JP2015087701A - 加圧機構、及びその加圧機構を備える画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カムの回転によって加圧部材を被加圧部材に加圧する加圧機構において、簡易な構成で加圧時の衝撃音の低減とカム回転時の最大トルクを軽減できるようにした加圧機構の提供。【解決手段】加圧部材30を被加圧部材40に加圧する加圧機構50であって、加圧力発生部材51,51dと、前記加圧力発生部材で発生する加圧力により前記加圧部材を前記被加圧部材へ加圧さる第1の部材52,52dと、前記加圧力を前記第1の部材に変更可能に作用させる第2の部材55,55dと、前記第1の部材と前記第2の部材の間に配設された回転可能なカム58,58dと、を有し、前記カムは、前記カムの回転によって前記第1の部材と前記第2の部材に共に当接した際に前記加圧力により前記カムの回転力を互いに打ち消し合う複数の外周部P1,P4を備えることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、加圧部材を被加圧部材に加圧する際の加圧力を変更可能な加圧機構、及びその加圧機構を備える画像形成装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として、熱ローラ方式の装置が知られている。このタイプの定着器は、定着ローラと、定着ローラを加熱するヒータと、定着ローラと共にニップ部を形成する加圧ローラなどを有している。未定着トナー画像を担持した記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に定着される。
特許文献1には、カムの回転によって定着ローラに対し加圧ローラに加圧状態と離間状態を施すように構成した加圧機構を備えた加熱装置が記載されている。
この加圧機構は、加圧ローラを支持する揺動可能なアームに設けられたコロを加圧バネのバネ力よりカム外周の大径円弧に当接させて加圧ローラを離間状態にしている(図7参照)。そして離間状態から加圧状態に移行する際にカムの回転でそのカム外周からコロが離れ、バネ力が直接アームに伝わることで、加圧ローラが加圧状態となるようになっている(図1参照)。このとき、カムは加圧バネのバネ力をアームのコロを介して受けることでカムの駆動力に先んじて回転し(先行回転)、カムの規制位置で停止する。その際にカムがコロに衝突し叩き音が発生する。
そのため、カムを回転させる駆動ギア部に、ダンパーギアを備えることで、そのカムの先行回転力を緩和する対応がとられている。あるいは、アームの反対側(定着ローラ側)にもう1つの加圧バネを備えた第2の押し部材を備えることで、カムが先行回転する力を緩和しその際に発生する衝撃音を低減している。第2の押し部材を備える場合の構成として、加圧バネ、押し部材、コロ、押し部材支持軸、バネ支持部材などの部品が必要である。第2押し部材を用いるためには、加圧バネを追加する必要があり、1つの加圧機構において、4つの加圧バネをもつ構成となる。
カムの回転によって定着ローラ(加圧部材)を加圧ローラ(被加圧部材)に加圧する加圧機構において、複数の加圧バネと部品を用いる場合、使用する部品点数が増えることで、作用する加圧力のバラつきを大きくしてしまう。そのため、前述の衝撃音の緩和と回転トルクの軽減効果においても、バラつきが生じてしまう。
また、加圧ローラと定着ローラの長手方向両側で加圧力を作用させる場合、加圧ローラと定着ローラの長手方向両側に加圧力切替え機構を備える必要がある。その加圧ローラと定着ローラの長手方向両側において、加圧力の差が大きくなると、カム回転動作時にトルク差が生じ、カムを支持するカム軸をはじめとして、装置にネジレ力を発生させてしまうことになる。それらを防止するために、4つのバネのバネ力のバラつきを一定内に抑える対応がとられる。そのために、部品公差を小さくし厳しく管理するなどの対応が生じる場合がある。又は、ネジレ力が発生しても装置をねじらないように剛性をあげた構成で対策を施す場合もある。
さらに、第2の押し部材を配置するためには、そのためのスペースを確保する必要と、構成部品の増加で、装置の大型化に繋がる。すなわち、これらの加圧バネのバネ力や、部品の公差管理、ユニット構成の剛性アップ、構成部品の増加、装置の大型化といった対応により、装置がコストアップしてしまうという課題があった。
本発明の目的は、カムの回転によって加圧部材を被加圧部材に加圧する加圧機構において、簡易な構成で加圧時の衝撃音の低減とカム回転時の最大トルクを軽減できるようにした加圧機構、及びその加圧機構を備える画像形成装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するための本発明に係る加圧機構の構成は、加圧部材を被加圧部材に加圧する加圧機構であって、加圧力発生部材と、前記加圧力発生部材で発生する加圧力により前記加圧部材を前記被加圧部材へ加圧される第1の部材と、前記加圧力を前記第1の部材に変更可能に作用させる第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材の間に配設された回転可能なカムと、を有し、前記カムは、前記カムの回転によって前記第1の部材と前記第2の部材に共に当接した際に前記加圧力により前記カムの回転力を互いに打ち消し合う複数の外周部を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置において、前記定着部は(1)に記載の加圧機構を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に記録材を供給する記録材供給部と、記録材に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置において、前記記録材供給部は(1)に記載の加圧機構を有することを特徴とする。
