JP6774813B2 - 画像処理装置、画像処理方法、および分析装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、および分析装置に関する。
試料上で電子線等を走査して試料の各領域から放出される特性X線をエネルギー分散型X線検出器(EDS検出器)や波長分散型X線検出器(WDS検出器)を用いて検出し、マッピング画像を得る手法が知られている(例えば特許文献1参照)。
このようにして得られたマッピング画像に対して、SN比を改善するために平滑化処理が行われる場合がある。マッピング画像に対する平滑化処理の手法として、ウェーブレット変換を用いる方法や、移動平均フィルタを用いる方法などが知られている。マッピング画像に対してウェーブレット変換や移動平均フィルタなどを用いて平滑化処理を行う場合、固定条件で平滑化を行うと、画像によっては画質が劣化してしまう場合がある。そのため、これらの手法を用いて平滑化処理を行う場合、ユーザーが画像ごとに平滑化の条件(平滑化の程度の大小)を決定する必要があった。
特開2003−7245号公報
上述したように、従来、マッピング画像に対する平滑化処理を行う場合、ユーザーがマッピング画像を見ながら平滑化の条件を決定していた。
しかしながら、ユーザーが平滑化の条件を決定する場合、条件の決定に時間がかかってしまったり、最適な条件を見つけることができなかったりする場合があり、ユーザーの負担が大きい。また、ユーザーごとに、平滑化の条件の判断にばらつきが生じてしまう。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を自動で決定することができる画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記画像処理装置を含む分析装置を提供することにある。
(1)本発明に係る画像処理装置は、
試料の各分析領域からの信号を検出して得られたマッピング画像に対する平滑化処理を行う画像処理装置であって、
前記マッピング画像の各ピクセルの前記信号の強度情報である信号強度データの最大値と最小値との差を計算し、当該差に基づき前記マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定する平滑化条件決定部と、
前記平滑化条件決定部で決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う平滑化処理部と、
を含み、
前記平滑化条件決定部は、
前記分析領域の大きさを計算し、当該分析領域の大きさに基づき前記平滑化の程度を決定し、
前記平滑化処理部は、
前記差に基づき決定された前記平滑化の程度および前記分析領域の大きさに基づき決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う
このような画像処理装置では、平滑化条件決定部が信号強度データの最大値と最小値と
の差に基づきマッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定するため、平滑化の程度を自動で決定することができる。したがって、このような画像処理装置によれば、ユーザーが平滑化の程度を決定する必要がなく、簡便にマッピング画像の見栄えを向上できる。
さらに、このような画像処理装置では、平滑化条件決定部が信号強度データの最大値と最小値との差に基づき平滑化の程度を決定することにより、例えば信号の測定における統計変動分の誤差を一つの色調内に収めることができるため、滑らかで見栄えのよいマッピング画像を得ることができる。また、このような画像処理装置では、信号の測定における統計変動分の誤差に加えて、さらに、分析領域の大きさを考慮して平滑化の程度を決定することができるため、より見栄えの良いマッピング画像を得ることができる。
(2)本発明に係る画像処理装置において、
前記平滑化条件決定部は、
前記マッピング画像における前記信号強度データのバラツキの大きさを計算し、
前記差および前記信号強度データのバラツキの大きさに基づき前記平滑化の程度を決定してもよい。
このような画像処理装置では、信号強度データのバラツキの大きさを考慮して、平滑化の程度を決定することができるため、より見栄えの良いマッピング画像を得ることができる。
(3)本発明に係る画像処理装置において、
前記信号強度データのバラツキの大きさは、前記信号強度データの変動係数の大きさであってもよい。
(4)本発明に係る画像処理装置において、
前記平滑化処理部は、ウェーブレット変換を用いて平滑化処理を行ってもよい。
(5)本発明に係る画像処理装置において、
前記平滑化条件決定部は、次式を満たすフィルタの大きさDの最小値を計算し、
前記平滑化処理部は、フィルタの大きさDの最小値をフィルタの大きさとする移動平均フィルタまたはガウシアンフィルタを用いて平滑化処理を行ってもよい。
ただし、Aは任意の定数であり、Hは前記信号強度データの最大値と最小値との差である。
(6)本発明に係る画像処理装置において、
前記平滑化条件決定部は、次式を満たすフィルタの大きさDの最小値を計算し、
前記平滑化処理部は、フィルタの大きさDの最小値をフィルタの大きさとする移動平均フィルタまたはガウシアンフィルタを用いて平滑化処理を行ってもよい。
ただし、Aは任意の定数であり、Hは前記信号強度データの最大値と最小値との差であり、Cは前記信号強度データの変動係数である。
)本発明に係る画像処理装置において、
前記平滑化条件決定部は、前記分析領域の大きさを次式を用いて計算してもよい。
