JP4305886B2 - 記録紙後処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタまたはそれらの複合機などの画像形成装置に併設して用い、記録紙束に製本処理、綴じ処理、パンチ処理などの各種の後処理を行なう記録紙後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の記録紙後処理装置にあっては、画像形成装置によって画像記録された複数枚の記録紙を、それぞれ専用の搬送路に設けた各種の後処理手段で後処理させたのち、それぞれ別々の搬送路を通って別々の排紙トレイに積載されているものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、このような記録紙後処理装置にあっては、後処理手段ごとにそれぞれ専用の搬送路が必要になっており、その分、装置小型化の障害となっているとともに製造コストの増大をもたらしている。
【0004】
さらに、このような構成の記録紙後処理装置にあっては、後処理手段ごとに専用の排出トレイ設けているため、これらの排出トレイは、記録紙後処理装置本体において、高さの異なる別々のところに設置されている場合が多い。従って、一方の排出トレイは、記録紙束を取り出しやすい高さに設置できるが、他方は取り出しにくい高さに設置されてしまう虞れがある。
【0005】
この場合、高さの低い方の排出トレイに積載されている記録紙束を取り出す際に、腰を屈めるなどの無理な姿勢を強いられることがあり、問題となっている。
【0006】
そこで、この発明は、上記した事情に鑑み、小型化に好都合であって、コストの削減も図ることができ、しかも排出トレイから記録紙を取り出しやすい記録紙後処理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置で画像記録された記録紙束を整合する後処理トレイと、
この同一の後処理トレイで各種の後処理を記録紙束に行うために前記後処理トレイ近傍に設けた各種の後処理手段とを備え、
これらの後処理手段で後処理された記録紙束を同一の排出トレイに排出させるように構成し
記録紙後処理装置本体の互いに近接した位置に、各種の後処理手段で後処理された記録紙束を排出トレイへ排出させる排出口が、少なくとも2個所形成されているものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各種の後処理手段として、少なくとも、製本処理手段と端部綴じ処理手段とを有するものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記排出口として、後処理を行なわない記録紙とともに前記端部綴じ処理手段で端部綴じ処理を行なった記録紙束が前記排出トレイ上に排出される第1の排出口と、前記製本処理手段で製本処理された記録紙束が前記排出トレイ上に排出される第2の排出口とが形成されているものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発明において、前記排出トレイを昇降させる昇降機構を備えたものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4に記載の発明において、記録紙束を排出トレイへ排出させる前記排出口に、記録紙束を排出するときに開閉するシャッタを備えたものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記シャッタが閉鎖状態にあることを検知する排出確認検知手段を備えているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図1には、この発明に係る画像形成装置の記録紙後処理装置の全体概略図を示す。
【0014】
この実施例の画像形成装置の記録紙後処理装置1は、画像形成装置に併設して用いるものであり、後処理手段として、端部綴じ処理手段4と、製本処理手段を構成する中綴じ処理手段5および中折り処理手段6とを備えている。一方、これらすべての後処理手段は、後処理トレイ3を共用するようにして設置されている。なお、この実施例の画像形成装置としては、複写機2が使用されているが、これ以外に、例えばファクシミリ、プリンタ、その他の適宜の機器が使用できる。また、この記録紙後処理装置として、後処理トレイ3の近傍に、これらの後処理手段とともにパンチ処理手段を設けた構成としてもよい。
【0015】
さらに、これらの記録紙後処理装置1には、いずれの後処理手段で後処理される場合であっても排紙トレイ1Aに排出させるため、図1に示す第1および第2の排出口1B、1Cを形成しているとともに、図4に示すトレイ装置8が設けられている。
【0016】
