(1)空気調和装置の構成
図1は、冷媒サイクル装置の一実施形態としての空気調和装置1の概略構成図である。冷暖同時運転ができる空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房を実現する。
空気調和装置1は、主として、1台の熱源側ユニット2と、複数の利用側ユニット120(120a、120b、・・・120p)と、各利用側ユニット120に接続される切換ユニット70(70a、70b、・・・70d)と、切換ユニット70を介して熱源側ユニット2と利用側ユニット120とを接続する冷媒連絡管7、8、9と、を有している。空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源側ユニット2と、利用側ユニット120と、切換ユニット70と、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。そして、空気調和装置1は、各利用側ユニット120が個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっている。空気調和装置1では、暖房運転を行う利用側ユニットから冷房運転を行う利用側ユニットに冷媒を送ることで、利用側ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になる。さらに、空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用側ユニット120全体の熱負荷に応じて、熱源側ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
冷媒回路10には、冷媒として、R32が充填されている。冷媒回路10から室内(利用側ユニットの設置空間)にR32が漏洩して室内の冷媒濃度が高くなると、冷媒の有する可燃性から、燃焼事故が発生するおそれがある。この燃焼事故を防止することが要求されている。
(1-1)利用側ユニット
利用側ユニット120は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用側ユニット120は、冷媒連絡管7、8、9及び切換ユニット70を介して熱源側ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。利用側ユニット120と切換ユニット70とは、冷媒連絡管としての液管LP及びガス管GPによって接続される。
本実施形態の空気調和装置1では、複数の利用側ユニット120、具体的には16台の利用側ユニット120a~120pが配設されている。
各利用側ユニット120内では、図3に示すように、利用側冷媒回路RC2が構成されている。利用側冷媒回路RC2においては、利用側流量調節弁51と、利用側熱交換器52とが配設されており、これらが冷媒配管によって接続されている。また、各利用側ユニット120内には、利用側ファン53及び利用側制御部122(122a~122p;図1参照)が配設されている。
利用側流量調節弁51は、開度調整が可能な電動弁である。利用側流量調節弁51は、その一端が液管LPに接続され、他端が利用側熱交換器52まで延びる冷媒配管に接続されている。利用側流量調節弁51は、その開度に応じて、通過する冷媒を減圧(膨張)する。
利用側熱交換器52は、例えば、クロスフィン型式やマイクロチャネル型式の熱交換器であり、伝熱管(図示省略)を有している。利用側熱交換器52は、一端に利用側流量調節弁51から延びる冷媒配管が接続され、他端にガス管GPが接続されている。利用側熱交換器52に流入した冷媒は、伝熱管を通過する際、利用側ファン53が生成する空気流と熱交換する。
利用側ファン53は、例えばクロスフローファンやシロッコファンである。利用側ファン53が駆動すると、室内空間から利用側ユニット120の内部に空気が流入し、利用側熱交換器52を通過して、室内空間へ空気が戻される。
利用側制御部122は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。利用側制御部122には、リモートコントローラ(図示省略)を介して、ユーザの指示が入力される。その指示に応じて、利用側制御部122は、利用側ファン53や利用側流量調節弁51を駆動させる。また、利用側制御部122は、通信線(図1の点線を参照)を介して切換ユニット制御部72及び熱源側制御部20と接続されており、信号の送受信を行っている。
また、利用側ユニット120には、利用側熱交換器52の液側における冷媒の温度を検出する液側温度センサが設けられている。
(1-2)熱源側ユニット
熱源側ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9を介して利用側ユニット120に接続される。熱源側ユニット2は、冷媒回路10の一部を構成する熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交換器切換機構22、23と、熱源側熱交換器と、冷媒冷却器36と、熱源側流量調節弁26、27と、冷媒冷却側流量調節弁37と、レシーバ28と、ブリッジ回路29と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33と、を有している。熱源側熱交換器は、2つの熱源側熱交換器24、25と、予冷熱交換器35と、から成る。熱源側流量調節弁26、27は、2つの熱源側熱交換器24、25に対応する弁である。冷媒冷却側流量調節弁37は、予冷熱交換器35及び冷媒冷却器36に対応する弁である。
(1-2-1)圧縮機
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器である。圧縮機21は、例えば、圧縮機モータ21aをインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
(1-2-2)熱交換器切換機構
第1熱交換器切換機構22は、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器である。第1熱交換器切換機構22は、例えば、四路切換弁からなる。第1熱交換器切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続する(図2の第1熱交換器切換機構22の実線を参照)。第1熱交換器切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には、圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続する(図2の第1熱交換器切換機構22の破線を参照)。
また、第2熱交換器切換機構23は、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器である。第2熱交換器切換機構23は、例えば、四路切換弁からなる。第2熱交換器切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続する(図2の第2熱交換器切換機構23の実線を参照)。第2熱交換器切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には、圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続する(図2の第2熱交換器切換機構23の破線を参照)。
そして、第1熱交換器切換機構22及び第2熱交換器切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する。
(1-2-3)熱交換器
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器である。第1熱源側熱交換器24は、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交換器切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側流量調節弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器である。第2熱源側熱交換器25は、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交換器切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側流量調節弁27に接続されている。
予冷熱交換器35は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。予冷熱交換器35は、熱源側熱交換器の一部(熱源側熱交換器のうち熱源側熱交換器24、25を除いた部分)を構成しており、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を常時流すように熱源側冷媒回路12に設けられている。具体的には、予冷熱交換器35は、熱源側熱交換器24、25とは異なり、熱交換器切換機構22、23のような冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えを可能にするための機構を介することなく、そのガス側が圧縮機21の吐出側に接続されている。予冷熱交換器35は、熱源側熱交換器24、25とは異なり、常に冷媒の放熱器として機能するようになっている。
ここでは、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25と予冷熱交換器35とが一体の熱源側熱交換器として構成されている。そして、熱源側ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有している。したがって、熱源側ユニット2は、室外空気と熱源側熱交換器24、25、35を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、回転数制御が可能な室外ファンモータ34aによって駆動される。
(1-2-4)冷媒冷却器
