JP6775350B2 - 電解アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

電解アルミニウム箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、陰極表面からの剥離性に優れた電解アルミニウム箔の製造方法に関する。
近年、自動車用やパソコン用のバッテリーとして、リチウムイオン電池の開発が進んでいる。リチウムイオン電池においては、電池容量の向上のためにアルミニウム箔が正極集電体として用いられている。
アルミニウム箔は、従来、アルミニウム箔地を圧延することによって製造されている。圧延法によって製造されるアルミニウム箔の厚さは、通常は10μm程度が下限である。しかし、リチウムイオン電池の電池容量を更に高めて小型化するためには、できるだけ薄いアルミニウム箔が必要である。具体的に、5〜10μmの厚さのアルミニウム箔が求められている。また、アルミニウム箔の厚さをより薄くするのに伴い、従来よりも優れた機械特性を有するアルミニウム箔が求められている。このようなアルミニウム箔は圧延法によっても製造可能ではあるが、圧延工程の回数を多くする必要があるため製造コストが割高になるという問題があった。
一方、電解法では、5〜10μmの厚さのアルミニウム箔を製造することが可能である。特許文献1には、電解法によりアルミニウム箔を製造する方法が記載されている。そして、特許文献1には、電解アルミニウム箔の表面を平滑化するために、電解液中への1−10フェナントロリンの添加が効果的であり、添加濃度範囲は0.25〜7.0g/Lが好ましいと記載されている。1−10フェナントロリンには、無水物と水和物が存在するが、従来、無水物を使用することが一般的であった。
特開2014−80632号公報
しかしながら、1−10フェナントロリン無水物の添加量を増加させていくにつれて平滑性は向上するが、陰極表面に析出するアルミニウム膜が硬くなって脆くなることが見出された。その結果、アルミニウム膜の強度及び伸びが低下し、陰極表面からアルミニウム膜を剥離するのが困難であるという問題がある。
また、アルミニウム箔を蓄電デバイス用集電体に使用する場合、アルミニウム箔と活物質間での接触抵抗が高いと、充放電時に電圧が降下し、容量が低下する。高出力特性を得るためには、アルミニウム箔の表面をエッチングなどの化学処理で粗面化し、接触抵抗を低くすることが有効であると知られている。そのため、アルミニウム箔の表面を平滑にすればするほど、蓄電デバイス用集電体に使用するには不向きとなる。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、適切な表面粗さを有し、かつ、所定の大きさの結晶粒径を有することで、電解法で製造しても箔切れを起こさない、陰極表面からの剥離性に優れた電解アルミニウム箔の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電解アルミニウム箔の製造方法は、電解液が供給され、陰極を備える電解槽中で、前記陰極の表面上にアルミニウム膜を析出させる工程と、析出したアルミニウム膜を前記陰極の表面から剥離してアルミニウム箔とする工程を含む電解アルミニウム箔の製造方法であって、前記電解液は、1−10フェナントロリン一水和物を0.01〜0.5g/L含有する溶融塩であり、電流密度が10〜100mA/cmであり、前記アルミニウム箔は、箔表面の算術平均粗さRaがいずれの部位でも0.10μm以上2.50μm以下であり、かつ、平均結晶粒径がいずれの部位でも1.00μm以上5.00μm以下の範囲にあることを特徴とする。
また、前記箔表面の算術平均粗さRaは、前記箔表面の幅方向中央部と幅方向端部とで測定したときの差が2.00μm以下であることが好ましい。
また、前記陰極の表面の算術平均粗さRaは0.1〜0.4μmであることが好ましい。
さらに、前記電解液が、アルキルイミダゾリウムハロゲン化物又はアルキルピリジニウムハロゲン化物と、アルミニウムハロゲン化物を含有する溶融塩であることが好ましい。
本発明によれば、電解法で製造しても箔切れを起こさず、陰極表面からの剥離性に優れた電解アルミニウム箔の製造方法を提供することができる。また、製造された電解アルミニウム箔は適切な表面粗さを有し、かつ、所定の大きさの結晶粒径を有することにより、蓄電デバイス用集電体に使用するのに適している。
