JP6079055B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に関し、特に冷媒回路における冷媒の漏れ対策に係るものである。
空調機等において、冷媒回路から室内に冷媒が漏洩して室内の冷媒濃度が高くなると、冷媒の有する急性毒性や可燃性から、中毒事故、燃焼事故、窒息事故などが発生するおそれがある。特に、最近注目されている地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒の場合、地球温暖化係数の高い冷媒に比べて可燃性が高いため、上述した事故発生のおそれが高くなる。こうした事故を防止するために、IEC60335-2-40(家庭用電気式のヒートポンプ、空調機、除湿器の安全規格)やISO5149改定案(冷凍システムおよびヒートポンプに対する環境および安全の要求規格)の規格では、冷媒回路における冷媒充填量の許容値が定められている。この許容値は、冷媒回路に充填された冷媒の全量が漏洩した場合でも、室内の冷媒濃度が限界値を超えない値に定められている。そして、冷媒回路に充填された冷媒の全量が漏洩した際に室内の冷媒濃度が限界値を超える場合には、室内に冷媒漏洩検知器を設置して検知時に警報を発したり、室内に機械換気装置を設置するなどの安全対策を講じることが要求されている。
ところが、上述した安全対策を適切に選択し且つ講じるには、設計者や作業者に高い技術が必要とされる。また、上述した安全対策を講じようとすれば、現地工事の工数やコストがかかってしまう。こういったことから、上述した安全対策が必ずしも講じられるとは限らない。
そこで、空調機自体に冷媒漏洩の抑制手段を設けることが考えられ、この種の空調機が例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1の空調機は、室外機および室内機を備えている。室外機において、室内機と接続するガス管と液管の両方に制御弁が設けられている。この空調機では、室内機から室内に冷媒が漏洩したことが検知されると、液管に設けた制御弁が閉じられて、冷房運転(冷媒回収運転)が行われる。そうすると、室外機から室内機へ向かう冷媒流れが液管の制御弁によって止められる一方、室内機の冷媒は室外機へ流れて室外熱交換器や冷媒量調整器に貯留される。そして、冷媒回収運転が所定時間行われると、ガス管に設けた制御弁が閉じられて運転が終了する。これにより、室内機の冷媒が室外機に回収されて、室内機から室内への冷媒の漏洩が抑制される。
特開平10−9692号公報
ところが、上述した特許文献1に開示されている冷媒漏洩の抑制手段では、ガス管および液管に設けた制御弁(遮断弁)が高価であるため、コスト高になってしまうという問題があった。また、冷媒漏洩が発現する頻度は極めて少なく、その冷媒漏洩を抑制するためだけに高価な制御弁を設けることは経済的ではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで利用側回路の冷媒漏洩を抑制することにある。
本発明は、上述した目的を達成するために、利用側回路(12a)から冷媒が漏洩すると、利用側回路(12a)の圧力(冷媒圧力)と利用空間の圧力との圧力差をできるだけ小さくして冷媒の漏洩速度を低下させるようにした。
具体的に、第1の発明は、圧縮機(21)、熱源側熱交換器(23)および膨張弁(24)を有する熱源側回路(11a)と、利用側熱交換器(25)を有する利用側回路(12a)とが接続され、冷媒が可逆に循環して冷凍サイクルを行う一方、常に上記利用側回路(12a)のガス側端と上記圧縮機(21)とが連通している冷媒回路(20)を備えた冷凍装置を対象としている。そして、本発明は、上記利用側回路(12a)から冷媒が漏洩したことを検知する漏洩検知部(41)を備えると共に、上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記冷媒回路(20)において上記利用側回路(12a)の冷媒が低圧となる冷凍サイクルを行うように冷媒を循環させると共に、上記利用側回路(3a,4a,5a)の冷媒の圧力が大気圧よりも低くならない範囲で低下するように運転を制御する制御部(42)を備えているものである。
上記第1の発明では、例えば、冷媒回路(20)において利用側回路(12a)の冷媒が高圧となる(利用側熱交換器(25)が放熱器として機能する)冷凍サイクルが行われているときに、利用側回路(12a)の配管から利用空間へ冷媒が漏洩すると、漏洩検知部(41)が冷媒漏洩を検知する。そうすると、冷媒回路(20)において、利用側回路(12a)の冷媒が低圧となる冷凍サイクルを行うように冷媒が循環される。これにより、利用側回路(12a)の冷媒と利用空間との圧力差が小さくなり、利用側回路(12a)からの冷媒の漏洩速度が低下する。これによって、冷媒の漏洩量は利用空間における自然換気によって利用空間外へ充分に排出し得る量となり、利用空間における冷媒濃度の上昇が抑えられる。