冷媒冷却器36は、予冷熱交換器35において放熱した冷媒と電装品20aとの熱交換を行うことで電装品20aを冷却する機器である。冷媒冷却器36は、予冷熱交換器35の液側に接続されている。言い換えると、冷媒冷却器36は、予冷熱交換器35の下流側に接続されている。冷媒冷却器36は、例えば、内部に冷媒流路が形成された金属製の部材を電装品20aに接触させることによって構成されている。ここで、電装品20aは、熱源側ユニット2を構成する各部を制御するための電気部品であり、後述の熱源側制御部20を構成している。そして、冷媒冷却器36によって冷却が必要な電装品20aとしては、圧縮機モータ21aを制御するためのインバータを構成するパワー素子やリアクタ等の高発熱電気部品が挙げられる。このような高発熱電気部品は、圧縮機21の運転容量が大きくなるにつれて、発熱量が大きくなる傾向にある。
(1-2-5)流量調節弁
膨張機構としての第1熱源側流量調節弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、膨張機構としての第2熱源側流量調節弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。言い換えると、熱源側熱交換器24、25、35のうち予冷熱交換器35を除いた部分である熱源側熱交換器24、25の液側に、各熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒の流量を調節する熱源側流量調節弁26、27が接続されている。
冷媒冷却側流量調節弁37は、予冷熱交換器35及び冷媒冷却器36を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、冷媒冷却器36の下流側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。そして、冷媒冷却側流量調節弁37は、熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる際の熱源側流量調節弁26、27の下流側に、かつ、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる際の第2熱源側流量調節弁27の下流側に、冷媒冷却側流量調節弁37の出口が接続されている。言い換えると、冷媒冷却側流量調節弁37は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる際の第1熱源側流量調節弁26の下流側に、かつ、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる際の第2熱源側流量調節弁27の下流側に、冷媒冷却側流量調節弁37の出口が接続されている。ここでは、冷媒冷却側流量調節弁37の出口は、レシーバ出口管28bに合流するように接続されている。
(1-2-6)レシーバ
レシーバ28は、熱源側熱交換器24、25と利用側冷媒回路RC2との間を流れる冷媒を一時的に溜めるための容器である。レシーバ28の上部には、レシーバ入口管28aが設けられており、レシーバ28の下部には、高圧冷媒が流れる高圧冷媒配管としてのレシーバ出口管28bが設けられている。また、レシーバ入口管28aには、開閉制御が可能なレシーバ入口開閉弁28cが設けられている。そして、レシーバ入口管28a及びレシーバ出口管28bは、ブリッジ回路29を介して、熱源側熱交換器24、25と液側閉鎖弁31との間に接続されている。
また、レシーバ28には、レシーバガス抜き管41が接続されている。レシーバガス抜き管41は、レシーバ入口管28aとは別にレシーバ28の上部から冷媒を抜き出すように設けられており、レシーバ28の上部と圧縮機21の吸入側とを接続している。レシーバガス抜き管41には、レシーバ28からガス抜きされる冷媒の流量の調節等を行うために、ガス抜き側流量調節弁42が設けられている。ここで、ガス抜き側流量調節弁42は、開度調節が可能な電動膨張弁からなる。
(1-2-7)ブリッジ回路
ブリッジ回路29は、冷媒が熱源側熱交換器24、25側から液側閉鎖弁31側に向かって流れる場合、及び、冷媒が液側閉鎖弁31側から熱源側熱交換器24、25側に向かって流れる場合のいずれにおいても、レシーバ入口管28aを通じてレシーバ28内に冷媒を流入させ、レシーバ出口管28bを通じてレシーバ28内から冷媒を流出させる。ブリッジ回路29は、4つの逆止弁29a、29b、29c、29dを有している。そして、入口逆止弁29aは、熱源側熱交換器24、25側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁29bは、液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁29a、29bは、熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aに冷媒を流通させる機能を有している。出口逆止弁29cは、レシーバ出口管28bから液側閉鎖弁31側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。出口逆止弁29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。出口逆止弁29c、29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側に冷媒を流通させる機能を有している。
(1-2-8)吸入戻し管
また、ブリッジ回路29には、熱源側熱交換器24、25の液側を流れる冷媒との熱交換を行う液管熱交換器としての過冷却熱交換器45が設けられ、熱源側熱交換器24、25の液側と利用側熱交換器52の液側との間を流れる冷媒の一部を圧縮機21の吸入側の吸入配管21bに戻す吸入戻し管46が接続されている。吸入戻し管46は、高圧冷媒を圧縮機21の吸入側に戻すバイパス配管として機能する。過冷却熱交換器45は、レシーバ出口管28bに設けられており、吸入戻し管46を流れる冷媒を冷却源としてレシーバ出口管28bを流れる冷媒(熱源側熱交換器24、25の液側と利用側熱交換器52の液側との間を流れる冷媒)を冷却する冷却器である。ここで、過冷却熱交換器45は、吸入戻し管46とレシーバ出口管28bとを接触させることによって構成される配管熱交換器や二重管熱交換器等からなる。吸入戻し管46は、レシーバ出口管28bから分岐されるように設けられており、過冷却熱交換器45を介してレシーバ出口管28bと圧縮機21の吸入側とを接続している。吸入戻し管46には、レシーバ出口管28bから分岐される冷媒の流量の調節等を行うために、吸入戻し側流量調節弁47が設けられている。吸入戻し側流量調節弁47は、吸入戻し管46の過冷却熱交換器45の上流側の部分に設けられている。ここで、吸入戻し側流量調節弁47は、開度調節が可能な電動膨張弁からなる。
(1-2-9)高低圧切換機構
高低圧切換機構30は、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器である。高低圧切換機構30は、例えば、四路切換弁からなる。高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路RC2に送る場合(以下、「放熱負荷運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続する(図2の高低圧切換機構30の破線を参照)。高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路RC2に直接は送らない場合(以下、「蒸発負荷運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続する(図2の高低圧切換機構30の実線を参照)。
(1-2-10)閉鎖弁
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32、及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁31は、ブリッジ回路29を介してレシーバ入口管28a又はレシーバ出口管28bに接続されている。高低圧ガス側閉鎖弁32は、高低圧切換機構30に接続される。低圧ガス側閉鎖弁33は、圧縮機21の吸入側に接続されている。
(1-2-11)センサ及び熱源側制御部
また、熱源側ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ91と、圧縮機21の吐出側における冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ93と、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を検出するガス抜き側温度センサ95と、吸入戻し管46を流れる冷媒の温度を検出する吸入戻し側温度センサ97とが設けられている。ここでは、ガス抜き側温度センサ95は、冷媒加熱器44の出口における冷媒の温度を検出するように、レシーバガス抜き管41に設けられている。吸入戻し側温度センサ97は、過冷却熱交換器45の出口における冷媒の温度を検出するように、吸入戻し管46に設けられている。また、熱源側ユニット2は、熱源側ユニット2を構成する各部21a、22、23、26、27、28c、30、34a、37、42、47の動作を制御する熱源側制御部20を有している(図1参照)。そして、熱源側制御部20は、熱源側ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、切換ユニット制御部72a、72b、・・・72pを介して、利用側ユニット120の利用側制御部122a、122b、・・・122pとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(1-3)切換ユニット
切換ユニット70(70a、70b、・・・70p)は、ビル等の室内の近傍、例えば天井裏に、利用側ユニット120とともに設置されている。切換ユニット70は、冷媒連絡管7,8,9とともに、利用側ユニット120と熱源側ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。切換ユニット70は、熱源側ユニット2及び各利用側ユニット120へ流入する冷媒の流れを切り換える。各切換ユニット70は、利用側ユニット120のいずれかに対応している。例えば、切換ユニット70aは利用側ユニット120aに対応し、切換ユニット70bは利用側ユニット120bに対応し、切換ユニット70pは利用側ユニット120pに対応している。
