次に、本発明の実施形態を図1〜図19に基づいて説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る電動モータ20を駆動源として内装する電動工具1を示している。本例では、電動工具1の一例として、いわゆるインパクト式のねじ締め機(インパクトドライバ)が示されている。以下の説明において、電動工具1の前後方向については、出力側(先端工具側)を前側とし、使用者から見て手前側を後ろ側とする。また、左右方向についてはグリップ部15を把持した使用者を基準にして用いる。
電動工具1は、工具本体部10と、工具本体部10の下面から下方へ突き出す状態に設けられたグリップ部15を備えている。工具本体部10は、概ね円筒形の本体ケース11を備えている。本体ケース11の後面側は、後部ケース12により閉塞されている。後部ケース12は2本のねじによって本体ケース11の後面側を塞ぐ状態に固定されている。
グリップ部15は、使用者が当該電動工具1を使用する際に把持する部分であり、その前面上部には使用者が指先で引き操作するトリガ16が設けられている。このトリガ16を引き操作するとグリップ部15内に収容したメインスイッチ18がオンして駆動源としての電動モータ20が起動する。
本体ケース11とグリップ部15は、左右の半割りケースを相互に結合して一体化した半割り構造を備えている。半割り構造の合わせ面は、モータ軸24の軸線方向に沿っている。本体ケース11とグリップ部15は、この合わせ面で左右に二分割可能な半割り構造を備えている。本体ケース11とグリップ部15の半割り構造は、合計8本のねじ2で相互に結合されている。
グリップ部15の下部には、当該電動工具1の電源としてのバッテリパック40を装着するための電源部17が設けられている。この電源部17は、主として前方(図1において右側)へ張り出す状態(拡径部)に設けられている。この電源部17の下面側にバッテリパック40が装着される。電源部17の上面には、当該電動工具1の動作状態を視覚的に報知するための表示部19が設けられている。本実施形態はこの表示部19について特徴を有している。表示部19の特徴については後述する。
図2に示すように本体ケース11内には、その後側から順番に電動モータ20、遊星歯車機構30、駆動軸31、回転打撃機構32、及びアンビル33が同軸に収納されている。電動モータ20の回転出力が遊星歯車機構30及び回転打撃機構32を経てアンビル33に伝達される。
回転打撃機構32は、駆動軸31の回転をアンビル33に対する回転打撃動作に変換する機能を有するもので、駆動軸31に対して同軸で回転可能かつ軸方向移動可能に支持されたハンマー32aと、このハンマー32aを先端側に付勢する圧縮ばね32bと、ハンマー32aの軸方向移動と回転動作を規制する鋼球32cを備えている。
アンビル33は、駆動軸31の先端に同軸で相対回転可能に支持されている。このアンビル33の軸部(出力軸36)は、円筒形の軸受34を介して本体ケース11の先端部に対して軸回りに回転自在に支持されている。
ねじ締め開始後、ねじ締め負荷が小さい段階では、アンビル33は回転打撃機構32を介して駆動軸31と一体でねじ締め方向へ回転する。ねじ締めが進行してねじ締め負荷が駆動軸31に伝達される回転力に勝ると、ハンマー32aが圧縮ばね32bに抗して駆動軸31に対して相対回転しつつ軸方向に後退する。ハンマー32aが圧縮ばね32bに抗して後退するとアンビル33に対する係合状態が外れる。このため、ハンマー32aが圧縮ばね32bの付勢力によって前進しつつ回転してアンビル33をねじ締め方向に打撃する。本体ケース11の前部から突き出された出力軸36の先端部には、ドライバビットやソケットビット等の先端工具(図示省略)を装着するための工具保持部35が設けられている。
電動モータ20はDCブラシレスモータで、本体ケース11の内側に固定された固定子21と、固定子21の内周側にモータ軸24を介して回転自在に支持された回転子22を備えている。モータ軸24は、前後二つの軸受25,26を介してその軸線周りに回転自在に支持されている。軸受25,26にはそれぞれ玉軸受(ボールベアリング)が用いられている。前側の軸受25は、本体ケース11内を前後に区画する中間区画壁27に保持されている。この中間区画壁27によって当該本体ケース11内が電動モータ20側(後側)と回転打撃機構32側(前側)に区画されている。中間区画壁27と回転子22との間においてモータ軸24上には冷却ファン28が取り付けられている。冷却ファン28にはいわゆる遠心ファンが用いられている。後ろ側の軸受26は、後部ケース12の内面に設けた軸受保持部12aに保持されている。
固定子21の後ろ側には、回転子22の回転位置を検出するための磁気センサを有するセンサ基板23が配置されている。センサ基板23は概ね円板形を有しており、固定子21の後端面に対向する状態で配置されている。センサ基板23の内周孔23bは大径の円形孔に形成されている。図示するようにセンサ基板23の内周孔23b内に、上記後側の軸受26及び軸受保持部12aが進入している。これにより工具本体部10の機長(モータ軸線方向の長さ)のコンパクト化が測られている。センサ基板23は、固定子21の電気絶縁部材の後面に沿って3本の止めねじ23aにより周方向三等分位置でねじ止めされている。なお、本実施形態では、冷却ファン28が回転子22の前側に配置され、センサ基板23が固定子の後面側に配置された構成を例示しているが、冷却ファンとセンサ基板が前後逆に配置された電動モータについても同様に適用することができる。
