JP7336540B2 - 荷電粒子線装置及び検査装置 - Google Patents

荷電粒子線装置及び検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7336540B2
JP7336540B2 JP2021572189A JP2021572189A JP7336540B2 JP 7336540 B2 JP7336540 B2 JP 7336540B2 JP 2021572189 A JP2021572189 A JP 2021572189A JP 2021572189 A JP2021572189 A JP 2021572189A JP 7336540 B2 JP7336540 B2 JP 7336540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charged particle
particle beam
image data
sample
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021572189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021149188A1 (ja
Inventor
敦子 新谷
誠 鈴木
洋揮 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Tech Corp
Publication of JPWO2021149188A1 publication Critical patent/JPWO2021149188A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7336540B2 publication Critical patent/JP7336540B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/22Optical or photographic arrangements associated with the tube
    • H01J37/222Image processing arrangements associated with the tube
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
    • G01N21/956Inspecting patterns on the surface of objects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/22Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
    • G01N23/225Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion
    • G01N23/2251Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion using incident electron beams, e.g. scanning electron microscopy [SEM]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/22Optical or photographic arrangements associated with the tube
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/244Detectors; Associated components or circuits therefor

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、荷電粒子線装置及び検査装置に関する。
近年の電子デバイスあるいは光学デバイスの構造は微細化、さらに複雑化し、使われる材料も多様化している。そのため、製造プロセスにおける検査では、より微細で複雑な形状のパターンを計測する必要がある。また、より小さな異物や欠陥の様子を観察する必要がある。これらの目的のためには、電子あるいはレーザ光を用いた走査型顕微鏡が使われる。特に走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)は分解能が高い。SEMは電子ビームを走査しながら観察対象に照射し、照射部分から発生する二次電子を検知して対象物の情報を画像として取得する。
SEMの電子ビームは電子光学系によって絞られ、観察対象にぶつかる際にはナノメートルオーダーのスポットとなることで高い分解能を発揮する。しかし電子・光学デバイスの高集積化や複雑化により、さらに高い分解能が要求されるようになっている。一般に、入射ビームが光であっても電子線であっても、画像の高解像度化には画像処理とハードの改良の2通りが考えられる。前者は、取得した画像を高解像度化するための補正をかける。空間的な信号の広がりである点像分布関数(PSF:Point spread function)が得られれば、画像処理によって空間的な信号の広がりの影響がない場合の画像を推定することができる。後者は、観察装置の光学系の改良によって入射ビームのわずかなひろがり(強度分布)をさらに小さくする。
同時に最近の傾向として、電子線照射によりダメージを受けやすい有機材料、帯電しやすい絶縁体など様々な材料からなるパターンの観察が必要になってきている。このため、特許文献1では観察対象に応じて電子線の走査速度を変化させることが開示されている。走査速度を遅くすれば瞬間的にある場所に照射される電子の密度は高くなる。逆に速く走査すれば電子の密度を低く抑えることができる。検出器は、主に、検出した二次電子を電気信号に変換する検出回路(狭義)と後段の回路に伝達するための増幅回路とを有する。走査速度を速くする場合、検出器では応答の速い検出回路(広義、以下、特に明記しない場合、検出回路(狭義)と増幅回路とを含む広義の検出回路を指す)の設計が必要になる。
なぜならば、走査速度に比べて検出回路の応答が遅い場合、ある位置で発生した二次電子強度の情報が、それ以降に電子ビームが照射された場所からの二次電子強度の情報に混入するためである。この結果、信号強度で形成される画像の濃淡が走査方向に尾を引く。言い換えると、信号が検出回路を通過する際に生じる時間的な情報の広がりが、最終的な画像において、入射ビームの走査方向の空間的なぼけとしてあらわれる。高い分解能が必要で、かつその要求が年々高まる微細パターン観察システムにおいては、ぼけが増大することは望ましくない。以下では、このような検出器における信号処理遅延に起因して生じる走査方向のぼけを時間的な信号の広がり、光学系起因のぼけを空間的な信号の広がり、と呼ぶことにする。なお、画像の状態になった時点では、これら2種類の信号の広がりはいずれも画像のぼけとなっており、区別できない。
特許文献2では、低コストで簡便に時間的な信号の広がりを低減するため、2種類の走査速度(大・小とする)でパターンの画像を撮り、両者の違いから走査方向のぼけの補正用データを得る。この補正用データを用いて、走査速度大で取得した画像データを走査速度小で撮った場合に相当するデータに変換する。
国際公開第2011/016208号 特開2012-142211号公報
前述のように、荷電粒子線装置の分解能向上(ぼけの抑制)には、分解能を下げる原因が複数あるため、これらを区別して対策する必要がある。しかし、対策自体が新たな課題を生じさせることもある。
例えば、時間的な信号の広がりを無視できる程度まで走査速度を抑制して空間的な信号の広がりのみを観測し、PSFを求めれば高分解能な画像が得られるかといえば、必ずしもそうではない。まず、走査速度を遅くすることによって観察対象に帯電が生じる。たとえ観察対象が帯電しにくい材料であっても、真空中にわずかに残る原子・分子が照射部分に付着したり、ビームのエネルギーによって観察対象が変形したりすることがある。また、同じ位置に長い時間ビームが照射されることで振動などの影響も受けやすくなり、視野ずれが生じて画像にぼけが生じることもある。つまり、走査速度を落とすことで正しいデータが得られる保証はない。特許文献2の方法においても、走査速度小で取得したときの画像のぼけがこの補正方法で到達できる限界となるため、空間的な信号の広がりに起因するぼけを補正するには限界がある。
