JP2012122670A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和装置の運転中に全ての圧縮機が停止する頻度を低くし、室内の快適性を高く保つ。
【解決手段】空気調和装置(10)の冷媒回路(20)には、圧縮機ユニット(30)と、蒸発器(50)と、流通制御機構(17)を構成する電磁弁(70)とが設けられる。圧縮機ユニット(30)の運転容量は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することによって調節される。蒸発器(50)には、第1熱交換部(55)と第2熱交換部(60)とが設けられる。第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)とは、互いに並列に接続される。電磁弁(70)が開いた状態では、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。一方、電磁弁(70)が閉じた状態では、第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダクト等の空気通路を通って室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置に関するものである。
従来より、ダクトを通じて室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置が知られている。この空気調和装置によって冷却された空気は、ダクト内を流れて複数の部屋に分配される。
この種の空気調和装置は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1には、船舶用の空気調和装置が開示されている。この空気調和装置の蒸発器を通過する際に冷却された空気は、ダクト内を流れて複数の船室へ供給される。
特開2008−008543号公報
ところで、特許文献1の空気調和装置には、複数台の圧縮機と、一つの蒸発器とが設けられている。この種の空気調和装置において、蒸発器は、全ての圧縮機が運転された状態で冷媒を確実に蒸発させることができるように設計される。一方、複数台の圧縮機を備えた空気調和装置では、圧縮機の運転台数を空調負荷に応じて変更する場合がある。このため、複数の圧縮機のうち一部だけが運転される状態では、蒸発器の容量が相対的に過大となる。そして、圧縮機の運転台数を減らしたにも拘わらず空調能力が空調負荷に対して依然として過大となり、全ての圧縮機を停止させざるを得なくなる場合がある。
圧縮機の運転中において、蒸発器では、空気中の水分が凝縮してドレン水となる。一方、空調能力が空調負荷に対して過大であることに起因して全ての圧縮機が停止すると、蒸発器において空気が冷却されなくなる。この状態では、蒸発器の周辺に残存するドレン水が、蒸発器を通過する空気によって暖められて再蒸発し、空気と共に室内へ送られてしまう。このため、室内の湿度が上昇し、快適性を損なうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気調和装置の運転中に全ての圧縮機が停止する頻度を低くし、室内の快適性を高く保つことにある。
第1の発明は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、複数の部屋の吹出口(102)に接続する空気通路を流れる空気を冷媒によって冷却する空気調和装置(10)を対象とする。そして、上記冷媒回路(20)には、互いに並列接続された複数の圧縮機(31,32,33)を有する圧縮機ユニット(30)と、互いに並列接続されてそれぞれが冷媒を空気と熱交換させる複数の熱交換部(55,60,65)を有し、上記空気通路に設置される蒸発器(50)と、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を変更するための流通制御機構(17)とが設けられるものである。
第1の発明では、冷媒回路(20)において冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(20)の蒸発器(50)では、空気が冷却される。蒸発器(50)において冷却された空気は、空気通路を通って複数の部屋へ分配される。圧縮機ユニット(30)では、複数の圧縮機(31,32,33)が互いに並列接続されている。各圧縮機(31,32,33)の運転容量を変更したり、運転される圧縮機(31,32,33)の台数を変更すると、圧縮機ユニット(30)の運転容量が変化する。蒸発器(50)には、複数の熱交換部(55,60,65)が設けられる。蒸発器(50)において、複数の熱交換部(55,60,65)は、互いに並列に接続されている。例えば、全ての熱交換部(55,60,65)に冷媒が流入する場合、蒸発器(50)へ送られてきた冷媒は、各熱交換部(55,60,65)へ分配され、空気から吸熱して蒸発する。冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数は、流通制御機構(17)によって変更される。冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を変更すれば、蒸発器(50)の容量が変化する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記流通制御機構(17)は、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を上記圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて変更するものである。
第2の発明では、圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて蒸発器(50)の容量が変更される。圧縮機ユニット(30)の運転容量が変化すると、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量も変化する。このため、圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて冷媒が通過する熱交換部(55,60,65)の数を変更すれば、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量に応じて蒸発器(50)の容量を調節できる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記圧縮機ユニット(30)に設けられた全ての圧縮機(31,32,33)が容量固定となり、上記圧縮機ユニット(30)は、運転される圧縮機(31,32,33)の台数を変更することによって運転容量を調節するように構成され、上記流通制御機構(17)は、運転される圧縮機(31,32,33)の台数が減少すると、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を削減するものである。
第3の発明において、圧縮機ユニット(30)の運転容量は、運転される圧縮機(31,32,33)の台数を変更することによって調節される。従って、圧縮機ユニット(30)の運転容量は、段階的に変化する。運転される圧縮機(31,32,33)の台数が削減されて圧縮機ユニット(30)の運転容量が低下すると、流通制御機構(17)によって蒸発器(50)の容量が引き下げられる。つまり、圧縮機ユニット(30)の運転容量が低下して蒸発器(50)を通過する冷媒の流量が減少すると、それに応じて蒸発器(50)の容量が引き下げられる。
第4の発明は、上記第1〜第3の何れか一つの発明において、上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐する前の冷媒を膨張させる一つの膨張弁(40)が設けられるものである。
第4の発明では、一つの膨張弁(40)が冷媒回路(20)に設けられる。冷媒回路(20)を循環する冷媒は、膨張弁(40)を通過する際に膨張し、その後に蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ分配される。
第5の発明は、上記第1〜第3の何れか一つの発明において、上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)に一つずつ接続され、各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐した冷媒が流れる複数の分岐管(26,27,28)が設けられ、上記分岐管(26,27,28)のそれぞれには、冷媒を膨張させる膨張弁(41,42,43)が一つずつ設けられるものである。
第5の発明では、蒸発器(50)に設けられた熱交換部(55,60,65)と同数の膨張弁(41,42,43)が冷媒回路(20)に設けられる。冷媒回路(20)を循環する冷媒は、蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ向かって分配された後に膨張弁(41,42,43)を通過して膨張し、その後、通過した膨張弁(41,42,43)に対応する熱交換部(55,60,65)へ流入する。
本発明では、冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を流通制御機構(17)によって変更すると、蒸発器(50)の容量が変化する。このため、空気調和装置(10)の空調能力を空調負荷に合わせるために圧縮機ユニット(30)の運転容量を削減した場合は、冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を削減して蒸発器(50)の容量を引き下げることによって、空気調和装置(10)の空調能力を確実に低下させることができる。その結果、空気調和装置(10)の空調能力の調節範囲の下限を従来よりも引き下げることができ、空気調和装置(10)の運転中に全ての圧縮機(31,32,33)が停止してしまう頻度を低くすることができる。従って、本発明によれば、“全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態でドレン水が再蒸発して室内へ送られる現象”が生じる頻度を低減でき、室内の快適性を高く保つことが可能となる。
上記第2の発明では、冷媒が通過する熱交換部(55,60,65)の数を圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて変更しているため、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量に応じて蒸発器(50)の容量を調節できる。従って、この発明によれば、蒸発器(50)の容量を適切に設定することができ、空気調和装置(10)の空調能力を一層適切に調節することが可能となる。
上記第3の発明では、運転される圧縮機(31,32,33)の台数が増減すると、それに応じて、冷媒が通過する熱交換部(55,60,65)の数も増減する。従って、この発明によれば、段階的に変化する圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて蒸発器(50)の容量を適切に変更することができ、空気調和装置(10)の空調能力を一層適切に調節することが可能となる。
上記第4の発明では、一つの膨張弁(40)を用いて全ての熱交換部(55,60,65)へ流入する冷媒を膨張させることができる。従って、この発明によれば、空気調和装置(10)の部品点数の増加を抑制できる。
上記第5の発明では、各熱交換部(55,60,65)へ流入する冷媒の流量を、各熱交換部(55,60,65)に対応する膨張弁(41,42,43)の開度を調節することによって、個別に制御できる。従って、この発明によれば、蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)を流れる冷媒の流量を適切に調節することができ、空気調和装置(10)の空調能力を最大限発揮させることが可能となる。