工具本体部10の前部には、照明具5が装備されている。照明具5には、LED(発光ダイオード)が用いられている。照明具5は透明カバー5aで覆われている。この照明具5によって加工部位が明るく照らされて暗い場所での作業の便宜が図られる。
工具本体部10の下面側であってグリップ部15の基部には、出力軸36の回転方向を切り換えるための切り替えスイッチ6が配置されている。この切り替えスイッチ6を左右に切り換えることにより、出力軸36をねじ締め方向またはねじ緩め方向に回転させることができる。
電源部17の後部には、ループ形のハンドストラップ3が取り付けられている。このハンドストラップ3は、電源部17においてグリップ部15の左右半割り構造を結合する2本のねじ2のうち後ろ側のねじ2によって結合されている。このハンドストラップ3に手首を通しておくことにより、当該電動工具1を誤って落下させてしまうことが防止される。
図2及び図3に示すように、電源部17には、平板形状のコントローラ9が収容されている。このコントローラ9は、モータ制御回路や電源回路等を含む制御基板7を矩形底浅のケース8に収容した構成を備えている。制御基板7の上面にはコンデンサ7aが搭載されている。制御基板7は樹脂モールドされて絶縁された状態でケース8に収容されている。コントローラ9の下面側には、バッテリパック40を電気的に接続するための正負の接続端子が装備されている。正負の接続端子に結線された2本の電源線は、上方へ引き出されてグリップ部15内を配線され、センサ基板23に結線されている。センサ基板23の下部は、固定子21よりも外周側へ張り出しており、この張り出し部分の前面に2本の電源線が結線されている。
電源部17の下面に対してバッテリパック40を前側から後ろ側へスライドさせることにより当該バッテリパック40を電源部17に取り付けることができる。バッテリパック40は、例えば出力電圧14.4V仕様のリチウムイオンバッテリで、取り外して別途用意した充電器で充電することにより繰り返し使用することができる。
電源部17の上面には、バッテリパック40の残容量や工具本体部10の動作状態を表示するための表示部19が設けられている。本実施形態では、この表示部19に、各種表示の他、照明具5のオンオフ状態を切り換える照明スイッチや動作モードを切り換えるためのモード切替スイッチが配置されており、操作パネルとして機能する。表示部19は、前側が短辺の概ね台形の平板形状をなし、コントローラ9の上方に沿って配置されている。表示部19は、コントローラ9とは別体の部品で、電源部17の上面に設けた窓部に嵌め込まれて取り付けられている。
図3〜図5に示すように表示部19の前部は、コントローラ9の前端より前方へはみ出す状態に配置されている。この表示部19には、3つのスイッチ部S1、S2、S3と、合計9つの発光部L1〜L9が表示されている。3つのスイッチ部S1、S2、S3は、当該表示部19の後端側に沿って左右横並び状態で配置されている。3つの発光部L1〜L3は、スイッチ部S1とスイッチ部S2との間において、左右に横並び状態で配置されている。残り6つの発光部L4〜L9は、当該表示部19の前端側に沿って左右に横並び状態で配置されている。3つの発光部L1〜L3は当該表示部19の後側において左右に横並び状態に配置されて後側の発光部列を構成し、6つの発光部L4〜L9は、当該表示部19の前側において左右に横並び状態に配置されて前側の発光部列を構成している。
コントローラ9の制御基板7上には、スイッチ部S1、S2、S3に対応して3つのボタンスイッチd1、d2、d3が搭載されている。3つのボタンスイッチd1,d2,d3の真上にスイッチ部S1、S2、S3が配置されている。各スイッチ部S1、S2、S3を指先で押し操作すると対応するボタンスイッチd1、d2、d3がオンオフ操作される。図4及び図7に示すようにスイッチ部S1,S2,S3は、対応するボタンスイッチd1,d2,d3の真上に円柱体部分を位置させ、この円柱体部分をヒンジ部を介して当該表示部19に支持したもので、ヒンジ部から見てそれぞれ左右に傾いた向きで配置されて当該表示部19の前後方向のコンパクト化が図られている。
スイッチ部S1とスイッチ部S2との間に配置された発光部L1〜L3に対応して制御基板7上に、3つのLEDe1、e2、e3が搭載されている。各LEDe1、e2、e3の真上に発光部L1,L2,L3が配置されている。各LEDe1、e2、e3の発光が対応する発光部L1,L2,L3に照射されて各発光部L1,L2,L3が点灯する。
制御基板7の前端縁に沿って6つのLEDe4〜e9が左右に横並び状態で搭載されている。図4に示すように6つのLEDe4〜e9に対して前側へずれた位置に上記6つの発光部L4〜L9が位置している。図5に示すように各LEDe4〜e9の発光は、それぞれ上方斜め前側に傾斜して設けられた導光部19aを経て対応する発光部L4〜L9に照射される。この導光部19aを介して前側へずれた位置に配置された6つの発光部L4〜L9は、コントローラ9の前端から前方へはみ出した位置に配置されている。
以上のように構成した表示部19によれば、当該表示部19の表示面積を前方へ拡大することができるので、より多くの発光部やスイッチ部を視認性及び操作性を損なうことなく配置することができるようになる。