また、図1に示す切換ユニット制御部72は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。切換ユニット制御部72は、通信線を介して利用側制御部122又は熱源側制御部20からの信号を受信し、当該信号に応じて、後述する第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3の開度を制御する。
各切換ユニット70(70a、70b、・・・70p)は、図3に示すように、同様の構成である。切換ユニット70は、冷媒配管としての第1配管P1、第2配管P2、第3配管P3、第5配管P5、第6配管P6、第7配管P7、第8配管P8、第9配管P9及び第10配管P10と、第1電動弁Ev1と、第2電動弁Ev2と、第3電動弁Ev3と、過冷却熱交換部59と、を備えている。
過冷却熱交換部59は、例えば二重管型熱交換器である。過冷却熱交換部59は、略筒状の形状を呈している。過冷却熱交換部59の内部には、第1流路591及び第2流路592が形成されている。より詳細には、過冷却熱交換部59は、第1流路591を流れる冷媒と、第2流路592を流れる冷媒と、が熱交換し得る構造を有している。具体的に、第1流路591は、一端が第1配管P1に接続され、他端が第2配管P2に接続されている。第2流路592は、一端が第8配管P8に接続され、他端が第9配管P9に接続されている。
第1配管P1は、一端が液冷媒連絡管7に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続されている。
第2配管P2は、一端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続され、他端が液管LPを介して利用側冷媒回路RC2に接続されている。この第2配管P2には、開状態と閉状態とが切り換わる電磁弁Sv1が設けられている。
第3電動弁Ev3は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第3電動弁Ev3は、開度に応じて、冷媒の流量を調整することが可能であり、また、冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換えられる。
第8配管P8は、一端が第5配管P5を介して低圧ガス冷媒連絡管9に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続されている。
第9配管P9は、一端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続され、他端が第3電動弁Ev3に接続されている。
第10配管P10は、一端が第3電動弁Ev3に接続され、他端が第1配管P1に接続されている。
第1電動弁Ev1は、例えば開度調整が可能な電動弁であり、開度に応じて冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換える。第1電動弁Ev1は、一端が第3配管P3に接続され、他端が第5配管P5に接続されている。
第3配管P3は、一端がガス管GPを介して利用側冷媒回路RC2に接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。
第5配管P5は、一端が低圧ガス冷媒連絡管9に接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。
第2電動弁Ev2は、例えば開度調整が可能な電動弁であり、開度に応じて冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換える。また、第2電動弁Ev2は、一端が第6配管P6に接続され、他端が第7配管P7に接続されている。
第6配管P6は、一端が第3配管P3に接続され、他端が第2電動弁Ev2に接続されている。
第7配管P7は、一端が第2電動弁Ev2に接続され、他端が高低圧ガス冷媒連絡管8に接続されている。
次に、切換ユニット70a、70bを例にとって、対応する利用側ユニット120a、120bにおける運転の切り換わりを説明する。以下、切換ユニット70aを、第1切換ユニット70aと呼び、切換ユニット70bを、第2切換ユニット70bと呼び、利用側ユニット120aを、第1利用側ユニット120aと呼び、利用側ユニット120bを、第2利用側ユニット120bと呼ぶ。
第1切換ユニット70aは、第1運転と、第3運転とを切り換えることができる。第1運転は、いわゆる暖房運転であり、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が利用側熱交換器52において放熱する運転である。第3運転は、いわゆる冷房運転であり、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が利用側熱交換器52において蒸発する運転である。第1運転では、第1切換ユニット70aにおいて、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が全開とされて、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒がガス管GPから液管LPに向かって流れ、冷媒が利用側熱交換器52において放熱する。これにより、第1利用側ユニット120aが設置される室内が暖房される。第3運転では、第1切換ユニット70aにおいて、第1電動弁Ev1が全開とされるともに、第2電動弁Ev2が最小開度とされて、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が液管LPからガス管GPに向かって流れ、冷媒が利用側熱交換器52において蒸発する。これにより、第1利用側ユニット120aが設置される室内が冷房される。
第2切換ユニット70bは、第2運転と、第4運転とを切り換えることができる。第2運転は、いわゆる暖房運転であり、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が利用側熱交換器52において放熱する運転である。第4運転は、いわゆる冷房運転であり、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が利用側熱交換器52において蒸発する運転である。第2運転では、第2切換ユニット70bにおいて、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が全開とされて、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒がガス管GPから液管LPに向かって流れ、冷媒が利用側熱交換器52において放熱する。これにより、第2利用側ユニット120bが設置される室内が暖房される。第4運転では、第2切換ユニット70bにおいて、第1電動弁Ev1が全開とされるともに、第2電動弁Ev2が最小開度とされて、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が液管LPからガス管GPに向かって流れ、冷媒が利用側熱交換器52において蒸発する。これにより、第2利用側ユニット120bが設置される室内が冷房される。
(1-4)冷媒漏洩検知部
各利用側ユニット120の中には、その利用側ユニット120が設置される空間(利用側空間)への冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知部60(60a、60b、・・・60p)が配置されている。冷媒漏洩検知部60は、例えば、半導体式ガスセンサや、利用側ユニット120内の冷媒配管の冷媒圧力の急激な低下を検知する検知部を採用することができる。半導体式ガスセンサを用いる場合は、半導体式ガスセンサを利用側制御部122と接続する。冷媒圧力の急激な低下を検知する検知部を採用する場合は、冷媒配管に圧力センサを設置し、そのセンサ値の変化から冷媒漏洩を判断する検知アルゴリズムを、利用側制御部122内に具備させる。
なお、ここでは、冷媒漏洩検知部60が各利用側ユニット120に設けられているが、これに限定されるものではなく、利用側ユニット120を操作するためのリモコンや利用側ユニット120が空調を行う室内空間に設けられていてもよい。
(2)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置1の動作について説明する。
空気調和装置1の冷凍サイクル運転としては、冷房運転と、暖房運転と、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転(放熱負荷主体)とがある。ここで、冷房運転は、冷房運転(利用側熱交換器52が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用側ユニット120だけが存在し、利用側ユニット120全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。暖房運転は、暖房運転(利用側熱交換器52が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用側ユニット120だけが存在し、利用側ユニット120全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、冷房運転(利用側熱交換器52が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用側ユニット120と暖房運転(利用側熱交換器52が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用側ユニット120とが混在し、利用側ユニット120全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用側ユニット120全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。冷暖同時運転(放熱負荷主体)は、冷房運転(利用側熱交換器52が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用側ユニット120と暖房運転(利用側熱交換器52が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用側ユニット120とが混在し、利用側ユニット120全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用側ユニット120全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。
