JP6776683B2 - 隙間止水構造、隙間止水方法および筒状体付き部材 - Google Patents
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また、通常、打撃工法や中掘り工法では、鋼管杭の両端にC形状やT形状の継手を取り付け、一方の鋼管杭の継手と他方の鋼管杭の継手を組み合わせながら施工し、継手の空間を洗浄した後にモルタル充填あるいは袋を挿入して袋内にモルタルを充填することで止水処理することが一般的である。
回転貫入杭では杭体を回転させながら地盤中に挿入して行くため、継手を取り付けると施工抵抗が高くなり施工困難に陥ってしまう。また、仮に施工できたとしても鋼管外周面の飛び出しが大きく周面の地盤を大きく乱すために期待できる水平抵抗や周面摩擦力が低下することで構造性能が悪化してしまう。
特許文献1に記載の部材間の止水構造は、鋼管杭やコンクリート系杭材等の部材を複数並設することによって部材列が形成されており、部材間の隙間には、前記部材の長さ方向に長尺に形成されるとともに中空部を有する筒状弾性体が埋設されており、前記筒状弾性体は、前記中空部に充填材が加圧充填されることによって弾性的に拡径変形し、前記隣り合う部材に密着していることを特徴としている。
また、特許文献1に記載の部材間の止水方法は、鋼管杭やコンクリート系杭材等の部材を複数並設することによって部材列を形成し、部材間の隙間に、前記部材の長さ方向に長尺に形成されるとともに中空部を有する筒状弾性体を埋設し、前記筒状弾性体を、前記中空部に充填材を加圧充填することによって弾性的に拡径変形させるとともに、前記隣り合う部材に密着させ、さらに、前記充填材を加圧保持して固化させることを特徴としている。
前記隙間に、前記部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形した変形筒状体が設けられ、前記変形筒状体に弾性を有する密着性部材が取り付けられており、塑性変形した前記変形筒状体が、隣り合う前記部材に密着するとともに、前記密着性部材を隣り合う前記部材のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする。
また、部材間の隙間が不均一となっていても、変形筒状体は塑性的に拡径変形したものであるので、隙間に追随して部材に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの保持も必要なく、固化材の配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、隣り合う部材間の隙間が不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
また、変形筒状体に取り付けられている密着性部材が隣り合う部材のうちの少なくともいずれか一方に密着しているので、さらに止水性を高めることができる。
矢板や杭等の部材が複数並設され、隣り合う前記部材間の隙間を止水する隙間止水方法であって、
前記隙間に、前記部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体を設けるとともに、前記筒状体に弾性を有する密着性部材を取り付けておき、
前記筒状体を、その内部を加圧することによって、塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることにより、この変形筒状体を隣り合う前記部材に密着させるとともに、前記密着性部材を隣り合う前記部材のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする。
また、部材間の隙間が不均一となっていても、筒状体の内部を加圧することによって、当該筒状体が、隙間に追随して塑性的に拡径変形して、部材に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの圧力の保持も必要なく、固化材が所定の強度を発現するための配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、隣り合う部材間の隙間が不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
また、筒状体の内部を加圧して、筒状体を塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることによって密着性部材を隣り合う部材のうちの少なくともいずれか一方に密着させるので、さらに止水性を高めることができる。
前記部材と、この部材に設けられ、かつ当該部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体と、前記筒状体に取り付けられた弾性を有する密着性部材とを備えたことを特徴とする。
