JP6777495B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、車両用シートに係わり、特に着座した搭乗者の頭部を支えるヘッドレストの支持構造に関する。
車両用シートは、一般的な構造として、搭乗者が着座するシートクッションと、シートクッションに着座した搭乗者が背中をもたせ掛けるシートバック、搭乗者の頭部を支えるヘッドレストを備えている。
そのヘッドレストの支持構造に関する背景技術として、特開2006−248415号公報(特許文献1)がある。特許文献1においては、シートバックの骨格をなすシートバックフレームは、アッパパイプと、アッパパイプの両端部に連結された一対の左側および右側サイドブラケット と、この両サイドブラケットの各々の下端近傍箇所間に架け渡した配置で両端部が溶接などの手段で固着された補強用のロアクロスパネルとにより外周骨格が構成され、この外周骨格の内部に、両サイドブラケットの各々の上端近傍箇所に架け渡して取り付けられたワイヤを有しており、このアッパパイプの上部にヘッドレストが取り付けられる2つのヘッドレスト取付ブラケットが溶接により固着されている構造が開示されている。
また、金属平板材からなるバックレストパネルと、このバックレストパネルに対しこれの左右両側から前方に向け突設する配置で固着された左側および右側サイドフレームと、バックレストパネルの下端近傍箇所および左右両側のサイドフレームの下端後部にそれぞれ固着されたロアクロスメンバと、バックレストパネルの上端前面に固着されたヘッドレストブラケットおよびこのヘッドレストブラケットに保持されたヘッドレストステーとを備えた構造が開示されている。
特開2006−248415号公報
特許文献1において、両サイドブラケットの上端近傍箇所に架け渡したワイヤは、衝突等による衝撃を受けた場合において搭乗者に過度な衝撃を与えないように設けられた内突防止部である。よって、特許文献1は、内突防止部とヘッドレスト支持部を共に備える車両用シートにおいて、ワイヤとそれとは別に、2つのヘッドレスト取付ブラケットが必要となる。また、乗員の肩上部から腰までをリジットに受け止める形状に形成されたバックレストパネルと、ヘッドレストブラケットが必要となる。このため、内突防止部とヘッドレスト支持部を共に備える車両用シートにおいて、部品点数および原価が増加する要因となっていた。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであって、内突防止部とヘッドレスト支持部を共に備える車両用シートにおいて、より部品点数を低減し、原価低減を図ることが可能な車両用シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、その一例を挙げるならば、シートクッションとシートバックとヘッドレストを備え、シートバックのシートバックフレームに内突防止部とヘッドレスト支持部を備える車両用シートであって、シートバックフレームは、略逆U字形状のアッパーフレームと、アッパーフレームの両端部に連結された一対のサイドフレームと、アッパーフレームの両側部に固定されアッパーフレームの上部にまで延伸しているパネルを有し、内突防止部はパネルであり、ヘッドレスト支持部は、アッパーフレームの上部とパネルとで形成している構成とする。
本発明によれば、内突防止部材とシートバックフレームを構成する部材とでヘッドレスト支持部を構成することで、部品点数を低減し、原価低減を図ることが可能な車両用シートを提供することができる。
実施例1におけるシートバックフレーム上部の外観図である。 実施例1におけるヘッドレスト支持部の作成手順の説明図である。 実施例1における他のヘッドレスト支持部の作成手順の説明図である。 実施例2におけるシートバックフレーム上部の外観図である。 実施例2におけるヘッドレスト支持部の作成手順の説明図である。 実施例2における他のヘッドレスト支持部の作成手順の説明図である。 従来における車両用シートおよびシートバックフレームの構造図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の前提となる、車両用シートについて説明する。図7は、従来における車両用シートおよびシートバックフレームの構造図である。図7(A)は車両用シートを示しており、搭乗者が着座するシートクッション1と、シートクッション1に着座した搭乗者が背中をもたせ掛けるシートバック2、搭乗者の頭部を支えるヘッドレスト3を備えている。図7(B)は、シートバック2のシートバックフレームの構造図を示している。図7(B)において、シートバックフレームは、アッパーパイプ4と、アッパーパイプ4の両端部に連結された一対の左側および右側のサイドフレーム5と、両サイドフレーム5の各々の上端近傍箇所に架け渡して取り付けられた内突防止用のワイヤ6を有している。また、アッパーパイプ4の上部に、ヘッドレスト支持部である、ヘッドレストが取り付けられる2つのヘッドレスト取付ブラケット7が溶接により固着されている。8はヘッドレストステーであり、パッドを覆い被せることでヘッドレスト3を構成する。ヘッドレストステー8はヘッドレスト取付ブラケット7に挿入されて保持される。