記録紙後処理装置1と複写機2との間には、入口ガイド板11が設けられており、複写機2で画像記録された記録紙は、その入口ガイド板11にガイドされて記録紙後処理装置1内に送り込まれる。
【0017】
記録紙後処理装置1は、この入口ガイド板11近傍に、搬送ローラ12A、12Bを設置しているとともに、この近傍には、図示外のソレノイドにより作動し搬送方向を仕分ける分離爪13を設けている。なお、この分離爪13は、搬送ローラ12A、12Bを介して搬送された記録紙に対して後処理を行なうか否かにより、搬送方向を2方向に分流させるようになっている。
【0018】
この実施例の記録紙後処理装置1では、画像記録された記録紙が、図1において、水平方向左方へ搬送される場合には、後処理を行なわないノン後処理モードへ移行する。このノン後処理モードヘ移行した記録紙は、搬送ローラ12Cによってほぼ水平方向に搬送されるように設定されたノン後処理搬送路αに沿ってそのまま搬送されたあと、排紙ローラ12Dにより記録紙後処理装置外部に向けて若干斜め上方へ向かうようにして記録紙後処理装置1の外部へ排紙される。また、この記録紙が下方向へ搬送される場合には、後処理モードβへ移行するようになっている。
【0019】
即ち、この実施例の記録紙後処理装置1では、後処理モードの場合には、この記録紙が、搬送ローラ12Eないし12G、後処理排出ローラ12Hおよび図示外のガイド板を介して、略U字状の後処理搬送路βに沿って搬送されたのち、後処理トレイ3に排出されるようになっている。なお、後処理排出ローラ12Hには、図示外のブラシローラが一体化されて設けられているとともに、この後処理排出ローラ12Hの近傍であって記録紙搬送方向の下流側には叩きコロ12Iが設けられている。
【0020】
後処理トレイ3には、図2に示すように、水平方向Xに平行に設けた後端基準フェンス31と、この後端基準フェンス31と直交するY方向に設けたジョガーフェンス32とを備えている。この後処理トレイ3は、記録紙束Pに後処理を施すのに先立ち、後端基準フェンス31によって記録紙束Pの下端部を整合すると共に、ジョガーフェンス駆動モータ32Aにより作動するジョガーフェンス32によって記録紙束Pの左右両側端部を整合するようになっている。
【0021】
また、この後処理トイレ3には、図3に示すように、縦方向中間部近傍に凹所33が形成されている。さらに、この実施例の後処理トレイ3は、凹所33を挟んでこれよりも下部側部分が水平方向に対して75°、これよりも上部側が同じく65°に傾斜しており、全体形状が略く字形(中央部分が凸状に突出した形状)を呈している。なお、これらの傾斜角度については、特にこの実施例のものに限定されず、各種の好適な傾斜角度でかまわない。
【0022】
さらに、この発明の後処理トイレ3には、図3に示すように、ジョガーフェンス32の側面全体に亙って縁部側を90度折曲して設けた折曲面32Bにおいて、その中間部(中綴じ位置を避けた場所)に一部を切り欠いて切欠き32Cを設け、ここに薄板状の押え部材34が取り付けられている。
【0023】
同様に、ジョガーフェンス32の折曲面32B下端において傾斜した斜面32Dにも、薄板状の押え部材35が取り付けられている。なお、これらの押え部材34、35は、ジョガーフェンス32の記録紙束両側端部を整合させる内側面を避けて設置しており、これによって記録紙束Pの左右両側端部の整合機能が損なわれないようになっている。
【0024】
この押え部材34、35は、例えばフィルムなどのように、自身がばね性を有する適宜の材質的のものを使用し、後処理トレイ3の記録紙搬送方向下流側に向けて傾斜させ、後処理トレイ3の表面に向けてばね力を付与するようになっている。
【0025】
さらに、この後処理トレイ3には、図1に示す無端ベルト36と、この無端ベルトに取付けられて後処理トレイ3に沿って上下方向に移動する放出爪36Aとが設けられている。
【0026】
端部綴じ処理手段4は、図1に示すように、後処理トレイ3に搬送されこの後処理トレイ3で整合されている記録紙束の下端部付近にステイプラで端部綴じ処理を施すものであり、後端基準フェンス31近傍の後処理トレイ3下端部に図示外のステイプラが設けられている。
【0027】
中綴じ処理手段5は、図3に示すように、後処理トレイ3へ搬送されここで整合された記録紙の中央部に左右1対のステイプラでまとめて中綴じ処理を行なうものである。この実施例の中綴じ処理手段5には、ステイプラ51と、支持部材52と、偏心カム53とを備えている。
【0028】
この実施例のステイプラ51は、2個のものが、後処理トレイ3中央部側の凹所33近傍に所定間隔(この実施例では120mm)を保持し、かつ、後端基準フェンス31に対して平行に設けられている。
【0029】
