JP6770575B2 - 表裏反転装置、紙葉類処理機および表裏反転方法 - Google Patents

表裏反転装置、紙葉類処理機および表裏反転方法 Download PDF

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Description

本発明は、紙葉類の表裏を反転させる表裏反転装置、このような表裏反転装置を備えた紙葉類処理機、および紙葉類の表裏を反転させる表裏反転方法に関する。
紙幣の入金処理や出金処理等の様々な処理を行う紙幣処理機として従来から様々なタイプのものが知られている。一般的な紙幣処理機では、紙幣投入口により筐体の外部から内部に投入された紙幣は筐体の内部で1枚ずつ搬送され、識別部により識別された後、例えば金種毎に複数の集積部に分類され、各集積部において紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、各集積部に積層状態で集積される紙幣の表裏を揃えるため、紙幣の表裏を反転させる表裏反転装置が搬送部に設けられる場合がある。このような表裏反転装置として、例えば日本国特許出願に係る特公平3−58984号公報および特開2004−269160号公報、ならびに米国特許第6371303号等に開示されるものが従来から知られている。
日本国特許出願に係る特公平3−58984号公報および特開2004−269160号公報、ならびに米国特許第6371303号等に開示される従来の表裏反転装置では、搬送部から送られた紙幣を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該搬送方向を中心として紙幣全体を一度に180°回転させることにより紙幣の表裏を反転させていた。しかしながら、このような従来の表裏反転装置では紙幣全体が搬送方向を中心として一度に180°回転するため、紙幣の幅方向の長さ分だけ表裏反転装置の内部スペースの高さを確保しなければならず、紙幣処理機における表裏反転装置の設置スペースに制約が生じてしまうという問題があった。また、紙幣全体を一度に180°回転させる場合には紙幣を回転させる機構の構造が複雑となるため、紙幣を回転させる途中で詰まり等のトラブルが生じた場合には、このような紙幣の詰まりを解除するのに手間がかかりメンテナンス性が悪いという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、紙葉類の表裏を反転させるにあたり、紙葉類全体を一度に180°回転させる場合と比較して紙葉類が変位する領域の高さを抑えることができ、また、紙葉類の表裏を反転させる途中で詰まり等のトラブルが生じた場合にもこのような紙葉類の詰まりを容易に解除することができる表裏反転装置、紙葉類処理機および表裏反転方法を提供することを目的とする。
本発明の表裏反転装置は、紙葉類を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における一部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させる上流側反転部と、紙葉類の前記搬送方向における前記上流側反転部の下流側に設けられ、当該上流側反転部から送られた紙葉類を前記搬送方向に沿って搬送しながら前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙葉類全体の表裏を反転させることができる下流側反転部と、を備え、前記上流側反転部は、略90°変位させられた紙葉類の幅方向における一部分を案内する互いに離間して設けられた一対の垂直ガイド部分を含み、各前記垂直ガイド部分の間の距離は前記搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるよう各前記垂直ガイド部分が構成されていることを特徴とする。
本発明の表裏反転装置においては、前記上流側反転部は、位置固定で設けられ、前記搬送方向に沿って搬送される紙葉類の幅方向における一部分を当該搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を案内する上流側固定ガイド部分を含んでいてもよい。
あるいは、前記上流側反転部は、紙葉類の幅方向における一部分を変位させる方向を、前記下流側反転部による紙葉類の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができるようになっていてもよい。
この場合、前記上流側反転部は、搬送路の幅方向において分割され、各々が軸を中心として揺動する複数の分岐爪を含み、各前記分岐爪は他の前記分岐爪から独立して揺動することができるようになっており、各前記分岐爪の位置に基づいて、紙葉類の幅方向における一部分を変位させる方向が、前記下流側反転部による紙葉類の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えられるようになっていてもよい。
本発明の表裏反転装置においては、前記上流側反転部は、略90°変位させられた紙葉類の幅方向における一部分以外の部分を前記下流側反転部に向かって前記搬送方向に沿って搬送する上流側搬送部分を含んでいてもよい。
本発明の表裏反転装置においては、前記上流側反転部は、紙葉類を前記搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における中央部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させるようになっていてもよい。
本発明の表裏反転装置においては、前記上流側反転部は、紙葉類の幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後に当該紙葉類の幅方向における前記一部分よりも右側領域および左側領域のうち一方の領域のみを第1ローラにより搬送し、その後、この紙葉類における略90°変位させられた箇所を第2ローラにより搬送するような構成となっていてもよい。
本発明の表裏反転装置においては、前記上流側反転部は、幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後の紙葉類を案内する一対のガイド部を有しており、前記一対のガイド部は互いに離間するとともに前記一対のガイド部の間で紙葉類が案内されるようになっており、前記一対のガイド部のうち一方のガイド部の表面には、幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後の紙葉類における前記一部分よりも右側領域および左側領域のうち一方の領域を湾曲させる隆起部分が設けられていてもよい。
この場合、前記一対のガイド部のうち他方のガイド部の表面には、紙葉類の幅方向における前記搬送方向を中心として略90°変位させられる一部分を一方のガイド部に向かって折り曲げる折り曲げ部分が設けられていてもよい。
本発明の表裏反転装置においては、前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を案内する下流側固定ガイド部分を含んでいてもよい。
あるいは、前記下流側反転部は、前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を搬送する下流側搬送部分を含み、前記下流側搬送部分は、搬送ベルトおよび搬送ローラのうち少なくとも1つのものから構成されていてもよい。
この場合、前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記下流側搬送部分により搬送される紙葉類の前記搬送方向における先端部分を搬送路の幅方向外側へ案内する紙葉類先端ガイド部分を更に含んでいてもよい。
また、前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記下流側搬送部分により搬送される紙葉類の幅方向における端部分を高さ方向において制限するよう紙葉類を案内する紙葉類高さ制限ガイド部分を更に含んでいてもよい。
本発明の紙葉類処理機は、紙葉類を搬送する搬送部と、前記搬送部に設けられ、当該搬送部により搬送される紙葉類の表裏を反転させる、上記の表裏反転装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の表裏反転方法は、紙葉類を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における一部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させる第1反転工程と、前記第1反転工程により幅方向における一部分が略90°変位させられた紙葉類の前記一部分を、互いに離間して設けられた一対の垂直ガイド部分であって、各前記垂直ガイド部分の間の距離が前記搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなる前記垂直ガイド部分によって案内する案内工程と、前記案内工程により案内された、前記第1反転工程により幅方向における一部分が略90°変位させられた紙葉類を、前記搬送方向に沿って搬送しながら略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙葉類全体の表裏を反転させる第2反転工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の実施の形態による紙幣処理機の外観を示す斜視図である。 図1に示す紙幣処理機の内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図1等に示す紙幣処理機の機体内に設けられた表裏反転装置の構成を示す斜視図である。 図3に示す表裏反転装置の上面図である。 図3および図4に示す表裏反転装置における上流側反転部の構成を示す斜視図である。 図3および図4に示す表裏反転装置における下流側反転部の構成を示す斜視図である。 図5に示す上流側反転部において第1分岐爪が上方位置に位置するとともに第2分岐爪が下方位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。 図7に示す上流側反転部を紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときの構成を示す正面図である。 図5に示す上流側反転部において第1分岐爪が下方位置に位置するとともに第2分岐爪が上方位置に位置しているときの状態を示す斜視図である。 図9に示す上流側反転部を紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときの構成を示す正面図である。 図5に示す上流側反転部における左右一対のガイド部材およびこれらのガイド部材に設けられた垂直ガイド部分の構成を示す上面図である。 図6に示す下流側反転部における紙幣先端ガイド部材の構成を示す斜視図である。 図12に示す紙幣先端ガイド部材の上面図である。 図6に示す下流側反転部における一対の循環ベルトの構成を示す斜視図である。 図14に示す一対の循環ベルトの上面図である。 図3等に示す表裏反転装置により紙幣の表裏を反転させるときの紙幣の流れを示す斜視図である。 図3等に示す表裏反転装置により紙幣の表裏を反転させないときの紙幣の流れを示す斜視図である。 変形例に係る表裏反転装置の下流側反転部に設けられた複数の搬送ローラの構成を示す斜視図である。 