JP6766518B2 - 舶用冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置(10)の概略構成図である。本実施形態の空気調和装置(10)は、船舶用の空調システムに設けられている。具体的には、空気調和装置(10)は、船舶用のデッキ等の屋外に設けられ、吸込ダクトを介して船舶用の船室(図示省略)内の室内空気と屋外の室外空気とを取り込み、温度調節した後、給気ダクト(図示省略)を介して船室内に供給する。
冷媒回路(20)は、圧縮機ユニット(圧縮機構)(30)、凝縮器(40)、膨張弁(膨脹機構)(50)、蒸発器(60)を順に配管で接続して構成した閉回路である。冷媒回路(20)では、圧縮機ユニット(30)と凝縮器(40)とが高圧ガス配管(24)によって接続され、凝縮器(40)と膨張弁(50)とが高圧液配管(25)によって接続され、膨張弁(50)と蒸発器(60)とが低圧液配管(26)によって接続され、蒸発器(60)と圧縮機ユニット(30)とが低圧ガス配管(27)によって接続されている。高圧液配管(25)には、電磁弁(29)が設けられている。この冷媒回路(20)には、冷媒が充填されている。
圧縮機ユニット(30)は、3台の圧縮機、即ち第1〜第3圧縮機(31,32,33)を備えている。なお、圧縮機ユニット(30)に設けられた圧縮機(31,32,33)の台数は、単なる一例である。第1〜第3圧縮機(31,32,33)は、それぞれ全密閉型のスクロール圧縮機によって構成されている。
図2に示すように、凝縮器(40)は、いわゆるシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であり、密閉型の円筒状のシェル(41)と、該シェル(41)内部に設けられた複数の銅製の冷却管(42)とを備えている。シェル(41)は、胴部(41a)と、一対の管板(端板)(41b,41c)と、一対の蓋板(41d,41e)とを備えている。
膨張弁(50)は、いわゆる温度自動膨張弁である。膨張弁(50)の感温筒(51)は、低圧ガス配管(27)の蒸発器(60)の出口付近に取り付けられ、低圧ガス配管(27)の表面と接している。
電磁弁(29)は、第1〜第3圧縮機(31,32,33)の起動時及び停止前に使用する弁であり、第1〜第3圧縮機(31,32,33)を保護するために設けられている。もし仮に、第1〜第3圧縮機(31,32,33)を停止させた後に、蒸発器(60)内に液状の冷媒が残っていたとすれば、次に第1〜第3圧縮機(31,32,33)を運転させる際に、液状の冷媒が第1〜第3圧縮機(31,32,33)に入り込み、第1〜第3圧縮機(31,32,33)に過大な負荷がかかることになる。そこで、第1〜第3圧縮機(31,32,33)を停止させる場合は、電磁弁(29)を閉じた状態で、蒸発器(60)内の液冷媒がなくなるまで第1〜第3圧縮機(31,32,33)をしばらく運転させて、その後、第1〜第3圧縮機(31,32,33)を停止させている。また、第1〜第3圧縮機(31,32,33)を起動させる場合にも、電磁弁(29)を閉じた状態で、蒸発器(60)内に戻った液冷媒がなくなるまで第1〜第3圧縮機(31,32,33)をしばらく運転させて、その後、電磁弁(29)を開くようにしている。
蒸発器(60)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、銅製の伝熱管とアルミニウム製のフィンとによって構成されている。この蒸発器(60)は、冷媒を空気と熱交換させる。
水回路(70)は、冷却水(具体的には、海水や河川等から取り込まれた水)を凝縮器(40)に流入させる流入管(71)と、凝縮器(40)から流出した冷却水を排出する流出管(72)と、開閉弁(73)とを備えている。流入管(71)は、ケーシング(11)の外部に設けられた冷却水入口(74)と凝縮器(40)の給水管(45)との間に接続され、流出管(72)は、ケーシング(11)の外部に設けられた冷却水出口(75)と凝縮器(40)の排水管(46)との間に接続されている。
送風ファン(15)は、ケーシング(11)内において、ダクト(図示省略)と連通し、冷媒回路(20)の蒸発器(60)が設置された空間に設けられている。送風ファン(15)は、船室内の室内空気と屋外の室外空気とをダクトを介してケーシング(11)の内部に取り込み、該空気を、蒸発器(60)において冷媒と熱交換するように蒸発器(60)に導く。また、送風ファン(15)は、蒸発器(60)を通過して温度が調節された空気をダクトを介して船室等の室内空間に供給する。
−センサ−
空気調和装置(10)には、高圧圧力スイッチ(91)と低圧圧力スイッチ(92)と高圧圧力センサ(93)と低圧圧力センサ(94)とが設けられている。
