JP6765974B2 - 多重特異性抗体コンストラクト - Google Patents

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Description

本開示は、特定の多重特異性抗体コンストラクト、そのコンストラクトを含む医薬製剤、コンストラクトをコードするDNAおよびそれを含むベクターに関する。本開示はまた、例えば、宿主細胞において、コンストラクトを発現する方法および医薬組成物としてそれを処方する方法に及ぶ。本開示はまた、多重特異性抗体コンストラクトおよび治療での製剤の使用に関する。
二重特異性抗体を作成するための多くのアプローチがあり、その多くは、Morrisonらによって最初に記載されたフォーマットに基づいており(ColomaおよびMorrison 1997年、Nat Biotechnol. 15、159−163)、全抗体、例えば、IgG、または抗体Fab断片に対する一本鎖可変断片(scFv)の融合を含む、Schoonjansら, 2000、Journal of Immunology、165、7050−7057。
Fab−scFvの場合、そのような二重特異性および三重特異性分子で使用されるscFvのVおよびVドメインは、通常、ペプチドリンカーによって一緒に保持される。しかしながら、VおよびV可変ドメインの特定の組み合わせについて、ペプチドリンカーは、scFvに十分な安定性を付与することができず、可変ドメインの「ゆらぎ(breathing)」および可変ドメインとの無差別な分子間対合をもたらし、したがって、その一本鎖Fv部分を介して多重体を形成する傾向がある。これは、二重特異性分子に関して、図1に示される。
本発明者らは、関連する多重特異性抗体分子を再改変して同等の機能性を有する抗体分子を提供する一方で、発現および/または精製後の多量体化を最小限に抑えるようにした。これは、得られる「モノマー」材料の収率を高めることを容易にし、精製、濃縮よび製剤化後の治療での使用に適した安定性の分子を提供する。
したがって、1つの側面において、
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子が提供される。
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvまたはdsscFvである。
有利なことに、本開示の多重特異性抗体分子は、精製後に見られる凝集の量を最小にし、医薬濃度でコンストラクトの製剤中のモノマーの量を最大にし、保存の際に、経時的に高いモノマーレベルを維持することを含み、例えば、モノマーは、総タンパク質の50%、60%、70%または75%以上、例えば、80%または90%以上、例えば、91、92、93、94、95、96、97、98または99%以上として存在し得る。
本発明の詳細な説明
本明細書中で使用される場合、「多重特異性抗体」は、2以上の結合ドメイン、例えば、2または3の結合ドメインを有する本明細書中で記載されるような抗体分子を指す。
1つの態様において、抗体コンストラクトは、三重特異性抗体である。
本明細書中で使用される場合、「三重特異性抗体」は、3つの抗原結合部位を有する抗体分子を指し、これは、独立して、同じまたは異なる抗原を結合し得る。1つの例において、三重特異性抗体分子は、2つの異なる抗原を結合し、すなわち、2つの結合部位は、同じ抗原を結合し、第3の結合部位は、第2の、異なる抗原を結合する。好ましくは、本発明の三重特異性抗体分子の3つの結合部位は、独立して、3つの異なる抗原を結合する。
1つの態様において、コンストラクトは、二重特異性抗体である。
本明細書中で使用される場合、「二重特異性抗体」は、2つの抗原結合部位を有する分子を指し、これは、同一または異なる抗原を結合し得る。
1つの態様において、ドメインは全て、同一の抗原に結合し、抗原上で同じエピトープを結合すること、または抗原上で異なるエピトープを結合することを含む。
1つの態様において、3つの結合ドメインがあり、3つの結合ドメインのそれぞれは、異なる(区別できる)抗原を結合する。
1つの態様において、3つの結合ドメインがあり、2つの結合ドメインは、同じ抗原を結合し、同じ抗原上で同じエピトープまたは異なるエピトープを結合することを含み、第3の結合ドメインは、異なる(区別できる)抗原を結合する。
本明細書中で使用される場合、「抗原結合部位」は、分子の部分を指し、これは、可変領域の1対、特に、標的抗原と特異的に相互作用する同族対を含む。
本明細書中で使用される場合、結合ドメインは、単一ドメイン抗体、すなわち、可変領域および抗原結合部位を含む。
本明細書中で使用される場合、「特異的に」は、特異的である抗原のみを認識する結合部位または結合ドメイン、または非特異的である抗原と比較して、有意に高い、例えば、5、6、7、8、9、10倍より高い、結合親和性を有する結合部位または結合ドメインを指すことを意図する。
結合親和性は、標準的なアッセイ、例えば、BIAcoreなどの表面プラズモン共鳴によって測定され得る。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、それぞれ、式(I)および(II)の重および軽鎖の二量体として提供され、ここで、V−C部位を一緒に有するV−CH部位は、機能的FabまたはFab’断片を形成する。
は、可変ドメイン、例えば、重鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、重鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、キメラ可変ドメインであり、すなわち、それは、少なくとも2つの種、例えば、ヒトフレームワークおよび非ヒトCDRに由来する成分を含む。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒトである。
