JP6780361B2 - 搬送装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

搬送装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、搬送装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、その図2に示すように、加圧部材30を被加圧部材40に加圧する加圧機構50であって、加圧力発生部材51,51dと、前記加圧力発生部材で発生する加圧力により前記加圧部材を前記被加圧部材へ加圧さる第1の部材52,52dと、前記加圧力を前記第1の部材に変更可能に作用させる第2の部材55,55dと、前記第1の部材と前記第2の部材の間に配設された回転可能なカム58,58dと、を有している。そして、前記カムは、前記カムの回転によって前記第1の部材と前記第2の部材に共に当接した際に前記加圧力により前記カムの回転力を互いに打ち消し合う複数の外周部P1,P4を備えることが記載されている。
特開2015−87701号公報
本発明は、用紙を搬送する装置において、カム部材の軸に制動を掛けない場合に比べて、ニップ解除状態からニップ状態に移行する場合の異音の発生を軽減することを目的とする。
請求項1の搬送装置は、自軸周りに回転する第1回転体と、前記第1回転体に接して回転する第2回転体とで、媒体を挟んで搬送する搬送部と、前記自軸方向に設けられた軸が回転駆動されることにより前記第2回転体の支持部を可動させて、前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間及び接近させる第1カム部材と、前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して接近させる場合は前記第2回転体の支持部を可動させ、前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させる場合は少なくとも一時的に前記第2回転体の支持部を可動させない第2カム部材と、前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記軸を制動させる制動手段と、を備えている。
他の態様としての搬送装置は、自軸周りに回転する第1回転体と、前記第1回転体に接して回転する第2回転体とで、媒体を挟んで搬送する搬送部と、前記自軸方向に設けられた軸が回転駆動されることにより前記第2回転体の支持部を可動させて、前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間及び接近させるカム部材と、前記カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、前記軸を制動させる制動手段と、を備えている。
また、他の態様の搬送装置では、前記制動手段は、前記軸と同期して回転する切欠歯車と、歯車に接続され前記軸の回転力を抑制する抑制装置と、を備え、前記切欠歯車は、前記カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、前記歯車と噛み合う。
さらに、他の態様の搬送装置では、前記カム部材は、定められた回転方向からみて前記軸の中心からの距離が最小である位置を境に前記距離が増加する第1面と、前記距離が最大である位置を境に前記距離が減少する第2面と、を有し、前記第1面に対して前記距離が最小である側に前記軸の径方向の突出部を有する第3面と、前記第2面と、を有する他のカム部材であって、前記制動手段に近接して設けられた前記他のカム部材を備え、前記制動手段は、前記カム部材及び前記他のカム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第3面により前記他のカム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記軸を制動させる。
請求項の搬送装置では、前記制動手段は、前記軸と同期して回転する切欠歯車と、歯車に接続され前記軸の回転力を抑制する抑制装置と、を備え、前記切欠歯車は、前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記歯車と噛み合う。
請求項の搬送装置では、前記第1カム部材及び第2カム部材の各前記支持部は、対応する前記カム部材の外周面が接触する作動部を備え、少なくとも前記外周面と前記作動部とが接触しない場合、前記切欠歯車は、前記歯車と噛み合う。
請求項の定着装置では、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の搬送装置を備え、前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方は加熱体として、他方は加圧体として形成されている。
請求項の画像形成装置は、画像形成部と、請求項に記載の定着装置を備えている。
請求項の画像形成装置は、前記軸を駆動させる駆動手段と、前記軸に接続された伝達歯車に対して接離自在に配設され、かつ前記駆動手段から前記軸に動力を伝達するための移動歯車と、備え、前記移動歯車は、前記駆動手段から前記軸に動力を伝達する場合は、前記伝達歯車に接合し、前記軸から前記伝達歯車に動力が伝達される場合は、前記伝達歯車から離隔する。
請求項1の発明によれば、カム部材の軸に制動を掛けない場合に比べて、ニップ解除状態からニップ状態に移行する場合における異音の発生を軽減する搬送装置を提供することができる。また、2つのカム部材により同時にニップ状態を解除する場合と比べて、異音の発生を軽減する搬送装置を提供することができる。他の態様の搬送装置によれば、カム部材の軸に制動を掛けない場合に比べて、ニップ解除状態からニップ状態に移行する場合における異音の発生を軽減する搬送装置を提供することができる。
他の態様の搬送装置によれば、さらに、切欠歯車を使用しない場合に比べて、ニップ状態の解除と抑制装置による制動開始の時期を揃えることができる。