実施例12のAl元素のEPMA面分析画像である。 比較例3のSEM画像である。 比較例4のAl元素のEPMA面分析画像である。
本発明に係る電解アルミニウム箔は、電解液が供給され、陰極を備える電解槽中で、陰極の表面上にアルミニウム膜を析出させ、析出したアルミニウム膜を陰極の表面から剥離することにより製造される。なお、本明細書では、陰極表面に析出した剥離前のアルミニウムを「アルミニウム膜」、剥離後のアルミニウムを「アルミニウム箔」と記す。
(電解液)
アルミニウムは、標準電極電位が−1.662Vvs.SHEである。そのため、通常、アルミニウムを水溶液から電析させることは不可能である。アルミニウムを電析させる電解液としては、アルミニウム塩との混合物である溶融塩、或いは、アルミニウム塩を溶解した有機溶媒が用いられる。
溶融塩は、無機系溶融塩と有機系室温型溶融塩に大別することができる。本発明では、有機系室温型溶融塩として、アルキルイミダゾリウムハロゲン化物又はアルキルピリジニウムハロゲン化物と、アルミニウムハロゲン化物とを含有する溶融塩を用いることが好ましい。アルキルイミダゾリウムハロゲン化物は、例えばアルキルイミダゾリウムクロリドであって、具体的に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下、「EMIC」と記す)が挙げられる。また、アルキルピリジニウムハロゲン化物は、例えばアルキルピリジニウムクロリドであって、具体的に1−ブチルピリジニウムクロリド(以下、「BPC」と記す)が挙げられる。また、アルミニウムハロゲン化物としては、具体的に塩化アルミニウム(以下、「AlCl」と記す)が挙げられる。EMICとAlClとの混合物は、組成によっては融点が−50℃付近まで低下する。そのため、より低温の環境でアルミニウムの電析を実施することができる。電解液の粘度及び導電率の観点から、EMICとAlClとの組み合わせが最も好ましい。なお、EMICとAlClとのモル比(EMIC:AlCl)、ならびに、BPCとAlClとのモル比(BPC:AlCl)は共に、2:1〜1:2とするのが好ましく、1:1〜1:2とするのがより好ましい。
本発明では、上記溶融塩に、添加剤として1−10フェナントロリン一水和物を添加する。1−10フェナントロリンには無水物と水和物があるが、本発明では、表面粗さを所定の範囲に制御する目的で水和物を用いる。溶融塩中の1−10フェナントロリン一水和物の濃度は0.01〜0.50g/Lであり、好ましくは0.1〜0.25g/Lである。1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.01〜0.50g/Lであると、幅方向中央部と幅方向端部とで均一な表面粗さを有する電解アルミニウム箔を製造することができ、0.1〜0.25g/Lであると、膜が硬くなりすぎず、より剥離しやすく、電解アルミニウム箔を製造しやすい。1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.01g/L未満であると、アルミニウム箔の表面粗さが大きくなり過ぎてしまう。一方、1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.50g/Lを超えると、アルミニウム膜が硬くなって脆く、陰極表面からの剥離が困難となる。
なお、溶融塩には、1−10フェナントロリン一水和物以外の添加剤を適宜添加することができる。他の添加剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。
(電解条件)
本発明において、電解液の温度は10〜150℃の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、25℃〜100℃の範囲内である。電解液の温度が10℃未満であると、電解液の粘度及び抵抗が増大するため、最大電流密度が小さくなる。その結果、電析効率が低下し、アルミニウム膜の析出が不均一になりやすい。一方、電解液の温度が150℃を超えると、電解液を構成する化合物の揮発や分解により、電解液の組成が不安定になる。特に、EMICとAlClとを含有する溶融塩を電解液として用いた場合、AlClの揮発と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンの分解が顕著となる。さらに、電解液の温度を保持するためのエネルギーも大きく、電解槽の劣化も促進されるため生産効率が低下する。