このステイプラ51は、ステイプラ本体51Aと、記録紙束Pを綴じる際に図示外の適宜手段で押圧・押動させて綴じ針を記録紙へ突き刺すプッシャ51Bと、綴じ針を記録紙束へ突き刺す際に記録紙束を反対面から保持するためにプッシャ51Bと対向して設けたクリンチャ51Cとから構成されている。
【0030】
ステイプラ本体51Aは、後処理トレイ3の凹所33が形成されている部分の上側であって、後処理トレイ3の背面側に固定されている。
【0031】
プッシャ51Bは、クリンチャ51Cの設置方向に回動可能な状態でステイプラ本体51Aに取付けられている。この実施例のプッシャ51Bは、凹所33の裏面側に設けられており、ステイプル動作時に、テイプルトレイ3の凹所33表面よりも突出した位置まで移動可能となっている。これにより、プッシャ51Bは、クリンチャ51Cとの間で記録紙束Pをしっかりと押え付けて中綴じ処理を行なえるようになっている。
【0032】
一方、クリンチャ51Cは、後処理トレイ3に向けて回動する支持部材52の先端側に固定されており、ステイプラ本体51Aやプッシャ51Bとは別体となっている。
【0033】
支持部材52は、図2に示すように、後処理トレイ3の両側に起立する側壁面3Aに設けた支軸52Aに対して、回動自在に取付けられている。また、この支持部材52は、図示外のばねによって後処理トレイ3から離間する方向(図3において反時計方向)に弾性力が付勢されている。
【0034】
一方、支持部材52が回動するときにその先端が描く所定半径の円周上であって、後処理トレイ3から所定距離離間した位置には、偏心カム53が設けられている。
【0035】
この偏心カム53は、真円形状を有しており、中心からずれた周縁部寄りに回動軸53Aが固着されている。この回転軸53Aは、支軸52Aと平行な状態で、側壁面3Aに回動可能に取付けられており、図2に示すカム駆動用モータ53Bによって回転し、偏心カム53を、その中心から偏倚した位置を中心として回動させる。
【0036】
中折り処理手段6は、中綴じ処理手段5で中央部に中綴じ処理を施された記録紙束に対し、その中綴じされた中央部に中折り処理を施して製本するものである。この実施例の中折り処理手段6は、図3に示すように、図示外のスプリングの弾性力で互いに当接し駆動モータ(図略)によって回転する1対の中折りローラ61と、図示外の別の駆動モータにより中折りローラ61間のニップ部分に向けて、即ち、図2において、やや斜め下方に向けて移動する中折り板63とから概略構成されている。
【0037】
トレイ装置8は、綴じ処理の有無や綴じ処理の方法に応じて排出トレイ1Aを上下に昇降させるようになっており、図4に示すように、昇降機構8Aと、シャッタ機構8Bと、開閉検知部8Cとを備えている。
【0038】
昇降機構8Aは、図5に示すように、綴じ処理されなかったり端部綴じ処理する場合(第1モードの場合)と、図6に示すように、製本(中綴じ中折り)処理する場合(第2モードの場合)との2通りのモードによって上下2種類の待機位置で排出トレイ1Aを待機させるために、排出トレイ1Aを昇降させるようになっている。
【0039】
この実施例の昇降機構8Aは、図7に示すように、排出トレイ1A側に設けたモータ81で駆動するピニオン82と、このピニオン82に噛合する記録紙後処理装置本体10側に設けたラック83とから構成されており、設定モードに応じてモータ81が適宜作動して、いずれかの待機位置に移動するようになっている。この昇降機構としては、この実施例の他に、例えば無端ベルトを使用し、この無端ベルトの一部に排出トレイを固定して、無端ベルトの回動動作によって昇降させてもよい。
【0040】
さらに、この昇降機構8Aには、いずれかの待機位置に待機した排出トレイ1Aが、排出される記録紙の積載枚数の数に応じて少しずつ下降していくことにより、既に排出トレイ1Aに積載されている記録紙に邪魔されることなく多数枚の記録紙をその上に順次積載することができるようになっている。
【0041】
シャッタ機構8Bは、中折りローラ61の直下の記録紙後処理装置本体10に設けた第2の排出口1Cに開閉可能なシャッタ84を備えており、中折りされた記録紙束がこのシャッタ84を押し開いて第2の排出口1Cから記録紙後処理装置本体10の外部へ排出されるようになっている。このシャッタ84には、図示外のスプリングによって閉じ方向に閉鎖力が付与されており、このシャッタ84から記録紙束が完全に排出されると、スプリングの力で元の位置まで戻って閉鎖状態になる。
【0042】