図18に示す複数の搬送ローラの上面図である。 別の変形例に係る表裏反転装置の構成を示す斜視図である。 図20に示す表裏反転装置の上面図である。 図20等に示す表裏反転装置における、下側ガイド部材に設けられた隆起部分の構成を示す斜視図である。 図20等に示す表裏反転装置における、上側ガイド部材の下面に設けられた折り曲げリブの構成を示す斜視断面図である。 図20等に示す表裏反転装置において折り曲げリブにより紙幣が折り曲げられたときの状態を示す正面図である。 図20等に示す表裏反転装置において隆起部分により紙幣にコシが付けられたときの状態を示す縦断面図である。 図20等に示す表裏反転装置において折り曲げリブが設けられていない場合の紙幣の状態を示す正面図である。 図20等に示す表裏反転装置において折り曲げリブが設けられていない場合に隆起部分により紙幣にコシが付けられたときの状態を示す縦断面図である。 (a)〜(d)は、図20等に示す表裏反転装置により処理される紙幣の様々な状態を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図17は、本実施の形態による紙幣処理機を示す図である。このうち、図1は、本考案の実施の形態による紙幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す紙幣処理機の内部構成を概略的に示す概略構成図である。また、図3および図4は、それぞれ、図1等に示す紙幣処理機の機体内に設けられた表裏反転装置の構成を示す斜視図および上面図である。また、図5および図6は、それぞれ、図3および図4に示す表裏反転装置における上流側反転部および下流側反転部の構成を示す斜視図である。また、図7および図8は、それぞれ、図5に示す上流側反転部において第1分岐爪が上方位置に位置するとともに第2分岐爪が下方位置に位置しているときの状態を示す斜視図および正面図である。また、図9および図10は、それぞれ、図5に示す上流側反転部において第1分岐爪が下方位置に位置するとともに第2分岐爪が上方位置に位置しているときの状態を示す斜視図および正面図である。また、図11は、図5に示す上流側反転部における左右一対のガイド部材およびこれらのガイド部材に設けられた垂直ガイド部分の構成を示す上面図である。また、図12および図13は、それぞれ、図6に示す下流側反転部における紙幣先端ガイド部材の構成を示す斜視図および上面図であり、図14および図15は、それぞれ、図6に示す下流側反転部における一対の循環ベルトの構成を示す斜視図および上面図である。また、図16は、図3等に示す表裏反転装置により紙幣の表裏を反転させるときの紙幣の流れを示す斜視図であり、図17は、図3等に示す表裏反転装置により紙幣の表裏を反転させないときの紙幣の流れを示す斜視図である。なお、図3乃至図17において、表裏反転装置における紙幣の搬送方向を白抜きの矢印で示している。
図1および図2に示すように、本実施の形態による紙幣処理機10は、略直方体形状の筐体11と、紙幣を筐体11の内部に取り込むための取込部12と、取込部12により筐体11の内部に取り込まれた紙幣を当該筐体11の内部で搬送するための搬送部16と、搬送部16により搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う識別部18とを備えている。また、本実施の形態による紙幣処理機10は、識別部18により識別が行われた紙幣の表裏を選択的に反転させるための表裏反転装置40と、表裏反転装置40から排出された紙幣が積層状態で例えば金種毎に集積される複数(図1等に示す例では4つ)の集積部20a〜20dとを備えている。このような紙幣処理機10の各構成部材の詳細について以下に説明する。
本実施の形態による紙幣処理機10では、紙幣の処理が行われる際に、操作者により複数の紙幣が取込部12に積層状態で載置されるようになっている。また、図1および図2に示すように、取込部12にはフィードローラ、キッカローラおよびゲートローラ等からなる繰出機構14が設けられており、取込部12に積層状態で載置された紙幣は1枚ずつ繰出機構14により筐体11の内部に繰り出されるようになっている。より詳細には、取込部12に積層状態で載置された複数の紙幣のうち最下層に位置する紙幣がキッカローラにより筐体11の内部に向かって(すなわち、図2における左下方向に)1枚ずつ蹴り出され、キッカローラにより蹴り出された紙幣がフィードローラにより筐体11の内部に繰り出されるようになっている。また、フィードローラにより紙幣が筐体11の内部に繰り出される際に、当該紙幣はフィードローラとゲートローラとの間に形成されるゲート部を通過することにより1枚ずつに分離されるようになっている。
取込部12により筐体11の内部に取り込まれた紙幣は搬送部16により搬送されるようになっている。ここで、紙幣はその短手方向に沿って搬送部16により搬送されるようになっている。また、図2に示すように、搬送部16には識別部18が設けられており、搬送部16により搬送される紙幣は識別部18によりその金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別が行われるようになっている。また、搬送部16には2つのリジェクト部22a、22bが接続されており、識別部18により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や識別部18により識別することができなかった紙幣はリジェクト紙幣として搬送部16から各リジェクト部22a、22bに送られ、これらのリジェクト部22a、22bに積層状態で集積されるようになっている。図1に示すように、各リジェクト部22a、22bは筐体11の外部に露出しており、操作者は各リジェクト部22a、22bに集積されたリジェクト紙幣をこれらのリジェクト部22a、22bから取り出して取込部12に再投入することができるようになっている。
搬送部16による紙幣の搬送方向における各リジェクト部22a、22bよりも下流側には表裏反転装置40が設けられており、識別部18を通過した紙幣は搬送部16により表裏反転装置40に送られてこの表裏反転装置40よりその表裏が選択的に反転させられるようになっている。このような表裏反転装置40の構成の詳細については後述する。
筐体11の内部における下部領域には4つの集積部20a、20b、20c、20dが並列に設けられており、表裏反転装置40から排出された紙幣が各集積部20a、20b、20c、20dに例えば金種毎に分類されてこれらの集積部20a、20b、20c、20dで積層状態に集積されるようになっている。また、図1に示すように各集積部20a、20b、20c、20dの前面は開口しており、操作者は各集積部20a、20b、20c、20dの内部にアクセスしてこれらの集積部20a、20b、20c、20dに積層状態で集積されている紙幣を筐体11の外部に取り出すことができるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部16には、当該搬送部16から紙幣を分岐させるための分岐爪等からなる分岐部材30a、30b、30c、32a、32bがそれぞれ設けられている。具体的には、各分岐部材30a、30b、30cは、それぞれ、表裏反転装置40から排出された紙幣が搬送部16により搬送される際に当該紙幣を搬送部16から分岐させて各集積部20a、20b、20cに送るようになっている。また、各分岐部材32a、32bは、それぞれ、識別部18から排出された紙幣が搬送部16により搬送される際に当該紙幣を搬送部16から分岐させて各リジェクト部22a、22bに送るようになっている。
また、図2に示すように、筐体11の内部には、紙幣処理機10の各構成部材の制御を行う制御部34が設けられている。ここで、識別部18による紙幣の識別結果に係る情報は制御部34に送られるようになっている。また、制御部34は、紙幣処理機10の各構成部材(具体的には、繰出機構14、搬送部16、表裏反転装置40、各分岐部材30a、30b、30c、32a、32b、等)に指令信号を送ることによりこれらの各構成部材の制御を行うようになっている。
次に、表裏反転装置40の構成の詳細について図3乃至図17を用いて説明する。図3等に示すように、本実施の形態による表裏反転装置40は、上流側反転部42および下流側反転部80を備えている。ここで、上流側反転部42は、図3において矢印で示すような所定の搬送方向に沿って紙幣を搬送しながら当該紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)を搬送方向を中心として略90°変位させるようになっている。また、下流側反転部80は、紙幣の搬送方向における上流側反転部42の下流側に設けられ、当該上流側反転部42から送られた紙幣を所定の搬送方向に沿って搬送しながら上流側反転部42で略90°変位させられた当該紙幣の幅方向における一部分を受け取って搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙幣全体の表裏を反転させることができるようになっている。また、上流側反転部42は、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を、下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができるようになっている。なお、「紙幣の幅方向における一部分を搬送方向を中心として略90°変位させる」とは、紙幣の幅方向における一部分の向き(位相)を、当該紙幣の搬送方向を中心として略90°変えるよう、紙幣の幅方向における一部分を搬送方向を中心として略90°回転させることをいう。また、表裏反転装置40の上流側反転部42および下流側反転部80において、紙幣はその短手方向に沿って搬送されるようになっている。このような表裏反転装置40の上流側反転部42および下流側反転部80の詳細について以下に説明する。
まず、上流側反転部42の各構成部材について説明する。図3乃至図5等に示すように、上流側反転部42は、複数の搬送ローラ46、48、50、68、69と、各搬送ローラ46、48、50、68、69により搬送される紙幣を所定の搬送方向(すなわち、図3乃至図5等において矢印で示す方向)に案内するガイド部材44、45、64、66、67と、紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)を搬送方向を中心として略90°変位させるための第1分岐爪52および第2分岐爪58とを有している。
各搬送ローラ46、48、50、68、69は、それぞれ、上下一対のものから構成されており、各ローラの外周面にはゴム等の弾性体が設けられている。そして、一方のローラが他方のローラにより押圧されることによってこれらの上下一対のローラの間にニップ部が形成されるようになっており、上流側反転部42において各搬送ローラ46、48、50、68、69により搬送される紙幣は上下一対のローラの間に形成されるニップ部を通過するようになっている。また、図3に示すように、上下一対の搬送ローラ46の組合せ体が2組、上流側反転部42の幅方向(すなわち、図3において矢印で示すような紙幣の搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶよう配置されており、上側の2つの搬送ローラ46および下側の2つの搬送ローラ46はそれぞれ1本の回転軸に取り付けられている。また、上下一対の搬送ローラ68の組合せ体が4組、上流側反転部42の幅方向に沿って並ぶよう配置されており、上側の4つの搬送ローラ68および下側の4つの搬送ローラ68はそれぞれ1本の回転軸に取り付けられている。また、上下一対の搬送ローラ69の組合せ体が4組、上流側反転部42の幅方向に沿って並ぶよう配置されており、上側の4つの搬送ローラ69および下側の4つの搬送ローラ69はそれぞれ1本の回転軸に取り付けられている。また、各搬送ローラ46、48、50、68、69において、上下一対のローラのうち一方のローラ(例えば、下側のローラ)は図示しない駆動モータにより駆動させられる駆動ローラとして機能するようになっており、他方のローラ(例えば、上側のローラ)は駆動ローラと連れ回る従動ローラとして機能するようになっている。本実施の形態では、各搬送ローラ46、48、50、68、69の回転軸が図示しない歯車等の連動機構により連結され、1つの駆動モータにより各搬送ローラ46、48、50、68、69が同期して回転させられるようになっている。
