JP4333174B2 - 用紙積載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を適用した複写機、プリンタ、ファクシミリあるいはこれらの複合機等の画像形成装置によって画像が形成された用紙を積載する用紙積載装置に関し、特に、画像が形成された用紙に対して後処理を施す後処理装置と組み合わせて好適に使用される用紙積載装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】
特開2002−87685号公報
【特許文献2】
特開平10−250897号公報
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真方式を適用した複写機、プリンタ、ファクシミリあるいはこれらの複合機等の画像形成装置は、画像が形成された用紙を綴じたり、当該用紙に対して穿孔処理を施したり、あるいは画像が形成された用紙を1セットずつオフセットさせた(ずらした)状態で排出するため、ステープラーやパンチチャー、あるいはオフセットキャッチトレイ等を備えた用紙後処理装置と組み合わせて使用される場合がある。そして、上記用紙後処理装置には、ステープラーやパンチャーなどによって、綴じられた用紙や、穿孔処理された用紙などを積載した状態で排出する用紙積載装置が用いられている。
【0004】
この用紙積載装置に関する技術としては、種々のものが既に提案されており、製品化されてきているが、例えば、特開2002−87685号公報等に開示されたものがある。
【0005】
上記特開2002−87685号公報に係る画像形成装置の用紙排出装置は、後続用紙の排出による用紙ズレを無くし、排出トレイ上の排出用紙を整列するとことができる画像形成装置の用紙排出装置を提供するため、可動式排紙トレイと、上記可動式排紙トレイに排出された用紙上面に接触して満杯検知および昇降上限位置検知を行うアクチュエータと、を備えた画像形成装置の用紙排出装置において、上記アクチュエータは、上記可動式排紙トレイの用紙載置面、または上記可動式トレイに排出された用紙上面に接離可能に配置され、連続排紙時に、上記可動式排紙トレイに排出された用紙上面押さえ手段として兼用されるように構成したものである。
【0006】
しかし、この特開2002−87685号公報に係る画像形成装置の用紙排出装置の場合には、可動式排紙トレイに排出された用紙上面に接触して満杯検知および昇降上限位置検知を行うアクチュエータが、連続排紙時に、上記可動式排紙トレイに排出された用紙の上面を押さえる用紙上面押さえ手段を兼用するように構成したものであるが、上記アクチュエータは、1つのみ設けられているため、後続の用紙束が排紙トレイ上に排出されると、当該排出される用紙束によって既に積載されている用紙が、アクチュエータを支点として回転してしまい、排出された用紙の姿勢が乱れるという問題点を有している。
【0007】
そこで、かかる問題点が生じ難い用紙積載装置に関する技術としては、例えば、特開平10−250897号公報に開示されているものがある。
【0008】
この特開平10−250897号公報に係る用紙処理装置は、画像形成装置から排出された用紙を集積するビンと、前記ビンの上方に設置された大量の用紙を積載可能な積載トレイと、前記ビン上の用紙束を上方へ搬送して前記積載トレイへ収容する用紙束搬送手段と、前記用紙束搬送手段によって用紙束が前記積載トレイ上へ収容されるとき、既に積載トレイに収容されている用紙束の後端部上面を押圧する押さえ部材と、を備えるように構成したものである。この押さえ部材は、回転軸に複数固定した状態で取り付けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平10−250897号公報に係る用紙処理装置の場合には、回転軸に固定された複数の押さえ部材で、綴じられた用紙束のステープル針の膨らみを押さえるように構成したものであるが、前記複数の押さえ部材は、回転軸に固定されているため、1つの押さえ部材が用紙束の膨らみに当接していると、他の押さえ部材が浮いてしまい、用紙束に膨らみが残ったり、用紙束が回転するのを確実に防止することができないという問題点を有している。
【0010】
また、上記特開平10−250897号公報に係る用紙処理装置の場合には、綴じられた用紙束のステープル針の膨らみ以外にも、用紙がカールしていると、当該用紙のカールの膨らみによって、押さえ部材が一箇所しか接しない場合が生じ、やはり用紙束の回転を確実に防止することができず、排出される用紙の姿勢に乱れが生じるという問題点を有している。
【0011】
さらに、上記特開平10−250897号公報に係る用紙処理装置の場合には、用紙の排出時に、押さえ部材が用紙を押さえる動作しかしていないため、用紙のカールの状態によっては、排出トレイ上に排出された用紙の基端部に、排出方向と直交する方向の両端部に残ったカールによって用紙の浮き上がりが生じたままの状態となり、次に排出される用紙又は用紙束によって、排出済みの用紙が押され、排出トレイ上に排出される用紙の姿勢に乱れが生じるという問題点を有している。