また、表示部19を前側であってグリップ部15とは反対側へ拡張する構成であることから、グリップ部15を把持した手が邪魔になって当該表示部19が見づらくなるといったことなく、当該表示部19に視認性を確保することができる。
さらに、表示部19とコントローラ9が相互に別体の部品として電源部17に組み付けられた構成であることから、コントローラ9に対して表示部19が面方向にはみ出して組み付けられることによる部品としての取り扱い性及び組み付け性が損なわれるといった問題を回避することができる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、図6〜図8には、第2実施形態の表示部50が例示されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を付してその説明を省略する。第2実施形態に係る表示部50も前側が短辺の概ね台形の平板形状を有している。この表示部50に、3つのスイッチ部S1、S2、S3と、合計9つの発光部L1〜L9が表示されている。3つのスイッチ部S1、S2、S3は、当該表示部19の後端側に沿って左右横並び状態で配置されている。3つの発光部L1〜L3は、スイッチ部S1とスイッチ部S2との間において、左右に横並び状態で配置されている。残り6つの発光部L4〜L9は、導光部50aを介してLEDe4〜e9の真上に配置されている。このため、第2実施形態の表示部50では、発光部L4〜L9は、スイッチ部S1,S2,S3の前列側であって、当該表示部50の前端縁から一定の空き領域をおいて左右に横並びに配置されている。この空き領域に相当する範囲がコントローラ9の前端から前方へはみ出した状態となっている。このはみ出した領域には、後述するように各発光部L5〜L9に対応する文字表示がなされている。
コントローラ9の制御基板7上には、スイッチ部S1、S2、S3に対応して3つのボタンスイッチd1、d2、d3が搭載されている。3つのボタンスイッチd1,d2,d3の真上にスイッチ部S1、S2、S3が配置されている。各スイッチ部S1、S2、S3を指先で押し操作すると対応するボタンスイッチd1、d2、d3がオンオフ操作される。
スイッチ部S1とスイッチ部S2との間に配置された発光部L1〜L3に対応して制御基板7上に、3つのLEDe1、e2、e3が搭載されている。各LEDe1、e2、e3の真上に発光部L1,L2,L3が配置されている。各LEDe1、e2、e3の発光が対応する発光部L1,L2,L3に照射されて各発光部L1,L2,L3が点灯する。
第2実施形態では、表示部50の具体的な表示内容が図9に示されている。スイッチ部S1には、「楽らく」の文字表示がなされている。スイッチ部S1を押し操作すると発光部L4が発光して、当該電動工具1の動作モードが「楽らく」モードに切り換わったことが報知される。動作モードが「楽らく」モードに切り換わると、ねじ締め初期段階では電動モータは低速回転してゆっくりねじ締めがなされ、ねじ締め最終段階でねじ締め負荷が大きくなると電動モータが高速回転して打撃力が高められることにより確実なねじ締めがなされる。もう一度スイッチ部S1を押し操作すると、発光部L4が消灯して「楽らく」モードが解除される。
スイッチ部S2には、「ライト」の文字表示がなされている。照明スイッチとして機能するスイッチ部S2を押し操作すると照明具5のオン状態とオフ状態を切り換えることができる。照明具5のオン状態では、トリガ16を引き操作すると照明具5が点灯する。トリガ16の引き操作を解除すると一定時間後に照明具5が消灯する。照明具5を点灯させることにより作業部位が明るく照らされ、これにより暗所等でのねじ締め作業を迅速かつ確実に行うことができる。照明具5のオフ状態ではトリガ16を引き操作しても照明具5は点灯しない。トリガ16を引き操作したときに、照明具5が点灯すればオン状態であり、点灯しなければオフ状態であることを確認することができる。
スイッチ部S1とスイッチ部S2との間に配置された3つの発光部L1,L2,L3によりバッテリパック40の残容量が報知される。3つの発光部L1,L2,L3は、乾電池の図柄の枠50bで囲まれてバッテリパック40の残容量表示であることが一目で判別できるようになっている。バッテリパック40の残容量が例えば50パーセント以上で十分である場合には3つの発光部L1,L2,L3がともに点灯し、残容量の低下に伴って点灯する発光部L1,L2,L3の数が少なくなる。1つの発光部L3が点灯する状態ではバッテリパック40の残容量が例えば20パーセント未満で残り少なくなっており、充電が必要であることが報知される。
スイッチ部S3には、「打撃」の文字表示がなされている。スイッチ部S3を押し操作すると当該電動工具1の動作が「打撃」モード(インパクトモード)に切り換わる。最前列の6つの発光部L4〜L9のうち、「楽らく」モードに対応した発光部L4を除いた5つの発光部L5〜L9が、スイッチ部S3を基点として表示した枠50cによって囲まれている。5つの発光部L5〜L9のうち、右側4つの発光部L5〜L8は、打撃力の大きさにより点灯する。4つの発光部L5〜L8の前側には、右側から「最速」、「強」、「中」、「弱」の文字表示がなされている。最前列の残り1つの発光部L9の前側には、「テクス用」の文字表示がなされている。