ただし、DEは前記分析領域の大きさであり、Zは前記信号の発生領域の大きさであり、dは前記発生領域から前記信号を発生させるためのプローブの径であり、Sは前記マッピング画像の1ピクセルあたりの大きさである。
)本発明に係る画像処理装置において、
前記信号は、特性X線であり、
前記特性X線は、波長分散型X線検出器またはエネルギー分散型X線検出器で検出されてもよい。
)本発明に係る画像処理方法は、
試料の各分析領域からの信号を検出して得られたマッピング画像に対する平滑化処理を行う画像処理方法であって、
前記マッピング画像の各ピクセルの前記信号の強度情報である信号強度データの最大値と最小値との差を計算し、当該差に基づき前記マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定する平滑化条件決定工程と、
前記平滑化条件決定工程で決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う平滑化処理工程と、
を含み、
前記平滑化条件決定工程では、
前記分析領域の大きさを計算し、当該分析領域の大きさに基づき前記平滑化の程度を決定し、
前記平滑化処理工程では、
前記差に基づき決定された前記平滑化の程度および前記分析領域の大きさに基づき決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う。
10)本発明に係る分析装置は、
本発明に係る画像処理装置を含む。
このような分析装置では、本発明に係る画像処理装置を含むため、測定したマッピング画像を自動で平滑化処理することができる。
第1実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図。 平滑化処理の手法を説明するための図。 振幅が16のX線強度のプロファイルの一例を示す図。 振幅が256のX線強度のプロファイルの一例を示す図。 変動係数とX線強度との関係を説明するための図。 変動係数とX線強度との関係を説明するための図。 X線の発生領域およびプローブの径を示す図。 第1実施形態に係る画像処理装置の処理部の処理の一例を示すフローチャート。 平滑化処理前のマッピング画像を示す図。 第1実施形態に係る画像処理方法で平滑化処理を行った後のマッピング画像を示す図 図9に示すマッピング画像の測定時間の5倍の測定時間で取得されたマッピング画像を示す図。 第2実施形態に係る画像処理装置の処理部の処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 構成
まず、第1実施形態に係る画像処理装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る画像処理装置100の構成を示す図である。なお、図1では、画像処理装置100が分析装置1000に含まれている場合について説明する。
分析装置1000は、図1に示すように、分析装置本体部10と、画像処理装置100と、を含む。
分析装置1000は、電子線EBを試料Sに照射して電子線EBの照射に応じて試料Sから発生する特性X線を検出して分析を行う。分析装置1000は、試料Sのマッピング分析(面分析)を行うことができる。分析装置1000は、例えば、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)である。
(1)分析装置本体部
分析装置本体部10は、電子銃11と、集束レンズ12と、偏向器13と、対物レンズ14と、試料ステージ15と、二次電子検出器17と、エネルギー分散型X線検出器18と、波長分散型X線検出器19と、を含んで構成されている。
電子銃11は、電子線EBを発生させる。電子銃11は、所定の加速電圧により加速された電子線EBを試料Sに向けて放出する。
集束レンズ12は、電子銃11の後段(電子線EBの下流側)に配置されている。集束レンズ12は、電子線EBを集束させるためのレンズである。
偏向器13は、集束レンズ12の後段に配置されている。偏向器13は、電子線EBを偏向させることができる。偏向器13に制御回路(図示せず)を介して走査信号を入力することにより、集束レンズ12および対物レンズ14で集束された電子線EBを試料S上
で走査することができる。
対物レンズ14は、偏向器13の後段に配置されている。対物レンズ14は、電子線EBを集束させて試料Sに照射する。
試料ステージ15は、試料Sを支持することができる。試料ステージ15上には、試料Sが載置される。図示はしないが、モーター等の駆動源を備えるステージ移動機構によって、試料ステージ15を移動させることができる。
二次電子検出器17は、試料Sから放出された二次電子を検出するための検出器である。二次電子検出器17は、例えば、ET検出器(Everhart−Thornley detector)である。二次電子検出器17の出力信号は、電子線EBの走査信号と同期して記憶部124に記憶される。これにより、二次電子像(SEM像)を得ることができる。
エネルギー分散型X線検出器18は、X線をエネルギーで弁別し、スペクトルを得るための検出器である。エネルギー分散型X線検出器18は、電子線EBを試料Sに照射することにより試料Sから発生する特性X線を検出する。
波長分散型X線検出器19は、試料Sから発生する特性X線を分離して検出する。波長分散型X線検出器19は、例えば、分光結晶によるX線のブラッグ反射を利用して特定波長のX線を分離して検出する。