なお、これらの冷凍サイクル運転を含む空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、72、122によって行われる。
(2-1)冷房運転
冷房運転の際、例えば、利用側ユニット120の全てが冷房運転(利用側熱交換器52の全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の各アクチュエータ(切換機構や弁)が以下のように制御され、冷媒回路10を冷媒が以下のように流れる。
まず、熱源側ユニット2においては、第1熱交換器切換機構22を放熱運転状態に切り換え、第2熱交換器切換機構23を放熱運転状態に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷運転状態に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。また、冷媒冷却側流量調節弁37は、開度調節されて、予冷熱交換器35に圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒が流れるようになっている。また、吸入戻し側流量調節弁47は、開度調節されて、過冷却熱交換器45がレシーバ出口管28bを流れる冷媒の冷却器として機能するようになっている。さらに、ここでは、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器が存在しない運転であるため、ガス抜き側流量調節弁42は、全閉状態(開度0%)に開度調節されている。これにより、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28から圧縮機21の吸入側に、ガス冷媒を抜き出さないようにしている。切換ユニット70においては、第1電動弁Ev1は全開とされ、第2電動弁Ev2は最小開度とされる。また、利用側ユニット120の各利用側流量調節弁51は適切な開度で開けられる。これにより、利用側ユニット120の利用側熱交換器52の全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用側ユニット120の利用側熱交換器52の全てと熱源側ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になる。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交換器切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25に送られる。また、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、冷媒加熱器44を介して、予冷熱交換器35にも送られる。そして、熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、合流して、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。また、予冷熱交換器35に送られた高圧のガス冷媒も、予冷熱交換器35において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、予冷熱交換器35において放熱した冷媒は、冷媒冷却器36に送られて、電装品20aを冷却する。冷媒冷却器36を通過した冷媒は、冷媒冷却側流量調節弁37において流量調節された後、レシーバ出口管28bに送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、レシーバ出口管28bに送られ、その一部が吸入戻し管46に分岐され、その後、冷媒冷却器36を通過した冷媒と合流して過冷却熱交換器45に送られる。過冷却熱交換器45に送られたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、吸入戻し管46の吸入戻し側流量調節弁47において流量調節された冷媒によって冷却される。過冷却熱交換器45において冷却されたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。一方、過冷却熱交換器45で熱交換を行った後の吸入戻し管46を流れる冷媒は、圧縮機21の吸入側に戻される。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、分岐されて、各切換ユニット70の第1配管P1に送られる。第1配管P1へ流入した冷媒は、第2配管P2や液管LP等を経て、利用側ユニット120に到達し、利用側流量調節弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、各利用側熱交換器52に流入して蒸発する。これにより、利用側ユニット120の冷房運転が行われる。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、各切換ユニット70の第3配管P3に流入する。第3配管P3に流入した冷媒は、第5配管P5を流れ、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、圧縮機21の吸入側に戻される。
(2-2)暖房運転
暖房運転の際、例えば、利用側ユニット120の全てが暖房運転(利用側熱交換器52の全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の各アクチュエータ(切換機構や弁)が以下のように制御され、冷媒回路10を冷媒が以下のように流れる。
まず、熱源側ユニット2においては、第1熱交換器切換機構22を蒸発運転状態に切り換え、第2熱交換器切換機構23を蒸発運転状態に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。また、冷媒冷却側流量調節弁37は、開度調節されて、予冷熱交換器35に圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒が流れるようになっている。また、吸入戻し側流量調節弁47は、開度調節されて、過冷却熱交換器45がレシーバ出口管28bを流れる冷媒の冷却器として機能するようになっている。さらに、ここでは、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52が存在する運転であるため、ガス抜き側流量調節弁42は、利用側流量調節弁51の制御状況に応じて開度調節されて、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。切換ユニット70においては、第1電動弁Ev1は全閉とされ、第2電動弁Ev2は全開とされる。これによって、利用側ユニット120の利用側熱交換器52の全てが冷媒の放熱器として機能するとともに、利用側ユニット120の利用側熱交換器52の全てと熱源側ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になる。利用側ユニット120においては、利用側流量調節弁51は、利用側熱交換器52の出口における冷媒の過冷却度SCに基づいて開度を制御する過冷却度制御によって、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。また、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、冷媒加熱器44にも送られる。ここで、ガス抜き側流量調節弁42が開状態に開度調節されている場合には、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒が抜き出されるため、冷媒加熱器44に送られた高圧のガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却される。一方、レシーバガス抜き管41を流れるガス冷媒は、加熱されて、圧縮機21の吸入側に戻される。そして、冷媒加熱器44において冷却された冷媒は、予冷熱交換器35に送られる。予冷熱交換器35に送られた高圧の冷媒は、予冷熱交換器35において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、予冷熱交換器35において放熱した冷媒は、冷媒冷却器36に送られて、電装品20aを冷却する。冷媒冷却器36を通過した冷媒は、冷媒冷却側流量調節弁37において流量調節された後、レシーバ出口管28bに送られる。
一方、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、分岐されて、各切換ユニット70の第7配管P7に流入し、第6配管P6及び第3配管P3等を流れて、ガス管GPに流入する。ガス管GPに流入した冷媒は、利用側ユニット120に到達し、各利用側熱交換器52に流入して放熱する。これにより、利用側ユニット120の暖房運転が行われる。放熱して凝縮した冷媒は、液管LPを経て、各切換ユニット70の第2配管P2に流入する。第2配管P2に流入した冷媒は、第1配管P1等を経て、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。ここで、ガス抜き側流量調節弁42が開状態に開度調節されている場合には、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、レシーバ出口管28bに送られる。レシーバ出口管28bに送られた冷媒は、その一部が吸入戻し管46に分岐され、その後、冷媒冷却器36を通過した冷媒と合流して過冷却熱交換器45に送られる。過冷却熱交換器45に送られたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、吸入戻し管46の吸入戻し側流量調節弁47において流量調節された冷媒によって冷却される。過冷却熱交換器45において冷却されたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、熱源側流量調節弁26、27の両方に送られる。そして、熱源側流量調節弁26、27に送られた冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交換器切換機構22、23に送られる。そして、熱交換器切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