前記隙間に、前記継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形した変形筒状体が設けられ、前記変形筒状体に弾性を有する密着性部材が取り付けられており、塑性変形した前記変形筒状体が、係合されている前記継手に密着するとともに、前記密着性部材を係合されている前記継手のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする。
また、継手間の隙間が不均一となっていても、変形筒状体は塑性的に拡径変形したものであるので、隙間に追随して継手に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの圧力の保持も必要なく、固化材が所定の強度を発現するための配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、係合されている継手間の隙間が不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
また、変形筒状体に取り付けられている密着性部材が、係合されている継手のうちの少なくともいずれか一方に密着しているので、さらに止水性を高めることができる。
前記隙間に、前記継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体を設けるとともに、前記筒状体に弾性を有する密着性部材を取り付けておき、
前記筒状体を、その内部を加圧することによって、塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることにより、この変形筒状体を係合されている前記継手に密着させるとともに、前記密着性部材を係合されている前記継手のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする。
また、継手間の隙間が不均一となっていても、筒状体の内部を加圧することによって、当該筒状体が、隙間に追随して塑性的に拡径変形して、継手に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの圧力の保持も必要なく、固化材が所定の強度を発現するための配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、係合されている継手間の隙間が不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
また、筒状体の内部を加圧して、筒状体を塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることによって密着性部材を係合されている継手のうちの少なくともいずれか一方に密着させるので、さらに止水性を高めることができる。
前記部材と、この部材の前記継手に設けられ、かつ当該継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体と、前記筒状体に取り付けられた弾性を有する密着性部材とを備えたことを特徴とする。
以下の各実施の形態において、符号1,1はそれぞれ地中に埋設された鋼管を示す。鋼管1,1は、周知の圧入工法、回転圧入工法等によって連続的に地中に並設されることで、例えば止水性が求められる土留め壁を構成する。
なお、各実施の形態の各図において、鋼管1,1は、対向している外周壁の一部を示している。
また、鋼管1は外径が400〜2500mm程度の円筒状に形成されている。
図1に示すように、隣り合う鋼管1,1間には所定の隙間Sが設けられている。この隙間Sは施工重機の取り合いなどから必要になる間隔であり、50〜300mm程度である。そして、この隙間Sが以下のようにして止水されている。
すなわちまず、隙間Sに、鋼管1の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体5を設ける。この筒状体5は断面形状が瓢箪状に形成されており、その一端部は閉塞され、他端部には筒状体5の内部を加圧する際に、当該内部に水や空気等の流体を充填するための充填口が設けられている。
また筒状体5の一端部および他端部は、それ以外の部分より厚肉なスリーブ6,8が装着されているので、筒状体5の内部が加圧されても変形しないよう剛性が高く保たれている。また、一端部は溶接により閉塞させてあっても良い。また、本実施の形態では、筒状体5の断面形状はいわゆる瓢箪形状となっているが、断面形状はこれに限ることなく、他の実施の形態等に示すように、種々の形状となっていてもよい。