船舶用空調システムの概略構成図である。 空気調和装置の概略構成図である。 実施形態1の変形例1の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 実施形態1の変形例1の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 実施形態1の変形例2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図3の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図4の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図5の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図6の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の冷媒回路に相当するその他の実施形態の第1変形例の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図6の冷媒回路に相当するその他の実施形態の第1変形例の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の蒸発器に相当するその他の実施形態の第2変形例の蒸発器の要部の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の空気調和装置(10)は、船舶用の空調システムに設けられており、部屋である船室(103)に調和空気を供給する。
図1に示すように、空気調和装置(10)のケーシング(11)には、吸込ダクト(100)と給気ダクト(101)とが接続されている。吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)は、ケーシング(11)内に形成されて吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)に連通する空間と共に、空気が流れる空気通路を構成している。吸込ダクト(100)には、船室(103)内の室内空気と、屋外の室外空気とが取り込まれる。空気調和装置(10)には、室内空気と室外空気の混合空気が吸込ダクト(100)を通って送られる。給気ダクト(101)は、各船室(103)に開口する吹出口(102)に接続されている。空気調和装置(10)から吹き出された空気は、給気ダクト(101)を通って複数の船室(103)に分配される。
図2に示すように、本実施形態の空気調和装置(10)は、冷媒回路(20)と、送風機(15)と、制御器(16)とを備えている。冷媒回路(20)、送風機(15)、及び制御器(16)は、ケーシング(11)内に収容されている。ケーシング(11)内では、吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)に連通する空間に、送風機(15)と、後述する冷媒回路(20)の蒸発器(50)とが配置されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機ユニット(30)と、凝縮器(35)と、膨張弁(40)と、蒸発器(50)とが設けられている。また、冷媒回路(20)には、冷媒が充填されている。冷媒回路(20)は、圧縮機ユニット(30)と、凝縮器(35)と、膨張弁(40)と、蒸発器(50)とを順に配管で接続して構成された閉回路である。
圧縮機ユニット(30)は、三台の圧縮機(31,32,33)を備えている。なお、圧縮機ユニット(30)に設けられた圧縮機(31,32,33)の台数は、単なる一例である。各圧縮機(31,32,33)は、全密閉型のスクロール圧縮機(31,32,33)である。また、各圧縮機(31,32,33)は、回転速度を変更できない容量固定型となっている。
圧縮機ユニット(30)において、三台の圧縮機(31,32,33)は、互いに並列に接続されている。具体的に、各圧縮機(31,32,33)の吸入管(31a,32a,33a)は、後述する蒸発器(50)の出口配管(52)に接続されている。また、各圧縮機(31,32,33)の吐出管(31b,32b,33b)は、凝縮器(35)の冷媒入口に接続されている。各圧縮機(31,32,33)は、吸入管(31a,32a,33a)から吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出管(31b,32b,33b)から吐出する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することによって調節される。一般には、インバータを用いて各圧縮機(31,32,33)の回転速度を変更し、それによって圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節することが考えられる。ところが、インバータを用いると電磁波ノイズが発生し、救難通信等の無線通信に悪影響を及ぼす可能性がある。また、インバータで生じる逆相電流によって発電機の能力が低下するおそれもある。このため、船舶用の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節するためにインバータを用いようとすると、上述したような弊害を解消するための対策が必要となり、その製造コストが大幅に増大してしまう。従って、本実施形態の圧縮機ユニット(30)は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することで運転容量を調節するように構成されている。
凝縮器(35)は、いわゆるシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を冷却水(具体的には、海水や河川等から取り込まれた水)と熱交換させる。凝縮器(35)の冷媒出口は、配管(25)を介して蒸発器(50)に接続されている。配管(25)の途中には、膨張弁(40)が設けられている。
膨張弁(40)は、いわゆる温度自動膨張弁である。膨張弁(40)の感温筒(40a)は、蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられ、出口配管(52)の表面と接している。
配管(25)は、膨張弁(40)の下流側の部分が二つに分岐されており、その第1分岐管(26)が蒸発器(50)の第1流通路(56)の一端に、その第2分岐管(27)が蒸発器(50)の第2流通路(61)の一端に、それぞれ接続されている。また、この配管(25)の第2分岐管(27)には、流通制御機構(17)を構成する電磁弁(70)が設けられている。
蒸発器(50)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、銅製の伝熱管とアルミニウム製のフィン(51)とによって構成されている。この蒸発器(50)は、冷媒を空気と熱交換させる。
蒸発器(50)には、第1熱交換部(55)と第2熱交換部(60)とが形成されている。各熱交換部(55,60)は、伝熱管によって構成された流通路(56,61)と、流通路(56,61)を構成する伝熱管に接合されたフィン(51)とによって構成されている。蒸発器(50)において、各熱交換部(55,60)を構成するフィン(51)は、互いに一体となっている。
上述したように、蒸発器(50)では、第1流通路(56)の一端が第1分岐管(26)を介して膨張弁(40)に接続され、第2流通路(61)の一端が第2分岐管(27)を介して膨張弁(40)に接続されている。また、蒸発器(50)において、各流通路(56,61)の他端は、出口配管(52)に接続されている。
空気調和装置(10)には、吹出風温センサ(81)と、蒸発温度センサ(82)とが設けられている。吹出風温センサ(81)は、空気の流通経路における蒸発器(50)の下流側に配置されている。この吹出風温センサ(81)は、蒸発器(50)を通過して給気ダクト(101)へ送られる空気の温度を計測する。蒸発温度センサ(82)は、蒸発器(50)の第1流通路(56)を構成する伝熱管に取り付けられ、この伝熱管の表面と接している。この蒸発温度センサ(82)は、伝熱管の表面温度を、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度として計測する。
制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する動作と、電磁弁(70)を操作する動作とを行う。具体的に、制御器(16)には、吹出風温センサ(81)の計測値と、蒸発温度センサ(82)の計測値とが入力されている。そして、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値に基づいて圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節し、蒸発温度センサ(82)の計測値に基づいて電磁弁(70)を開閉する。
−運転動作−
空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
先ず、冷媒回路(20)の動作について、図2を参照しながら説明する。ここでは、圧縮機ユニット(30)の運転容量が最大であり、電磁弁(70)が開いている状態を例に説明する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が最大の場合は、全ての圧縮機(31,32,33)が運転される。各圧縮機(31,32,33)から吐出された冷媒は、合流した後に凝縮器(35)へ流入し、冷却水へ放熱して凝縮する。凝縮器(35)において凝縮した冷媒は、膨張弁(40)を通過する際に減圧されて気液二相状態となる。
膨張弁(40)を通過した冷媒は、蒸発器(50)へ流入する。具体的に、膨張弁(40)を通過した冷媒は、その一部が第1分岐管(26)を通って第1熱交換部(55)の第1流通路(56)へ流入し、残りが第2分岐管(27)を通って第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へ流入する。各流通路(56,61)を流れる冷媒は、フィン(51)間を通過する空気から吸熱して蒸発し、通常は過熱蒸気となって出口配管(52)へ流入する。
各流通路(56,61)から出口配管(52)へ流入した冷媒は、蒸発器(50)から流出し、その後に三台の圧縮機(31,32,33)に分かれて吸入される。各圧縮機(31,32,33)へ吸入された冷媒は、圧縮された後に各圧縮機(31,32,33)から吐出される。
上述したように、膨張弁(40)の感温筒(40a)は、蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられている。従って、膨張弁(40)の開度は、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。つまり、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が高すぎる場合は、過熱度を引き下げるために膨張弁(40)の開度が拡大される。一方、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が低すぎる場合は、過熱度を引き上げるために膨張弁(40)の開度が縮小される。
次に、空気の流れについて、図1を参照しながら説明する。空気調和装置(10)の運転中には、送風機(15)が運転される。送風機(15)は、給気ダクト(101)から空気を吸い込む。このため、空気調和装置(10)には、船室(103)内の室内空気と船外の室外空気とが、給気ダクト(101)を通って吸い込まれる。
空気調和装置(10)に吸い込まれた空気は、蒸発器(50)を通過する間に冷媒によって冷却される。通常、蒸発器(50)を通過した空気の温度は、蒸発器(50)へ送られる空気の露点温度よりも低くなる。このため、蒸発器(50)では、空気に含まれる水蒸気が凝縮してドレン水となる。つまり、蒸発器(50)では、空気の冷却と除湿が行われる。冷却され且つ除湿された空気は、空気調和装置(10)から給気ダクト(101)へ送り出される。給気ダクト(101)を流れる空気は、各船室(103)に設けられた吹出口(102)へ分配され、吹出口(102)から船室(103)へ吹き出される。
−制御器の動作−
制御器(16)が行う動作について説明する。
先ず、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する動作について説明する。制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。
具体的に、吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き上げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ減らしてゆく。つまり、この場合、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を、段階的に低下させてゆく。また、圧縮機(31,32,33)のうちの一台だけが運転されている状態でも吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、全ての圧縮機(31,32,33)を停止させる。