(2-3)冷暖同時運転(蒸発負荷主体)
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の際、例えば、利用側ユニット120b、120pが冷房運転し、利用側ユニット120aが暖房運転し、他の利用側ユニット120が停止し、第1熱源側熱交換器24が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の各アクチュエータ(切換機構や弁)が以下のように制御され、冷媒回路10を冷媒が以下のように流れる。
まず、熱源側ユニット2においては、第1熱交換器切換機構22を放熱運転状態に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ここでは、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52が存在する運転であるため、ガス抜き側流量調節弁42は、利用側流量調節弁51の制御状況に応じて開度調節されるのであるが、液冷媒連絡管7を介して利用側ユニット120から熱源側ユニット2に冷媒が送られる運転状態ではないため、結果的に、全閉状態(開度0%)に開度調節されている。これにより、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28から圧縮機21の吸入側に、ガス冷媒を抜き出さないようにしている。
冷房運転を行っている利用側ユニット120b、120pに対応する切換ユニット70b、70pにおいては、第1電動弁Ev1が全開とされるとともに、第2電動弁Ev2が最小開度とされ、第3電動弁Ev3が適切な開度で開けられる。また、冷房運転を行っている利用側ユニット120b、120pでは、利用側流量調節弁51が適切な開度で開けられる。
暖房運転を行っている利用側ユニット120aに対応する切換ユニット70aにおいては、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が全開とされる。また、暖房運転を行っている利用側ユニット120aでは、利用側流量調節弁51が全開とされる。
これにより、利用側ユニット120aの利用側熱交換器52が冷媒の放熱器として機能する。また、利用側ユニット120b、120pの利用側熱交換器52と熱源側ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用側ユニット120b、120pの利用側熱交換器52と熱源側ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。冷房運転を行う利用側ユニット120b、120pにおいては、利用側流量調節弁51は、開度調節される。暖房運転を行う利用側ユニット120aにおいては、利用側流量調節弁51は、利用側熱交換器52の出口における冷媒の過冷却度SCに基づいて開度を制御する過冷却度制御によって、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交換器切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。また、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、冷媒加熱器44を介して、予冷熱交換器35にも送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、切換ユニット70aの第7配管P7に送られる。第7配管P7に送られた高圧のガス冷媒は、第6配管P6及び第3配管P3を流れて、ガス管GPに流入する。ガス管GPに流入した冷媒は、利用側ユニット120aに到達し、利用側熱交換器52に流入して凝縮する。これにより、利用側ユニット120aの暖房運転が行われる。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、切換ユニット70aの第2配管P2に流入する。第2配管P2に流入した冷媒は、第1配管P1等を経て、切換ユニット70aを流れ出る。
一方、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。また、予冷熱交換器35に送られた高圧のガス冷媒も、予冷熱交換器35において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、予冷熱交換器35において放熱した冷媒は、冷媒冷却器36に送られて、電装品20aを冷却する。冷媒冷却器36を通過した冷媒は、冷媒冷却側流量調節弁37において流量調節された後、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められた後、レシーバ出口管28bに送られ、その一部が吸入戻し管46に分岐され、その後、冷媒冷却器36を通過した冷媒と合流して過冷却熱交換器45に送られる。過冷却熱交換器45に送られたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、吸入戻し管46の吸入戻し側流量調節弁47において流量調節された冷媒によって冷却される。過冷却熱交換器45において冷却されたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。一方、過冷却熱交換器45で熱交換を行った後の吸入戻し管46を流れる冷媒は、圧縮機21の吸入側に戻される。
そして、利用側ユニット120aにおいて放熱して切換ユニット70aを流れ出た冷媒は、液冷媒連絡管7に送られる。その後、切換ユニット70aを流れ出た冷媒と、第1熱源側熱交換器24において放熱して液冷媒連絡管7に送られた冷媒とが、合流する。
そして、液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、分岐されて、各切換ユニット70b、70pの第1配管P1に送られる。第1配管P1に流入した冷媒は、過冷却熱交換部59の第1流路591を通過し、第2配管P2及び液管LPを経て、利用側ユニット120b、120pに到達する。
利用側ユニット120b、120pに到達した冷媒は、利用側流量調節弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、利用側熱交換器52に流入して蒸発する。これにより、利用側ユニット120b、120pの冷房運転が行われる。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、切換ユニット70b、70pに到達して、第3配管P3に流入する。第3配管P3に流入した冷媒は、第5配管P5を流れて低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
また、各切換ユニット70b、70pの第1配管P1に流入した冷媒の一部は、第10配管P10に流入する。第10配管P10に流入した冷媒は、第3電動弁Ev3及び第9配管P9を経て、過冷却熱交換部59の第2流路592に流入する。第2流路592に流入した冷媒は、第2流路592を通過する際、第1流路591を通過する冷媒と熱交換を行い、第1流路591を通過する冷媒を冷却する。これにより、第1流路591から利用側ユニット120b、120pへと流れていく冷媒は、過冷却がついた状態となる。第2流路592を通過した冷媒は、第8配管P8及び第5配管P5を経て、低圧ガス冷媒連絡管9に流れる。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作が行われる。なお、冷房運転を行う利用側ユニット120の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25との蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の放熱負荷を小さくする運転が行われる。
(2-4)冷暖同時運転(放熱負荷主体)
冷暖同時運転(放熱負荷主体)の際、例えば、利用側ユニット120a、120bが暖房運転し、かつ、利用側ユニット120pが冷房運転し、他の利用側ユニット120が停止し、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の各アクチュエータ(切換機構や弁)が以下のように制御され、冷媒回路10を冷媒が以下のように流れる。
まず、熱源側ユニット2においては、第1熱交換器切換機構22を蒸発運転状態に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ここでは、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52が存在する運転であるため、ガス抜き側流量調節弁42は、利用側流量調節弁51の制御状況に応じて開度調節されて、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。
暖房運転を行っている利用側ユニット120a、120bに対応する切換ユニット70a、70bにおいては、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が全開とされる。また、暖房運転を行っている利用側ユニット120a、120bでは、利用側流量調節弁51が全開とされる。
冷房運転を行っている利用側ユニット120pに対応する切換ユニット70pにおいては、第1電動弁Ev1が全開とされるとともに、第2電動弁Ev2が最小開度とされ、第3電動弁Ev3が適切な開度で開けられる。また、冷房運転を行っている利用側ユニット120pでは、利用側流量調節弁51が適切な開度で開けられる。