このように、従来のシートバックフレームは、内突防止用の構成とヘッドレスト支持部材を共に備える車両用シートにおいては、内突防止用の構成であるワイヤ6とヘッドレスト支持部材である2つのヘッドレスト取付ブラケット7を備える必要があった。
また、図7(C)は、従来の他の構成のシートバック2のシートバックフレームの構造図を示している。図7(C)において、図7(B)と異なる点は、アッパーパイプ4がアッパーパネル9、ワイヤ6がパネル10である点である。この場合も、図7(B)と同様に、2つのヘッドレスト取付ブラケット7がアッパーパネル9に開けられた穴に挿入され溶接等により固着される。この場合も、内突防止用の構成とヘッドレスト支持部材を共に備える車両用シートにおいては、内突防止用の構成であるパネル10とヘッドレスト支持部材である2つのヘッドレスト取付ブラケット7を備える必要があった。
このように、従来は、内突防止部とヘッドレスト支持部を共に備える車両用シートにおいて、部品点数および原価が増加する要因となっていた。
よって、上記課題を解決するために、本実施例では、内突防止の部材とシートバックフレームを構成する部材とでヘッドレスト支持部材を構成することで、部品点数を低減し、原価低減を図る。以下、本実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本実施例におけるシートバックフレーム上部の外観図である。図1において、図7と同様の機能を有する構成については、同じ符号を付加し、その説明は省略する。
図1において、図7と異なる点は、ワイヤ6の機能を兼ねたパネルであるヘッドレストガイド構成パネル11を有し、ヘッドレストガイド構成パネル11とアッパーパイプ4でヘッドレスト支持部12を構成する点である。図1(A)はシートバックフレーム上部のシートバック後方からみた斜視図であり、(B)は左側面図、(C)はシートバック前方からみた斜視図である。白抜き矢印はシートバック前方向を示している。
図1に示すように、ヘッドレストガイド構成パネル11は、シートバックフレームを構成するアッパーフレームである略逆U字形状のアッパーパイプ4の両側部に固定されアッパーパイプ4の上部にまで延伸している。そして、アッパーパイプ4の上部とヘッドレストガイド構成パネル11とでヘッドレスト支持部12を形成している。なお、13はヘッドレスト支持部12にヘッドレストステー8を挿入する際の樹脂状のヘッドレストサポート部材である。
図2を用いてヘッドレスト支持部12の作成手順について説明する。図2において、(A)はシートバックフレーム上部のシートバック後方からみた背面図であり、(B)は(A)におけるA―A断面図である。図2(B)に示すように、アッパーパイプ4のシートバック後方側をプレス加工し平面化した後、ヘッドレストステー8を受け入れる形に成型したヘッドレストガイド構成パネル11をアッパーパイプ4のシートバック後方側に配置し、アッパーパイプ4の平面化した面とヘッドレストガイド構成パネル11を溶接あるいはカシメ等で締結する。これにより、図示したようにヘッドレスト支持部12が形成できる。
なお、ヘッドレストガイド構成パネル11のヘッドレストステー8を受け入れる形の成型を調整することでヘッドレスト支持部の長さを延長させることができるのでヘッドレストを支持する際のガタや剛性改善が可能となる。そのために、頚部傷害値改善が可能となる。
また、図1(C)に示すように、ヘッドレスト支持部12に挿入されたヘッドレストステー8は、ヘッドレスト支持部12の下部に突き出してもよいので、ヘッドレストの高さ調整も可能である。
また、ヘッドレストガイド構成パネル11はアッパーパイプ4の両側部と上部に固定されるのでシートバックフレームの横剛性や横強度改善が可能となり、車両側突時のシート変位低減が可能となる。
