JP6780361B2 - 搬送装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
他の態様としての搬送装置は、自軸周りに回転する第1回転体と、前記第1回転体に接して回転する第2回転体とで、媒体を挟んで搬送する搬送部と、前記自軸方向に設けられた軸が回転駆動されることにより前記第2回転体の支持部を可動させて、前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間及び接近させるカム部材と、前記カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、前記軸を制動させる制動手段と、を備えている。
第1の実施形態に係る搬送装置、定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
図1には、本実施形態の画像形成装置10が示されている。なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(Zで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10を正面視して、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をY方向、X方向、Z方向と記載する。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、後側をZ側、前側を−Z側と記載する。
次に、定着装置30について図2及び図3を使用して説明する。図2は定着装置30の外観斜視図であり、図3は定着装置30のZ方向中央付近の断面であって、Z方向から−Z方向を観察した側面断面図である。
定着ロール32は、一例として、アルミニウムからなる円筒状の芯金の外周面にシリコンゴム製の弾性体層及びフッ素樹脂製の離型層が形成された構成とされている。この定着ロール32の芯金の内側には、加熱源としてのハロゲンヒータ36が設けられている。また、定着ロール32は、用紙Pの搬送経路K(図1参照)に対してトナー像G側(−X側)に配置されている。さらに、定着ロール32は、Z方向を軸方向として、該軸周りに回転可能とされている。定着ロール32の軸部のZ側には、図示しないギアが設けられている。このギアは、図示しないモータにより回転されるようになっている。このように、定着ロール32は、ハロゲンヒータ36により加熱され、後述する加圧ベルト34と共に回転しながら用紙Pを加熱及び加圧することで、図1に示す用紙P上のトナー像G(トナーT)を用紙Pに定着するようになっている。すなわち、本実施形態では、定着ロール32は、加熱体の一例として形成されている。
図2に示すハロゲンヒータ36は、図示しない電源からの通電により発熱し、芯金を加熱することで定着ロール32全体を加熱するようになっている。ハロゲンヒータ36への通電の有無は、定着ロール32の外周面の温度を検知する図示しない温度センサの検知結果に基づいて行われる。
加圧ベルト34は、一例として、ポリイミド製の基層と該基層に積層されたフッ素樹脂製の離型層とを有する無端状のベルトである。また、加圧ベルト34は、用紙Pの搬送経路K(図1参照)に対してトナー像G側とは反対側(X側)に配置されている。また、加圧ベルト34は、Z方向を軸方向として、該軸周りに回転可能に配置されている。具体的には、後述するレバー部材42に支持された図示しないパッドが、加圧ベルト34の内周面に接触して加圧ベルト34を定着ロール32の外周面に押し付ける(加圧する)ことで、加圧ベルト34が定着ロール32の回転に同期して周回移動するようになっている。すなわち、本実施形態では、加圧ベルト34は、加圧体の一例として形成されている。なお、加圧ベルト34は、定着ロール32に対してX側に配置されている。
ブラケット38は、筐体31(図1参照)内に一対設けられ、定着ロール32を間にしてZ方向で対向している。なお、ブラケット38については、定着ロール32のZ側と−Z側とで同様の構成でありかつ定着ロール32のZ方向中央に対して対称に配置されている。
レバー部材42は、筐体31(図1参照)内に一対設けられ、定着ロール32を間にしてZ方向で対向している。なお、レバー部材42については、定着ロール32のZ側と−Z側とで同様の構成でありかつ定着ロール32のZ方向中央に対して対称配置されている。
なお、レバー部材42の上方の直線部分の付け根には貫通孔45が形成されている。この貫通孔45には後述する引張バネ44の上端が固定される。