本発明によれば、カムの回転によって加圧部材を被加圧部材に加圧する加圧機構において、簡易な構成で加圧時の衝撃音の低減とカム回転時の最大トルクを軽減できるようにした加圧機構、及びその加圧機構を備える画像形成装置の提供を実現できる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図8は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではフルカラープリンタ)100の一例の概略構成を表す断面図である。
(1)画像形成装置例
図8は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではフルカラープリンタ)100の一例の概略構成を表す断面図である。
画像形成装置100において、記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部101は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成ステーションSY,SM,SC,SBkを有する。各画像形成ステーションは、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電部材2と、レーザスキャナ3と、現像器4と、感光体ドラム1をクリーニングするクリーナ5を有している。更に各画像形成ステーションは、転写部材6と、転写部材6で感光体ドラム1から転写したトナー画像を担持しつつ搬送するベルト7と、ベルト7から記録材Pへトナー画像を転写する二次転写部材8などを有している。以上の画像形成部101の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
各画像形成ステーションにおいて、感光体ドラム1と、帯電部材2と、現像器4と、クリーナ5は、画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)100Aに取り外し可能に装着するカートリッジとして一体化されている。
装置本体100A内のカセット9に収納された記録材Pはローラ10の回転によって1枚ずつ繰り出される。その記録材Pはローラ11の回転によってベルト7と二次転写部材8とで形成された二次転写ニップ部に搬送される。二次転写ニップ部でトナー画像が転写された記録材Pは定着部(以下、定着装置と記す)102に送られ、トナー画像は定着部で記録材に加熱定着される。定着装置102を出た記録材Pはローラ12の回転によって排出部13へと搬送され、記録材が排出部に排出される。
装置本体100Aに装着された記録材供給部(以下、記録材供給装置と記す)103は、トレイユニット70に載置された記録材Pを給送ローラユニット80によって1枚ずつ送り出すことによって記録材を画像形成部101に供給するようになっている。給送ローラユニット80で送り出された記録材Pはローラ11の回転によって二次転写ニップ部に搬送され、トナー画像が記録材に転写される。トナー画像が定着装置102で加熱定着された記録材Pはローラ12の回転によって搬送され排出部13に排出される。
再搬送部104は記録材Pの2面目を印字面としてトナー画像を形成する場合に用いられるものである。再搬送部104では、1面目を印字面としてトナー画像が形成された記録材Pの後端が分岐部17を抜けたことをセンサー(不図示)で検知してローラ12を逆回転させ、その記録材をスイッチバックさせてローラ11に搬送するようになっている。その記録材Pはローラ11の回転によって二次転写ニップ部に搬送され、トナー画像が記録材の2面目に転写される。2面目のトナー画像が定着装置102で加熱定着された記録材Pはローラ12の回転によって搬送され排出部13に排出される。
(2)定着部102
図1は本発明に係る加圧機構50を有する定着装置102を非駆動側から表わした側面図である。図2は定着装置102の加圧機構50と加熱ユニット30と加圧ローラユニット40の関係を表わす斜視図である。図3は定着装置102の要部を表わす模式図である。図3において、(a)は定着装置102の概略構成を表わす断面図、(b)は定着装置102の記録材搬送方向上流側からの概略構成を表わす側面図である。この定着装置102は記録材Pが担持する未定着トナー画像tをスリーブ41で加熱するタイプの装置である。
図1は本発明に係る加圧機構50を有する定着装置102を非駆動側から表わした側面図である。図2は定着装置102の加圧機構50と加熱ユニット30と加圧ローラユニット40の関係を表わす斜視図である。図3は定着装置102の要部を表わす模式図である。図3において、(a)は定着装置102の概略構成を表わす断面図、(b)は定着装置102の記録材搬送方向上流側からの概略構成を表わす側面図である。この定着装置102は記録材Pが担持する未定着トナー画像tをスリーブ41で加熱するタイプの装置である。