なお、以上の説明では、ヘッドレスト支持部12はアッパーパイプ4のシートバック後方側に形成する構成として説明したが、アッパーパイプ4のシートバック前方側に形成してもよい。すなわち、図3に示したように、アッパーパイプ4のシートバック前方側をプレス加工し平面化した後、ヘッドレストステー8を受け入れる形に成型したヘッドレストガイド構成パネル11をアッパーパイプ4のシートバック前方側に配置し、アッパーパイプ4の平面化した面とヘッドレストガイド構成パネル11を溶接あるいはカシメ等で締結してもよい。
以上のように、本実施例によれば、内突防止の機能を有するヘッドレストガイド構成パネル11とシートバックフレームを構成するアッパーパイプ4とでヘッドレスト支持部を構成することで、部品点数を低減でき、原価低減を図ることが出来る。
本実施例は、ヘッドレスト支持部を内突防止の機能を有するヘッドレストガイド構成パネルとシートバックフレームを構成するアッパーフレームであるアッパーパネルとで構成する例について説明する。
図4は、本実施例における、シートバックフレーム上部の外観図である。図4において、図1と重複する構成については、同じ符号を付加し、その説明は省略する。図4において、図1と異なる点は、シートバックフレームを構成するアッパーフレームが略逆U字形状のアッパーパネル14で構成されている点である。図4(A)はシートバックフレーム上部のシートバック後方からみた斜視図であり、(B)は左側面図、(C)はシートバック前方からみた斜視図である。
図4に示すように、実施例1と同様の内突防止機能を兼ねたパネルであるヘッドレストガイド構成パネル15は、アッパーパネル14の両側部に固定されアッパーパネル14の上部にまで延伸している。そして、アッパーパネル14の上部とヘッドレストガイド構成パネル15とでヘッドレスト支持部16を形成している。
図5を用いてヘッドレスト支持部16の作成手順について説明する。図5において、(A)はシートバックフレーム上部のシートバック後方からみた背面図であり、(B)は(A)におけるB―B断面図である。図5(B)に示すように、アッパーパネル14のシートバック後方側に、ヘッドレストステー8を受け入れる形に成型したヘッドレストガイド構成パネル15をアッパーパネル14のシートバック後方側に配置し、アッパーパパネル14とヘッドレストガイド構成パネル15を溶接あるいはカシメ等で締結する。これにより、図示したようにヘッドレスト支持部16が形成できる。
なお、実施例1と同様に、ヘッドレストガイド構成パネル15のヘッドレストステー8を受け入れる形の成型を調整することでヘッドレスト支持部の長さを延長させることができるのでヘッドレストを支持する際のガタや剛性改善が可能となる。そのために、頚部傷害値改善が可能となる。
また、実施例1と同様に、ヘッドレストガイド構成パネル15はアッパーパネル14の両側部と上部に固定されるのでシートバックフレームの横剛性や横強度改善が可能となり、車両側突時のシート変位低減が可能となる。
なお、以上の説明では、ヘッドレスト支持部16はアッパーパネル14のシートバック後方側に形成する構成として説明したが、アッパーパネル14のシートバック前方側に形成してもよい。すなわち、図6に示したように、アッパーパネル14のシートバック前方側に、ヘッドレストステー8を受け入れる形に成型したヘッドレストガイド構成パネル15をアッパーパネル14のシートバック前方側に配置し、アッパーパネル14とヘッドレストガイド構成パネル15を溶接あるいはカシメ等で締結してもよい。
以上のように、本実施例によれば、実施例1と同様に、内突防止の機能を有するヘッドレストガイド構成パネル15とシートバックフレームを構成するアッパーパネル14とでヘッドレスト支持部を構成することで、部品点数を低減でき、原価低減を図ることが出来る。
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1:シートクッション、2:シートバック、3:ヘッドレスト、4:アッパーパイプ、5:サイドフレーム、6:ワイヤ、7:ヘッドレスト取付ブラケット、8:ヘッドレストステー、9:アッパーパネル、10:パネル、11、15:ヘッドレストガイド構成パネル、12、16:ヘッドレスト支持部、13:ヘッドレストサポート部材、14:アッパーパネル

Claims (7)

  1. シートクッションとシートバックとヘッドレストを備え、シートバックのシートバックフレームに内突防止部とヘッドレスト支持部を備える車両用シートであって、
    前記シートバックフレームは、略逆U字形状のアッパーフレームと、該アッパーフレームの両端部に連結された一対のサイドフレームと、前記アッパーフレームの両側部に固定され該アッパーフレームの上部にまで延伸しているパネルを有し、