一方、吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き下げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ増やしてゆく。つまり、この場合、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を、段階的に増加させてゆく。
次に、電磁弁(70)を操作する動作について説明する。制御器(16)は、蒸発温度センサ(82)の計測値が所定の基準範囲に保たれるように、電磁弁(70)を開閉する。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲の上限値を上回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さい状態で電磁弁(70)が開いていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が低下してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲の下限値を下回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が大きい状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が低下する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇してゆく。
−実施形態1の効果−
上述したように、空気調和装置(10)の運転中には、制御器(16)が圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。そして、船室(103)の冷房負荷が非常に小さい場合には、空気調和装置(10)の運転中であっても、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止することがある。一方、空気調和装置(10)は、室内空気と室外空気の混合空気を取り込んで船室(103)へ供給している。つまり、この空気調和装置(10)は、船室(103)の冷房だけでなく、換気も行っている。船室(103)の換気は、船室(103)の冷房負荷の如何に拘わらず、常に行われる必要がある。このため、空気調和装置(10)の運転中には、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態であっても、送風機(15)の運転が継続される。
全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態では、蒸発器(50)に冷媒が供給されず、蒸発器(50)における空気の冷却は行われない。一方、蒸発器(50)の表面やその周辺には、圧縮機(31,32,33)の運転中に生成したドレン水が残存している。全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態で蒸発器(50)を空気が通過すると、蒸発器(50)やその周辺のドレン水は、空気によって暖められて再蒸発し、空気と共に船室(103)へ送られてしまう。このため、空気調和装置(10)の運転中に圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止すると、船室(103)へ供給される空気の湿度が高くなり、船室(103)内の快適性が損なわれるおそれがある。
特に、船舶用の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節するためにインバータを使用することがコスト的に困難であり、従って、通常は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することによって圧縮機ユニット(30)の運転容量が調節される。このため、圧縮機ユニット(30)の運転容量を細かく調節するのが困難であり、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度が多かった。
更に、本実施形態の空気調和装置(10)では、膨張弁(40)として温度自動膨張弁が用いられており、膨張弁(40)の感温筒(40a)が蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられている。冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大になると、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が大きくなるため、冷媒の過熱度を引き下げるために膨張弁(40)の開度が拡大される。ところが、膨張弁(40)の開度が大きい状態では、圧縮機(31,32,33)の運転台数を減らしても、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量を充分に削減することが困難である。このため、空気調和装置(10)の冷房能力の調節範囲の下限を充分に引き下げることが困難であり、そのことも、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度が多い原因となっていた。
本実施形態の空気調和装置(10)において、制御器(16)は、蒸発温度センサ(82)の計測値に基づいて電磁弁(70)を操作し、蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲に保たれるように、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数を変更している。従って、例えば圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が一台となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇して基準範囲の上限値を超えると、制御器(16)が電磁弁(70)を閉鎖し、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
このように、本実施形態の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さくなって蒸発器(50)を通過する冷媒の流量が減少すると、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数が減少し、蒸発器(50)の容量が引き下げられる。従って、本実施形態によれば、圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて蒸発器(50)の容量を引き下げることが可能となり、冷房能力の調節範囲の下限を低下させることができる。その結果、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度を減らすことができ、ドレン水の再蒸発に起因して室内の快適性が損なわれる可能性を低くすることができる。
また、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量が減少した場合に、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数が減少すると、蒸発器(50)の出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度の過度な上昇が抑えられる。このため、膨張弁(40)の開度をある程度以下に抑えることができ、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量を確実に低減することができる。
−実施形態1の変形例1−
上記実施形態1の蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の一方または両方が、複数のパス(56a,56b,61a,61b)を備えていてもよい。
図3に示す一例では、第1流通路(56)と第2流通路(61)のそれぞれが、第1パス(56a,61a)と、第2パス(56b,61b)と、分流器(57,62)と、合流管(58,63)とを備えている。図3に示す第1流通路(56)において、第1パス(56a)及び第2パス(56b)は、それぞれの一端が分流器(57)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(58)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(57)の入口側には、配管(25)の第1分岐管(26)が接続される。一方、同図に示す第2流通路(61)において、第1パス(61a)及び第2パス(61b)は、それぞれの一端が分流器(62)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(63)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(62)の入口側には、配管(25)の第2分岐管(27)が接続される。
図4に示す一例では、第2流通路(61)だけが、第1パス(61a)と、第2パス(61b)と、分流器(62)と、合流管(63)とを備えている。図4に示す第2流通路(61)において、第1パス(61a)及び第2パス(61b)は、それぞれの一端が分流器(62)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(63)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(62)の入口側には、配管(25)の第2分岐管(27)が接続される。
−実施形態1の変形例2−
上記実施形態1の蒸発器(50)には、三つ以上の熱交換部(55,60,65)が設けられていてもよい。このでは、蒸発器(50)に三つの熱交換部(55,60,65)が設けられている場合の冷媒回路(20)について、図5を参照しながら説明する。
本変形例の冷媒回路(20)において、凝縮器(35)と蒸発器(50)を繋ぐ配管(25)は、膨張弁(40)の下流側の部分が三つの分岐管(26,27,28)に分かれている。第1分岐管(26)は第1熱交換部(55)の第1流通路(56)の一端に、第2分岐管(27)は第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の一端に、第3分岐管(28)は第3熱交換部(65)の第3流通路(66)の一端に、それぞれ接続される。各流通路(56,61,66)の他端は、出口配管(52)に接続されている。また、本変形例の冷媒回路(20)の配管(25)では、第2分岐管(27)に第1電磁弁(71)が設けられ、第3分岐管(28)に第2電磁弁(72)が設けられている。本変形例の蒸発器(50)では、冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数が、三段階に変更可能となっている。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の冷媒回路(20)には、蒸発器(50)の熱交換部(55,60)と同数の膨張弁(41,42)が設けられている。
図6に示す冷媒回路(20)は、図2に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図6の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図6に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図7に示す冷媒回路(20)は、図3に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図7の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図7に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の合流管(58)に取り付けられ、この合流管(58)の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)の各パス(56a,56b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の合流管(63)に取り付けられ、この合流管(63)の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)の各パス(61a,61b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図8に示す冷媒回路(20)は、図4に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図8の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図8に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の合流管(63)に取り付けられ、この合流管(63)の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)の各パス(61a,61b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図9に示す冷媒回路(20)は、図5に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図9の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27,28)に膨張弁(41,42,43)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、第1電磁弁(71)の上流側に配置されている。また、配管(25)の第3分岐管(28)において、第3膨張弁(43)は、第2電磁弁(72)の上流側に配置されている。