本発明において、電流密度は10〜100mA/cmである。好ましくは10〜40mA/cmである。電析速度は電流密度に対応するため、電流密度が10mA/cm未満であると、生産効率の低下を招く。また、電流密度が10mA/cm未満であると、析出するアルミニウムの結晶粒が大きく、アルミニウムが膜状に形成されにくい。その結果、陰極表面からの剥離が困難となる。一方、電流密度が100mA/cmを超えると、アルミニウム膜の厚さが不均一になりやすい。
(陽極と陰極)
本発明において、陽極はアルミニウムからなる。陰極としては、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、カーボンなどが用いられる。チタン、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属は表面に緻密な自然酸化被膜を形成しているため、耐食性に優れている。また、自然酸化被膜があることでアルミニウム膜との密着性が低下するため、陰極として適する。また、カーボンのような非金属材料はアルミニウム膜との結合力が低いため、陰極として適する。陰極表面の一部に大きな凸凹が存在すると、析出したアルミニウムが凹みに食い込む。そして、凹みに食い込んだアルミニウム膜を陰極表面から剥離する際に、大きな剥離抵抗が発生し、これによってアルミニウム箔が破損したり、切断したりする。
このような剥離抵抗は、陰極の表面粗さによって影響を受ける。したがって、陰極表面の算術平均粗さRaは0.10〜0.40μm、十点平均粗さ(Rz)は0.20〜0.70μmであることが好ましい。陰極表面は、機械研磨または電解研磨によって調整するのがよい。
本発明では、陽極及び陰極の形状は特に限定されず、板状の陽極と板状の陰極を用いてもよいが、アルミニウム箔を連続的に製造するには、ドラム状の陰極を用いるのが好ましい。陽極と、陽極に対向させて設けられた陰極ドラムとの間に電解液を供給し、陰極ドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することにより陰極ドラム表面上にアルミニウム膜を析出させ、析出したアルミニウム膜を陰極ドラム表面から剥離し、剥離したアルミニウム膜を回収ドラムに巻き付けることにより、アルミニウム箔を連続的に回収することができる。例えば、アルミニウム膜が所定の厚さになった後、通電を一旦停止させ、陰極ドラムを回転させることによりアルミニウム膜を剥離し、剥離したアルミニウム膜を回収ドラムに貼り付けて積層させながらアルミニウム箔を巻き取ってもよい。また、アルミニウム膜を剥離すると同時に剥離片としてアルミニウム箔を回収してもよい。
(電解アルミニウム箔)
本発明に係る電解アルミニウム箔において、箔表面の算術平均粗さRaはいずれの部位でも0.10μm以上2.50μm以下の範囲にある。特に、箔表面の算術平均粗さRaは、箔表面の幅方向中央部と幅方向端部とで測定したときの差が2.00μm以下であることが好ましい。ここで「幅方向」とは、陰極板の幅方向であり、陰極がドラム状である場合には、陰極ドラムの回転方向に対して垂直な方向をいう。「幅方向中央部」とは、幅方向の中央近傍であり、具体的に、幅方向の中心から幅の1/4の距離までの部分を意味する。また、「幅方向端部」とは、幅方向の最端部から幅の1/4の距離までの部分を意味する。なお、箔表面の算術平均粗さRaは、電解液と接していた面の算術平均粗さであり、陰極と接していた面の算術平均粗さとは区別される。
また、本発明に係る電解アルミニウム箔において、平均結晶粒径はいずれの部位でも1.00μm以上5μm以下の範囲にある。結晶粒径は、アルミニウム箔の剥離性、特に強度及び伸びに影響を及ぼす。平均結晶粒径が1.00μm未満の場合、アルミニウム膜が硬化して割れやすくなるため、剥離性が低下する。また、平均結晶粒径が5.00μmを超えると、隣り合う結晶粒間の隙間が広くなるため、粗密性が低下する。なお、平均結晶粒径は、SEM画像上で100μm相当の長さの線を引き、線上に乗っている粒子の個数で割り付ける方法にて算出した。