検出器制御部20は、エネルギー分散型X線検出器18の出力信号をX線のエネルギーごとに計数してX線強度データを生成する。また、検出器制御部20は、波長分散型X線検出器19の出力信号をX線のエネルギーごとに計数してX線強度データを生成する。検出器制御部20は、X線強度データを画像処理装置100に出力する。
分析装置本体部10では、試料Sのマッピング分析(面分析)を行うことができる。具体的には、分析装置本体部10では、試料Sの指定範囲を所定の分析領域に区切り、エネルギー分散型X線検出器18または波長分散型X線検出器19によって、各分析領域のX線強度を測定することでX線強度マップデータを得ることができる。
X線強度マップデータは、元素の2次元的な分布の情報を含むデータであり、2次元的な位置(座標)と、各位置でのX線の強度の情報を含む。X線強度マップデータは、元素ごとに得られる。例えば、元素XについてのX線強度マップデータは、元素Xの2次元的な分布の情報を含むデータであり、位置情報と、各位置での元素XのX線強度の情報を含む。分析装置本体部10から出力されたX線強度マップデータは、例えば、画像処理装置100の記憶部124に記憶される。
(2)画像処理装置
画像処理装置100は、分析装置本体部10におけるマッピング分析の結果として得られたX線強度マップデータを取得し、マッピング画像を生成する。マッピング画像は、エネルギー分散型X線検出器18の出力信号に基づき生成されたマッピング画像であってもよいし、波長分散型X線検出器19の出力信号に基づき生成されたマッピング画像であってもよい。
画像処理装置100は、生成したマッピング画像に対して平滑化処理を行い、表示部122に表示する。画像処理装置100は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)等で実現することができる。画像処理装置100は、処理部110と、操作部120と、表
示部122と、記憶部124と、を含む。
操作部120は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部110に送る処理を行う。操作部120は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
表示部122は、処理部110によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
記憶部124は、処理部110が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部124は、処理部110の作業領域として用いられ、処理部110が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部124の機能は、ハードディスク、RAMなどにより実現できる。
処理部110は、マッピング画像を生成する処理や、マッピング画像を平滑化するための条件を決定する処理、マッピング画像を平滑化する処理、マッピング画像を表示部122に表示させる処理などの処理を行う。処理部110の機能は、各種プロセッサ(CPU等)でプログラムを実行することにより実現することができる。処理部110は、マッピング画像生成部112と、平滑化条件決定部114と、平滑化処理部116と、表示制御部118と、を含む。
マッピング画像生成部112は、分析装置本体部10で取得されたX線強度マップデータに基づいて、マッピング画像を生成する。マッピング画像は、元素の2次元的な分布の情報を含む画像であり、マッピング画像を構成する各ピクセルのX線の強度情報(X線強度データ)を含む。
平滑化条件決定部114は、マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定する処理を行う。
平滑化処理部116は、平滑化条件決定部114で決定された平滑化の程度に基づいて、マッピング画像に対する平滑化処理を行う。
表示制御部118は、平滑化処理部116で平滑化されたマッピング画像を表示部122に表示させる制御を行う。
1.2. 画像処理方法
次に、画像処理装置100における画像処理方法(平滑化処理)について説明する。
まず、画像処理装置100における平滑化処理の手法について説明する。図2は、平滑化処理の手法を説明するための図である。
画像処理装置100では、マッピング画像に対する平滑化処理を、ウェーブレット変換を用いて行う。ウェーブレット変換を用いた平滑化処理は、ウェーブレット変換により画像を周波数変換し、それぞれの周波数成分に重みをかけて合成を行う。低周波成分には、主に画像の全体的な構造が含まれ、高周波成分にはエッジやノイズが含まれる。
下記表1は、各周波数成分にかける重みの一例を示す表である。
なお、レベルは、分離された周波数成分を表しており、レベル1は低周波成分であり、レベル3は高周波成分であり、レベル2は、レベル1とレベル3の間の周波数成分である。
また、a、b、cは、1以下の正の数であり、a>b>cの関係を有する。重みパラメータが大きいほど(1に近いほど)平滑化の程度が小さい(すなわち元の画像に近い)ことを意味する。言い換えると、重みパラメータが小さいほど平滑化の程度が大きいことを意味する。
表1に示すような重みパラメータを複数組用意しておき、元の画像の画質に応じた重みパラメータを使用して平滑化を行う。例えば、元の画像がノイズが目立つ画像であれば平滑化の程度を大きくし、元の画像の画質が良ければ平滑化の程度を小さくする。これにより、適切な画像が得られる。
ここで、元の画像の画質を評価するための評価値SEを次式(a)で与える。
SE=H×C・・・(a)