他の態様の搬送装置によれば、さらに、2つのカム部材により同時にニップ状態を解除する場合と比べて、異音の発生を軽減する搬送装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、切欠歯車を使用した場合であって、2つのカム部材により同時にニップ状態を解除する場合と比べて、異音を軽減する搬送装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、カム部材の外周面と作動部とが接触せず、切欠歯車が歯車と噛み合わない場合と比べて、異音を軽減する搬送装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、カム部材の軸に制動を掛けない場合に比べて、ニップ解除状態からニップ状態に移行する場合における異音の発生を軽減する定着装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、カム部材の軸に制動を掛けない場合に比べて、ニップ解除状態からニップ状態に移行する場合における異音の発生を軽減する画像形成装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、移動歯車を使用しない場合に比べて、異音を軽減する画像形成装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。 第1の実施形態に係る定着装置の外観斜視図である。 第1の実施形態に係る定着装置及び駆動装置について説明する側面断面図である。 第1の実施形態に係る共通カムの側面図である。 第1の実施形態に係る定着装置におけるニップ状態を示す説明図である。 図5のカム及び制動装置の拡大図である。 第1の実施形態に係る定着装置におけるニップ解除状態を示す説明図である。 図7のカム及び制動装置の拡大図である。 第2の実施形態に係る(A)第1カムの側面図、及び(B)第2カムの側面図である。 第2の実施形態に係る第1カムによる作用の説明図である。 第2の実施形態に係る第2カムによる作用の説明図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る搬送装置、定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
〔全体構成〕
図1には、本実施形態の画像形成装置10が示されている。なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(Zで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10を正面視して、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をY方向、X方向、Z方向と記載する。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、後側をZ側、前側を−Z側と記載する。
画像形成装置10は、一例として、用紙Pを搬送するロール対13を含む搬送部12と、搬送部12により搬送される用紙P上にトナーTを用いてトナー像Gを形成する画像形成部14と、トナー像Gを加熱及び加圧して用紙Pに定着する定着装置30と、を有する。図1に示す符号Kの線は、用紙Pの搬送経路を表している。用紙Pは、媒体(記録媒体)の一例である。
画像形成部14は、画像形成ユニット20と、画像形成ユニット20の各部の動作を制御して用紙P上にトナー像Gを形成させる制御部22とを有している。画像形成ユニット20は、一例として、公知の電子写真方式である帯電、露光、現像、転写の各工程を行うように構成されている。
〔要部構成〕
次に、定着装置30について図2及び図3を使用して説明する。図2は定着装置30の外観斜視図であり、図3は定着装置30のZ方向中央付近の断面であって、Z方向から−Z方向を観察した側面断面図である。
定着装置30は、自軸周りに回転する定着ロール32と、定着ロール32に接して回転する加圧ベルト34とで、用紙Pを挟んで搬送する搬送装置として機能している。図2及び図3に示されるように、定着装置30は、定着ロール32と、加圧ベルト34と、ハロゲンヒータ36と、ブラケット38と、レバー部材42と、引張バネ44と、カムフォロワ46と、共通カム50と、制動装置60とを有している。本実施形態の定着装置30において、ブラケット38と、レバー部材42、引張バネ44、カムフォロワ46及び共通カム50は、定着装置30のZ方向の両側に一つずつ形成されている。なお、定着ロール32は、第1回転体の一例である。加圧ベルト34は、第2回転体の一例である。レバー部材42は、支持部の一例である。共通カム50は、カム部材の一例である。制動装置60は、制動手段の一例である。
定着ロール32、加圧ベルト34、ハロゲンヒータ36、ブラケット38、レバー部材42、引張バネ44、カムフォロワ46、及び共通カム50は、定着装置30の本体部分である直方体状の筐体31(図1参照)内に収容されている。
筐体31には、Z方向を軸方向とする円柱状のシャフト35の両端部が、図示しないベアリングにより回転可能に固定されている。シャフト35は、制御部22(図1参照)により制御されるモータ71(図2参照)により回転駆動されるようになっている。モータ71による回転駆動方法については後述する。
<定着ロール>
定着ロール32は、一例として、アルミニウムからなる円筒状の芯金の外周面にシリコンゴム製の弾性体層及びフッ素樹脂製の離型層が形成された構成とされている。この定着ロール32の芯金の内側には、加熱源としてのハロゲンヒータ36が設けられている。また、定着ロール32は、用紙Pの搬送経路K(図1参照)に対してトナー像G側(−X側)に配置されている。さらに、定着ロール32は、Z方向を軸方向として、該軸周りに回転可能とされている。定着ロール32の軸部のZ側には、図示しないギアが設けられている。このギアは、図示しないモータにより回転されるようになっている。このように、定着ロール32は、ハロゲンヒータ36により加熱され、後述する加圧ベルト34と共に回転しながら用紙Pを加熱及び加圧することで、図1に示す用紙P上のトナー像G(トナーT)を用紙Pに定着するようになっている。すなわち、本実施形態では、定着ロール32は、加熱体の一例として形成されている。