【0012】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、排出トレイ上に排出される用紙に綴じ針による膨らみやカール等が存在する場合であっても、当該排出トレイ上に用紙を姿勢良く排出することが可能な用紙積載装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、画像が形成された用紙を積載した状態で排出する排出トレイと、前記排出トレイ上に排出された用紙の排出方向の後端部を押さえる押さえ部材を備えた用紙積載装置において、
前記押さえ部材は、用紙の排出方向と直交する方向に沿って配設された同一の回転軸に複数取り付けられ、且つ各前記押さえ部材は、前記同一の回転軸に対して所定の角度範囲にわたって回動自在となっているとともに、前記複数の押さえ部材は、個別に排出トレイ上に排出された用紙を押圧するように、前記各押さえ部材に対応して設けられた付勢部材によって付勢されており、前記回転軸を回転駆動させることによって押さえ位置と退避位置との間を移動可能に構成されていることを特徴とする用紙積載装置である。
【0015】
さらに、請求項2に記載された発明は、前記押さえ部材は、当該押さえ部材自体が弾性を有する部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置である。
【0016】
又、請求項3に記載された発明は、前記押さえ部材は、前記排出トレイ上への用紙の排出動作時に、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえるとともに、前記排出トレイ上への用紙の排出動作後に、再度、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙積載装置である。
【0017】
更に、請求項4に記載された発明は、前記排出トレイは、用紙の排出方向と直交する方向に所定量だけオフセット可能に構成されているとともに、前記排出トレイは、前記押さえ部材による2度目の押さえ動作を実施した後に、オフセット動作を開始するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の用紙積載装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る用紙積載装置を適用した用紙後処理装置を示すものである。
【0020】
この用紙後処理装置1は、図2に示すように、図示しない複写機やプリンタ等の画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、穿孔処理や綴じ処理、あるいは中綴じ折り処理などの後処理を施すように構成されている。
【0021】
また、上記用紙後処理装置1には、画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、表紙やカラー画像が形成された用紙など、所望の用紙を所定のタイミングで適宜供給するインターポーザー2を備えたインターフェイスモジュール3と、前記インターフェイスモジュール3を通過した用紙に対して、所望のZ折やC折り等の折り処理を施す折り処理装置4とが組み合わされている。
【0022】
そして、上記用紙後処理装置1では、図示しない画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、パンチユニットによって穿孔処理を施したり、ステープラーによって綴じ処理を施して、用紙束や小冊子を作成したり、オフセットするスタックトレイ(排出トレイ)によって複数枚の用紙を、1セット毎にオフセットさせて(ずらして)排出することが可能となっている。
【0023】
上記インターフェイスモジュール3には、図2に示すように、その左側面に図示しない画像形成装置から画像が形成された用紙が導入される導入口5が設けられており、当該導入口5の内側には、用紙を搬入する搬入ロール6が配設されている。また、上記搬入ロール6の下流側には、斜め上方に延びた用紙搬送路7を介して、水平方向横向きに開口した排出口8が設けられており、用紙搬送路7には、用紙のカールを除去するカール除去ロール9が配設されている。
【0024】
さらに、上記インターフェイスモジュール3の上部には、画像形成装置によって画像が形成された用紙に対して、表紙やカラー画像が形成された用紙など、所望の用紙を適宜供給するインターポーザー2が載置されている。このインターポーザー2は、用紙を載置する給紙トレイ10と、当該給紙トレイ10上に載置された用紙を1枚ずつ分離した状態で給紙するナジャーロール11・フィードロール12・リタードロール13と、給紙された用紙をインターフェイスモジュール3へ排出する出口ロール14とを備えている。また、上記インターフェイスモジュール3の内部には、インターポーザー2から導入された用紙を、排出口8へと搬送する搬送ロール15を備えた用紙搬送路16が設けられている。