ただし、HはX線強度データの振幅であり、Cは変動係数(CV値、標準偏差/平均値)である。
ここで、X線強度データの振幅Hとは、マッピング画像におけるX線強度データの統計変動を評価するためのものであり、X線強度データの最大値と最小値との差である。ここで、X線強度データの最大値および最小値は、マッピング画像を構成する全ピクセルのX線強度データのいわゆる生データの最大値および最小値であってもよいし、全ピクセルのX線強度データに対してスムージング等の処理を行いノイズ成分を除去した後のデータの最大値および最小値であってもよい。
以下、評価値SEを用いて、平滑化の程度を決定できる理由について説明する。
まず、振幅Hについて説明する。
振幅Hは、X線強度データの統計変動を評価するためのものである。振幅Hが小さい画像ほど統計変動が相対的に大きく、振幅Hが大きい画像ほど統計変動が相対的に小さい。
図3は、振幅Hが16(X線強度データの最大値と最小値との差が16カウント)のX線強度のプロファイルの一例を示す図である。図4は、振幅Hが256(X線強度データの最大値と最小値との差が256カウント)のX線強度のプロファイルの一例を示す図である。
マッピング画像は、一般的に、16階調の疑似カラーで表現される。図3に示す振幅Hが16のX線強度データは統計変動が相対的に大きく(4/16=1/4)、統計変動分の誤差が色調をまたぐ。そのため、マッピング画像はノイズの多い、ざらついた画像とな
る。したがって、このようなマッピング画像に対しては、平滑化の程度を大きくする必要がある。
一方、図4に示す振幅Hが256のX線強度データは統計変動が相対的に小さく(16/256=1/16)、統計変動分の誤差が一つの色調内に収まっている。そのため、マッピング画像は、滑らかで見栄えのよい画像である。したがって、このようなマッピング画像に対しては、平滑化を行う必要はない(または平滑化の程度は小さくてよい)。
このように平滑化条件(平滑化処理の有無、および平滑化の強弱)は、元の画像の振幅Hに依存する。
次に、変動係数Cについて説明する。図5および図6は、変動係数CとX線強度との関係を説明するための図であり、図5は、変動係数Cが小さい場合を示し、図6は変動係数Cが大きい場合を示している。
変動係数(CV値)Cは、画像内のX線強度の分布状態を評価するためのものである。変動係数Cが小さい場合は、画像内でX線強度が急峻に変化している箇所が少なく、画像内で一様なX線強度を示す。変動係数Cが大きい場合は、画像内のX線強度にバラツキが大きく、X線強度が急峻に変化しているエッジ部分があることを示す。例えば、金属材料の二相組織等、組成の大きく異なる相が複数含まれるマッピング画像は変動係数Cが大きい。
変動係数Cが小さい場合には、マッピング画像に対して平滑化の程度を大きくしてもよいが、変動係数Cが大きい場合には、画像内のエッジの境界を明瞭に保持するために平滑化の程度を小さくしたほうがよい(または平滑化を行わないほうがよい)。
このように平滑化条件(平滑化処理の有無、および平滑化の強弱)は、元の画像の変動係数Cにも依存する。
評価値SEごとの重みパラメータは、例えば下記表2のように与えられる。
評価値SEの重みパラメータは、平滑化処理後の画像のX線強度データの統計変動が、相対的に小さくなるように設定されている。例えば、マッピング画像が16階調の疑似カラーで表現される場合には、画像処理後のマッピング画像のX線強度データの統計変動が1/16以下となるような重みパラメータが設定されている。
また、元の画像の画質を評価するための評価値SEに加えて、平滑化の程度を決定するための評価値として分析領域の大きさに対応する評価値DEを用いる。
以下、評価値DEについて説明する。
評価値DEは、次式(b)で表される。
ただし、ZはX線の発生領域2の大きさ(幅)であり、dは発生領域2からX線を発生させるためのプローブ(電子線)の径である(図7参照)。また、Sはマッピング画像の1ピクセルあたりの大きさである。
評価値DEは、上記のように、X線の発生領域の大きさZ、プローブ径d、1ピクセルあたりの大きさSで決定する。これらの値は、マッピング画像取得時の分析条件(装置条件)と試料Sの材質から求めることができる。
具体的には、X線の発生領域の大きさZは、加速電圧と分析する試料の材質から得られる値である。プローブ径dは、加速電圧と照射電流から得られる値である。1ピクセルあたりに大きさSは、分析条件設定時にユーザーが任意に設定する値である。
いずれの値も、数値が小さいほど、空間分解能が高い、シャープなマッピング画像が得られ、数値が大きいほど空間分解能が低いぼやけたマッピング画像が得られる。すなわち、評価値DEが小さいほど、空間分解能が高いマッピング画像が得られ、評価値DEが大きいほど、空間分解能が低いマッピング画像が得られる。
なお、正確には、X線の発生領域の大きさZが大きい場合にはプローブ径dおよび1ピクセルあたりの大きさSを小さくしてもマッピング画像の空間分解能は変わらないが、X線の発生領域の大きさZが小さい場合にはプローブ径dおよび1ピクセルあたりの大きさSが小さいほど空間分解能が高いマッピング画像が得られる。
空間分解能が低いマッピング画像は、分析領域が1つのピクセルの大きさを超えていることが多い。この場合、1つのピクセルのX線強度として得られた結果は、そのピクセルの大きさのX線強度を正確に反映しておらず、分析領域内に含まれるピクセル分は、平滑化してもよいということになる。つまり、評価値DEが大きいほど、平滑化の程度を大きくする(すなわち広範囲の平滑化を行う)。