電解法で作製するアルミニウム膜は、幅方向端部において電流集中が起こりやすい特徴がある。そのため、例えばアルミニウム箔の厚さを10μmにすることを想定して電析を行ったとしても、幅方向端部に電流が集中すると、析出したアルミニウムがデンドライト状に成長し、アルミニウム膜の厚さが極端に厚くなるとともに、表面粗さも増加する。一方、その影響で、幅方向中央部においてはアルミニウム膜の厚さが薄くなってしまうため、陰極表面からの剥離性が低下する傾向がある。本発明に係るアルミニウム膜は、膜表面の算術平均粗さRaがいずれの部位でも0.10μm以上2.50μm以下の範囲にあるため、陰極表面からの剥離性に優れている。なお、アルミニウム膜とアルミニウム箔の表面粗さは同等である。箔表面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であると、平滑になりすぎて蓄電デバイス用集電体に使用するには不向きとなる。一方、箔表面の算術平均粗さRaが2.50μmを超えると、粗密性が低下する。
電解アルミニウム箔の厚さは、通常1μm〜20μmであるが、用途によって適宜選択すればよい。例えば、電解アルミニウム箔をリチウムイオン電池の正極集電体として用いる場合には、厚さを10μm以下とするのが好ましい。
本発明に係る電解アルミニウム箔は、リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイスに使用されることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(電解条件)
EMIC:AlCl=1:2のモル比で混合した溶液に、表1に記載の添加剤濃度になるように1−10フェナントロリン一水和物を添加した電解液を用意した。電解槽に電解液を入れ、電解液中に陰極のチタン板(幅30mm、長さ60mm、表面粗さRa0.10μm)と、陽極の99.9%のアルミニウム板(幅50mm、長さ60mm)を設置した。ここで、陽極のアルミニウム板は、陰極のチタン板と電極間距離2cmとなるように対向させて配置した。電析面積が20×20mmになるように、チタン板にPTFE製のテープでマスキングを施した。電解液は、マグネチックスターラーで撹拌した。表1に記載の電流密度で膜厚10μmとなるまで通電し、陰極表面にアルミニウム膜を析出させた。通電終了後、チタン板に析出したアルミニウム膜をアセトンと純水で洗浄した。析出したアルミニウム膜をピンセットを用いてチタン板から剥離することにより、電解アルミニウム箔を回収した。
作製したアルミニウム箔について、平滑性、粗密性、剥離性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(平滑性)
作製した電解アルミニウム箔の表面粗さをレーザー顕微鏡で測定した。表面粗さは、幅方向中央部と幅方向端部とで測定した。幅方向中央部の表面粗さRaに関しては、幅方向の中心から幅の1/4の距離までの範囲で3点測定し、その平均値を算出した。幅方向端部の表面粗さRaに関しては、幅方向の最端部から幅の1/4の距離までの範囲で3点測定し、その平均値を算出した。表面粗さRa、Raが共に0.1μm以上2.5μm以下の範囲内にある場合に、平滑性を「○」と判定し、表面粗さRa、Raのうちどちらか一方が上記範囲内から外れている場合、又は、表面粗さRa、Raが共に上記範囲から外れている場合には平滑性が「×」と判定した。
(粗密性)
作製した電解アルミニウム箔の結晶粒径をSEM画像上で100μm相当の長さの線を引き、線上に乗っている粒子の個数で割り付ける方法にて算出した。結晶粒径は、幅方向中央部と幅方向端部とで測定した。幅方向中央部の結晶粒径に関しては、幅方向の中心から幅の1/4の距離までの範囲で3点測定し、その平均値を算出した。幅方向端部の結晶粒径に関しては、幅方向の最端部から幅の1/4の距離までの範囲で3点測定し、その平均値を算出した。また、作製した電解アルミニウム箔の表面を、FE−SEM(Zeiss製)及びEPMA(JEOL製)で観察した。隙間、欠陥などが見られない場合に、粗密性を「○」と判定し、隙間、欠陥などが見られた場合に粗密性を「×」と判定した。
(剥離性)