ガイド部材44、45は、図3における上下方向に並ぶよう配置される板状のものから構成されており、これらの上下一対のガイド部材44、45の間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるようこれらのガイド部材44、45は図3の上下方向において互いに離間している。そして、搬送部16から表裏反転装置40の上流側反転部42に送られた紙幣は上下一対のガイド部材44、45の間に形成される隙間を通るようになっている。また、上下一対のガイド部材44、45には、2組の上下一対の搬送ローラ46の組合せ体と接触しないようにするための開口および上下一対の搬送ローラ48と接触しないようにするための切り欠き部がそれぞれ形成されている。これらの上下一対のガイド部材44、45は紙幣の搬送方向における第1分岐爪52や第2分岐爪58の上流側に設けられている。
一方、上流側反転部42において、紙幣の搬送方向における第1分岐爪52や第2分岐爪58の下流側には、ガイド部材64、66、67がそれぞれ設けられている。ここで、ガイド部材64、66は、紙幣の搬送方向に対して左右に並ぶよう配置される板状のものから構成されており、これらの左右一対のガイド部材64、66の間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるようこれらのガイド部材64、66は左右方向において互いに離間している。また、図3、図4および図11等に示すように、各ガイド部材64、66における隙間に面する箇所には、後述する第1分岐爪52や第2分岐爪58により略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を案内する一対の垂直ガイド部分70が形成されている。ここで、一対の垂直ガイド部分70はそれぞれ図3における上下方向(言い換えると、図4や図11の紙面に対して直交する方向)に沿って延びるようになっている。また、ガイド部材64に設けられる垂直ガイド部分70およびガイド部材66に設けられる垂直ガイド部分70は互いに離間しており、これらの垂直ガイド部分70の間の距離は紙幣の搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるよう各垂直ガイド部分70の形状が定められている(図4および図11参照)。
また、図11等に示すように、各ガイド部材64、66の下方には案内ローラ72が設けられており、各ガイド部材64、66の間の隙間を通過する、紙幣の幅方向における一部分は案内ローラ72により案内されるようになっている。ここで、案内ローラ72は紙幣の搬送方向に対して左右に並ぶよう配置される左右一対のものから構成されており、各ローラの外周面にはゴム等の弾性体が設けられている。そして、一方のローラが他方のローラにより押圧されることによってこれらの上下一対のローラの間にニップ部が形成されるようになっており、各ガイド部材64、66の間の隙間を通過する、紙幣の幅方向における一部分は左右一対の案内ローラ72の間に形成されるニップ部を通過するようになっている。
また、これらのガイド部材64、66の上方には板状のガイド部材67が設けられており、左右一対のガイド部材64、66の組合せ体と、ガイド部材67との間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるようガイド部材67は左右一対のガイド部材64、66に対して上方に離間している。また、各ガイド部材64、66、67には、それぞれ、4組の上下一対の搬送ローラ68の組合せ体および4組の上下一対の搬送ローラ69の組合せ体と接触しないようにするための開口または切り欠き部が形成されている。
第1分岐爪52および第2分岐爪58は、紙幣の搬送方向に対して左右に並ぶよう配置されており、これらの第1分岐爪52や第2分岐爪58は他の分岐爪から独立して揺動するようになっている。具体的には、紙幣の搬送方向に沿ってみたときに左側に位置する第1分岐爪52の基端部分には回転軸54が取り付けられており、当該回転軸54は駆動モータ56により正逆両方向に回転させられるようになっている。そして、駆動モータ56が回転軸54を回転させることにより、第1分岐爪52は、図5や図7に示すようなその先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも上方に位置する上方位置と、図9に示すようなその先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも下方に位置する下方位置との間で揺動するようになっている。また、紙幣の搬送方向に沿ってみたときに右側に位置する第2分岐爪58の基端部分には回転軸60が取り付けられており、当該回転軸60は駆動モータ62により正逆両方向に回転させられるようになっている。そして、駆動モータ62が回転軸60を回転させることにより、第2分岐爪58は、図9に示すようなその先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも上方に位置する上方位置と、図5や図7に示すようなその先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも下方に位置する下方位置との間で揺動するようになっている。
また、本実施の形態では、各駆動モータ56、62は制御部34により制御されるようになっているが、第1分岐爪52が上方位置に位置するときには第2分岐爪58が下方位置に位置し、一方、第1分岐爪52が下方位置に位置するときには第2分岐爪58が上方位置に位置するよう、各駆動モータ56、62により回転軸54、60がそれぞれ回転させられるようになっている。このことにより、第1分岐爪52および第2分岐爪58は、図7に示すような位置または図9に示すような位置に位置するようになる。そして、図7に示すように第1分岐爪52が上方位置に位置するとともに第2分岐爪58が下方位置に位置している場合には、紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられる。一方、図9に示すように第1分岐爪52が下方位置に位置するとともに第2分岐爪58が上方位置に位置している場合には、紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として時計回りに略90°変位させられる。このように、本実施の形態では、第1分岐爪52および第2分岐爪58の位置によって、紙幣の幅方向における一部分が変位させられる向きが異なるようになる。このような紙幣の幅方向における一部分を変位させる動作の詳細については後述する。
次に、下流側反転部80の各構成部材について説明する。図6や図14等に示すように、下流側反転部80は、紙幣を搬送する一対の帯状の循環ベルト84、88と、各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の搬送方向における先端部分を搬送路の幅方向外側へ案内する紙幣先端ガイド部材82と、各循環ベルト84、88により搬送される紙幣を案内するガイド部材94とを有している。
図14および図15に示すように、帯状の平ベルトから構成される循環ベルト84は複数のプーリ86に張架されており、その一部分84aは紙幣の搬送方向に沿って概ね直線状に延びるようになっている。また、帯状の平ベルトから構成される循環ベルト88は複数のプーリ90に張架されており、その一部分88aは紙幣の搬送方向に沿って概ね直線状に延びるようになっている。また、循環ベルト84の一部分84aおよび循環ベルト88の一部分88aは互いに接触しており、紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)はこれらの循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間で搬送されるようになっている。また、下流側反転部80の上流側端部の近傍には紙幣の搬送方向に対して左右に並ぶよう設けられたローラ91、92が設けられている。より詳細には、複数のプーリ86のうちある一つのプーリ86がローラ91として用いられるようになっている。そして、これらのローラ91、92の間のニップ部に送られた、紙幣の幅方向における一部分が循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間に受け渡され、これらの循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間で搬送されるようになっている。また、図14および図15に示すように、循環ベルト84の一部分84aおよび循環ベルト88の一部分88aは、その入口側の幅方向が垂直方向に延びているのに対し出口側の幅方向が水平方向に延びるよう、入口側の幅方向に対して出口側の幅方向が90°ねじれている。このため、循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間でその幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が搬送される紙幣は、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられる。
図6等に示すように、各循環ベルト84、88の上方には紙幣先端ガイド部材82が設けられている。また、紙幣先端ガイド部材82の下方にはガイド部材94が設けられており、紙幣先端ガイド部材82とガイド部材94との間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるようこれらの紙幣先端ガイド部材82およびガイド部材94は上下方向において互いに離間している。このような紙幣先端ガイド部材82の構成の詳細について図12および図13を用いて説明する。図12および図13に示すように、紙幣先端ガイド部材82は、紙幣の搬送方向に沿って見たときの左半分の箇所において当該搬送方向に対して角度をなすような第1傾斜部分82aを有している。このような第1傾斜部分82aにより、各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の搬送方向における先端部分が搬送路の幅方向外側に案内されるようになっている。また、紙幣先端ガイド部材82は、紙幣の搬送方向に沿って見たときの右半分の箇所において水平方向に対して傾斜している第2傾斜部分82bを有している。より詳細には、第2傾斜部分82bは、紙幣の搬送方向に沿って進むに従って徐々に高くなるよう傾斜している。このことにより、各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の搬送方向における右半分は、第2傾斜部分82bによって徐々に上方に持ち上がるようになる。このような紙幣先端ガイド部材82により紙幣を案内する動作の詳細については後述する。