図9に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42,43)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第3分岐管(28)に設けられた第3膨張弁(43)の感温筒(43a)は、第3流通路(66)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第3膨張弁(43)の開度は、第3熱交換部(65)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
−実施形態2の変形例−
本実施形態の冷媒回路(20)では、配管(25)の分岐管(27,28)における膨張弁(42,43)と電磁弁(71,72)の位置が入れ替わっていてもよい。
図10に示す冷媒回路(20)は、図6に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。図10の冷媒回路(20)の第2分岐管(27)では、電磁弁(70)の下流側に第2膨張弁(42)が配置される。
《その他の実施形態》
−第1変形例−
図2〜図10に記載された冷媒回路(20)には、膨張弁(40,41,42)として、いわゆる電子膨張弁が設けられていてもよい。
図11に示す冷媒回路(20)は、図2に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。
図11に示す冷媒回路(20)では、蒸発器(50)の出口配管(52)に冷媒温度センサ(85)が取り付けられている。この冷媒温度センサ(85)は、出口配管(52)と接しており、出口配管(52)の表面温度を、出口配管(52)内を流れる冷媒の温度として計測する。出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度は、冷媒温度センサ(85)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、冷媒温度センサ(85)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図11に示す冷媒回路(20)の膨張弁(40)の開度を調節する。
図12に示す冷媒回路(20)は、図6に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。
図12に示す冷媒回路(20)では、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に第1冷媒温度センサ(86)が取り付けられている。第1冷媒温度センサ(86)は、配管と接しており、この配管の表面温度を、第1流通路(56)から流出する冷媒の温度として計測する。第1流通路(56)から流出する冷媒の過熱度は、第1冷媒温度センサ(86)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、第1冷媒温度センサ(86)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図12に示す冷媒回路(20)の第1膨張弁(41)の開度を調節する。
また、図12に示す冷媒回路(20)では、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に第2冷媒温度センサ(87)が取り付けられている。第2冷媒温度センサ(87)は、配管と接しており、この配管の表面温度を、第2流通路(61)から流出する冷媒の温度として計測する。第2流通路(61)から流出する冷媒の過熱度は、第2冷媒温度センサ(87)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、第2冷媒温度センサ(87)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図12に示す冷媒回路(20)の第2膨張弁(42)の開度を調節する。
また、図12に示す冷媒回路(20)では、電磁弁(70)が省略されている。つまり、配管(25)の第2分岐管(27)には、第2膨張弁(42)だけが設けられている。この冷媒回路(20)では、第2膨張弁(42)が流通制御機構(17)を兼ねている。つまり、電子膨張弁である第2膨張弁(42)の開度は、制御器(16)からの制御信号によって任意に設定できる。従って、第1流通路(56)だけに冷媒を流入させる場合、制御器(16)は、第2膨張弁(42)を全閉状態に設定する。
−第2変形例−
図2〜図10に記載された蒸発器(50)では、各流通路(56,61,66)を構成する伝熱管が交互に配置されていてもよい。
図13に示す蒸発器(50)は、図2に示す蒸発器(50)に本変形例を適用したものである。図13に示す蒸発器(50)では、第1流通路(56)を構成する伝熱管と、第2流通路(61)を構成する伝熱管とが、フィン(51)の長手方向において交互に配置されている。本変形例の蒸発器(50)を用いると、第1流通路(56)だけに冷媒が流れる状態においても、蒸発器(50)を通過した空気の温度を均一化することが可能となる。
−第3変形例−
上記各実施形態の制御器(16)は、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力に基づいて、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本変形例を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
本変形例の制御器(16)は、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力(即ち、冷凍サイクルの低圧)が所定の基準範囲に保たれるように、電磁弁(70)を開閉する。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で冷媒の蒸発圧力が基準範囲の上限値を上回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さい状態で電磁弁(70)が開いていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が上昇する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が低下してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が基準範囲の下限値を下回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が大きい状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が低下する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が上昇してゆく。
−第4変形例−
上記各実施形態の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値に基づいて、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本変形例を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
本変形例の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量の調節と、電磁弁(70)の操作とを行う。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き上げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ減らしてゆく。そして、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が一台になっても依然として吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機(31,32,33)のうちの一台だけが運転されている状態で電磁弁(70)が開いていると、蒸発器(50)の容量が大きすぎるため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が依然として設定温度よりも低いままとなる可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が上昇してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き下げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ増やしてゆく。そして、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が二台になっても依然として吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機(31,32,33)のうちの二台が運転されている状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)を通過した空気の温度が依然として設定温度よりも高いままとなる可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が低下してゆく。
−第5変形例−
上記各実施形態の制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更すると同時に、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本変形例を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
上述したように、実施形態1の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。そして、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を二台から一台に減らしたときは、それと同時に電磁弁(70)を閉鎖する。また、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台から二台に増やしたときは、それと同時に電磁弁(70)を開放する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ダクトを通じて室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
17 流通制御機構
20 冷媒回路
26 第1分岐管
27 第2分岐管
28 第3分岐管
30 圧縮機ユニット
31 第1圧縮機
32 第2圧縮機
33 第3圧縮機
35 凝縮器
40 膨張弁
41 第1膨張弁
42 第2膨張弁
43 第3膨張弁
50 蒸発器
55 第1熱交換部
56 第1流通路
60 第2熱交換部
61 第2流通路
65 第3熱交換部
66 第3流通路
本発明は、ダクト等の空気通路を通って室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置に関するものである。