また、時間的な信号の広がりに起因するぼけは、画像の濃淡が走査方向に尾を引くという特徴をもっている。荷電粒子装置を電子デバイスあるいは光学デバイスのパターンの検査計測用途に用いる場合、時間的な信号の広がりの影響を受けた画像は、尾引きのせいでパターン形状が走査方向に伸ばされた形に見える。このため、設計通りに形成されたパターンが不良と判断される、あるいはその逆が起こり得る。このため、検査計測用の画像データから走査方向の尾引きを解消したいという要望がある。これに対して、特許文献2に開示される方法が適用可能であるものの、前述のように走査速度小で取得した画像のぼけが補正の限界になる。また、補正用データを取るためには導電性がよく、真空中の原子・分子が付着しにくく、かつビーム照射で変形しにくい標準的な観察対象を装置に投入しなくてはならず、オーバーヘッドも大きい。
本発明では、荷電粒子線装置で取得する画像に混在する複数の種類のぼけのうち、時間的な信号の広がりに起因して発生する走査方向の画像のぼけを、簡便かつ高精度に補正することを課題とする。
本発明の一実施の形態である荷電粒子線装置は、荷電粒子光学系と、荷電粒子線とサンプルとの相互作用により放出される二次荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、サンプル上で荷電粒子線を2次元に走査し、検出器から出力される検出信号に基づく第1の画像データを補正して第2の画像データを生成する演算部とを有し、演算部は、第1の画像データから抽出されるn個の第1の方向の信号強度分布に相当する第1の信号プロファイルと検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のパワースペクトル密度P(f)(f:空間周波数)とを用いて第2の画像データを生成する。
検出器の信号処理遅延に起因する時間的な信号の広がりの影響、すなわち走査方向の画像のぼけを解消できる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本実施例の原理を説明するための図である。 走査型電子顕微鏡の模式図である。 サンプルの例(段差のついたシリコンウエハ)の模式図である。 補正用PSDを取得するための画像例の模式図である。 補正用PSDを算出するフローチャートである。 GUI画面の例である。 分解能評価用画像を補正するフローチャートである。 分解能評価用画像例の模式図である。 補正前画像の信号強度分布を示すグラフである。 補正後画像の信号強度分布を示すグラフである。 補正用PSDを取得する撮像条件の表である。 補正用PSD取得に用いるサンプルのレイアウト例を示す図である。 撮像条件ごとに補正用PSDを算出するフローチャートである。 検査フローチャートである。 補正前検査画像例の模式図である。 補正後検査画像例の模式図である。 GUI画面の例である。
本実施例の原理を、図1を用いて説明する。ここでは、荷電粒子線装置の走査方向を撮像した画像の水平方向とし、これをX方向とする。グラフ101は実空間におけるデータ(例えば、画素の明度)を示し、横軸が画像におけるX座標、縦軸がその位置における信号強度を示している。グラフ102は、グラフ101に表される信号強度をフーリエ変換して得られた係数から算出されるパワースペクトル(Power spectral density、以下「PSD」と記す)の期待値である。横軸が周波数、縦軸が当該周波数のPSDを示している。以下では、信号強度のX方向分布のことを信号プロファイルと呼ぶ。
グラフ101は、時間的な信号の広がりが全くない場合の信号プロファイル(これを理想信号プロファイルと呼ぶ)の例であり、特に、信号強度に影響するサンプルの表面及び内部において、材料及び形状が一定である、すなわち信号ばらつきがなければ信号強度として期待される値が均一である領域(以下、信号強度の期待値が均一である領域、と記す)の画像から取り出した信号プロファイルである。グラフ102は、グラフ101の理想信号プロファイルから得られるPSDの期待値である。グラフ101に対応する観測領域において、サンプルの形状および材料に不均一性がなければ、グラフ101の理想信号プロファイルはランダムな値であり、1つの理想信号プロファイルのPSDの値は、グラフ102に示されるPSDの期待値(定数関数)を中心に、ばらつきをもって分布する。
これに対して、グラフ103は実機で観測することにより得られる信号プロファイル(理想信号プロファイルと区別するため、特に、実信号プロファイルと呼ぶ)の例である。観測対象はグラフ101と同じ、信号強度の期待値が均一である領域の画像から取り出した信号プロファイルであるが、グラフ101と異なり、実機の検出器における信号処理遅延に起因する時間的な信号の広がりの影響を受けている。グラフ104は、グラフ103の実信号プロファイルから得られるPSDの期待値である。グラフ102とは異なり、PSDの期待値には時間的な信号の広がりの影響が表れるため、定数関数とはならない。1つの実信号プロファイルのPSDの値は、グラフ104に示されるPSDの期待値を中心に、ばらつきをもって分布する。
グラフ103に示される実信号プロファイルは、グラフ101に示される理想信号プロファイルに対して、実機の信号処理遅延に相当する窓関数105を用いて畳み込みを施して得られる関数に相当する。ただし、窓関数105は未知の関数である。しかし、実空間における畳み込みはフーリエ空間における単純な積の計算に等しい、ということが知られている。この定理を用いると、実信号プロファイルから時間的な信号の広がりの影響を除去して、理想信号プロファイルのデータを得ることができる。
まず、多数の実信号プロファイルを取得し、それらの実信号プロファイルのそれぞれから算出されるPSDを平均化することにより、実信号プロファイルのPSDの期待値を算出する。前述のように、1つの信号プロファイルから算出したPSDはグラフ104に示されるPSDの期待値の周囲にばらついているが、計測対象とする領域にある多数の信号プロファイルから算出したPSDを平均化することにより、滑らかで特徴が明確に見える実信号プロファイルのPSDの期待値(すなわち、グラフ104)を得ることができる。
また、理想信号プロファイルのPSDの期待値(グラフ102)は定数関数であるから、実信号プロファイルのPSDの期待値(グラフ104)は、窓関数105をフーリエ変換して得られる窓関数105のPSD(グラフ106)の定数倍になる。前述したように、信号プロファイルを信号強度の期待値が均一である領域の画像から取り出すことにより、理想信号プロファイルをホワイトノイズとみなすことができ、したがって理想信号プロファイルのPSDが平均的には定数関数になる、という状況を実現することができる。
したがって、窓関数105、あるいは窓関数105のPSDは不明であっても、実際の画像から実信号プロファイルのPSDの期待値(グラフ104)を得ることにより、定数倍のファクターを無視すれば、窓関数105のPSD(グラフ106)とみなすことができる。あるいは、グラフ104の左端で値が1になるよう調整するか、あるいはPSDの積分値が1になるように、実信号プロファイルのPSDの期待値(グラフ104)の全体を定数倍して窓関数105のPSDとしてもよい。定数倍のファクターは画像のコントラストの程度に影響するのみであるためである。このようにして得られる窓関数105のPSDに対応する関数106を、以下、「補正用PSD」と記す。
通常、サンプルの表面及び内部において、材料及び形状が一定である領域を走査して得られる信号のばらつきは、画像を用いた検査計測の観点からは、ノイズとして、検査計測の妨げとなるものであった。これに対して、本実施例ではこの信号のばらつきを積極的に活用し、そのような領域における理想信号プロファイルのPSDの期待値が定数になることを利用して、補正用PSD106を得るものである。
以上説明した補正用PSDを得る工程には、以下の特徴的な処理を含む。第1の処理は、実信号プロファイルのPSDの期待値104が、定数関数である理想信号プロファイルのPSDの期待値102と補正用PSD106との積とみなせるよう、信号がホワイトノイズになるような領域の画像データを取得する工程である。この工程は、ランダムな信号以外が現れない領域を撮像した画像全体から実信号プロファイル103に相当する信号を抽出してデータ処理してもよく、あるいは画像からランダムな信号以外がないと判断される領域を抽出し、当該領域から実信号プロファイル103に相当する信号を取り出してデータ処理してもよい。いずれにしても、実信号プロファイルのPSDを算出するために用いる領域の信号が、ホワイトノイズとみなし得るランダムな信号で構成されていると判断する処理が必要である。