定着装置102は、加熱ユニット(加圧部材)30と、加圧ローラユニット(被加圧部材)40と、加圧機構(以下、加圧力切替え機構と記す)50を有する。更に定着装置102は、定着装置の枠体をなすフレーム20と、フレームの一部を構成するサブフレーム21を有する。サブフレーム21は、2つのビス22,23によりフレーム20に一体的に固着されて箱状にフレームを補強している。加熱ユニット30と、加圧ローラユニット40と、加圧力切替え機構50は、それぞれ、フレーム20に支持されている。
加熱ユニット30は、セラミック製のヒータ31と、ヒータを支持するヒーターホルダー32を有する。更に加熱ユニット30は、ヒーターホルダーの外周にルーズに外嵌された筒状のスリーブ(加熱回転体)33と、スリーブの長手方向両端に配設されたフランジ34を有する(図3(b)参照)。これらのヒータ31、ヒーターホルダー32、及びスリーブ33は、何れも記録材搬送方向と直交する方向(以下、長手方向と記す)に長い部材である。
ヒータ31は、細長い基板31a上に、通電により発熱する抵抗発熱体31bと、抵抗発熱体を被覆して保護する保護層31cを備えたものである(図3(a)参照)。フランジ34は、スリーブ33の回転軌道をガイドするガイド部34aと、スリーブの回転動作中のスラスト方向の移動を規制する規制部34bと、ヒーターホルダー32の長手方向両端を支持する支持部34cを有している。
上記の加熱ユニット30は、フランジ34の支持部34cがフレーム20に移動可能に支持され、スリーブ41を加圧ローラユニット24の後述する加圧ローラ41に対し加圧できるようになっている。
加圧ローラユニット40は、加圧ローラ(加圧回転体)41と、軸受42と、ギア43を有する。長手方向に長い加圧ローラ41は、金属製の芯金41aの長手方向両端の軸部41a1間の外周面にシリコンゴム等からなる弾性層41bを有し、この弾性層の外周面を離型層41cで被覆したものである。この加圧ローラユニット40は、加圧ローラユニットの加圧ローラ41の外周面(表面)が加熱ユニット30のスリーブ41の外周面(表面)と接触するようにフレーム20に配設されている。そして加圧ローラ41の芯金41aの長手方向両端の軸部41a1が軸受42を介してフレーム20に回転可能に支持されている。そして一方の軸部41a1にはギア43が固着されている。
本実施例の定着装置102は、加熱ユニット30のフランジ34に加圧力切替え機構50で加圧力を印加することによって、スリーブ33を加圧ローラ41の母線方向と直交する方向に加圧するように構成してある。フランジ34が加圧されることでヒータ31はスリーブ33を介して加圧ローラ41に加圧される。これにより加圧ローラ41の弾性層41bを潰して弾性変形させ、スリーブ33表面と加圧ローラ表面とで未定着トナー画像の加熱定着に必要な所定幅のニップ部N(図3(a)参照)を形成するようになっている。
図3(a)を参照して、定着装置102の加熱定着処理動作を説明する。装置本体100Aに備えるモータ(不図示)の駆動力が加圧ローラユニット40のギア43に伝達され、これにより加圧ローラ41は矢印方向に回転駆動される。スリーブ33は、スリーブの内周面(内面)がヒータ31とヒーターホルダー32に摺動しながら加圧ローラ41の回転に追従して矢印方向に回転する。
ヒータ31の抵抗発熱体31bには通電制御回路(不図示)から電力が供給され、これにより抵抗発熱体が発熱してヒータは昇温する。通電制御回路は、ヒータ31の温度をモニタする温度検知素子Sの検知温度が定着温度(目標温度)を維持するように、ヒータへ供給する電力を制御する。
未定着トナー画像tを担持する記録材Pはニップ部Nで挟持搬送されながら未定着トナー画像にヒータ31の熱とニップ部の圧力が印加され、これによりトナー画像は記録材上に加熱定着される。
(3)加圧力切替え機構50
図1、図2を参照して、加圧力切替え機構50の構成を説明する。加圧力切替え機構50は、加熱ユニット30の長手方向一端部側にギア61を備える点を除いて、加熱ユニットの長手方向中央(図3(b)参照)に対し左右対称となるように構成されている。加圧力切替え機構50を構成する部材について、ギア61を備える駆動側の部材の符号の末尾に「d」を付与して非駆動側の部材と識別することにする。実施例2で説明する加圧力切替え機構50についても同様とする。
図1、図2を参照して、加圧力切替え機構50の構成を説明する。加圧力切替え機構50は、加熱ユニット30の長手方向一端部側にギア61を備える点を除いて、加熱ユニットの長手方向中央(図3(b)参照)に対し左右対称となるように構成されている。加圧力切替え機構50を構成する部材について、ギア61を備える駆動側の部材の符号の末尾に「d」を付与して非駆動側の部材と識別することにする。実施例2で説明する加圧力切替え機構50についても同様とする。
加圧力圧切替え機構50は、両端部を引っ張られることで縮む方向に引っ張り力(加圧力)を発生させる引っ張りバネからなる加圧バネ(加圧力発生部材)51,51dを備える。加圧バネ51,51dは、ニップ部Nの記録材搬送方向下流側で加熱ユニット30の移動方向と平行に配設してある。