従来より、ダクトを通じて室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置が知られている。この空気調和装置によって冷却された空気は、ダクト内を流れて複数の部屋に分配される。
この種の空気調和装置は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1には、船舶用の空気調和装置が開示されている。この空気調和装置の蒸発器を通過する際に冷却された空気は、ダクト内を流れて複数の船室へ供給される。
特開2008−008543号公報
ところで、特許文献1の空気調和装置には、複数台の圧縮機と、一つの蒸発器とが設けられている。この種の空気調和装置において、蒸発器は、全ての圧縮機が運転された状態で冷媒を確実に蒸発させることができるように設計される。一方、複数台の圧縮機を備えた空気調和装置では、圧縮機の運転台数を空調負荷に応じて変更する場合がある。このため、複数の圧縮機のうち一部だけが運転される状態では、蒸発器の容量が相対的に過大となる。そして、圧縮機の運転台数を減らしたにも拘わらず空調能力が空調負荷に対して依然として過大となり、全ての圧縮機を停止させざるを得なくなる場合がある。
圧縮機の運転中において、蒸発器では、空気中の水分が凝縮してドレン水となる。一方、空調能力が空調負荷に対して過大であることに起因して全ての圧縮機が停止すると、蒸発器において空気が冷却されなくなる。この状態では、蒸発器の周辺に残存するドレン水が、蒸発器を通過する空気によって暖められて再蒸発し、空気と共に室内へ送られてしまう。このため、室内の湿度が上昇し、快適性を損なうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気調和装置の運転中に全ての圧縮機が停止する頻度を低くし、室内の快適性を高く保つことにある。
第1の発明は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、複数の部屋の吹出口(102)に接続する空気通路を流れる空気を冷媒によって冷却する空気調和装置(10)を対象とする。そして、上記冷媒回路(20)には、互いに並列接続された複数の圧縮機(31,32,33)を有する圧縮機ユニット(30)と、互いに並列接続されてそれぞれが冷媒を空気と熱交換させる複数の熱交換部(55,60,65)を有し、上記空気通路に設置される蒸発器(50)と、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を変更するための流通制御機構(17)とが設けられるものである。更に、この発明は、上記蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が所定の基準範囲の上限値を上回ると、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数が減るように上記流通制御機構(17)を操作し、上記蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が所定の基準範囲の下限値を下回ると、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数が増えるように上記流通制御機構(17)を操作する動作と、上記蒸発器(50)を通過した空気の温度が所定の設定温度となるように上記圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する動作とを行う制御器(16)を備えるものである。
第1の発明では、冷媒回路(20)において冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(20)の蒸発器(50)では、空気が冷却される。蒸発器(50)において冷却された空気は、空気通路を通って複数の部屋へ分配される。圧縮機ユニット(30)では、複数の圧縮機(31,32,33)が互いに並列接続されている。各圧縮機(31,32,33)の運転容量を変更したり、運転される圧縮機(31,32,33)の台数を変更すると、圧縮機ユニット(30)の運転容量が変化する。蒸発器(50)には、複数の熱交換部(55,60,65)が設けられる。蒸発器(50)において、複数の熱交換部(55,60,65)は、互いに並列に接続されている。例えば、全ての熱交換部(55,60,65)に冷媒が流入する場合、蒸発器(50)へ送られてきた冷媒は、各熱交換部(55,60,65)へ分配され、空気から吸熱して蒸発する。冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数は、流通制御機構(17)によって変更される。冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を変更すれば、蒸発器(50)の容量が変化する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐する前の冷媒を膨張させる一つの膨張弁(40)が設けられるものである。
第2の発明では、一つの膨張弁(40)が冷媒回路(20)に設けられる。冷媒回路(20)を循環する冷媒は、膨張弁(40)を通過する際に膨張し、その後に蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ分配される。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)に一つずつ接続され、各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐した冷媒が流れる複数の分岐管(26,27,28)が設けられ、上記分岐管(26,27,28)のそれぞれには、冷媒を膨張させる膨張弁(41,42,43)が一つずつ設けられるものである。
第3の発明では、蒸発器(50)に設けられた熱交換部(55,60,65)と同数の膨張弁(41,42,43)が冷媒回路(20)に設けられる。冷媒回路(20)を循環する冷媒は、蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ向かって分配された後に膨張弁(41,42,43)を通過して膨張し、その後、通過した膨張弁(41,42,43)に対応する熱交換部(55,60,65)へ流入する。
本発明では、冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を流通制御機構(17)によって変更すると、蒸発器(50)の容量が変化する。このため、空気調和装置(10)の空調能力を空調負荷に合わせるために圧縮機ユニット(30)の運転容量を削減した場合は、冷媒が流入する熱交換部(55,60,65)の数を削減して蒸発器(50)の容量を引き下げることによって、空気調和装置(10)の空調能力を確実に低下させることができる。その結果、空気調和装置(10)の空調能力の調節範囲の下限を従来よりも引き下げることができ、空気調和装置(10)の運転中に全ての圧縮機(31,32,33)が停止してしまう頻度を低くすることができる。従って、本発明によれば、“全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態でドレン水が再蒸発して室内へ送られる現象”が生じる頻度を低減でき、室内の快適性を高く保つことが可能となる。
上記第2の発明では、一つの膨張弁(40)を用いて全ての熱交換部(55,60,65)へ流入する冷媒を膨張させることができる。従って、この発明によれば、空気調和装置(10)の部品点数の増加を抑制できる。
上記第3の発明では、各熱交換部(55,60,65)へ流入する冷媒の流量を、各熱交換部(55,60,65)に対応する膨張弁(41,42,43)の開度を調節することによって、個別に制御できる。従って、この発明によれば、蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)を流れる冷媒の流量を適切に調節することができ、空気調和装置(10)の空調能力を最大限発揮させることが可能となる。
船舶用空調システムの概略構成図である。 空気調和装置の概略構成図である。 実施形態1の変形例1の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 実施形態1の変形例1の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 実施形態1の変形例2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図3の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図4の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図5の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図6の冷媒回路に相当する実施形態2の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の冷媒回路に相当するその他の実施形態の第1変形例の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図6の冷媒回路に相当するその他の実施形態の第1変形例の冷媒回路の要部を示す冷媒回路図である。 図2の蒸発器に相当するその他の実施形態の第2変形例の蒸発器の要部の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の空気調和装置(10)は、船舶用の空調システムに設けられており、部屋である船室(103)に調和空気を供給する。
図1に示すように、空気調和装置(10)のケーシング(11)には、吸込ダクト(100)と給気ダクト(101)とが接続されている。吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)は、ケーシング(11)内に形成されて吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)に連通する空間と共に、空気が流れる空気通路を構成している。吸込ダクト(100)には、船室(103)内の室内空気と、屋外の室外空気とが取り込まれる。空気調和装置(10)には、室内空気と室外空気の混合空気が吸込ダクト(100)を通って送られる。給気ダクト(101)は、各船室(103)に開口する吹出口(102)に接続されている。空気調和装置(10)から吹き出された空気は、給気ダクト(101)を通って複数の船室(103)に分配される。
図2に示すように、本実施形態の空気調和装置(10)は、冷媒回路(20)と、送風機(15)と、制御器(16)とを備えている。冷媒回路(20)、送風機(15)、及び制御器(16)は、ケーシング(11)内に収容されている。ケーシング(11)内では、吸込ダクト(100)及び給気ダクト(101)に連通する空間に、送風機(15)と、後述する冷媒回路(20)の蒸発器(50)とが配置されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機ユニット(30)と、凝縮器(35)と、膨張弁(40)と、蒸発器(50)とが設けられている。また、冷媒回路(20)には、冷媒が充填されている。冷媒回路(20)は、圧縮機ユニット(30)と、凝縮器(35)と、膨張弁(40)と、蒸発器(50)とを順に配管で接続して構成された閉回路である。
圧縮機ユニット(30)は、三台の圧縮機(31,32,33)を備えている。なお、圧縮機ユニット(30)に設けられた圧縮機(31,32,33)の台数は、単なる一例である。各圧縮機(31,32,33)は、全密閉型のスクロール圧縮機(31,32,33)である。また、各圧縮機(31,32,33)は、回転速度を変更できない容量固定型となっている。