「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部S3を押し、「テクス用」の文字表示がなされた発光部L9が発光する状態になると、当該電動工具1の動作モードが「テクス用」モードに切り換わる。「テクス用」モードは、いわゆるテクス用ねじの締め付け作業を想定した動作モードで、ねじ締め当初は高速回転して迅速な締め込みがなされ、ねじ締め負荷が大きくなって打撃が開始されると電動モータ20が自動的に中速回転に切り換わって打撃数(打撃力)が抑制される。ねじ締め最終段階で、打撃力が抑制されることによりねじ折れやいわゆるカムアウトと称されるねじの頭飛びを回避することができる。
「テクス用」モードでスイッチ部S3を押し操作すると、押し操作ごとに発光部L5〜L8がL5(「最速」)→L6(「強」)→L7(「中」)→L8(「弱」)の順で順次点灯する。発光部L5を点灯させると電動モータ20の出力回転数は最速となって打撃力が最大となり、以下順に電動モータ20の出力回転数が小さくなって打撃力が「強」→「中」→「弱」となる。このように、電動モータ20の出力回転数領域を4段階で切り換えることができ、これにより打撃力の大きさをねじ長さや被締め込み材の材質等に合わせて4段階で切り換えることができる。
図14〜図17には、各動作モードにおける電動モータ20の回転数の大まかな制御状態が示されている。図14中折れ線(1)で示すように打撃モードで4つの発光部L5、L6、L7、L8が共に点灯した打撃最速モードでは、電動モータ20の回転数は、起動後(t1)時間で最高回転数r1(r.p.m)に達する。この打撃最速モードでは、回転数の上昇率(加速率)は、1(%/ms)に設定されている。この打撃最速モードにおいて、電動モータ20の回転数は正転時(ねじ締め時)と逆転時で一致している。最高回転数r1は、例えば3000(r.p.m)に設定することができる。
図15中折れ線(2)で示すように打撃モードで3つの発光部L6、L7、L8が点灯した打撃強モードでは、電動モータの回転数は、起動後t4時間でr4(r.p.m)に達する。打撃モードで2つの発光部L7、L8が点灯した打撃中モードでは、図15中折れ線(3)で示すように起動後t3時間で電動モータ20の回転数はr3(r.p.m)に達する。1つの発光部L8が点灯した打撃弱モードでは、折れ線(4)で示すように起動後t2時間で電動モータ20の回転数はr2(r.p.m)に達する。この打撃モードの「強」、「中」、「弱」の各モードでは、加速率は3(%/ms)に設定されている。また、「強」、「中」、「弱」の各モードでは、正転時と逆転時で回転数の変動が一致している。回転数r2,r3,r4は、それぞれ例えば900(r.p.m)、1800(r.p.m)、2800(r.p.m)に設定することができる。
図16は、打撃モードで発光部L9を点灯させた「テクスモード」での電動モータ20の回転数の変動を示している。テクスモードでねじ締めを行う正転時では、折れ線(5)で示すように起動後t1時間で電動モータ20の回転数は最高回転数r1(r.p.m)に達する。最高回転数r1(r.p.m)で打撃回数が2回カウントされたt5時間経過の段階で、電動モータ20の回転数はr5(r.p.m)まで減速されて打撃力が抑制される。折れ線(6)で示すように逆転時には、同じ加速率で最高回転数に達した後、打撃回数に関係なく、電動モータ20の回転数は最高回転数r1(r.p.m)に維持される。なお、最高回転数r1(r.p.m)に達するまでの加速率は、正転時、逆転時とも最速モード(図14)と同じく1(%/ms)に設定されている。回転数r5(r.p.m)は、例えば1400(r.p.m)に設定することができる。
図17は、発光部L4を点灯させた楽らくモードでの電動モータ20の回転数の変動を示している。楽らくモードでねじ締めを行う正転時では、折れ線(7)に示すように起動後加速率3(%/ms)で加速して回転数r5(r.p.m)に達した低速状態が維持される。回転数r5(r.p.m)で、例えばt6で1回目の打撃回数がカウントされ、t7で15回目の打撃回数がカウントされた時点で、電動モータ20の回転数は、二次曲線的に上昇して最高回転数r1(r.p.m)に達し、これにより打撃力が高められる。折れ線(8)で示すように逆転時には、加速率1(%/ms)で加速してt1時間後に最高回転数r1(r.p.m)に達し、その後最高回転数r1(r.p.m)に維持される。なお、楽らくモードにおける回転数r5(r.p.m)は、前記テクスモードにおける回転数r5(r.p.m)とは異なる回転数に設定してもよい。
以上説明したように各モードにおいて電動モータ20の回転数が締め付けるねじの種類や締め付け材に合わせてきめ細かく制御されるようになっており、これにより各種のねじ締めが効率よくなされるようになっている。
以上説明したように第2実施形態によれば、表示部50は、その前側をコントローラ9の前端から前方へ張り出した状態に配置されている。第2実施形態では、最前列の発光部L5〜L9に対応する文字表示が、コントローラ9の前端から前方へはみ出した位置に配置されている。このため、前方へはみ出した部分だけ当該表示部50の表示可能面積が大きくなり、当該はみ出した領域に文字表示を配置することにより、当該文字表示の視認性やスイッチ部S1〜S3の操作性を損なうことなく配置することができる。
一般に、表示部の文字表示や発光表示若しくは操作スイッチを、コントローラの基板に搭載したボタンスイッチやLED(発光ダイオード)の真上に位置させることから、従来のように平面的に見てコントローラからはみ出さない大きさの表示部を配置する場合には、その面積の範囲内で文字表示や発光表示若しくは操作スイッチを配置する必要があり、その結果、表示部に配置できる発光部や操作スイッチの数に制限を受けていた。
