JP6003511B2 - 加圧装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における電子写真式の画像形成装置10の概略構成図である。
図1において、画像形成装置10は、印刷用の記録媒体Pを積み重ねた状態で収容しておく用紙収容部20または手差し供給装置30から記録媒体Pを一枚ずつ取り出す給紙部40と、画像データに基づいた未定着のトナー像を形成し、そのトナー像を記録媒体Pに転写する画像形成部50と、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置やメモリを備え、画像形成装置10の各構成の動作を制御する制御部60と、画像形成装置10の駆動部分を駆動する駆動源としてのモーター80と、未定着トナー像を担持した記録媒体Pに対して加圧および加熱を行なうことにより、トナー像を定着する定着装置100とを備えている。
ここで、図中の矢付き一点鎖線は、記録媒体Pの搬送経路を示している。
加圧ロール110は、図1に示す矢印方向に回転することで、加圧ロール110に対向して配置された無端ベルト120との間に記録媒体Pを挟み込み、接触しながら圧接定着部NPにて記録媒体Pを移動、搬送する。
ガイド板90は、定着対象の記録媒体Pを圧接定着部NPの導入口に案内する。
ここで、加熱は本実施形態の加圧ロール110に加熱源を設けて行ってもよい。
図2は、加圧装置200の概略部分斜視図を示し、図3は、概略側面図を示している。
図2および図3において、加圧装置200は、加圧ロール110に係合し、加圧ロール110を動かして、加圧ロール110の回転中心軸と無端ベルト120の回転中心軸との距離が変わるように加圧ロール110を変位させる変位部材としてのレバー130およびカム140と、カム140が取り付けられたカムシャフト141と、カムシャフト141を回転させる回転部材としてのカムシャフトギア142と、カムシャフトギア142を駆動する動力伝達部材としてのアイドラギア150と、アイドラギア150と、カムシャフト141に設けられた弾性部材としてのブレーキシュー160と、アイドラギア150に設けられた弾性部材受け部としてのブレーキシュー受け部151とを備えている。ブレーキシュー160とブレーキシュー受け部151とは接触して摩擦力を生じる。
ここで、ブレーキシュー160とブレーキシュー受け部151とで、摩擦部材としてのブレーキ170が構成されている。
レバー130は、レバー部131と、レバー部131の一端に設けられた支点132および他端に設けられたばね部133と、支点132とばね部133との間に設けられたロール134を備えている。
ばね部133は、ばねを介してレバー部131と保持部材135とを係合している。したがって、レバー130と加圧ロール110は、保持部材135およびばね部133を介して係合している。
加圧ロール110と無端ベルト120とを圧接したときには、ばね部133のばねの力によって加圧ロール110を無端ベルト120に押圧する。
カム140は、カムシャフト141に取り付けられ、同じくカムシャフト141に取り付けられたカムシャフトギア142が回転することによって、カムシャフト141とともに回転する。
図3に、カムシャフトギア142およびアイドラギア150の回転方向を矢印で示した。
ブレーキシュー160は、偏心した形状を有しており、カム140の形状に合わせて偏心方向が決められカムシャフト141に固定されている。一方、アイドラギア150は、ブレーキシュー受け部151を備えている。
例えば、図3に示した状態は、加圧ロール110と無端ベルト120とが最も圧接した状態から離間した状態に移る状態を示している。この状態で、図中Aで示した領域で、ブレーキシュー受け部151と接触しているブレーキシュー160は大きく変形して潰れ、例えば、最大の摩擦力を生じる。
以下、回転軸R1と回転軸R2とを結んだ2点鎖線で示した位置A0を基準にして、カム140、カムシャフト141およびブレーキシュー160の回転および位置関係を説明する。
図3、図4および図5(a)において、カム140がθ1まで回転すると、加圧ロール110と無端ベルト120とが接触し圧接が始まり、θ1からθ2の間で徐々に加圧ロール110が無端ベルト120に押される(第2の動作としての圧接動作)。θ2からθ3の間が、半径rがrmaxになり、加圧ロール110と無端ベルト120とが最も圧接した状態になる。そして、θ3で圧力が低下し始め、θ3からθ4の間で圧接の圧力が弱まりθ4で離間する(第1の動作としての離間動作)。
図5(b)において、ブレーキシュー160は、アイドラギア150に設けられたブレーキシュー受け部151と接触して摩擦力を生じる形状を有している。以下に詳しく説明する。
最大の摩擦力は、モーター80によってアイドラギア150に加わるトルクより小さくして、アイドラギア150の駆動が停止しない大きさに調整する。
また、ブレーキシュー160に応力が集中しないように、θ2〜θ3、θ4〜θ1の間は、回転角度θに対して半径が線形の関係になるような形状とするのが好ましい。