(ハロゲンヒータ)
図2に示すハロゲンヒータ36は、図示しない電源からの通電により発熱し、芯金を加熱することで定着ロール32全体を加熱するようになっている。ハロゲンヒータ36への通電の有無は、定着ロール32の外周面の温度を検知する図示しない温度センサの検知結果に基づいて行われる。
<加圧ベルト>
加圧ベルト34は、一例として、ポリイミド製の基層と該基層に積層されたフッ素樹脂製の離型層とを有する無端状のベルトである。また、加圧ベルト34は、用紙Pの搬送経路K(図1参照)に対してトナー像G側とは反対側(X側)に配置されている。また、加圧ベルト34は、Z方向を軸方向として、該軸周りに回転可能に配置されている。具体的には、後述するレバー部材42に支持された図示しないパッドが、加圧ベルト34の内周面に接触して加圧ベルト34を定着ロール32の外周面に押し付ける(加圧する)ことで、加圧ベルト34が定着ロール32の回転に同期して周回移動するようになっている。すなわち、本実施形態では、加圧ベルト34は、加圧体の一例として形成されている。なお、加圧ベルト34は、定着ロール32に対してX側に配置されている。
図3に示すように、定着ロール32の外周面と加圧ベルト34の外周面とが用紙Pを挟む部位でありかつ用紙P上のトナーTが加熱及び加圧される部位をニップ部Nと称する。つまり、加圧ベルト34は、定着ロール32と共に用紙Pを挟んでニップ部Nを形成している。なお、用紙Pが無い場合は、ニップ部Nにおいて、定着ロール32と加圧ベルト34が接触する。本実施形態では、一例として、定着装置30における用紙Pの搬送方向が、下方(−Y側)から斜め上方(−X側かつY側)に向かう方向となっており、ニップ部Nは、この斜め方向に沿って配置されている。
<ブラケット>
ブラケット38は、筐体31(図1参照)内に一対設けられ、定着ロール32を間にしてZ方向で対向している。なお、ブラケット38については、定着ロール32のZ側と−Z側とで同様の構成でありかつ定着ロール32のZ方向中央に対して対称に配置されている。
ブラケット38は、X−Y面に沿って配置されZ方向を厚さ方向とする板状の部材で構成されている。このブラケット38には、図示しないベアリングが取り付けられている。このベアリングには、定着ロール32の芯金が挿入されている。つまり、ブラケット38は、定着ロール32を支持している。
さらに、ブラケット38の定着ロール32の支持部分よりもX側には、Z方向を軸方向とするシャフト43の両端部が、図示しないネジにより固定されている。そして、ブラケット38の定着ロール32の支持部分よりも−X側の部位には、Z方向に貫通した貫通孔39が形成されている。この貫通孔39には後述する引張バネ44の下端が固定される。
<レバー部材>
レバー部材42は、筐体31(図1参照)内に一対設けられ、定着ロール32を間にしてZ方向で対向している。なお、レバー部材42については、定着ロール32のZ側と−Z側とで同様の構成でありかつ定着ロール32のZ方向中央に対して対称配置されている。
また、レバー部材42は、X−Y面に沿って配置されZ方向を厚さ方向とする板状の部材で構成されている。さらに、レバー部材42は、筐体31の下方から(−Y側)から上方(Y側)に直線的に延びた後、−X方向に緩やかに弧を描き、その後、−X側に直線的に延びている。レバー部材42の下端部(−Y側端部)には、図示しないベアリングが取り付けられている。このベアリングには、シャフト43が挿入されている。これにより、レバー部材42は、シャフト43の軸線回りに回転可能に支持されている。言い換えると、レバー部材42は、ブラケット38に回転可能に支持されている。
ここで、上述のように加圧ベルト34の内周面には図示しないパッドが接触している。一方、レバー部材42は、このパッドのZ方向両端部を支持している。このパッドは、加圧ベルト34を周方向に移動可能に支持していることから、レバー部材42は、加圧ベルト34を支持している。
レバー部材42の上部の直線部分には、後述するカムフォロワ46が固定されている。このカムフォロワ46はレバー部材42の直線部分の下端に形成されている。そして、当該カムフォロワ46の下方には共通カム50が設けられている。すなわち、レバー部材42の直線部分は、共通カム50を支持するシャフト35よりも上方(Y側)に位置している。
なお、レバー部材42の上方の直線部分の付け根には貫通孔45が形成されている。この貫通孔45には後述する引張バネ44の上端が固定される。
<カムフォロワ>
カムフォロワ46は、一例として、レバー部材42の上方の直線部分の長手方向に対して直交する断面がU字状の部材で構成されている。このカムフォロワ46は、レバー部材42のX方向の直線部分の下側(−Y側)に重ねられ、図示しないネジで固定されることで、レバー部材42に設けられている。このように、カムフォロワ46は、レバー部材42の一部を構成している。なお、カムフォロワ46の後述する共通カム50の外周面と接触する接触面は、平面とされている。
<引張バネ>
引張バネ44は、上端がレバー部材42に形成された貫通孔45に引っ掛けられ、下端がブラケット38に形成された貫通孔39に引っ掛けられることで、レバー部材42とブラケット38とを連結し、Y方向に弾性変形可能に配置されている。この引張バネ44は、各レバー部材42毎に設けられている。また、引張バネ44は、定着ロール32と加圧ベルト34とで形成されるニップ部Nをシャフト43周りの回転方向に加圧している。また、引張バネ44は、後述するニップ解除状態において共通カム50に弾性力を作用させると共に、後述するニップ状態においてニップ部Nに弾性力を作用させるようになっている。
<カム部材>