また、加圧バネ51,51dの一端をひっかけるフック部521,521dを一端に有し、他端に揺動動作の支点となる支点部522,522dを有する第1の加圧部材(第1の部材)52,52dを備える。第1の加圧部材52,52dは、加熱ユニット30の移動方向においてフランジ34の支持部34cと対向するように配設され、加圧バネ51,51dの一端を支持している。支持部34cには第1の加圧部材52,52dにより押圧される突起34c1(図1、図2参照)が形成してある。
フック部521,521dで加圧バネ51,51dを支持している第1の加圧部材52,52dは、加圧バネで発生する加圧力により支点部522,522dを支点として揺動することによってフランジ34の突起34c1を押圧するようになっている。これにより加熱ユニット30が加圧ローラユニット40に加圧される。
また、上記の第1の加圧部材52,52dを揺動可能に保持し、ビス53,53dでフレーム20に固定される第1の保持板54,54dを備える。第1の保持板54,54dは、ニップ部Nの記録材搬送方向上流側に配設してある。
上記の第1の加圧部材52,52dと同様、加圧バネ51,51dの他端をひっかけるフック部551,551dを一端に有し、他端に揺動動作の支点となる支点部552,552dを有する第2の加圧部材(第2の部材)55,55dを備える。第2の加圧部材55,55dは、第1の加圧部材52,52dの長さよりも短く形成されている。そして第2の加圧部材55,55dは、加熱ユニット30の移動方向において第1の加圧部材52,52dと対向するように配設され、加圧バネ51,51dの他端を支持している。
フック部551,551dで加圧バネ51,51dを支持している第2の加圧部材55,55dは、支点部552,552dを支点として揺動することによって、加圧バネで発生する加圧力を第1の加圧部材52,52dに変更可能に作用させるようになっている。
また、上記の加圧部材55,55dを揺動可能に保持し、ビス56,56dでフレーム20に固定される第2の保持板57,57dを備える。第2の保持板57,57dは、ニップ部Nの記録材搬送方向下流側で加圧ローラユニット40の近傍に配設してある。
また、第1の加圧部材52,52dと第2の加圧部材55,55dとの間にはカム58,58dを備える。カム58,58dは、それぞれ、スリーブ33、加圧ローラ41の長手方向に沿って配設されたカム軸(回転中心)59の長手方向端部に固定保持されている。カム軸59は、カム軸に固定保持させた軸受60,60dを介してフレーム20に回転可能に支持されている。カム軸59のカム58d側の長手方向端部にはギア61が固定保持され、ギアは装置本体100Aに備える不図示のモータ(駆動源)から駆動力を得て矢印方向へ回転駆動される。
カム58は、外周を円弧に形成した4つの円弧部(外周部)L1,L2,L3,L4を接続して加圧バネ51の引っ張り力を変えるための外周面を形成している(図1参照)。これらの円弧部L1,L2,L3,L4間には外周を直線に形成した4つの直線部K1,K2,K3,K4が配設されているが、これらの直線部は加圧バネ51の引っ張り力を変える機能はない。カム58の上記外周面は、円弧部L1と円弧部L3のそれぞれの弧長さの中央を通る直線Laに対して線対称となっている。
またこれらの円弧部L1,L2,L3,L4において、円弧部の弧長さの中央からカム軸59までの距離(以下、半径と記す)d1,d2,d3,d4は異なっている。これらの半径d1,d2,d3,d4の大小関係はd1>d2=d4>d3となっている。
図4A乃至図4Fを参照して、本実施例の加圧力切替え機構50の動作を説明する。図4A乃至図4Fは加圧力切替え機構50の動作を非駆動側から表わした動作説明図であって、カム58が時計回りに半回転して加熱ユニット30の加圧ローラユニット40への加圧力を圧解除、軽加圧、調整加圧、強加圧と、切替える際の動作説明図である。
図5はカム軸59回りの回転トルクを示すグラフである。図5では、横軸にカム58の回転角度を表わし、縦軸にカム軸59にかかる負荷トルク(Kgf・cm)を表わしている。上向きをカムの回転方向で示している。つまり、縦軸において、上(正)方向を図4A乃至図4Fにおける、カム58の回転方向となる時計回り方向にかかる負荷トルクとする。図5中の破線は、第1の加圧部材52がカム58に付与するトルクを示し、2点鎖線は第2の加圧部材55がカム58に付与するトルクを示し、実線はその2つのトルクの総和(総合トルク)を示している。図4Bをカム58の回転角0度の開始位置として示している。
図5において、状態2)は図4Bと、状態3)は図4Cと、状態4)は図4Dと、状態5)は図4Eと、状態6)は図4Fと、それぞれ、対応している。
図4A、図4Bは、加熱ユニット30が加圧ローラユニット40に対し、加圧していない加圧力解除状態を示している。第1の加圧部材52は支点部522を中心に揺動し、第2の加圧部材55も支点部552を中心に揺動し、加圧バネ51の引っ張り力により、第1の加圧部材をカム58の円弧部L1に当接し、第2の加圧部材55を円弧部L3に当接している。この円弧部L1が第1の加圧部材52と接触位置にあるとき、第1の加圧部材は図中左側へ傾いた位置にあり、加熱ユニット30の突起部34c1から第1の加圧部材52が退避している。そのため、加熱ユニット30は、加圧ローラユニット40に対し、加圧バネ51の引っ張り力を受けない状態(加圧力解除状態)となる。
