JP5098987B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、室内の冷暖房に使用される装置である。空気調和装置1は、本実施形態において、熱源ユニット2と、複数(ここでは、2つ)の利用ユニット4、5と、熱源ユニット2と利用ユニット4、5とを接続する冷媒連絡管としての第1冷媒連絡管6及び第2冷媒連絡管7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット4、5と、冷媒連絡管6、7とが接続されることによって構成されている。そして、冷媒回路10内には、二酸化炭素が冷媒として封入されており、後述のように、冷媒の臨界圧力を超える圧力まで圧縮され、冷却され、減圧され、加熱・蒸発された後に、再び圧縮されるという冷凍サイクル運転が行われるようになっている。
利用ユニット4、5は、室内等に設置されており、冷媒連絡管6、7を介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
熱源ユニット2は、室外に設置されており、冷媒連絡管6、7を介して利用ユニット4、5に接続されており、利用ユニット4、5の間で冷媒回路10を構成している。
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置1を設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について、図1及び図2を用いて説明する。ここで、図2は、本実施形態における冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。尚、以下に説明する各種運転における制御は、運転制御手段として機能する制御部8(より具体的には、利用側制御部46、56と熱源側制御部33と制御部33、46、56間を接続する伝送線8a)によって行われる。
冷房時は、切換機構22が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が熱源側熱交換器23に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が第2閉鎖弁26に接続された状態となっている。熱源側膨張機構24及び利用側膨張機構41、51は、開度調節されるようになっている。また、閉鎖弁25、26は、開状態にされている。
暖房時は、切換機構22が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が第2閉鎖弁26に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が熱源側熱交換器23に接続された状態となっている。熱源側膨張機構24及び利用側膨張機構41、51は、開度調節されるようになっている。また、閉鎖弁25、26は、開状態にされている。
上述のように、2つの利用ユニット4、5のいずれか一方のみが暖房を行う場合においては、暖房停止中の利用ユニット内における冷媒の流れがなくなることから、暖房停止中の利用ユニットの第2冷媒連絡管7との接続部から利用側膨張機構までの範囲内の冷媒については、その冷媒圧力が、暖房中の利用ユニットと同様、冷凍サイクル運転の高圧側の冷媒圧力(すなわち、図2の点B、Cにおける冷媒圧力とほぼ同じ圧力)になるとともに、その冷媒温度が、暖房停止中の利用ユニットが設置された場所の雰囲気温度や利用側熱交換器の周囲温度に近い温度になる(図2上で言えば、点Bと点Cとを結ぶ線を冷媒温度が低くなる方向に延長した点線L上の状態になる)。尚、図2に示される一点鎖線は、等温線である。そして、暖房停止中の利用ユニット内の冷媒がこのような状態になると、主として、利用側熱交換器内に冷媒が滞留する、いわゆる、冷媒寝込み現象が発生し、暖房停止中の利用ユニット内に滞留する冷媒量(以下、冷媒寝込み量Msとする)が多くなり、冷媒回路10内を循環する冷媒量が不足するおそれがある。そして、冷媒回路10内を循環する冷媒量が不足すると、冷媒を圧縮するための圧縮機21の吐出温度(すなわち、圧縮機吐出温度Td)が過度に上昇してしまい、暖房を継続できなくなってしまう。
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の空気調和装置1では、利用側熱交換器42、52内の冷媒圧力が臨界圧力Pcpを超えており気液二相の状態ではないことから、利用ユニット4、5における冷媒温度及び冷媒圧力から利用ユニット4、5内に存在する冷媒量を演算することが可能であることを利用して、複数の利用ユニット4、5のうち暖房停止中の利用ユニットにおける冷媒温度及び冷媒圧力に基づいて、暖房停止中の利用ユニットの冷媒寝込み量Msを演算し、この演算された冷媒寝込み量Msに応じて、暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の制御を行うことで、暖房停止中の利用ユニットに冷媒が寝込むことによって冷媒回路10内を循環する冷媒量が不足し、圧縮機21の吐出温度が過度に上昇するのを防ぐことができるようになっている。