また、上記第1の発明では、利用側回路(12a)の冷媒圧力が大気圧以上に制御されるため、利用側回路(12a)の冷媒圧力が利用空間の圧力よりも高くなる。そのため、利用側回路(12a)において、冷媒の漏洩箇所(例えば、配管の腐食によって生じた穴)から利用空間の空気が侵入することはない。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(20)では、複数の上記利用側回路(12a)が互いに並列に接続されている。上記熱源側回路(11a)の上記膨張弁(24)は、1つであり、上記各利用側回路(12a)の液側端と繋がっている。上記制御部(42)は、上記熱源側回路(11a)の上記膨張弁(24)を絞ることによって、上記各利用側回路(12a)の冷媒を低圧にする。
上記第2の発明では、冷媒回路(20)において熱源側回路(11a)の膨張弁(24)から圧縮機(21)の吸入側までが低圧となる。そのため、熱源側回路(11a)と利用側回路(12a)とを繋ぐ連絡配管を含めた利用側回路(12a)の全体が低圧となる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(20)では、上記利用側回路(12a)が複数設けられている。上記熱源側回路(11a)では、液側端が分岐してそれぞれ上記各利用側回路(12a)の液側端と接続され、ガス側端が分岐してそれぞれ上記各利用側回路(12a)のガス側端と接続される一方、液側端が分岐した配管(1f)に上記膨張弁(24)が1つずつ設けられている。上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知した上記利用側回路(12a)に対応する上記膨張弁(24)を絞ることによって、上記漏洩検知部(41)が検知した上記利用側回路(12a)の冷媒を低圧にする。
上記第3の発明では、複数の利用側回路(12a)のうち冷媒漏洩が発現した利用側回路(12a)の冷媒が低圧となる。
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記冷媒回路(20)は、冷媒の減圧機構(32)を有し、循環する冷媒の一部を上記圧縮機(21)の吸入側または上記圧縮機(21)の中間圧室へ導くインジェクション管(31)を備えている。上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記インジェクション管(31)の冷媒流量を増加させる。
上記第4の発明では、インジェクション管(31)の冷媒流量が増加するため、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が低下する。
第5の発明は、上記第2または第3の発明において、冷媒と熱交換する空気を上記利用側熱交換器(25)に供給する利用ファン(16)を備えている。上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記利用ファン(16)の風量を下げる。
上記第5の発明では、利用ファン(16)の風量が下がるため、圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度が低下する。これにより、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が低下する。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1の発明において、上記冷媒回路(20)は、冷媒として、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が用いられている。
上記第6の発明では、冷媒として、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が用いられる。
本発明によれば、利用側回路(12a)の冷媒漏洩が発現すると、利用側回路(12a)の冷媒が低圧となるため、利用側回路(12a)の冷媒圧力と利用空間の圧力との差をできるだけ小さくすることができる。そのため、冷媒の漏洩速度を低下させることができる。これによって、利用空間における自然換気によって充分に冷媒を排出することができ、その結果、利用空間における冷媒濃度の上昇を抑えることができる。よって、規定された冷媒濃度の限界値を超えることはない。また、冷媒流れを遮断するための弁を別途設けなくてもよいため、安価に冷媒漏洩を抑制することができる。
また、本発明によれば、利用側回路(12a)の冷媒圧力が大気圧以上の低圧となるため、利用側回路(12a)の冷媒圧力が利用空間の圧力よりも低くならない。これにより、利用空間の空気が冷媒の漏洩箇所から利用側回路(12a)に侵入するのを確実に防止することができる。
第2および第3の発明によれば、熱源側回路(11a)の膨張弁(24)を絞ることによって利用側回路(12a)の冷媒を低圧にするため、確実に利用側回路(12a)の全体を低圧にすることができる、これにより、利用側回路(12a)の冷媒漏洩を確実に抑制することができる。
第4の発明によれば、インジェクション管(31)の冷媒流量を増加させるため、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。本発明では、利用側回路(12a)の冷媒圧力と利用空間の圧力との差をできるだけ小さくして冷媒の漏洩速度を低下させたいことから、熱源側回路(11a)の膨張弁(24)の開度は通常運転時よりも小さくなる傾向にある。そうすると、冷凍サイクルの高圧が上昇して圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が異常に高くなるおそれがあるが、本発明によれば、それを防止することができる。