また、筒状体5は、鋼管1の全長に亘って取り付けてもよいし、止水が必要な部分のみに取り付けてもよい。さらに、筒状体5は、鋼管1の軸方向に沿って複数設けてもよい。複数設ける場合、各筒状体5の軸方向の長さは適宜設定すればよい。
次に、筒状体5を、その内部を加圧することによって、図1(b)に示すように、塑性的に拡径変形させて変形筒状体10とするとともに、この変形筒状体10を隣り合う鋼管1,1の外周面に密着させる。
筒状体5の内部を加圧するには、例えば、筒状体付き鋼管1Aを圧入工法によって地中に埋設する場合、加圧ホースを予め筒状体5の加圧用筒7に接続しておき、埋設後に加圧装置から加圧ホースを通して、加圧用の水を筒状体5の内部に充填することによって行えばよい。
また、筒状体付き鋼管1Aを回転圧入工法によって地中に埋設する場合、筒状体付き鋼管1Aを埋設した後、前記隙間Sにある地盤にケーシングパイプを挿入しながら、ボーリングマシンによって削孔し、その後、ボーリングマシンを引き抜いたうえで、ケーシングパイプに加圧用ホースを挿入して、筒状体5の加圧用筒7に接続し、加圧装置から加圧ホースを通して、加圧用の水を筒状体5の内部に充填することによって行えばよい。
また、鋼管1,1間の隙間が不均一となっていても、筒状体5の内部を加圧することによって、当該筒状体5が、隙間Sに追随して塑性的に拡径変形して、鋼管1,1に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの圧力の保持も必要なく、固化材が所定の強度を発現するための配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、隣り合う鋼管1,1間の隙間Sが不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
また、筒状体付き鋼管1Aが、鋼管1と、この鋼管1に設けられて塑性的に拡径変形可能な筒状体5とを備えているので、この筒状体付き鋼管1Aを使用することによって、鋼管1,1間の隙間Sの止水を容易に行うことができる。
図2は第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態が、図1に示す第1の実施の形態と異なる点は、筒状体付き鋼管1Aに保護部材11を取り付けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
すなわち、図2(a)に示すように、筒状体付き鋼管1Aの外周面には、筒状体5の近傍において、保護部材11が取り付けられている。保護部材11は板状部材や鋼管1Aの外径に沿うような曲面を持った部材や断面L字形に形成されたアングル材であり、例えば鋼板等によって形成されている。
また、保護部材11は筒状体5の軸方向(長手方向)に沿って延在する長尺な部材であり、その一片11aの一方の縁部が筒状体付き鋼管1Aの外周面に点溶接等によって取り付けられており、強固に固定されていない。したがって、筒状体5の拡径変形中に点溶接が切断し、保護部材11はその一片11aの縁部を軸として図2(a)において左右に回転可能となっている。なお、図示していないが保護部材11が鋼管1Aに蝶番等によって取り付けられ、保護部材11が左右に回転可能となっていてもよい。
そして、保護部材11が取り付けられた筒状体付き鋼管1Aを反時計回り(矢印で示す)に回転しながら圧入して行くと、保護部材11の一片11aに地盤から保護部材11を右方向(時計方向)に回転させるような力が作用するが、一片11aが筒状体5に接しているので、保護部材11はこの状態で保持され、筒状体付き鋼管1Aの回転に伴って、地盤を押し退けるようにして同方向に回転して行く。
この回転の際に、筒状体5は保護部材11によって保護されるので、筒状体付き鋼管1Aからの筒状体5の逸脱を防止できる。
筒状体5が拡径変形すると、この拡径変形している筒状体5によって、保護部材11が左側に押されることで、当該保護部材11がその一片11aの一端部を軸として左側に回転して、変形筒状体10の左側に配置される。
なお、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図3は第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態が、図1に示す第1の実施の形態と異なる点は、筒状体の形状と、この筒状体に密着性部材を取り付けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
また、凹溝16には予め円柱状の密着性部材17が嵌め込まれている。すなわち、凹溝16はその底面が略半円筒面状に形成されており、この凹溝16に円柱状の密着性部材17が凹溝16の底面に密着するようにして嵌め込まれている。この場合、密着性部材17を接着剤によって凹溝16に接着固定してもよい。