圧縮機ユニット(30)において、三台の圧縮機(31,32,33)は、互いに並列に接続されている。具体的に、各圧縮機(31,32,33)の吸入管(31a,32a,33a)は、後述する蒸発器(50)の出口配管(52)に接続されている。また、各圧縮機(31,32,33)の吐出管(31b,32b,33b)は、凝縮器(35)の冷媒入口に接続されている。各圧縮機(31,32,33)は、吸入管(31a,32a,33a)から吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出管(31b,32b,33b)から吐出する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することによって調節される。一般には、インバータを用いて各圧縮機(31,32,33)の回転速度を変更し、それによって圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節することが考えられる。ところが、インバータを用いると電磁波ノイズが発生し、救難通信等の無線通信に悪影響を及ぼす可能性がある。また、インバータで生じる逆相電流によって発電機の能力が低下するおそれもある。このため、船舶用の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節するためにインバータを用いようとすると、上述したような弊害を解消するための対策が必要となり、その製造コストが大幅に増大してしまう。従って、本実施形態の圧縮機ユニット(30)は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することで運転容量を調節するように構成されている。
凝縮器(35)は、いわゆるシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であって、冷媒を冷却水(具体的には、海水や河川等から取り込まれた水)と熱交換させる。凝縮器(35)の冷媒出口は、配管(25)を介して蒸発器(50)に接続されている。配管(25)の途中には、膨張弁(40)が設けられている。
膨張弁(40)は、いわゆる温度自動膨張弁である。膨張弁(40)の感温筒(40a)は、蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられ、出口配管(52)の表面と接している。
配管(25)は、膨張弁(40)の下流側の部分が二つに分岐されており、その第1分岐管(26)が蒸発器(50)の第1流通路(56)の一端に、その第2分岐管(27)が蒸発器(50)の第2流通路(61)の一端に、それぞれ接続されている。また、この配管(25)の第2分岐管(27)には、流通制御機構(17)を構成する電磁弁(70)が設けられている。
蒸発器(50)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、銅製の伝熱管とアルミニウム製のフィン(51)とによって構成されている。この蒸発器(50)は、冷媒を空気と熱交換させる。
蒸発器(50)には、第1熱交換部(55)と第2熱交換部(60)とが形成されている。各熱交換部(55,60)は、伝熱管によって構成された流通路(56,61)と、流通路(56,61)を構成する伝熱管に接合されたフィン(51)とによって構成されている。蒸発器(50)において、各熱交換部(55,60)を構成するフィン(51)は、互いに一体となっている。
上述したように、蒸発器(50)では、第1流通路(56)の一端が第1分岐管(26)を介して膨張弁(40)に接続され、第2流通路(61)の一端が第2分岐管(27)を介して膨張弁(40)に接続されている。また、蒸発器(50)において、各流通路(56,61)の他端は、出口配管(52)に接続されている。
空気調和装置(10)には、吹出風温センサ(81)と、蒸発温度センサ(82)とが設けられている。吹出風温センサ(81)は、空気の流通経路における蒸発器(50)の下流側に配置されている。この吹出風温センサ(81)は、蒸発器(50)を通過して給気ダクト(101)へ送られる空気の温度を計測する。蒸発温度センサ(82)は、蒸発器(50)の第1流通路(56)を構成する伝熱管に取り付けられ、この伝熱管の表面と接している。この蒸発温度センサ(82)は、伝熱管の表面温度を、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度として計測する。
制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する動作と、電磁弁(70)を操作する動作とを行う。具体的に、制御器(16)には、吹出風温センサ(81)の計測値と、蒸発温度センサ(82)の計測値とが入力されている。そして、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値に基づいて圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節し、蒸発温度センサ(82)の計測値に基づいて電磁弁(70)を開閉する。
−運転動作−
空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
先ず、冷媒回路(20)の動作について、図2を参照しながら説明する。ここでは、圧縮機ユニット(30)の運転容量が最大であり、電磁弁(70)が開いている状態を例に説明する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が最大の場合は、全ての圧縮機(31,32,33)が運転される。各圧縮機(31,32,33)から吐出された冷媒は、合流した後に凝縮器(35)へ流入し、冷却水へ放熱して凝縮する。凝縮器(35)において凝縮した冷媒は、膨張弁(40)を通過する際に減圧されて気液二相状態となる。
膨張弁(40)を通過した冷媒は、蒸発器(50)へ流入する。具体的に、膨張弁(40)を通過した冷媒は、その一部が第1分岐管(26)を通って第1熱交換部(55)の第1流通路(56)へ流入し、残りが第2分岐管(27)を通って第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へ流入する。各流通路(56,61)を流れる冷媒は、フィン(51)間を通過する空気から吸熱して蒸発し、通常は過熱蒸気となって出口配管(52)へ流入する。
各流通路(56,61)から出口配管(52)へ流入した冷媒は、蒸発器(50)から流出し、その後に三台の圧縮機(31,32,33)に分かれて吸入される。各圧縮機(31,32,33)へ吸入された冷媒は、圧縮された後に各圧縮機(31,32,33)から吐出される。
上述したように、膨張弁(40)の感温筒(40a)は、蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられている。従って、膨張弁(40)の開度は、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。つまり、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が高すぎる場合は、過熱度を引き下げるために膨張弁(40)の開度が拡大される。一方、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が低すぎる場合は、過熱度を引き上げるために膨張弁(40)の開度が縮小される。
次に、空気の流れについて、図1を参照しながら説明する。空気調和装置(10)の運転中には、送風機(15)が運転される。送風機(15)は、給気ダクト(101)から空気を吸い込む。このため、空気調和装置(10)には、船室(103)内の室内空気と船外の室外空気とが、給気ダクト(101)を通って吸い込まれる。
空気調和装置(10)に吸い込まれた空気は、蒸発器(50)を通過する間に冷媒によって冷却される。通常、蒸発器(50)を通過した空気の温度は、蒸発器(50)へ送られる空気の露点温度よりも低くなる。このため、蒸発器(50)では、空気に含まれる水蒸気が凝縮してドレン水となる。つまり、蒸発器(50)では、空気の冷却と除湿が行われる。冷却され且つ除湿された空気は、空気調和装置(10)から給気ダクト(101)へ送り出される。給気ダクト(101)を流れる空気は、各船室(103)に設けられた吹出口(102)へ分配され、吹出口(102)から船室(103)へ吹き出される。
−制御器の動作−
制御器(16)が行う動作について説明する。
先ず、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する動作について説明する。制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。
具体的に、吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き上げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ減らしてゆく。つまり、この場合、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を、段階的に低下させてゆく。また、圧縮機(31,32,33)のうちの一台だけが運転されている状態でも吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、全ての圧縮機(31,32,33)を停止させる。
一方、吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き下げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ増やしてゆく。つまり、この場合、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)の運転容量を、段階的に増加させてゆく。
次に、電磁弁(70)を操作する動作について説明する。制御器(16)は、蒸発温度センサ(82)の計測値が所定の基準範囲に保たれるように、電磁弁(70)を開閉する。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲の上限値を上回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さい状態で電磁弁(70)が開いていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が低下してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲の下限値を下回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が大きい状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が低下する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇してゆく。
−実施形態1の効果−
上述したように、空気調和装置(10)の運転中には、制御器(16)が圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。そして、船室(103)の冷房負荷が非常に小さい場合には、空気調和装置(10)の運転中であっても、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止することがある。一方、空気調和装置(10)は、室内空気と室外空気の混合空気を取り込んで船室(103)へ供給している。つまり、この空気調和装置(10)は、船室(103)の冷房だけでなく、換気も行っている。船室(103)の換気は、船室(103)の冷房負荷の如何に拘わらず、常に行われる必要がある。このため、空気調和装置(10)の運転中には、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態であっても、送風機(15)の運転が継続される。
全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態では、蒸発器(50)に冷媒が供給されず、蒸発器(50)における空気の冷却は行われない。一方、蒸発器(50)の表面やその周辺には、圧縮機(31,32,33)の運転中に生成したドレン水が残存している。全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態で蒸発器(50)を空気が通過すると、蒸発器(50)やその周辺のドレン水は、空気によって暖められて再蒸発し、空気と共に船室(103)へ送られてしまう。このため、空気調和装置(10)の運転中に圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止すると、船室(103)へ供給される空気の湿度が高くなり、船室(103)内の快適性が損なわれるおそれがある。
特に、船舶用の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節するためにインバータを使用することがコスト的に困難であり、従って、通常は、圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更することによって圧縮機ユニット(30)の運転容量が調節される。このため、圧縮機ユニット(30)の運転容量を細かく調節するのが困難であり、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度が多かった。