ここで、荷電粒子ビームを照射せずに画像データを取得する方法は不適切である。補正用PSD106の算出には、ある程度高い信号強度を持ったランダムな信号が窓関数105の影響を経た後の信号である信号プロファイル103が必要であるためである。荷電粒子ビームを照射することなく画像データを取得した場合、窓関数105を通る前に生じるランダムな信号はほぼゼロとなることから、画像データは電気回路等で生じるノイズで構成されている。窓関数105の影響を経た後で電気回路等において添加されたランダムな信号(ノイズ)は計算の誤差でしかない。本実施例では、信号強度に影響するサンプル表面及び内部において、材料及び形状が一定であるような領域に荷電粒子ビームを照射して画像データを取得する。これにより、単位面積あたりの入射電子数に生じるばらつき、発生する二次電子数のばらつきなどによってランダムな信号が窓関数105の影響を受け、十分な信号強度をもった実信号プロファイルを得ることができる。言い換えれば、実信号プロファイルが十分な信号強度を有するとは、電気回路等において添加されるランダムな信号(ノイズ)が無視できる程度に大きいということである。この条件は、荷電粒子ビームを照射して画像データを取得している場合には、装置が設置された環境が適切であれば一般に満たされると考えてよい。
補正用PSDを適切に取得するため、荷電粒子線装置は、観察対象の情報に従って操作者が判断して画像データを取得する特定の領域を指定できる入力装置を備える。あるいは、取得した画像にフィルタをかけてノイズ以外の成分に対応する指標値を出力する計算装置と指標値に従って操作者が特定の領域を指定できる入力装置との組み合わせを備える。あるいは、前述の指標値に従って自動で特定の領域を指定する計算装置を備える。
第2の処理は、複数の信号プロファイルについてPSDを算出し、平均化する工程である。ランダムノイズのPSD成分の誤差は100%である。言い換えれば1つの信号プロファイルのPSDの値はその期待値から大きくばらついている。したがって、補正用PSD106を信頼性よく得るためには、信号プロファイルを数多く取得し、それらのPSDを平均化する工程が必須である。ただし、本実施例の場合、多数の信号プロファイルを得ること自体は、取り扱うデータが画像データ、すなわち複数の信号プロファイルの集合体であるから、比較的容易である。
時間的な信号の広がりの影響を除去する補正を行いたい対象画像に対して行う処理を以下に纏める。まず、ランダムな信号以外のデータがない画像あるいは画像領域から抽出した信号プロファイルI(i,x)をフーリエ変換して、フーリエ係数A(i,f)を得る。ここで、iは信号プロファイルの番号(i=1~m)、xは画像における水平方向の位置、fは空間周波数である。水平方向の位置は画素を単位として指定される。次いで、A(i,f)からi番目の信号プロファイルのPSDを計算し、得られたm個のPSDを平均してP(f)を得る。P(f)は、信号強度の期待値が均一である領域における実信号プロファイルのPSDの期待値であり、前述した通り、補正用PSDである。
一方、補正をかけたい画像を信号プロファイルに分解する。信号プロファイルをJ(k,x)とする。ここで、kは信号プロファイルの番号である(k=1~n)。次にJ(k,x)をフーリエ変換して、フーリエ係数B(k,f)を得る。補正後のフーリエ係数B’(k,f)とフーリエ係数B(k,f)との間には(数1)の関係が成立するので、(数1)を用いて補正後のフーリエ係数B’(k,f)を算出する。
Figure 0007336540000001
次にB’(k,f)を逆フーリエ変換することにより、補正された信号プロファイルJ’(k,x)を得る。これをn個の信号プロファイルに対して繰り返し行って、補正された信号プロファイルJ’(k,x)から補正画像を得る。
なお、上記ではフーリエ係数A(i,f)を求めてP(f)を求める例を示したがI(i,x)から自己相関関数R(I,r)を求め、これを平均化したものをフーリエ変換してもP(f)は求められる。両者は数学的に等価であるから、演算時間の短くなる算出方法を選択すればよい。
図2に検査装置に用いる荷電粒子線装置の例として、走査型電子顕微鏡(SEM)の模式図を示す。筐体201は、電子光学系及び検出系が格納されるカラムとサンプル207(ここではシリコンウエハ)が載置されるステージ208が格納される試料室とを含み、高真空状態に保たれている。電子光学系は、主要な構成として電子線(一次電子)203を放出する電子銃202、電子線203をサンプル207上に集束させるための電子レンズ(集束レンズ204、対物レンズ206)、電子線203をサンプル207上で2次元に走査する偏向器205を有する。偏向器205は、X方向への荷電粒子線の走査を、X方向と直交するY方向に位置をずらしながら繰り返すことにより、電子線203を2次元に走査する。検出系は、電子線203とサンプル207との相互作用により放出される二次電子209を検出する検出器210を含む。電子光学系及び検出系を構成する構成要素は制御部211により制御される。演算部(コンピュータ)212は、制御部211を通じて電子光学系及び検出系を制御するとともに、検出器210が二次電子209を検出して出力する検出信号に基づく画像を形成する。また、演算部212には、制御情報や画像情報を記憶する記憶装置213が接続されている。
サンプルとして段差のついたシリコンウエハの例を示す。図3にサンプルの観察領域を示す。トップビュー300は、縦横とも3000 nmの正方形の領域である。断面301は、トップビュー300に示した直線A-Bに沿った断面であり、同様に、断面302は、トップビュー300に示した直線C-Dに沿った断面である。なお、トップビュー300において、段差の境界を太い線によって示している。トップビュー300における領域303は補正用PSDを算出するために補正用データを取得する領域、領域304、305は分解能評価のために評価用データを取得する領域であり、領域303~305は、すべて一辺512 nmの正方形領域である。
図4は、補正用PSDを取得するために走査型電子顕微鏡が取得する画像400である。画像400に相当するサンプル上の領域はトップビュー300の一部であり、図4には補正用データ領域303に相当する領域を破線により示している。走査型電子顕微鏡による電子線の走査は紙面の左から右方向に行われている。なお、実際の走査型電子顕微鏡で取得される画像は例えば、256階調のグレイスケールで表されるが、図4では単純化し、特に明るい(信号強度が高い)部分を白(実線)で、暗い(信号強度が低い)部分を黒で表している。二次電子検出器からの検出信号に基づく画像は、サンプル表面の段差において信号強度が高くなる。
補正用PSDを算出するフローチャートを図5Aに示す。補正用PSDの算出は、操作者の指示により演算部212が実行する。演算部212はコンピュータとしてのハードウェアを備えている。すなわち、ストレージ(例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)など)に記憶されたプログラムを、プロセッサがメモリ(RAM(Random Access Memory))に呼び出し、実行する。また、操作者の指示は演算部212の備えるキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置を用いて、モニタに表示されるGUI(Graphical User Interface)画面から入力される。なお、補正用PSDを算出するプログラムをスタートさせる前あるいはスタートと並行して、操作者は走査型電子顕微鏡にサンプルのウエハを投入し、ステージ及び光学系を調整しておく。
まず工程501にて、演算部212は、操作者に補正用PSDを得るための領域(補正用データ領域)周辺を撮像するよう、演算部212のモニタに表示されるGUIを通じて指示する。操作者は、工程502にて電子光学系及び検出系を制御して、例えば、サンプルのトップビュー300の左上領域を走査し、図4に示したような一辺が1000 nmの正方形の画像を取得する。画像を構成する画素のサイズは0.5 nmであり、したがって、この場合の画素数は2000×2000である。撮像が終了すると、操作者は撮像した画像から補正用データ領域を探索するアルゴリズムを起動する。
工程503では、演算部212は操作者が撮像した画像(原画像)を解析し、補正用データ取得のための推奨領域を表示する。推奨領域を表示するGUI画面510の例を図5Bに示す。演算部212は原画像を読み込み、GUI画面510の原画像表示領域511に表示するとともに、画像サイズ表示欄512に原画像の画素数を表示する。操作者は、補正用データを一辺が512nm(1024画素)の領域とすることにし、補正用データ領域サイズ設定欄513にその値を入力する。
