JP6775958B2 - 切削加工機と位置補正の要否の判別方法 - Google Patents

切削加工機と位置補正の要否の判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、切削加工機と、当該切削加工機において位置補正の要否を判別する判別方法に関する。
従来から、セラミックや樹脂材料等からなる被加工物を加工ツールで切削加工する切削加工機が知られている。切削加工機では、被加工物と加工ツールとの相対的な位置関係を3次元で変化させながら被加工物に加工ツールを接触させることで、被加工物を所望の形状に切削するようにしている。
典型的な切削加工機において、被加工物は保持部材に固定されている。保持部材は、例えば、XYZ直交座標系のX軸方向に自在に移動できるとともに、被加工物をX軸周りおよびY軸周りに揺動可能なように構成されている。また、加工ツールはスピンドルに着脱可能に把持されている。スピンドルは、例えば、XYZ直交座標系のY軸方向とZ軸方向とに自在に移動できるとともに、加工ツールをZ軸周りに回転可能なように構成されている。
この種の切削加工機は、複数の部品を組み立てることによって構成されている。そのため、部品相互の相対位置がずれることによって生じる位置の誤差、すなわち組み付け誤差が発生する。例えば部品の交換を行った場合や切削加工機の設置位置を変えた場合等には、組み付け誤差が大きくなることがある。そこで、切削加工機では、高精度な切削加工を実現する目的で被加工物と加工ツールとの相対的な位置関係を補正する位置補正を行うことがある。これに関連する技術として、特許文献1が挙げられる。例えば特許文献1では、スピンドルに検出ピンを把持させ、検出ピンを部品と接触させた状態で少しずつ移動させることで、切削加工機の制御装置が把握しているスピンドルまたは上記部品の位置と、スピンドルまたは上記部品の実際の位置との差を取得し、この差に基づいてスピンドルまたは上記部品の位置補正を行うようにしている。
特開2006−349388号公報
ところで、組み付け誤差は、部品の交換を行った場合や切削加工機の設置位置を変えた場合にだけ発生するのではなく、長時間の使用によっても発生する場合がある。すなわち、長時間の使用により、部品同士の位置が徐々にずれてしまい、結果として組み付け誤差が大きくなることがある。従来は、作業者が勘と経験に基づき、所定の使用時間が経過した時に上記位置補正を行うようにしていた。しかしながら、上記位置補正にはある程度の時間を要する。このため、位置ずれが生じていない時にまで位置補正を行うと、無駄な時間を費やして作業性が低下する。一方で、位置ずれが生じている場合に位置補正を行わないと、切削加工の精度が低下する。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、切削加工の精度を維持しつつ、無駄な位置補正を避けることにより作業性を向上させた切削加工機を提供することである。
本発明に係る切削加工機は、被加工物を切削加工するものである。この切削加工機は、ケースと、上記ケース内に配置され、上記被加工物を保持する保持具と、上記ケース内に配置され、上記被加工物を切削するための加工ツールを把持する把持具と、上記保持具および/または上記把持具を駆動することにより、上記把持具に把持された上記加工ツールを上記保持具に保持された上記被加工物に対して相対的に移動させる駆動装置と、上記保持具および上記把持具の少なくとも一方に付された目印と、上記ケースに固定された撮像装置と、を備え、上記保持具に対する上記把持具の位置を較正したときに上記撮像装置により撮像される上記目印の位置を較正位置として記憶する記憶部と、上記撮像装置により撮像された画像が入力され、上記画像から上記目印の位置を取得する取得部と、上記取得部により取得された上記目印の位置と上記記憶部に記憶されている上記較正位置との差を算出する演算部と、上記演算部により算出された上記差が所定値以下の場合には位置補正が不要であると判定し、上記差が所定値を超える場合には位置補正が必要であると判定する判定部と、を有する補正要否判定装置を更に備えている。
本願発明者は、位置補正の作業とは別に、位置補正の要否を判別することにより、前記課題を解決することとした。すなわち、本発明に係る切削加工機においては、位置補正を行う前に、位置補正の要否を客観的に判別するように構成されている。これによって、位置ずれが生じている時にのみ位置補正を行って位置の誤差を低減することができる。また、位置補正の要否の判定に画像を使用することで、検出ピンを少しずつ移動させて行う位置補正に比べて相対的に短い時間で判定結果を得ることができる。その結果、位置ずれが生じていない時には時間のロスを削減して作業者の作業効率を向上することができる。したがって、切削加工の精度を維持しつつ、作業性を向上することができる。
本発明に係る位置補正の要否の判別方法は、ケースと、上記ケース内に配置され、上記被加工物を保持する保持具と、上記ケース内に配置され、上記被加工物を切削するための加工ツールを把持する把持具と、上記保持具および/または上記把持具を駆動することにより、上記把持具に把持された上記加工ツールを上記保持具に保持された上記被加工物に対して相対的に移動させる駆動装置と、上記保持具および上記把持具の少なくとも一方に付された目印と、上記ケースに固定された撮像装置と、を備える切削加工機において、上記保持具に対する上記把持具の位置を較正したときに上記撮像装置により撮像される上記目印の位置を較正位置として記憶する第1の工程と、上記撮像装置により撮像された画像が入力され、上記画像から上記目印の位置を取得する第2の工程と、上記第2の工程により取得された上記目印の位置と上記記憶部に記憶されている上記較正位置との差を算出する第3の工程と、上記第3の工程により算出された上記差が所定値以下の場合には位置補正が不要であると判定し、上記差が所定値を超える場合には位置補正が必要であると判定する第4の工程と、を包含する。