本実施例では、第1の加圧部材52と突起部34c1は離れた状態に図示してあるが、加熱ユニット30が加圧ローラユニット40に対し、加圧していない状態であれば、第1の加圧部材と突起部は当接していてもよい。
図4Aから図4Bへの動作時においては、第1の加圧部材52と第2の加圧部材55をカム58の対応する円弧部L1,L3に当接してカムを回転する際の摺動負荷だけがカム軸59に負方向のトルクとして発生する。
図4Bから図4Cは、加圧力解除状態から軽加圧力状態への移行状態を表している。図5の横軸位置で、状態2)から状態3)が、このときのトルク推移を示している。図4Bでは、カム58の円弧部L1の回転方向上流側の外周点(外周部)P1が第1の加圧部材52に当接し、この外周点は加圧バネ51の引っ張り力により第1の加圧部材によって右側に押し出され、カム軸59に正方向(時計周り方向)の回転力が発生する。このときの正方向のトルク値は、図5の破線で示しており、最大値がG1である。
カム58が更に回転し、上記の外周点P1が第1の加圧部材52に当接している状態でカムの円弧部L2の回転方向下流側の外周点(外周部)P4(図4C参照)が第2の加圧部材55に当接する。すると、加圧バネ51の引っ張り力により、この外周点P4は第2の加圧部材によって左側に押し出され、カム軸59に負方向(反時計回り方向)の回転力が発生する。このときの負方向のトルク値は、図5の2点鎖線で示されており、最大値がG2である。
この2つのトルクの相互作用により、実際にカム軸59回りに加わるトルクである総合トルクは、図5の実線で示したものとなり、正方向のトルク値の最大値と負方向のトルク値の最大値が共に小さく緩和される。さらに、2つのトルクに正負の速度変動も作用して、外周点P1と外周点P4が図4Cに示す位置に到達し対応する第1の加圧部材52と第2の加圧部材55にそれぞれ当接した際に発生する衝撃音を低下させることができる。
つまり、図4Bから図4Cでは、カム58の2つの(複数の)外周点P1,P4は、第1の加圧部材52と第2の加圧部材55に共に当接し、その際に加圧バネ51の引っ張り力によりカムの回転力を互いに打ち消し合うようになっている。
図4Dは、加熱ユニット30が加圧ローラユニット40に対し、第1の加圧力(軽加圧力)で加圧される状態(軽加圧力状態)の直前の状態を示している。図4Dでは、加圧バネ51の引っ張り力で、第1の加圧部材52を円弧部L4の半径位置に配置している。そのため、カム58の回転誤差によって角度がばらついても、第1の加圧部材52が加熱ユニット30のフランジ34の突起部34c1を押す位置は変わらないようにできる。この位置は、加熱ユニット30を加圧ローラ41の弾性層41bの弾性領域の範囲となるようにしている。
そして、第1の加圧部材52が加熱ユニット30の突起部34c1を加圧ローラユニット40側へ押すことで、加熱ユニット30のスリーブ33表面と加圧ローラユニット40の加圧ローラ41表面との間に圧力を発生させるようにしている。この軽加圧力状態では加圧ローラ41が加熱ユニット30に加圧されているものの、図4Eに比べ弱い力で加圧されている。それにより、加圧ローラ41と加熱ユニット30は、上記位置で2つの加圧力の状態(軽加圧力状態、調整加圧力状態)にできる。
図4Dから図4Eは、軽加圧力状態から調整加圧力状態への移行状態を表している。図5の横軸位置で、状態4)から状態5)が、このときのトルク推移を示している。このとき、カム58の円弧部L4の回転方向上流側の外周点(外周部)P7(図4D参照)が第1の加圧部材52に当接し、加圧バネ51の引っ張り力により、この外周点は第1の加圧部材によって右側に押し出され、カム軸59に正方向の回転力が発生する。このときの正方向のトルク値は、図5の破線で示しており、そのトルク値の最大値はG1よりも小さい。
カム58が更に回転し、上記の外周点P7が第1の加圧部材52から離れ、カムの円弧部L1の回転方向下流側の外周点(外周部)P2が第2の加圧部材55に当接する(図4E参照)。すると、加圧バネ51の引っ張り力により、この外周点P2は第2の加圧部材によって左側に押し出され、カム軸59に負方向の回転力が発生する。このときの負方向のトルク値は、図5の2点鎖線で示されており、そのトルク値の最大値はG2よりも大きい。
この2つのトルクの相互作用により、実際にカム軸59回りに加わるトルクである総合トルクは、図5の実線で示したものとなり、正方向のトルク値の最大値と負方向のトルク値の最大値が共に小さく緩和される。
図4E、及び図4Fは、第1の加圧部材52がカム58の外周面から離れ、加圧バネ51の引っ張り力で、加熱ユニット30のフランジ34の突起部34c1を加圧ローラユニット40側へ更に押している状態である。これによりスリーブ33表面は加圧ローラ41表面へ更に加圧される。
図4Eから図4Fの間では、カム58が回転しても第1の加圧部材52は動かない。一方、カム58の円弧部L1の回転方向下流側の外周点(外周部)P2が第2の加圧部材55を時計回り方向に揺動させる。そのため、カム58の回転角により、第1の加圧部材52の引っ張り量が大きくなり、加圧バネ51の引っ張り力を大きくすることができる。即ち、カム58の回転角を変えることで、加熱ユニット30を加圧ローラユニット40に加圧させる加圧力を調整することができるようになる(調整加圧力状態)。