は、可変ドメイン、例えば、軽鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、軽鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、キメラ可変ドメインであり、すなわち、少なくとも2つの種、例えば、ヒトフレームワークおよび非ヒトCDRに由来する成分を含む。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒトである。
通常、VおよびVは、一緒に抗原結合ドメインを形成する。1つの態様において、VおよびVは、同族対(cognate pair)を形成する。
本明細書中で使用される場合、「同族対」は、インビボで発生された単一抗体からの可変ドメインの対、すなわち宿主から単離される可変ドメインの自然に生じる対合を指す。したがって、同族対は、VおよびV対である。1つの例において、同族対は、共同的に、抗原を結合する。
本明細書中で使用される場合、「可変領域」は、CDRおよびフレームワーク、特に適切なフレームワークを含む抗体鎖での領域を指す。
本開示で使用される可変領域は、通常、抗体に由来し、これは当該分野で公知の任意の方法によって発生され得る。
本明細書中で使用される場合、「に由来する」は、使用される配列または使用される配列に非常に類似する配列は、抗体の軽または重鎖などの元の遺伝物質から得られたという事実を指す。
本明細書中で使用される場合、「高度に類似」は、その全長に渡って、95%以上類似する、例えば、96、97、98または99%類似するアミノ酸配列を指すことを意図する。
本発明での使用のための可変領域は、本明細書中で上記に記載される場合、VおよびVに関して、任意の適切な供給源からであり得、例えば、完全ヒトまたはヒト化であり得る。
1つの態様において、VおよびVによって形成される結合ドメインは、第1の抗原に特異的である。
1つの態様において、Vによって形成される結合ドメインは、第2の抗原に特異的である。
1つの態様において、Vによって形成される結合ドメインは、第2または第3の抗原に特異的である。
1つの態様において、CHドメインは、抗体重鎖またはその誘導体から自然に発生するドメインである。
1つの態様において、C断片は、軽鎖において、定常κ配列または定常λ配列またはその誘導体である。
本明細書中で使用される場合、自然に発生するドメインの誘導体は、自然に発生する配列中の1、2、3、4または5つのアミノ酸が、置換または欠失されているところを指し、例えば、望ましくない特性を排除するなどしてドメインの特性を最適化することを意図するが、ここで、ドメインを特徴付ける特徴(複数可)は保持される。
1つの態様において、1つ以上の天然のまたは改変された鎖間(すなわち、軽および重鎖間)ジスルフィド結合は、機能的FabまたはFab’断片に存在する。
1つの態様において、「天然の」ジスルフィド結合は、式(I)および(II)のポリペプチド鎖中のCHおよびCの間に存在する。
ドメインが、κまたはλのいずれかに由来する場合、システインを形成する結合のための天然の位置は、ヒトcκおよびcλにおいて214である(Kabat番号第4版1987年)。
CHでシステインを形成するジスルフィド結合の正確な位置は、実際に使用される特定のドメインに依存する。したがって、例えば、ヒトγ−1において、ジスルフィド結合の天然の位置は、位置233に位置する(Kabat番号第4版1987年)。γ2、3、4、IgMおよびIgDなどの他のヒトアイソタイプに対するシステインを形成する結合の位置は公知であり、例えば、ヒトIgM、IgE、IgG2、IgG3について位置127およびヒトIgDおよびIgA2Bの重鎖の位置128である。
任意に、式IおよびIIのポリペプチドのVおよびVの間のジスルフィド結合があってもよい。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性抗体は、CHおよびCの間に自然に生じる同等または対応する位置におけるジスルフィド結合を有する。
1つの態様において、CHを含む定常領域およびCなどの定常領域は、非天然に発生する位置にあるジスルフィド結合を有する。これは、必要な位置(単数)または位置(複数)で、システイン(複数可)をアミノ酸鎖中に導入することによってその分子に改変され得る。この非天然ジスルフィド結合は、CHとCの間に存在する天然のジスルフィド結合に加わる、または代わるものである。天然の位置のシステイン(複数可)は、ジスルフィド架橋を形成することができないセリンなどのアミノ酸によって置換されることができる。
改変されたシステインの導入は、当該分野で公知の任意の方法を使用して実施されることができる。これらの方法は、PCR伸長重複突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発法またはカセット式変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない(一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning(分子クローニング)、Laboratory Manual(研究室マニュアル)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989年;Ausbelら、Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における現在のプロトコル)、Greene Publishing & Wiley−Interscience, NY, 1993年参照)。部位特異的突然変異誘発法キットは、市販されており、例えば、QuikChange(登録商標)Site−Directed Mutagenesisキット(Stratagene, La Jolla, CA)である。カセット式変異誘発は、Wellsら, 1985年, Gene, 34:315−323に基づいて実施されることができる。あるいは、突然変異体は、アニーリング、ライゲーションおよびPCR増幅および重複オリゴヌクレオチドのクローニングによる全遺伝子合成によって作成されることができる。