本発明によれば、切削加工の精度を維持しつつ、無駄な位置補正を避けることにより作業性を向上させた切削加工機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る切削加工機を示す斜視図である。 図1のフロントカバーを開けた状態の切削加工機を示す斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 本発明の一実施形態に係る保持装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る位置補正の要否の判別方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るチェッカーパターンにおいて、較正位置の座標(x0、y0)と実測位置の座標(x1、y1)との差を表す説明図である。 他の一実施形態に係る保持装置を示す斜視図である。 他の一実施形態に係る保持装置を示す斜視図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る切削加工機および位置補正の要否の判別方法について説明する。図1に示すように、相互に直交する軸を、X軸、Y軸およびZ軸としたときに、本実施形態に係る切削加工機1はX軸とY軸とで構成される平面に置かれるものとする。以下、左方および右方とは、図1のフロントカバー7に向かって切削加工機1を見た場合の左方および右方である。また、図1のフロントカバー7に向かって切削加工機1を見た場合に、切削加工機1に近付く方を後方、遠ざかる方を前方とする。同図中の左方をL、右方をRとし、前方をF、後方をReとし、上方をU、下方をDとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、切削加工機1の設置態様を何ら限定するものではない。
まず、切削加工機1の構成について説明する。図1に示すように、本実施形態の切削加工機1は箱状に形成されている。詳しくは、切削加工機1は、第1ベース部2a、第2ベース部2b(図2参照)、左側壁部3、右側壁部4、天面部5および後面部6を有するケース10と、フロントカバー7とを備えている。第2ベース部2bは第1ベース部2aの右方に設けられている。ケース10の前方は開口されている。左側壁部3は、第1ベース部2aの左端において上方に延びている。右側壁部4は、第2ベース部2bの右端において上方に延びている。後面部6は、第1ベース部2aの後端および第2ベース部2bの後端において上方に延びている。後面部6は、左側壁部3の後端および右側壁部4の後端に接続されている。天面部5は、左側壁部3の上端、右側壁部4の上端および後面部6の上端に接続されている。第1ベース部2a、第2ベース部2b、左側壁部3、右側壁部4、天面部5、および後面部6によって、内部空間8が形成されている。天面部5の前端とフロントカバー7との間には、箱状の吸気部9が設けられている。吸気部9は、内部空間8に空気を取り入れるためのものである。吸気部9の上面9aには、左右方向に延びた網目状の吸気口9bが設けられている。吸気部9の下面9c(図2参照)には、左右方向に延びた網目状の吸気口9d(図2参照)が設けられている。吸気口9dは、保持装置30(図4参照)よりも上方側に配置されている。フロントカバー7は、左側壁部3の前端および右側壁部4の前端において上下方向にスライドする。
図2に示すように、フロントカバー7が上方にスライドすることにより、内部空間8が外部空間と通ずるようになる。フロントカバー7には窓部7aが設けられている。作業者は窓部7aから内部空間8を視認することができる。図1に示すように、フロントカバー7が閉状態にあるとき、つまり、内部空間8が外部空間と通じていないときには、吸気部9の上面9aが天面部5と面一となるように吸気部9はケース10の内部空間8に配置されている。
切削加工機1の内部空間8には、第1ベース部2aと第2ベース部2bとの境界において上方に延びた仕切り壁12が設けられている。仕切り壁12により、内部空間8が加工エリア13と制御エリア14とに区分けされている。加工エリア13は制御エリア14よりも広くなっている。加工エリア13では、例えば、人工歯の材料である被加工物24(図4参照)に対して切削加工が行われる。制御エリア14には、例えば後述する保持装置30の回転や移動を制御する駆動部31a、31bや、切削装置23の移動を制御する駆動部23g等が収容されている。制御エリア14は、仕切り壁12に着脱可能なカバー14aが組み付けられることにより、閉じられた領域となっている。
図3に示すように、第1ベース部2aは前方から後方にかけて下降傾斜して形成されている。後面部6およびフロントカバー7は第1ベース部2aに対して垂直に配置されている。そこで、加工エリア13においては、第1ベース部2aに対して垂直な方向をZ1軸方向とし、第1ベース部2aに沿ってX1軸をとる。Y軸方向は前記と共通とする。このように互いに直交するX1軸およびZ1軸について、X1軸方向の前方をF1、後方をRe1、Z1軸方向の上方をU1、下方をD1とする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、切削加工機1の設置態様を何ら限定するものではない。
第1ベース部2aの下方には、水平に形成された下面部17が設けられている。第1ベース部2aの前端と下面部17の前端とは、フロントカバー7と面一に設けられた連結部18により連結されている。下面部17の後部には、垂直に配置された後方壁部19aが設けられている。後方壁部19aの上端は天面部5に接続されている。下面部17の後端には、垂直に配置された後方外壁部19bが設けられている。後方外壁部19bの上端は天面部5の後端と接続されている。後方壁部19aと後方外壁部19bとの間に形成される背面エリア19cには、後述する制御装置60等が収容されている。