カムフォロワ46は、一例として、レバー部材42の上方の直線部分の長手方向に対して直交する断面がU字状の部材で構成されている。このカムフォロワ46は、レバー部材42のX方向の直線部分の下側(−Y側)に重ねられ、図示しないネジで固定されることで、レバー部材42に設けられている。このように、カムフォロワ46は、レバー部材42の一部を構成している。なお、カムフォロワ46の後述する共通カム50の外周面と接触する接触面は、平面とされている。
引張バネ44は、上端がレバー部材42に形成された貫通孔45に引っ掛けられ、下端がブラケット38に形成された貫通孔39に引っ掛けられることで、レバー部材42とブラケット38とを連結し、Y方向に弾性変形可能に配置されている。この引張バネ44は、各レバー部材42毎に設けられている。また、引張バネ44は、定着ロール32と加圧ベルト34とで形成されるニップ部Nをシャフト43周りの回転方向に加圧している。また、引張バネ44は、後述するニップ解除状態において共通カム50に弾性力を作用させると共に、後述するニップ状態においてニップ部Nに弾性力を作用させるようになっている。
図2に示すように、共通カム50は、カムフォロワ46に接触し、回転することによりレバー部材42を可動させて、レバー部材42をブラケット38に対して相対的に移動させるものである。換言すると、加圧ベルト34を定着ロール32に対して離間及び接近させるものである。共通カム50は、Z方向を回転軸方向として配置されている。なお、共通カム50は、各レバー部材42毎にカムの山が同じ方向を向くように設けられている。ここで、共通カム50はカム部材の一例である。
最高点Hは、本発明における「軸の中心からの距離が最大である位置」に相当する。また、最低点Lは、本発明における「軸の中心からの距離が最小である位置」に相当する。
(1)共通カム50がカムフォロワ46に接触していない場合
共通カム50の外周面の上端部(Y側端部)の位置で特定する。
(2)共通カム50がカムフォロワ46に接触している場合
共通カム50の外周面のカムフォロワ46との接触位置で特定する。
制動装置60は、共通カム50の回転に伴いレバー部材42が下降する間、シャフト35を制動させるものである。すなわち、制動装置60は、加圧ベルト34が定着ロール32に対して接近している間、共通カム50の回転に制動を掛けるものである。
ここで、切欠ギア61は、切欠歯車の一例である。トルクリミッタ64は、抑制装置の一例である。
共通カム50及び切欠ギア61が固定されるシャフト35の回転駆動方法について以下に説明する。図3に示すように、定着装置30から−X側にはシャフト35を駆動させるためのモータ71が設けられており、シャフト35は複数のギアを介してモータ71と接続されている。詳しくは、モータ71の出力軸にはピニオン72が固定されている。このピニオン72には、移動ギア73が接続されている。移動ギア73は、モータ71の回転方向によって、回転軸が移動可能に形成されている。本実施形態ではモータ71が正回転する場合、移動ギア73は、伝達ギア74から離れて作動ギア76側に移動し、作動ギア76に接合して作動ギア76を駆動させる。一方、モータ71が逆回転する場合、移動ギア73は、作動ギア76から離れて伝達ギア74側に移動し、伝達ギア74に接合して伝達ギア74を駆動させる。
次に、本実施形態の作用効果について状態毎に説明する。
図5及び図6にニップ状態の定着装置30を示す。ニップ状態においては、共通カム50がカムフォロワ46と接触しておらず、レバー部材42を上方(Y方向)に持ち上げる力は働かない。すなわち、レバー部材42は引張バネ44により下方(−Y方向)に張力が働くため、加圧ベルト34が定着ロール32の外周面に押し付けられ、ニップ部Nが加圧される。そして、ニップ状態においてニップ部Nに、トナー像Gが形成された用紙Pを通過させることで、用紙P上のトナー像G(トナーT)が用紙Pに定着される。
まず、ニップ解除状態に移行する場合、制御部22の制御により、モータ71を逆回転駆動させる。すると、共通カム50は矢印R方向に回転を開始し、上昇面55がカムフォロワ46と接触を開始する。そして、共通カム50が回転することで、レバー部材42は引張バネ44の張力に抗し、上方(Y方向)に持ち上げられる。
共通カム50の回転開始後、最高点H(円弧面P1)がカムフォロワ46と接触した状態、換言すると、レバー部材42が最も持ち上げられた状態になると、モータ71は逆回転駆動を終了する。すなわち、ニップ解除状態となる。
図7及び図8にニップ解除状態の定着装置30を示す。レバー部材42が持ち上げられることにより、加圧ベルト34が定着ロール32から離間するため、ニップ部Nの加圧力が減少又は解消される。