この水膨潤性止水材は、吸水し、膨潤するとともに、吸水膨潤後に所定の材料強度を有し、さらに吸水により著しく溶解しない機能を有するものが好ましい。水膨潤性止水材の例としては、ウレタン系止水材、酢酸ビニル系止水材、その他に水膨潤性ゴムなどがある。また、このような水膨潤性止水材は、塗料状のものでも固形状のものでもよい。
また、密着性部材17としてシリコン樹脂やエラストマー等の弾性を有するものを使用してもよい。
また、筒状体15が拡径変形すると、凹溝16が他方の鋼管1側に向けて押し出されるように変形して溝底が浅くなって、密着性部材17が鋼管1側に向けて押し出されて、当該鋼管1の外周面に密着する。
これによって、変形筒状体20が隣り合う鋼管1,1に密着するとともに、密着性部材17が一方の鋼管1に密着してなる隙間止水構造が施工される。
図4は第4の実施の形態を示す。この第4の実施の形態が、図1に示す第1の実施の形態と異なる点は、筒状体5を予め鋼管1に取り付けておくのではなくて、鋼管1,1の埋設後に筒状体5を施工する点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
すなわちまず、図4A(a)に示すように、隣り合う鋼管1,1間の隙間Sに存在する地盤にケーシングパイプ25を挿入しながら、図示しないボーリングマシンによって削孔し、その後、ボーリングマシンを引き抜く。
次に、図4A(b)に示すように、ケーシングパイプ25を所定長さだけ上方に引き抜いて、ケーシングパイプ25の下方に削孔した孔の下端部を露出させ、その後、筒状体5が予め接続された加圧ホース26をケーシングパイプ25に挿入し、このケーシングパイプ25の下端より下方に筒状体5を押し出すことで、筒状体5を前記孔の下端部に配置する。このようにして下段の筒状体5を配置する。
なお、筒状体5の上端部に、連結管27を、その略上半分を筒状体5の上端から突出させるようにして、装着する。
なお、筒状体5の上端部に、連結管27を、その略上半分を筒状体5の上端から突出させるようにして、装着する。
次に、図4A(g)に示すように、加圧装置28から加圧ホース26を通して、加圧用の水を上段の筒状体5の内部に充填することによって、当該筒状体5を塑性的に拡径変形させて変形筒状体10とするとともに、この変形筒状体10を隣り合う鋼管1,1の外周面に密着させるとともに、変形筒状体10の下端部を連結管27の内周面に密着させて、止水施工を終了する。また、上下(上段と中断)の変形筒状体10,10は互いに密着して一体化される。その後は、加圧装置28と加圧ホース26を撤去する。
図5は第5の実施の形態を示す。この第5の実施の形態が、図3に示す第3の実施の形態と異なる点は、筒状体15を予め鋼管1に取り付けておくのではなくて、鋼管1,1の埋設後に筒状体15を施工する点であるので、以下ではこの点について説明し、第3の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
この場合、第3の実施の形態と同様に、筒状体15の凹溝16に密着性部材17を予め取り付けておき、筒状体15を、その内部を加圧して、塑性的に拡径変形させて変形筒状体20とすることによって、密着性部材17を隣り合う鋼管1,1に密着させる。
また、筒状体15を施工する場合は、第4の実施の形態と同様にして行う。
本実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図6は第6の実施の形態を示す。この第6の実施の形態が、図4に示す第4の実施の形態と異なる点は、筒状体5の数と配置位置であるので、以下ではこの点について説明し、第4の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
そして、鋼管1,1間の隙間S1に、2つの筒状体5,5を鋼管1,1の並設方向(図6においては上下方向)に平行離間して設ける。筒状体5,5を施工するには、第4の実施の形態と同様して行う。
変形筒状体30,31は、これらの鋼管1,1の並設方向における位置や、加圧力の差によって、異なる形状に塑性的に拡径変形するが、前記位置や加圧力を調整することによって、変形筒状体30,31が同じ形状となるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では筒状体5,5を2つ設けたが、隙間S1の大きさに応じて3つ以上設けてもよい。
図7は第7の実施の形態を示す。この第7の実施の形態が、図6に示す第6の実施の形態と異なる点は、筒状体5の配置位置であるので、以下ではこの点について説明し、第4の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