第2実施形態の表示部50によれば、グリップ部15を把持した使用者の手で隠されてしまう等の問題が生じない前方へ面積を拡大してコントローラの前端から面方向にはみ出させて配置することにより、このはみ出した部分にも文字表示や発光表示を配置することができ、これによりこれらの視認性及び操作性を低下させることなくより多くの表示若しくは操作スイッチを配置することができるようになる。第2実施形態では、表示部50に、1つの照明スイッチS2と、2つのモード切替スイッチS1,S3を配置することができる。
表示部50の各種モード切替スイッチ若しくは発光部の配置について適宜変更することができる。図10に示す第3実施形態の表示部60は、第2実施形態の「楽らく」の文字表示に代えてスイッチ部S1に「モード」の表示がなされている。スイッチ部S1を基点とする枠60a内に2つの発光部61,62が配置されている。発光部61は、制御基板7上のLEDe4に対応する発光部で、発光部62は制御基板7上のLEDe5に対応する発光部となっている。第3実施形態では、制御基板7上においてLEDe5がLEDe4側(図10において右側)にずれて配置されている。発光部61には「アシスト」の文字表示がなされ、発光部62には「カスタム」の文字表示がなされている。「アシスト」と「カスタム」の文字表示は、コントローラ9の前端から前方へはみ出した領域に配置されている。
「モード」の文字表示がなされたスイッチ部S1を押し操作すると「アシスト」の文字表示がなされた発光部61が発光し、もう一回押し操作すると「カスタム」の文字表示がなされた発光部62が発光する。「アシスト」モードでは、打撃当初は低速回転で、一定回数打撃後に高速回転に自動的に切り換わることにより、不慣れな作業者であっても迅速かつ確実なねじ締めを行うことができる。「カスタム」モードでは、使用者が任意に設定した電動モータ20の回転数に切り換えることができる。
第2実施形態と同じく枠50bで囲まれた3つの発光部L1〜L3によりバッテリパック40の残容量が表示される。また、「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部S3によりテクスモードの切り替えがなされる。第3実施形態では、テクスモードでは、電動モータ20の出力回転数が三段階で切り換えられて打撃力が三段階で切り換えられ、それぞれ「強」、「中」、「弱」の文字表示がなされた発光部L6,L7,L8が発光することにより報知される。発光部L6,L7,L8の文字表示「強」、「中」、「弱」と、発光部L9の文字表示「テクス用」は、いずれもコントローラ9の前端から前方へはみ出した領域に表示されている。
図11には、第4実施形態の表示部70が示されている。第4実施形態の表示部70は、バッテリパック40の残容量表示部の位置が第3実施形態の表示部60とは異なっている。変更を要しない部材及び構成については第1〜第3実施形態と同位の符号を用いてその説明を省略する。第4実施形態では、バッテリパック40の残容量を表示する発光部L1〜L3が同じく枠50bで囲まれて前列側に配置されている。このため、制御基板7上において、LEDe1〜e3が前端に沿って搭載されている。
第4実施形態では、「モード」の文字表示がなされたスイッチ部S1の位置は第3実施形態と同じであるが、枠70aがスイッチ部S1を基点として左方に延びている。この枠70a内に「アシスト」の文字表示がなされた発光部71と「カスタム」の文字表示がなされた発光部72が配置されている。このため、制御基板7上において、LEDe4,e5がボタンスイッチd1の左側に搭載されている。第4実施形態において、「モード」の文字表示がなされたスイッチ部S1の切り替え機能は第3実施形態と同じで、ねじ締め負荷の増大により自動的に高速化する「アシスト」モードと、回転数を任意に設定できる「カスタム」モードを切り替えることができる。
以上説明した各実施形態にはさらに変更を加えることができる。例えば、第3実施形態において、「モード」の文字表示がなされたスイッチ部S1を右側に配置し、「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部S3を左側に配置した構成を例示したが、相互に逆に配置する構成としてもよい。バッテリパック40の残容量を表示する発光部L1〜L3と、「ライト」の文字表示がなされたスイッチ部S2を左右逆に配置する構成としてもよい。
また、表示部19,50,60,70は、前側が短辺となる台形を有する構成を例示したが、後側が短辺となる台形、矩形、平行四辺形、丸形、長円形等その他の形状の表示部についても同様に適用することができる。
例示した表示部19(50,60,70)には、2つのモード切替スイッチ(スイッチ部S1,S3)と、バッテリパック40の残容量表示L1〜L3と、照明具5のオンオフ切り替えスイッチ(スイッチ部S2)と、各種の状態を表示する表示部L4〜L9を含む構成を例示したが、その他の機能を有するモード切替スイッチ(スイッチ部)類あるいは発光部を追加して配置することができる。
各発光部L1〜L9の形状については、例示したような矩形に限らず、台形、円形、長円形等その他の形状に変更することができる。また、各発光部L1〜L9の発光色については、赤色、青色、緑色等その他の色に任意に変更することができる。各機能をグループ分けして、グループごとに異なる発光色を設定することもできる。