開閉検知部8Cは、シャッタ84の開閉状態を検知するものであり、この実施例では、発光部と、この発光部からの光を受光する受光部とからなる開閉センサ85が設けられており、シャッタ84が完全に閉鎖されたときには、シャッタ84に設けた遮蔽板84Aが発光部と受光部との間に移動してきて発光部からの光を遮断することにより、シャッタ84が完全に閉鎖されていることが確認検知されるようになっている。この開閉検知部8Cは、中折り処理された記録紙束の排出トレイ1Aへの排出確認検知手段としても機能するようになっており、例えば、中折り処理に異常をきたし、記録紙束がシャッタ84と排出口1Cの部分の間に係止したり、停止した場合には、これを検知できるようになっている。
【0043】
次に、この実施例の作用について説明する。
(1)複写機2で画像が転写されこの複写機2から排出されてきた記録紙について後処理を行なわない場合には、ノン後処理モードを選択・設定する。すると、図1において、昇降機構8Aが作動し、排出トレイ1Aが所定の待機位置まで上昇する。その後、記録紙は、分離爪13の仕分け・分離動作により、そのままノン後処理搬送路αに沿って搬送され、排紙ローラ12Dによって記録紙後処理装置1の排出口1Bから外部へ排出され、排出トレイ1A上に排出される。
【0044】
(2)一方、記録紙に後処理を行なう場合には、例えば端部綴じ処理モードを選択・設定すると、図示外のソレノイドが作動して分離爪13が回動動作し、各記録紙が後処理搬送路βに向けて逐次搬送されていく。これにより、所定の枚数(例えば最大50枚程度)の記録紙が後処理トレイ3に積載されるが、この後処理トレイ3での端部綴じ動作に先立って記録紙の整合動作が行われる。
【0045】
後処理トレイ3に積載され整合された記録紙束Pは、端部綴じ処理手段4に設けた図示外のステイプラによって端部位置にまとめて端部綴じ処理が施されるが、この後処理トレイ3での端部綴じ処理動作の際に、記録紙束にたわみやカールといった姿勢の崩れを発生しようとするのを押え部材34、35が押し付け力で矯正している。
【0046】
その後、放出爪36Aによって上方に持ち上げられていき、排紙ローラ12D(図1参照)によって第1の排出口1Bから排出トレイ1A上に排出される。この場合には、ノン後処理モードの場合と同様に、第1の排出口1Bから記録紙束が排出されるので、排出トレイ1Aを移動させる必要がなく、そのままの状態で排出されてくる記録紙束を待っている。
【0047】
なお、後処理トレイ3への記録紙の搬送およびこの後処理トレイ3からの記録紙束の排出時には、通過する記録紙の紙詰まりやカールした記録紙が係止するのを防止するため、中綴じ用のクリンチャ53Cは後処理トレイ3の凹所33から最も離れた位置に後退して待機している。
【0048】
(3)一方、製本(中綴じ中折り)処理モードを選択・設定すると、昇降機構8Aが作動し、排出トレイ1Aが所定の待機位置まで下降する。また、端部処理モードの場合と同様に、クリンチャ53Cは、ステイプラ本体53Aから最も離れた位置に後退した状態のまま、所望の複数枚の記録紙束が整合されて後処理トレイ3に積載される。
【0049】
これにより、複写機2から排出される複数枚の記録紙に一連の整合・整列動作が行われたならば、その後、中綴じ処理動作に移行する。
【0050】
この中綴じ処理動作の際にも、押え部材34、35が、後処理トレイ3に整合された記録紙束Pを中綴じ位置の前後で上から押さえ付ける。従って、例えば、腰が弱い記録紙であっても自重によりたわんで座屈するのを防止でき、またカールして曲がり癖のついた記録紙であってもカールの発生を抑えた状態に保持できる。
【0051】
中綴じ処理手段5による中綴じ処理動作が完了したならば、偏心カム52が回転するので、クリンチャ53Cが再び元の位置、つまり凹所33から最も離間したホームポジションまで後退し、そこで次の中綴じ動作まで待機する。
【0052】
このようにして、中綴じされた記録紙束Pは、さらに放出爪36Aによって後処理トレイ5の上方に持ち上げられていき、中綴じ処理が施された記録紙束Pの中央部が中折り板63の進行方向と一致したところまで上昇してきたところで、その上昇動作が停止する。
【0053】
次に、中折り処理動作のため、中折り板63が中折りローラ61間のニップ部分に向けて前進し、記録紙束Pの中綴じされた中央部を押し込む。これにより、中綴じされた記録紙束Pがその中央部から中折りローラ61間に折り込まれ、2つに折り曲げられて製本処理されていく。この中折りローラ61に挟み込まれた記録紙束Pは、そのまま第2の排出口1Cから記録紙後処理装置1外部の排出トレイ1A上に排出されていく。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明によれば、画像形成装置で画像記録された記録紙束を整合する後処理トレイと、この後処理トレイで記録紙束に後処理を行う各種の後処理手段とを備え、これらの後処理手段で後処理された記録紙束を同一の排出トレイに排出させるように構成したので、それぞれの後処理ごとに専用の排出トレイを設ける必要がないから、製造コストの削減が図ることができるとともに、小型化するのに都合がよい。