コントローラ(80)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節するように構成されている。具体的に、コントローラ(80)には、高圧圧力センサ(93)の検出値と、低圧圧力センサ(94)の検出値とが入力される。これらの検出値は、コントローラ(80)によって、圧縮機ユニット(30)の運転容量の調節に用いられる。また、コントローラ(80)は、高圧圧力スイッチ(91)又は低圧圧力スイッチ(92)からON信号を受信すると圧縮機ユニット(30)の運転を停止する保護制御を行うように構成されている。
空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
空気調和装置(10)では、水冷式の凝縮器(40)において、冷却管(42)が腐食して穴があき、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている際(異常状態の際)に、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための異常時動作を行う。
以上のように、本実施形態によれば、本発明に係る舶用冷凍装置としての空気調和装置(10)に、水冷式の凝縮器(40)において冷媒室の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている異常状態を判定する異常判定部(81)と、該異常判定部(81)が異常状態と判定すると冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための所定の異常時動作を行う異常時動作部(82)とを設けることとした。このような異常判定部(81)と異常時動作部(82)とにより、冷却管(42)に穴があいた直後に生じる状態、即ち、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている異常状態から冷却管(42)に穴があいたことを検知し、冷媒室(S1)内の圧力と冷却管(42)内の圧力とが等しくなって冷却管(42)から冷媒回路(20)に冷却水が浸入する前に、所定の異常時動作を行うことで、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避することができる。従って、冷却管(42)に穴があいた場合であっても、冷媒回路(20)への冷却水の浸入による冷媒回路(20)の構成部品の破損を防止することができる。
実施形態2に係る空気調和装置(10)は、実施形態1の空気調和装置(10)の構成を一部変更したものである。図4に示すように、実施形態2では、実施形態1の高圧ガス配管(24)に設けられた圧力スイッチ(95)の代わりに、冷媒圧力センサ(96)と、水圧センサ(97)とが設けられている。
実施形態2においても、空気調和装置(10)では、水冷式の凝縮器(40)において、冷却管(42)が腐食して穴があき、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている際(異常状態の際)に、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための異常時動作を行う。
実施形態2によれば、冷媒室(S1)内の圧力から冷却管(42)内の冷却水の圧力を減じた差圧から、冷媒室(S1)内の圧力が冷却管(42)内の圧力まで下がる前の状態であることを検知し、冷却水が冷媒回路(20)に浸入する前に所定の異常時動作を行うことで、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避することができる。従って、冷却管(42)に穴があいた場合であっても、冷媒回路(20)への冷却水の浸入による冷媒回路(20)の構成部品の破損を防止することができる。つまり、本実施形態2においても実施形態1と同様の効果を得ることが可能になる。
実施形態3に係る空気調和装置(10)は、実施形態1の空気調和装置(10)の構成を一部変更したものである。図5に示すように、実施形態3では、実施形態1の高圧ガス配管(24)に設けられた圧力スイッチ(95)を省略し、コントローラ(80)の異常判定部(81)が、低圧圧力スイッチ(92)からのON信号を用いて、実施形態1と異なる異常判定を行うように構成されている。
実施形態3においても、空気調和装置(10)では、水冷式の凝縮器(40)において、冷却管(42)が腐食して穴があき、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている際(異常状態の際)に、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための異常時動作を行う。