第5の発明によれば、利用ファン(16)の風量を下げるため、圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度を低下させることができ、その結果、吐出冷媒の温度を低下させることができる。本発明では、利用側回路(12a)の冷媒圧力と利用空間の圧力との差をできるだけ小さくして冷媒の漏洩速度を低下させたいことから、利用側回路(12a)の冷媒圧力は通常運転時よりも低くなる傾向にある。そうすると、圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度および吐出冷媒の温度が異常に高くなるおそれがあるが、本発明によれば、それを防止することができる。
R32、R1234yf、R1234zeおよびR744は、地球温暖化係数(GWP)が比較的低いため、地球環境に優しい冷媒である。また、R32、R1234yfおよびR1234zeは、燃焼性を有する冷媒(微燃性冷媒)であるため、冷媒漏洩による燃焼事故のおそれが高くなる。また、R744は。燃焼性はない(不燃性冷媒である)が、冷媒漏洩による窒息事故のおそれがある。ところが、第6の発明によれば、地球環境に優しい冷媒を用いても、確実に冷媒漏洩による燃焼事故や窒息事故を防止することができる。なお、R32はジフルオロメタン(HFC−32)であり、R1234yfは2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)であり、R1234zeは1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze)であり、R744は二酸化炭素である。
図1は、実施形態1に係る空気調和機の概略構成を示す冷媒回路図である。 図2は、冷媒の特性を示す表である。 図3は、R32の液冷媒の漏洩速度を示すグラフである。 図4は、R32のガス冷媒の漏洩速度を示すグラフである。 図5は、実施形態2に係る空気調和機の概略構成を示す冷媒回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の空気調和機(10)は、本発明に係る冷凍装置を構成している。
図1に示すように、空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および複数(本実施形態では、2つ)室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)に収容される室外回路(11a)と、室内ユニット(12)に収容される室内回路(12a)と、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)とによって、冷媒回路(20)が形成されている。室外ユニット(11)および室内ユニット(12)は、それぞれ熱源ユニットおよび利用ユニットを構成し、室外回路(11a)および室内回路(12a)は、それぞれ熱源側回路および利用側回路を構成する。
室外回路(11a)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外膨張弁(24)と、過冷却熱交換器(27)とが設けられている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内回路(12a)には、室内熱交換器(25)と室内膨張弁(26)が設けられている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。室外熱交換器(23)および室内熱交換器(25)は、それぞれ熱源側熱交換器および利用側熱交換器を構成し、室外ファン(15)および室内ファン(16)は、それぞれ熱源ファンおよび利用ファンを構成する。
冷媒回路(20)は、閉回路であり、冷媒として、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が用いられる。R32はジフルオロメタン(HFC−32)であり、R1234yfは2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)であり、R1234zeは1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze)であり、R744は二酸化炭素である。冷媒回路(20)は、冷媒が可逆に循環して冷凍サイクルを行うように構成されている。
圧縮機(21)は、その吐出側が吐出配管(1a)を介して四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が吸入配管(1b)を介して四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。四方切換弁(22)の第3のポートは、室外ガス配管(1c)を介して室外熱交換器(23)の一端に接続され、四方切換弁(22)の第4のポートは、室外ガス配管(1d)を介してガス側閉鎖弁(18)に接続されている。室外熱交換器(23)の他端は、室外液配管(1e)を介して液側閉鎖弁(17)に接続されている。室外液配管(1e)には、室外熱交換器(23)側から順に、室外膨張弁(24)および過冷却熱交換器(27)が設けられている。また、室外液配管(1e)と吸入配管(1b)の間には、減圧機構であるインジェクション弁(32)を有するインジェクション管(31)が接続されている。過冷却熱交換器(27)は、室外液配管(1e)に接続される高温流路(27a)と、インジェクション管(31)に接続される低温流路(27b)とを有する。過冷却熱交換器(27)では、インジェクション弁(32)で減圧された液冷媒が低温流路(27b)に流入し、高温流路(27a)の液冷媒と熱交換器して、蒸発する。一方、高温流路(27a)の液冷媒は過冷却される。