【0025】
一方、上記折り処理装置4は、図2に示すように、その左側面にインターフェイスモジュール3から排出された用紙を導入する導入口17が設けられているとともに、その右側面には、水平方向に配置された用紙搬送路18を介して用紙を排出する排出口19が設けられている。また、上記導入口17の内側には、導入ロール20が配設されており、当該導入ロール20の下流側には、搬送ロール21を備え、下方に分岐した折り用の用紙搬送路22が、鉛直方向下向きに設けられている。この折り用の用紙搬送路22に導入された用紙は、その先端部が突き当て部23に突き当てられた状態で、折りロール24によって2つ折りに折る処理がなされた後、搬送ロール25を備えた3つ折り用の用紙搬送路26に搬送される。そして、この3つ折り用の用紙搬送路26に搬送された用紙は、その先端部が突き当て部27に突き当てられた状態で、折りロール28によって3つ折りに折る処理がなされる。その後、3つ折りに折る処理がなされた用紙は、搬送ロール29を備えた排出用の用紙搬送路30を介して排出口19へと搬送される。上記折り処理装置4では、図3に示すように、用紙90に対してC折りやZ折りが可能となっている。
【0026】
図2はこの発明の実施の形態1に係る用紙積載装置を適用した用紙後処理装置をも示すものである。
【0027】
この用紙後処理装置1には、その左側面に折り処理装置4を通過した用紙90を導入する導入口31が設けられているとともに、当該導入口31の内側には、用紙90を斜め上向きの用紙搬送路32に沿って搬送するための導入ロール33が配設されている。また、上記導入ロール33の下流側には、当該導入ロール33によって搬送されるとともに、更に下流側に位置する逆転ロール34によって逆送され、図示しない突き当て部に後端部が突き当てられて、スキューが補正された用紙90の所定位置に対して、パンチ処理を施す穿孔手段としてのパンチユニット35が配設されている。さらに、上記パンチユニット35の下流側は、用紙搬送路が2つに分岐しており、当該用紙搬送路のうち、上方に分岐した用紙搬送路36は、必要に応じてパンチ処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90をそのまま固定トレイに排出したり、綴じ処理を施したり、オフセット排出するためのものである。一方、上記用紙搬送路のうち、搬送ロール37を備えて下方に分岐した用紙搬送路38は、用紙90を中央部で綴じた後、綴じ部で2つに折る中綴じ折り処理を行って排出するためのものである。
【0028】
上記上方に分岐した用紙搬送路36は、更に2つに分岐しており、鉛直方向上方に分岐した用紙搬送路39は、必要に応じて穿孔処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90をそのまま、あるいは不要な用紙90を固定トレイ40上に排出するためのものである。この用紙搬送路39には、搬送ロール41と、トップ排出ロール42が配設されており、必要に応じて穿孔処理を施した用紙90や、画像が形成された用紙90等をそのまま固定トレイ40に排出するように構成されている。
【0029】
また、上記上方に分岐した用紙搬送路のうち、更に略水平方向に分岐した用紙搬送路43は、用紙90に対して一端縁に沿った綴じ処理や角部に綴じ処理を施したり、複数枚の用紙90をセット毎にオフセットさせた状態で排出するためのものである。この用紙搬送路43には、バッファー用の逆転ロール44と、コンパイル排出ロール45とが配設されており、当該コンパイル排出ロール45によって用紙90を順次コンパイルトレイ46上に排出するようになっている。さらに、上記コンパイルトレイ46上に整列された所定枚数の用紙90は、必要に応じて、ステープラー47によって綴じ処理が施された後、排出ロール48によってオフセットする排出トレイとしてのスタックトレイ49上に排出される。
【0030】
また、上記コンパイルトレイ46の基端部には、用紙90の基端部を突き当てるガイド部材50が退避可能に配設されているとともに、用紙90を整列するパドル51が回転可能に配設されている。さらに、上記コンパイルトレイ46の中間部には、用紙90を幅方向に整列するタンパー52が図面に垂直な方向に移動可能に配設されている。また、上記コンパイルトレイ46の先端部には、用紙90を整列する補助パドル53と、用紙束を案内する出没可能なシェルフ部材54が配設されている。又さらに、上記スタックトレイ49の基端部には、当該トレイ49上に排出される用紙90の基端部を抑える押さえ部材としてのクランパー55が回動可能に配設されている。
【0031】
なお、上記排出ロール48と補助パドル53は、所定のタイミングで、個別に上方に移動可能となっている。
【0032】
さらに、上記用紙搬送路36の上端部には、下側に向けて二重搬送路56が分岐しており、当該二重搬送路56には、バッファーロール57が設けられている。
【0033】