また、図3に示すように、上流側反転部42の各ガイド部材64、66、67や下流側反転部80の紙幣先端ガイド部材82の上方には天板部材41が位置固定で設けられており、この天板部材41の下方の領域で上流側反転部42や下流側反転部80により紙幣が搬送されるようになっている。上述したように、紙幣の幅方向における一部分が循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間で搬送される際に、紙幣の搬送方向に沿って見たときに当該搬送方向を中心として紙幣が反時計回りに略90°変位させられるが、このときに、天板部材41によって紙幣の幅方向における端部分が高さ方向において規制(制限)させられるようになる。このことにより、表裏反転装置40の高さを小さくすることができ、よって紙幣処理機10の筐体11の内部における表裏反転装置40の設置に必要なスペースを十分に確保することができるようになる。本実施の形態では、このような天板部材41は下流側反転部80に含まれるようになっており、当該天板部材41は、一対の循環ベルト84、88により搬送される紙幣の幅方向における端部分を高さ方向において制限するよう紙幣を案内する紙幣高さ制限ガイド部分として機能するようになっている。
次に、このような表裏反転装置40の動作(具体的には、表裏反転装置40により紙幣の表裏を選択的に反転させる動作)について説明する。なお、以下に示すような動作は制御部34が表裏反転装置40の各構成部材(具体的には、各搬送ローラ46、48、50、68、69を回転させる図示しない駆動モータ、回転軸54を正逆両方向に回転させる駆動モータ56、回転軸60を正逆両方向に回転させる駆動モータ62、等)を制御することにより行われるようになっている。
上述したように、本実施の形態では、表裏反転装置40により紙幣の表裏を選択的に反転させることができるようになっている。例えば、取込部12により筐体11の内部に取り込まれ、搬送部16により搬送される紙幣の上面がおもて面であることが識別部18による識別結果によって判別した場合には、表裏反転装置40により紙幣が反転させられることなく当該紙幣は搬送部16により各集積部20a〜20dに送られるようになる。一方、取込部12により筐体11の内部に取り込まれ、搬送部16により搬送される紙幣の上面が裏面であることが識別部18による識別結果によって判別した場合には、表裏反転装置40により紙幣の表裏が反転させられた後、当該紙幣は搬送部16により各集積部20a〜20dに送られるようになる。このことにより、各集積部20a〜20dに集積される紙幣の表裏を揃えることができるようになる。また、本実施の形態では、表裏反転装置40の上流側反転部42に設けられた第1分岐爪52および第2分岐爪58の位置によって、当該表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させるか否かが決められるようになっている。
まず、表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させる場合について説明する。表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させる場合には、図16において参照符合P〜Pで順に示されるような状態で紙幣が上流側反転部42および下流側反転部80により搬送されるようになる。ここで、表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させる場合には、制御部34が各駆動モータ56、62を制御することにより第1分岐爪52および第2分岐爪58をそれぞれ図5や図7、図8に示すような位置に位置させる。図5や図7、図8に示すように、第1分岐爪52が上方位置に位置するとともに第2分岐爪58が下方位置に位置している場合には、第1分岐爪52の先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも上方に位置するため、各搬送ローラ48、50から各搬送ローラ68、69に紙幣が受け渡される際に、紙幣の搬送方向における左側の先端部分は第1分岐爪52の下面52bの下方に入り込むようになる。一方、第2分岐爪58の先端部分は各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも下方に位置するため、各搬送ローラ48、50から各搬送ローラ68、69に紙幣が受け渡される際に、紙幣の搬送方向における右側の先端部分は第2分岐爪58の上面58aの上方で搬送されるようになる。ここで、搬送方向における左側の先端部分が第1分岐爪52の下面52bの下方に入り込むとともに右側の先端部分が第2分岐爪58の上面58aの上方で搬送されるような紙幣を図7、図8および図16において参照符合Pで示す。
その後、各搬送ローラ68、69により紙幣が搬送される際に、紙幣の搬送方向における左半分は、第1分岐爪52の下面52bの下方の領域からガイド部材64の下方の領域に送り込まれる。一方、紙幣の搬送方向における右半分は第2分岐爪58の上面58aの上方の領域からガイド部材66の上方の領域に送り込まれる。このため、紙幣の搬送方向における右半分のみが右側の2組の各搬送ローラ68、69により搬送されるようになり、紙幣の搬送方向における左半分は各搬送ローラ68、69により搬送されないようになる。また、紙幣の搬送方向における中央部分は、各ガイド部材64、66の間の隙間に送り込まれる。この際に、紙幣の搬送方向における中央部分は一対の垂直ガイド部分70の間で案内されるようになる。ここで、上述したように、一対の垂直ガイド部分70の間の距離は紙幣の搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるようになっているため、一対の垂直ガイド部分70の間で案内される、紙幣の搬送方向における中央部分は垂直方向に沿って延びるようになる。各搬送ローラ68、69により搬送され、この際に搬送方向における中央部分が垂直方向に沿って延びるようになった紙幣を図7、図8および図16において参照符合Pで示す。また、一対の垂直ガイド部分70により垂直方向に沿って延びるようになった紙幣の搬送方向における中央部分は各案内ローラ72の間で案内されるようになる。このことにより、上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡される紙幣は、その幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りの方向に略90°変位したものとなる(図8参照)。
上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡された紙幣は、その右半分が紙幣先端ガイド部材82の第2傾斜部分82bによって徐々に上方に持ち上げられる。また、上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡された紙幣の左半分は、ガイド部材64の下方の領域からガイド部材94や各循環ベルト84、88の下方の領域に送り込まれるようになる。このため、下流側反転部80の上流側端部の近傍に設けられた左右一対のローラ91、92の間に送られた紙幣は、全体的に垂直方向を向くようになる。このような全体的に垂直方向を向いている紙幣を図16において参照符合Pで示す。その後、循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間でその幅方向における中央部分が搬送される紙幣は、当該紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられる。また、この際に、紙幣先端ガイド部材82の第1傾斜部分82aにより、各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の搬送方向における先端部分が搬送路の幅方向外側(具体的には、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときの左方向)に案内されるようになる。また、各循環ベルト84、88により紙幣が搬送される際に、天板部材41によって紙幣の幅方向における端部分が高さ方向において規制(制限)させられるようになる。ここで、各循環ベルト84、88により略90°変位させられる途中の状態の紙幣を図16において参照符合Pで示す。そして、各循環ベルト84、88により略90°変位させられた紙幣は紙幣先端ガイド部材82とガイド部材94との間の隙間を通って下流側反転部80から排出される。下流側反転部80から排出される紙幣を図16において参照符合Pで示す。
このようにして、制御部34が各駆動モータ56、62を制御することにより第1分岐爪52および第2分岐爪58をそれぞれ図5や図7、図8に示すような位置に位置させることによって、上流側反転部42において、紙幣の幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りの方向に略90°変位させられる。また、下流側反転部80において、紙幣の幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りの方向に更に略90°変位させられる。このことにより、下流側反転部80から排出される紙幣は、その表裏が反転させられたものとなる。
次に、表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させない場合について説明する。表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させない場合には、図17において参照符合P〜Pで順に示されるような状態で紙幣が上流側反転部42および下流側反転部80により搬送されるようになる。ここで、表裏反転装置40により紙幣の表裏を反転させない場合には、制御部34が各駆動モータ56、62を制御することにより第1分岐爪52および第2分岐爪58をそれぞれ図9や図10に示すような位置に位置させる。図9や図10に示すように、第1分岐爪52が下方位置に位置するとともに第2分岐爪58が上方位置に位置している場合には、第1分岐爪52の先端部分が各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも下方に位置するため、各搬送ローラ48、50から各搬送ローラ68、69に紙幣が受け渡される際に、紙幣の搬送方向における左側の先端部分は第1分岐爪52の上面52aの上方で搬送されるようになる。一方、第2分岐爪58の先端部分は各ガイド部材44、45の間に形成される隙間よりも上方に位置するため、各搬送ローラ48、50から各搬送ローラ68、69に紙幣が受け渡される際に、紙幣の搬送方向における右側の先端部分は第2分岐爪58の下面58bの下方に入り込むようになる。ここで、搬送方向における左側の先端部分が第1分岐爪52の上面52aの上方で搬送されるとともに右側の先端部分が第2分岐爪58の下面58bの下方に入り込むような紙幣を図9、図10および図17において参照符合Pで示す。