ケース10の後面部6には、空気を排出する排気口11aが設けられている。排気口11aは、保持装置30(図4参照)よりも下方側に配置されている。排気口11aは、集塵管11bに接続され、切削加工機1の外部に設けられた集塵装置11と連通されている。集塵装置11が動作されると、切削加工機1の外方の空気が吸気口9bを介して内部空間8に導入される。内部空間8に導入された空気は、排気口11aから集塵管11を通って集塵装置11に導かれる。これにより、ケース10の上方側から下方側に向かって空気が流れ、切削加工で生じた切削粉がケース10の内部に舞わないように構成されている。
後面部6の上端は後方壁部19aに接続されている。後面部6の上部には、第1ベース部2aと平行に前方に延びる支持壁部20が接続されている。支持壁部20には、垂直に上方に延びた前端部20aが形成されている。この前端部20aと天面部5との間にカバー21が設けられている。このような構成において、天面部5、後方壁部19a、後面部6、支持壁部20、前端部20a、およびカバー21によって、閉じられた領域の収納エリア22が形成されている。
収納エリア22には、被加工物24の切削を行う切削装置23が設けられている。切削装置23は、支持ベース部23aと、支持柱23bと、キャリッジ23cと、連結部23dと、加工ツール23fと、駆動部23g(図1参照)と、駆動部23hとを備えている。支持ベース部23aは支持壁部20上に設けられている。支持柱23bは、支持ベース部23aに対して垂直に設けられている。キャリッジ23cは、スピンドル23eと、図示しないスピンドルモータとを備えている。連結部23dは支持柱23bとキャリッジ23cとを連結している。スピンドル23eはキャリッジ23cの下端に接続されている。スピンドル23eは、支持ベース部23aの上方に配置されている。スピンドル23eの下端は、加工ツール23fおよび検出ピン33を着脱自在に把持するように構成されている。駆動部23gおよび駆動部23hは、例えばモータである。
スピンドル23eは、加工ツール23fを把持して、当該加工ツール23fをZ軸周りに回転させる。回転状態にある加工ツール23fが被加工物24に当接することで、被加工物24に対する切削加工が実施される。駆動部23gは、連結部23dを矢印D1の方向、すなわち、被加工物24に垂直な方向に移動させる。これにより、加工ツール23fが矢印D1の方向に移動するようになっている。また、駆動部23hは、スピンドル23eを左右方向に移動させる。これにより、加工ツール23fが左右方向に移動するようになっている。なお、支持壁部20には図示しない孔部が設けられており、加工ツール23fは、当該孔部を介して加工エリア13に配置されている。
図4に示すように、加工エリア13には、保持装置30が配置されている。保持装置30は、被加工物24を保持する保持部25と、加工ツール23fを収納するツールマガジン32とを備える。保持部25とツールマガジン32とは一体的に形成されている。この例では、被加工物24が円板状に形成されており、半円弧状の保持部25で保持されている。保持部25の前部には第1回転軸26が接続されている。第1回転軸26は、保持部25の前方(F1方向)に設けられた駆動部27に接続されている。駆動部27は、例えば箱状のケース27aに収容されているモータである。
駆動部27は、第1回転軸26をX1軸周りの方向T1に回転させる。また、保持部25の後部には第2回転軸28が接続されている。このような構成において、駆動部27により第1回転軸26が方向T1に回転されると、保持部25は方向T1に回転する。これにより、被加工物24を方向T1に回転させることができる。
保持部25および駆動部27は、L字状に形成された支持部29に連結されて支持されている。支持部29は、X1軸方向に延びて形成された第1部材29aと、Y軸方向に延びて形成された第2部材29bと、第3回転軸29cとを備えている。第2回転軸28は、支持部29の第2部材29bに支持されている。駆動部27は第1部材29aの先端に支持されている。支持部29の第1部材29aには、上記半円弧状の保持部25のX1軸方向の中心に対応する位置に、第3回転軸29cが接続されている。第3回転軸29cは、ツールマガジン32よりもR方向に設けられ制御エリア14に収容されているY軸方向回転用の駆動部31bに接続されている。また、支持部29は、ツールマガジン32よりもR方向に設けられ制御エリア14に収容されているX1軸方向移動用の駆動部31aに接続されている。
Y軸方向回転用の駆動部31bは、第1部材29aをY軸周りの方向T2に回転させる。これにより、保持部25を介して、被加工物24を方向T2に回転させることができる。また、X1軸方向移動用の駆動部31aは、支持部29をX1軸方向に移動させる。これにより、保持部25を介して、被加工物24をX1軸方向に移動させることができる。
ツールマガジン32は、X1軸方向移動用の駆動部31aに固定されている。ツールマガジン32は箱状に形成されている。ツールマガジン32は、支持部29を介して、保持部25と一体的にX1軸方向に移動可能とされている。ツールマガジン32には複数の孔部32aが形成されている。孔部32aには、軸状に形成されている加工ツール23fおよび検出ピン33が挿入された状態で収納されている。加工ツール23fは被加工物24の切削加工に用いられる。検出ピン33は、切削加工機1の位置補正に用いられる。
切削装置23において、キャリッジ23cのY軸方向の側壁(左方の側面)には、チェッカーパターン35aが付されている。チェッカーパターン35aは、キャリッジ23cに直接的に印刷されている。また、保持装置30において、駆動部27を構成している箱状のケース27aのX軸方向の側壁(前面)には、チェッカーパターン35bが付されている。チェッカーパターン35bは、箱状のケース27aに直接的に印刷されている。チェッカーパターン35a、35bは、色の濃淡が異なるマス目が交互に配されていることからカメラ15で識別容易であり、その交点36が位置を取得する目印36として機能する。なお、図面では、チェッカーパターンの黒色の部分をハッチングで表示している。各チェッカーパターン35a、35bにおいて、交点36の数は特に限定されないが、1次元(1軸方向)の位置ずれを判定するためには1つ以上、2次元(2軸方向)の位置ずれを判定するためには2つ以上、3次元(3軸方向)の位置ずれを判定するためには3つ以上である。