図2に示すように、共通カム50は、カムフォロワ46に接触し、回転することによりレバー部材42を可動させて、レバー部材42をブラケット38に対して相対的に移動させるものである。換言すると、加圧ベルト34を定着ロール32に対して離間及び接近させるものである。共通カム50は、Z方向を回転軸方向として配置されている。なお、共通カム50は、各レバー部材42毎にカムの山が同じ方向を向くように設けられている。ここで、共通カム50はカム部材の一例である。
図4に示すように、共通カム50は、外周面が曲面とされZ方向を厚さ方向(図2参照)とする部品である。また、共通カム50には、Z方向に貫通した円形の貫通孔53が形成されている。貫通孔53には、既述のシャフト35(図2及び図3参照)が圧入されて固定されている。貫通孔53をZ方向に見たときの中心位置をOとすると、共通カム50は、中心位置Oから外周面までの距離が最も長い最高点Hと、中心位置Oから外周面までの距離が最も短い最低点Lとを有している。ここで、中心位置Oは、共通カム50の回転中心位置とされる。
最高点Hは、本発明における「軸の中心からの距離が最大である位置」に相当する。また、最低点Lは、本発明における「軸の中心からの距離が最小である位置」に相当する。
なお、共通カム50をその回転方向(矢印R方向)の下流側から上流側に向けて観察した場合、最低点Lから最高点Hに至るまでの外周面を上昇面55と称し、最高点Hから最低点Lに至るまでの外周面を下降面56と称する。また、最高点H付近は、中心位置Oから外周面までの距離が一定の面であり、この面を円弧面P1として称する。さらに、上昇面55の一部には、封筒などの厚手の用紙Pに画像形成する場合にカムフォロワ46が接触した状態で停止する面があり、この面を中間面P2と称する。
以降の説明において、共通カム50の回転位置を特定する場合は以下のとおりとする。
(1)共通カム50がカムフォロワ46に接触していない場合
共通カム50の外周面の上端部(Y側端部)の位置で特定する。
(2)共通カム50がカムフォロワ46に接触している場合
共通カム50の外周面のカムフォロワ46との接触位置で特定する。
図3に示されるように、共通カム50が時計回りに回転する場合であって、上昇面55がカムフォロワ46に接触しながら回転する場合はレバー部材42が上昇(Y側に移動)する。つまり、加圧ベルト34は定着ロール32に対して離間する。一方、下降面56がカムフォロワ46に接触しながら回転する場合はレバー部材42が下降(−Y側に移動)する。つまり、加圧ベルト34は定着ロール32に対して接近する。ここで、「離間」及び「接近」とは、加圧ベルト34の固定点と定着ロール32の軸との距離が変化することを意味する。したがって、加圧ベルト34が定着ロール32に接触し、加圧されていても、両者の距離が短くなれば(加圧力が増大すれば)「接近」であり、両者の距離が長くなれば(加圧力が減少すれば)「離間」である。また、「離間する」及び「接近する」という状態は、連続的な変化であっても、段階的な変化であってもどちらでもよい。
なお、共通カム50が最低点Lに位置し、共通カム50がカムフォロワ46に接触していない場合がニップ状態となる。また、共通カム50が円弧面P1においてカムフォロワ46に接触している場合がニップ解除状態となる。さらに、共通カム50が中間面P2においてカムフォロワ46に接触している場合は、ニップ部における加圧力がニップ状態よりも減少し、封筒などの厚手の用紙Pに対し画像を形成する場合に適した状態となる。
<制動装置>
制動装置60は、共通カム50の回転に伴いレバー部材42が下降する間、シャフト35を制動させるものである。すなわち、制動装置60は、加圧ベルト34が定着ロール32に対して接近している間、共通カム50の回転に制動を掛けるものである。
図2及び図3に示されるように、この制動装置60は、一対の共通カム50のうちの一方(−Z側)に設けられ、切欠ギア61と、全周ギア63と、トルクリミッタ64とを有している。
ここで、切欠ギア61は、切欠歯車の一例である。トルクリミッタ64は、抑制装置の一例である。
切欠ギア61は、シャフト35と同期して回転するものである。切欠ギア61にはZ方向に貫通した円形の貫通孔が形成されており、この貫通孔にシャフト35が圧入されることで固定されている。切欠ギア61は、手前側(−Z側)の共通カム50に近接して設けられているが、上述のとおり、共通カム50もシャフト35に固定されていることから、共通カム50及び切欠ギア61はシャフト35と一体となって回転する。
ここで、切欠ギア61はシャフト35の周方向の一部にしか歯が形成されていない(図6参照)。具体的には、近接する共通カム50の上昇面55に沿って部分形成されている。切欠ギア61は、共通カム50及びシャフト35の回転に伴いレバー部材42が下降する間、すなわち、加圧ベルト34が定着ロール32に対して接近している間、後述するトルクリミッタ64の回転軸66に接続された全周ギア63と噛み合うように形成されている。
トルクリミッタ64は、シャフト35の回転力を抑制する、換言するとシャフト35に制動力を与えるものである。詳しくは、トルクリミッタ64は、その内部に設けられたスプリングにより負荷トルクが発生する。トルクリミッタ64の回転軸66には、全周ギア63が接続されている。
そして、シャフト35の回転に伴い、切欠ギア61が全周ギア63と噛み合うと、シャフト35に負荷トルクが伝達される。すなわち、シャフト35の回転力が抑制される。
<シャフトの回転駆動方法>
共通カム50及び切欠ギア61が固定されるシャフト35の回転駆動方法について以下に説明する。図3に示すように、定着装置30から−X側にはシャフト35を駆動させるためのモータ71が設けられており、シャフト35は複数のギアを介してモータ71と接続されている。詳しくは、モータ71の出力軸にはピニオン72が固定されている。このピニオン72には、移動ギア73が接続されている。移動ギア73は、モータ71の回転方向によって、回転軸が移動可能に形成されている。本実施形態ではモータ71が正回転する場合、移動ギア73は、伝達ギア74から離れて作動ギア76側に移動し、作動ギア76に接合して作動ギア76を駆動させる。一方、モータ71が逆回転する場合、移動ギア73は、作動ギア76から離れて伝達ギア74側に移動し、伝達ギア74に接合して伝達ギア74を駆動させる。