また、上記パンチユニット35の下流側から分岐した用紙搬送路38には、その下方に、用紙90を整列トレイ60上に排出するための排出ロール61が設けられているとともに、前記整列トレイ60の下端部には、用紙90の下端部を突き当てるエンドガイド62が上下方向に移動可能に設けられている。さらに、上記整列トレイ60の中間部には、中綴じ用のステープラー63と、用紙90を整列させる図示しないタンパーを駆動するタンパー駆動部64と、整列された用紙90を中央部で折る折りナイフ部65とが配設されている。そして、上記整列トレイ60上で整列された用紙90は、折りナイフ部65と2組の折りロール66によって、中央部で2つに折られた後、出口ロール67によってブックトレイ68上に排出されるように構成されている。なお、69は整列トレイ60の上下に設けられて用紙90を整列させるためのパドルを示している。
【0034】
ところで、この実施の形態では、画像が形成された用紙を積載した状態で排出する排出トレイと、前記排出トレイ上に排出された用紙の排出方向の後端部を押さえる押さえ部材を備えた用紙積載装置において、前記押さえ部材は、用紙の排出方向と直交する方向に沿って複数配置されているとともに、前記複数の押さえ部材は、個別に排出トレイ上に排出された用紙を押圧するように付勢されていることを特徴とするものである。
【0035】
また、この実施の形態では、前記各押さえ部材が、付勢部材によって排出トレイ上に排出された用紙を押圧するように付勢されている。
【0036】
さらに、この実施の形態では、前記押さえ部材が、前記排出トレイ上への用紙の排出動作時に、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえるとともに、前記排出トレイ上への用紙の排出動作後に、再度、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえるように構成されている。
【0037】
又、この実施の形態では、前記排出トレイが、用紙の排出方向と直交する方向に所定量だけオフセット可能に構成されているとともに、前記排出トレイは、前記押さえ部材による2度目の押さえ動作を実施した後に、オフセット動作を開始するように構成されている。
【0038】
すなわち、この実施の形態に係る用紙積載装置70では、図1に示すように、上下方向に沿って昇降可能に配設された排出トレイとしてのスタックトレイ49の排出方向の後端部に対応した位置であって、当該スタックトレイ49が最上端に移動した際の排出方向の後端部に、押さえ部材としてのクランパー55が回動可能に配設されている。上記クランパー55は、図1に示すように、昇降可能に配設されたスタックトレイ49のエンドプレート71の裏面側に回動可能に取り付けられている。
【0039】
更に説明すると、上記エンドプレート71には、図1に示すように、上下方向に沿って直線状に形成された凹溝72が、水平方向に沿って所定の間隔を隔てて3つ配設されており、クランパー55は、図4に示すように、回転軸73の軸方向に沿って、凹溝72の上端部に対応した位置にそれぞれ取り付けられている。
【0040】
これらのクランパー55は、図5に示すように、回転軸73に対して半径方向外方に延設された排出方向の後端部74と、当該排出方向の後端部74から時計周り方向に沿って且つ半径方向外方に湾曲した状態で延設された中間部75と、当該中間部75から回転軸73の略接線方向に半径方向外方に延設された先端部76とから構成されている。また、上記クランパー55の先端部76には、ゴム等からなる滑り止め部材77が固着されている。さらに、上記クランパー55は、図5に示すように、回転軸73に対して所定の角度にわたって回動自在に取り付けられているとともに、クランパー55の一側には、当該クランパー55を時計周り方向に付勢するための付勢部材としてのスプリング80を取り付ける取り付け部材78が、回転軸73に固定した状態で取り付けられている。そして、上記各クランパー55は、その中間部75の湾曲方向と反対側に突設された突起79に一端部が係止され、他端部が取り付け部材78に係止された付勢部材としてのコイルスプリング80によって、図5中、時計周り方向に個別に付勢されるように構成されている。
【0041】
また、上記クランパー55が取り付けられた回転軸73には、図6に示すように、その一端部に駆動用のギア81が取り付けられており、当該駆動用ギア81には、扇型のギア82が噛み合っている。この扇型のギア82には、ソレノイド83の作動用ロッド84の先端部が連結されており、当該ソレノイド83をオン/オフすることによって、回転軸73を回動可能となっている。なお、上記ソレノイド83等のクランパー55を駆動する部材は、図1に示すように、エンドプレート71の裏面側に装着されている。さらに、上記回転軸73には、図6に示すように、金属製のアーム85が取り付けられているとともに、当該アーム85の先端部には、圧縮スプリング86が取り付けられており、回転軸73は、反時計周り方向に付勢されている。そして、上記クランパー55は、図7に示すように、ソレノイド83をオン/オフすることによって、用紙90から離間した離間位置と、用紙90を押圧する押さえ位置とに回動可能となっている。なお、上記クランパー55は、用紙90を押圧する押さえ位置において、所定の角度だけ回動自在に用紙90の上面を押圧するように付勢されている。
