JP4926098B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
前記電動膨張弁の前段に電磁弁を備えるとともに、前記電動膨張弁の漏れを検知する弁漏れ検知手段を備え、前記弁漏れ検知手段が前記電動膨張弁の漏れを検知した場合は、前記ポンプダウン運転時に前記電動膨張弁の上流にある前記電磁弁を閉じるようにしたものである。
図1はこの発明の冷凍装置の冷凍サイクルを構成する基本的な冷媒回路の一例を示した図である。この冷媒回路は、圧縮機1、凝縮器2、受液器3、液側操作弁4、電磁弁5、減圧装置である電動膨張弁6、蒸発器7、およびサクションアキュームレータ8が、順に接続されて循環回路を構成している。ここでは、図1の波線で囲まれた左の枠内が冷却ユニット100を示し、図1の波線で囲まれた右の枠内がコンデンシングユニット200を示している。冷却ユニット100とコンデンシングユニット200とは、ガス管18と液管19により接続されている。なお、液側操作弁4とサクションアキュームレータ8は必要に応じて設けられればよい。
制御基板20は上記の各部21〜26の動作が予めプログラムされたマイコン等から構成することができる。なお、基板内計測部21、センサ入力部22、飽和温度換算部23、過熱度計算部24および弁漏れ判断部25は、電動膨張弁6に関しての弁漏れ検知手段として作用する。
実施の形態2では、電動膨張弁6が漏れている場合は、サーモOFF運転中に液冷媒が低圧側に流れ込むため、低圧が所定値まで低下せず運転し続けることを利用して、電動膨張弁6の漏れを検知する。そのため、庫内温度センサ10と、圧縮機1の運転時間を利用して電動膨張弁6の漏れを検知する。具体的には次の通りである。
庫内温度センサ10の測定値が下側設定値に到達すると、電動膨張弁6を閉じてポンプダウン運転に入る。その際、電動膨張弁6を閉じてから圧縮機1の運転時間を基板内計測部21で計測するとともに、弁漏れ判断部25は、所定の時間、例えば10分以上経過しても圧縮機1が運転し続けた場合には、電動膨張弁6が漏れていると判断してその漏れを検知する。そして、ポンプダウン運転時、運転制御部26は弁漏れ判断部25の弁漏れ情報に基づいて、電磁弁5を閉じる制御を行う。
これにより、電動膨張弁6の漏れに起因する庫内の冷え過ぎや起動時の液バック運転を防止または低減することができる。
実施の形態3では、電動膨張弁6に漏れが生じている場合、液冷媒が低圧側に流れ込むため、低圧が下がりにくく低圧の引き込み時間が長くなることを利用して、電動膨張弁6の漏れを検知するものである。そのため、庫内温度センサ10と、低圧圧力センサ11、圧縮機1の運転時間を利用して電動膨張弁6の漏れを検知する。具体的には次の通りである。
庫内温度センサ10の測定値が下側設定値に到達し、電動膨張弁6を閉じてポンプダウン運転を開始してから、低圧が予め定めたカット値まで低下して圧縮機1が停止するまでの時間を基板内計測部21で計測し、低圧低下速度を計測する。低圧低下速度はポンプダウン運転の度に計測する。弁漏れ判断部25は、計測された低圧低下速度を冷凍装置据付初期の低圧低下速度と比較し、それが据付初期に比して所定量減速した場合に、例えば据付初期の50%になった場合に、電動膨張弁6が漏れていると判断してその漏れを検知する。そして、ポンプダウン運転時、運転制御部26は弁漏れ判断部25の弁漏れ情報に基づいて、電磁弁5を閉じる制御を行う。
これにより、電動膨張弁6の漏れに起因する庫内の冷え過ぎや起動時の液バック運転を防止または低減することができる。
実施の形態4では、冷却運転中は圧縮機1への液バックはないが、サーモON運転時に圧縮機1が液バックしている場合に、電動膨張弁6の漏れ有りと判断するものである。これは、電動膨張弁6が漏れている場合、サーモOFF運転中に液冷媒が低圧回路に流れ込み、冷媒が圧縮機1の内部に溜まる。その場合、起動時に液バックがあると、圧縮機出口の吐出ガス過熱度および圧縮機シェル下側過熱度が、0〜5K程度となることを利用して電動膨張弁6の漏れを検知するものである。そのため、庫内温度センサ10、低圧圧力センサ11、圧縮機シェル下温度センサ12、吐出管温度センサ13、高圧圧力センサ14を利用する。具体的には次の通りである。
庫内温度センサ10の測定値が上側設定値に到達し、電動膨張弁6が開き圧縮機1が起動した時の吐出管温度センサ13と高圧圧力センサ14で測定した圧力の飽和温度との温度差である吐出ガス過熱度と、圧縮機シェル下温度センサ12と低圧圧力センサ11で測定した圧力の飽和温度との温度差である圧縮機シェル下側過熱度(圧縮機内部ガス過熱度)とを、制御基板20の飽和温度換算部23および過熱度計算部24で計算する。弁漏れ判断部25は、例えば、サーモOFF運転前の吐出ガス過熱度および圧縮機シェル下側過熱度が所定値(例えば15K)以上で、かつ、圧縮機起動後10秒間のそれらの過熱度が所定値(例えば10K)以下であれば、電動膨張弁6の漏れ有りと判断してその漏れを検知する。そして、ポンプダウン運転時、運転制御部26は弁漏れ判断部25の弁漏れ情報に基づいて、電磁弁5を閉じる制御を行う。