このように、本実施の形態では、鋼管1,1間の隙間S2が小さいため、この隙間S2にある地盤を削孔し難い場合に適している。
第6の実施の形態において、筒状体15,15を使用する場合、一方の筒状体15の凹溝16を一方の鋼管1側に向け、他方の筒状体15の凹溝16を他方の鋼管1側に向けて使用する。つまり、筒状体15,15を背中合わせの状態で使用する。
また、第7の実施の形態において、筒状体15を使用する場合、一方の筒状体15の凹溝16を一方の鋼管1側に向け、他方の筒状体15の凹溝16を他方の鋼管1側に向けて使用するのが好ましいが、両方の筒状体15,15の凹溝16,16を一方の鋼管1側に向けて使用してもよい。
図8は第8の実施の形態を示す。本実施の形態では、小径の鋼管からなる継手40が取り付けられた鋼管矢板1T,1Tは、周知の圧入工法等によって連続的に地中に並設されることで、例えば止水性が求められる土留め壁を構成する。
また、図8(a)に示すように、隣り合う鋼管矢板1T,1Tは、それぞれに設けられた継手40,40どうしが係合されることで、連結されている。継手40は鋼管矢板1Tと軸が平行な筒状に形成されており、その外周壁の一部には軸方向に延びるスリットが形成されている。そして、継手40,40はスリットを介して、互いにその一部が重なり合うようにして係合している。
この場合、筒状体15の凹溝16に密着性部材17が予め取り付けられているので、筒状体15を、その内部を加圧して、塑性的に拡径変形させて変形筒状体50とすることによって、密着性部材17を隣り合う継手40,40のうちの一方の継手40の内面に密着させる。
また、継手40,40間の隙間S8が不均一となっていても、筒状体15の内部を加圧することによって、当該筒状体15が、隙間S8に追随して塑性的に拡径変形して、継手40に密着するとともに、塑性変形のための充填固化材が不要となる。このため、固化材の加圧注入と固化までの圧力の保持も必要なく、固化材が所定の強度を発現するための配合や練り混ぜといった管理も不要となる。
したがって、係合さている継手40,40間の隙間が不均一となるような諸々の事象に関係なく、作業や管理の負荷を軽減しつつ確実に止水を行うことができる。
図9は第9の実施の形態を示す。本実施の形態では、鋼管1とハット形の鋼矢板21が並設され、これらが継手40,41によって連結されている。
図9(a)に示すように、継手40は鋼管1に設けられている。また、継手40は鋼管1と軸が平行な筒状に形成されており、その外周壁の一部には軸方向に延びるスリットが形成されている。
また、互いに隣り合う鋼矢板21,21どうしは、継手41,41によって連結されている。鋼管1に隣り合う鋼矢板21の一方の端部には継手41が設けられており、この継手41が鋼管1の継手40にそのスリットから挿入さることで、継手40,41どうしが係合されている。なお、継手41はその先端部に爪41aを有しており、継手41,41どうしは爪41a,41aを係合することによって連結されている。
なお、筒状体15は継手41の先端部の爪41aを切断したうえで、継手41の先端部に取付けてもよいし、継手41の先端部の爪41aを切断せずに取り付けてもよい。
そして、筒状体15が予め取り付けられた筒状体付き鋼矢板21Aを地中に埋設することによって、前記隙間S9に筒状体15を設けることができる。また、筒状体15の凹溝16には、予め密着性部材17が嵌め込まれている。
この場合、筒状体15の凹溝16に密着性部材17が予め取り付けられているので、筒状体15を、その内部を加圧して、塑性的に拡径変形させて変形筒状体51とすることによって、密着性部材17を継手40の内面に密着させる。また、第1の実施の形態と同様に、筒状体15を塑性的に拡径変形させ、継手40の内面に密着させても良い。
図11に示すように、筒状体55Aは断面形状がY字状であり、筒状体55Bは断面形状がX字状である。筒状体55Cは断面形状がX字状であるが、4片がそれぞれ先端部側ほど周方向の長さが長くなっている。筒状体55Dも断面形状がX字状であるが、一直線上に位置する2つの片の方が、一直線と直交する直交線上に位置する2つの片の径方向の長さが長くなっている。
筒状体55Eは断面形状がS字状、筒状体55Fは断面形状がC字状、筒状体55Gは断面形状がI字状である。筒状体55Hは断面形状がV字状であり、筒状体55Iも断面形状がV字状であるが、筒状体55Iの方が筒状体55Hより2片のなす角度が大きくなっている。
1T 鋼管矢板(部材)
1A 筒状体付き鋼管(筒状体付き部材)
10,20,30,31,32,50,51 変形筒状体
15 筒状体
17 密着性部材
21 鋼矢板(部材)
21A 筒状体付き鋼矢板(筒状体付き部材)
40,41 継手
55A〜55I 筒状体