室内回路(12a)は、一端(液側端)が液側閉鎖弁(17)に接続され他端(ガス側端)がガス側閉鎖弁(18)に接続される室内配管(2a)を有する。室内配管(2a)には、液側閉鎖弁(17)側から順に、室内膨張弁(26)および室内熱交換器(25)が設けられている。
液側連絡配管(13)は、一端が室外回路(11a)の液側閉鎖弁(17)に接続され、他端が2つに分岐して各室内回路(12a)の液側閉鎖弁(17)に接続されている。ガス側連絡配管(14)は、一端が室外回路(11a)のガス側閉鎖弁(18)に接続され、他端が2つに分岐して各室内回路(12a)のガス側閉鎖弁(18)に接続されている。つまり、2つの室内回路(12a)は互いに並列に接続されている。また、本実施形態の冷媒回路(20)は、常に各室内回路(12a)のガス側閉鎖弁(18)(ガス側端)と圧縮機(21)とが連通している。
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わる。室外膨張弁(24)および室内膨張弁(26)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
空気調和(10)は、運転制御を行うコントローラ(40)を備えている。コントローラ(40)には、漏洩検知部(41)と制御部(42)が設けられている。また、各室内回路(12a)には、冷媒の圧力を検出する圧力センサ(35)が設けられている。本実施形態において、圧力センサ(35)は、室内配管(2a)における室内熱交換器(25)とガス側閉鎖弁(18)との間に設けられている。
漏洩検知部(41)は、圧力センサ(35)の検出値について単位時間当たりの低下量が所定値以上であると、室内回路(12a)から冷媒が漏洩したと判定して、冷媒漏洩を検知する。制御部(42)は、漏洩検知部(41)が検知すると、冷媒回路(20)において室内回路(12a)の冷媒が低圧となる冷凍サイクルを行うように冷媒を循環させる。つまり、制御部(42)は室外熱交換器(23)が凝縮器(放熱器)となり室内熱交換器(25)が蒸発器となる冷凍サイクルを行うように冷媒を循環させる(非常時運転)。制御部(42)の詳細動作については後述する。
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、通常運転である冷房運転および暖房運転と、非常時運転を切り換えて行う。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、圧縮機(21)から、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、過冷却熱交換器(27)、各室内膨張弁(26)、各室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器(放熱器)として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外膨張弁(24)は全開状態に設定され、各室内膨張弁(26)は室内熱交換器(25)から流出した冷媒の過熱度(圧縮機(21)の吸入過熱度)が所定値となるように開度制御される。つまり、通常の冷房運転では、室内膨張弁(26)で冷媒が減圧されて、室内膨張弁(26)から圧縮機(21)の吸入側までが低圧となる。室外熱交換器(23)ではガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、各室内熱交換器(25)では液冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し室内空気が冷却される。また、室外熱交換器(23)で凝縮した液冷媒の一部はインジェクション管(31)へ分流する。インジェクション管(31)へ分流した液冷媒はインジェクション弁(32)で減圧された後、過冷却熱交換器(27)の低温流路(27b)に流入する。過冷却熱交換器(27)では、高温流路(27a)の液冷媒が低温流路(27b)の冷媒と熱交換して過冷却され、低温流路(27b)の冷媒は蒸発する。蒸発した冷媒は、吸入配管(1b)にインジェクションされる。
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、圧縮機(21)から、各室内熱交換器(25)、各室内膨張弁(26)、過冷却熱交換器(27)、室外膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器(放熱器)として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。各室内膨張弁(26)は、全開状態または暖房能力に応じて開度制御される。室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)から流出した冷媒の過熱度(圧縮機(21)の吸入過熱度)が所定値となるように開度制御される。つまり、暖房運転では、室外膨張弁(24)で冷媒が減圧されるため、室内回路(12a)の全体が高圧となる。室外熱交換器(23)では液冷媒が室外空気から吸熱して蒸発し、各室内熱交換器(25)ではガス冷媒が室内空気へ放熱して凝縮し室内空気が加熱される。なお、インジェクション弁(32)は全閉状態に設定される。
