JP2010191305A - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ローラ等の定着部材に付着した用紙を確実に剥離し、また定着部材を傷つけることがない定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置18は、ヒータランプ55aによって加熱される定着ベルト52と、この定着ベルト52に圧接する加圧ローラ54と、定着ベルト52と加圧ローラ54により形成され、用紙Pに転写されたトナー像を溶融定着するニップ部Nとを備える。さらに、定着装置18は、定着ベルト52の表面と間隙を有し、且つ定着ベルト52の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材60と、この剥離部材60の長手方向一端部を固定するとともに、剥離部材60の長手方向他端部を定着ベルト52表面に対して揺動可能に設けられる調整部材70とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、定着ニップ部から搬送される用紙を剥離する剥離部材を備える定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いる画像形成装置においては、定着ローラと加圧ローラからなる一対のローラのニップ部に、トナー像が転写された用紙を通過させて、定着ローラによる加熱とローラ間による加圧とによりトナー像を用紙に溶融定着させる定着装置が広く用いられている。この定着装置においては、用紙のトナー像を溶融定着させるときに、トナーが定着ローラに接触するので、定着ローラは離型性のよいフッ素系樹脂を表面に形成して使用されている。しかし、このような定着ローラを使用しても、溶融したトナーは軟らかくかつ粘性が高いため定着ローラ表面に付着し易く用紙が定着ローラに巻き付いてしまう恐れがある。そこで、巻き付いた用紙を定着ローラから剥すために、定着ローラのニップ部の回転方向下流側にシート状の剥離部材が設けられている。
例えば、特許文献1では、定着ローラを傷つけることなく、定着ローラ表面に付着した用紙を剥離させている。具体的には、定着ローラと加圧ローラのニップ部の用紙搬送方向下流側に剥離部材が配設される。この剥離部材は、樹脂シートまたは金属シートを基材とし、プレート状の剥離部と、剥離部の両側端で下方向に折曲された支持片と、支持片に形成された嵌合穴と、剥離部の両側端前方に延設されたガイド部とから構成されている。剥離部の先端は定着ローラに非接触で且つ近接されている。支持片の嵌合穴には、定着ローラの支持軸が嵌合され、剥離部材が回動自在に支持されている。ガイド部はスプリングの付勢により定着ローラに当接されており、その結果、剥離部の先端と定着ローラ表面との間隙が常時一定になるようにされている。この構成において、定着ローラに付着し巻き付いてしまう用紙は、定着ローラが回転すると剥離部材の先端により剥離されることになる。
しかしながら、上述した従来技術では、樹脂シートまたは金属シートの剥離部は、金型成形や、板金加工において、ねじれ、反り、または曲り等で所定の形状から変形する。剥離部の長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)は、用紙サイズに対応させる長さが必要であり、ねじれや反り等によって、剥離部表面の平面性が崩れて、傾きが発生しやすくなる。剥離部が傾いた状態で取り付けられると、剥離部と定着ローラ表面との間隙が長手方向に一定ならず、用紙をその幅方向にわたって均一な力で定着ローラから剥離するのが難しくなり、剥離不良が発生するという問題があった。また、剥離部が定着ローラ表面に接触する方向に傾くと、定着ローラを傷つけるという問題があった。
特開2003−263064号公報(段落[0022]〜[0026]、図3、図4)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、定着ローラ等の定着部材に付着した用紙を確実に剥離し、また定着部材を傷つけることがない定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、熱源によって加熱される加熱回転部材と、前記加熱回転部材に圧接する加圧回転部材と、前記加熱回転部材と前記加熱回転部材により形成され、用紙に転写されたトナー像を溶融定着するニップ部と、前記加熱回転部材及び前記加圧回転部材のいずれか一方の回転部材の表面と間隙を有し、且つ前記一方の回転部材の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材と、前記剥離部材の長手方向一端部を固定するとともに、前記剥離部材の長手方向他端部を前記表面に対して揺動可能に設けられる調整部材とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、製造工程において剥離部材がねじれ等で所定の形状から変形して、剥離部材の長手方向に傾いても、その傾きを矯正する方向に、調整部材によって剥離部材を揺動させると、剥離部材が長手方向一端側を支点として長手方向他端側でその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、一方の回転部材の表面と剥離部材との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部で定着された後、この状態にある剥離部材によって、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から剥離される。