実施形態3によれば、冷媒回路(20)の蒸発器(60)と圧縮機構(30)との間に、冷媒圧力(即ち、低圧圧力)が所定の下限値よりも低下すると作動する低圧圧力スイッチ(92)を設けることにより、該低圧圧力スイッチ(92)の作動から冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている異常状態であるか否かを容易に判定することができる。
実施形態4に係る空気調和装置(10)は、実施形態1の空気調和装置(10)の構成を一部変更したものである。図6に示すように、実施形態4では、実施形態1の高圧ガス配管(24)に設けられた圧力スイッチ(95)の代わりに、差圧スイッチ(98)が設けられている。
実施形態4においても、空気調和装置(10)では、水冷式の凝縮器(40)において、冷却管(42)が腐食して穴があき、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている際(異常状態の際)に、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための異常時動作を行う。
実施形態4によれば、冷媒室(S1)内の圧力から冷却管(42)内の冷却水の圧力を減じた差圧から、冷媒室(S1)内の圧力が冷却管(42)内の圧力まで下がる前の状態であることを検知し、冷却水が冷媒回路(20)に浸入する前に所定の異常時動作を行うことで、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避することができる。従って、冷却管(42)に穴があいた場合であっても、冷媒回路(20)への冷却水の浸入による冷媒回路(20)の構成部品の破損を防止することができる。つまり、本実施形態4においても実施形態1と同様の効果を得ることが可能になる。
上記実施形態1の空気調和装置(10)において、高圧ガス配管(24)に設けられた圧力スイッチ(95)の代わりに、水冷式の凝縮器(40)に、冷媒室(S1)内における液冷媒の液面の高さを検出してコントローラ(80)に送信する液面センサを設け、該液面センサの検出値を用いて異常状態を判定することとしてもよい。具体的には、異常判定部(81)を、液面センサの検出値が所定の規定値を下回ったときに、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内へ漏れている異常状態であると判定するように構成する。冷却管(42)に穴があくと、高圧の冷媒が流入する冷媒室(S1)と冷却水が流れる冷却管(42)内の圧力差により、冷媒室(S1)の冷媒が冷却管(42)内に漏れる。そのため、冷媒室(S1)内における液冷媒の液面の高さが低下する。このような液冷媒の液面の高さを利用することによっても、容易に異常状態であるか否かを容易に判定することができ、冷却管(42)から冷媒回路(20)に冷却水が浸入する前に、所定の異常時動作を行うことで、冷却管(42)から冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避することができる。
20 冷媒回路
30 圧縮機ユニット(圧縮機構)
40 凝縮器
41 シェル
42 冷却管
50 膨張弁(膨脹機構)
60 蒸発器
71 流入管
73 開閉弁
80 コントローラ
81 異常判定部
82 異常時動作部
91 高圧圧力スイッチ
92 低圧圧力スイッチ
93 高圧圧力センサ
94 低圧圧力センサ
95 圧力スイッチ
96 冷媒圧力センサ
97 水圧センサ
98 差圧スイッチ
S1 冷媒室
Claims (10)
- 船舶に搭載され、圧縮機構(30)と、冷媒が流れる冷媒室(S1)が内部に形成されたシェル(41)と上記冷媒室(S1)に挿通されて冷却水が流れる冷却管(42)とを有する水冷式の凝縮器(40)と、膨脹機構(50)と、蒸発器(60)とが順次接続された冷媒回路(20)を備えた舶用冷凍装置であって、
上記冷媒回路(20)の動作中に、上記凝縮器(40)において、上記冷媒室(S1)の冷媒が上記冷却管(42)内へ漏れている異常状態であるか否かを判定する異常判定部(81)と、
上記異常判定部(81)が異常状態と判定すると、上記冷却管(42)から上記冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための所定の異常時動作を行う異常時動作部(82)とを備え、
上記圧縮機構(30)の吐出管(21b,22b,23b)には、該圧縮機構(30)から上記凝縮器(40)へ向かう向きの冷媒の流通を許容する一方、逆向きの冷媒の流通を阻止する逆止弁(28)が設けられ、
上記冷媒回路(20)における上記凝縮器(40)と上記膨脹機構(50)との間には、電磁弁(29)が設けられ、
上記異常時動作部(82)は、上記異常時動作として、上記電磁弁(29)を閉じると共に上記圧縮機構(30)を停止して上記冷媒回路(20)の動作を停止する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項1において、