−非常時運転−
非常時運転は、上述した通常運転時に漏洩検知部(41)が検知すると、行われる。ここでは、暖房運転時に漏洩検知部(41)が検知した場合について説明する。
暖房運転時に、室内回路(12a)の配管に腐食によって穴が開き、冷媒が漏洩すると、圧力センサ(35)の検出値が急激に低下する。そうすると、漏洩検知部(41)が検知する。暖房運転時は、室内回路(12a)が高圧となっているため、室内回路(12a)と室内との圧力差が大きい。そのため、冷媒の漏洩速度が大きくなり、室内における自然換気では冷媒が室外へ充分に排出されず、室内の冷媒濃度が限界値を超えてしまう。
そこで、本実施形態では、漏洩検知部(41)が検知すると非常時運転が行われる。非常時運転では、冷媒回路(20)における冷媒循環方向は冷房運転と同様である。つまり、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。そして、各室内膨張弁(26)は全開状態に設定され、室外膨張弁(24)の開度が絞られる。つまり、非常時運転では、室外膨張弁(24)で冷媒が減圧されて、室内回路(12a)の全体が低圧となる。これにより、室内回路(12a)の冷媒と室内との圧力差が小さくなり、室内回路(12a)からの冷媒の漏洩速度が低下する。
室外膨張弁(24)は、室内回路(12a)の圧力を大気圧よりも低くならない範囲でできるだけ低下させるように開度が制御される。さらに、非常時運転では、制御部(42)によって室内ファン(16)の風量が下げられる。さらに、非常時運転では、制御部(42)によってインジェクション弁(32)が全開状態に設定される。
ここで、冷媒の漏洩速度(kg/h)について説明する。図3および図4が示すように、冷媒が漏洩する穴のサイズが大きくなれば、冷媒の漏洩速度(kg/h)も大きくなる。また、冷媒の飽和温度が低くなれば、即ち冷媒の圧力が低くなれば、冷媒の漏洩速度(kg/h)も小さくなる。また、室内回路(12a)では漏洩箇所によって液冷媒が漏洩する場合とガス冷媒が漏洩する場合がある。
最も多い冷媒漏洩原因である腐食の場合には、穴径は大きくて0.2mmとされている。ガス冷媒の漏洩の場合には、図4に示すように、圧力が高くなる飽和温度の値を63℃で見ても、漏洩速度は2.00(kg/h)となる。飽和温度-50℃では、0.026(kg/h)となる。
一方、ガス冷媒よりも漏洩速度(kg/h)が大きくなる液冷媒の漏洩の場合には、図3に示すように、穴径0.2mmで、飽和温度63℃では、5.3(kg/h)となり、飽和温度-50℃では、0.32(kg/h)にまで低下する。このように、圧力を低下させて飽和温度を下げれば、漏洩速度(kg/h)は大幅に低下する。ここで、ISO5149改定案で規定される室内の冷媒濃度の限界値RCL=0.061(kg/m 3 )を超えない必要換気量は、必要換気量>0.32(kg/h)/0.061(kg/m3)=5.2(m 3 /h)となる。1馬力程度の室内ユニット(12)が設定される部屋の容積を2.7m×2.7m×2.3m=16.7m 3 とすると、必要換気回数は、5.2(m 3 /h)/16.7m 3 =0.32回/hに相当し、国内の住宅に義務付けられている最低換気数0.5回/h以下となる。この0.32回/h程度の換気は、自然換気でも充分になされるものと考える。また、冷媒は圧力が下がれば通常はガス状態となるので、漏洩速度(kg/h)はより低下することになる。
以上のように、非常時運転によって室内回路(12a)の圧力を低下させて冷媒の漏洩速度(kg/h)を低下させることで、室内の冷媒濃度が限界値を超える状態を回避することができる。
なお、冷房運転中に漏洩検知部(41)が検知すると、制御部(42)は、四方切換弁(22)を第1状態に維持したまま、各室内膨張弁(26)を全開状態に設定し、室外膨張弁(24)の開度を絞って非常時運転に切り換える。
−実施形態1の効果−
本実施形態の空気調和機(10)によれば、室内回路(12a)の冷媒漏洩が発現すると、室内回路(12a)の冷媒が低圧となる冷凍サイクルを行うようにしたため、室内回路(12a)の冷媒圧力と室内の圧力との差をできるだけ小さくすることができる。そのため、冷媒の漏洩速度を低下させることができる。これによって、室内における自然換気によって充分に冷媒を排出することができ、その結果、室内における冷媒濃度の上昇を抑えることができる。よって、室内の冷媒濃度が、規定の限界値を超えることはない。また、冷媒流れを遮断するための弁を別途設けなくてもよいため、安価に冷媒漏洩を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、室内回路(12a)の冷媒圧力が大気圧以上の低圧となるようにしたため、室内回路(12a)の冷媒圧力が室内の圧力よりも低くならない。