ここで、作動ギア76は、画像形成ユニット20に形成されたトナーTの収容容器から現像装置に向けてトナーTを搬送するための搬送装置に接続されている。すなわち、モータ71が正回転する場合、現像装置にトナーTが供給されることになる。
一方、移動ギア73とシャフト35との間には複数の伝達ギア74が接続されている。移動ギア73が伝達ギア74を回転させると、その回転は減速された上で、シャフト35に伝達され、シャフト35は矢印R方向に回転する。
ここで、シャフト35が受けるトルクについて、モータ71から駆動力を受けた場合を正のトルクとし、共通カム50から駆動力を受けた場合を負のトルクとする。なお、モータ71は、駆動手段の一例である。また、移動ギア73は、移動歯車の一例である。さらに、伝達ギア74は、伝達歯車の一例である。
(第1の実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について状態毎に説明する。
(1)ニップ状態
図5及び図6にニップ状態の定着装置30を示す。ニップ状態においては、共通カム50がカムフォロワ46と接触しておらず、レバー部材42を上方(Y方向)に持ち上げる力は働かない。すなわち、レバー部材42は引張バネ44により下方(−Y方向)に張力が働くため、加圧ベルト34が定着ロール32の外周面に押し付けられ、ニップ部Nが加圧される。そして、ニップ状態においてニップ部Nに、トナー像Gが形成された用紙Pを通過させることで、用紙P上のトナー像G(トナーT)が用紙Pに定着される。
なお、ニップ状態において、切欠ギア61は全周ギア63とわずかに噛み合う状態とされている。詳しくは、図6に示されるように、切欠ギア61の回転方向(矢印R方向)の最後方にある歯が全周ギア63に触れている。
以上、共通カム50とカムフォロワ46とが接触しない場合に、切欠ギア61は全周ギア63と噛み合い、共通カム50が図6の矢印R方向に回転し、カムフォロワ46と接触する場合に、切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いは外れるのである。
(2)ニップ状態からニップ解除状態への移行
まず、ニップ解除状態に移行する場合、制御部22の制御により、モータ71を逆回転駆動させる。すると、共通カム50は矢印R方向に回転を開始し、上昇面55がカムフォロワ46と接触を開始する。そして、共通カム50が回転することで、レバー部材42は引張バネ44の張力に抗し、上方(Y方向)に持ち上げられる。
ここで、共通カム50には引張バネ44による弾性力が働いている。したがって、共通カム50には、中心位置Oから外周面までの距離が縮む方向、すなわち、上昇面55においては、共通カム50の回転方向(矢印R方向)と反対方向に回転しようとするトルクが発生する。したがって、モータ71は、少なくともこのトルクよりも大きい正のトルクでシャフト35を駆動させる必要がある。なお、切欠ギア61は全周ギア63と噛み合っていないため、シャフト35に制動力は働かない。そのため、モータ71には共通カム50を回転駆動させる以外の駆動力、すなわち、トルクリミッタ64の制動力に対抗する駆動力は必要とされず、モータ71には過負荷が掛からない。
ここで、中間面P2がカムフォロワ46と接触した状態で共通カム50の回転が停止されると、封筒などの厚手の用紙Pに対し画像を形成する場合に適した状態となる。
(3)ニップ解除状態
共通カム50の回転開始後、最高点H(円弧面P1)がカムフォロワ46と接触した状態、換言すると、レバー部材42が最も持ち上げられた状態になると、モータ71は逆回転駆動を終了する。すなわち、ニップ解除状態となる。
図7及び図8にニップ解除状態の定着装置30を示す。レバー部材42が持ち上げられることにより、加圧ベルト34が定着ロール32から離間するため、ニップ部Nの加圧力が減少又は解消される。
ニップ解除状態において、切欠ギア61は全周ギア63とわずかに噛み合うか、噛み合い始めの状態とされている。詳しくは、切欠ギア61の回転方向(矢印R方向)の最前方にある歯が全周ギア63に触れている程度とされている。
(4)ニップ解除状態からニップ状態への移行
まず、ニップ状態に移行する場合、制御部22の制御により、モータ71を逆回転駆動させる。すると、共通カム50は矢印R方向に回転を開始し、下降面56がカムフォロワ46と接触を開始する。また、切欠ギア61が全周ギア63と完全に噛み合う。そして、共通カム50が回転することで、レバー部材42は下方(−Y方向)に下降する。レバー部材42が下降することにより、加圧ベルト34が定着ロール32に接近し、ニップ部Nの加圧力が増加する。
以上のように形成された、本実施形態の定着装置30においては、以下の効果を奏する。
まず、上述のとおり、共通カム50には引張バネ44による弾性力が働いている。したがって、共通カム50には、中心位置Oから外周面までの距離が縮む方向、すなわち、下降面56においては、共通カム50の回転方向(矢印R方向)と同方向に回転しようとするトルクが発生する。このトルクは、モータ71を回転させようとするトルク、すなわち、負のトルクである。したがって、ニップ解除状態からニップ状態へ移行する場合、シャフト35が受けるトルクが正から負に逆転することになる。
一方、切欠ギア61は全周ギア63と噛み合っているため、シャフト35に制動力が働く。そのため、シャフト35に働く負のトルクは緩和されている。
モータ71から共通カム50に向けては、ピニオン72、移動ギア73、伝達ギア74などのギアを介して駆動力を伝達しているが、これらのギア同士の噛み合いには、バックラッシュが存在する。そして、トルクが正から負に逆転した場合、各ギアの歯同士が衝突することにより異音が発生することになる。本実施形態によれば、制動装置60を設けることにより、負のトルクが緩和されている。すなわち、シャフト35が受けるトルクについて、正のトルクと負のトルクとの差が小さくなるため、ギアの歯同士の衝突エネルギーが抑えられる。そして、ギアの歯同士の衝突音が小さくなる。すなわち、制動装置60を設けない場合に比べて、異音の発生が抑えられる。