これにより、電動膨張弁6の漏れに起因する庫内の冷え過ぎや起動時の液バック運転を防止または低減することができる。
実施の形態5は、圧縮機1が容量制御のために運転周波数が変更可能な圧縮機、例えばインバータ圧縮機1を使用した場合に適用できる。インバータ圧縮機1を使用し、目標の低圧になるようにその圧縮機運転周波数を制御する場合、運転中の低圧が目標値より低ければ、圧縮機運転周波数を小さくして低圧を上げる。電動膨張弁6を閉じると低圧が目標の低圧より下がるため、圧縮機運転周波数は小さくなり、低圧低下速度は一定速機より若干遅くなるが、ある時間が過ぎると低圧が低圧カット値以下になってインバータ圧縮機1が停止する。
電動膨張弁6が漏れている場合、サーモOFF運転中に液冷媒が低圧側に流れ込むため、低圧が下がらず、インバータ圧縮機1は低い運転周波数を維持するため、ここではそれを利用して電動膨張弁6の漏れを検知する。具体的には次の通りである。
庫内温度センサ10の測定値が下側設定値に到達し、電動膨張弁6を閉じてポンプダウン運転に入った場合、基板内計測部21は、インバータ圧縮機1の運転周波数と電動膨張弁6を閉じてからの圧縮機1の運転時間とを計測する。弁漏れ判断部25は、低圧が所定の圧力まで下がらないままインバータ圧縮機1が所定値以下の低運転周波数で通常より長い時間運転を続けた場合、例えば、インバータ圧縮機1が全速運転周波数の33%以下で20分間運転を続けた場合、電動膨張弁6に漏れが生じていると判断してその漏れを検知する。そして、ポンプダウン運転時、運転制御部26は弁漏れ判断部25の弁漏れ情報に基づいて、電磁弁5を閉じる制御を行う。
これにより、電動膨張弁6の漏れに起因する庫内の冷え過ぎや起動時の液バック運転を防止または低減することができる。
これまでに説明した実施の形態も含めて、絞り装置としての電動膨張弁6の開度は、通常の冷却運転中、蒸発器入口配管温度センサ15と蒸発器出口配管温度センサ16を用いて、蒸発器7の出入口の温度差つまり蒸発器出口過熱度を算出し、それが予め定めた設定値になるように制御することができる。実施の形態6では、これらの蒸発器入口配管温度センサ15、蒸発器出口配管温度センサ16、電動膨張弁6の開度の情報に加えて、低圧圧力センサ11と高圧圧力センサ14の情報を利用して冷媒漏れを検知するものである。具体的には次の通りである。
圧縮機1の運転周波数と低圧圧力センサ11の測定圧力から換算した蒸発温度と、圧縮機1の運転周波数と高圧圧力センサ14の測定圧力から換算した凝縮温度とから、冷媒循環量を推定する。そして、冷媒循環量が所定の量になるように、圧縮機1の運転周波数を制御する。同時に、設定した蒸発器出口過熱度になるように、電動膨張弁6の開度を制御し、その過熱度になった時の電動膨張弁6の開度を記憶させる。制御基板20は、この一連の制御を、一定周期毎、例えば1年に1回行い、弁漏れ判断部25は、記憶した現在の電動膨張弁6の開度と装置据付初期の電動膨張弁6の開度とを比較し、所定の量、例えば装置据付初期の0.5倍の開度まで小さくなっていれば、電動膨張弁6が漏れていると判断してその漏れを検知する。これは電動膨張弁6が弁座、ニードルの磨耗および損傷がある場合には、新品時に比べ電動膨張弁6の流量が多くなるため、同じ冷媒循環量を流すための開度が小さくなることを利用して電動膨張弁6の漏れを検知するものである。そして、ポンプダウン運転時、運転制御部26は弁漏れ判断部25の弁漏れ情報に基づいて、電磁弁5を閉じる制御を行う。
これにより、電動膨張弁6の漏れに起因する庫内の冷え過ぎや起動時の液バック運転を防止または低減することができる。
ここでは、圧縮機として容量制御が可能なインバータ圧縮機1を使用した冷凍装置において、電動膨張弁6のニードルまたは弁座に異物が噛み込んだ場合の異物除去運転について説明する。
実施の形態1〜6のようにして電動膨張弁6の漏れが検知された場合には、電動膨張弁6の開度を大きく(好ましくは最大まで)開け、インバータ圧縮機1の運転周波数をできるだけ高く(好ましくは最大まで)して、電動膨張弁6のニードルまたは弁座に冷媒を流し、そこに噛み込まれていると思われる異物を冷媒で洗い流す異物除去運転を行う。異物が原因で電動膨張弁6に漏れが生じている場合には、これにより異物が除去されて電動膨張弁6が通常に動作可能となる。異物が除去されて電動膨張弁6が通常に動作するようになれば、起動時の液バック運転や、冷媒漏れによる庫内の冷え過ぎが防止できる。