また、rb0は、ブレーキシュー160に力が加わった時にブレーキシュー160が破断しない強度を持つブレーキシュー160の厚さより長い距離であるのが好ましい。
図5(c)において、カム140の回転角度0からθ1までは、カムシャフト141に加わるブレーキシュー160とブレーキシュー受け部151との摩擦力が徐々に減少するので、反回転方向への逆トルクが徐々に上昇する。
カム140の回転角度θ2からθ3までの間は、加圧ロール110と無端ベルト120との圧接の圧力によってカムシャフト141に加わる逆トルクが、ブレーキシュー160とブレーキシュー受け部151との摩擦力が増加することによって相殺されるので、逆トルクが徐々に減少する。
カム140の回転角度θ4から0までの間は、カムシャフト141に加わるブレーキシュー160とブレーキシュー受け部151との摩擦力が徐々に減少するので反回転方向への逆トルクが徐々に上昇する。
図6に、本実施形態において、ブレーキシュー160およびブレーキシュー受け部151を備えていない加圧装置300を比較例1として示した。ブレーキシュー160ブレーキシュー受け部151を備えていない以外は、本実施形態と同じ構成で同じ符号を付した。
また、従来例におけるカムシャフト141に加わるトルク線図を一点鎖線で図5(c)に示した。
カム140の回転角度θ1からθ2までの間は、加圧ロール110が無端ベルト120に押され始めることにより、カムシャフト141に反回転方向の逆トルクが急激に加わる。
カム140の回転角度θ2からθ3までの間は、一定の圧接状態が続き、カムシャフト141に反回転方向の逆トルクがほぼ一定に加わる。
カム140の回転角度θ3からθ4までの間は、加圧ロール110と無端ベルト120とが離間し始めることにより、カムシャフト141に急激に回転方向の順トルクが加わる。
カム140の回転角度θ4から0までの間は、カムシャフト141には、回転に伴う反回転方向への逆トルクが若干加わる。
図7(b)において、カム140の回転角度θ3からθ4までの間では、カムシャフト141の回転方向に順トルクがかかるので、カムシャフトギア142の歯1420が、アイドラギア150の歯1500よりも急激に回転方向に進み、カム140の回転角度θ1からθ3までの間に接触していた歯1500とは異なる歯1501と接触位置C2で接触する。この時接触音が発生し、異音となる。
図8に、本実施形態において、ブレーキシュー160の代わりに、アイドラギア150に円形のブレーキシュー161を設けて、カムシャフトギア142の一部と接触する定着装置400を比較例2として示した。ここで、円形のブレーキシュー161は、カムシャフトギア142に設けられて、アイドラギア150の一部と接触していてもよい。
その他の構成要素には、同じ符号を付した。
図5(c)において、カム140の回転角度0からθ1までは、カムシャフト141には、回転に伴う反回転方向への逆トルクに加えて、円形のブレーキシュー161による摩擦力による逆トルクが反回転方向に加わる。
カム140の回転角度θ1からθ2までの間も同様に、加圧ロール110が無端ベルト120に押され始めることにより、カムシャフト141に反回転方向の逆トルクが急激に加わるとともに、円形のブレーキシュー161による摩擦力による逆トルクが反回転方向に加わって大きな反回転方向への逆トルクが加わる。
カム140の回転角度θ3からθ4までの間は、加圧ロール110と無端ベルト120とが離間し始めることにより、カムシャフト141に急激に回転方向の順トルクが加わるが、円形のブレーキシュー161による摩擦力による逆トルクが反回転方向に加わっているので、従来例と比較して回転方向への順トルクの増加が抑えられる。
カム140の回転角度θ4から0までの間は、カム140の回転角度0からθ1までと同様に、カムシャフト141には、回転に伴う反回転方向への逆トルクに加えて、円形のブレーキシュー161による摩擦力による逆トルクが反回転方向に加わる。
図9に本実施形態における加圧装置500の概略側面図を示した。
本実施形態は、円形のブレーキシュー161を比較例2と同様にアイドラギア150に設け、ブレーキシュー161が接触するカムシャフト141に設けられたブレーキシュー受け部144が偏心している。その他の構成要素には、同じ符号を付した。
図9は、図5(a)に示したカム140の回転角度がθ1〜θ2の間の状態を示している。この間は、ブレーキシュー161とブレーキシュー受け部144とは接触しなくて摩擦力は生じない。
第2実施形態のように、カムシャフト141に設けられたブレーキシュー受け部144を偏心させて、ブレーキシュー161と接触させてブレーキ171を構成しても第1実施形態と同様の効果が得られる。
ブレーキシュー受け部151は、カムシャフト141を切削加工することによって得られるので、コストの低減した加圧装置500を得ることができる。
比較例2では、円形のブレーキシュー161を設けて、カムシャフトギア142の一部と接触する構成となっているが、円形のブレーキシュー161の材質を、カム140の回転角度に応じて変化させ、ブレーキシュー161とカムシャフトギア142の一部とが接触する場所の摩擦係数μを変化させて摩擦力を制御してもよい。