演算部212は、原画像から指定されたサイズの補正用データ領域として最適な領域を探索する。その一例について説明する。原画像は、2000×2000に並べられた信号強度の値の集合、すなわち行列である。このうち外周2行2列を除いた1996×1996の画素に対して、自分自身を中央とする5×5の領域の信号強度の平均値を割り当てる。この処理は、5×5の平均化フィルタをかけることに相当する。
得られた平均信号強度の配列をP(x,y)とする。ここでx及びyは1から1996までの整数であり、画素の位置を表す。次に、位置の変数(x,y)に対して、以下の(数2)に示される指標Qを割り当てる。
Figure 0007336540000002
ここでAbs[α]はαの絶対値である。また、配列の右端と下端に計算不可能な領域が存在するが、当該領域は分析対象から外す。分析対象となる領域において、一辺が512 nmの領域(1024×1024画素)であって、かつ領域内のすべての画素の指標Qの値があらかじめ設定していた基準値以下となる領域を探索し、その中でも最も領域内の指標Qの合計値が低い領域を抽出する。
本指標による探索方法は一例であり、この方法に限られない。複数の探索アルゴリズムや指標を備えて選択するようにしてもよい。この場合は、GUI画面510にフィルタ選択欄514を設け、操作者はフィルタ選択欄514から適用するフィルタを選択し、探索ボタン515をクリックすることで探索を開始させる。また、前記のような平均化フィルタを適用する場合、フィルタサイズを可変としてフィルタサイズの入力欄を設けてもよい。
演算部212は、補正用データ領域の探索が完了すると、抽出した補正用データ領域として推奨する領域を操作者に表示する。GUI画面510(図5B)に表示例を示す。この例では、推奨領域522をフィルタ画像表示欄521に表示されるフィルタ画像内に表示する。フィルタ画像は図5Bでは単純に白黒で表示されているが、画素値を指標Qの値として、濃淡で表したものであり、原画像よりもぼけた画像になる。GUI画面510に、補正用データ領域として推奨領域522でよいかどうかを問うウインドウをポップアップさせてもよい。
工程504で、操作者は補正用データ領域を決定する。操作者が推奨領域522を補正用データ領域とすることを選択する場合は、決定ボタン523をクリックする。このとき、推奨領域522として示している白枠を操作者の指示によって移動可能とし、操作者が目視で判断して白枠を移動させてから決定ボタン523をクリックすることを可能としてもよい。その場合は、移動後の白枠の領域が補正用データ領域として設定される。
以上では、演算部212が補正用データ取得のための推奨領域を表示する例を示したが、演算部212では推奨領域の探索(工程503)を行うことなく、単に原画像をGUI画面に表示して補正用データ領域の設定を操作者に委ねるようにしてもよい。逆に、工程504を行わず、演算部212が探索した領域を自動的に補正用データ領域として設定するフローとすることもできる。
工程505では、選択された512 nm四方の補正用データ領域(画素数は1024×1024)を切り出し、そのデータをX方向に長いリボン状の領域に分割する。前述したように、X方向は走査型電子顕微鏡の走査方向であり、原画像の水平方向である。この1つのリボン状の領域のデータをグラフ化したものがグラフ103に相当する。これにより、選択された補正用データ領域から、データ数1024の信号プロファイルが1024個得られる。補正用PSDを算出するための平均化には十分な個数である。
前述したように、各信号プロファイルをフーリエ変換してPSDを求め、得られた1024個の信号プロファイルのPSDを平均化することにより、補正用PSD((数1)のP(f))を得る。なお、fは(数3)に示される空間周波数である。
Figure 0007336540000003
ここで、Δfは基本周波数であり、補正用データ領域303のX方向の長さの逆数である。また、sは自然数である。
工程506では、演算部212は得られた補正用PSDをグラフ化してモニタに表示し、工程507で補正用PSDのデータを保存するか否かにつき、操作者の選択を求める。操作者は、補正用PSDのグラフ(図1のグラフ104に相当)が表示されることにより、補正用PSDとして十分滑らかなデータが得られているかどうかを判断することができる。操作者が保存を選択すると工程508に進み、補正用PSDのデータに名前を付けて記憶装置213へのパスを示し、原画像取得時の条件を記したデータとともに保存する。これにより、補正用PSD(P(f))に相当するデータのテーブルが記憶装置213に保存され、以上により補正用PSDの取得が完了する。
一方、補正用PSDとして十分滑らかなデータが得られていないといったような場合は、操作者は補正用PSDの保存を選択することなく、補正用データ領域の決定からやり直す(工程504)。
補正用PSDを用いて分解能評価を行うには、操作者は図3に示す領域304及び領域305にて分解能評価用画像を取得し、記憶装置213に保存する。ここで、分解能評価用画像の信号プロファイルにおけるデータ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔、及び走査速度(隣接するデータのそれぞれの画像における間隔を電子線が走査するのに要する時間)と、補正用PSDを取得するための信号プロファイルにおけるデータ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔、及び走査速度とは揃えておく必要がある。データ数及び隣接するデータのそれぞれの画像における間隔は、フーリエ変換、フーリエ逆変換を行う対象とする信号プロファイル同士の大きさを揃えるためである。また、本実施例が課題とする時間的な信号の広がりは、電子線の走査速度に対して実機の信号処理が遅延することに起因するため、走査速度を分解能評価用画像の信号プロファイルと補正用PSDを取得するための信号プロファイルとで揃えておく必要がある。
このため、最も単純な方法としては、分解能評価用画像を取得するときの画素サイズ、画像サイズ及び電子線の走査速度(あるいは、これらに関係する検出系の設定パラメータ)を、補正用データ用画像を取得するときの画素サイズ、画像サイズ及び電子線の走査速度と一致させればよい。画像の画素サイズ、画像サイズは厳密にはX方向(電子線の走査方向)の画素サイズ、X方向の画像サイズが揃っていればよく、これは補正用PSDを求めるためにX方向に長いリボン状の領域の信号プロファイルを対象としてフーリエ変換を行っているためである。ただし、画像におけるこれらの条件が異なっていても、信号プロファイルとした段階で、走査速度、データ間隔及びデータ数とが分解能評価用画像の信号プロファイルと補正用PSDを取得するための信号プロファイルとの間で揃っている限りは問題ない。なお、分解能評価用画像の取得は、補正データ用画像の取得の前後を問わない。あるいは、補正用データ領域と分解能評価領域を含む画像を一度に撮影しておき、各領域の撮像結果を切り出してもよい。
分解能評価は、分解能評価用画像に時間的な信号の広がりの影響を補正するプログラムを実行して、時間的な信号の広がりに起因するぼけが補正された画像によって行う。図6に、分解能評価用画像に対して時間的な信号の広がりの影響を補正するフローチャートを示す。演算部212は、ストレージから図6のフローに対応するプログラムを呼び出して実行する。
まず工程601で、操作者は、ファイル名を指定して補正用PSDデータ(P(f))を呼び出す。次に工程602では、操作者は、ファイル名を指定して分解能評価用画像データを呼び出す。工程603では、演算部212は、補正用PSDと分解能評価用画像それぞれに付随している画像取得時の条件を記したデータファイルを照合し、前述した画素サイズ、画像サイズ、走査速度が同じであれば次の工程604に進む。違っていれば工程605に進み、工程601に戻って、操作者に条件が一致する補正PSDデータの再指定を依頼する。
工程604では、演算部212は分解能評価用画像を信号プロファイルに分割する。図7に工程602で呼び出した補正前の分解能評価用画像700を示す。これは図3に示した領域304の撮像結果であり、画像中央の太い白線はシリコンの段差がある部分を示している。図中に画素位置を指定するためのX及びY座標の方向を記した。X, Yとも画素の番号であり、値は1から1024の値をとる。信号プロファイルは、Y座標一定の画素の明度(すなわち、信号強度)の数値の列である。これをJ(k,x)と表記する。
工程606では、演算部212はJ(k,x)(x=1~1024)をフーリエ変換し、複素フーリエ係数B(k,f)を得る。kを1からk_max(本実施例では1024)まで変化させ、分解能評価用画像700のすべての信号プロファイルのフーリエ係数B(k,f)を得る。