一方、空間分解能が高いマッピング画像は、マッピング画像の各ピクセルのX線強度が試料情報を正確に反映しているため、平滑化を行わないほうがよい(または平滑化の程度は小さくてよい)。つまり、評価値DEが小さいほど、平滑化の程度を小さくする。
このように平滑化の条件は、評価値DEにも依存する。
評価値DEごとの重みパラメータは、例えば、下記表3のように与えられる。
なお、d、e、fは、1以下の正の数であり、d>e>fの関係を有する。重みパラメ
ータが大きいほど(1に近いほど)平滑化の程度が小さい(すなわち元の画像に近い)ことを意味する。
表3に示すように、評価値DEの重みパラメータは、評価値DEが小さいほど平滑化の程度が小さくなるように(すなわち平滑化を実行する範囲が狭くなるように)設定されている。言い換えると、評価値DEの重みパラメータは、評価値DEが大きいほど平滑化の程度が大きくなるように(すなわち平滑化を実行する範囲が広くなるように)設定されている。このとき、重みパラメータは、平滑化を実行する範囲が分析領域に相当するように設定される。
次に、画像処理装置100の処理部110における処理について説明する。
図8は、第1実施形態に係る画像処理装置100の処理部110の処理の一例を示すフローチャートである。
画像処理装置100は、マッピング画像(X線強度マップデータ)を取得する。
まず、平滑化条件決定部114が、マッピング画像の全ピクセルのX線強度データから最大値と最小値とを抽出し、抽出した最大値と最小値との差を計算して、振幅Hを求める(ステップS100)。
次に、平滑化条件決定部114が、マッピング画像の全ピクセルのX線強度データについて、変動係数Cを計算する(ステップS102)。
次に、平滑化条件決定部114が、振幅Hと変動係数Cとの乗算を行い、評価値SEを計算する(ステップS104)。
次に、平滑化条件決定部114が、評価値SE(すなわち振幅Hと変動係数Cとの乗算結果)に基づいて、平滑化の程度を決定する(ステップS106)。具体的には、平滑化条件決定部114は、表2に示す評価値SEごとの重みパラメータから、求めた評価値SEの値に対応する重みパラメータを選択する。表2に示す評価値SEごとの重みパラメータの情報は、あらかじめ記憶部124に記録されている。
次に、平滑化条件決定部114が、評価値DE(すなわち分析領域の大きさ)を求める(ステップS108)。具体的には、平滑化条件決定部114は、マッピング画像取得時の分析条件(装置条件)および分析試料の材質の情報を取得し、式(b)を用いて評価値DEを求める。分析条件および分析試料の材質の情報は、あらかじめ記憶部124に記憶されており、平滑化条件決定部114は記憶部124に記憶されたこれらの情報を読み出してこれらの情報を取得する。
次に、平滑化条件決定部114が、評価値DEに基づいて、平滑化の程度を決定する(ステップS110)。具体的には、平滑化条件決定部114は、表3に示す評価値DEごとの重みパラメータから、求めた評価値DEの値に対応する重みパラメータを選択する。表3に示す評価値DEごとの重みパラメータの情報は、あらかじめ記憶部124に記録されている。
次に、平滑化処理部116が、評価値SEに基づき決定された平滑化の程度(重みパラメータ)および評価値DEに基づき決定された平滑化の程度(重みパラメータ)に基づいて、マッピング画像に対する平滑化処理を行う(ステップS112)。
具体的には、平滑化処理部116は、ウェーブレット変換によりマッピング画像を周波数変換し、それぞれの周波数成分に、評価値SEに基づき決定された重みパラメータおよび評価値DEに基づき決定された重みパラメータをかけて合成を行う。これにより、マッピング画像が平滑化される。
次に、表示制御部118が、平滑化されたマッピング画像を表示部122に表示する制御を行う(ステップS114)。これにより、平滑化されたマッピング画像が表示部122に表示される。
なお、本実施形態に係る画像処理方法の順序は、図8に示す順序に限定されない。例えば、ステップS108、ステップS110の処理によって評価値DEから平滑化の程度を決定した後に、ステップS100、ステップS102、ステップS104、ステップS106の処理によって評価値SEを求めてもよい。
第1実施形態に係る画像処理装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
画像処理装置100では、平滑化条件決定部114が、振幅H(マッピング画像におけるX線強度データの最大値と最小値との差)と変動係数Cとの乗算を行い、当該乗算の結果(すなわち評価値SE)に基づいて、平滑化の程度を決定する。また、平滑化条件決定部114は、分析領域の大きさを計算し、当該分析領域の大きさ(すなわち評価値DE)に基づき平滑化の程度を決定する。平滑化処理部116は、前記乗算の結果に基づき決定された平滑化の程度および分析領域の大きさに基づき決定された平滑化の程度に基づいて、マッピング画像に対する平滑化処理を行う。そのため、画像処理装置100によれば、マッピング画像(画像処理前のマッピング画像)の画質とマッピング画像取得時の分析条件に基づいて、マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を自動で決定することができ、ユーザーが平滑化の程度を決定する必要がなく、簡便にマッピング画像の見栄えを向上できる。
また、画像処理装置100では、平滑化条件決定部114が振幅H(マッピング画像におけるX線強度データの最大値と最小値との差)に基づいて平滑化の程度を決定することにより、X線の測定における統計変動分の誤差を一つの色調内に収めることができる。そのため、滑らかで見栄えのよいマッピング画像を得ることができる。