1つの態様において、CHおよびCの間のジスルフィド結合は、完全に存在せず、例えば、鎖間システインは、セリンなどの別のアミノ酸によって置換され得る。したがって、1つの態様において、分子の機能的Fab断片における鎖間ジスルフィド結合は存在しない。参照により本明細書中に組み込まれるWO2005/003170などの開示は、鎖間ジスルフィド結合なしのFab断片を提供する方法を記載する。
は、dsFv、sdAb、scFv、またはdsscFv、例えば、dsFv、scFvまたはdsscFvを表す。
は、dsFv、sdAb、scFv、またはdsscFv、例えば、dsFv、scFvまたはdsscFvを表す。
1つの態様において、VおよびVは、両方ともdsscFvである。
1つの態様において、VおよびVは、両方ともdsFvである。VおよびVの両方が、dsFvの場合、VまたはV可変ドメインのいずれか一方は、VおよびVと同一である。1つの態様において、VおよびVは、同じV可変ドメインを有する。別の態様において、VおよびVは、同じV可変ドメインを有する。1つの態様において、VおよびV可変ドメインは、VおよびVについて同一である。後者は、いくつかの標的にとって望ましい架橋結合を可能にする。
1つの態様において、VはdsFvであり、VはscFvである。1つの態様において、VはscFvであり、VはdsFvである。1つの態様において、VはdsscFvであり、VはdsFvである。1つの態様において、VはdsFvであり、VはdsscFvである。1つの態様において、VはdsscFvであり、VはscFvである。1つの態様において、VはsdFvであり、VはdsscFvである。1つの態様において、VはscFvではない。1つの態様において、VはscFvではない。1つの態様において、VおよびVの両方はscFvではない。
したがって、1つの側面において、
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子が提供され、
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFvまたはdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、定常領域からのドメイン、例えば、Cκなどの軽鎖定常領域ドメインを表し;
は、dsFvまたはdsscFvを表し;
本明細書中で使用される場合、「一本鎖可変断片」または「scFv」は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含む、またはからなる一本鎖可変断片を指し、これは、VおよびV可変ドメインの間のペプチドリンカーによって安定化される。VおよびV可変ドメインは、任意の適切な配向性であり得、例えば、VのC末端は、VのN末端に結合され得る、またはVのC末端は、VのN末端に結合され得る。
本明細書中で使用される場合、「ジスルフィド安定化一本鎖可変断片」または「dsscFv」は、VおよびV可変ドメインの間のペプチドリンカーによって安定化される一本鎖可変断片を指し、またVおよびVのドメイン間ジスルフィド結合を含む。
本明細書中で使用される場合、「ジスルフィド安定化可変断片」または「dsFv」は、VおよびVの可変ドメインの間のペプチドリンカーを含まず、代わりに、VおよびVの間のドメイン間ジスルフィド結合によって安定化される一本鎖可変断片を指す。
本明細書中で使用される場合、「単一ドメイン抗体」または「sdAb」は、VまたはVまたはVHHなどの単一の単量体可変抗体ドメインからなる抗体断片を指す。
1つの態様において、Vおよび/またはVが、dsFvまたはdsscFvの場合、Vおよび/またはVの可変ドメインVおよびV間のジスルフィド結合は、以下に列挙される残基の2つの間である(文脈が他を示さない限り、Kabat番号付けは、以下の一覧で用いられる)。Kabat番号付けに言及するときは常に、その関連文献は、Kabatら、1987年、米国国立衛生研究所(NIH)、米国のSequences of Proteins of Immunological Interest(免疫学的目的のタンパク質の配列)である。
1つの態様において、ジスルフィド結合は、以下を含む群から選択される位置にある:
・V37+V95C 例えば、Protein Science 6, 781−788 Zhuら(1997年)参照;
・V44+V100 例えば、;Biochemistry 33 5451−5459 Reiterら(1994年);またはJournal of Biological Chemistry Vol. 269 No. 28 pp.18327−18331 Reiterら(1994年);またはProtein Engineering, vol.10 no.12 pp.1453−1459 Rajagopalら(1997年)参照;
・V44+V105 例えば、J Biochem. 118, 825−831 Luoら (1995年)参照;