ケース10の左側壁部3において、ケース10の内壁面には、カメラ15が固定されている。カメラ15は、ケース10の内壁面に直接的に固定されていてもよく、例えば連結具等の他の部材を介して間接的に固定されていてもよい。カメラ15は、保持装置30(図4参照)よりも上方側に配置されている。カメラ15は、ケース10の内部全体を撮像することができる撮像装置である。カメラ15は、キャリッジ23c(図3参照)に付されているチェッカーパターン35a(図3参照)をY軸方向(左方)から撮像可能なものである。カメラ15はまた、駆動部27に付されているチェッカーパターン35bをZ軸方向(上方)から撮像可能なものである。カメラ15は、撮像装置の一例である。
背面エリア19cに収容されている制御装置60は、切削加工機1の全体の動作を制御している。制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)とを備えている。
図5に示すように、制御装置60は、補正要否判定装置50と較正装置56と切削加工部59とを備える。補正要否判定装置50は、記憶部51と、取得部52と、演算部53と、判定部54と、通知部55とを備える。記憶部51は、保持装置30に対する切削装置23の位置を較正したときに、位置誤差を評価する基準となる較正位置の交点36の位置を記憶する。取得部52は、カメラ15を動作させて、チェッカーパターン35aおよび/または35bを撮像する。そして、上記撮像された画像から目印36の位置を取得する。演算部53は、取得部52により取得された目印36の位置と記憶部51に記憶されている上記較正位置との差を算出し、位置誤差(ズレ量)を求める。判定部54は、演算部53により算出された上記差が所定値以下の場合には位置補正が不要であると判定し、上記差が所定値を超える場合には位置補正が必要であると判定する。通知部55は、判定部54の判定結果を作業者に通知する。例えば位置補正が許容範囲を超える場合に、作業者に位置補正が必要である旨を通知する。
この実施形態では、記憶部51は、複数の交点36の較正位置を記憶するように構成されている。取得部52は、複数の交点36の位置を取得するように構成されている。演算部53は、複数の交点36について、取得部52が取得した位置と記憶部51に記憶されている較正位置との差を算出するように構成されている。そして、判定部54は、複数の交点36の差のうち1つでも上記所定値を超える場合に、位置補正が必要であると判定するように構成されている。
較正装置56は、較正動作部57と、較正部58とを備える。較正動作部57は、検出ピン33が所定部位に接触するよう駆動部23g、23h、27、31a、31bを制御する。較正部58は、検出ピン33が所定部位に接触したときの切削装置23および保持装置30の位置に基づいて、保持装置30に対する切削装置23の位置を較正する。切削加工部59は、切削装置23や保持装置30の動作を全体として統括的に制御して、被加工物24に切削加工を施す。上記各部は、適時に相互通信が可能なように構成されている。上記各部はハードウェアで構成されていてもよく、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより機能的に実現されるようになっていてもよい。上記各部は、プロセッサによって構成されていてもよい。
次に、切削加工機1によって被加工物24に切削加工を行う場合を説明する。保持装置30に対する切削装置23の位置が変わった時、例えば、切削加工機1の設置位置を変えた時や、切削装置23や保持装置30を組み付け直した時などには、準備工程として、切削加工機1における位置補正と較正位置の取得とが行われる。位置補正では、例えば検出ピン33を用いた(接触式の)較正方法を採用することができる。この方法では、まず、保持装置30の保持部25に、被加工物24に代えて、図示しない位置補正用の治具が装着される。また、切削装置23のスピンドル23eの下端には検出ピン33を把持させる。次に、較正装置56の較正動作部57は、検出ピン33が所定の部品(例えば保持部25やツールマガジン32)に設けられた位置検出ポイントと接触するように、駆動部23g、23h、27を制御する。これにより、切削加工機1の較正装置56が把握している位置と実際の位置との差を取得する。較正装置56の較正部58は、この差に基づいて、スピンドル23eと所定の部品との相対的な位置関係を補正する。
位置補正の直後には、較正位置の取得が行われる。較正位置は、切削加工機1において、位置誤差を評価する基準となるものである。較正位置の取得では、補正要否判定装置50の取得部52によってカメラ15が動作され、チェッカーパターン35aおよび/または35bが撮像される。補正要否判定装置50の演算部53は、得られたチェッカーパターン35aおよび/または35bの画像からチェッカーの交点36の位置を算出する。位置の算出は、各チェッカーパターンにおいて、少なくとも1個の交点36について行われる。好ましくは、位置の誤差を確認したい方向の数と同数以上の交点36について行われる。例えば、2軸方向に対する位置の誤差を確認したい場合には、2個以上の交点36について交点の位置の算出が行われる。得られた交点の位置情報は、較正位置として補正要否判定装置50の記憶部51に保存される。なお、チェッカーの交点位置を算出する手法については、例えば、特開2015−16610号公報に開示されている技術を用いることができるため、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、較正位置が取得済みの状態で、作業者が位置補正の要否判別の開始を指示すると、補正要否判定装置50の取得部52によってカメラ15が動作され、チェッカーパターン35aおよび/または35bが撮像される(ステップS1)。そして、上記得られたチェッカーパターン35aおよび/または35bの画像から、チェッカーの交点36の実測位置が算出される(ステップS2)。ここで算出される交点36の実測位置は、較正位置として保存されている交点36と対応している。