本実施形態の空気調和装置1では、暖房時における利用側熱交換器42、52の入口側、及び、暖房時における利用側熱交換器42、52の出口側のうちの少なくとも1つに設けられた温度センサ(ここでは、温度センサ44、45、54、55)によって検出された冷媒温度を、冷媒寝込み量Msの演算に用いているため、冷媒寝込み量Msの演算精度を高めることができる。
本実施形態の空気調和装置1では、冷媒寝込み量Msを演算するために使用される暖房停止中の利用ユニットにおける冷媒温度を検出する際に、暖房停止中の利用ユニット内を冷媒が通過するように、暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の制御を行うようにしているため、暖房停止中の利用ユニット内における冷媒の流れを生じさせながら、冷媒寝込み量Msを演算する際に用いられる暖房停止中の利用ユニットにおける冷媒温度を検出できるようになり、冷媒温度の検出精度を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上述の実施形態においては、暖房時における利用側熱交換器42、52の入口側や暖房時における利用側熱交換器42、52の出口側の冷媒温度を冷媒寝込み量Msの演算に使用しているが、利用側熱交換器42、52自体に温度センサを設けている場合には、この利用側熱交換器42、52における冷媒温度を、暖房時における利用側熱交換器42、52の入口側や暖房時における利用側熱交換器42、52の出口側の冷媒温度に代えて、又は、これらの冷媒温度と併用して、冷媒寝込み量Msの演算に使用してもよい。
上述の実施形態においては、2つの利用ユニット4、5が熱源ユニット2に接続された構成に本発明を適用した例を説明したが、さらに多数の利用ユニットを熱源ユニットに接続した構成に本発明を適用してもよい。この場合において、暖房停止中の利用ユニットが複数存在する場合には、暖房停止中の利用ユニットのすべての利用側膨張機構の開度を制御するようにしてもよいし、また、冷媒寝込み量Msが最も大きい利用ユニットの利用側膨張機構の開度を制御するようにしてもよい。
2 熱源ユニット
4、5 利用ユニット
6、7 冷媒連絡管
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 熱源側熱交換器
41、51 利用側膨張機構
42、52 利用側熱交換器
Claims (5)
- 利用側膨張機構(41、51)と利用側熱交換器(42、52)とを含む複数の利用ユニット(4、5)が、圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とを含む熱源ユニット(2)に接続されることによって構成されており、単一冷媒が封入された冷媒回路(10)を有しており、高圧側が冷媒の臨界圧力を超える圧力となる冷凍サイクル運転による暖房動作が可能な空気調和装置において、
前記複数の利用ユニットのうち暖房停止中の利用ユニットにおける冷媒温度及び冷媒圧力に基づいて、前記暖房停止中の利用ユニット内に滞留する冷媒量である冷媒寝込み量を演算し、前記冷媒寝込み量が許容値よりも小さくなるように、前記暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の制御を行う、
空気調和装置(1)。 - 前記冷媒温度は、暖房時における前記利用側熱交換器(42、52)の入口側、暖房時における前記利用側熱交換器の出口側、及び、前記利用側熱交換器のうちの少なくとも1つに設けられた温度センサによって検出される、請求項1に記載の空気調和装置(1)。
- 前記暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構が停止開度である場合には、前記冷媒寝込み量を演算するために使用される前記暖房停止中の利用ユニットにおける冷媒温度を検出する際に、前記暖房停止中の利用ユニット内を冷媒が通過するように、前記暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の制御を行う、請求項2に記載の空気調和装置(1)。
- 前記冷媒寝込み量に応じて行われる前記暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の制御は、圧縮機吐出温度が上限値まで上昇していない場合に行われ、
圧縮機吐出温度が上限値まで上昇した場合には、前記冷媒寝込み量とは無関係に前記暖房停止中の利用ユニットの利用側膨張機構の開度を大きくする制御を行う、
請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和装置(1)。 - 前記単一冷媒は、二酸化炭素である、請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍装置(1)。
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