更に、本実施形態の空気調和装置(10)では、膨張弁(40)として温度自動膨張弁が用いられており、膨張弁(40)の感温筒(40a)が蒸発器(50)の出口配管(52)に取り付けられている。冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大になると、出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度が大きくなるため、冷媒の過熱度を引き下げるために膨張弁(40)の開度が拡大される。ところが、膨張弁(40)の開度が大きい状態では、圧縮機(31,32,33)の運転台数を減らしても、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量を充分に削減することが困難である。このため、空気調和装置(10)の冷房能力の調節範囲の下限を充分に引き下げることが困難であり、そのことも、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度が多い原因となっていた。
本実施形態の空気調和装置(10)において、制御器(16)は、蒸発温度センサ(82)の計測値に基づいて電磁弁(70)を操作し、蒸発温度センサ(82)の計測値が基準範囲に保たれるように、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数を変更している。従って、例えば圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が一台となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発温度が上昇して基準範囲の上限値を超えると、制御器(16)が電磁弁(70)を閉鎖し、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
このように、本実施形態の空気調和装置(10)では、圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さくなって蒸発器(50)を通過する冷媒の流量が減少すると、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数が減少し、蒸発器(50)の容量が引き下げられる。従って、本実施形態によれば、圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて蒸発器(50)の容量を引き下げることが可能となり、冷房能力の調節範囲の下限を低下させることができる。その結果、圧縮機ユニット(30)の全ての圧縮機(31,32,33)が停止した状態となる頻度を減らすことができ、ドレン水の再蒸発に起因して室内の快適性が損なわれる可能性を低くすることができる。
また、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量が減少した場合に、蒸発器(50)のうち冷媒が流通する熱交換部(55,60)の数が減少すると、蒸発器(50)の出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度の過度な上昇が抑えられる。このため、膨張弁(40)の開度をある程度以下に抑えることができ、蒸発器(50)を通過する冷媒の流量を確実に低減することができる。
−実施形態1の変形例1−
上記実施形態1の蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の一方または両方が、複数のパス(56a,56b,61a,61b)を備えていてもよい。
図3に示す一例では、第1流通路(56)と第2流通路(61)のそれぞれが、第1パス(56a,61a)と、第2パス(56b,61b)と、分流器(57,62)と、合流管(58,63)とを備えている。図3に示す第1流通路(56)において、第1パス(56a)及び第2パス(56b)は、それぞれの一端が分流器(57)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(58)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(57)の入口側には、配管(25)の第1分岐管(26)が接続される。一方、同図に示す第2流通路(61)において、第1パス(61a)及び第2パス(61b)は、それぞれの一端が分流器(62)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(63)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(62)の入口側には、配管(25)の第2分岐管(27)が接続される。
図4に示す一例では、第2流通路(61)だけが、第1パス(61a)と、第2パス(61b)と、分流器(62)と、合流管(63)とを備えている。図4に示す第2流通路(61)において、第1パス(61a)及び第2パス(61b)は、それぞれの一端が分流器(62)の出口側に接続され、それぞれの他端が合流管(63)を介して出口配管(52)に接続される。分流器(62)の入口側には、配管(25)の第2分岐管(27)が接続される。
−実施形態1の変形例2−
上記実施形態1の蒸発器(50)には、三つ以上の熱交換部(55,60,65)が設けられていてもよい。このでは、蒸発器(50)に三つの熱交換部(55,60,65)が設けられている場合の冷媒回路(20)について、図5を参照しながら説明する。
本変形例の冷媒回路(20)において、凝縮器(35)と蒸発器(50)を繋ぐ配管(25)は、膨張弁(40)の下流側の部分が三つの分岐管(26,27,28)に分かれている。第1分岐管(26)は第1熱交換部(55)の第1流通路(56)の一端に、第2分岐管(27)は第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の一端に、第3分岐管(28)は第3熱交換部(65)の第3流通路(66)の一端に、それぞれ接続される。各流通路(56,61,66)の他端は、出口配管(52)に接続されている。また、本変形例の冷媒回路(20)の配管(25)では、第2分岐管(27)に第1電磁弁(71)が設けられ、第3分岐管(28)に第2電磁弁(72)が設けられている。本変形例の蒸発器(50)では、冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数が、三段階に変更可能となっている。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の冷媒回路(20)には、蒸発器(50)の熱交換部(55,60)と同数の膨張弁(41,42)が設けられている。
図6に示す冷媒回路(20)は、図2に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図6の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図6に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図7に示す冷媒回路(20)は、図3に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図7の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図7に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の合流管(58)に取り付けられ、この合流管(58)の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)の各パス(56a,56b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の合流管(63)に取り付けられ、この合流管(63)の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)の各パス(61a,61b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図8に示す冷媒回路(20)は、図4に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図8の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27)に膨張弁(41,42)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、電磁弁(70)の上流側に配置されている。
図8に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の合流管(63)に取り付けられ、この合流管(63)の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)の各パス(61a,61b)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
図9に示す冷媒回路(20)は、図5に示す冷媒回路(20)に本実施形態を適用したものである。図9の冷媒回路(20)では、配管(25)の各分岐管(26,27,28)に膨張弁(41,42,43)が一つずつ設けられている。配管(25)の第2分岐管(27)において、第2膨張弁(42)は、第1電磁弁(71)の上流側に配置されている。また、配管(25)の第3分岐管(28)において、第3膨張弁(43)は、第2電磁弁(72)の上流側に配置されている。
図9に示す冷媒回路(20)の各膨張弁(41,42,43)は、いわゆる温度自動膨張弁である。第1分岐管(26)に設けられた第1膨張弁(41)の感温筒(41a)は、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第1膨張弁(41)の開度は、第1熱交換部(55)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第2分岐管(27)に設けられた第2膨張弁(42)の感温筒(42a)は、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第2膨張弁(42)の開度は、第2熱交換部(60)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。第3分岐管(28)に設けられた第3膨張弁(43)の感温筒(43a)は、第3流通路(66)の出口側端部を構成する配管に取り付けられ、この配管の表面と接している。第3膨張弁(43)の開度は、第3熱交換部(65)から流出する冷媒の過熱度が所定の目標過熱度となるように調節される。
−実施形態2の変形例−
本実施形態の冷媒回路(20)では、配管(25)の分岐管(27,28)における膨張弁(42,43)と電磁弁(71,72)の位置が入れ替わっていてもよい。
図10に示す冷媒回路(20)は、図6に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。図10の冷媒回路(20)の第2分岐管(27)では、電磁弁(70)の下流側に第2膨張弁(42)が配置される。
《その他の実施形態》
−第1変形例−
図2〜図10に記載された冷媒回路(20)には、膨張弁(40,41,42)として、いわゆる電子膨張弁が設けられていてもよい。
図11に示す冷媒回路(20)は、図2に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。
図11に示す冷媒回路(20)では、蒸発器(50)の出口配管(52)に冷媒温度センサ(85)が取り付けられている。この冷媒温度センサ(85)は、出口配管(52)と接しており、出口配管(52)の表面温度を、出口配管(52)内を流れる冷媒の温度として計測する。出口配管(52)を流れる冷媒の過熱度は、冷媒温度センサ(85)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、冷媒温度センサ(85)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図11に示す冷媒回路(20)の膨張弁(40)の開度を調節する。
図12に示す冷媒回路(20)は、図6に示す冷媒回路(20)に本変形例を適用したものである。