工程607では、演算部212は(数1)に従って、すべてのkの値に対してB’(k,f)を求める。次に工程608ですべてのk(k=1~1024)に対してB’(k,f)を逆フーリエ変換してJ’(k,x)を得る。工程609ではk_max(1024)個の数値列J’(k,x)を信号プロファイルとみなし、信号プロファイルJ’(k,x)をkの昇順にY方向に並べることによって画像を再構成する。再構成された補正画像は、分解能評価用画像700の各画素の明度であるJ(k,x)をJ’(k,x)に置き換えたものに相当する。以上で、画像の補正は完了である。演算部212はモニタに補正画像を表示し、工程609にて操作者は補正画像データを保存するかどうかを判断し(工程610)、保存する場合には名前を付けて保存し(工程611)、フローを終了する。
図8A~Bに、図3に示した領域304、305の画像を図6に示したフローにより補正し、補正前後の画像の信号強度分布を示す。図8Aは領域304の画像のY=512における信号強度分布であり、X座標が350~650の範囲を示している。図8Bは領域305の画像のX=512における信号強度分布であり、Y座標が350~650の範囲を示している。ここからわかるように、補正前はX方向にはY方向よりも信号ピークが広がっていたが、補正後はX方向もY方向も信号ピークの広がりは同じ程度になっている。補正後のピーク幅は、信号処理における遅延の影響が除去された電子光学系の分解能を反映しているといえるので、補正後のピーク幅を分解能指標として装置状態を管理することで、より精確に装置の状態を把握できる。例えば、補正後の画像からは信号処理における遅延の影響が除去されているので、残りのぼけの原因(空間的な信号の広がり、あるいはステージの振動など)を特定することが容易になる。
このように、実施例1では、検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のPSDを用いて画像の尾引き現象を解消することができ、窓関数のPSDは検査計測に用いる走査速度で撮像した補正用データ領域の画像から算出することができるので、小さなオーバーヘッドで正確に時間的に信号の広がりの影響を除去し、荷電粒子線装置の分解能評価を行うことが可能になる。
実施例2として、複数の撮像条件に対する補正用PSDを予め取得して検査装置に保存しておき、保存された補正用PSDを用いて半導体製造現場において検査画像を補正し、補正された検査画像に基づき検査を行う検査装置について説明する。検査装置に用いる荷電粒子線装置としては、実施例1と同様に図2に示す走査型電子顕微鏡を用いることができる。
まず、補正用PSDを取得する工程について説明する。操作者が補正用PSDを取得するために定める条件の例を図9に示す。ここでは、電子線の加速電圧、1画素の1辺のサイズ、補正用データ領域の画素数、補正用データ領域をX方向に1回走査するのに要する走査時間、の4つの撮像パラメータである。この場合、4つの撮像パラメータの組み合わせによって、全部で60通りのパラメータセットとなる。なお、撮像パラメータには、実施例1において説明した画像の画素サイズ、画像サイズ、電子線の走査速度を特定する情報を含む必要がある。なお、特定する条件としては、信号プロファイルにおけるデータ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔及び走査速度(隣接するデータのそれぞれの画像における間隔を電子線が走査するのに要する時間)が特定可能であれば、例示以外の条件で特定するようにしてもよい。さらに時間的な信号の広がりに由来する走査方向のぼけに影響を与えるパラメータを追加することにより、取得画像に含まれる走査方向の尾引きをより適切に解消することが期待できる。この例では、電子線の加速電圧がパラメータとして追加されている。サンプルに照射される電子の量が多い程、取得画像への影響が表れやすいためである。
補正用PSDの取得のために用いるサンプル(ウエハ)の例を図10に示す。ウエハ上には一辺5μmの領域に浅く番号(「23」,「24」・・・)がエッチングされており、番号領域1000の1μm右に焦点や非点収差を調整するためのホールパターン1001がエッチングされている。番号領域1000には01から99までの数字がエッチングされる。この数字は、補正用データ領域画像を取得する位置を特定するために用いられる。ある番号の番号領域1000とホールパターン1001のセットは、他の番号のセットと互いに10 μm離れるように配置されている。
操作者は60種類のパラメータセットごとに、補正用PSDを取得するための補正用データ領域の画像を取得する。この場合、図9に示す条件のうち一つ、例えば加速電圧500V、画素サイズ0.5 nm、画素数512×512、走査時間2.5 msを設定し、撮像を開始する。操作者はサンプル上の番号領域1000に示された数字を探し、その右に位置するホールパターン1001を用いて光学条件を合わせた後、そこから紙面で右に相当する方向に4μm移動して撮像し、画像を保存した。撮像される領域は、信号強度に影響するサンプル表面及び内部において、材料及び形状が一定の領域となっている。続いて、次のパラメータセットに変更して、異なる番号領域1000の数字を探して、同じ手順で撮像を繰り返し行う。
60種類のパラメータセット全てについて、補正用データ領域の画像を撮り終えた後、操作者は図11に示す手順で、それぞれの補正用データ領域の画像から補正用PSDを作成する。まず、操作者は取得した補正用データ領域の画像を呼び出す(工程1101)。工程1102では、演算部212は図5Aのフローにおける工程505と同じ処理を実行する。すなわち、補正用データ領域の画像をX方向に長いリボン状の領域に分割し、補正用データ領域の画像のY方向の画素数と同じ数の信号プロファイルを得る。各信号プロファイルをフーリエ変換してPSDを求め、得られたPSDを平均化して補正用PSD((数1)のP(f))を得る。
工程1103では、演算部212は図5Aのフローにおける工程506と同じ処理を実行する。演算部212は得られた補正用PSDをグラフ化してモニタに表示し、工程507で補正用PSDのデータを保存するか否かにつき、操作者の選択を求める。操作者が保存を選択すると工程1104に進み、補正用PSDのデータに名前を付けて記憶装置213へのパスを示し、補正用データ領域の画像取得時の条件を記したデータとともに保存する。図11に示す手順を60種類のパラメータセットごとに取得した補正用データ領域の画像に適用することで、撮像条件ごとの補正用PSDの取得が完了する。
実施例2では、記憶装置213に保存された補正用PSDデータを用いて時間的な信号の広がりの影響を補正した検査画像によって微細パターンの検査を行う。図12にそのフローを示す。
操作者は、図2の装置に検査を行うサンプルを投入し、予め定めておいた検査箇所の画像を取得する(工程1201)。この検査画像1300に現れたパターン例の模式図を図13Aに示す。また、検査を実行するGUI画面1400の例を図14に示す。演算部212は、撮像した検査画像を検査画像表示領域1401に表示する。撮像した検査画像の撮像条件と補正用PSDデータの撮像条件のうち、操作者が合致させたい項目は予め登録されており、補正データ選択条件欄1402に表示されている。この例では、補正用PSDの取得時にパラメータセットを設定するために選択した4つの撮像パラメータが合致させるべき撮影条件の項目として表示されている。続いて、工程1202にて操作者は、その撮像条件に合致すると思われる補正用PSDデータをそのファイル名を指定して呼び出す。GUI画面1400の場合、操作者はファイル名入力欄1403に補正用PSDデータファイル名を入力し、チェックボタン1404をクリックすると、演算部212は、検査画像の撮像条件と指定された補正用PSDデータの撮像条件とを照合する(工程1203)。撮像条件が合わない場合は撮像条件が不一致であることをGUI画面1400に表示し(工程1205)、再度、補正用PSDデータの指定を要求する(工程1202)。一方、撮像条件があっている場合には、撮像条件が一致であることをGUI画面1400に表示する(工程1204)。ここでさらに、操作者がトライアルボタン1405をクリックすると、指定した補正用PSDデータを用いて補正された画像が補正検査画像表示領域1406に表示され、操作者は検査画像表示領域1401に表示されている補正前の検査画像と比較して、補正が適切にされていることが確認できる。なお、補正用PSDを撮像条件で選択する例について説明しているが、信号プロファイルの条件(データ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔及び走査速度(隣接するデータのそれぞれの画像における間隔を電子線が走査するのに要する時間))で選択するようにしてもよい。
