離である、異常値判定方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の異常値判定方法において、
    前記メディアンフィルタの次数をm(mは3以上の奇数)としたとき、
    前記nは、n=(m-1)/2を満たす、異常値判定方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の異常値判定方法において、
    前記メディアンフィルタの次数をt(tは3以上の奇数)としたとき、
    前記(a)ステップでは、前記複数の測定値に対して前記メディアンフィルタを用いた平滑化処理を行うことにより、前記複数の測定値の各々について、前記測定値が測定された時点を中心として連続するt個の時点の各々でそれぞれ測定されたt個の測定値を選択し、選択された前記t個の測定値の中央値を前記基準値とすることで、前記複数の測定値の各々がそれぞれ平滑化された前記複数の基準値を算出する、異常値判定方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の異常値判定方法において、
    前記第1指標は、前記第1差分の第1絶対値から前記第2差分の第2絶対値を減じた第3差分の第3絶対値である、異常値判定方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の異常値判定方法において、
    (e)前記(a)ステップの後、前記(b)ステップの前に、前記複数の測定値の各々について、前記測定値が平滑化された前記基準値からの前記測定値の第2乖離度(DE11)を算出し、算出された前記第2乖離度が第3閾値(TH21)未満のときは、前記測定値が異常値ではないと判定し、前記第2乖離度が前記第3閾値以上のときは、前記測定値が異常値であると判定するステップ、
    を有し、
    前記(c)ステップでは、前記第4測定値が前記(e)ステップにて異常値であると判定された前記測定値であるときは、前記第4測定値についての前記(e)ステップにおける前記測定値が異常値であるとの判定を取り消し、前記第4測定値が異常値ではないと判定する、異常値判定方法。
  9. 請求項8に記載の異常値判定方法において、
    前記第2乖離度は、前記基準値に対する前記測定値の第4差分の第4絶対値である、異常値判定方法。
  10. 請求項9に記載の異常値判定方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記複数の測定値の各々について、前記第2乖離度を算出するステップ、
    (e2)前記複数の測定値の各々についてそれぞれ算出された複数の前記第2乖離度のばらつきを表す第2指標(IN11)を算出し、算出された前記第2指標及び第2下限値に基づいて、第4閾値(TH22)を設定するステップ、
    (e3)前記複数の測定値の各々について、前記(e2)ステップにて設定された前記第4閾値と前記第2乖離度とを比較し、前記第2乖離度が前記第4閾値未満のときは、前記測定値が異常値ではないと判定し、前記第2乖離度が前記第4閾値以上のときは、前記測定値が異常値であると判定するステップ、
    (e4)前記(e3)ステップの後、前記複数の測定値のうち前記第2乖離度が前記第4閾値以上である測定値を除いた複数の測定値である複数の第7測定値(35)の各々についてそれぞれ算出されている複数の前記第2乖離度のばらつきを表す第3指標(IN12)を算出し、算出された前記第3指標及び前記第2下限値に基づいて、前記第3閾値(TH21、TH24)を設定するステップ、
    (e5)前記(e3)ステップにて前記第4閾値と比較された前記第2乖離度が前記第4閾値未満のときは、前記第2乖離度と前記第3閾値(TH24)とを比較し、前記第2乖離度が前記第3閾値未満のときは、前記(e3)ステップにおける、前記測定値が異常値ではないとの判定を維持し、前記第2乖離度が前記第3閾値以上のときは、前記(e3)ステップにおける、前記測定値が異常値ではないとの判定を取り消し、前記測定値が異常値であると判定するステップ、
    を含み、
    前記(e2)ステップでは、算出された前記第2指標に基づいて、第5閾値(TH23)を設定し、設定された前記第5閾値が前記第2下限値を超えているときは、前記第4閾値が前記第5閾値に等しくなるように、前記第4閾値を設定し、前記第5閾値が前記第2下限値以下のときは、前記第4閾値が前記第2下限値に等しくなるように、前記第4閾値を設定し、
    前記(e4)ステップでは、算出された前記第3指標に基づいて、第6閾値(TH25)を設定し、設定された前記第6閾値が前記第2下限値を超えているときは、前記第3閾値が前記第6閾値に等しくなるように、前記第3閾値を設定し、前記第6閾値が前記第2下限値以下のときは、前記第3閾値が前記第2下限値に等しくなるように、前記第3閾値を設定する、異常値判定方法。
  11. 請求項10に記載の異常値判定方法において、
    (f)前記(b)ステップの前に、前記(e4)ステップにて算出された前記第3指標及び第3下限値に基づいて、前記第1閾値を設定するステップ、
    を有し、
    前記(f)ステップでは、前記第3指標に基づいて、第7閾値(TH32)を設定し、設定された前記第7閾値が前記第3下限値を超えているときは、前記第1閾値が前記第7閾値に等しくなるように、前記第1閾値を設定し、前記第7閾値が前記第3下限値以下のときは、前記第1閾値が前記第3下限値に等しくなるように、前記第1閾値を設定する、異常値判定方法。
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