また、画像処理装置100では、上記のように、平滑化条件決定部114が平滑化の程度を決定するため、画質の異なる複数のマッピング画像に対しても一括して平滑化処理を行うことができる。
図9は、平滑化処理前のマッピング画像を示す図である。図10は、第1実施形態に係る画像処理方法で平滑化処理を行った後のマッピング画像を示す図である。図11は、図9に示すマッピング画像の測定時間の5倍の測定時間で取得されたマッピング画像を示す図である。
図10および図11に示すように、本実施形態に係る画像処理方法でマッピング画像に対して平滑化処理を行うことにより、5倍の測定時間で取得されたマッピング画像と同定度の画質の画像を得ることができた。
2. 第2実施形態
2.1. 構成
次に、第2実施形態に係る画像処理装置について説明する。第2実施形態に係る画像処理装置の構成は、図1に示す画像処理装置100と同様であり、その図示および説明を省
略する。
2.2. 画像処理方法
次に、第2実施形態に係る画像処理装置における画像処理方法(平滑化処理)について説明する。第1実施形態に係る画像処理装置100では、ウェーブレット変換を用いて平滑化処理を行ったが、第2実施形態に係る画像処理装置100では、移動平均(移動平均フィルタ)を用いて平滑化処理を行う。
まず、第2実施形態に係る画像処理装置100における平滑化処理の手法について説明する。
第2実施形態に係る画像処理装置100では、マッピング画像に対する平滑化処理を、移動平均フィルタを用いて行う。移動平均フィルタを用いた平滑化処理は、各ピクセルのX線強度を、その周辺のピクセルのX線強度との平均値に置き換える処理である。移動平均フィルタを用いた平滑化処理における平滑化の程度は、フィルタの大きさD(周辺のピクセルの範囲)として表される。なお、フィルタの大きさDはフィルタの一辺の長さであり、3ピクセル×3ピクセルのフィルタの場合、フィルタの大きさDは3ピクセルである。
ここで、フィルタの大きさDの単位をピクセルとすると、平滑化されるピクセル数は、フィルタの大きさDの2乗に比例する。ピクセル数Dに信号量が比例すると考えると、統計変動が信号量に占める割合は、1/Dとなる。
統計変動が画像の信号量に占める割合を、画像の振幅Hに対して一定値以下にすることで、平滑化処理後の画像が良好なものとなる。よって、次式(c)を満たすフィルタの大きさDの最小値Dhを、移動平均フィルタに用いるフィルタの大きさとすれば(すなわちDhピクセル×Dhピクセルの移動平均フィルタとすれば)、平滑化処理を最適化できる。
ただし、Aは定数である。
なお、式(c)は、画像の振幅Hのみを考慮したものだが、画像の変動係数Cを考慮に入れてもよい。この場合、次式(d)を満たすフィルタの大きさDの最小値Dhcを移動平均フィルタに用いるフィルタの大きさとすれば(すなわちDhcピクセル×Dhcピクセルの移動平均フィルタとすれば)、平滑化処理を最適化できる。
また、上記の式(c)または式(d)を用いた元の画像の画質を評価するための評価値に加えて、平滑化の程度を決定するための評価値として分析領域の大きさに対応する評価
値を用いる。
具体的には、定数Bを用いて分析領域の大きさDxを関数化し、分析領域の大きさDxの範囲をフィルタとして平滑化処理を行う。
式(e)に示すように、分析領域の大きさDxが小さいほどフィルタの大きさが小さくなる(すなわち平滑化の程度が小さくなる)。
次に、第2実施形態に係る画像処理装置100の処理部110における処理について説明する。
図12は、第2実施形態に係る画像処理装置100の処理部110の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、画像の変動係数Cを考慮に入れた場合の処理について説明する。
画像処理装置100は、マッピング画像(X線強度マップデータ)を取得する。
まず、平滑化条件決定部114が、マッピング画像の全ピクセルのX線強度データから最大値と最小値とを抽出し、抽出した最大値と最小値との差を計算して、振幅Hを求める(ステップS200)。
次に、平滑化条件決定部114が、マッピング画像の全ピクセルのX線強度データについて、変動係数Cを計算する(ステップS202)。
次に、平滑化条件決定部114が、計算された振幅Hと変動係数Cとを式(d)に代入し、式(d)を満たすフィルタの大きさDの最小値Dhcを求める(ステップS204)。なお、式(d)の定数Aの情報は、あらかじめ記憶部124に記録されている。
次に、平滑化処理部116が、最小値Dhcをフィルタの大きさとする移動平均フィルタを用いてマッピング画像に対して平滑化処理を行う(ステップS206)。
次に、平滑化条件決定部114が、分析領域の大きさDxを求める(ステップS208)。具体的には、平滑化条件決定部114は、マッピング画像取得時の分析条件(装置条件)および分析試料の材質の情報を取得し、式(e)を用いて、分析領域の大きさDxを求める。分析条件および分析試料の材質の情報は、あらかじめ記憶部124に記憶されており、平滑化条件決定部114は記憶部124に記憶されたこれらの情報を読み出してこれらの情報を取得する。
次に、平滑化処理部116が、分析領域の大きさDxの範囲の移動平均フィルタを用いて、マッピング画像に対して平滑化処理を行う(ステップS210)。
次に、表示制御部118が、平滑化されたマッピング画像を表示部122に表示する制御を行う(ステップS212)。これにより、平滑化されたマッピング画像が表示部122に表示される。