【0055】
さらに、記録紙後処理装置本体の互いに近接した位置に、各種の後処理手段で後処理された記録紙束を排出トレイへ排出させる排出口が、少なくとも2個所形成されているので、排出トレイから離れた方の排出口から排出された記録紙束が排出トレイに積載される際に、排出口から排出トレイまでの記録紙束の落下距離が少ない分、落下の際の記録紙束の積載状態の乱れを抑えることができ、記録紙束の排出作業が容易になる。
【0056】
さらに、請求項4に係る発明によれば、排出する排出口に合わせて排出トレイを昇降させることができるので、排出口から排出トレイまでの記録紙束の落下距離を最適に設定することができ、記録紙束排出作業の信頼度が一層向上する。
【0057】
さらに、請求項5に係る発明によれば、記録紙束を排出トレイへ排出させる排出口に、記録紙束を排出するときに開閉するシャッタを備えたので、排出トレイが別の排出口に降下してきたときに、既に積載されている記録紙束が、排出トレイから滑落してその排出口から記録紙後処理装置内部へ逆送されるといったトラブルを防止できる。
【0058】
さらに、請求項6に係る発明によれば、シャッタが閉鎖状態にあることを検知する排出確認検知手段を備えているので、例えば排出口とシャッタとの間に記録紙が挟まれたり停止した場合に、この排出異常を排出確認検知手段で自動的に検知でき、排出異常時にいち早く気づいて復旧させることができる。これにより、これをそのまま見過ごして後続の記録紙束が記録紙後処理装置内部にたまって紙詰まりを起こしたり、内部の各種機器の故障などを引き起こすといったトラブルを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像形成装置の記録紙後処理装置を示す概略構成図である。
【図2】その後処理トレイなどの内部機構を示す斜視図である。
【図3】その後処理トレイにおける記録紙後処理作用を示す説明図である。
【図4】その後処理後の記録紙束の排出トレイへの排出方向を示す説明図である。
【図5】第1排出口から排出トレイへ記録紙束が排出される状態を示す説明図である。
【図6】第2排出口から排出トレイへ記録紙束が排出される状態を示す説明図である。
【図7】その排出トレイに設けた上昇手段を示す説明図である。
【符号の説明】
1 記録紙後処理装置
12D 排紙ローラ
1A 排出トレイ
1B 第1の排出口
1C 第2の排出口
2 複写機(画像形成装置)
3 後処理トレイ
4 端部綴じ処理手段
5 中綴じ処理手段
6 中折り処理手段
61 中折りローラ
8 トレイ装置
8A 昇降機構
8B シャッタ機構
8C 排出確認検知手段

Claims (6)

  1. 画像形成装置で画像記録された記録紙束を整合する後処理トレイと、
    この同一の後処理トレイで各種の後処理を記録紙束に行うために前記後処理トレイ近傍に設けた各種の後処理手段とを備え、
    これらの後処理手段で後処理された記録紙束を同一の排出トレイに排出させるように構成し
    記録紙後処理装置本体の互いに近接した位置に、各種の後処理手段で後処理された記録紙束を排出トレイへ排出させる排出口が、少なくとも2個所形成されていることを特徴とする記録紙後処理装置。
  2. 前記各種の後処理手段として、少なくとも、製本処理手段と端部綴じ処理手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の記録紙後処理装置。
  3. 前記排出口として、後処理を行なわない記録紙とともに前記端部綴じ処理手段で端部綴じ処理を行なった記録紙束が前記排出トレイ上に排出される第1の排出口と、前記製本処理手段で製本処理された記録紙束が前記排出トレイ上に排出される第2の排出口とが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の記録紙後処理装置。
  4. 前記排出トレイを昇降させる昇降機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の記録紙後処理装置。
  5. 記録紙束を排出トレイへ排出させる前記排出口に、記録紙束を排出するときに開閉するシャッタを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の記録紙後処理装置。
  6. 前記シャッタが閉鎖状態にあることを検知する排出確認検知手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の記録紙後処理装置。
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