【0042】
また、この実施の形態では、図4及び図8に示すように、クランパー55が用紙90から離間した退避位置でオフセットした際に、下部の排出ロール48と接触しないように構成されている。さらに、上記クランパー55は、図8に示すように、用紙90から離間した退避位置で、下部の排出ロール48の回転軸48aに当接して停止するように構成されている。また、上記クランパー55は、その押さえ位置から退避位置に移動する動作軌跡において、用紙90の走行面から突出しないように配設されている。その結果、上記クランパー55は、用紙90の上面から退避した位置にあっても、用紙90の排出を妨げることはない。
【0043】
さらに、この実施の形態に係る用紙積載装置70は、図9に示すように、スタックトレイ49が上下方向に沿って移動可能に配設されているとともに、当該スタックトレイ49は、用紙の排出方向と直交する方向に沿ってオフセット可能に配設されている。
【0044】
上記用紙積載装置70は、図9に示すように、そのイン側とアウト側に互いに平行に固定して配置された1対のサイドフレーム91、92を備えている。これらイン側とアウト側のサイドフレーム91、92は、図1に示すように、複数(図示例では、3つ)の連結用のアングル部材93〜95によって、互いに平行となるように連結されている。また、上記上部の2つの連結用アングル93、94には、エンドフレーム71が水平方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。
【0045】
さらに、上記イン側とアウト側のサイドフレーム91、92の間には、図9に示すように、スタックトレイ49の排出方向の後端部に位置する断面略コ字形状の移動フレーム96が架設されており、当該移動フレーム96は、サイドフレーム91、92に斜めに傾斜した状態で設けられたガイド溝97、98に沿って、上下方向に沿って移動自在に取り付けられている。
【0046】
また、上記移動フレーム96の長手方向の一端部には、当該移動フレーム96を上下方向に沿って移動させるための移動機構99が装着されている。この移動機構99は、エレベータモータ100と、当該エレベータモータ100の回転駆動力を減速してピニオンギア101に伝達するギアトレインとから構成されている。また、上記ピニオンギア101は、図1及び図9に示すように、ガイド溝97、98に沿って配設された長尺なラックギア102、103に噛み合っており、当該一方のピニオンギア101をエレベータモータ100で所定の方向に回転駆動することによって、移動フレーム96を上下方向に沿って移動可能となっている。
【0047】
また、上記移動フレーム96には、図10に示すように、直線摺動用のガイドレール104を介して、スタックトレイ49が用紙90の排出方向と直交する方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。このスタックトレイ49は、エンドフレーム71と連結されており、スタックトレイ49は、エンドフレーム71と一体的に用紙90の排出方向と直交する方向に沿ってスライド自在となっている。
【0048】
さらに、上記エンドフレーム71も、前述したように、用紙90の排出方向と直交する方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。上記エンドフレーム71の裏面側には、図1及び図11に示すように、オフセット用のモータ105と、当該オフセットモータ105の回転駆動力を減速して偏芯カム107に伝達するギアトレイン106とが配設されている。そして、上記オフセットモータ105を所定の方向に回転駆動することによって、偏芯カム107を所定量だけ回転させ、当該偏芯カム107に当接している凹部108が設けられたエンドガイド71を、用紙の排出方向と直交する方向に沿って移動させ、このエンドガイド71に連結されているスタックトレイ49を、用紙の排出方向と直交方向に沿って所定量だけオフセットさせるように構成されている。
【0049】
また、上記の如くエンドガイド71が用紙90の排出方向と直交する方向に沿って移動すると、当該エンドガイド71に取り付けられた3つのクランパー55も、同時に、用紙90の排出方向と直交する方向に沿って移動するように構成されている。
【0050】
また、上記エンドガイド71には、図1及び図9に示すように、3つのクランパー55に対応した位置に、縦方向に沿った凹溝72が設けられている。さらに、上記スタックトレイ49の排出方向の後端部には、図12に示すように、エンドガイド71の凹溝110に対応して凸部111が突設されている。なお、図12中、符号112はスタックトレイ49の下部に配設されたトレイサポートを示している。
【0051】