なお、上記では、画像の変動係数Cを考慮に入れた場合の処理について説明したが、画
像の変動係数Cを考慮に入れない場合であっても、変動係数Cを計算する処理(ステップS202)を行わない点、ステップS204において式(c)を用いてフィルタの大きさDの最小値Dhを求める点を除いて、上記の処理と同様であり、その説明を省略する。
また、上記では、平滑化の手法として、移動平均フィルタを用いる例について説明したが、平滑化の手法は移動平均フィルタに限定されない。例えば、平滑化の手法として、ガウシアンフィルタを用いてもよい。平滑化の手法としてガウシアンフィルタを用いた場合であっても、上記の移動平均フィルタと同様の処理で、マッピング画像を平滑化することができる。
また、本実施形態に係る画像処理方法の順序は、図12に示す順序に限定されない。例えば、ステップS208、ステップS210の処理によってマッピング画像に平滑化処理を行った後に、ステップS200、ステップS202、ステップS204、ステップS206の処理によってマッピング画像に平滑化処理を行ってもよい。
第2実施形態に係る画像処理装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
第2実施形態に係る画像処理装置100では、平滑化条件決定部114が、式(c)または式(d)を満たすフィルタの大きさDの最小値を計算し、平滑化処理部116が、計算された最小値をフィルタの大きさとする移動平均フィルタまたはガウシアンフィルタを用いて平滑化処理を行う。さらに、平滑化条件決定部114が、分析領域の大きさDxを計算し、当該分析領域の大きさDxに基づき平滑化の程度を決定し、分析領域の大きさDxの範囲の移動平均フィルタを用いて、マッピング画像に対して平滑化処理を行う。そのため、第2実施形態に係る画像処理装置100によれば、第1実施形態と同様に、マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を自動で決定することができ、ユーザーが平滑化の程度を決定する必要がなく、簡便にマッピング画像の見栄えを向上できる。
3. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
3.1. 第1変形例
上述した第1実施形態では、評価値SEおよび評価値DEを用いて、平滑化処理における平滑化の程度を決定していたが、評価値SEのみで平滑化の程度を決定してもよい。また、評価値SEは信号の振幅Hと変動係数Cとの乗算結果であったが、平滑化処理の程度を振幅Hのみで決定してもよい。
すなわち、本変形例では、平滑化条件決定部114は、マッピング画像におけるX線強度データの最大値と最小値との差(すなわち振幅H)を計算し、当該差に基づきマッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定し、平滑化処理部116は、平滑化条件決定部114で決定された平滑化の程度に基づいて、マッピング画像に対する平滑化処理を行う。これにより、マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を自動で決定することができる。さらに、例えば、X線の測定における統計変動分の誤差を一つの色調内に収めることができ、滑らかで見栄えのよいマッピング画像を得ることができる。
また、上述した第2実施形態では、平滑化条件決定部114は、式(c)または式(d)を満たすフィルタの大きさDの最小値、および分析領域の大きさDxを用いて、平滑化処理における平滑化の程度を決定していたが、式(c)または式(d)を満たすフィルタの大きさDの最小値のみで平滑化の程度を決定してもよい。この場合も、上記と同様に、
平滑化の程度を自動で決定することができ、さらに、X線の測定における統計変動分の誤差を一つの色調内に収めることができる。
3.2. 第2変形例
上述した第1実施形態では、評価値SEおよび評価値DEを用いて、平滑化処理における平滑化の程度を決定していたが、評価値DEによる平滑化の効果は、評価値SEによる平滑化の効果よりも小さいため、評価値DEを求めるための式を、式(b)を簡略化した近似式としてもよい。
3.3. 第3変形例
上述した第1実施形態では、評価値SEは、信号の振幅Hと変動係数Cとの乗算結果であった(式(a)参照)。ここで、変動係数Cは、マッピング画像におけるX線強度データのバラツキの大きさを表す指標である。変動係数Cと同様にX線強度データのバラツキの大きさを表す指標としては、変動係数Cの他に、分散、標準偏差などがある。したがって、評価値SEは、信号の振幅Hと変動係数Cとに基づき決定されるものに限定されず、信号の振幅HとX線強度データのバラツキの大きさ(分散、標準偏差など)とに基づいて決定される評価値であってもよい。
また、第2実施形態においても、式(d)に示す変動係数Cの代わりに、X線強度データのバラツキの大きさを表す指標として、分散や標準偏差などを用いてもよい。
3.4. 第4変形例