図12に示す冷媒回路(20)では、第1流通路(56)の出口側端部を構成する配管に第1冷媒温度センサ(86)が取り付けられている。第1冷媒温度センサ(86)は、配管と接しており、この配管の表面温度を、第1流通路(56)から流出する冷媒の温度として計測する。第1流通路(56)から流出する冷媒の過熱度は、第1冷媒温度センサ(86)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、第1冷媒温度センサ(86)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図12に示す冷媒回路(20)の第1膨張弁(41)の開度を調節する。
また、図12に示す冷媒回路(20)では、第2流通路(61)の出口側端部を構成する配管に第2冷媒温度センサ(87)が取り付けられている。第2冷媒温度センサ(87)は、配管と接しており、この配管の表面温度を、第2流通路(61)から流出する冷媒の温度として計測する。第2流通路(61)から流出する冷媒の過熱度は、第2冷媒温度センサ(87)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引くことによって算出できる。そこで、本変形例の制御器(16)は、第2冷媒温度センサ(87)の計測値から蒸発温度センサ(82)の計測値を差し引いた値が所定の目標過熱度となるように、図12に示す冷媒回路(20)の第2膨張弁(42)の開度を調節する。
また、図12に示す冷媒回路(20)では、電磁弁(70)が省略されている。つまり、配管(25)の第2分岐管(27)には、第2膨張弁(42)だけが設けられている。この冷媒回路(20)では、第2膨張弁(42)が流通制御機構(17)を兼ねている。つまり、電子膨張弁である第2膨張弁(42)の開度は、制御器(16)からの制御信号によって任意に設定できる。従って、第1流通路(56)だけに冷媒を流入させる場合、制御器(16)は、第2膨張弁(42)を全閉状態に設定する。
−第2変形例−
図2〜図10に記載された蒸発器(50)では、各流通路(56,61,66)を構成する伝熱管が交互に配置されていてもよい。
図13に示す蒸発器(50)は、図2に示す蒸発器(50)に本変形例を適用したものである。図13に示す蒸発器(50)では、第1流通路(56)を構成する伝熱管と、第2流通路(61)を構成する伝熱管とが、フィン(51)の長手方向において交互に配置されている。本変形例の蒸発器(50)を用いると、第1流通路(56)だけに冷媒が流れる状態においても、蒸発器(50)を通過した空気の温度を均一化することが可能となる。
《参考技術》
参考技術について説明する。
参考技術1
上記各実施形態の制御器(16)は、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力に基づいて、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本参考技術を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
参考技術の制御器(16)は、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力(即ち、冷凍サイクルの低圧)が所定の基準範囲に保たれるように、電磁弁(70)を開閉する。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で冷媒の蒸発圧力が基準範囲の上限値を上回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が小さい状態で電磁弁(70)が開いていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過大となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が上昇する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が低下してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が基準範囲の下限値を下回ると、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機ユニット(30)の運転容量が大きい状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が低下する可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)における冷媒の蒸発圧力が上昇してゆく。
参考技術2
上記各実施形態の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値に基づいて、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本参考技術を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
参考技術の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量の調節と、電磁弁(70)の操作とを行う。
具体的に、電磁弁(70)が開放されている状態で吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き上げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ減らしてゆく。そして、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が一台になっても依然として吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも低い場合、制御器(16)は、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖された状態において、蒸発器(50)では、第2熱交換部(60)の第2流通路(61)へは冷媒が流入せず、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)だけに冷媒が流入する。
圧縮機(31,32,33)のうちの一台だけが運転されている状態で電磁弁(70)が開いていると、蒸発器(50)の容量が大きすぎるため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が依然として設定温度よりも低いままとなる可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き下げるために、電磁弁(70)を閉鎖する。電磁弁(70)が閉鎖されると、第1流通路(56)だけに冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が小さくなる。このため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が上昇してゆく。
一方、電磁弁(70)が閉鎖されている状態で吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値を引き下げるために、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台ずつ増やしてゆく。そして、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数が二台になっても依然として吹出風温センサ(81)の計測値が設定温度よりも高い場合、制御器(16)は、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放された状態において、蒸発器(50)では、第1熱交換部(55)の第1流通路(56)と第2熱交換部(60)の第2流通路(61)の両方に冷媒が流入する。
圧縮機(31,32,33)のうちの二台が運転されている状態で電磁弁(70)が閉じていると、冷媒回路(20)を循環する冷媒の流量に対して蒸発器(50)の容量が過小となり、蒸発器(50)を通過した空気の温度が依然として設定温度よりも高いままとなる可能性が高い。そこで、このような場合、制御器(16)は、蒸発器(50)の容量を引き上げるために、電磁弁(70)を開放する。電磁弁(70)が開放されると、第1流通路(56)と第2流通路(61)の両方に冷媒が流入するため、蒸発器(50)の容量が大きくなる。このため、蒸発器(50)を通過した空気の温度が低下してゆく。
参考技術3
上記各実施形態の制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を変更すると同時に、蒸発器(50)において冷媒が流通する熱交換部(55,60,65)の数を変更するように構成されていてもよい。ここでは、本参考技術を図2に示す実施形態1の空気調和装置(10)に適用した場合について説明する。
上述したように、実施形態1の制御器(16)は、吹出風温センサ(81)の計測値が所定の設定温度となるように、圧縮機ユニット(30)の運転容量を調節する。そして、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を二台から一台に減らしたときは、それと同時に電磁弁(70)を閉鎖する。また、制御器(16)は、圧縮機ユニット(30)における圧縮機(31,32,33)の運転台数を一台から二台に増やしたときは、それと同時に電磁弁(70)を開放する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ダクトを通じて室内へ供給される空気を冷却する空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
17 流通制御機構
20 冷媒回路
26 第1分岐管
27 第2分岐管
28 第3分岐管
30 圧縮機ユニット
31 第1圧縮機
32 第2圧縮機
33 第3圧縮機
35 凝縮器
40 膨張弁
41 第1膨張弁
42 第2膨張弁
43 第3膨張弁
50 蒸発器
55 第1熱交換部
56 第1流通路
60 第2熱交換部
61 第2流通路
65 第3熱交換部
66 第3流通路

Claims (5)

  1. 冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、複数の部屋の吹出口(102)に接続する空気通路を流れる空気を冷媒によって冷却する空気調和装置(10)であって、
    上記冷媒回路(20)には、
    互いに並列接続された複数の圧縮機(31,32,33)を有する圧縮機ユニット(30)と、
    互いに並列接続されてそれぞれが冷媒を空気と熱交換させる複数の熱交換部(55,60,65)を有し、上記空気通路に設置される蒸発器(50)と、
    冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を変更するための流通制御機構(17)とが設けられている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記流通制御機構(17)は、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を上記圧縮機ユニット(30)の運転容量に応じて変更する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項2において、
    上記圧縮機ユニット(30)に設けられた全ての圧縮機(31,32,33)が容量固定となり、
    上記圧縮機ユニット(30)は、運転される圧縮機(31,32,33)の台数を変更することによって運転容量を調節するように構成され、
    上記流通制御機構(17)は、運転される圧縮機(31,32,33)の台数が減少すると、冷媒が通過する上記熱交換部(55,60,65)の数を削減する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、
    上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐する前の冷媒を膨張させる一つの膨張弁(40)が設けられている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、
    上記冷媒回路(20)には、上記蒸発器(50)の各熱交換部(55,60,65)に一つずつ接続され、各熱交換部(55,60,65)へ向かって分岐した冷媒が流れる複数の分岐管(26,27,28)が設けられ、
    上記分岐管(26,27,28)のそれぞれには、冷媒を膨張させる膨張弁(41,42,43)が一つずつ設けられている
    ことを特徴とする空気調和装置。
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