図12には第5実施形態に係る表示部80が示されている。この表示部80は、角部が円弧形状を有する矩形の平板形状を有し、「モード」の文字表示がなされたスイッチ部81と、「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部82と、2つの円形の発光部83,84と、3つの矩形の発光部85,86,87と、バッテリパックの残容量表示部88を備えている。スイッチ部81は、当該表示部80の右端寄りに配置され、残容量表示部88は当該表示部80の左端寄りに配置されている。残容量表示部88は、前後方向に並んだ3つの発光部88aを乾電池を模した枠部88b内に配置した構成を備えている。3つの発光部88aの真下には、制御基板7上に搭載したLEDが位置している。バッテリパック40の残容量が十分であれば3つの発光部88aが点灯し、残容量が少なくなると点灯数が2つ若しくは1つになって充電が必要であることが報知される。
スイッチ部82は、残容量表示部88の被右隣に配置されている。2つの円形の発光部83,84は、当該表示部80の前端寄りに配置されている。発光部83はスイッチ部81の左側に配置され、発光部84はスイッチ部82の右側に配置されている。3つの発光部85,86,87は、スイッチ部81とスイッチ部82との間であって当該表示部80のほぼ中央において上下に縦並び状態に配置されている。
スイッチ部81は、円形のスイッチ枠81a内に配置されている。スイッチ枠81a内に「モード」の文字表示がなされている。スイッチ部81を押し操作すると、円形の発光部83が点灯し、かつ3つの発光部85,86,87の何れか1つが点灯する。発光部83が点灯することにより工具本体部10の動作モードを切り替え可能な状態であることが報知される。
3つの発光部85,86,87の右側には、上側から順に「テクス」、「アシスト」、「カスタム長押し」の文字表示がなされている。スイッチ部81を1回押し操作すると、発光部83が点灯するとともに、「テクス」の文字表示がなされた発光部85が点灯する。発光部85が点灯した状態では、工具本体部10の動作モードがテクスモードに切り替る。スイッチ部81をもう一度押し操作すると発光部85が消灯する一方、発光部86が点灯する。発光部86が点灯した状態では、工具本体部10の動作モードがアシストモードに切り替る。スイッチ部81を長押しすると、円形の発光部83と矩形の発光部87が点灯する。これにより工具本体部10の動作モードがカスタムモードに切り替る。
スイッチ部82は、円形のスイッチ枠82a内に配置されている。スイッチ枠82a内に「打撃」の文字表示がなされている。スイッチ部82を押し操作すると、円形の発光部84が点灯し、かつ3つの発光部85,86,87のうち、上下2つの発光部85,87の何れかが発光する。3つの発光部85,86,87のうち、上側の発光部85の左側に「強」の文字表示がなされ、下側の発光部87の左側に「弱」の文字表示がなされている。
スイッチ部82を押し操作すると、発光部84が点灯するとともに、「弱」の文字表示がなされた発光部87が点灯する。スイッチ部82をもう一度押し操作すると、発光部87に加えてその上側の発光部86が点灯する。2つの発光部86,87が点灯した状態で、スイッチ部82をもう一度押し操作すると「強」の文字表示がなされた発光部85も点灯する。「弱」の文字表示がなされた発光部87だけが点灯した状態では、電動モータ20は低速回転に制御され、弱い打撃力が出力される。発光部86,87が点灯した状態では電動モータ20が中速回転に制御されて、中程度の打撃力が出力される。3つの発光部85,86,87が点灯した状態は電動モータ20が高速回転に制御されて打撃力が強められる。
スイッチ部82の後側(図12では下側)には、「ライト長押し」の文字表示がなされている。「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部82を長押しすると、照明具5が点灯してねじ締め部位が明るく照らされ、これにより暗所での作業を効率よく行うことができる。スイッチ部82をもう一度長押しすると照明具5が消灯する。スイッチ部82は、打撃力の切り替え機能に加えて、照明具の点灯スイッチとしての機能を併せ持っている。
発光部83,84の周囲はそれぞれ半円弧形の2重線の枠部83a,84aで囲まれている。枠部83a,84aは、相互に左右対称に配置されている。左右の枠部83a,84aにより、スイッチ部81と発光部83との関係、スイッチ部82と発光部84との関係が一目で判るようになっており、この点で表示部80の操作性が高められている。枠部83a,84aからは同じく2重線の案内線83b,84bが引き出されている。両案内線83b,84bは、「テクス」と「強」の文字表示がなされた上側の発光部85の上部に至っている。「モード」の文字表示がなされたスイッチ部81の枠部81aから2重線の案内線81bが引き出されている。また、「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部82の枠部82aから2重線の案内線82bが引き出されている。両案内線81b,82bは、「カスタム長押し」と「弱」の文字表示がなされた下側の発光部87の下部に至っている。枠部81aの下部からL字形で2重線の案内線81cが引き出されている。この案内線81cは、「カスタム長押し」の文字表示の右側に至っている。枠部82aの下部からL字形で2重線の案内線82cが引き出されている。この案内線82cは、「ライト長押し」の文字表示の左側に至っている。これらの各案内線83b、84b,81b,82b,81c,82cにより、スイッチ部81,82と各発光部85〜87及び文字表示との関係が一目で判るようになっており、この点でも当該表示部80の操作性が高められている。