また、請求項2に記載の発明では、前記剥離部材は、前記表面に先端部が近接し長手方向に延在する剥離シートと、前記剥離シートを保持し長手方向に延在する剥離シート保持板とを有し、前記調整部材は、長手方向一端側で前記剥離シート保持板を固定するとともに長手方向他端側で前記剥離シート保持板を回転自在に支持する軸部材と、長手方向他端側で前記剥離シート保持板に螺合するネジ部材と、前記軸部材に設けられ、前記ネジ部材にその繰り出しによって当接自在である当接部材とを有することを特徴としている。この構成によれば、剥離シートまたは剥離シート保持板が長手方向に傾いても、ネジ部材を繰り出し、ネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正よって、一方の回転部材の表面と剥離シートとの間隔が長手方向に一定になる。ニップ部で定着された後、この状態にある剥離シートによって、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から剥離される。
また、請求項3に記載の発明では、一対の前記ネジ部材は、前記軸部材に対して互いに反対側に配置されることを特徴としている。この構成によれば、一方のネジ部材を繰り出し、このネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに一方の方向に捩じられる。また、他方のネジ部材を繰り出し、このネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに他方の方向に捩じられる。剥離部材の傾きの方向に応じて、一対のネジ部材のいずれかを繰り出すことによって、剥離部材の傾きが矯正される。
また、請求項4に記載の発明では、前記一方の回転部材の長手方向端部に当接するように付勢され、前記剥離シートと前記表面に所定の間隔を形成する一対のスペース部材を備え、前記一対のスペース部材は前記剥離シート保持板に固設されることを特徴としている。この構成によれば、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられると、一方の回転部材の表面と剥離シートとの間隔が長手方向に一定になるとともに、一対のスペース部材は一方の回転部材の両端部に互いに均一な力で当接する。
また、請求項5に記載の発明では、前記剥離部材は前記加熱回転部材の長手方向に沿って配設されることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明では、前記剥離部材は前記加圧回転部材の長手方向に沿って配設されることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明では、上記の構成の定着装置が搭載された画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、製造工程において剥離部材がねじれ等で所定の形状から変形して、剥離部材の長手方向に傾いても、その傾きを矯正する方向に、調整部材によって剥離部材を揺動させると、剥離部材が長手方向一端側を支点として長手方向他端側でその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、一方の回転部材の表面と剥離部材との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部で定着された後、この状態にある剥離部材によって、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離され、また一方の回転部材表面を傷つけることがない。
また、請求項2に記載の発明によれば、剥離シートまたは剥離シート保持板が長手方向に傾いても、ネジ部材を繰り出し、ネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、一方の回転部材の表面と剥離シートとの間隔が長手方向に一定になる。ニップ部で定着された後、この状態にある剥離シートによって、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離され、また一方の回転部材表面を傷つけることがない。
また、請求項3に記載の発明によれば、一方のネジ部材を繰り出し、このネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに一方の方向に捩じられる。また、他方のネジ部材を繰り出し、このネジ部材を当接部材に当接させると、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに他方の方向に捩じられる。剥離部材の傾きの方向に応じて、一対のネジ部材のいずれかを繰り出すことによって、剥離部材の傾きが矯正され、一方の回転部材の表面と剥離シートとの間隔が長手方向に一定になる。ニップ部で定着された後、この状態にある剥離シートによって、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離され、また一方の回転部材表面を傷つけることがない。
また、請求項4に記載の発明によれば、剥離シート保持板は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられると、一方の回転部材の表面と剥離シートとの間隔が長手方向に一定になり、一方の回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離される。また、一対のスペース部材は一方の回転部材の両端部に互いに均一な力で当接するので、一方の回転部材の一方端側が過度に摺擦されるおそれがなく、一方の回転部材の耐久性が向上する。
また、請求項5に記載の発明によれば、加熱回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離され、また加熱回転部材表面を傷つけることがない。