以下、適切に補正できることが確認された補正用PSDデータを用いて検査を実行する。サンプル上の85箇所が検査箇所としてあらかじめ指定されているものとする。工程1206では、演算部212は、85箇所の検査箇所を撮像し、撮像した検査画像について自動で指定された補正用PSDデータを用いて検査画像を補正する。図13Bは撮像された検査画像1300を補正した補正検査画像1310の模式図である。検査内容が検査画像に含まれている第1のパターンP1と第2のパターンP2との最短距離dであったとする。演算部212は、補正検査画像からパターン間の最短距離dとして距離D’を読み取る。工程1206では、検査箇所の撮像、補正及び補正検査画像に基づく距離の計測を85箇所で実施し、最短距離dの平均値と標準偏差を算出する。工程1207において、演算部212は検査結果として、最短距離dの平均値と標準偏差を表示するとともに、補正前の検査画像と補正後の補正検査画像及び計測した最短距離dの値を自動で保存する(工程1208)。工程1207で得られた検査結果がデバイス製造において許容範囲であれば、対象のウエハは次の工程に送られる。
補正用PSDデータを用いた補正を行わなければ、図13Aに示すように、検査画像1300には時間的な信号の広がりに由来して走査方向(X方向)にぼけが生じているため、最短距離dとして距離Dが読み取られることになる。このため、第1のパターンP1と第2のパターンP2との最短距離dは実際よりも狭く評価されてしまう(距離D<距離D’)。これにより、実際には許容範囲内であるパターンを許容範囲外であると誤判定してしまう可能性が高まる。実施例2では、補正画像により検査を行うことにより、デバイス製造にかかわる重要箇所の計測がより高精度で行えるようになり、歩留まりを向上させることができる。
101, 102, 103, 104, 106…グラフ、105…窓関数、201…筐体、202…電子銃、203…電子線、204…集束レンズ、205…偏向器、206…対物レンズ、207…サンプル、208…ステージ、209…二次電子、210…検出器、211…制御部、212…演算部(コンピュータ)、213…記憶装置、300…トップビュー、301, 302…断面、303, 304, 305…領域、400…画像、510…GUI画面、511…原画像表示領域、512…画像サイズ表示欄、513…補正用データ領域サイズ設定欄、514…フィルタ選択欄、515…探索ボタン、521…フィルタ画像表示欄、522…推奨領域、523…決定ボタン、700…分解能評価用画像、1000…番号領域、1001…ホールパターン、1300…検査画像、1310…補正検査画像、1400…GUI画面、1401…検査画像表示領域、1402…補正データ選択条件欄、1403…ファイル名入力欄、1404…チェックボタン、1405…トライアルボタン、1406…補正検査画像表示領域。

Claims (15)

  1. 荷電粒子線を放出する荷電粒子線源と、前記荷電粒子線をサンプル上に集束させる複数のレンズと、前記荷電粒子線を前記サンプル上で走査する偏向器とを含む荷電粒子光学系と、
    前記荷電粒子線と前記サンプルとの相互作用により放出される二次荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記サンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号に基づく第1の画像データを補正して第2の画像データを生成する演算部とを有し、
    前記偏向器は、第1の方向への前記荷電粒子線の走査を、前記第1の方向と直交する第2の方向に位置をずらしながら繰り返すことにより、前記荷電粒子線を前記サンプル上で2次元に走査し、
    前記演算部は、前記第1の画像データから抽出されるn個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第1の信号プロファイルと前記検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のパワースペクトル密度P(f)(f:空間周波数)とを用いて前記第2の画像データを生成し、
    前記演算部は、補正用データ領域を含むサンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力された前記検出信号に基づき、前記補正用データ領域に相当する第3の画像データから前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出し、
    前記演算部は、前記第3の画像データから抽出されるm個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第3の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数A(i,f)(i=1~m)のパワースペクトル密度を算出し、m個の前記フーリエ係数A(i,f)のパワースペクトル密度の平均をとることにより、前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出する荷電粒子線装置。
  2. 荷電粒子線を放出する荷電粒子線源と、前記荷電粒子線をサンプル上に集束させる複数のレンズと、前記荷電粒子線を前記サンプル上で走査する偏向器とを含む荷電粒子光学系と、
    前記荷電粒子線と前記サンプルとの相互作用により放出される二次荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記サンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号に基づく第1の画像データを補正して第2の画像データを生成する演算部とを有し、
    前記偏向器は、第1の方向への前記荷電粒子線の走査を、前記第1の方向と直交する第2の方向に位置をずらしながら繰り返すことにより、前記荷電粒子線を前記サンプル上で2次元に走査し、
    前記演算部は、前記第1の画像データから抽出されるn個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第1の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数B(k,f)(k=1~n)と前記検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のパワースペクトル密度P(f)からフーリエ係数B’(k,f)を算出し、前記フーリエ係数B’(k,f)を逆フーリエ変換して得られるn個の第2の信号プロファイルに基づき前記第2の画像データを生成し、
    前記フーリエ係数B’(k,f)と前記フーリエ係数B(k,f)及び前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)とは、
    Figure 0007336540000004
    の関係を有し、
    前記演算部は、補正用データ領域を含むサンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力された前記検出信号に基づき、前記補正用データ領域に相当する第3の画像データから前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出し、
    前記演算部は、前記第3の画像データから抽出されるm個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第3の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数A(i,f)(i=1~m)のパワースペクトル密度を算出し、m個の前記フーリエ係数A(i,f)のパワースペクトル密度の平均をとることにより、前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出する荷電粒子線装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の信号プロファイルと前記第3の信号プロファイルとは、データ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔、及び前記間隔を前記荷電粒子線が走査するのに要する時間が等しい荷電粒子線装置。
  4. 請求項1または2において、
    前記第1の画像データと前記第3の画像データとは、前記第1の方向の画素サイズ、前記第1の方向の画像サイズ、及び画像データを取得したときの前記第1の方向への前記荷電粒子線の走査速度が等しい荷電粒子線装置。
  5. 請求項1または2において、