これにより、利用側ユニット120a、120bの利用側熱交換器52が冷媒の放熱器として機能する。また、利用側ユニット120pの利用側熱交換器52と熱源側ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用側ユニット120pの利用側熱交換器52と熱源側ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。冷房運転を行う利用側ユニット120pにおいては、利用側流量調節弁51は、開度調節される。暖房運転を行う利用側ユニット120a、120bにおいては、利用側流量調節弁51は、利用側熱交換器52の出口における冷媒の過冷却度SCに基づいて開度を制御する過冷却度制御によって、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。また、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、冷媒加熱器44にも送られる。ここで、ガス抜き側流量調節弁42が開状態に開度調節されている場合には、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒が抜き出されるため、冷媒加熱器44に送られた高圧のガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒と熱交換を行うことによって冷却される。一方、レシーバガス抜き管41を流れるガス冷媒は、加熱されて、圧縮機21の吸入側に戻される。そして、冷媒加熱器44において冷却された冷媒は、予冷熱交換器35に送られる。予冷熱交換器35に送られた高圧の冷媒は、予冷熱交換器35において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、予冷熱交換器35において放熱した冷媒は、冷媒冷却器36に送られて、電装品20aを冷却する。冷媒冷却器36を通過した冷媒は、冷媒冷却側流量調節弁37において流量調節された後、レシーバ出口管28bに送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、分岐されて、各切換ユニット70a、70bの第7配管P7に送られる。第7配管P7に送られた高圧のガス冷媒は、第6配管P6及び第3配管P3を流れて、ガス管GPに流入する。ガス管GPに流入した冷媒は、利用側ユニット120a、120bに到達し、利用側熱交換器52に流入して凝縮する。これにより、利用側ユニット120a、120bの暖房運転が行われる。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、切換ユニット70a、70bの第2配管P2に流入する。第2配管P2に流入した冷媒は、第1配管P1等を経て、切換ユニット70a、70bを流れ出る。切換ユニット70a、70bを流れ出た冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、その一部が、切換ユニット70pの第1配管P1に送られ、残りが、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。
そして、切換ユニット70pの第1配管P1に送られた冷媒は、過冷却熱交換部59の第1流路591を通過し、第2配管P2及び液管LPを経て、利用側ユニット120pに到達する。
利用側ユニット120pに到達した冷媒は、利用側流量調節弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、利用側熱交換器52に流入して蒸発する。これにより、利用側ユニット120pの冷房運転が行われる。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、切換ユニット70pに到達して、第3配管P3に流入する。第3配管P3に流入した冷媒は、第5配管P5を流れて低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
また、切換ユニット70pの第1配管P1に流入した冷媒の一部は、第10配管P10に流入する。第10配管P10に流入した冷媒は、第3電動弁Ev3及び第9配管P9を経て、過冷却熱交換部59の第2流路592に流入する。第2流路592に流入した冷媒は、第2流路592を通過する際、第1流路591を通過する冷媒と熱交換を行い、第1流路591を通過する冷媒を冷却する。これにより、第1流路591から利用側ユニット120pへと流れていく冷媒は、過冷却がついた状態となる。第2流路592を通過した冷媒は、第8配管P8及び第5配管P5を経て、低圧ガス冷媒連絡管9に流れる。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
また、ここで、ガス抜き側流量調節弁42が開状態に開度調節されている場合には、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、レシーバ出口管28bに送られる。レシーバ出口管28bに送られた冷媒は、その一部が吸入戻し管46に分岐され、その後、冷媒冷却器36を通過した冷媒と合流して過冷却熱交換器45に送られる。過冷却熱交換器45に送られたレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、吸入戻し管46の吸入戻し側流量調節弁47において流量調節された冷媒によって冷却される。過冷却熱交換器45において冷却されてレシーバ出口管28bを流れる冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、第1熱源側流量調節弁26に送られる。そして、第1熱源側流量調節弁26に送られた冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1熱交換器切換機構22に送られる。そして、第1熱交換器切換機構22に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9及び低圧ガス側閉鎖弁33を通じて圧縮機21の吸入側に戻される低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作が行われる。なお、暖房運転を行う利用側ユニット(冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の蒸発負荷と第2熱源側熱交換器25との放熱負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の蒸発負荷を小さくする運転が行われる。
(3)いずれかの利用側ユニットで冷媒漏洩を検知したときの空気調和装置の制御
次に、いずれかの利用側ユニット120における冷媒漏洩を冷媒漏洩検知部60が検知したときの制御について説明する。どの利用側ユニット120で冷媒漏洩があっても同様の制御を行うため、ここでは、第1利用側ユニット120aが設置される室内(第1利用側空間Sa1)への冷媒漏洩が検知された場合を例にとって、図4を参照して説明する。なお、以下の冷媒漏洩時の制御は、熱源側制御部20、利用側制御部122及び切換ユニット制御部72によって行われる。
図4のステップS1では、第1利用側ユニット120aに設置された第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側ユニット120a内の冷媒が設置空間(第1利用側空間Sa1)に漏洩しているか否かを判断する。そして、冷媒漏洩していると判断されると、ステップS2に移行する。
ステップS2では、冷媒漏洩があった第1利用側ユニット120aにおいて、ブザーなどの警報器(図示せず)を使って、第1利用側ユニット120aの設置空間(第1利用側空間Sa1)に居る人に警報を発する。
次に、ステップS3では、冷媒漏洩があった第1利用側ユニット120aが、冷房運転(第3運転)を行っているか暖房運転(第1運転)を行っているかを判断する。第1利用側ユニット120aが冷房運転(第3運転)を行っている場合には、ステップS4をスキップし、ステップS5に移行する。第1利用側ユニット120aが暖房運転(第1運転)を行っている場合、あるいは、第1利用側ユニット120aが冷房も暖房も行っていない停止又は一時停止の状態であるときには、ステップS3からステップS4に移行する。
ステップS4では、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力を低下させるために、第1利用側ユニット120aに冷房運転(第3運転)を行わせる。但し、このステップS4での冷房運転は、通常の冷房運転とは異なり、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力を低下させることを優先させる運転である。第1利用側ユニット120aに対応する第1切換ユニット70aにおいて、第1電動弁Ev1が全開とされるともに、第2電動弁Ev2が最小開度とされる。これにより、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が液管LPからガス管GPに向かって流れ、冷媒が利用側熱交換器52において蒸発する。また、ガス管GPは、第1切換ユニット70aの全開の第1電動弁Ev1及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して、熱源側ユニット2の圧縮機21の吸入側と接続された状態となる。これにより、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が急速に低下していく。このとき、第1利用側ユニット120aの利用側流量調節弁51の開度は、圧縮機21に液冷媒が吸入されない程度に調整される。
ステップS5では、冷房運転(第3運転)の状態の第1利用側ユニット120aに対して、熱源側ユニット2から液冷媒連絡管7を介して高圧の冷媒が送られている場合には、熱源側ユニット2の熱源側流量調節弁26、27の開度が絞られる(小さくなる)。言い換えると、熱源側ユニット2の熱源側流量調節弁26、27における冷媒の減圧度合いを大きくする。これにより、液冷媒連絡管7を介して第1利用側ユニット120aに流れてくる冷媒の圧力が低下する。その結果、第1切換ユニット70aの冷媒の圧力の低下が加速される。