析出したアルミニウム膜を陰極表面から剥離する際、アルミニウム箔が破断せずに回収できた場合に、剥離性を「○」と判定し、アルミニウム箔に割れが生じたり、アルミニウム箔が崩れてしまい、膜状のまま回収できなかった場合に、剥離性を「×」と判定した。
表1に示すように、実施例1〜15では、平滑性、粗密性、剥離性に優れることが分かった。例えば、実施例12の電解アルミニウム箔は、図1に示すように隙間や欠陥がなく、均一な表面粗さを有していることが分かった。一方、比較例1、2では、1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.01g/L未満であるため、幅方向端部の表面粗さが厚くなった。比較例1では、平滑性、粗密性、剥離性が全て劣り、電解アルミニウム箔を製造することができなかった。また、比較例2では、アルミニウム膜を剥離することはできたが、平滑性、粗密性が劣っており、集電体に適した電解アルミニウム箔を得ることはできなかった。
比較例3では、1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.5g/Lを超えているため、アルミニウム膜が硬化し、図2に示すように割れが生じた。そのため、チタン板からアルミニウム膜を剥離することができず、電解アルミニウム箔を回収することができなかった。
比較例4では、電流密度が10mA/cm未満であるため、粒径が5.00μmを超え、図3に示すように隙間が多く、表面状態が粗になり、電解アルミニウム箔を回収することができなかった。
比較例5では、電流密度が100mA/cmを超えているため、アルミニウム膜の表面が黒く焼けてしまい、かつ、表面状態が粗であった。そのため、電解アルミニウム箔を回収することができなかった。
比較例6では、1−10フェナントロリン一水和物の濃度が0.5g/Lを大幅に超えているため、平均結晶粒径が1.00μm未満となり、膜が硬化し、割れやすくなり、剥離性が低下した。
以上より、本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法は、電解液が1−10フェナントロリン一水和物を0.01〜0.5g/L含有する溶融塩であり、電流密度が10〜100mA/cmであり、箔表面の算術平均粗さRaがいずれの部位でも0.10μm超2.50μm以下の範囲にあり、かつ、平均結晶粒径がいずれの部位でも1.00μm以上5.00μm以下の範囲にあることにより、陰極表面からの剥離性に優れた電解アルミニウム箔を製造することができる。
本発明によれば、適切な表面粗さを有し、かつ、所定の大きさの結晶粒径を有することで、電解法で製造しても箔切れを起こさない、陰極表面からの剥離性に優れた電解アルミニウム箔を製造することができる。このような電解アルミニウム箔は、蓄電デバイス用集電体に使用することができる。

Claims (3)

  1. 電解液が供給され、陰極を備える電解槽中で、前記陰極の表面上にアルミニウム膜を析出させる工程と、
    析出したアルミニウム膜を前記陰極の表面から剥離してアルミニウム箔とする工程を含む電解アルミニウム箔の製造方法であって、
    前記陰極の表面の算術平均粗さRaは0.10〜0.40μmであり、
    前記電解液は、1−10フェナントロリン一水和物を0.01〜0.5g/L含有する溶融塩であり、
    電流密度が10〜100mA/cmであり、
    前記アルミニウム箔は、箔表面の算術平均粗さRaがいずれの部位でも0.10μm以上2.50μm以下の範囲にあり、かつ、平均結晶粒径がいずれの部位でも1.00μm以上5.00μm以下の範囲にあることを特徴とする電解アルミニウム箔の製造方法。
  2. 前記箔表面の算術平均粗さRaは、前記箔表面の幅方向中央部と幅方向端部とで測定したときの差が2.00μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
  3. 前記電解液が、アルキルイミダゾリウムハロゲン化物又はアルキルピリジニウムハロゲン化物と、アルミニウムハロゲン化物を含有する溶融塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
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