図4Fは、カム58の円弧部L1に第2の加圧部材55が当接している状態であり、第1と第2の2つの加圧部材52,55のフック部521,551間の距離が最も長くなる状態である。即ち、図4Fは、加圧バネ51の最大の引っ張り力(第2の加圧力(強加圧力))で加熱ユニット30を加圧ローラユニット40に当接している状態である(強加圧力状態)。この状態において、スリーブ33表面と加圧ローラ41表面とで定着ニップ部Nが形成される。第2の加圧部材55の位置は、カム58の円弧部L1の半径位置となるため、この円弧部の弧長さの範囲でカム軸59の回転停止位置誤差が生じても、加圧バネ51に一定の引っ張り力を発生させることができる。
本実施例に示すカム58は、カムの外周面を円弧部L1,L2,L3,L4で形成することで、各円弧部の弧長さ範囲において、カムの回転角度誤差により回転角度にズレが生じても、第1と第2の2つの加圧部材52,55の位置が変わらないようにしている。一方で、これらの円弧部L1,L2,L3,L4は外周を円弧ではなく直線で形成することも構成として可能である。その場合、カム58の回転誤差を許容するためにカムとカム軸59の回転方向を固定する際に隙間をもたせて、回転ガタをつくり誤差を吸収するなどの方法が考えられる。また、カム58を回転駆動するモータとの距離や、モータの出力軸の回転をカムに伝達する駆動ギア列内のバックラッシュによる回転ガタや、カム軸59の微少ネジレ等で、誤差を吸収することも考えられる。
図1乃至図5では引っ張りバネと揺動可能な加圧部材を用いた加圧力切替え機構50を説明したが、加圧力切替え機構はこれに限られない。図6に加圧力切替え機構50の変形例を示す。図6に示すように、加圧力切替え機構50は、支点部06aを中心に揺動する第1の加圧部材106と、カム58と、第1の加圧部材をカム58に圧接する圧縮バネ105と、を有する。そして、カム58の外側から圧縮バネ105とカムの外周面をコの字形状の第2の加圧部材104が軸107とカムのカム軸59で規制されてスライドすることによって、第1の加圧部材と第2の加圧部材104とでカムを挟む構成としてある。この加圧力切替え機構50も用いても同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施例の加圧力切替え機構50は、加圧バネ51,51dと、第1の加圧部材52,52dと、第2の加圧部材55,55dと、カム58,58dを用いて構成され、部品点数が少なく簡易な構成である。そのため、加圧バネ51,51dの引っ張り力のバラつきを抑えながら、加熱ユニット30を加圧ローラユニット40へ加圧する際の加圧力を変更でき、コスト的にも低コストに構成できる。また本実施例の加圧力切替え機構50は、加圧力解除状態から軽加圧力状態へ移行する際の加圧力切替え時(加圧時)の衝撃音を低減できカム回転時の最大トルクを軽減できる。
[実施例2]
本発明に係る加圧機構を有する記録材供給装置103を説明する。図7は記録材供給装置103を非駆動側から表わした斜視図である。
本発明に係る加圧機構を有する記録材供給装置103を説明する。図7は記録材供給装置103を非駆動側から表わした斜視図である。
記録材供給装置103は、加圧機構(以下、加圧力切替え機構と記す)50と、パッドユニット80と、給送ローラユニット(被加圧部材)90を備える。
加圧力切替え機構50は、第1の加圧部材(第1の部材)として、多数枚の記録材Pを積層してなる記録材束(加圧部材)Pbを搭載するためのトレイ62を備える。トレイ62は、トレイの記録材束長手方向の一端にフック部621a,621dを有し、他端に支点部622,622dを有する。このトレイ62は、支点部622,622dが装置本体(不図示)に揺動可能に保持され、その支点部を支点として給送ローラユニット90に対し揺動するようになっている。フック部621,621dには実施例1と同じ引っ張りバネからなる加圧バネ51,51dの一端がひっかけてあり、これによりトレイ62は加圧バネの一端を支持している。
トレイ62のフック部621,621dと支点部622,622dとの間には、後述するカム58,58dの外周面と接触しカムの回転に追従して回転するコロ71,71dが設けられている。またトレイ62の記録材束幅方向の両側には、記録材束Pbの幅方向のサイズに応じて記録材束の幅位置を規制するために規制部72,72dが移動可能に設けられている。
加圧力切替え機構50において、第2の加圧部材(第2の部材)55,55dは、トレイ62上の記録材束Pbの厚み方向においてトレイと対向している。この第2の加圧部材55,55dは、トレイ62よりも短く形成され、そのトレイの記録材束長手方向の一端にフック部551,551dを有し、他端に支点部552,552dを有する。そしてこの第2の加圧部材55,55dは、支点部552,552dが装置本体(不図示)に揺動可能に保持され、その支点部を支点として記録材束Pbの厚み方向に揺動するようになっている。フック部551,551dには加圧バネ51の他端がひっかけてあり、これにより第2の加圧部材55,55dは加圧バネの他端を支持している。