さらに、上記イン側とアウト側のサイドフレーム91、92には、図9に示すように、その上端部に、スタックトレイ49上に排出された用紙又は用紙束を検知する複数の用紙高さ検知センサ121〜123と、スタックトレイ49の上面位置を検知する検知センサ124とが配設されている。上記用紙高さ検知センサ121〜123は、3つ設けられており、第1の用紙高さ検知センサ121と、第2の用紙高さ検知センサ122と、第3の用紙高さ検知センサ123は、それぞれ異なった用紙の高さを検知するように構成されている。
【0052】
また、上記イン側とアウト側のサイドフレーム91、92には、図9に示すように、そのガイド溝97、98に沿った上端部に、混合スタックセンサ125と、ハーフスタックセンサ126とが、その下端部には、フルスタックセンサ127と、下限値検知センサ128とが配設されている。
【0053】
以上の構成において、この実施の形態に係る用紙積載装置では、次に示すようにして、排出トレイ上に排出される用紙に綴じ針による膨らみやカール等が存在する場合であっても、当該排出トレイ上に用紙を姿勢良く排出することが可能となっている。
【0054】
すなわち、この実施の形態に係る用紙積載装置70が適用された用紙後処理装置には、図2に示すように、画像形成装置によって画像が形成された用紙90が、インターフェイスモジュール3及び折り処理装置4を介して、その左側面に設けられた導入口31から導入される。この用紙後処理装置1の内部に導入された用紙90は、必要に応じて、パンチユニット35によって所定の穿孔処理が施されたり、ステープラー47によってその一端縁や角部に綴じ処理が施されるか、あるいはそのままの状態で、順次排出トレイとしてのスタックトレイ49上に排出される。
【0055】
その際、上記スタックトレイ49の排出方向の後端部には、図8に示すように、当該スタックトレイ49上に排出される用紙90あるいは用紙90の束を押さえる押さえ部材としての複数のクランパー55が回動可能に配設されている。
【0056】
ところで、上記複数のクランパー55は、図5に示すように、回転軸73に所定の角度にわたって回動自在に取り付けられているとともに、付勢手段としてのコイルスプリング80によって、時計周り方向に個別に付勢されている。
【0057】
そのため、上記スタックトレイ49上に排出される用紙90又は用紙束は、図8に示すように、排出ロール48(上部のロールは図示せず)によって当該スタックトレイ49上に排出される際に、各クランパー55が反時計周り方向に回動して退避した状態で、スタックトレイ49上に排出される。その後、上記スタックトレイ49上に排出された用紙90あるいは用紙90の束は、図13に示すように、時計周り方向に回動するクランパー55によって、その排出方向の後端部90aが押さえられ、ステープラー47による針部の浮き上がりや、用紙90のカールによる浮き上がりが防止される。また、上記各クランパー55は、個別にコイルスプリング80によって時計周り方向に付勢されているため、用紙90又は用紙束にステープラー47による針部の浮き上がりや、用紙90のカールによる浮き上がりがある場合であっても、当該各クランパー55の位置において、確実に用紙90又は用紙束を押さえることができる。さらに、上記各クランパー55は、図1及び図4に示すように、用紙90の排出方向と直交する方向に沿って、所定の間隔をおいて3つ配設されているため、用紙90の排出方向と直交する方向に沿ったカール等が存在する場合でも、3つのクランパー55によって浮き上がりを確実に防止することができ、次の用紙90を排出する際に支障となることがなく、スタックトレイ49上に用紙90を姿勢良く排出することが可能となっている。
【0058】
更に説明すると、図14に示すように、排出ローラ48が回転駆動され、用紙90の排出が開始される前に、ソレノイド83がオン状態となっており、クランパー55がスタックトレイ49上に既に排出された用紙90を押さえている。その後、用紙90の後端が排出ローラ48のニップ部を通過する直前に、クランパー55が退避位置に戻る時間だけ早く、ソレノイド83がオフ状態となっており、クランパー55がスタックトレイ49上の用紙90から離間する。そして、排出ローラ48によって排出される用紙90が、自重による自然落下によって、スタックトレイ49の最上部に排出される時間を見込んで、ソレノイド83は、用紙90が自然落下によってスタックトレイ49上に排出された後、再度オン状態となって、クランパー55によってスタックトレイ49上に排出された用紙90を、既に排出された用紙9と共に2度押さえるように動作する。
【0059】
そして、上記クランパー55によってスタックトレイ49上に排出された用紙90を押さえた状態、又は用紙90から離間した状態で、オフセットモータ105が駆動されて、スタックトレイ49がオフセットされるようになっている。
【0060】
このように、上記実施の形態では、スタックトレイ49が、クランパー55による2度目の押さえ動作を実施した後に、オフセット動作を開始するように構成されているので、スタックトレイ49上に排出された用紙90の浮き上がりをより一層確実に防止することが可能となる。