これにより、室内の空気が冷媒の漏洩箇所から室内回路(12a)に侵入するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、非常時運転において、室内膨張弁(26)ではなく室外膨張弁(24)を絞ることによって室内回路(12a)の冷媒を低圧にするため、確実に室内回路(12a)の全体を低圧にすることができる、これにより、室内回路(12a)のどの箇所から冷媒が漏洩しても、その冷媒漏洩を確実に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、非常時運転において室内ファン(16)の風量を下げるため、圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度を低下させることができ、その結果、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。本実施形態では、室内回路(12a)の冷媒圧力と室内の圧力との差をできるだけ小さくして冷媒の漏洩速度を低下させたいことから、室内回路(12a)の冷媒圧力は通常の冷房運転時よりも低くなる傾向にある。そうすると、圧縮機(21)の吸入冷媒の過熱度および吐出冷媒の温度が異常に高くなるおそれがあるが、本実施形態によれば、それを防止することができる。
また、本実施形態によれば、非常時運転において、インジェクション弁(32)が全開状態になる。そのため、室外膨張弁(24)を通過した冷媒の一部が吸入配管(1b)にインジェクションされ、そのインジェクション量は通常の冷房運転時よりも多くなる。これにより、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度を確実に低下させることができる。本実施形態では、室内回路(12a)の冷媒圧力と室内の圧力との差をできるだけ小さくして冷媒の漏洩速度を低下させたいことから、室外膨張弁(24)の開度は通常運転時よりも小さくなる傾向にある。そうすると、冷凍サイクルの高圧が上昇して圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が異常に高くなるおそれがあるが、本実施形態によれば、それを防止することができる。
また、図2に示すように、R32、R1234yf、R1234zeおよびR744(図示省略)は、地球温暖化係数(GWP)が比較的低いため、地球環境に優しい冷媒である。また、R32、R1234yfおよびR1234zeは、燃焼性を有する冷媒(微燃性冷媒)であるため、冷媒漏洩による燃焼事故のおそれが高くなる。また、R744は燃焼性はない(不燃性冷媒である)が、冷媒漏洩による窒息事故のおそれがある。ところが、本実施形態によれば、地球環境に優しい冷媒を用いても、確実に冷媒漏洩による燃焼事故や窒息事故を防止することができる。
また、本実施形態では、室内回路(12a)以外の部分から冷媒漏洩が発生しても、室内には冷媒が漏洩しないと仮定している。したがって、本実施形態の漏洩検知部(41)は室内回路(12a)の冷媒漏洩について検知するように構成されている。ところで、本実施形態の非常時運転では、室外膨張弁(24)を絞るため、各室内回路(12a)だけでなく、液側連絡配管(13)やガス側連絡配管(14)も同様に低圧となる。したがって、漏洩検知部(41)について室内回路(12a)だけでなく連絡配管(13,14)における冷媒漏洩も検知するように構成すれば、連絡配管(13,14)の冷媒漏洩も抑制することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の空気調和機(10)は、上記実施形態1において冷媒回路(20)の構成を変更したものである。ここでは、上記実施形態1と異なる点について説明する。
本実施形態の室外回路(11a)では、四方切換弁(22)の第4のポートに接続される室外ガス配管(1d)の端部が2つに分岐して、それぞれがガス側閉鎖弁(18)に接続されている。また、室外回路(11a)では、室外液配管(1e)の端部が2つの分岐配管(1f)に分かれ、各分岐配管(1f)は液側閉鎖弁(17)に接続されている。そして、各分岐配管(1f)には、室外膨張弁(24)が1つずつ設けられている。
本実施形態では、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)が2つずつ設けられている。各液側連絡配管(13)は、室外回路(11a)の液側閉鎖弁(17)と室内回路(12a)の液側閉鎖弁(17)とに接続されている。各ガス側連絡配管(14)は、室外回路(11a)のガス側閉鎖弁(18)と室内回路(12a)のガス側閉鎖弁(18)とに接続されている。つまり、本実施形態の冷媒回路(20)では、室外回路(11a)の液側端が2つ(室内回路(12a)と同数)に分岐して各室内回路(12a)に接続されると共に、室外回路(11a)のガス側端が2つ(室内回路(12a)と同数)に分岐して各室内回路(12a)に接続されている。そして、各室内回路(12a)に対応して室外膨張弁(24)が1つずつ設けられている。
なお、本実施形態の室外回路(11a)には、過冷却熱交換器(27)およびインジェクション管(31)は設けられていない。また、各室内回路(12a)には、室内膨張弁(26)は設けられていない。