その後、各搬送ローラ68、69により紙幣が搬送される際に、紙幣の搬送方向における左半分は、第1分岐爪52の上面52aの上方の領域からガイド部材64の上方の領域に送り込まれる。一方、紙幣の搬送方向における右半分は第2分岐爪58の下面58bの下方の領域からガイド部材66の下方の領域に送り込まれる。このため、紙幣の搬送方向における左半分のみが左側の2組の各搬送ローラ68、69により搬送されるようになり、紙幣の搬送方向における右半分は各搬送ローラ68、69により搬送されないようになる。また、紙幣の搬送方向における中央部分は、各ガイド部材64、66の間の隙間に送り込まれる。この際に、紙幣の搬送方向における中央部分は一対の垂直ガイド部分70の間で案内されるようになる。ここで、上述したように、一対の垂直ガイド部分70の間の距離は紙幣の搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるようになっているため、一対の垂直ガイド部分70の間で案内される、紙幣の搬送方向における中央部分は垂直方向に沿って延びるようになる。各搬送ローラ68、69により搬送され、この際に搬送方向における中央部分が垂直方向に沿って延びるようになった紙幣を図9、図10および図17において参照符合Pで示す。また、一対の垂直ガイド部分70により垂直方向に沿って延びるようになった紙幣の搬送方向における中央部分は各案内ローラ72の間で案内されるようになる。このことにより、上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡される紙幣は、その幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として時計回りの方向に略90°変位したものとなる(図10参照)。
上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡された紙幣は、その右半分は紙幣先端ガイド部材82の下方の領域で搬送されるようになる。また、上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡された紙幣の左半分は、紙幣先端ガイド部材82とガイド部材94との間の隙間を通って搬送されるようになる。また、上流側反転部42から下流側反転部80に受け渡された紙幣の幅方向における中央部分(すなわち、上流側反転部42によって搬送方向を中心として時計回りの方向に略90°変位した部分)は、下流側反転部80の上流側端部の近傍に設けられた左右一対のローラ91、92の間に送られるようになる。その後、紙幣の幅方向における中央部分は、循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間で搬送される際に、当該紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられる。すなわち、循環ベルト84の一部分84aと循環ベルト88の一部分88aとの間に送られる前の紙幣の幅方向における中央部分は搬送方向を中心として時計回りの方向に略90°変位していたため、各循環ベルト84、88によって紙幣の搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられることにより元の水平方向に延びる状態に戻されるようになる。ここで、各循環ベルト84、88によってその幅方向における中央部分が元の水平方向に延びる状態に戻される途中の状態の紙幣を図17において参照符合Pで示す。そして、各循環ベルト84、88によってその幅方向における中央部分が元の水平方向に延びる状態に戻された紙幣は、紙幣先端ガイド部材82とガイド部材94との間の隙間を通って下流側反転部80から排出される。下流側反転部80から排出される紙幣を図16において参照符合Pで示す。
このようにして、制御部34が各駆動モータ56、62を制御することにより第1分岐爪52および第2分岐爪58をそれぞれ図9や図10に示すような位置に位置させることによって、上流側反転部42において、紙幣の幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として時計回りの方向に略90°変位させられる。また、下流側反転部80において、紙幣の幅方向における中央部分が、紙幣の搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りの方向に略90°変位させられ、元の水平方向に延びる状態に戻される。このことにより、表裏反転装置40において紙幣の表裏が反転させられないようになる。
以上のように、本実施の形態の表裏反転装置40によれば、上流側反転部42は、紙幣を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)を搬送方向を中心として略90°変位させるようになっており、紙幣の搬送方向における上流側反転部42の下流側に設けられた下流側反転部80は、上流側反転部42から送られた紙幣を搬送方向に沿って搬送しながら上流側反転部42で略90°変位させられた当該紙幣の幅方向における一部分を受け取って搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙幣全体の表裏を反転させることができるようになっている。このように、紙幣の表裏を反転させるにあたり、上流側反転部42により紙幣の幅方向における一部分を搬送方向を中心として略90°変位させ、その後にこの略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を下流側反転部80で受け取って当該下流側反転部80により搬送方向を中心として略90°変位させることにより、紙幣全体を一度に180°回転させる場合と比較して紙幣が変位する領域の高さを抑えることができ、また、紙幣の表裏を反転させる途中で詰まり等のトラブルが生じた場合にもこのような紙幣の詰まりを容易に解除することができる。
より詳細に説明すると、従来の表裏反転装置では、搬送部16から送られた紙幣を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該搬送方向を中心として紙幣全体を一度に180°回転させることにより紙幣の表裏を反転させていた。しかしながら、このような従来の表裏反転装置では紙幣全体が搬送方向を中心として一度に180°回転するため、紙幣の幅方向の長さ分だけ表裏反転装置の内部スペースの高さを確保しなければならず、紙幣処理機10の内部における表裏反転装置の設置スペースに制約が生じてしまうという問題があった。また、紙幣全体を一度に180°回転させる場合には紙幣を回転させる機構の構造が複雑となるため、紙幣を回転させる途中で詰まり等のトラブルが生じた場合には、このような紙幣の詰まりを解除するのに手間がかかりメンテナンス性が悪いという問題があった。これに対し、本実施の形態による表裏反転装置40では、紙幣の表裏を反転させるにあたり、紙幣の搬送方向を中心として当該紙幣を略90°ずつ2段階で変位させているため、紙幣全体を一度に180°回転させるような従来の表裏反転装置の上記の問題を解消することができるようになる。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、上流側反転部42は、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を、下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができるようになっている。具体的には、上流側反転部42は、搬送路の幅方向において分割され、各々が軸(具体的には、回転軸54、60)を中心として揺動する複数の分岐爪(具体的には、第1分岐爪52および第2分岐爪58)を有しており、各分岐爪は他の分岐爪から独立して揺動することができるようになっている。そして、各分岐爪の位置に基づいて、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向が、下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えられるようになっている。このように、上流側反転部42が、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を、下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができるようになっている場合には、1つの表裏反転装置40により紙幣の表裏の反転を行う場合および紙幣の表裏の反転を行わない場合の両方に対応することができるようになる。より詳細には、従来の表裏反転装置では、紙幣の表裏を必ず反転させるようになっていたため、紙幣処理機10の内部に従来の表裏反転装置を設置する際に、このような従来の表裏反転装置が設けられた第1搬送部と、表裏反転装置が設けられていない第2搬送部とを並列に配置しなければならなかった。すなわち、集積部20a〜20dに集積される紙幣の表裏を揃えるためには、識別部18により識別された紙幣のうちその上面がおもて面となっている紙幣を第2搬送部に送り、一方、識別部18により識別された紙幣のうちその上面が裏面となっている紙幣を第1搬送部に送ることにより、第1搬送部に送られた紙幣のみを表裏反転装置により反転させる必要があった。しかしながら、従来の表裏反転装置が設けられた第1搬送部と、表裏反転装置が設けられていない第2搬送部とを並列に設ける場合には、紙幣処理機10の内部におけるこれらの2つの搬送部の設置スペースに制約が生じてしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態による表裏反転装置40では、1つの表裏反転装置40により紙幣の表裏の反転を行う場合および紙幣の表裏の反転を行わない場合の両方に対応することができるため、搬送部16を2つに分岐させる必要がなくなり、よって紙幣処理機10の内部における搬送部16や表裏反転装置40の設置スペースに余裕を持たせることができるようになる。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、上流側反転部42は、略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を案内する互いに離間して設けられた一対の垂直ガイド部分70を含み、各垂直ガイド部分70の間の距離は搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるよう各垂直ガイド部分70が構成されている。この場合には、一対の垂直ガイド部分70の間で案内される、紙幣の搬送方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)を確実に垂直方向に沿って延びるようにすることができる。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、上流側反転部42は、略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分以外の部分を下流側反転部80に向かって搬送方向に沿って搬送する上流側搬送部分(具体的には、各搬送ローラ68、69)を有している。この場合には、その幅方向における一部分が略90°変位させられた紙幣を各搬送ローラ68、69等の上流側搬送部分によって確実に下流側反転部80に送ることができるようになる。