また、請求項6に記載の発明によれば、両面印刷時の裏面を定着させる場合でも、また、加圧回転部材が加熱回転部材の下方に配置される構成においても、加圧回転部材表面に巻き付いた用紙が該表面から確実に剥離され、また加圧回転部材表面を傷つけることがない。
また、請求項7に記載の発明によれば、加熱回転部材または加圧回転部材に付着した用紙を確実に剥離し、また、これらの回転部材を傷つけることがない定着装置を備える画像形成装置にすることができる。
は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略の構成を示す平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置の概略の構成を示す平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の剥離部材を示す斜視図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の剥離部材の一端部側を示す斜視図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の剥離部材の他端部側を示す斜視図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の調整される剥離部材を示す一部断面した平面図である。 は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置の概略の構成を示す平面図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を概略的に示す平面図である。画像形成装置1はタンデム型のカラープリンタであり、回転自在である感光体11a〜11dは、感光層を形成する感光材料として、有機感光体(OPC感光体)が用いられ、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)の各色に対応させて配される。感光層はアモルファスシリコンでもよい。各感光体11a〜11dの周囲に、現像装置2a〜2d、露光ユニット12、帯電器13a〜13d及び除電器14a〜14dが配設される。
現像装置2a〜2dは、感光体11a〜11dの右方に対向して配置され、感光体11a〜11dにトナーを供給する。帯電器13a〜13dは、現像装置2a〜2dの感光体回転方向上流側であって感光体11a〜11dの表面に対向して配置され、感光体11a〜11d表面を一様に帯電させる。除電器14a〜14dは、現像装置2a〜2dの感光体回転方向下流側であって感光体11a〜11dの表面に対向して配置され、感光体11a〜11d表面に現像後に残った電荷を除電する。
露光ユニット12は、パーソナルコンピュータ等から画像入力部(図略)に入力された文字や絵柄などの画像データに基づいて、各感光体11a〜11dを走査露光するためのものであり、現像装置2a〜2dの下方で帯電器13a〜13dの感光体回転方向下流側から光を照射するように設けられる。露光ユニット12には、レーザ光源、ポリゴンミラーが設けられ、各感光体11a〜11dに対応して反射ミラー及びレンズが設けられる。レーザ光源から出射されたレーザ光が、ポリゴンミラー、反射ミラー及びレンズを介して各感光体11a〜11dの表面に照射され、照射されたレーザ光により、各感光体11a〜11d表面には静電潜像が形成される。この静電潜像が各現像装置2a〜2dによりトナー像に現像される。
中間転写ベルト17は、駆動ローラ25と従動ローラ27及びテンションローラ6に張架されている。この中間転写ベルト17に接触するように、各感光体11a〜11dが中間転写ベルト17の下方で対向し、搬送方向(図1の矢印方向)に沿って隣り合うように配列される。各1次転写ローラ26a〜26dは、中間転写ベルト17を挟んで各感光体11a〜11dと対向して中間転写ベルト17に圧接し、1次転写ニップ部を形成する。この各1次転写ニップ部において、中間転写ベルト17の回転とともに所定のタイミングで各感光体11a〜11dのトナー像が中間転写ベルト17に順次転写される。これによって、中間転写ベルト17表面にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされ、カラートナー像が形成される。ベルトクリーニング31が転写後に中間転写ベルト17に残存するトナーを清掃する。
2次転写ローラ34は、中間転写ベルト17を挟んで駆動ローラ25と対向し、中間転写ベルト17に圧接して2次転写ニップ部を形成する。この2次転写ニップ部において、バイアス電位(トナーの帯電極性と逆極性)が印加された2次転写ローラ34によって、中間転写ベルト17上に形成されたトナー像が用紙に2次転写される。
画像形成装置1の下部には、用紙Pを収納する給紙カセット32が配設され、給紙カセット32の右方には、手差しの用紙を供給するスタックトレイ35が配設される。給紙カセット32の左方には、給紙カセット32から繰り出された用紙Pを2次転写ニップ部に搬送する第1搬送路33が配設される。またスタックトレイ35の左方には、スタックトレイ35から繰り出された用紙を2次転写ニップ部に搬送する第2搬送路36が配設される。画像形成装置1の左上部には、トナー像が転写された用紙Pに対して定着処理を行う定着装置18と、定着処理の行われた用紙Pを用紙排出部37に搬送する第3搬送路39とが配設される。
給紙カセット32は、装置の外部に引き出す(図1において手前側に引き出す)ことにより用紙の補充を可能にしたもので、収納されている用紙Pがピックアップローラ33b及び捌きローラ33aにより1枚ずつ第1搬送路33側に繰り出される。