上記異常判定部(81)は、上記冷媒回路(20)内の所定箇所における冷媒圧力を用いて上記判定を行う
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項2において、
上記冷媒回路(20)の上記圧縮機構(30)と上記凝縮器(40)との間における冷媒の圧力が所定の下限値まで下がると作動する圧力スイッチ(95)を備え、
上記異常判定部(81)は、上記圧力スイッチ(95)が作動すると、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項2において、
上記冷媒室(S1)内の圧力を検出する冷媒圧力センサ(96)と、
上記凝縮器(40)に流入する冷却水の圧力を検出する水圧センサ(97)とを備え、
上記異常判定部(81)は、上記冷媒圧力センサ(96)の検出値から上記水圧センサ(97)の検出値を減じた差圧が、所定の下限値を下回った場合に、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 船舶に搭載され、圧縮機構(30)と、冷媒が流れる冷媒室(S1)が内部に形成されたシェル(41)と上記冷媒室(S1)に挿通されて冷却水が流れる冷却管(42)とを有する水冷式の凝縮器(40)と、膨脹機構(50)と、蒸発器(60)とが順次接続された冷媒回路(20)を備えた舶用冷凍装置であって、
上記凝縮器(40)において、上記冷媒室(S1)の冷媒が上記冷却管(42)内へ漏れている異常状態であるか否かを判定する異常判定部(81)と、
上記異常判定部(81)が異常状態と判定すると、上記冷却管(42)から上記冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための所定の異常時動作を行う異常時動作部(82)と、
上記冷媒室(S1)内の圧力を検出する冷媒圧力センサ(96)と、
上記凝縮器(40)に流入する冷却水の圧力を検出する水圧センサ(97)とを備え、
上記異常判定部(81)は、上記冷媒圧力センサ(96)の検出値から上記水圧センサ(97)の検出値を減じた差圧が、所定の下限値を下回った場合に、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項2において、
上記冷媒室(S1)内の圧力から上記凝縮器(40)に流入する冷却水の圧力を減じた差圧が所定の下限値を下回ると作動する差圧スイッチ(98)を備え、
上記異常判定部(81)は、上記差圧スイッチ(98)が作動すると、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 船舶に搭載され、圧縮機構(30)と、冷媒が流れる冷媒室(S1)が内部に形成されたシェル(41)と上記冷媒室(S1)に挿通されて冷却水が流れる冷却管(42)とを有する水冷式の凝縮器(40)と、膨脹機構(50)と、蒸発器(60)とが順次接続された冷媒回路(20)を備えた舶用冷凍装置であって、
上記凝縮器(40)において、上記冷媒室(S1)の冷媒が上記冷却管(42)内へ漏れている異常状態であるか否かを判定する異常判定部(81)と、
上記異常判定部(81)が異常状態と判定すると、上記冷却管(42)から上記冷媒回路(20)への冷却水の浸入を回避するための所定の異常時動作を行う異常時動作部(82)と、
上記冷媒室(S1)内の圧力から上記凝縮器(40)に流入する冷却水の圧力を減じた差圧が所定の下限値を下回ると作動する差圧スイッチ(98)とを備え、
上記異常判定部(81)は、上記差圧スイッチ(98)が作動すると、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項2において、
上記冷媒回路(20)の蒸発器(60)と上記圧縮機構(30)との間における冷媒の圧力が所定の下限値まで下がると作動する低圧圧力スイッチ(92)を設け、
上記異常判定部(81)は、上記低圧圧力スイッチ(92)が作動すると、上記異常状態と判定する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1つにおいて、
上記異常時動作部(82)は、上記異常時動作として上記冷媒回路(20)の動作を停止すると共に警報を発する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1つにおいて、
上記凝縮器(40)に冷却水を導く流入管(71)と、
上記流入管(71)に設けられ、該流入管(71)を開閉する開閉弁(73)とを備え、
上記異常時動作部(82)は、上記異常時動作として上記冷媒回路(20)の動作を停止すると共に上記開閉弁(73)を閉状態に制御する
ことを特徴とする舶用冷凍装置。
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