また、本実施形態では、移動ギア73によっても、ギアの歯同士の衝突による異音を抑えられる。
上述のとおり、本実施形態ではモータ71が逆回転する場合、移動ギア73は、作動ギア76側から伝達ギア74側に移動し、伝達ギア74を駆動させている。すなわち、シャフト35が正のトルクを受ける場合に、移動ギア73は伝達ギア74と噛み合っている。そして、ニップ解除状態からニップ状態へ移行し、シャフト35が受けるトルクが正から負に逆転した場合、移動ギア73が伝達ギア74からトルクを受けると、移動ギア73は、伝達ギア74側から作動ギア76側に移動する。すなわち、移動ギア73と伝達ギア74との噛み合いが外れる。
そして、移動ギア73と伝達ギア74との噛み合いが外れることにより、ピニオン72や作動ギア76などの他のギアにトルクが伝達されない。つまり、伝達ギア74からモータ71側の他のギアにおいて、ギアの歯同士の衝突が発生しない。また、伝達ギア74において、ギアの歯同士の衝突エネルギーが解放されるため、異音とされる衝突音が抑えられる。すなわち、移動ギア73を設けない場合に比べて、異音の発生が抑えられる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、同じ形状の一対の共通カム50により定着装置30が形成されていたが、第2の実施形態では、異なる形状のカム(第1カム51及び第2カム52)により定着装置30が形成されている。
以下の説明では、第1の実施形態との相違点について説明する。
<カム部材>
本実施形態の定着装置30では、切欠ギア61に近接する第1カム51と、Z方向において第1カム51と反対側にある第2カム52とを有している。図9(A)に第1カム51を、図9(B)に第2カム52をそれぞれ示す。なお、本実施形態では、第2カム52はカム部材の一例である。また。第1カム51は、他のカム部材の一例である。
第1カム51については、共通カム50と同じ形状である。
一方、第2カム52は、第1カム51と形状の一部が異なるものである。具体的には、図9(B)に示されるように、第1カム51と同様にZ方向に貫通した円形の貫通孔53が形成されおり、この貫通孔53は、シャフト35が圧入されて固定されている。貫通孔53をZ方向に見たときの中心位置をOとすると、第2カム52は、第1カム51と同じ位置に最高点Hと最低点Lが形成されている。また、第2カム52の最高点Hにおける中心位置Oから外周面までの距離は第1カム51の距離と同じである。さらに、第2カム52の最低点Lにおける中心位置Oから外周面までの距離は第1カム51の距離と同じである。
そして、第2カム52をその回転方向(矢印R方向)の下流側から上流側に向けて観察した場合、第2カム52の最高点Hから最低点Lに至るまでの外周面については第1カム51と同じ下降面56として形成されている。第2カム52の円弧面P1の形状は、第1カム51に同じである。
一方、第2カム52をその回転方向(矢印R方向)の下流側から上流側に向けて観察した場合に、第2カム52の最低点Lから最高点Hに至るまでの外周面については第1カム51と形状の一部が異なる上昇面54として形成されている。詳しくは、第2カム52の最低点Lから中間面P2に達するまでの外周面の形状については、第1カム51よりも中心位置Oから外周面までの距離が短い、換言すると、カムの山が低く形成されている。なお、第2カム52の中間面P2及び中間面P2から最高点Hに至るまでの外周面の形状については第1カム51と同じである。
以上、第1カム51及び第2カム52の形状の違いについてまとめると、上昇面(54、55)において、外周面の形状に違いがある。ここで、第1カム51側の相違部分を第1相違面P3と、第2カム52側の相違部分を第2相違面P4と称すると、図9(A)において、第2相違面P4の形状は点線で示すとおりであり、第1相違面P3は第2相違面P4に対し突出しているといえる。
つまり、第2カム52を基準に第1カム51を観察すると、第1カム51は、第2カム52の上昇面54において最低点L側にシャフト35の径方向の突出部を有する上昇面55と、第2カム52と同じ形状の下降面56を有している。なお、第2の実施形態においては、上昇面54は、第1面の一例である。また、下降面56は、第2面の一例である。さらに、上昇面55は、第3面の一例である。
<制動装置>
第2の実施形態の制動装置60においては、切欠ギア61の形状が第1の実施形態と相違している。具体的には、第2の実施形態の切欠ギア61は近接する第1カム51の上昇面55に沿って歯が部分的に形成されている点では第1の実施形態の切欠ギア61と同様である。第2の実施形態の切欠ギア61においては、回転方向(矢印R方向)の最前方の歯が形成される位置は第1の実施形態に同じである。一方、第2の実施形態の切欠ギア61においては、回転方向(矢印R方向)の最後方の歯が形成される位置は第1の実施形態よりもさらに後方に位置している。すなわち、第1の実施形態の切欠ギア61と比較した場合、第2の実施形態の切欠ギア61は、カムフォロワ46が上昇面55(第1相違面P3)に接触し、少し回転移動してから全周ギア63との噛み合いが外れるように形成されている。
第2の実施形態では、切欠ギア61は、第1カム51及びシャフト35の回転に伴いレバー部材42が下降する間、すなわち、加圧ベルト34が定着ロール32に対して接近している間、後述するトルクリミッタ64の回転軸に接続された全周ギア63と噛み合うように形成されている。
一方、切欠ギア61は、第1カム51及びシャフト35の回転に伴いレバー部材42を少し上昇させてから全周ギア63との噛み合いが外れるように形成されている。詳しくは、第1カム51がカムフォロワ46に接触してから、第2カム52がカムフォロワ46に接触するまでの間に切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れるように形成されている。換言すると、上昇面55により第1カム51のみが加圧ベルト34を定着ロール32に対して離間させている間、切欠ギア61は全周ギア63と噛み合うのである。
(第2の実施形態の作用効果)