第1搬送路33と第2搬送路36とはレジストローラ33cの手前で合流しており、レジストローラ33cにより、2次転写ニップ部における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取って、用紙Pが2次転写ニップ部に搬送される。2次転写ニップ部に搬送された用紙Pは、中間転写ベルト17上のトナー像を転写され、定着装置18に搬送される。
定着装置18は、ヒータにより加熱される定着ベルトと、定着ベルトに圧接して配設された加圧ローラ等とを備え、トナー像が転写された用紙Pを加熱及び加圧することにより定着処理を行う。定着された用紙Pは、必要に応じて第4搬送路40で反転されて用紙の裏面にも2次転写ニップ部でトナー像を転写され、再度定着装置18で定着され、排出ローラ19aにより用紙排出部37に排出される。
定着装置18について詳しく説明する。図2は、上述の画像形成装置1に用いられる定着装置の概略の構成を示す平面図である。
定着装置18は、ベルト定着方式であり、加圧回転部材である加圧ローラ54と、加熱回転部材である無端状の定着ベルト52と、この定着ベルト52に内包される定着ローラ53と、この定着ローラ53とともに定着ベルト52を張架する熱ローラ55と、熱ローラ55に内包される熱源としてヒータランプ55aとを備え、さらに剥離部材60と、スペース部材80とを備える。
定着ローラ53と加圧ローラ54及び熱ローラ55は、定着装置18の長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)に回転可能に筐体(図略)に軸支され、ヒータランプ55aと剥離部材60は筐体(図略)に保持され、スペース部材80は剥離部材60に固定保持される。
加圧ローラ54が定着ベルト52を介して定着ローラ53に圧接し、定着ベルト52と加圧ローラ54との当接する部分にニップ部Nが形成される。
熱ローラ55は円筒形をしたアルミ管で形成される。内包されたヒータランプ55aからの熱が、この熱ローラ55を介して定着ベルト52に伝わり、定着ベルト52が加熱される。
定着ベルト52は、ニッケル薄板で形成され、定着ベルト52に可撓性を付与する。この外表面には、シリコンゴム等の弾性層が形成され、定着ベルト52に弾性を付与し、さらに、フッ素樹脂等の離型層が積層され、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる。
定着ローラ53は、ステンレス鋼製で円筒形状の基材上にスポンジゴム等の弾性層を備え、ニップ部Nへ弾性を付与する。
加圧ローラ54は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材上にシリコンゴム等の弾性層を覆い、ニップ部Nへ弾性を付与する。さらに、加圧ローラ54の表面には、フッ素樹脂等からなる離型層を備え、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させている。
加圧ローラ54は、モータ等の駆動源(図略)によって図2の矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動する。加圧ローラ54の回転により、加圧ローラ54に圧接する定着ローラ53と定着ベルト52が同速で図2示す矢印方向(時計回り方向)に回転し、さらに熱ローラ55が定着ベルト52に従動回転する。熱ローラ55の中空内に配設されたヒータランプ55aからの熱が、熱ローラ55を介して定着ベルト52に伝わり、定着ベルト52が加熱されるので、加圧ローラ54と定着ベルト52の互いの逆回転により、用紙Pのトナー像をニップ部Nで加熱溶融させながら、用紙Pが装置の上方に搬送される。尚、加圧ローラ54をモータ等の駆動源によって回転駆動させる構成に替えて、定着ローラ53または熱ローラ55をモータ等の駆動源によって回転駆動させ、さらに加圧ローラ54を回転させる構成にしてもよい。
剥離部材60は、定着ベルト52のニップ部Nのベルト回転方向下流側にニップ部Nの近傍に配設される。そして、剥離部材60の先端部が定着ベルト52表面に近接させて配置され、定着後に用紙Pが定着ベルト52表面に巻き付いた場合に、剥離部材60は、その先端部によって、巻き付いた用紙Pの先端を定着ベルト52表面から剥離する。
剥離部材60について図3〜図6に基づいて詳しく説明する。図3はスペース部材と調整部材とを取り付けた剥離部材を示す斜視図であり、図4は剥離部材の一端部側を示す斜視図であり、図5は剥離部材の他端部側を示す斜視図である。尚、図4、図5ではスペース部材を取り除いた剥離部材を示している。図6は、調整される剥離部材を示す一部断面した平面図である。
図3に示すように、剥離部材60は剥離シート61と剥離シート保持板62を備える。剥離部材60の長手方向の両端部側には調整部材70が配設され、調整部材70は、軸部材71と、一対のネジ部材72、73、及び当接部材76とを備える。また、剥離部材60の長手方向の両端部側には一対のスペース部材80及びバネ81が配設される。
剥離シート61は、長手方向に延びる矩形状のステンレス鋼の薄板からなり、長手方向に延びる先端部61aを定着ベルト52の表面に近接して対向させている(図6参照)。剥離シート61は、厚み0.2〜0.3mmのステンレス鋼で形成されるが、略同じ厚みならば合成樹脂で形成しても良い。
剥離シート保持板62は、剥離シート61より厚いステンレス鋼の板材で形成され、長手方向に延びる略矩形状の平面で形成されるシート保持面62aと、このシート保持面62aの長手方向の一端側をL字状に折り曲げて形成される屈曲部62bと、その長手方向の他端側をL字状に折り曲げて形成される屈曲部62dとを有する。
シート保持面62aには、剥離シート61がスポット溶接によって固着保持される。シート保持面62aの長手方向他端側には、一対のネジ部材72、73が螺合している。尚、剥離シート61が合成樹脂である場合には、剥離シート61が超音波溶着によってシート保持面62aに固着保持される。