補正要否判定装置50の記憶部51からは、保存されている較正位置の情報が読み込まれる。そして、補正要否判定装置50の演算部53によって、ステップS2で算出された実測位置と、対応する較正位置とが対比される。そして、較正位置と実測位置との差分から、位置誤差(ズレ量)が算出される(ステップS3)。複数対の交点36を対象とする場合には、典型的には、それぞれの対について取得部52が取得した実測位置と記憶部51に記憶されている較正位置との差が算出される。
図7を参照しながら、具体的な位置誤差の求め方の一例について説明する。図7は、保持装置30に付されているチェッカーパターン35bの例である。図7では、XY直交2軸方向において、較正位置の座標(x0、y0)を鎖線で示している。ここでは、計18個のチェッカー交点について座標を示している。また、ステップS1、2で得られた実測位置の座標(x1、y1)を実線で示している。この例では、図7に矢印で示すように、実測位置の座標(x1、y1)が較正位置の座標(x0、y0)から右下側に大きくズレている。位置誤差は、例えば大きさと方向の情報を含んだベクトル量として表される。位置誤差(dx、dy)の大きさは、較正位置と実測位置との差分から算出される。例えばX軸方向における位置誤差は、次式:dx=x1−x0;のように算出される。例えばY軸方向における位置誤差は、次式:dy=y1−y0;のように算出される。例えばXY平面内(2軸方向)における位置誤差は、次式:dxy=((dx)+(dy)1/2;のように算出される。位置誤差の表し方は、組み付けによる位置ずれの生じ易さや部品の移動方向などを考慮して適宜設定することができる。チェッカーパターン35bの付されている保持装置30は、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。この場合は、上記dxyで表される位置誤差を採用することが好ましい。
ステップS3で算出された位置誤差は、補正要否判定装置50の判定部54によって予め定められた所定の許容範囲内にあるか否かが判定される(ステップS4)。例えば、図7の例において、X軸方向における位置誤差dxを算出する場合には、当該dxが所定の範囲内にある(すなわち、dx≦所定値を満たす)か否かが判定される。同様に、Y軸方向における位置誤差dyを算出する場合には、当該dyが所定の範囲内にある(すなわち、dy≦所定値を満たす)か否かが判定される。XY平面内(2軸方向)における位置誤差dxyを算出する場合には、当該dxyが所定の範囲内にある(すなわち、dxy≦所定値を満たす)か否かが判定される。
許容範囲は、例えば切削加工機1の切削の誤差等を考慮して、任意に設定することができる。判定部54は、位置誤差が所定の許容範囲内である場合(Yes)に、切削加工機1の位置補正が不要であると判定する。一方、判定部54は、位置誤差が所定の許容範囲を超える場合(No)に、切削加工機1の位置補正が必要であると判定する。複数対の交点36について位置誤差を算出した場合には、判定部54が、複数対の位置誤差の平均値を採用して判定を行ってもよいが、ここでは複数対の位置誤差のうちで1つでも許容範囲を超える場合に、判定部54が、切削加工機1の位置補正が必要であると判定するように設定されている。
位置補正が必要であると判定されたときには、補正要否判定装置50の通知部55が、作業者に判定部54の判定結果を通知する作業者に位置補正が必要である旨を通知する(ステップS5)。作業者への通知は、例えば切削加工機1の外壁部等に設けられている図示しない表示部に位置補正が必要である旨を表示したり、ケース10の内部の照明の色を変更したり、ケース10の内部の照明を点滅させたり、切削加工機1の図示しないスピーカーから所定の音を発生させたりすることで行うことができる。
位置補正が必要であると判定された場合に、作業者は、切削加工機1に位置補正を指示する(ステップS6)。位置補正については、例えば検出ピン33を用いる方法で上記した準備工程と同様に行うことができる。位置補正を行った後には、較正位置の取得を行う。具体的には、チェッカーパターン35aおよび/または35bの撮像を行い、チェッカーの交点の位置を算出する(ステップS7)。ステップS7によって得られた交点の位置の情報は、新たな較正位置として、補正要否判定装置50の記憶部51に上書き更新される(ステップS8)。
上記ステップS1〜4あるいはステップS1〜9によって適切なタイミングで位置補正された切削加工機1において、作業者から切削加工の開始が指示されると、5軸制御による高精度な切削加工がなされる。より具体的には、例えば図示しない外部コンピュータ等から送られた加工情報に基づいて、制御装置60の切削加工部59によって適切な加工ツール23fが選択される。選択された加工ツール23fは、切削装置23のスピンドル23eに着脱可能に把持される。切削加工部59は、切削装置23の動作を制御する。例えば、スピンドル23eの動作すべきタイミングやその内容等を制御する。これと共に、切削加工部59は、被加工物24を保持する保持部25や、保持部25に連結する支持部29の動作を統括的に制御する。これにより、被加工物24と加工ツール23fとの相対的な位置関係を3次元で変化させながら、被加工物24に加工ツール23fを接触させることで、被加工物24を所望の形状に切削加工することができる。