以上のように形成された、第1カム51及び第2カム52によりニップ状態からニップ解除状態へ移行させる場合の作用効果は以下のとおりである。
すなわち、本実施形態では、第1カム51及び第2カム52によりレバー部材42を持ち上げるタイミングを異ならせる点に特徴がある。
まず、ニップ解除状態に移行する場合、制御部22の制御により、モータ71を逆回転駆動させる。すると、第1カム51及び第2カム52は矢印R方向に回転を開始し、まず、第1カム51の上昇面55がカムフォロワ46と接触を開始する。この時、第2カム52の上昇面54は、まだカムフォロワ46と接触していない。
さらに、第1カム51及び第2カム52を矢印R方向に回転させた状態を図10及び図11に示す。ここで、図10及び図11は同じ回転位置におけるカムの状態を示している。図10に示されるように、第1カム51では上昇面55の第1相違面P3(図9(A)参照)においてレバー部材42が持ち上げられる。一方、図11に示されるように、第2カム52では上昇面54の第2相違面P4(図9(B)参照)がカムフォロワ46と接触を開始する。
ここで、第2の実施形態では、上述のとおり、上昇面55により第1カム51のみが加圧ベルト34を定着ロール32に対して離間させている間、切欠ギア61は全周ギア63と噛み合うように形成されている。
第2の実施形態によれば以下の効果を奏する。
まず、第1の実施形態の切欠ギア61のように、ニップ状態からニップ解除状態への移行とともに切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れる場合、以下の2つの問題が生じていた。
まず、第1の問題は以下のとおりである。
切欠ギア61及び全周ギア63が噛み合っている場合、第1カム51が受ける引張バネ44の弾性力、及びトルクリミッタ64の制動力により、切欠ギア61及び全周ギア63にはひずみエネルギーが蓄積されている。ここで、レバー部材42の下降が終了し、切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れると、切欠ギア61及び全周ギア63に蓄積されていたひずみエネルギーが瞬時に開放される。ここで切欠ギア61と全周ギア63とのギア同士の噛み合いには、バックラッシュが存在する。そして、切欠ギア61及び全周ギア63に蓄積されていたひずみエネルギーが瞬時に開放されると、その反動により全周ギア63が逆回転し、切欠ギア61及び全周ギア63のギアの歯同士が衝突し、異音が発生する。
第2の問題は以下のとおりである。
上述のように、切欠ギア61及び全周ギア63が噛み合うことにより、ひずみエネルギーが蓄積されると、シャフト35を支えるベアリングのガタやシャフト35の撓みにより、切欠ギア61の軸であるシャフト35と、全周ギア63の軸であるトルクリミッタ64の回転軸66とが離れる。つまり、切欠ギア61及び全周ギア63の軸同士が逃げようとすることで軸間距離が広がっていた。そして、切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いが外れ、ひずみエネルギーが瞬時に開放されると、軸間距離が瞬時に戻るため、シャフト35、トルクリミッタ64の軸などの軸、これらの軸を支えるベアリング、及びベアリングを保持するブラケット38などから衝突音が発生する。すなわち、異音が発生する。
以上の問題に対し、第2の実施形態は、第1カム51のみがレバー部材42を持ち上げている状態で切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れるように形成されている。すなわち、第1カム51及び第2カム52により両レバー部材42を持ち上げる場合に比べて少ないひずみエネルギーが蓄積された状態で切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いを外すのである。したがって、切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いが外れた際に開放されるひずみエネルギー量を減らすことにより、ギア同士の反動を抑えてギアの歯の衝突を抑制し、異音が抑えられる。
また、切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いが外れた際に開放されるひずみエネルギー量を減らすことにより、切欠ギア61と全周ギア63との軸間距離の変化量が抑えられるため、噛み合いが外れた場合の衝突音の発生を抑えられる。
なお、第2の実施形態によれば、第2カム52がレバー部材42を持ち上げる前に、トルクリミッタ64の制動力が外れるため、モータ71が必要とする駆動力の増加分を抑えることができる。すなわち、モータ71の過負荷を最小限にすることができる。
(補足)
以上のとおり、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて他の実施形態が可能である。
例えば、各実施形態では、本発明の一例が定着装置30であるとして説明した。しかしながら、用紙Pを搬送する装置であれば、本発明を、定着装置30以外に用紙Pを搬送する搬送装置として用いてもよい。例えば、画像形成装置10における転写ユニットの一部を本発明の搬送装置とし、用紙Pの搬送の機能も有する転写装置として用いてもよい。また、電子写真方式の画像形成装置10以外で、シート材を挟んで搬送する装置に用いてもよい。
なお、本発明は各実施の形態の定着装置30のように、シャフト43周りの回転により定着ロール32と加圧ベルト34とでニップ部Nが形成される構成に限らず、定着ロール32又は加圧ベルト34が水平移動することにより、ニップ部Nが形成される構成としてもよい。
また、各実施形態では、ブラケット38が定着ロール32を支持し、レバー部材42が加圧ベルト34を支持するとして説明した。しかしながら、何れか一方が他方に対して回転可能とされていれば、ブラケット38が加圧ベルト34を支持し、レバー部材42が定着ロール32を支持する構成であってもよい。