【0061】
実施の形態2
図15はこの発明の他の実施の形態を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、押さえ部材としてのクランパーの構成が前記実施の形態1と異なっている。
【0062】
すなわち、この実施の形態2では、図15に示すように、押さえ部材としてのクランパー55が、回転軸73に固着された金属製の板バネによって構成されており、当該クランパー55の先端部には、ゴム等からなる滑り止め部材77が固着されて構成されている。
【0063】
このように、上記実施の形態2では、クランパー55が金属製の板バネによって構成されているため、個々のクランパー55そのものが、それ自身の弾性によって個別に用紙90を押圧する方向に付勢されている。
【0064】
この実施の形態2では、クランパー55の構成を簡略化することができ、コストダウンが可能となる。
【0065】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、排出トレイ上に排出される用紙に綴じ針による膨らみやカール等が存在する場合であっても、当該排出トレイ上に用紙を姿勢良く排出することが可能な用紙積載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る用紙積載装置を適用した用紙後処理装置の要部を示す外観斜視図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る用紙積載装置を適用した用紙後処理装置を示す全体構成図である。
【図3】 図3は折り処理装置における折り処理工程を示す説明図である。
【図4】 図4はエンドプレートとクランパーを示す構成図である。
【図5】 図5はクランパーを示す構成図である。
【図6】 図6はクランパーの駆動機構を示す構成図である。
【図7】 図7はクランパーの駆動状態を示す構成図である。
【図8】 図8はクランパーの動作を示す構成図である。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態1に係る用紙積載装置を適用した用紙後処理装置の要部を示す外観斜視図である。
【図10】 図10はスタックトレイのスライド機構を示す構成図である。
【図11】 図11はスタックトレイのオフセット機構を示す構成図である。
【図12】 図12はスタックトレイとエンドガイドとの関係を示す構成図である。
【図13】 図13はクランパーの駆動状態を示す構成図である。
【図14】 図14は用紙積載装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】 図15はこの発明の実施の形態2に係る用紙積載装置の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
1:用紙後処理装置、49:スタックトレイ、55:クランパー、70:用紙積載装置、71:エンドプレート、83:ソレノイド。

Claims (4)

  1. 画像が形成された用紙を積載した状態で排出する排出トレイと、前記排出トレイ上に排出された用紙の排出方向の後端部を押さえる押さえ部材を備えた用紙積載装置において、
    前記押さえ部材は、用紙の排出方向と直交する方向に沿って配設された同一の回転軸に複数取り付けられ、且つ各前記押さえ部材は、前記同一の回転軸に対して所定の角度範囲にわたって回動自在となっているとともに、前記複数の押さえ部材は、個別に排出トレイ上に排出された用紙を押圧するように、前記各押さえ部材に対応して設けられた付勢部材によって付勢されており、前記回転軸を回転駆動させることによって押さえ位置と退避位置との間を移動可能に構成されていることを特徴とする用紙積載装置。
  2. 前記押さえ部材は、当該押さえ部材自体が弾性を有する部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
  3. 前記押さえ部材は、前記排出トレイ上への用紙の排出動作時に、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえるとともに、前記排出トレイ上への用紙の排出動作後に、再度、当該排出トレイ上に排出された用紙を押さえることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙積載装置。
  4. 前記排出トレイは、用紙の排出方向と直交する方向に所定量だけオフセット可能に構成されているとともに、前記排出トレイは、前記押さえ部材による2度目の押さえ動作を実施した後に、オフセット動作を開始するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の用紙積載装置。
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