以上のように、本実施形態の切削加工機1は、補正要否判定装置50を備えている。これにより、切削装置23と保持装置30との位置関係に位置ずれが生じている場合には、位置補正が必要であることを的確に把握することができる。したがって、位置ずれが生じている場合には、的確に位置補正を行うことができ、切削加工の精度を向上させることができる。また、本実施形態によれば、補正要否判定装置50により補正が必要と判定されたときにのみ、位置補正を行うこととしている。よって、位置ずれが生じていないとき、すなわち位置補正が必要でないときに、無駄な位置補正を行ってしまうことを避けることができる。したがって、無駄な時間を費やして作業性が低下することを防止することができる。
ところで、位置補正の要否の判断において、例えば検出ピン33を利用する場合には、保持装置30などに沿って検出ピン33を移動させる時間が必要である。しかし、本実施形態では、判定に画像を利用するようにしている。これにより、目印36の位置を瞬時に取得することができ、位置補正の要否の判断に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態によれば、切削装置23は、加工ツール23fを着脱自在に把持するように構成されるとともに、検出ピン33を着脱自在に把持するように構成されている。また、切削加工機1は、切削装置23に把持された検出ピン33が所定部位に接触するよう駆動部23g、23h、27、31a、31bを制御する較正動作部57と、検出ピン33が上記所定部位に接触したときの切削装置23および保持装置30の位置に基づいて、保持装置30に対する切削装置23の位置を較正する較正部58と、を有する較正装置56を備えている。本実施形態では、位置補正の要否の判別と、位置の較正とで方法を使い分けている。つまり、位置補正の要否の判別には目印36を利用して、相対的に短い時間で判別を行う一方で、実際の較正には、検出ピン33を用いた(接触式の)較正方法を利用し、相対的に長い時間をかけて精度の高い補正を行うようにしている。上記態様によれば、補正の要否の判断を短時間で行うと共に、高いレベルで位置誤差を低減することができる。
また、本実施形態によれば、保持装置30および切削装置23の少なくとも一方に、チェッカーパターン35a、35bが付されており、目印36は、チェッカーパターン35a、35bの複数の交点を含んでいる。チェッカーパターン35a、35bの画像はカメラ15における識別が容易であるため、補正要否の判定の精度を向上することができる。また、目印36として複数の交点を用いることで、XYZ直交座標系の1軸方向の位置ずれだけでなく、2軸方向の位置ずれをも判定することができる。
また、本実施形態によれば、目印36は、チェッカーパターン35a、35bのそれぞれに3つ以上の交点36を含んでいる。これにより、XYZ直交座標系において、必要に応じて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸周り、Y軸周り、Z軸周りの位置ずれを判別することができる。
また、本実施形態によれば、記憶部51は、複数の交点36の較正位置を記憶するように構成され、取得部52は、複数の交点36の位置を取得するように構成され、演算部53は、複数の交点36について、取得部52が取得した位置と記憶部51に記憶されている較正位置との差を算出するように構成され、判定部54は、複数の交点36の差のうち1つでも上記所定値を超える場合に、位置補正が必要であると判定するように構成されている。これにより、位置補正の要否を高精度に判定することができる。
また、本実施形態によれば、切削装置23は、保持装置30に接近する方向および離反する方向に移動可能に構成され、目印36は切削装置23に付されており、カメラ15は、上記接近する方向および離反する方向に対し垂直な方向から目印36を撮像するように配置されている。これにより、切削方向(Z1軸方向)の位置ずれを高精度に判定することができる。
また、本実施形態によれば、切削装置23は、保持装置30に接近する方向および離反する方向に移動可能に構成され、保持装置30は、上記接近する方向および離反する方向に対し垂直な所定方向に移動可能に構成され、目印36は保持装置30に付されており、カメラ15は、上記所定方向に対し垂直な方向から目印36を撮像するように配置されている。これにより、保持装置30の移動する方向の位置ずれを高精度に判定することができる。
また、本実施形態によれば、目印36は、切削装置23および保持装置30のうちの少なくとも一方の表面に直接的に印刷されている。これにより、目印36が動いたり剥がれ落ちたりする心配が無くなり、位置誤差の要否判定を安定して行うことができる。また、目印36を直接的に印刷することで、狭小領域に目印36を配置し易くなる利点もある。
また、本実施形態によれば、カメラ15は、保持装置30よりも上方に配置されている。これにより、例えばカメラ15を第1ベース部2aや第2ベース部2bに配置する場合などと比べて、被加工物24の切削加工によって生じた切削粉がカメラ15に付着し難くなる。したがって、カメラ15の検知精度をより良く維持することができる。
また、本実施形態によれば、ケース10における保持装置30よりも上方の部分に、空気を取り入れる吸気口9bが形成され、ケース10における保持装置30よりも下方の部分に、空気を排出する排気口11aが形成され、排気口11aに接続された集塵装置11を備えている。これにより、ケース10内の内部空間8において、上方側から下方側に向かって空気が流れるようになり、更に切削粉がカメラ15に付着し難くなる。