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、上流側反転部42は、紙幣を搬送方向に沿って搬送しながら当該紙幣の幅方向における中央部分を搬送方向を中心として略90°変位させるようになっている。なお、本実施の形態では、紙幣の幅方向における中央部分を当該紙幣の搬送方向を中心として略90°変位させるような態様に限定されることはない。他の例として、紙幣の幅方向における中央部分以外の箇所(例えば、紙幣の幅方向における端縁の近傍の箇所)を当該紙幣の搬送方向を中心として略90°変位させるようになっていてもよい。また、上流側反転部42は、紙幣の幅方向における一部分が搬送方向を中心として略90°変位させられた後に当該紙葉類の幅方向における当該一部分よりも右側領域および左側領域のうち一方の領域のみを各搬送ローラ68、69(第1ローラ)により搬送し、その後、この紙幣における略90°変位させられた箇所を案内ローラ72(第2ローラ)により搬送するような構成となっている。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、下流側反転部80は、上流側反転部42で略90°変位させられた当該紙幣の幅方向における一部分を受け取って搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙幣を搬送する下流側搬送部分(具体的には、各循環ベルト84、88)を有している。なお、紙幣をその搬送方向を中心として略90°変位させるよう当該紙幣を搬送する下流側搬送部分は、無端状の帯状の平ベルトから構成されるものに限定されることはない。下流側搬送部分として、巻出ロールから巻き出された帯状の平ベルトが巻取ロールにより巻き取られるような構成のものが用いられてもよい。また、後述するように、紙幣をその搬送方向を中心として略90°変位させるよう当該紙幣を搬送する下流側搬送部分として、複数の搬送ローラから構成されるものが用いられてもよい。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、下流側反転部80において、下流側搬送部分としての各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の搬送方向における先端部分を搬送路の幅方向外側へ案内する紙幣先端ガイド部材82が位置固定で設けられている。この場合には、紙幣先端ガイド部材82(具体的には、第1傾斜部分82a)によって紙幣の搬送方向における先端部分を搬送路の幅方向外側へ案内することにより、各循環ベルト84、88により略90°変位させられる紙幣の幅方向における先端部分が上方に延びてしまうことを抑制することができ、よって紙幣の幅方向における先端部分を高さ方向において規制(制限)することができるようになる。
また、本実施の形態の表裏反転装置40においては、上述したように、下流側反転部80において、下流側搬送部分としての各循環ベルト84、88により搬送される紙幣の幅方向における端部分を高さ方向において制限するよう紙幣を案内する紙幣高さ制限ガイド部分として天板部材41が位置固定で設けられている。この場合には、天板部材41によって紙幣の幅方向における端部分が高さ方向において規制(制限)させられるようになり、このため表裏反転装置40の高さを小さくすることができ、よって紙幣処理機10の筐体11の内部における表裏反転装置40の設置に必要なスペースを十分に確保することができるようになる。
なお、本発明による表裏反転装置は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、上記の説明では、制御部34が各駆動モータ56、62を制御することにより、第1分岐爪52が上方位置に位置するときには第2分岐爪58が下方位置に位置し、第1分岐爪52が下方位置に位置するときには第2分岐爪58が上方位置に位置するよう、各駆動モータ56、62により回転軸54、60がそれぞれ回転させられるような態様について述べたが、第1分岐爪52および第2分岐爪58の位置はこのような態様に限定されることはない。他の例として、第1分岐爪52および第2分岐爪をそれぞれ上方位置に位置させることができるようになっていてもよい。この場合には、各搬送ローラ46により上下一対のガイド部材44、45の間で搬送される紙幣は、全体的に各ガイド部材64、66の下方の領域に送られ、この紙幣は下流側反転部80に受け渡されないようになる。ここで、各ガイド部材64、66の下方の領域に別の搬送部(図示せず)を設けた場合には、本実施の形態による表裏反転装置40は、搬送部16により搬送される紙幣の表裏を選択的に反転させるだけでなく、搬送部16により搬送される紙幣を別の搬送部に分岐させる分岐機構としても機能するようになる。
また、本実施の形態による表裏反転装置40の上流側反転部42に設けられる、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換える機構は、第1分岐爪52および第2分岐爪58を用いた機構に限定されることはない。上流側反転部42において、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えるにあたり、第1分岐爪52および第2分岐爪58を用いた機構以外のものが用いられるようになっていてもよい。
また、本実施の形態による表裏反転装置40の下流側反転部80において、紙幣をその搬送方向を中心として略90°変位させるよう当該紙幣を搬送する下流側搬送部分として、各循環ベルト84、88の代わりに、図18および図19に示すような複数の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fから構成されるものが用いられてもよい。図18は、変形例に係る表裏反転装置40の下流側反転部80に設けられた複数の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fの構成を示す斜視図であり、図19は、図18に示す複数の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fの上面図である。
図18および図19に示すように、下流側反転部80において、各循環ベルト84、88の代わりに、紙幣の搬送方向に沿って並ぶよう、一対の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fが6組設けられている。これらの各組の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fにおいて、一方の搬送ローラ96a〜96fが他方の搬送ローラ97a〜97fによりそれぞれ押圧されることによりこれらの各組の一対の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fの間にそれぞれニップ部が形成されるようになっており、下流側反転部80において各搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fにより搬送される紙幣は各組の一対の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fの間に形成されるニップ部を通過するようになっている。また、図18および図19に示すように、最も上流側に位置する一対の搬送ローラ96a、97aの間のニップ部は垂直方向を向いているのに対し、下流側の搬送ローラに向かうに従ってニップ部が徐々に垂直方向に対して角度を有するようになり、最も下流側の搬送ローラ96f、97fの間のニップ部は水平方向を向くようになる。このように、各組の一対の搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fの間に形成されるニップ部の向きは、入口側のニップ部の向きに対して出口側のニップ部の向きが90°ねじれている。このため、各搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fによりその幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が搬送される紙幣は、紙幣の搬送方向に沿って見たときに当該搬送方向を中心として反時計回りに略90°変位させられる。
また、本発明に係る表裏反転装置として、図20乃至図28に示すような構成のものが用いられてもよい。ここで、図20は、別の変形例に係る表裏反転装置140の構成を示す斜視図であり、図21は、図20に示す表裏反転装置140の上面図である。また、図22は、図20等に示す表裏反転装置140における、下側ガイド部材164、166に設けられた隆起部分164a、166a(後述)の構成を示す斜視図であり、図23は、図20等に示す表裏反転装置140における、上側ガイド部材167の下面に設けられた折り曲げリブ167a(後述)の構成を示す斜視断面図である。なお、図20乃至図23に示すような変形例に係る表裏反転装置140を説明するにあたり、図1乃至図17に示す表裏反転装置40と同一の構成部材については同一の参照符合を付してその説明を省略する。また、図24は、図20等に示す表裏反転装置140において折り曲げリブ167a(後述)により紙幣が折り曲げられたときの状態を示す正面図であり、図25は、図20等に示す表裏反転装置140において隆起部分166a(後述)により紙幣にコシが付けられたときの状態を示す縦断面図である。なお、図26は、図20等に示す表裏反転装置140において折り曲げリブ167aが設けられていない場合の紙幣の状態を示す正面図であり、図27は、図20等に示す表裏反転装置140において折り曲げリブ167aが設けられていない場合に隆起部分166aにより紙幣にコシが付けられたときの状態を示す縦断面図である。また、図28(a)〜(d)は、図20等に示す表裏反転装置140により処理される紙幣の様々な状態を示す説明図である。なお、図28(a)〜(d)において紙幣の搬送方向を矢印で示している。
図20および図21に示すように、変形例に係る表裏反転装置140は、図20および図21において矢印で示すような所定の搬送方向に沿って紙幣を搬送しながら当該紙幣の幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)を搬送方向を中心として略90°変位させる上流側反転部142と、上流側反転部142から送られた紙幣を受け取って搬送方向を中心として略90°変位させる下流側反転部80とを備えている。ここで、図1乃至図17に示す表裏反転装置40の上流側反転部42と同様に、上流側反転部142は、紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を、下流側反転部80による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り替えることができるようになっている。このような上流側反転部142の構成の詳細について以下に説明する。なお、ガイド部材44、45、搬送ローラ46、48、50、案内ローラ72、各分岐爪52、58等については図1乃至図17に示す表裏反転装置40の上流側反転部42と同一の構成であるためその説明を省略する。