屈曲部62b、62dには孔が形成され、軸部材71の両端部が屈曲部62b、62dの各孔に嵌まっている。
一対のスペース部材80は、剥離シート61の長手方向の端部と各屈曲部62b、62dの間にそれぞれ配置される。スペース部材80の一端部はシート保持面62aに固設され、その他端部は円筒型に形成される。円筒型の他端部は、定着ベルト52に当接し(図2参照)、用紙Pの定着領域外で、回転する定着ベルト52に滑らかに摺擦している。尚、この円筒型の他端部は、回転自在なコロにして、定着ベルト52に当接させてもよい。
バネ81は、スペース部材80を付勢し、この付勢力によりスペース部材80の円筒型の他端部を定着ベルト52表面に常に当接させる。その結果、剥離シート61の先端部61aと定着ベルト52表面とに間隔が形成される(図6参照)。
図4に基づいて剥離部材60の一端部側を詳しく説明すると、前述のように軸部材71が剥離シート保持板62の屈曲部62bの孔に嵌まっているが、この孔は上下を平らにした小判形状の小判孔62cであり、軸部材71の端部には、この小判孔62cに嵌まる小判軸71bが形成される。小判軸71bが小判孔62cに嵌合すると、軸部材71と屈曲部62bは、相対的に回転することができなくなる。
次に、図5に基づいて剥離部材60の他端部側を詳しく説明すると、前述のように軸部材71が剥離シート保持板62の屈曲部62dの孔に嵌まっているが、この孔は丸孔62eであり、軸部材71の端部には、この丸穴62eに嵌まる回転軸71eが形成される。回転軸71eの外径は軸部材71の外径と同じサイズであり、回転軸71eが丸孔62eに嵌合すると、軸部材71と屈曲部62dは、回転軸71eの回りに相対的に回転可能である。従って、屈曲部62dの回転軸71e回りに、剥離シート保持板62の有する剛性以上の回転力を作用させると、一端部側では(図4参照)、小判孔62cが小判軸71bに嵌まり、屈曲部62bは固定されているので、屈曲部62b近傍のシート保持面62aは変形することはない、変形するとしても僅かである。一方、他端部側では、屈曲部62bから長手方向に延びているので、屈曲部62d近傍のシート保持面62aは、この回転力により屈曲部62b近傍のシート保持面62aに比べて大きく変形することになる。つまり、シート保持面62aは、一端部を支点として、他端部を回転力の作用する方向に捩れ変形することになる。
剥離シート保持板62のシート保持面62aには、一対のネジ孔62fが形成される。一方のネジ孔62fには、ネジ部材72が螺合し、他方のネジ孔62fにはネジ部材73が螺合する(図6を参照)。一対のネジ孔62fは、互いに丸孔62eの反対側に配置される。
ネジ部材72、73に対向して、当接部材76が配設される。当接部材76は、矩形状の板材であり、取り付けネジ82によって軸部材71に固設される。尚、当接部材76は軸部材71に一体に形成されてもよい。
図6に示すように、ネジ部材72は、ネジ部72aとネジ頭部72b、及びネジ先端部72cを有する。ネジ頭部72bを回転させると、ネジ孔62fに螺合するネジ部72aによって、ネジ部材72は繰り出され、ネジ先端部72cは図6に示すように当接部材76の当接面76aに当接することができる。ネジ頭部72bを逆回転させると、ネジ部72aによって、ネジ部材72は逆方向に繰り出され、ネジ先端部72cは当接面76aから離間する。
軸部材71に対してネジ部材72の反対側に配置されるネジ部材73は、ネジ部73aとネジ頭部73b、及びネジ先端部73cを有する。ネジ頭部73bを回転させると、ネジ孔62fに螺合するネジ部73aによって、ネジ部材73は当接面76a側に繰り出され、ネジ先端部73cは当接面76aに当接することができる。ネジ頭部73bを逆回転させると、ネジ部73aによって、ネジ部材73は逆方向に繰り出され、ネジ先端部73cは当接面76aから離間する。
ここで、ネジ先端部72cが当接面76aに当接した状態で、ネジ頭部72bをさらに回転させると、ネジ先端部72cが当接面76aに当接しているので、ネジ孔62fとネジ部72aによって、ネジ孔62fを形成したシート保持面62aがネジ頭部72b側に移動することになる。シート保持面62aのこの移動は、剥離シート保持板62が回転軸71e回りに図6の反時計回り方向に回転することであり、剥離シート61の先端部61aは図6の実線位置から一点鎖線で示すように定着ベルト52表面に近づく方向に移動する。一方、一端部側では(図4参照)、小判孔62cが小判軸71bに嵌まり、屈曲部62bは固定されているので、屈曲部62b近傍のシート保持面62aは移動することはない。つまり、一端部側の先端部61aは図6の実線位置にあり、他端部側の先端部61aは図6の一点鎖線位置にあり、一端部から他端部に至る先端部61aは、実線位置と一点鎖線位置の間で徐々に傾きを変えられるように捩れ変形することになる。
一方、ネジ先端部72cを当接面76aから離間させ、ネジ部材73のネジ先端部73cが当接面76aに当接した状態で、ネジ頭部73bをさらに回転させると、シート保持面62aがネジ頭部73b側に移動することになる。シート保持面62aのこの移動は、剥離シート保持板62が回転軸71e回りに図6の時計回り方向に回転することであり、剥離シート61の先端部61aは図6の実線位置から破線で示すように定着ベルト52表面から遠のく方向に移動する。一方、一端部側では(図4参照)、小判孔62cが小判軸71bに嵌まり、屈曲部62bは固定されているので、屈曲部62b近傍のシート保持面62aは移動することはない。つまり、一端部側の先端部61aは図6の実線位置にあり、他端部側の先端部61aは図6の破線位置にあり、一端部から他端部に至る先端部61aは、実線位置と破線位置の間で徐々に傾きを変えられるように捩れ変形することになる。
剥離シート61または剥離シート保持板62のシート保持面62aは長手方向にのびているために、製造時に平面性が崩れ、特に長手方向に面の傾きが発生しやすくなる。ここで、シート保持面62aや剥離シート61の傾きを矯正する組立調整について、図3、図6を用いて説明する。