トレイ62と第2の加圧部材55,55dとの間には、異なる半径で複数の外周面を有する実施例1と同じ構成のカム58,58dが配設され、このカムはカム軸59の長手方向両端部に固定保持されている。カム軸59は、カム軸に固定保持させた軸受(不図示)を介して装置本体に回転可能に支持されている。カム軸59の記録材幅方向のカム58d側の端部にはギア61が固定保持され、ギアは装置本体に備える不図示のモータ(駆動源)から駆動力を得て矢印方向へ回転駆動される。
上記の加圧力切替え機構50は、トレイ62と第2の加圧部材55,55dの間にカム58,58dを備え、そのカムが回転することで、トレイのフック部621,621dと第2の加圧部材のフック部551,551dの距離が変わる。これにより、加圧バネ51,51dの引っ張り力を変えることができ、トレイ62に付与する加圧力を変更することが可能となる。またカム58,58dの回転によって、トレイ62を支点部622,622dを支点として揺動できトレイの位置を変更することが可能となる。
給送ローラユニット90は、記録材束Pbの最上位の記録材と接触する摩擦部材からなるローラゴム91を備える。ローラゴム91は、カム軸59の記録材幅方向の中央に固定保持された給送コロ92の外周面(表面)の一部に配設され、カム軸59の回転によって記録材と接触するようになっている。給送コロ92は、給送コロのローラゴム91の配設部位を除く記録材束幅方向両側の外周面(表面)がカム軸59の回転によって記録材と接触するようになっている。
パッドユニット80は、トレイ62上の記録材束Pbを給送ローラユニット90の給送コロ92に押圧して記録材束Pbから記録材を1枚ずつ分離する摩擦材からなるパッド81を備える。
図8A乃至図8Dを参照して、本実施例の加圧力切替え機構50の動作を説明する。図8A乃至図8Dは加圧力切替え機構50の動作を非駆動側から表わした動作説明図である。具体的には、カム58,58dが時計回りに半回転してトレイ62上の記録材束Pbの給送ローラユニット90への加圧力を圧解除、軽加圧、調整加圧、強加圧と、切替える際の動作説明図である。
図8Aは記録材束Pbをトレイ62に積載する際の状態(加圧力解除状態)を示している。加圧バネ51,51dの引っ張り力によって、第2の加圧部材55,55dとカム58,58dの円弧部L3が当接し、トレイ62のコロ71,71dとカムの円弧部L1が当接している状態である。それにより、トレイ62は、トレイの支点部622,622dを揺動中心として、図中下側へ押し下げられた状態である。
トレイ62上の記録材束Pbの最上面Pbmは、給送コロ92表面から離れている。また、ローラゴム91も給送コロ92の上側に位置している。それにより、規定の枚数内の記録材束をトレイ52上に積載する際に、給送コロ92や、ローラゴム91に挟まれることなく、記録材束をトレイ62上に積載することができる。
図8Aに示す状態からギア61がカム軸59に反時計回り方向への回転力を伝達し、給送ローラユニット90の給送コロ92とローラゴム91を回転させることで、図8Bに示す状態になる。
図8Bは、カム58,58dの回転位置として、そのカムの円弧部L1の回転方向上流側の外周点(外周部)P1が、コロ71,71dと当接した位置である。このとき、カム58,58dの円弧部L2の回転方向下流側の外周点(外周部)P4が、第2の加圧部材55,55dを押し上げ始める。即ち、コロ71,71dがカム58,58dの反時計回り方向の回転力を受けて先行回転を始める一方で、第2の加圧部材55,55dにはカムの外周点P4から時計回り方向のトルクが加わる。
つまり、図8Aから図8Bへの動作時においては、トレイ62と第2の加圧部材55,55dをカム58,58dの対応する円弧部L1,L3に当接してカムを回転する際の摺動負荷だけがカム軸59に負方向のトルクとして発生する。
図8Cは、図8Bから、給送ローラユニット90の給送コロ92とローラゴム91が更に回転し、カム58,58dの円弧部L4の回転方向上流側の外周点P7がコロ71,71dに当接した状態(軽加圧力状態)である。図8Bに示す状態から、給送コロ92とローラゴム91の回転を開始する。すると、トレイ62は、コロ71,71dがカム58,58dの外周点P1から外周点P7に至る過程において図中上側に揺動動作し、トレイ上に記録材束Pbがあれば、記録材束Pbの最上面Pbmを給送コロ92表面に押し当て始める。
図8Bから図8Cに移行する際のカム軸59による給送コロ92とローラゴム91の回転では、コロ71,71dはカム58,58dの円弧部L1の外周点P1により再びカム58,58dを時計回り方向へ回転させる力を発生する。しかし、第2の加圧部材55,55dはカム58,58dの円弧部L2の外周点P4により反時計回り方向の回転トルクを受けるため、カム軸59による給送コロ92とローラゴム91の先行回転力を緩和することができる。
即ち、図8Bでは、カム58,58dの外周点P1がトレイ62のコロ71,71dに当接し、この外周点は加圧バネ51の引っ張り力によりトレイによって右側に押し出され、カム軸59に正方向(時計回り方向)の回転力が発生する。このときの正方向のトルク値は、前述した図5にて実線で示すような最大値となる。
カム58,58dが更に回転し、上記の外周点P1がトレイ62に当接している状態でカムの外周点P4が第2の加圧部材55,55dに当接する。すると、加圧バネ51,51dの引っ張り力により、この外周点P4は第2の加圧部材55,55dによって左側に押し出され、カム軸59に負方向(反時計回り方向)の回転力が発生する。このときの負方向のトルク値は、図5にて2点鎖線で示すような最大値となる。