また、本実施形態によれば、保持装置30は、加工ツール23fを収容する複数の孔部32aが形成されかつ第1方向に移動可能なツールマガジン32と、ツールマガジン32に支持され、上記第1方向に対して垂直に延びる第1回転軸周りに回転可能な第1支持アーム27、29と、第1支持アーム27、29に支持されるとともに被加工物24を支持し、上記第1回転軸の軸方向と垂直な方向に延びる第2回転軸周りに回転可能な第2支持アーム25と、を有している。そして、目印36は、ツールマガジン32、第1支持アーム27、29、および第2支持アーム25の少なくとも一つに付されている。
また、本実施形態によれば、補正要否判定装置50は、判定部54の判定結果を作業者に通知する通知部55を有している。これにより、作業者は容易に位置補正の要否判定結果を把握することができる。したがって、作業者の作業効率を向上し得る。
なお、上記実施形態では、切削装置23と保持装置30とにそれぞれチェッカーパターン35a、35bが付され、ケース10に固定されたカメラ15によってそれぞれ画像を取得し、位置誤差を算出するようにしていたが、これに限定されるものではない。例えば切削装置23についてのみ組み付けの誤差を評価したい場合には、保持装置30に付されたチェッカーパターン35bを不要として、チェッカーパターン35aについてのみ位置補正の要否を判定してもよい。また、例えば保持装置30についてのみ組み付けの誤差を評価したい場合には、切削装置23に付されたチェッカーパターン35aを不要として、チェッカーパターン35bについてのみ位置補正の要否を判定してもよい。さらに、カメラ15は2台以上であってもよい。例えばチェッカーパターン35a、35bの数と同じ台数のカメラ15を設置してもよい。
なお、上記実施形態では、目印36としてチェッカーパターン35a、35bの交点36を採用したが、これに限定されるものではない。目印36は、撮像装置15によって位置情報を把握可能なものであればよく、その形状や大きさは特に限定されない。例えば上記実施形態のようにカメラ15を用いる場合には、色や反射率等にコントラストを有する図柄であるとよい。なお、ここで言う「図柄」とは、文字、数字、記号、絵柄、模様等を含む総称である。
また、上記実施形態では、切削装置23を構成するキャリッジ23cにチェッカーパターン35aを付し、保持装置30の駆動部27にチェッカーパターン35bを付していたが、チェッカーパターン35a、35bを付す部位は、上記に限定されるものではない。また、チェッカーパターン35a、35bを付す面は水平であってもよく、例えば曲面等の凹凸面であってもよい。図8、図9は、他の一実施形態に係る保持装置30を示す斜視図である。図8の実施形態では、保持装置30において、L字状に形成された支持部29にチェッカーパターン35cが付されている。図9の実施形態では、保持装置30において、半円弧状の保持部25にチェッカーパターン35dが付されている。
また、上記実施形態では、チェッカーパターン35a、35bが保持装置23や切削装置30の表面に直接的に印刷されていたが、これに限定されるものではない。チェッカーパターン35a、35bは、例えば刻印等によって保持装置23や切削装置30の表面にダイレクトマーキングしてもよいし、ラベル等に印刷して保持装置23や切削装置30の表面に貼付してもよい。
また、上記実施形態では、カメラ15がケース10の左側壁部3に固定されていたが、これに限定されるものではない。カメラ15は、例えばケース10の右側壁部4、天面部5あるいは後面部6に設けられていてもよい。また、上記実施形態では、カメラ15がケース10の内部全体を撮像可能なように配置されていたが、これに限定されるものではない。カメラ15は、必ずしもケース10の内部全体を撮像できなくてもよく、例えばチェッカーパターン35aおよび/または35bを含むケース10内部の一部のみを撮像するように配置されていてもよい。また、カメラ15はチェッカーパターン35aおよび/または35bを撮像できる限りにおいて、カメラ15はケース10内に配置されていなくてもよい。カメラ15は、例えばケース10の外部に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、位置誤差が許容範囲を超えた場合、つまり、ステップS4でNOと判定された場合に、ステップS5として位置補正が必要な旨を作業者に通知し、ステップS6として作業者が切削加工機1に位置補正を指示するようにしていたが、これに限定されるものではない。例えばステップS5を省略し、ステップS4に引き続き自動的に位置補正を行うように設定してもよい。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 切削加工機
10 ケース
15 カメラ(撮像装置)
23 切削装置(把持具)
24 被加工物
30 保持装置(保持具)
35a、b チェッカーパターン
36 チェッカーパターンの交点(目印)
60 制御装置

Claims (12)

  1. 被加工物を切削加工する切削加工機であって、
    ケースと、
    前記ケース内に配置され、前記被加工物を保持する保持具と、
    前記ケース内に配置され、前記被加工物を切削するための加工ツールを把持する把持具と、
    前記保持具および/または前記把持具を駆動することにより、前記把持具に把持された前記加工ツールを前記保持具に保持された前記被加工物に対して相対的に移動させる駆動装置と、
    前記保持具および前記把持具の少なくとも一方に付された目印と、
    前記ケースに固定された撮像装置と、を備え
    前記把持具は、前記加工ツールを着脱自在に把持するように構成されるとともに、検出ピンを着脱自在に把持するように構成され、
    前記把持具に把持された前記検出ピンが所定部位に接触するよう前記駆動装置を制御する較正動作部と、
    前記検出ピンが前記所定部位に接触したときの前記把持具および前記保持具の位置に基づいて、前記保持具に対する前記把持具の位置を較正する較正部と、
    を有する較正装置を更に備え、
    前記保持具に対する前記把持具の位置を較正したときに前記撮像装置により撮像される前記目印の位置を較正位置として記憶する記憶部と、