本実施形態の空気調和機(10)においても、通常運転である冷房運転および暖房運転と、非常時運転を切り換えて行う。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、圧縮機(21)から、室外熱交換器(23)、各室外膨張弁(24)、各室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器(放熱器)として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。各室外膨張弁(24)は、室内熱交換器(25)から流出した冷媒の過熱度(圧縮機(21)の吸入過熱度)が所定値となるように開度制御される。室外熱交換器(23)ではガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、各室内熱交換器(25)では液冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し室内空気が冷却される。
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、圧縮機(21)から、各室内熱交換器(25)、各室外膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器(放熱器)として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。各室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)から流出した冷媒の過熱度(圧縮機(21)の吸入過熱度)が所定値となるように開度制御される。室外熱交換器(23)では液冷媒が室外空気から吸熱して蒸発し、各室内熱交換器(25)ではガス冷媒が室内空気へ放熱して凝縮し室内空気が加熱される。
非常時運転は、上述した通常運転時に漏洩検知部(41)が検知すると、行われる。ここでは、暖房運転時に漏洩検知部(41)が検知した場合について説明する。
暖房運転時に、室内回路(12a)から冷媒が漏洩すると、圧力センサ(35)の検出値が急激に低下する。そうすると、漏洩検知部(41)が検知する。暖房運転時は、上記実施形態1と同様、室内回路(12a)が高圧となっているため、室内回路(12a)と室内との圧力差が大きい。そのため、冷媒の漏洩速度が大きくなり、室内における自然換気では冷媒が室外へ充分に排出されず、室内の冷媒濃度が限界値を超えてしまう。
そこで、本実施形態では、漏洩検知部(41)が検知すると非常時運転が行われる。非常時運転では、冷媒回路(20)における冷媒循環方向は冷房運転と同様である。つまり、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。そして、冷媒が漏洩した室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)は、開度が絞られる。また、冷媒が漏洩していない室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)は、全開状態に設定される。つまり、本実施形態の非常時運転では、冷媒漏洩が発現した室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)のみを絞って冷媒を減圧する。これにより、冷媒が漏洩した室内回路(12a)の全体が低圧となる。その結果、室内回路(12a)からの冷媒の漏洩速度が低下する。
本実施形態の非常時運転においても、冷媒が漏洩した室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)は、該室内回路(12a)の圧力を大気圧よりも低くならない範囲でできるだけ低下させるように開度が制御される。さらに、冷媒が漏洩した室内回路(12a)に対応する室内ファン(16)の風量が下げられる。
以上のように、本実施形態においても、非常時運転によって室内回路(12a)の圧力を低下させて冷媒の漏洩速度(kg/h)を低下させることで、室内の冷媒濃度が限界値を超える状態を回避することができる。
なお、冷房運転中に漏洩検知部(41)が検知すると、制御部(42)は、四方切換弁(22)を第1状態に維持したまま非常時運転に切り換える。この非常時運転では、冷媒が漏洩した室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)の開度は更に絞って該室内回路(12a)の圧力をより低下させ、冷媒が漏洩していない室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)の開度は維持する。
本実施形態の非常時運転では、冷媒が漏洩した室内回路(12a)に対応する室外膨張弁(24)のみを絞るので、全ての室外膨張弁(24)を絞る場合と比べて、冷凍サイクルの高圧が異常上昇するのを抑制することができる。その他の作用、効果については上記実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
例えば、上記各実施形態において、非常時運転時に室内ファン(16)の風量を下げなくてもよいし、上記実施形態1において、非常時運手時に吸入配管(1b)に冷媒をインジェクションする動作を行わなくてもよい。
また、上記各実施形態で用いる冷媒は、上述した種類に限られないのは勿論である。