また、各実施形態では、加熱体の一例である定着ロール32を第1回転体として、加圧体の一例である加圧ベルト34を第2回転体としているが、これに限らず、定着ロール32側を第2回転体として、加圧ベルト34側を第1回転体として構成してもよい。また、各実施形態では、加圧ベルト34は加圧体の一例として説明した。しかしながら、用紙P上のトナーを加圧する機能を有すれば、加圧体の一例は加圧ベルト34に限られない。例えば、加圧ベルト34に換えて、定着ロール32のような構成、換言すれば、円筒体の加圧ロールとしてもよい。
また、各実施形態の制動装置60では、トルクリミッタ64を用いてシャフト35を制動していたが、制動方法はこれに限らない。例えば、シャフト35に直接ゴム材を押し当ててシャフト35を制動させる方法や、流体継手のように流体の粘性抵抗を利用してシャフト35を制動させる方法を採用してもよい。
各実施形態の制動装置60では、切欠ギア61が全周ギア63と噛み合い、加圧ベルト34が定着ロール32に接近している間、シャフト35に制動力が働くように形成されているが、接近している間、常に制動を掛ける必要はない。異音が抑えられれば、加圧ベルト34が定着ロール32に接近している間、いずれかのタイミングで制動を掛ければ足りる。
なお、各実施形態では、定着装置30は、画像形成装置10を構成するとして説明した。また、定着装置30は、画像形成部14により形成された用紙P上のトナー像を定着するとして説明した。しかしながら、定着装置30が用紙P上の画像を定着するものであれば、画像形成部により用紙P上に形成される画像は、トナー像でなくてもよい。例えば、定着装置30は、液滴を液滴吐出装置により用紙P上に吐出して用紙P上に形成された画像を定着するために用いてもよい。この場合、画像形成部は、インクジェット方式の画像形成部であり、画像形成装置は、インクジェット方式の画像形成装置となる。また、画像形成部をいわゆるオフセット印刷装置の画像形成部とし、定着装置30は、当該画像形成部で形成された画像を定着するために用いてもよい。この場合、画像形成部は、オフセット方式の画像形成部であり、画像形成装置は、オフセット方式の画像形成装置となる。なお、インクジェット方式の画像形成部及びオフセット方式の画像形成部は、画像形成部の一例であり、その他の画像形成部を備えた画像形成装置であっても、用紙Pに画像を形成し、その後、用紙P上の画像を加熱、加圧して定着させる方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。
10 画像形成装置
14 画像形成部
20 画像形成ユニット
22 制御部
30 定着装置(搬送装置の一例)
32 定着ロール(第1回転体又は第2回転体の一例、加熱体の一例)
34 加圧ベルト(第2回転体又は第1回転体の一例、加圧体の一例)
35 シャフト(軸の一例)
42 レバー部材(支持部の一例)
44 引張バネ
46 カムフォロワ(作動部の一例)
50 共通カム(カム部材の一例)
51 第1カム(他のカム部材の一例)
52 第2カム(カム部材の一例)
54 上昇面(第1面の一例)
55 上昇面(第3面の一例)
56 下降面(第2面の一例)
60 制動装置(制動手段の一例)
61 切欠ギア(切欠歯車の一例)
64 トルクリミッタ(抑制装置の一例)
71 モータ(駆動手段の一例)
73 移動ギア(移動歯車の一例)
74 伝達ギア(伝達歯車の一例)
N ニップ部
P 用紙(媒体の一例)
H 最高点
L 最低点

Claims (6)

  1. 自軸周りに回転する第1回転体と、前記第1回転体に接して回転する第2回転体とで、媒体を挟んで搬送する搬送部と、
    前記自軸方向に設けられた軸が回転駆動されることにより前記第2回転体の支持部を可動させて、前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間及び接近させる第1カム部材と、
    前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して接近させる場合は前記第2回転体の支持部を可動させ、前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させる場合は少なくとも一時的に前記第2回転体の支持部を可動させない第2カム部材と、
    前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記軸を制動させる制動手段と、
    を備えた搬送装置。
  2. 前記制動手段は、
    前記軸と同期して回転する切欠歯車と、
    歯車に接続され前記軸の回転力を抑制する抑制装置と、を備え、
    前記切欠歯車は、前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記歯車と噛み合う請求項に記載の搬送装置。
  3. 前記第1カム部材及び第2カム部材の各前記支持部は、対応する前記カム部材の外周面が接触する作動部を備え、
    少なくとも前記外周面と前記作動部とが接触しない場合、前記切欠歯車は、前記歯車と噛み合う請求項に記載の搬送装置。
  4. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載の搬送装置を備え、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方は加熱体として、他方は加圧体として形成されている定着装置。
  5. 画像形成部と、請求項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
  6. 前記軸を駆動させる駆動手段と、
    前記軸に接続された伝達歯車に対して接離自在に配設され、かつ前記駆動手段から前記軸に動力を伝達するための移動歯車と、備え、
    前記移動歯車は、
    前記駆動手段から前記軸に動力を伝達する場合は、前記伝達歯車に接合し、前記軸から前記伝達歯車に動力が伝達される場合は、前記伝達歯車から離隔する請求項に記載の画像形成装置。
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