ここでは、電動膨張弁6が漏れていると判断した場合、圧縮機1を停止させる制御について説明する。
ポンプダウン運転時、制御基板20の運転制御部26は、低圧圧力センサ11の計測値が低圧カット値以下になれば圧縮機1を止めるが、電動膨張弁6が漏れている場合は低圧圧力が下がらず運転をし続ける。そのため、電動膨張弁6の漏れを検知した場合、制御基板20は圧縮機1を止める低圧カット値の規定値を上げるようにする。なお、それでも停止しない場合は、圧縮機1を強制的に停止させて、圧縮機1の連続運転を防ぎ、冷媒漏れによる庫内の冷え過ぎを防ぐ。
ここでは、先に説明した実施の形態の冷凍装置の冷媒に、R410A冷媒を使用した場合について説明する。高圧が冷凍装置の設計圧力まで上がり、蒸発温度−45℃の飽和圧力で圧縮機1を停止させる低圧設定値の場合、サーモOFF時の電動膨張弁6前後の差圧は、従来一般的に使用されていたR404A冷媒に対して、R410A冷媒を使用した場合は約1.4倍になる。その結果、電動膨張弁6が磨耗等により漏れた場合は、漏れ量が多くなり、起動時の液バック運転や、冷媒漏れによる庫内の冷え過ぎがより顕著に現れることになる。
Claims (9)
- 圧縮機、凝縮器、受液器、電動膨張弁、蒸発器が順次接続された循環冷媒回路を備え、 庫内温度が目標温度に到達した時、前記電動膨張弁を閉じて、前記圧縮機の入力側の圧力が設定値以下になるまで前記圧縮機を運転して冷媒を前記受液器に貯めるポンプダウン運転を行う冷凍装置において、
前記電動膨張弁の前段に電磁弁を備えるとともに、前記電動膨張弁の漏れを検知する弁漏れ検知手段を備え、
前記弁漏れ検知手段が前記電動膨張弁の漏れを検知した場合は、前記ポンプダウン運転時に前記電動膨張弁の上流にある前記電磁弁を閉じることを特徴とする冷凍装置。 - 前記弁漏れ検知手段は、前記ポンプダウン運転時に、前記圧縮機の入力側の圧力が所定の圧力まで下がらずに前記圧縮機が所定の時間運転し続けた場合に、前記電動膨張弁に漏れがあると検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記弁漏れ検知手段は、前記電動膨張弁を閉じた後、前記圧縮機の入力側の圧力が予め定めた設定値以下になるまでの時間を基に低圧低下速度を算出し、その算出低圧低下速度を冷凍装置据付初期時の低圧低下速度と比較し、前記算出低圧低下速度が前記据付初期時の低圧低下速度に対して所定の量減速した場合に、前記電動膨張弁に漏れがあると検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記圧縮機の運転周波数が変更可能なものである場合、前記弁漏れ検知手段は、前記ポンプダウン運転時に、前記圧縮機の入力側の圧力が所定の圧力まで下がらず、かつ前記圧縮機が所定の値より低い運転周波数で所定の時間運転を続けた場合、前記電動膨張弁に漏れがあると検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記弁漏れ検知手段は、前記圧縮機起動時の吐出ガスの過熱度および前記圧縮機内部ガスの過熱度から、前記圧縮機起動時における前記圧縮機への液バックの有無を判断し、液バック有りと判断した場合に、前記電動膨張弁に漏れがあると検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記弁漏れ検知手段は、現在の冷却運転中において目標の過熱度になった時の前記電動膨張弁の開度を、冷凍装置据付初期時の冷却運転中において目標の過熱度になった時の前記電動膨張弁の開度と比較して、現在の冷却運転中における前記電動膨張弁の開度が前記据付初期時よりも所定の量小さくなっている場合に、前記電動膨張弁に漏れがあると検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記圧縮機の運転周波数が変更可能なものである場合、前記圧縮機の運転周波数を最大にし、前記電動膨張弁を開いた状態で前記圧縮機を運転することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷凍装置。
- 前記弁漏れ検知手段が前記電動膨張弁の漏れを検知した場合、前記ポンプダウン運転時において前記圧縮機を停止させる基準としている前記圧縮機の入力側圧力値を規定値より大きくすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷凍装置。
- 前記冷媒として、R410A冷媒を使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の冷凍装置。
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