剥離シート保持板62に軸部材71が組み付けられる。ネジ部材72、73は、当接部材76を当接させない状態で剥離シート保持板62に組み付けられる。また、スペース部材80は剥離シート保持板62に組み付けられる。この調整部材70とスペース部材80を取り付けた剥離部材60が図示しない筐体に取り付けられる。このとき、軸部材71の両端部が筐体に回転可能に保持される。バネ81がスペース部材80と筐体との間に取り付けられると、バネ81の付勢力によって、スペース部材80が定着ベルト52表面に常に当接する。ここで、シート保持面62aまたは剥離シート61が傾いていると、剥離シート61の先端部61aと定着ベルト52表面との間隔が長手方向に一定しないことになる。この間隔は、所定の間隔に相当する隙間ゲージによって測定される。またはレーザ測長器によって測定される。
この測定の結果、長手方向の他端側が所定の間隔より大きい場合には、ネジ部材72のネジ頭部72bを回転させ、ネジ先端部72cが当接面76aに当接するように繰り出す。ネジ先端部72cが当接面76aに当接した状態で、先端部61aと定着ベルト52表面との間隔を測定しながら、この間隔が長手方向に一定になるまで、ネジ頭部72bをさらに回転させる。
逆に、長手方向の他端側が所定の間隔より小さい場合には、ネジ部材73のネジ頭部73bを回転させ、ネジ先端部73cが当接面76aに当接するように繰り出す。ネジ先端部73cが当接面76aに当接した状態で、先端部61aと定着ベルト52表面との間隔を測定しながら、この間隔が長手方向に一定になるまで、ネジ頭部73bをさらに回転させる。
このように剥離シート61と定着ベルト52表面との間隔を長手方向に一定にした剥離部材60が、図2のニップ部Nに向けて傾斜するように配置されることになる。
画像形成を行うと、トナー像Tを転写された用紙Pは、定着ベルト52の用紙搬送方向の上流側に配された定着前ガイド21から、矢印Y方向に搬送され、ニップ部Nにおいて加熱加圧されることによって、トナー像Tが用紙Pに定着される。このとき、定着ベルト52に付着し巻き付いた用紙Pは、剥離部材60により剥離されることになる。その後用紙Pは、用紙搬送方向下流側に配された定着後ガイド22及び搬送ローラ23a、23bにより、用紙排出部に排出される。
上記第1実施形態によれば、定着装置18は、ヒータランプ55aによって加熱される定着ベルト52と、この定着ベルト52に圧接する加圧ローラ54と、定着ベルト52と加圧ローラ54により形成され、用紙Pに転写されたトナー像を溶融定着するニップ部Nとを備える。さらに、定着装置18は、定着ベルト52の表面と間隙を有し、且つ定着ベルト52の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材60と、この剥離部材60の長手方向一端部を固定するとともに、剥離部材60の長手方向他端部を定着ベルト52表面に対して揺動可能に設けられる調整部材70とを備える。
この構成によると、製造工程等において剥離部材60がねじれ等で所定の形状から変形して、剥離部材60の長手方向に傾いても、その傾きを矯正する方向に、剥離部材60が調整部材70によって揺動させられると、剥離部材60が長手方向一端側を支点として長手方向他端側でその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、定着ベルト52表面と剥離部材60との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部Nで定着された後、この状態にある剥離部材60によって、定着ベルト52表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離され、また定着ベルト52を傷つけることがない。
また、上記第1実施形態によると、剥離部材60は、定着ベルト52表面に先端部61aが近接し長手方向に延在する剥離シート61と、この剥離シート61を保持し長手方向に延在する剥離シート保持板62とを有する。調整部材70は、長手方向一端側で剥離シート保持板62を固定するとともに長手方向他端側で剥離シート保持板62を回転自在に支持する軸部材71と、長手方向他端側で剥離シート保持板62に螺合するネジ部材72、73と、軸部材71に設けられ、ネジ部材72、73にその繰り出しによって当接自在である当接部材76とを有する。これによって、剥離シート61または剥離シート保持板62が長手方向に傾いても、ネジ部材72、73を繰り出し、ネジ部材72、73を当接部材76に当接させると、剥離シート保持板62は、長手方向一端側を支点として長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正により、定着ベルト52表面と剥離シート61との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部Nで定着された後、この状態にある剥離シート61によって、定着ベルト52表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離され、また定着ベルト52表面を傷つけることがない。