図12に示すように第5実施形態に係る表示部80も、その前部が制御基板7の前端部に対して前方へずれた状態で配置されている。第5実施形態では、発光部83,84,85と「テクス」、「強」の文字表示が制御基板7の前端部よりも前側にはみ出した領域に配置されている。発光部83,84,85は、制御基板7上に搭載したLED(図示省略)に対して前方へずれた位置に配置されている。発光部83,84,85は、前方に傾斜する導光部(図5に示す導光部19a)を経て発光する。発光部86,87の真下には、同じく制御基板7上に搭載したLEDが位置している。
発光部83,84,85と「テクス」、「強」の文字表示が制御基板7の前端よりも前方へはみ出す領域に配置されていることから、その分だけ当該表示部80に配置するスイッチ部や文字表示類をその操作性及び視認性を損なうことなくより多く配置することができるようになる。残容量表示部88は省略してもよい。
図13には第6実施形態の表示部90が例示されている。第6実施形態の表示部90は、モード切り替えの操作性をより高めるため枠部の配置が第5実施形態の表示部80とは異なっている。スイッチ部81,82の配置、発光部83〜87の配置、各文字表示の配置については第5実施形態と同様に構成されている。バッテリパック40の残容量表示部88についても同様に構成されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。
第6実施形態では、「モード」の文字表示がなされたスイッチ部81と発光部83が共通の枠部91で囲まれている。また、「打撃」の文字表示がなされたスイッチ部82と発光部84が共通の枠部92で囲まれている。右側の枠部91と左側の枠部92はそれぞれ2重線で表示され、相互に左右対称に配置されている。右側の枠部91の左端部、左側の枠部92の右端部からはそれぞれ横方向に延びる2重線の案内線91c,92cが表示されている。両案内線91c,92cは、「テクス」と「強」の文字表示がなされた上側の発光部85の上部に至っている。
枠部91の下部には、L字形で2重線の案内線91aが引き出されている。この案内線91aは、前記案内線81cと同じく「カスタム長押し」の文字表示部の右側に至っている。枠部91の左下部からは、同じくL字形で2重線の案内線91bが引き出されている。この案内線91bは、「アシスト」の文字表示と、「カスタム長押し」の文字表示との間に延びている。
左側の枠部92の右下部からは2重線の案内線92bが下方へ延びている。この案内線92bはL字形に屈曲しており、その先端側は「カスタム長押し」と「弱」の文字表示がなされた下側の発光部87の下方に至っている。枠部92の下部には、短い2重線の案内線92aが引き出されている。この案内線92aは、下方に表示された「ライト長押し」の文字表示に向けられている。第6実施形態では、「ライト長押し」の文字表示が、第5実施形態よりも後側(図13では下側)に配置されている。
係る第6実施形態の表示部90によっても、その前部であって、発光部83,84,85及び「テクス」と「強」の文字表示が、制御基板7の前端から前方へはみ出した領域に配置されている。これにより、その分だけ当該表示部90に配置するスイッチ部や文字表示類をその操作性及び視認性を損なうことなくより多く配置することができるようになる。第5実施形態と同じく、残容量表示部88は省略してもよい。
図18には、第7実施形態の表示部100を備えた電動工具1が示されている。電動工具1は、前記各実施形態と同様、インパクトドライバが示されている。工具本体部10に、電動モータ20と遊星歯車機構30と回転打撃機構32が内装されている。工具本体部10の前端部から出力軸36が突き出されている。出力軸36の突き出し部分には工具保持部35が設けられている。その他、変更を要しない構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。
工具本体部10の下面からグリップ部101が下方へ延びる状態に設けられている。前記各実施形態と同じく、表示部100は、このグリップ部101の下部に設けた電源部102の前側上面に配置されている。電源部102は、グリップ部101の下部から主として前側へ張り出す平板形を有している。第7実施形態における電源部102は、前記第1〜第6実施形態における電源部17よりも、前方への張り出し寸法及び左右幅寸法についてやや小型化されている。
小型化された電源部102の下面には、同様にスライド取り付け形式のバッテリパック103が取り付けられる。電源部102に取り付けられるバッテリパック103には、前記バッテリパック40よりも外形寸法が小型で、出力電圧が10.8Vのリチウムイオンバッテリが用いられる。図18では見えていないが、この10.8Vスライド取り付け形式のバッテリパック103の後面には、自身の残容量を表示するための残容量表示部103aが設けられている。バッテリパック103は、その前面に設けたロック解除ボタン103bを押し下げ操作して前画へスライドさせることにより電源部102から取り外すことができる。逆に、バッテリパック103は後方へ向けてスライドさせることにより電源部102に取り付けることができる。