また、上記実施形態1の非常時運転では、室外膨張弁(24)を絞って室内回路(12a)の全体を低圧にするようにしたが、次のようにしてもよい。例えば、室内回路(12a)において冷媒の漏洩箇所が室内膨張弁(26)よりもガス側閉鎖弁(18)側である場合には、室外膨張弁(24)および冷媒が漏洩していない室内回路(12a)の室内膨張弁(26)は全開状態に設定し、冷媒が漏洩した室内回路(12a)の室内膨張弁(26)のみを絞るようにしてもよい。この場合、冷媒が漏洩した室内回路(12a)において、室内膨張弁(26)からガス側閉鎖弁(18)までの部分は低圧になるので、冷媒の漏洩速度を確実に低下させることができる。
また、上記実施形態1では、インジェクション管(31)が吸入配管(1b)に接続されているが、圧縮機(21)の中間圧室に連通するように接続してもよい。この場合でも、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。
以上説明したように、本発明は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置について有用である。
10 空気調和機(冷凍装置)
11a 室外回路(熱源側回路)
12a 室内回路(利用側回路)
16 室内ファン(利用ファン)
20 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
24 室外膨張弁(膨張弁)
25 室内熱交換器(利用側熱交換器)
31 インジェクション管
32 インジェクション弁(減圧機構)
41 漏洩検知部
42 制御部

Claims (6)

  1. 圧縮機(21)、熱源側熱交換器(23)および膨張弁(24)を有する熱源側回路(11a)と、利用側熱交換器(25)を有する利用側回路(12a)とが接続され、冷媒が可逆に循環して冷凍サイクルを行う一方、常に上記利用側回路(12a)のガス側端と上記圧縮機(21)とが連通している冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、
    上記利用側回路(12a)から冷媒が漏洩したことを検知する漏洩検知部(41)と、
    上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記冷媒回路(20)において上記利用側回路(12a)の冷媒が低圧となる冷凍サイクルを行うように冷媒を循環させると共に、上記利用側回路(3a,4a,5a)の冷媒の圧力が大気圧よりも低くならない範囲で低下するように運転を制御する制御部(42)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒回路(20)では、複数の上記利用側回路(12a)が互いに並列に接続され、
    上記熱源側回路(11a)の上記膨張弁(24)は、1つであり、上記各利用側回路(12a)の液側端と接続され、
    上記制御部(42)は、上記熱源側回路(11a)の上記膨張弁(24)を絞ることによって、上記各利用側回路(12a)の冷媒の圧力低下させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記冷媒回路(20)では、上記利用側回路(12a)が複数設けられ、
    上記熱源側回路(11a)では、液側端が分岐してそれぞれ上記各利用側回路(12a)の液側端と接続され、ガス側端が分岐してそれぞれ上記各利用側回路(12a)のガス側端と接続される一方、液側端が分岐した配管(1f)に上記膨張弁(24)が1つずつ設けられ、
    上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知した上記利用側回路(12a)に対応する上記膨張弁(24)を絞ることによって、上記漏洩検知部(41)が検知した上記利用側回路(12a)の冷媒の圧力低下させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2または3において、
    上記冷媒回路(20)は、冷媒の減圧機構(32)を有し、循環する冷媒の一部を上記圧縮機(21)の吸入側または上記圧縮機(21)の中間圧室へ導くインジェクション管(31)を備え、
    上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記インジェクション管(31)の冷媒流量を増加させる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項2または3において、
    冷媒と熱交換する空気を上記利用側熱交換器(25)に供給する利用ファン(16)を備え、
    上記制御部(42)は、上記漏洩検知部(41)が検知すると、上記利用ファン(16)の風量を下げる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項において、
    上記冷媒回路(20)は、冷媒として、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が用いられている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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