まず、ニップ状態に移行する場合、制御部22の制御により、モータ71を逆回転駆動させる。すると、共通カム50は矢印R方向に回転を開始し、下降面56がカムフォロワ46と接触を開始する。また、切欠ギア61が全周ギア63と完全に噛み合う。そして、共通カム50が回転することで、レバー部材42は下方(−Y方向)に下降する。レバー部材42が下降することにより、加圧ベルト34が定着ロール32に接近し、ニップ部Nの加圧力が増加する。
まず、上述のとおり、共通カム50には引張バネ44による弾性力が働いている。したがって、共通カム50には、中心位置Oから外周面までの距離が縮む方向、すなわち、下降面56においては、共通カム50の回転方向(矢印R方向)と同方向に回転しようとするトルクが発生する。このトルクは、モータ71を回転させようとするトルク、すなわち、負のトルクである。したがって、ニップ解除状態からニップ状態へ移行する場合、シャフト35が受けるトルクが正から負に逆転することになる。
上述のとおり、本実施形態ではモータ71が逆回転する場合、移動ギア73は、作動ギア76側から伝達ギア74側に移動し、伝達ギア74を駆動させている。すなわち、シャフト35が正のトルクを受ける場合に、移動ギア73は伝達ギア74と噛み合っている。そして、ニップ解除状態からニップ状態へ移行し、シャフト35が受けるトルクが正から負に逆転した場合、移動ギア73が伝達ギア74からトルクを受けると、移動ギア73は、伝達ギア74側から作動ギア76側に移動する。すなわち、移動ギア73と伝達ギア74との噛み合いが外れる。
第1の実施形態では、同じ形状の一対の共通カム50により定着装置30が形成されていたが、第2の実施形態では、異なる形状のカム(第1カム51及び第2カム52)により定着装置30が形成されている。
以下の説明では、第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態の定着装置30では、切欠ギア61に近接する第1カム51と、Z方向において第1カム51と反対側にある第2カム52とを有している。図9(A)に第1カム51を、図9(B)に第2カム52をそれぞれ示す。なお、本実施形態では、第2カム52はカム部材の一例である。また。第1カム51は、他のカム部材の一例である。
第1カム51については、共通カム50と同じ形状である。
第2の実施形態の制動装置60においては、切欠ギア61の形状が第1の実施形態と相違している。具体的には、第2の実施形態の切欠ギア61は近接する第1カム51の上昇面55に沿って歯が部分的に形成されている点では第1の実施形態の切欠ギア61と同様である。第2の実施形態の切欠ギア61においては、回転方向(矢印R方向)の最前方の歯が形成される位置は第1の実施形態に同じである。一方、第2の実施形態の切欠ギア61においては、回転方向(矢印R方向)の最後方の歯が形成される位置は第1の実施形態よりもさらに後方に位置している。すなわち、第1の実施形態の切欠ギア61と比較した場合、第2の実施形態の切欠ギア61は、カムフォロワ46が上昇面55(第1相違面P3)に接触し、少し回転移動してから全周ギア63との噛み合いが外れるように形成されている。
以上のように形成された、第1カム51及び第2カム52によりニップ状態からニップ解除状態へ移行させる場合の作用効果は以下のとおりである。
まず、第1の実施形態の切欠ギア61のように、ニップ状態からニップ解除状態への移行とともに切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れる場合、以下の2つの問題が生じていた。
切欠ギア61及び全周ギア63が噛み合っている場合、第1カム51が受ける引張バネ44の弾性力、及びトルクリミッタ64の制動力により、切欠ギア61及び全周ギア63にはひずみエネルギーが蓄積されている。ここで、レバー部材42の下降が終了し、切欠ギア61の全周ギア63との噛み合いが外れると、切欠ギア61及び全周ギア63に蓄積されていたひずみエネルギーが瞬時に開放される。ここで切欠ギア61と全周ギア63とのギア同士の噛み合いには、バックラッシュが存在する。そして、切欠ギア61及び全周ギア63に蓄積されていたひずみエネルギーが瞬時に開放されると、その反動により全周ギア63が逆回転し、切欠ギア61及び全周ギア63のギアの歯同士が衝突し、異音が発生する。