    前記撮像装置により撮像された画像が入力され、前記画像から前記目印の位置を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記目印の位置と前記記憶部に記憶されている前記較正位置との差を算出する演算部と、
    前記演算部により算出された前記差が所定値以下の場合には位置補正が不要であると判定し、前記差が所定値を超える場合には位置補正が必要であると判定する判定部と、
    を有する補正要否判定装置を更に備えた、切削加工機。
  2. 前記保持具および前記把持具の少なくとも一方に、チェッカーパターンが付されており、
    前記目印は、前記チェッカーパターンの複数の交点を含んでいる、
    請求項1に記載の切削加工機。
  3. 前記目印は、前記チェッカーパターンの3つ以上の交点を含んでいる、
    請求項に記載の切削加工機。
  4. 前記記憶部は、前記複数の交点の較正位置を記憶するように構成され、
    前記取得部は、前記複数の交点の位置を取得するように構成され、
    前記演算部は、前記複数の交点について、前記取得部が取得した位置と前記記憶部に記憶されている較正位置との差を算出するように構成され、
    前記判定部は、前記複数の交点の差のうち1つでも前記所定値を超える場合に、位置補正が必要であると判定するように構成されている、
    請求項またはに記載の切削加工機。
  5. 前記把持具は、前記保持具に接近する方向および離反する方向に移動可能に構成され、
    前記目印は前記把持具に付されており、
    前記撮像装置は、前記接近する方向および離反する方向に対し垂直な方向から前記目印を撮像するように配置されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の切削加工機。
  6. 前記把持具は、前記保持具に接近する方向および離反する方向に移動可能に構成され、
    前記保持具は、前記接近する方向および離反する方向に対し垂直な所定方向に移動可能に構成され、
    前記目印は前記保持具に付されており、
    前記撮像装置は、前記所定方向に対し垂直な方向から前記目印を撮像するように配置されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の切削加工機。
  7. 前記目印は、前記把持具および前記保持具のうちの少なくとも一方の表面に直接的に印刷されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の切削加工機。
  8. 前記撮像装置は、前記ケース内における前記保持具よりも上方に配置されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の切削加工機。
  9. 前記ケースにおける前記保持具よりも上方の部分に、空気を取り入れる吸気口が形成され、
    前記ケースにおける前記保持具よりも下方の部分に、空気を排出する排気口が形成され、
    前記排気口に接続された吸引装置を備えている、
    請求項に記載の切削加工機。
  10. 前記保持具は、
    加工ツールを収容する複数の収容孔が形成されかつ第1方向に移動可能なマガジンと、
    前記マガジンに支持され、前記第1方向に対して垂直に延びる第1回転軸周りに回転可能な第1支持アームと、
    前記第1支持アームに支持されるとともに前記被加工物を支持し、前記第1回転軸の軸方向と垂直な方向に延びる第2回転軸周りに回転可能な第2支持アームと、
    を有し、
    前記目印は、前記マガジン、前記第1支持アーム、および前記第2支持アームの少なくとも一つに付されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の切削加工機。
  11. 前記補正要否判定装置は、前記判定部の判定結果を作業者に通知する通知部を有している、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の切削加工機。
  12. ケースと、前記ケース内に配置され、被加工物を保持する保持具と、前記ケース内に配置され、前記被加工物を切削するための加工ツールを把持する把持具と、前記保持具および/または前記把持具を駆動することにより、前記把持具に把持された前記加工ツールを前記保持具に保持された前記被加工物に対して相対的に移動させる駆動装置と、前記保持具および前記把持具の少なくとも一方に付された目印と、前記ケースに固定された撮像装置と、を備え、前記把持具は、前記加工ツールを着脱自在に把持するように構成されるとともに、検出ピンを着脱自在に把持するように構成され、前記把持具に把持された前記検出ピンが所定部位に接触するよう前記駆動装置を制御する較正動作部と、前記検出ピンが前記所定部位に接触したときの前記把持具および前記保持具の位置に基づいて、前記保持具に対する前記把持具の位置を較正する較正部と、を有する較正装置を更に備える切削加工機において、位置補正の要否を判別する方法であって、
    前記保持具に対する前記把持具の位置を較正したときに前記撮像装置により撮像される前記目印の位置を較正位置として記憶する第1の工程と、
    前記撮像装置により撮像された画像が入力され、前記画像から前記目印の位置を取得する第2の工程と、
    前記第2の工程により取得された前記目印の位置と記憶部に記憶されている前記較正位置との差を算出する第3の工程と、
    前記第3の工程により算出された前記差が所定値以下の場合には位置補正が不要であると判定し、前記差が所定値を超える場合には位置補正が必要であると判定する第4の工程と、
    を包含する、位置補正の要否の判別方法。
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