    前記補正用データ領域は、前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号の信号強度の期待値が均一である荷電粒子線装置。
  6. 請求項1または2において、
    前記補正用データ領域は、前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号の信号強度に影響するサンプルの表面及び内部において、材料及び形状が一定な領域である荷電粒子線装置。
  7. 請求項1または2において、
    前記演算部は、前記補正用データ領域を含むサンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力された前記検出信号に基づく第4の画像データから前記補正用データ領域として推奨する推奨領域を抽出し、
    前記推奨領域は、前記第4の画像データを構成する画素の信号強度に対してあらかじめ設定したフィルタを適用して前記第4の画像データを構成する画素ごとの指標値を求め、前記指標値に基づき抽出される荷電粒子線装置。
  8. 複数の検査箇所においてサンプル上に形成されたパターンを検査する検査装置であって、
    荷電粒子線を放出する荷電粒子線源と、前記荷電粒子線をサンプル上に集束させる複数のレンズと、前記荷電粒子線を前記サンプル上で走査する偏向器とを含む荷電粒子光学系と、
    前記荷電粒子線と前記サンプルとの相互作用により放出される二次荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記サンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号に基づく第1の画像データを補正して第2の画像データを生成する演算部と、
    前記検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のパワースペクトル密度P(f)を複数記憶する記憶装置とを有し、
    前記偏向器は、第1の方向への前記荷電粒子線の走査を、前記第1の方向と直交する第2の方向に位置をずらしながら繰り返すことにより、前記荷電粒子線を前記サンプル上で2次元に走査し、
    前記演算部は、前記第1の画像データから抽出されるn個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第1の信号プロファイルと前記記憶装置から呼び出された第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)(f:空間周波数)とを用いて前記第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに基づき前記第1の画像データに撮像されたパターンの良否を判定し、
    前記演算部は、あらかじめ定められた複数の撮像条件ごとに補正用データ領域を含むサンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力された前記検出信号に基づき、前記補正用データ領域に相当する複数の第3の画像データからそれぞれ複数の前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出して、前記記憶装置に撮像条件とともに記憶し、
    前記演算部は、前記第3の画像データから抽出されるm個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第3の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数A(i,f)(i=1~m)のパワースペクトル密度を算出し、m個の前記フーリエ係数A(i,f)のパワースペクトル密度の平均をとることにより、前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出する検査装置。
  9. 複数の検査箇所においてサンプル上に形成されたパターンを検査する検査装置であって、
    荷電粒子線を放出する荷電粒子線源と、前記荷電粒子線をサンプル上に集束させる複数のレンズと、前記荷電粒子線を前記サンプル上で走査する偏向器とを含む荷電粒子光学系と、
    前記荷電粒子線と前記サンプルとの相互作用により放出される二次荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記サンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号に基づく第1の画像データを補正して第2の画像データを生成する演算部と、
    前記検出器における信号処理遅延に相当する窓関数のパワースペクトル密度P(f)を複数記憶する記憶装置とを有し、
    前記偏向器は、第1の方向への前記荷電粒子線の走査を、前記第1の方向と直交する第2の方向に位置をずらしながら繰り返すことにより、前記荷電粒子線を前記サンプル上で2次元に走査し、
    前記演算部は、前記第1の画像データから抽出されるn個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第1の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数B(k,f)(k=1~n)と前記記憶装置から呼び出された第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)からフーリエ係数B’(k,f)を算出し、前記フーリエ係数B’(k,f)を逆フーリエ変換して得られるn個の第2の信号プロファイルに基づき前記第2の画像データを生成し、
    前記フーリエ係数B’(k,f)と前記フーリエ係数B(k,f)及び前記第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)とは、
    Figure 0007336540000005
    の関係を有し、
    前記演算部は、あらかじめ定められた複数の撮像条件ごとに補正用データ領域を含むサンプル上で前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力された前記検出信号に基づき、前記補正用データ領域に相当する複数の第3の画像データからそれぞれ複数の前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出して、前記記憶装置に撮像条件とともに記憶し、
    前記演算部は、前記第3の画像データから抽出されるm個の前記第1の方向の信号強度分布に相当する第3の信号プロファイルをフーリエ変換したフーリエ係数A(i,f)(i=1~m)のパワースペクトル密度を算出し、m個の前記フーリエ係数A(i,f)のパワースペクトル密度の平均をとることにより、前記窓関数のパワースペクトル密度P(f)を算出する検査装置。
  10. 請求項8または9において、
    前記演算部は、前記第1の信号プロファイルと前記第3の信号プロファイルとの間で、データ数、隣接するデータのそれぞれの画像における間隔、及び前記間隔を前記荷電粒子線が走査するのに要する時間が等しくなるよう、前記第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)を前記記憶装置から呼び出す検査装置。
  11. 請求項8または9において、
    前記演算部は、前記第1の画像データと前記第3の画像データとの間で、前記第1の方向の画素サイズ、前記第1の方向の画像サイズ、及び画像データを取得したときの前記第1の方向への前記荷電粒子線の走査速度が等しくなるよう、前記第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)を前記記憶装置から呼び出す検査装置。
  12. 請求項11において、
    前記演算部は、さらに前記第1の画像データを取得したときの前記荷電粒子線の加速電圧と前記第3の画像データを取得したときの前記荷電粒子線の加速電圧とが等しくなるよう、前記第1の窓関数のパワースペクトル密度P(f)を前記記憶装置から呼び出す検査装置。
  13. 請求項8または9において、
    前記補正用データ領域は、前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号の信号強度の期待値が均一である検査装置。
  14. 請求項8または9において、
    前記補正用データ領域は、前記荷電粒子線を2次元に走査し、前記検出器から出力される前記検出信号の信号強度に影響するサンプルの表面及び内部において、材料及び形状が一定な領域である検査装置。