また、上記第1実施形態によると、一対のネジ部材72、73は、軸部材71に対して互いに反対側に配置される。これによって、一方のネジ部材72を繰り出し、このネジ部材72を当接部材76に当接させると、剥離シート保持板62は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに一方の方向に捩じられる。また、他方のネジ部材73を繰り出し、このネジ部材73を当接部材76に当接させると、剥離シート保持板62は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りに他方の方向に捩じられる。剥離シート保持板62のシート保持面62aの傾き方向に応じて、一対のネジ部材72、73のいずれかを繰り出すことによって、シート保持面62aの傾きが矯正され、定着ベルト52の表面と剥離シート61との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部Nで定着された後、この状態にある剥離シート61によって、定着ベルト52表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離され、また定着ベルト52表面を傷つけることがない。
また、上記第1実施形態によると、定着ベルト52の長手方向端部に当接するように付勢され、剥離シート61と定着ベルト52表面に所定の間隔を形成する一対のスペース部材80を備え、このスペース部材80は剥離シート保持板62に固設される。これによって、剥離シート保持板62は、長手方向一端側を支点にして長手方向他端側で軸部材回りにその傾きを矯正する方向に捩じられると、定着ベルト52の表面と剥離シート61との間隔が長手方向に一定になり、定着ベルト52表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離される。また、一対のスペース部材80は定着ベルト52の両端部に互いに均一な力で当接するので、定着ベルト52の一方端側が過度に摺擦されるおそれがなく、定着ベルト52の耐久性が向上する。
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる定着装置の概略の構成を示す平面図である。第1実施形態と異なる、定着方式と剥離部材の配置について主に説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
定着装置18は、ローラ定着方式であり、加圧回転部材である加圧ローラ154と、加熱回転部材である加熱ローラ153と、この加熱ローラ153に内包される熱源としてヒータランプ153aと、第1実施形態と同じ構成作用である剥離部材60及びスペース部材80とを備える。
加圧ローラ154は加熱ローラ153の直下に配置され、加熱ローラ153と加圧ローラ154は、定着装置18の長手方向(用紙搬送方向と直交する方向)に回転可能に筐体(図略)に軸支される。ヒータランプ153aと剥離部材60は筐体(図略)に保持され、スペース部材80は剥離部材60に固定保持される。この剥離部材60は、剥離部材60の先端部と加圧ローラ154表面との間隔が長手方向に一定になるように調整されている。
加熱ローラ153は、ステンレス鋼製で円筒形状の基材上にスポンジゴム等の弾性層と、その表層にフッ素樹脂等からなる離型層とを備える。加圧ローラ154は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材上にシリコンゴム等の弾性層を覆い、さらに加圧ローラ154の表面には、フッ素樹脂等からなる離型層を備える。加圧ローラ154が加熱ローラ153に圧接し、加熱ローラ153と加圧ローラ154との当接する部分にニップ部Nが形成される。
加圧ローラ154は、モータ等の駆動源(図略)によって図7の矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動する。加圧ローラ154の回転により、加圧ローラ154に圧接する加熱ローラ153が同速で図7の矢印方向(時計回り方向)に従動回転する。加熱ローラ153の中空内に配設されたヒータランプ153aによって、加熱ローラ153が加熱されるので、加圧ローラ154と加熱ローラ153の互いの逆回転により、用紙Pのトナー像をニップ部Nで加熱溶融させながら、用紙Pがニップ部Nの左方に搬送される。尚、加圧ローラ154をモータ等の駆動源によって回転駆動させる構成に替えて、加熱ローラ153をモータ等の駆動源によって回転駆動させる構成にしてもよい。
剥離部材60は、ニップ部Nの加圧ローラ回転方向下流側にニップ部Nの近傍に配設される。そして、剥離部材60の先端部が加圧ローラ154表面に近接させて配置され、定着後に用紙Pが加圧ローラ154表面に巻き付いた場合に、剥離部材60は、その先端部によって、巻き付いた用紙Pの先端を加圧ローラ154表面から剥離する。
スペース部材80は、その一端部を剥離部材60に固設される。スペース部材80の他端部は、円筒型に形成され、加圧ローラ154に当接し、用紙Pの定着領域外で、回転する加圧ローラ154に滑らかに摺擦している。尚、この円筒型の他端部は、回転自在なコロにして、加圧ローラ154に当接させてもよい。
トナー像Tを転写された用紙Pはニップ部Nにおいて加熱加圧されることによって、トナー像Tが用紙Pに定着される。このとき、両面印刷の裏面を加熱定着する場合には、用紙P表面のトナーが溶融し、また、ニップ部Nから搬送される用紙Pがその重力により加圧ローラ154に垂れることから、用紙Pが加圧ローラ154に付着することがある。このように加圧ローラ154に付着し巻き付いた用紙Pは、剥離部材60の先端部により剥離されることになる。尚、表面を定着した用紙Pが加熱ローラ153に巻き付くことを防ぐために、剥離部材60及びスペース部材80が加熱ローラ153のニップ部Nの回転方向下流側に配設されるようにしてもよい。
上記第2実施形態によれば、定着装置18は、ヒータランプ153aによって加熱される加熱ローラ153と、この加熱ローラ153に圧接する加圧ローラ154と、加熱ローラ153と加圧ローラ154により形成され、用紙Pに転写されたトナー像を溶融定着するニップ部Nとを備える。さらに、定着装置18は、加熱ローラ153の表面と間隙を有し、且つ加熱ローラ153の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材60と、この剥離部材60の長手方向一端部を固定するとともに、剥離部材60の長手方向他端部を加熱ローラ153表面に対して揺動可能に設けられる調整部材70とを備える。