・V45+V87 例えばProtein Science 6, 781−788 Zhuら(1997年)参照;
・V55+V101 例えばFEBS Letters 377 135−139 Youngら(1995年)参照;
・V100+V50 例えばBiochemistry 29 1362−1367 Glockshuberら(1990年)参照;
・V100b+V49;
・V98+V46 例えばProtein Science 6, 781−788 Zhu ら(1997年)参照;
・V101+V46;
・V105+V43 例えば; Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 90 pp.7538−7542 Brinkmannら(1993年);またはProteins 19, 35−47 Jungら(1994年)参照、
・V106+V57 例えばFEBS Letters 377 135−139 Youngら(1995年)参照
および分子中に位置する可変領域対におけるそれらに対応する位置。
1つの態様において、ジスルフィド結合は、位置V44およびV100の間に形成される。
上記に列記したアミノ酸対は、システインによる置換に寄与する位置にあるので、ジスルフィド結合が形成されることができる。システインは、既知の技術によってこれらの所望の位置に改変されることができる。したがって、1つの態様において、本開示に係る改変されたシステインは、所定のアミノ酸位置での天然の残基が、システイン残基で置換されているところを指す。
改変されたシステインの導入は、当該技術で公知の任意の方法を使用して実施されることができる。これらの方法は、PCR伸長重複突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発法またはカセット式変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない(一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning(分子クローニング)、Laboratory Manual(研究室マニュアル)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989年;Ausbelら、Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における現在のプロトコル)、Greene Publishing & Wiley−Interscience, NY, 1993年参照)。部位特異的突然変異誘発法キットは、市販されており、例えば、QuikChange(登録商標)Site−directed Mutagenesisキット(Stratagene, La Jolla, CA)である。カセット式変異誘発は、Wellsら, 1985年, Gene, 34:315−323に基づいて実施されることができる。あるいは、突然変異体は、アニーリング、ライゲーションおよびPCR増幅および重複オリゴヌクレオチドのクローニングによる全遺伝子合成によって作成されることができる。
したがって、1つの態様において、Vおよび/またはVがdsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVおよび/またはVの可変ドメインVおよびVは、2つのシステイン残基(1つはVに、1つはVにある)の間のジスルフィド結合によって結合され得、ここで、システイン残基の対の位置は、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V100bおよびV49、V98およびV46、V101およびV46、V105およびV43、およびV106およびV57からなる群から選択される。
1つの態様において、Vおよび/またはVがdsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVおよび/またはVの可変ドメインVおよびVは、2つのシステイン残基(1つはVに、1つはVにある)の間のジスルフィド結合によって結合され得、これは、CDRの外側であり、ここで、システイン残基の対の位置は、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V98およびV46、V105およびV43、およびV106およびV57からなる群から選択される。
1つの態様において、VがdsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVは、2つの改変されたシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され、1つは位置V44、もう1つはV100である。
1つの態様において、VがdsFvまたはdsscFvの場合、Vの可変ドメインVおよびVは、2つの改変されたシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され、1つは位置V44、もう1つはVL100である。
1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Xに結合する。
1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Xに結合する。
1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Yに結合する。
1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Yに結合する。