S,S1,S2,S8,S9 隙間
Claims (10)
- 矢板や杭等の部材が複数並設され、隣り合う前記部材間の隙間を止水する隙間止水構造であって、
前記隙間に、前記部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形した変形筒状体が設けられ、前記変形筒状体に弾性を有する密着性部材が取り付けられており、塑性変形した前記変形筒状体が、隣り合う前記部材に密着するとともに、前記密着性部材を隣り合う前記部材のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする隙間止水構造。 - 前記隙間に、前記変形筒状体が前記部材の並設方向または当該並設方向と交差する方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の隙間止水構造。
- 矢板や杭等の部材が複数並設され、隣り合う前記部材間の隙間を止水する隙間止水方法であって、
前記隙間に、前記部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体を設けるとともに、前記筒状体に弾性を有する密着性部材を取り付けておき、
前記筒状体を、その内部を加圧することによって、塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることにより、この変形筒状体を隣り合う前記部材に密着させるとともに、前記密着性部材を隣り合う前記部材のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする隙間止水方法。 - 前記筒状体を隣り合う前記部材のうちの少なくともいずれか一方に予め取り付けておくことにより、前記隙間に前記筒状体を設けるとともに、前記筒状体に前記密着性部材を予め取り付けておくことを特徴とする請求項3に記載の隙間止水方法。
- 前記隙間に、前記筒状体を前記部材の並設方向または当該並設方向と交差する方向に複数設けることを特徴とする請求項3または4に記載の隙間止水方法。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の隙間止水方法で使用される筒状体付き部材であって、
前記部材と、この部材に設けられ、かつ当該部材の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体と、前記筒状体に取り付けられた弾性を有する密着性部材とを備えたことを特徴とする筒状体付き部材。 - 矢板や杭等の部材が複数並設されるとともに、隣り合う部材にそれぞれ設けられ、かつ前記部材の長手方向に長尺な継手どうしが係合され、係合された前記継手間の隙間を止水する隙間止水構造であって、
前記隙間に、前記継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形した変形筒状体が設けられ、前記変形筒状体に弾性を有する密着性部材が取り付けられており、塑性変形した前記変形筒状体が、係合されている前記継手に密着するとともに、前記密着性部材を係合されている前記継手のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする隙間止水構造。 - 矢板や杭等の部材が複数並設されるとともに、隣り合う部材にそれぞれ設けられた継手どうしが係合され、係合された前記継手どうしの隙間を止水する隙間止水方法であって、
前記隙間に、前記継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体を設けるとともに、前記筒状体に弾性を有する密着性部材を取り付けておき、
前記筒状体を、その内部を加圧することによって、塑性的に拡径変形させて変形筒状体とすることにより、この変形筒状体を係合されている前記継手に密着させるとともに、前記密着性部材を係合されている前記継手のうちの少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする隙間止水方法。 - 前記筒状体を係合されている前記継手のうちの少なくともいずれか一方に予め取り付けておくことにより、前記隙間に前記筒状体を設けるとともに、前記筒状体に前記密着性部材を予め取り付けておくことを特徴とする請求項8に記載の隙間止水方法。
- 請求項8または9に記載の隙間止水方法で使用される筒状体付き部材であって、
前記部材と、この部材の前記継手に設けられ、かつ当該継手の長さ方向に長尺でかつ塑性的に拡径変形可能な筒状体と、前記筒状体に取り付けられた弾性を有する密着性部材とを備えたことを特徴とする筒状体付き部材。
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