また、ステップS5では、上記の冷暖同時運転(放熱負荷主体)のときのように、冷房運転(第3運転)の状態の第1利用側ユニット120aに対して、熱源側ユニット2からではなく、他の利用側ユニット120から液冷媒連絡管7を介して高圧の冷媒が送られている場合には、他の利用側ユニット120の利用側流量調節弁51の開度が絞られる(小さくなる)。言い換えると、他の利用側ユニット120の利用側流量調節弁51における冷媒の減圧度合いを大きくする。これにより、液冷媒連絡管7を介して第1利用側ユニット120aに流れてくる冷媒の圧力が低下する。その結果、第1切換ユニット70aの冷媒の圧力の低下が加速される。
なお、ステップS4において、冷媒漏洩があった第1利用側ユニット120aが冷媒漏洩検知前まで暖房運転(第1運転)を行っていた場合にも、第1利用側ユニット120aに冷房運転(第3運転)を行わせるが、他の利用側ユニット120の運転はそのまま継続させる。例えば、冷媒漏洩検知前まで、上記(2-4)で示したように、第1利用側ユニット120aが暖房運転(第1運転)を行い第2利用側ユニット120bが暖房運転(第2運転)を行っていた場合、冷媒漏洩検知に伴って第1利用側ユニット120aは冷房運転(第3運転)に切り換わるが、第2利用側ユニット120bの暖房運転(第2運転)は継続される。また、冷媒漏洩検知前まで、上記(2-3)で示したように、第1利用側ユニット120aが暖房運転(第1運転)を行い第2利用側ユニット120bが冷房運転(第4運転)を行っていた場合、冷媒漏洩検知に伴って第1利用側ユニット120aは冷房運転(第3運転)に切り換わるが、第2利用側ユニット120bの冷房運転(第4運転)は継続される。
ステップS6では、ステップS5によって第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力を低下させ始めてから所定時間が経過したか否か、あるいは、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が大気圧近くまで低下したか否か、を判断する。ステップS6で、いずれかの条件が満たされている場合には、ステップS7に移行する。ステップS6で、いずれの条件も満たされていない場合、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力を低下させる冷房運転(第3運転)を継続する。なお、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が大気圧近くまで低下したか否かの判断は、第1利用側ユニット120aに冷媒圧力センサがあれば、そのセンサ値を使って判断することができ、第1利用側ユニット120aに冷媒温度センサがあれば、そのセンサ値を使って判断することができる。
ステップS7では、熱源側ユニット2と第1利用側ユニット120aとを遮断することができる弁を閉める。具体的には、第1利用側ユニット120aに対応する第1切換ユニット70aにおいて、第1電動弁Ev1と、第2電動弁Ev2と、冷媒漏洩が生じていないときには常に開状態である電磁弁Sv1と、の3つの弁を閉める。これによって、第1利用側ユニット120aと、熱源側ユニット2及び他の利用側ユニット120とが切り離された状態となり、第1利用側ユニット120aへの冷媒の流入がなくなる。
以上の図4に示す制御フローによって、冷媒漏洩検知の前後で冷媒回路10における冷媒の流れがどのように変わるのか、理解の容易のために図面を参照して説明する。
(3-1)冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時
まず、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時について、図5A、図5B、図6A及び図6Bを用いて説明する。
図5A及び図6Aは、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時の熱源側ユニット2、利用側ユニット120及び切換ユニット70における冷媒の流れを示す図である。ここでは、第1利用側ユニット120a及び第2利用側ユニット120bが暖房運転を行っており、他の多くの利用側ユニット120が冷房運転を行っているため、蒸発負荷主体の冷暖同時運転となっている。なお、図5A及び図6Aに示す冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、上記の(2-3)で説明した冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と異なる。前者では、第2利用側ユニット120bが冷房運転を行っており、後者では、第2利用側ユニット120bが暖房運転を行っているが、いずれも利用側ユニット120全体として蒸発負荷が主体となっている。
図5B及び図6Bは、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時に第1利用側ユニット120aで冷媒漏洩が検知されたことに伴い、第1利用側ユニット120aが暖房運転(第1運転)ではなく冷房運転(第3運転)を行うように切り換えた後の、熱源側ユニット2、利用側ユニット120及び切換ユニット70における冷媒の流れを示す図である。
上記のステップS4の実行前の図6Aでは、第1利用側ユニット120aの利用側熱交換器52で冷媒が放熱する暖房運転(第1運転)が行われているのに対し、冷媒漏洩検知後にステップS4が実行された後の図6Bでは、第1利用側ユニット120aの利用側熱交換器52で冷媒が蒸発する冷房運転(第3運転)が行われる。ステップS4の実行によって変わった冷媒の流れ方向を、図6Bにおいて黒塗りの矢印で示す。この結果、第1利用側ユニット120aの冷媒が圧縮機21の吸入側に引かれていき、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が低下していく。
また、上記のステップS4の実行前の図5Aにおける熱源側ユニット2の熱源側流量調節弁26の開度に比べて、ステップS4の実行後の図5Bにおける熱源側ユニット2の熱源側流量調節弁26の開度は小さくなる。これにより、図5Bにおいて黒塗りの矢印で示すように、冷媒漏洩検知前の図5Aの状態に比べて、熱源側ユニット2から液冷媒連絡管7を介して利用側ユニット120に送られる冷媒の量や圧力が低下する。したがって、第1利用側ユニット120aにおいても、さらに冷媒の圧力が低下する。
なお、ここでは、熱源側ユニット2の熱源側流量調節弁27を閉めているので熱源側流量調節弁27の開度について言及していないが、図5Aにおいて熱源側流量調節弁27の開度も調整している場合には、ステップS4の実行後の図5Bでは熱源側流量調節弁27の開度を小さくする。
また、図6A、図6Bに示すように、第1利用側ユニット120a及び第1切換ユニット70a以外の他の利用側ユニット120及び切換ユニット70については、冷媒漏洩検知後も、それまでの運転が維持され、例えば第2利用側ユニット120bでは暖房運転(第2運転)が維持される。
(3-2)冷暖同時運転(放熱負荷主体)時
次に、冷暖同時運転(放熱負荷主体)時について、図7、図8A及び図8Bを用いて説明する。
図7及び図8Aは、冷暖同時運転(放熱負荷主体)時の熱源側ユニット2、利用側ユニット120及び切換ユニット70における冷媒の流れを示す図である。ここでは、第1利用側ユニット120a及び第2利用側ユニット120bが暖房運転を行っており、暖房運転を行っている利用側ユニット120が冷房運転を行っている利用側ユニット120よりも多いため、放熱負荷主体の冷暖同時運転となっている。
図7及び図8Bは、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)時に第1利用側ユニット120aで冷媒漏洩が検知されたことに伴い、第1利用側ユニット120aが暖房運転(第1運転)ではなく冷房運転(第3運転)を行うように切り換えた後の、熱源側ユニット2、利用側ユニット120及び切換ユニット70における冷媒の流れを示す図である。なお、切り換えの前後において、熱源側ユニット2における冷媒の流れは変わらないため、いずれにおいても図7を用いている。
上記のステップS4の実行前の図8Aでは、第1利用側ユニット120aの利用側熱交換器52で冷媒が放熱する暖房運転(第1運転)が行われているのに対し、冷媒漏洩検知後にステップS4が実行された後の図8Bでは、第1利用側ユニット120aの利用側熱交換器52で冷媒が蒸発する冷房運転(第3運転)が行われる。ステップS4の実行によって変わった冷媒の流れ方向を、図8Bにおいて黒塗りの矢印で示す。この結果、第1利用側ユニット120aの冷媒が圧縮機21の吸入側に引かれていき、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が低下していく。
なお、図8A、図8Bに示すように、第1利用側ユニット120a及び第1切換ユニット70a以外の他の利用側ユニット120及び切換ユニット70については、冷媒漏洩検知後も、それまでの運転が維持され、例えば第2利用側ユニット120bでは暖房運転(第2運転)が維持される。
(4)特徴
(4-1)
空気調和装置1は、第1利用側ユニット120aと、第2利用側ユニット120bと、熱源側ユニット2と、第1切換ユニット70aと、第2切換ユニット70bと、第1冷媒漏洩検知部60aとを備える。また、空気調和装置1は、熱源側制御部20、利用側制御部122及び切換ユニット制御部72から成る制御部を備える。第1切換ユニット70aは、第1運転と、第3運転とを切り換える。第1運転は、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が放熱する運転(いわゆる暖房運転)である。第3運転は、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が蒸発する運転(いわゆる冷房運転)である。第2切換ユニット70bは、第2運転と、第4運転とを切り換える。第2運転は、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が放熱する運転(いわゆる暖房運転)である。第4運転は、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が蒸発する運転(いわゆる冷房運転)である。第1冷媒漏洩検知部60aは、第1利用側ユニット120aが設置される第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知する。制御部は、第1利用側ユニット120aが第1運転を行い第2利用側ユニット120bが第2運転を行っているときに、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知すると、第1運転を第3運転に切り換え、第2運転は継続させる。