  15. 請求項において、
    前記演算部は、前記第1の画像データに撮像されたパターンと前記第2の画像データにおける補正されたパターンとをモニタに表示する検査装置。
JP2021572189A 2020-01-22 2020-01-22 荷電粒子線装置及び検査装置 Active JP7336540B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/002115 WO2021149188A1 (ja) 2020-01-22 2020-01-22 荷電粒子線装置及び検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021149188A1 JPWO2021149188A1 (ja) 2021-07-29
JP7336540B2 true JP7336540B2 (ja) 2023-08-31

Family

ID=76991835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021572189A Active JP7336540B2 (ja) 2020-01-22 2020-01-22 荷電粒子線装置及び検査装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7336540B2 (ja)
KR (1) KR20220103140A (ja)
TW (1) TWI769662B (ja)
WO (1) WO2021149188A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008177064A (ja) 2007-01-19 2008-07-31 Hitachi High-Technologies Corp 走査型荷電粒子顕微鏡装置および走査型荷電粒子顕微鏡装置で取得した画像の処理方法
JP2012142211A (ja) 2011-01-04 2012-07-26 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置及びその検出信号の補正方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02236938A (ja) * 1989-03-10 1990-09-19 Hitachi Ltd 画像復元方法並びに走査型電子顕微鏡及びパターン外観検査装置及び走査像検出装置
JP3749107B2 (ja) * 1999-11-05 2006-02-22 ファブソリューション株式会社 半導体デバイス検査装置
US6815693B2 (en) * 2000-02-18 2004-11-09 Nikon Corporation Charged-particle-beam microlithography apparatus and methods including proximity-effect correction
JP5639590B2 (ja) 2009-08-07 2014-12-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査型電子顕微鏡及び試料観察方法
CN112424903A (zh) * 2018-07-13 2021-02-26 Asml荷兰有限公司 Sem图像增强方法和系统

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008177064A (ja) 2007-01-19 2008-07-31 Hitachi High-Technologies Corp 走査型荷電粒子顕微鏡装置および走査型荷電粒子顕微鏡装置で取得した画像の処理方法
JP2012142211A (ja) 2011-01-04 2012-07-26 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置及びその検出信号の補正方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW202129685A (zh) 2021-08-01
JPWO2021149188A1 (ja) 2021-07-29
TWI769662B (zh) 2022-07-01
WO2021149188A1 (ja) 2021-07-29
KR20220103140A (ko) 2022-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8106357B2 (en) Scanning electron microscope and method for processing an image obtained by the scanning electron microscope
JP5202071B2 (ja) 荷電粒子顕微鏡装置及びそれを用いた画像処理方法
US20110187847A1 (en) Scanning type charged particle microscope device and method for processing image acquired with scanning type charged particle microscope device
WO2011089911A1 (ja) 荷電粒子線顕微鏡及びそれを用いた測定方法
US9460889B2 (en) Charged particle microscope device and image capturing method
TWI836541B (zh) 非暫時性電腦可讀媒體及用於監測檢測系統中之束的系統
JP4500099B2 (ja) 電子顕微鏡装置システム及び電子顕微鏡装置システムを用いた寸法計測方法
US6274876B1 (en) Inspection apparatus and method using particle beam and the particle-beam-applied apparatus
TWI494537B (zh) A pattern measuring method, a device condition setting method of a charged particle beam device, and a charged particle beam device
US10943762B2 (en) Inspection system, image processing device and inspection method
US20100078556A1 (en) Electron Beam Apparatus And Method of Generating An Electron Beam Irradiation Pattern
US20190066973A1 (en) Pattern Measuring Method and Pattern Measuring Apparatus
WO2016143467A1 (ja) 荷電粒子ビーム装置及びそれを用いた画像の形成方法
WO2018061135A1 (ja) パターン計測装置、及びコンピュータープログラム
DE112017007862B4 (de) Ladungsträgerstrahlvorrichtung
JP7336540B2 (ja) 荷電粒子線装置及び検査装置
TWI611162B (zh) 相對臨界尺寸之量測的方法及裝置
JP5775948B2 (ja) 荷電粒子顕微鏡装置および画像撮像方法
JP2010182424A (ja) 荷電粒子線の光軸調整方法、及び荷電粒子線装置
WO2017159360A1 (ja) 荷電粒子ビームの評価方法、荷電粒子ビームの評価のためのコンピュータープログラム、及び荷電粒子ビームの評価装置
JP2014106388A (ja) 自動合焦点検出装置及びそれを備える荷電粒子線顕微鏡
JP6162813B2 (ja) 荷電粒子線装置及びその補正フィルタ設定方法
JP2012142299A (ja) 走査型荷電粒子顕微鏡装置および走査型荷電粒子顕微鏡装置で取得した画像の処理方法
JP6858722B2 (ja) 電子ビーム装置及び試料検査方法
JP7288997B2 (ja) 電子ビーム観察装置、電子ビーム観察システム、電子ビーム観察装置における画像補正方法及び画像補正のための補正係数算出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7336540

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150