上流側反転部142において、紙幣の搬送方向における各分岐爪52、58の下流側には左右一対の下側ガイド部材164および下側ガイド部材166、ならびに上側ガイド部材167がそれぞれ設けられている。ここで、各下側ガイド部材164、166は、紙幣の搬送方向に対して左右に並ぶよう配置される板状のものから構成されており、これらの左右一対の下側ガイド部材164、166の間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるようこれらの下側ガイド部材164、166は左右方向において互いに離間している。また、図21および図25等に示すように、各下側ガイド部材164、166における隙間に面する箇所には、第1分岐爪52や第2分岐爪58により略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を案内する一対の垂直ガイド部分170が形成されている。ここで、一対の垂直ガイド部分170はそれぞれ図25における上下方向(言い換えると、図21の紙面に対して直交する方向)に沿って延びるようになっている。また、下側ガイド部材164に設けられる垂直ガイド部分170および下側ガイド部材166に設けられる垂直ガイド部分170は互いに離間しており、これらの垂直ガイド部分170の間の距離は紙幣の搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるよう各垂直ガイド部分170の形状が定められている。
また、図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140では、各下側ガイド部材164、166の上面に隆起部分164a、166aが形成されている(図22参照)。図22に示すように、各隆起部分164a、166aは紙幣の搬送方向における上流側から下流側に向かうに従って各下側ガイド部材164、166の上面から徐々に上方に盛り上がるとともに幅が徐々に大きくなるような形状となっている。このような各隆起部分164a、166aが各下側ガイド部材164、166の上面に形成されていることにより、各分岐爪52、58によって紙幣の幅方向における中央部分が上流側から見て反時計回りの方向に略90°変位させられたときに、図25に示すように紙幣の搬送方向における右側領域が隆起部分166aによって湾曲させられることにより、当該紙幣の右側領域は搬送方向に沿ったコシが付けられるようになる。一方、各分岐爪52、58によって紙幣の幅方向における中央部分が上流側から見て時計回りの方向に略90°変位させられたときには、紙幣の搬送方向における左側領域が隆起部分164aによって湾曲させられることにより、当該紙幣の左側領域は搬送方向に沿ったコシが付けられるようになる。このような技術的事項の詳細については後述する。
また、これらの下側ガイド部材164、166の上方には板状の上側ガイド部材167が設けられており、左右一対の下側ガイド部材164、166の組合せ体と、上側ガイド部材167との間にわずかな大きさの隙間(具体的には、少なくとも1枚の紙幣が通過できるような大きさの隙間)が形成されるよう上側ガイド部材167は左右一対の下側ガイド部材164、166に対して上方に離間している。また、各ガイド部材164、166、167には、それぞれ、4組の上下一対の搬送ローラ168の組合せ体および2組の上下一対の搬送ローラ169の組合せ体と接触しないようにするための切り欠き部が形成されている。
また、図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140では、上側ガイド部材167の下面には、当該紙幣の搬送方向に沿って延びる細長い折り曲げリブ167aが形成されている(図21および図23参照)。ここで、図23に示すように、折り曲げリブ167aは紙幣の搬送方向における上流側から下流側に向かうに従って上側ガイド部材167の下面から下方に突出する量が徐々に大くなるような形状となっている。また、図21に示すように、折り曲げリブ167aは紙幣の搬送方向において各隆起部分164a、166aよりも上流側に設けられている。このことにより、図24に示すように、折り曲げリブ167aは、各隆起部分164a、166aにより搬送方向に沿ってコシが付けられる前の紙幣の幅方向における中央部分を下方に(すなわち、各下側ガイド部材164、16に向かって)折り曲げるようになる。このような技術的事項の詳細については後述する。
図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140では、その幅方向における中央部分に折れ目がついていたり端縁近傍に切れ目が生じていたりするような異常紙幣を選択的に反転させる場合でも、上流側反転部142において異常紙幣が更に破損してしまうことを抑制することができる。このような事項について以下に説明する。
図28(a)に示すような異常紙幣Paは、その幅方向における中央部分に折れ目Cがついているとともに、紙幣の搬送方向における前端縁および後端縁の中央部分にそれぞれ切れ目Dが生じている。このような異常紙幣Paが図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140に送られたときに、各下側ガイド部材164、166の上面に隆起部分164a、166aが設けられていない場合には各分岐爪52、58により当該異常紙幣Paは折れ目Cで直角に折れてしまう。この場合には、上流側反転部142から下流側反転部80に異常紙幣Paが受け渡されて当該異常紙幣Paが下流側反転部80の各循環ベルト84、88により挟持される際に折れ目Cの近傍の箇所が重なってしまい、このような折れ目Cの近傍の箇所が重なった状態で異常紙幣Paが各循環ベルト84、88により搬送されるおそれがある。この場合には、異常紙幣Paが下流側反転部80から排出されたときに、折れ目Cの近傍の箇所が重なるようなクセが付けられたものとなるため、紙幣処理機10においてこのような紙幣を適切に処理することができなくなる。また、搬送方向における前端縁の中央部分に切れ目Dが生じている異常紙幣Paが上流側反転部142から下流側反転部80に受け渡されると、下流側反転部80において紙幣先端ガイド部材82に設けられた第2傾斜部分82b等によって図28(a)における参照符合EやEで示す箇所でめくれ上がってしまうおそれがある。この場合には、異常紙幣Paが下流側反転部80の各循環ベルト84、88により挟持される際に折れ目Cの近傍の箇所が重なってしまう可能性が高くなってしまう。
これに対し、図28(a)に示すような異常紙幣Paが図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140に送られたときに、各下側ガイド部材164、166の上面に隆起部分164a、166aが設けられている場合には、これらの隆起部分164a、166aによって異常紙幣Paの右側領域または左側領域において搬送方向に沿ったコシが付けられるようになる。より詳細には、各分岐爪52、58によって紙幣の幅方向における中央部分が上流側から見て反時計回りの方向に略90°変位させられたときに、図25に示すように紙幣の搬送方向における右側領域が隆起部分166aによって湾曲させられることにより、当該紙幣の右側領域は搬送方向に沿ったコシが付けられるようになる。具体的には、異常紙幣Paは隆起部分166aによって図28(b)において参照符合Fで示す箇所に沿って湾曲させられるようになる。このことにより、異常紙幣Paが折れ目Cで直角に折れてしまうことを抑制することができるようになる。また、搬送方向における前端縁の中央部分に切れ目Dが生じている場合でも、異常紙幣Paが図28(a)における参照符合Eで示す箇所でめくれ上がってしまうことを抑制することができるようになる。このため、異常紙幣Paが下流側反転部80の各循環ベルト84、88により挟持される際に折れ目Cの近傍の箇所が重なってしまうことを防止することができるようになる。
同様に、各分岐爪52、58によって紙幣の幅方向における中央部分が上流側から見て時計回りの方向に略90°変位させられたときに、紙幣の搬送方向における左側領域が隆起部分164aによって湾曲させられることにより、当該紙幣の左側領域は搬送方向に沿ったコシが付けられるようになる。具体的には、異常紙幣Paは隆起部分164aによって図28(b)において参照符合Fで示す箇所に沿って湾曲させられるようになる。このことにより、異常紙幣Paが折れ目Cで直角に折れてしまうことを抑制することができるようになる。また、搬送方向における前端縁の中央部分に切れ目Dが生じている場合でも、異常紙幣Paが図28(a)における参照符合Eで示す箇所でめくれ上がってしまうことを抑制することができるようになる。このため、異常紙幣Paが下流側反転部80の各循環ベルト84、88により挟持される際に折れ目Cの近傍の箇所が重なってしまうことを防止することができるようになる。
また、図28(c)に示すように、その幅方向における中央部分に折れ目Cがついているとともに、紙幣の搬送方向における少なくとも前端縁の中央部分に切れ目Dが生じている異常紙幣Paが斜行状態で表裏反転装置140に送られる場合がある。このような場合に、上側ガイド部材167の下面に折り曲げリブ167aが設けられていない場合には異常紙幣Paにおける前端縁の中央部分の切れ目Dの近傍の箇所Pbが折れてしまうおそれがある。より詳細に説明すると、各分岐爪52、58によって紙幣の幅方向における中央部分が上流側から見て例えば反時計回りの方向に略90°変位させられたときに、紙幣の搬送方向における前端縁の中央部分に切れ目Dが生じていると、図26に示すように異常紙幣Paにおける図28(c)において参照符合Pbで示す箇所は湾曲しないで異常紙幣Paの搬送方向における右側領域と面一になる。この場合には、図27に示すように異常紙幣Paが隆起部分166aによりコシがつけられる際に、当該隆起部分166aと向き合う隆起部分164aによって参照符合Pbで示す箇所は異常紙幣Paの搬送方向における右側領域に対して折れ曲がってしまう。このような状態で上流側反転部142から下流側反転部80に異常紙幣Paが受け渡されて当該異常紙幣Paが下流側反転部80の各循環ベルト84、88により挟持されると、図28(d)に示すように異常紙幣Paにおける前端縁の中央部分の切れ目Dの近傍の箇所Pbが折れてしまい、紙幣処理機10においてこのような紙幣を適切に処理することができなくなる。
これに対し、図28(c)に示すように異常紙幣Paが斜行状態で図20等に示すような変形例に係る表裏反転装置140に送られたときに、上側ガイド部材167の下面に折り曲げリブ167aが設けられている場合には、図24に示すように異常紙幣Paにおける参照符号Pbで示す箇所も折り曲げリブ167aにより下方に折り曲げられるようになる。このため、図25に示すように異常紙幣Paが隆起部分166aによりコシがつけられる際に、参照符合Pbで示す箇所が隆起部分164aによって異常紙幣Paの搬送方向における右側領域に対して折れ曲がってしまうことを抑制することができ、よって異常紙幣Paにおける前端縁の中央部分の切れ目Dの近傍の箇所Pbが折れてしまうことを防止することができるようになる。