ここでは、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が検知されたときに、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が放熱する第1運転を、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒が蒸発する第3運転に切り換える。これにより、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力が小さくなり、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩の速度が低下する。一方、第2利用側ユニット120bを流れる冷媒が放熱する運転である第2運転は、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が検知されたときにも継続される。このため、第2利用側ユニット120bにおける冷媒の放熱が続き、第2利用側ユニット120bが設置される空間における暖房作用が維持される。
(4-2)
空気調和装置1では、上記(3-1)で説明したように、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知すると、制御部が、熱源側流量調節弁26、27における冷媒の減圧度合いを大きくして、第1利用側ユニット120aへと流れていく冷媒の圧力を下げる。
ここでは、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が検知されたときに、熱源側ユニット2から第1利用側ユニット120aへと流れる冷媒の圧力が、熱源側流量調節弁26、27によって下げられる。これにより、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩の速度を、早期に低下させることができている。
(4-3)
空気調和装置1では、第1利用側ユニット120aが第1運転を行い第2利用側ユニット120bが第2運転を行っているときに、制御部は、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知すると、第1運転を第3運転に切り換え、第2運転は継続させ、第2利用側ユニット120bを出た冷媒を、熱源側ユニット2を経由させずに第1利用側ユニット120aに流す。より具体的に説明すると、上記の(3-2)の冷暖同時運転(放熱負荷主体)のときには、第1利用側ユニット120aが第1運転(暖房運転)を行い第2利用側ユニット120bが第2運転(暖房運転)を行っている。このとき、熱源側ユニット2においては、第1熱交換器切換機構22を蒸発運転状態に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。ここで、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が検知されると、第1運転が第3運転に切り換わり、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力が下がる。このときも、熱源側ユニット2においては、第1熱源側熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能しており、この第1熱源側熱交換器24に対しても第1利用側ユニット120aに対しても、液冷媒連絡管7を介して他の利用側ユニット120から冷媒が供給される。
したがって、空気調和装置1では、冷暖同時運転を行っているときに、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知した場合には、第1利用側ユニット120aの第1運転を第3運転に切り換えるだけで、他の利用側ユニット120も熱源側ユニット2も運転を切り換えていない。このような制御を行っているため、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知したときにも、冷媒回路10における冷媒の流れが大きく乱れることがなく、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力を安定的に下げることができる。また、第2利用側ユニット120bにおける暖房運転も維持することができる。
(4-4)
空気調和装置1では、第1利用側ユニット120aが第1運転(暖房運転)を行い第2利用側ユニット120bが第4運転(冷房運転)を行っているときに、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知すると、制御部は、第1運転を第3運転(冷房運転)に切り換え、第4運転(冷房運転)は継続させる。
ここでは、熱源側ユニット2あるいは他の利用側ユニット120のいずれかの熱交換器が冷媒の放熱器として機能しているときには、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が検知されて第1利用側ユニット120aが第3運転に切り換わっても、第2利用側ユニット120bにおける冷房運転が継続できる。
(4-5)
空気調和装置1では、第1冷媒漏洩検知部60aが第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知すると、制御部は、第1運転を第3運転に切り換え、その後、遮断弁として機能する第1切換ユニット70aの第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び電磁弁Sv1を閉める。これらの3つの弁を閉状態にすることで、第1利用側ユニット120aの利用側冷媒回路RC2が、空気調和装置1の他の冷媒回路10から分離される。
ここでは、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力が小さくなり、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩の速度が低下した後、第1利用側ユニット120aの利用側冷媒回路RC2が、空気調和装置1の他の冷媒回路10から分離される。これにより、第1利用側ユニット120aへの冷媒の流入が遮断され、その後しばらく経つと、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩が続かなくなって、第1利用側空間Saにおける冷媒濃度が上がることがなくなる。
(4-6)
空気調和装置1では、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩の検知に伴い、第1運転を第3運転に切り換えると、所定時間経過後、或いは、第1利用側ユニットの冷媒の圧力が低下したことに関する所定条件を満たしてから、第1利用側ユニット120aの利用側冷媒回路RC2を、空気調和装置1の他の冷媒回路10から分離している。これにより、まだ第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が高い状態で第1切換ユニット70aの3つの弁Ev1、Ev2、Sv1が閉まって、第1利用側ユニット120aの冷媒の圧力が下がらなくなるという不具合、を回避することができている。
(5)変形例
(5-1)変形例1A
上記実施形態の空気調和装置1のステップS5において、さらに、バイパス配管としての吸入戻し管46を使って、より多くの圧縮機21の吐出側の高圧冷媒を、圧縮機21の吸入側の吸入配管21bに戻すように制御し、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力を早く低下させることも可能である。運転状況によるが、第1利用側空間Saへの冷媒の漏洩を検知したときに、熱源側ユニット2のレシーバ出口管28bを流れる高圧冷媒を、バイパス流量調節弁としての吸入戻し側流量調節弁47の開度を大きくすることによって、より多く圧縮機21の吸入側の吸入配管21bに戻せば、熱源側ユニット2から利用側ユニット120へと流れていく冷媒の量が減る。これにより、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力の低下速度を上げることができる。
例えば、冷媒漏洩検知後の図5Bの熱源側ユニット2の運転状況において、バイパス流量調節弁としての吸入戻し側流量調節弁47の開度をさらに大きくすれば、液冷媒連絡管7を介して利用側ユニット120へと流れる冷媒の量が減り、第1利用側ユニット120aを流れる冷媒の圧力を早期に下げることができる。
(5-2)変形例1B
上記実施形態の空気調和装置1では、冷媒としてR32を用いているが、R32、R1234yf、R1234ze若しくはR744の単一冷媒または該冷媒を含む混合冷媒が用いられる場合は、上記の(3)の冷媒漏洩を検知したときの空気調和装置の制御が特に有効に機能する。
なお、上記R32はジフルオロメタン(HFC-32)であり、R1234yfは2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)であり、R1234zeは1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze)であり、R744は二酸化炭素である。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。