また、上記では、分析装置1000が電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)である例について説明したが、本発明に係る分析装置は、例えば、EPMAに限定されず、EDS検出器やWDS検出器が搭載された走査電子顕微鏡(SEM−EDS、SEM−WDS)、EDS検出器やWDS検出器が搭載された走査透過電子顕微鏡(TEM−EDS、TEM−WDS)、オージェ電子分光装置などであってもよい。なお、本発明に係る分析装置がEPMAや、EDS検出器およびWDS検出器が搭載された電子顕微鏡である場合には、試料からの信号はX線であるが、本発明に係る分析装置がオージェ電子分光装置である場合には、試料からの信号はオージェ電子である。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…分析装置本体部、11…電子銃、12…集束レンズ、13…偏向器、14…対物レンズ、15…試料ステージ、17…二次電子検出器、18…エネルギー分散型X線検出器、19…波長分散型X線検出器、20…検出器制御部、100…画像処理装置、110…処理部、112…マッピング画像生成部、114…平滑化条件決定部、116…平滑化処理部、118…表示制御部、120…操作部、122…表示部、124…記憶部、1000…分析装置

Claims (10)

  1. 試料の各分析領域からの信号を検出して得られたマッピング画像に対する平滑化処理を行う画像処理装置であって、
    前記マッピング画像の各ピクセルの前記信号の強度情報である信号強度データの最大値と最小値との差を計算し、当該差に基づき前記マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定する平滑化条件決定部と、
    前記平滑化条件決定部で決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う平滑化処理部と、
    を含み、
    前記平滑化条件決定部は、
    前記分析領域の大きさを計算し、当該分析領域の大きさに基づき前記平滑化の程度を決定し、
    前記平滑化処理部は、
    前記差に基づき決定された前記平滑化の程度および前記分析領域の大きさに基づき決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う、画像処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記平滑化条件決定部は、
    前記マッピング画像における前記信号強度データのバラツキの大きさを計算し、
    前記差および前記信号強度データのバラツキの大きさに基づき前記平滑化の程度を決定する、画像処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記信号強度データのバラツキの大きさは、前記信号強度データの変動係数の大きさである、画像処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記平滑化処理部は、ウェーブレット変換を用いて平滑化処理を行う、画像処理装置。
  5. 請求項1において、
    前記平滑化条件決定部は、次式を満たすフィルタの大きさDの最小値を計算し、
    前記平滑化処理部は、フィルタの大きさDの最小値をフィルタの大きさとする移動平均フィルタまたはガウシアンフィルタを用いて平滑化処理を行う、画像処理装置。

    ただし、Aは任意の定数であり、Hは前記信号強度データの最大値と最小値との差である。
  6. 請求項1において、
    前記平滑化条件決定部は、次式を満たすフィルタの大きさDの最小値を計算し、
    前記平滑化処理部は、フィルタの大きさDの最小値をフィルタの大きさとする移動平均フィルタまたはガウシアンフィルタを用いて平滑化処理を行う、画像処理装置。
    ただし、Aは任意の定数であり、Hは前記信号強度データの最大値と最小値との差であり、Cは前記信号強度データの変動係数である。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記平滑化条件決定部は、前記分析領域の大きさを次式を用いて計算する、画像処理装置。
    ただし、DEは前記分析領域の大きさであり、Zは前記信号の発生領域の大きさであり、dは前記発生領域から前記信号を発生させるためのプローブの径であり、Sは前記マッピング画像の1ピクセルあたりの大きさである。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記信号は、特性X線であり、
    前記特性X線は、波長分散型X線検出器またはエネルギー分散型X線検出器で検出される、画像処理装置。
  9. 試料の各分析領域からの信号を検出して得られたマッピング画像に対する平滑化処理を行う画像処理方法であって、
    前記マッピング画像の各ピクセルの前記信号の強度情報である信号強度データの最大値と最小値との差を計算し、当該差に基づき前記マッピング画像に対する平滑化処理における平滑化の程度を決定する平滑化条件決定工程と、
    前記平滑化条件決定工程で決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う平滑化処理工程と、
    を含み、
    前記平滑化条件決定工程では、
    前記分析領域の大きさを計算し、当該分析領域の大きさに基づき前記平滑化の程度を決定し、
    前記平滑化処理工程では、
    前記差に基づき決定された前記平滑化の程度および前記分析領域の大きさに基づき決定された前記平滑化の程度に基づいて、前記マッピング画像に対する平滑化処理を行う、画像処理方法。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像処理装置を含む、分析装置。
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