上述のように、切欠ギア61及び全周ギア63が噛み合うことにより、ひずみエネルギーが蓄積されると、シャフト35を支えるベアリングのガタやシャフト35の撓みにより、切欠ギア61の軸であるシャフト35と、全周ギア63の軸であるトルクリミッタ64の回転軸66とが離れる。つまり、切欠ギア61及び全周ギア63の軸同士が逃げようとすることで軸間距離が広がっていた。そして、切欠ギア61と全周ギア63との噛み合いが外れ、ひずみエネルギーが瞬時に開放されると、軸間距離が瞬時に戻るため、シャフト35、トルクリミッタ64の軸などの軸、これらの軸を支えるベアリング、及びベアリングを保持するブラケット38などから衝突音が発生する。すなわち、異音が発生する。
以上のとおり、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて他の実施形態が可能である。
なお、本発明は各実施の形態の定着装置30のように、シャフト43周りの回転により定着ロール32と加圧ベルト34とでニップ部Nが形成される構成に限らず、定着ロール32又は加圧ベルト34が水平移動することにより、ニップ部Nが形成される構成としてもよい。
14 画像形成部
20 画像形成ユニット
22 制御部
30 定着装置(搬送装置の一例)
32 定着ロール(第1回転体又は第2回転体の一例、加熱体の一例)
34 加圧ベルト(第2回転体又は第1回転体の一例、加圧体の一例)
35 シャフト(軸の一例)
42 レバー部材(支持部の一例)
44 引張バネ
46 カムフォロワ(作動部の一例)
50 共通カム(カム部材の一例)
51 第1カム(他のカム部材の一例)
52 第2カム(カム部材の一例)
54 上昇面(第1面の一例)
55 上昇面(第3面の一例)
56 下降面(第2面の一例)
60 制動装置(制動手段の一例)
61 切欠ギア(切欠歯車の一例)
64 トルクリミッタ(抑制装置の一例)
71 モータ(駆動手段の一例)
73 移動ギア(移動歯車の一例)
74 伝達ギア(伝達歯車の一例)
N ニップ部
P 用紙(媒体の一例)
H 最高点
L 最低点
Claims (6)
- 自軸周りに回転する第1回転体と、前記第1回転体に接して回転する第2回転体とで、媒体を挟んで搬送する搬送部と、
前記自軸方向に設けられた軸が回転駆動されることにより前記第2回転体の支持部を可動させて、前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間及び接近させる第1カム部材と、
前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して接近させる場合は前記第2回転体の支持部を可動させ、前記第1カム部材が前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させる場合は少なくとも一時的に前記第2回転体の支持部を可動させない第2カム部材と、
前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記軸を制動させる制動手段と、
を備えた搬送装置。 - 前記制動手段は、
前記軸と同期して回転する切欠歯車と、
歯車に接続され前記軸の回転力を抑制する抑制装置と、を備え、
前記切欠歯車は、前記第1カム部材及び前記第2カム部材の回転に伴い前記第2回転体が前記第1回転体に対して接近している間、及び、前記第1カム部材のみが前記第2回転体を前記第1回転体に対して離間させている間、前記歯車と噛み合う請求項1に記載の搬送装置。 - 前記第1カム部材及び第2カム部材の各前記支持部は、対応する前記カム部材の外周面が接触する作動部を備え、
少なくとも前記外周面と前記作動部とが接触しない場合、前記切欠歯車は、前記歯車と噛み合う請求項2に記載の搬送装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の搬送装置を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方は加熱体として、他方は加圧体として形成されている定着装置。 - 画像形成部と、請求項4に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
- 前記軸を駆動させる駆動手段と、
前記軸に接続された伝達歯車に対して接離自在に配設され、かつ前記駆動手段から前記軸に動力を伝達するための移動歯車と、備え、
前記移動歯車は、
前記駆動手段から前記軸に動力を伝達する場合は、前記伝達歯車に接合し、前記軸から前記伝達歯車に動力が伝達される場合は、前記伝達歯車から離隔する請求項5に記載の画像形成装置。
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