この構成によると、製造工程等において剥離部材60がねじれ等で所定の形状から変形して、剥離部材60の長手方向に傾いても、その傾きを矯正する方向に、剥離部材60が調整部材70によって揺動させられると、剥離部材60が長手方向一端側を支点として長手方向他端側でその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、加熱ローラ153表面と剥離部材60との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部Nで定着された後、この状態にある剥離部材60によって、加熱ローラ153表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離され、また加熱ローラ153を傷つけることがない。
また、上記第2実施形態によると、定着装置18は、ヒータランプ153aによって加熱される加熱ローラ153と、この加熱ローラ153に圧接する加圧ローラ154と、加熱ローラ153と加圧ローラ154により形成され、用紙Pに転写されたトナー像を溶融定着するニップ部Nとを備える。さらに、定着装置18は、加圧ローラ154の表面と間隙を有し、且つ加圧ローラ154の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材60と、この剥離部材60の長手方向一端部を固定するとともに、剥離部材60の長手方向他端部を加圧ローラ154表面に対して揺動可能に設けられる調整部材70とを備える。
この構成によると、製造工程等において剥離部材60がねじれ等で所定の形状から変形して、剥離部材60の長手方向に傾いても、その傾きを矯正する方向に、剥離部材60が調整部材70によって揺動させられると、剥離部材60が長手方向一端側を支点として長手方向他端側でその傾きを矯正する方向に捩じられる。この矯正によって、加圧ローラ154表面と剥離部材60との間隔が長手方向に一定になる。ニップ部Nで定着された後、この状態にある剥離部材60によって、加圧ローラ154表面に巻き付いた用紙Pがこの表面から確実に剥離され、また加圧ローラ154を傷つけることがない。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、定着ニップ部から搬送される用紙を剥離する剥離部材を備える定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
1 画像形成装置
18 定着装置
52 定着ベルト(加熱回転部材)
53 定着ローラ
54、154 加圧ローラ(加圧回転部材)
55 熱ローラ
55a、153a ヒータランプ(熱源)
60 剥離部材
61 剥離シート
61a 先端部
62 剥離シート保持板
62a シート保持面
62b、62d 屈曲部
62c 小判孔
62e 丸孔
62f ネジ孔
70 調整部材
71 軸部材
71b 小判軸
71e 回転軸
72、73 ネジ部材
72a、73a ネジ部
72b、73b ネジ頭部
72c、73c ネジ先端部
76 当接部材
76a 当接面
80 スペース部材
81 バネ
82 取り付けネジ
153 加熱ローラ(加熱回転部材)
N ニップ部
P 用紙
T トナー像

Claims (7)

  1. 熱源によって加熱される加熱回転部材と、
    前記加熱回転部材に圧接する加圧回転部材と、
    前記加熱回転部材と前記加熱回転部材により形成され、用紙に転写されたトナー像を溶融定着するニップ部と、
    前記加熱回転部材及び前記加圧回転部材のいずれか一方の回転部材の表面と間隙を有し、且つ前記一方の回転部材の回転方向下流側に長手方向に沿って配設される剥離部材と、
    前記剥離部材の長手方向一端部を固定するとともに、前記剥離部材の長手方向他端部を前記表面に対して揺動可能に設けられる調整部材とを備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記剥離部材は、前記表面に先端部が近接し長手方向に延在する剥離シートと、前記剥離シートを保持し長手方向に延在する剥離シート保持板とを有し、前記調整部材は、長手方向一端側で前記剥離シート保持板を固定するとともに長手方向他端側で前記剥離シート保持板を回転自在に支持する軸部材と、長手方向他端側で前記剥離シート保持板に螺合するネジ部材と、前記軸部材に設けられ、前記ネジ部材にその繰り出しによって当接自在である当接部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 一対の前記ネジ部材は、前記軸部材に対して互いに反対側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記一方の回転部材の長手方向端部に当接するように付勢され、前記剥離シートと前記表面に所定の間隔を形成する一対のスペース部材を備え、前記一対のスペース部材は前記剥離シート保持板に固設されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記剥離部材は前記加熱回転部材の長手方向に沿って配設されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記剥離部材は前記加圧回転部材の長手方向に沿って配設されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置が搭載された画像形成装置。
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