この2つのトルクの相互作用により、実際にカム軸59回りに加わるトルクである総合トルクは、図5にて実線で示すようなものとなり、正方向のトルク値の最大値と負方向のトルク値の最大値が共に小さく緩和される。さらに、2つのトルクに正負の速度変動も作用して、外周点P1と外周点P4が図8Bに示す位置に到達し対応するトレイ62と第2の加圧部材55,55dにそれぞれ当接した際に発生する衝撃音を低下させることができる。
つまり、図8Bでは、カム58,58dの2つの(複数の)外周点P1,P4は、トレイ62と第2の加圧部材55,55dに共に当接し、その際に加圧バネ51,51dの引っ張り力によりカムの回転力を互いに打ち消し合うようになっている。
図8Dは、給送ローラユニット90のローラゴム91の先端部91a(図8C参照)が記録材束Pbに接触を開始した状態(強加圧力状態)である。図8Dでは、カム軸59の回転による給送コロ92とローラゴム91の回転により図中の左から右へローラゴムがトレイ62上の記録材束Pbの最上位の記録材(不図示)を送り出す。このとき、コロ71,71d位置はカム58,58dの半径が最も小さい円弧部L3が通過する位置となり、コロがカムの円弧部L3と離れる。そのため、加圧バネ51,51dの引っ張り力でトレイ62上の記録材束Pbの最上位の記録材をローラゴム91の先端部91aに押しつけることができ、その記録材を送り出すことができる。
このとき、加圧バネ51,51dの引っ張り力により発生する記録材とローラゴム91の当接力は、カム58,58dの円弧部L1の回転方向下流側の外周点(外周部)P2が第2の加圧部材55,55dを押し上げる位置で決定される。一方で記録材の給送過程において、ローラゴム91の先端部91aが記録材に最初に接触し送り出しを開始する。その際、ローラゴム91と記録材間で、最も大きい当接力が必要となる。本実施例の加圧力切替え機構50では、カム58,58dの半径が最も大きい円弧部L1で第2の加圧部材55,55dを押し上げるようにカムを配置することによって最も大きな引っ張り力をカムに発生させることができ、記録材の給送性能を向上できる。
以上説明したように、本実施例の加圧力切替え機構50は、加圧バネ51,51dと、トレイ62と、第2の加圧部材55,55dと、カム58,58dを用いて構成され、部品点数が少なく簡易な構成である。そのため、加圧バネ51,51dの引っ張り力のバラつきを抑えながら、トレイ62上の記録材束Pbの最上位の記録材を給送ローラユニット90へ加圧する際の加圧力を変更でき、コスト的にも低コストに構成できる。また本実施例の加圧力切替え機構50は、加圧力解除状態から軽加圧力状態へ移行する際の加圧力切替え時(加圧時)の衝撃音を低減できカム回転時の最大トルクを軽減できる。
30:加熱ユニット、40:加圧ローラユニット、50:加圧機構(加圧力切替え機構)、51,51d:加圧バネ、52,52d:第1の加圧板、55,55d:第2の加圧板、58,58d:カム、62:トレイ、80:給送ローラユニット、101:画像形成部、102:定着部(定着装置)、103:記録材給送部(記録材給送装置)、P:記録材、P1,P4:外周点、Pb:記録材束
Claims (5)
- 加圧部材を被加圧部材に加圧する加圧機構であって、
加圧力発生部材と、
前記加圧力発生部材で発生する加圧力により前記加圧部材を前記被加圧部材へ加圧される第1の部材と、
前記加圧力を前記第1の部材に変更可能に作用させる第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に配設された回転可能なカムと、
を有し、
前記カムは、前記カムの回転によって前記第1の部材と前記第2の部材に共に当接した際に前記加圧力により前記カムの回転力を互いに打ち消し合う複数の外周部を備えることを特徴とする加圧機構。 - 前記複数の外周部は、それぞれ、前記カムの回転中心からの距離が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
- 前記第1の部材と、前記第2の部材は、それぞれ、前記加圧力発生部材に対して揺動可能であることを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
- 記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置において、
前記定着部は請求項1に記載の加圧機構を有することを特徴とする画像形成装置。 - 記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に記録材を供給する記録材供給部と、記録材に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置において、
前記記録材供給部は請求項1に記載の加圧機構を有することを特徴とする画像形成装置。
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-
2013
- 2013-11-01 JP JP2013228225A patent/JP2015087701A/ja active Pending
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