例えば、カム140の回転角度θ1からθ2までの間のブレーキシュー161とカムシャフトギア142の一部との摩擦係数μ1が最小になるように材質を選択し、回転角度θ2からθ3までの間の角度では徐々に摩擦係数をμ1より大きくなるように材質を選択し、θ3から加圧ロール110と無端ベルト120とが離間するθ4の間は最大の摩擦係数μ2となるように材質を選択する。
なお、ブレーキシュー161と接するカムシャフトギア142の一部の材質を変化させてもよい。
比較例2では、円形のブレーキシュー161を設けて、カムシャフトギア142の一部と接触する構成となっているが、円形のブレーキシュー161の回転軸方向の幅を、カム140の回転角度に応じて変化させ、ブレーキシュー161とカムシャフトギア142の一部とが接触する場所の摩擦係数μを変化させて摩擦力を制御してもよい。
例えば、カム140の回転角度θ1からθ2までの間のブレーキシュー161の幅を狭くしてカムシャフトギア142の一部との摩擦係数μ1を最小にし、回転角度θ2からθ3までの間の角度では徐々にブレーキシュー161の幅を広げて摩擦係数をμ1より大きくし、θ3から加圧ロール110と無端ベルト120とが離間するθ4の間はブレーキシュー161の幅を最大にして最大の摩擦係数μ2となるようにしてもよい。
なお、ブレーキシュー161と接するカムシャフトギア142の一部の軸方向の幅を変化させてもよい。
このように、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態として実施することができる。
P 記録媒体
20 用紙収容部
30 手差し供給装置
40 給紙部
50 画像形成部
51 感光体ドラム
52 帯電器
53 露光装置
54 現像器
55 転写部
56 クリーナー
60 制御部
70 搬送ロール対
80 モーター
90 ガイド板
100 定着装置
110 加圧ロール
120 無端ベルト
NP 圧接定着部
130 レバー
131 レバー部
132 支点
133 ばね部
134 ロール
135 保持部材
140 カム
141 カムシャフト
142 カムシャフトギア
143 外周部
150 アイドラギア
151 ブレーキシュー受け部
160,161 ブレーキシュー
170 ブレーキ
200,300,400,500 加圧装置
1420,1500,1501 歯
R1,R2 回転軸
C1,C2 接触位置
Claims (6)
- 第1の回転体と、
前記第1の回転体との間で記録媒体を加圧しながら回転する第2の回転体と、
回転軸と、
前記回転軸の回転に連動して、前記第1の回転体の回転中心軸と前記第2の回転体の回転中心軸との距離が変わるように前記第1の回転体を変位させる変位部材と、
前記回転軸を回転させる回転部材と、
前記回転部材と噛み合い、駆動力を伝達する駆動力伝達部材と、
前記回転軸に設けられた弾性部材と、
弾性部材受け部とを備え、
前記回転軸の回転によって、前記変位部材と変位部材受け部とが接触する接触位置と前記回転軸の中心との距離が短くなるように、前記接触位置が変化するときに、前記弾性部材と前記弾性部材受け部とが接触する
ことを特徴とする加圧装置。 - 前記距離が短くなるときの回転角度における前記弾性部材の半径より、前記距離が長くなるときの回転角度における前記弾性部材の半径のほうが小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の加圧装置。 - 第1の回転体と、
前記第1の回転体との間で記録媒体を加圧しながら回転する第2の回転体と、
回転軸と、
前記回転軸の回転に連動して、前記第1の回転体の回転中心軸と前記第2の回転体の回転中心軸との距離が変わるように前記第1の回転体を変位させる変位部材と、
前記回転軸を回転させる回転部材と、
前記回転部材と噛み合い、駆動力を伝達する駆動力伝達部材と、
前記回転軸に設けられた弾性部材と、
弾性部材受け部とを備え、
前記回転軸の回転によって、前記変位部材と変位部材受け部とが接触する接触位置と前記回転軸の中心との距離が短くなるように、前記接触位置が変化するときに、前記弾性部材と前記弾性部材受け部との間に摩擦力が発生する
ことを特徴とする加圧装置。 - 前記距離が短くなるよう前記接触位置が変化するときに発生する前記摩擦力より、前記距離が長くなるよう前記接触位置が変化するときに前記弾性部材と前記弾性部材受け部との間に発生する摩擦力のほうが小さい
ことを特徴とする請求項3に記載の加圧装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の加圧装置を備えた
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項5に記載の定着装置と、前記駆動力を生じる駆動源とを備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
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