    前記内突防止部は前記パネルであり、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーフレームの上部と前記パネルとで形成し
    前記アッパーフレームはアッパーパイプであり、
    前記パネルは前記ヘッドレストのヘッドレストステーを受け入れる形に成型され、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーパイプの前記シートバックの後方側を平面化した面と、前記成型したパネルを締結することで形成することを特徴とする車両用シート。
  2. シートクッションとシートバックとヘッドレストを備え、シートバックのシートバックフレームに内突防止部とヘッドレスト支持部を備える車両用シートであって、
    前記シートバックフレームは、略逆U字形状のアッパーフレームと、該アッパーフレームの両端部に連結された一対のサイドフレームと、前記アッパーフレームの両側部に固定され該アッパーフレームの上部にまで延伸しているパネルを有し、
    前記内突防止部は前記パネルであり、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーフレームの上部と前記パネルとで形成し、
    前記アッパーフレームはアッパーパイプであり、
    前記パネルは前記ヘッドレストのヘッドレストステーを受け入れる形に成型され、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーパイプの前記シートバックの前方側を平面化した面と、前記成型したパネルを締結することで形成することを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1または2に記載の車両用シートであって、
    前記締結は溶接あるいはカシメで行うことを特徴とする車両用シート。
  4. シートクッションとシートバックとヘッドレストを備え、シートバックのシートバックフレームに内突防止部とヘッドレスト支持部を備える車両用シートであって、
    前記シートバックフレームは、略逆U字形状のアッパーフレームと、該アッパーフレームの両端部に連結された一対のサイドフレームと、前記アッパーフレームの両側部に固定され該アッパーフレームの上部にまで延伸しているパネルを有し、
    前記内突防止部は前記パネルであり、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーフレームの上部と前記パネルとで形成し、
    前記アッパーフレームはアッパーパネルであり、
    前記パネルは前記ヘッドレストのヘッドレストステーを受け入れる形に成型され、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーパネルの前記シートバックの後方側の面と、前記成型したパネルを締結することで形成することを特徴とする車両用シート。
  5. シートクッションとシートバックとヘッドレストを備え、シートバックのシートバックフレームに内突防止部とヘッドレスト支持部を備える車両用シートであって、
    前記シートバックフレームは、略逆U字形状のアッパーフレームと、該アッパーフレームの両端部に連結された一対のサイドフレームと、前記アッパーフレームの両側部に固定され該アッパーフレームの上部にまで延伸しているパネルを有し、
    前記内突防止部は前記パネルであり、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーフレームの上部と前記パネルとで形成し、
    前記アッパーフレームはアッパーパネルであり、
    前記パネルは前記ヘッドレストのヘッドレストステーを受け入れる形に成型され、
    前記ヘッドレスト支持部は、前記アッパーパネルの前記シートバックの前方側の面と、前記成型したパネルを締結することで形成することを特徴とする車両用シート。
  6. 請求項4または5に記載の車両用シートであって、
    前記締結は溶接あるいはカシメで行うことを特徴とする車両用シート。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の車両用シートであって、
    前記ヘッドレスト支持部は、樹脂状のヘッドレストサポート部材を介して前記ヘッドレストのヘッドレストステーが挿入されていることを特徴とする車両用シート。
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