また、本発明に係る表裏反転装置において、上流側反転部は、図5等に示すような第1分岐爪52および第2分岐爪58が設けられたものに限定されることはない。上流側反転部として、搬送方向に沿って搬送される紙幣の幅方向における一部分(例えば、紙幣の幅方向における中央部分)を当該搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙幣を案内するガイド部材(上流側固定ガイド部分)が位置固定で設けられていてもよい。具体的には、変形例に係る上流側反転部では、図18および図19に示す各搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fと同様の構成の複数組の一対の搬送ローラが、紙幣の表面を案内するガイド部材(上流側固定ガイド部分)として設けられている。なお、ガイド部材として、複数組の一対の搬送ローラに加えて、紙幣の表面を案内するガイド板が設けられていてもよい。このような変形例に係る上流側反転部でも、ガイド部材としての各搬送ローラによりその幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が搬送される紙幣は、紙幣の搬送方向に沿って見たときにその幅方向における一部分が当該搬送方向を中心として略90°変位させられる。なお、上流側反転部においてこのようなガイド部材としての各搬送ローラが位置固定で設けられる場合には、上述した第1分岐爪52および第2分岐爪58が上流側反転部に設けられる場合と異なり、上流側反転部により紙幣の幅方向における一部分を変位させる方向を、下流側反転部による紙幣の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができない。しかしながら、この場合でも、紙幣の表裏を反転させるにあたり、紙幣の搬送方向を中心として当該紙幣を略90°ずつ2段階で変位させているため、紙幣全体を一度に180°回転させるような従来の表裏反転装置の上記の問題を解消することができるようになる。
また、本発明に係る表裏反転装置において、下流側反転部は、図6や図14等に示すような一対の循環ベルト84、88および紙幣先端ガイド部材82が設けられたものに限定されることはない。下流側反転部として、上流側反転部で略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を受け取って搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙幣を案内するガイド部材(下流側固定ガイド部分)が位置固定で設けられていてもよい。具体的には、変形例に係る下流側反転部では、図18および図19に示す各搬送ローラ96a〜96f、97a〜97fと同様の構成の複数組の一対の搬送ローラが、紙幣の表面を案内するガイド部材(下流側固定ガイド部分)として設けられている。なお、ガイド部材として、複数組の一対の搬送ローラに加えて、紙幣の表面を案内するガイド板が設けられていてもよい。このような変形例に係る下流側反転部でも、ガイド部材としての各搬送ローラによりその幅方向における一部分(具体的には、紙幣の幅方向における中央部分)が搬送される紙幣は、紙幣の搬送方向に沿って見たときにその幅方向における一部分が当該搬送方向を中心として略90°変位させられる。なお、下流側反転部においてこのようなガイド部材としての各搬送ローラが位置固定で設けられる場合にも、上述した一対の循環ベルト84、88および紙幣先端ガイド部材82が下流側反転部に設けられる場合と同様に、紙幣の表裏を反転させるにあたり、上流側反転部により紙幣の幅方向における一部分を搬送方向を中心として略90°変位させ、その後にこの略90°変位させられた紙幣の幅方向における一部分を下流側反転部で受け取って当該下流側反転部のガイド部材(下流側固定ガイド部分)により搬送方向を中心として略90°変位させることにより、紙幣の搬送方向を中心として当該紙幣を略90°ずつ2段階で変位させているため、紙幣全体を一度に180°回転させるような従来の表裏反転装置の上記の問題を解消することができるようになる。
また、図1に示す紙幣処理機10では、鉛直方向に延びる搬送部16に、本発明に係る表裏反転装置が設けられるような態様が示されているが、このような態様に限定されることはない。他の例として、鉛直方向に対して傾斜している搬送部や、水平方向に延びる搬送部に、本発明に係る表裏反転装置が設けられるようになっていてもよい。
また、本発明に係る表裏反転装置は、紙幣の表裏を反転させるものに限定されることはない。本発明に係る表裏反転装置として、紙幣以外の紙葉類(例えば、小切手や商品券等)の表裏を反転させるものが用いられてもよい。また、本発明に係る紙葉類処理機は、紙幣の処理を行う紙幣処理機に限定されることはない。本発明に係る紙葉類処理機として、紙幣以外の紙葉類の処理を行うとともに、この紙葉類の表裏を反転させる表裏反転装置が設けられたものが用いられてもよい。

Claims (15)

  1. 紙葉類を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における一部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させる上流側反転部と、
    紙葉類の前記搬送方向における前記上流側反転部の下流側に設けられ、当該上流側反転部から送られた紙葉類を前記搬送方向に沿って搬送しながら前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙葉類全体の表裏を反転させることができる下流側反転部と、
    を備え、
    前記上流側反転部は、略90°変位させられた紙葉類の幅方向における一部分を案内する互いに離間して設けられた一対の垂直ガイド部分を含み、各前記垂直ガイド部分の間の距離は前記搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなるよう各前記垂直ガイド部分が構成されている、表裏反転装置。
  2. 前記上流側反転部は、位置固定で設けられ、前記搬送方向に沿って搬送される紙葉類の幅方向における一部分を当該搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を案内する上流側固定ガイド部分を含む、請求項1記載の表裏反転装置。
  3. 前記上流側反転部は、紙葉類の幅方向における一部分を変位させる方向を、前記下流側反転部による紙葉類の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えることができるようになっている、請求項1記載の表裏反転装置。
  4. 前記上流側反転部は、搬送路の幅方向において分割され、各々が軸を中心として揺動する複数の分岐爪を含み、各前記分岐爪は他の前記分岐爪から独立して揺動することができるようになっており、
    各前記分岐爪の位置に基づいて、紙葉類の幅方向における一部分を変位させる方向が、前記下流側反転部による紙葉類の変位方向と同方向または逆方向に選択的に切り換えられるようになっている、請求項3記載の表裏反転装置。
  5. 前記上流側反転部は、略90°変位させられた紙葉類の幅方向における一部分以外の部分を前記下流側反転部に向かって前記搬送方向に沿って搬送する上流側搬送部分を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  6. 前記上流側反転部は、紙葉類を前記搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における中央部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させるようになっている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  7. 前記上流側反転部は、紙葉類の幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後に当該紙葉類の幅方向における前記一部分よりも右側領域および左側領域のうち一方の領域のみを第1ローラにより搬送し、その後、この紙葉類における略90°変位させられた箇所を第2ローラにより搬送するような構成となっている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  8. 前記上流側反転部は、幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後の紙葉類を案内する一対のガイド部を有しており、前記一対のガイド部は互いに離間するとともに前記一対のガイド部の間で紙葉類が案内されるようになっており、
    前記一対のガイド部のうち一方のガイド部の表面には、幅方向における一部分が前記搬送方向を中心として略90°変位させられた後の紙葉類における前記一部分よりも右側領域および左側領域のうち一方の領域を湾曲させる隆起部分が設けられている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  9. 前記一対のガイド部のうち他方のガイド部の表面には、紙葉類の幅方向における前記搬送方向を中心として略90°変位させられる一部分を一方のガイド部に向かって折り曲げる折り曲げ部分が設けられている、請求項8記載の表裏反転装置。
  10. 前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を案内する下流側固定ガイド部分を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  11. 前記下流側反転部は、前記上流側反転部で略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させるよう紙葉類を搬送する下流側搬送部分を含み、
    前記下流側搬送部分は、搬送ベルトおよび搬送ローラのうち少なくとも1つのものから構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表裏反転装置。
  12. 前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記下流側搬送部分により搬送される紙葉類の前記搬送方向における先端部分を搬送路の幅方向外側へ案内する紙葉類先端ガイド部分を更に含む、請求項11記載の表裏反転装置。
  13. 前記下流側反転部は、位置固定で設けられ、前記下流側搬送部分により搬送される紙葉類の幅方向における端部分を高さ方向において制限するよう紙葉類を案内する紙葉類高さ制限ガイド部分を更に含む、請求項11または12記載の表裏反転装置。
  14. 紙葉類を搬送する搬送部と、
    前記搬送部に設けられ、当該搬送部により搬送される紙葉類の表裏を反転させる、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の表裏反転装置と、
    を備えた、紙葉類処理機。
  15. 紙葉類を所定の搬送方向に沿って搬送しながら当該紙葉類の幅方向における一部分を前記搬送方向を中心として略90°変位させる第1反転工程と、
    前記第1反転工程により幅方向における一部分が略90°変位させられた紙葉類の前記一部分を、互いに離間して設けられた一対の垂直ガイド部分であって、各前記垂直ガイド部分の間の距離が前記搬送方向において下流側が上流側よりも徐々に小さくなる前記垂直ガイド部分によって案内する案内工程と、
    前記案内工程により案内された、前記第1反転工程により幅方向における一部分が略90°変位させられた紙葉類を、前記搬送方向に沿って搬送しながら略90°変位させられた当該紙葉類の幅方向における一部分を受け取って前記搬送方向を中心として略90°変位させることにより紙葉類全体の表裏を反転させる第2反転工程と、
    を備えた、表裏反転方法。
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