表示部100の詳細が図19に示されている。第7実施形態の表示部100は、表示機能がより簡素化されている。この表示部100には、「打撃」の文字表示がなされた押しボタン形式の打撃力切替スイッチ105と、「楽らく」の文字表示がなされたモード表示部106と、打撃力表示部108を備えている。表示部100の左側に打撃力切替スイッチ105が配置され、右側にモード表示部106が配置されている。表示部100の中央であって、打撃力切替スイッチ105とモード表示部106との間に、打撃力表示部108が配置されている。打撃力切替スイッチ105とモード表示部106と打撃力表示部108は、左右方向に横一線に配置されている。
打撃力表示部108は、2つの発光部108a,108bを備えている。2つの発光部108a,108bはそれぞれLEDを光源としている。打撃力切替スイッチ105を押し操作すると、回転打撃機構32の打撃力が「強」から「弱」に切り替わる。打撃力が「強」に設定された状態では、左右の発光部108a,108bの双方が点灯する。打撃力が「弱」に切り替わると、右側の発光部108bが消灯して左側の発光部108aのみが点灯した状態となる。2つの発光部108a,108bは、ともに赤色に点灯する。左側の発光部108aの前側に「弱」の文字表示がなされ、右側の発光部108bの前側に「強」の文字表示がなされている。「強」の文字表示がなされた右側の発光部108bは、「弱」の文字表示がなされた左側の発光部108aよりも前側に長く延びている。両発光部108a,108bの前部は、同じ方向に傾斜する尖った形状に形成されている。
左側の発光部108aのみが点灯して打撃力が「弱」に設定された状態で、打撃力切替スイッチ105をもう一度押し操作すると、左側の発光部108aも消灯するとともに、モード表示部106の発光部109が点灯する。発光部109が点灯すると動作モードが打撃モードから「楽らく」モードに切り替わる。「楽らく」モードは、工具本体部10の動作状態について、あらかじめ設定した特定の動作モードである。前記したように工具本体部10の動作状態が「楽らく」モードに切り替わると、図17に示すように電動モータ20がねじ締め初期は低速回転し、ねじ締め負荷が所定値を超えると(例えば、一定回数の打撃がカウントされると)高速回転に切り替わる。このように「楽らく」モードでは、ねじ締め負荷の増大に合わせて電動モータが自動的に高速回転に切り替わる制御がなされる。
モード表示部106は、概ね矩形の枠部106aの内側に「楽らく」の文字表示と1つの発光部109を配置した構成を備えている。モード表示部106の発光部109は、打撃力の強弱を報知する発光部108a,108bとは異なる色(例えば緑色)に点灯する。発光部108a,108bには、赤色に発光するLEDが光源として用いられ、発光部109には緑色に発光するLEDが光源として用いられている。以上のように、打撃力切替スイッチ105を押し操作するたびに、動作モードが「強」→「弱」→「楽らく」の順に切り替わる。
打撃力切替スイッチ105の「打撃」の文字表示は、円形の枠部105aで囲まれている。枠部105aの下部からは、案内線105bが引き出されている。この案内線105bは、打撃力表示部108の下側まで延びている。案内線105bの先には、「ライト長押し」の文字表示がなされている。打撃力切替スイッチ105を例えば2秒程度長押しすると、照明具5が点灯して暗所等でのねじ締め作業の便宜が図られる。点灯状態で打撃力切替スイッチ105をもう一度長押しすると照明具5が消灯する。打撃力切替スイッチ105は、打撃力切り替えスイッチとしての機能に加えて、照明具5の点灯スイッチとしての機能を併せ持っている。
第7実施形態に係る表示部100によれば、回転打撃機構32の打撃力を切り替える打撃力切替スイッチ105と、打撃力を表示する打撃力表示部108と、回転打撃機構32の動作状態について予め設定した動作モード(「楽らく」モード)であることを表示するモード表示部106が左右横一列(横並び状態)に配置されている。これにより、当該表示部100が前後方向にコンパクトに構成されて、前記第1〜第6実施形態よりも前後方向の配置スペースが狭小である電源部102に表示部100を配置することができる。
また、打撃力表示部108の発光部108a,108bの発光色(赤色)と、モード表示部106の発光部109の発光色(緑色)が異なることにより、当該表示部100の視認による識別性を高めることができるとともに、コンパクトな表示部100においてより多くの情報を報知することができるようになる。上記例示した発光部108a,108b,109では単色のLEDを光源とする構成を例示したが、1つのLEDにより報知内容ごとに発光色を変化させることにより一層コンパクト化を図ることができる。発光部の発光色を異ならせるためには、光源の発光色を異ならせる他、同色の光源に異なる色のフィルムを貼り付けて発光色を異ならせる構成としてもよい。
以上例示した種々形態の表示部を備える電動工具1として回転打撃工具(インパクトドライバ)を例示したが、孔明け工具や切断工具等のその他の電動工具について例示した表示部19(50,60,70,100)を適用することができる。
また、バッテリパック40を電源とする充電式の電動工具を例示したが、例えば商用100Vを電源とする交流電源式の電動工具についても同様に適用することができる。