当業者は、Vおよび/またはVがdsFvを表す場合、多重特異性抗体は、XまたはYに結合しない対応する遊離VまたはVドメインをコードする第3のポリペプチドを含むだろうことを理解するだろう。VおよびVは、両方ともdsFvである場合、次に「遊離可変ドメイン」(すなわち、ポリペプチドの残部へのジスルフィド結合を介して結合されるドメイン)は、両方の鎖に共通だろう。したがって、XまたはYを介してポリペプチドに融合されるまたは結合される実際の可変ドメインは、各ポリペプチド鎖で異なってもよいが、それと対にされる遊離可変ドメインは、一般的に互いに同一だろう。
1つの態様において、Xは、結合である。
1つの態様において、Yは、結合である。
1つの態様において、XおよびYの両方は、結合である。
1つの態様において、Xはリンカー、好ましくは、ペプチドリンカー、例えば、タンパク質CHおよびVを結合するのに適したペプチドである。
1つの態様において、Yはリンカー、好ましくは、ペプチドリンカー、例えば、タンパク質CおよびVを結合するのに適したペプチドである。
1つの態様において、XおよびYの両方は、リンカーである。1つの態様において、XおよびYの両方は、ペプチドリンカーである。
本明細書で使用される場合、用語「ペプチドリンカー」は、アミノ酸からなるペプチドを指す。適切なペプチドリンカーの範囲は、当業者に知られているであろう。
1つの態様において、ペプチドリンカーは、長さで50アミノ酸以下、例えば、20アミノ酸以下、例えば、約15アミノ酸以下、例えば、長さで9、10、11、12、13または14アミノ酸である。
1つの態様において、リンカーは、配列1〜67で示される配列から選択される。
1つの態様において、リンカーは、配列番号1または配列番号2で示される配列から選択される。
1つの態様において、Xは、配列SGGGGTGGGGS(配列番号1)を有する。
1つの態様において、Yは、配列SGGGGTGGGGS(配列番号1)を有する。
1つの態様において、Xは、配列SGGGGSGGGGS(配列番号2)を有する。1つの態様において、Yは、配列SGGGGSGGGGS(配列番号2)を有する。
1つの態様において、Xは、配列番号1で与えられる配列を有し、Yは、配列番号2で与えられる配列を有する。
1つの態様において、Xは、配列番号69または70で与えられる配列を有する。1つの態様において、Yは、配列番号69または70で与えられる配列を有する。1つの態様において、Xは、配列番号69で与えられる配列を有し、およびYは、配列番号70で与えられる配列を有する。

(S)は、配列14〜18において任意である。
剛性リンカーの例としては、ペプチド配列GAPAPAAPAPA(配列番号52)、PPPP(配列番号53)およびPPPが挙げられる。
1つの態様において、ペプチドリンカーは、アルブミン結合ペプチドである・
アルブミン結合ペプチドの例は、WO2007/106120で提供され、以下のものが挙げられる:
有利には、リンカーとしてアルブミン結合ペプチドの使用は、多重特異性抗体分子の半減期を増加させ得る。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、例えば、Vの可変ドメインVおよびVを結合するための適切なペプチドがある。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、例えば、Vの可変ドメインVおよびVを結合するための適切なペプチドがある。
1つの態様において、scFvまたはdsscFvにおいて、ペプチドリカーは、長さで約12〜25のアミノ酸、例えば15〜20のアミノ酸の範囲である。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号68)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号68)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号69)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号69)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号70)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号70)を有する。
したがって、1つの側面において、
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子が提供され、
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvまたはdsscFvである。
本開示はまた、本明細書中に開示される配列に80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%類似する配列を提供する。
本明細書中で使用される場合、「同一性」は、アラインされた配列における任意の特定の位置で、アミノ酸残基は、配列間で同一であることを示す。
本明細書中で使用される場合、「類似性」は、アラインされた配列における任意の特定の位置で、アミノ酸残基は、配列の間の類似するタイプのものであることを示す。例えば、ロイシンは、イソロイシンまたはバリンに対して置換され得る。しばしば相互に置換されることができる他のアミノ酸は、次のものが挙げられるが、それらに限定されない:
フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン(芳香族側鎖を有するアミノ酸);
リシン、アルギニンおよびヒスチジン(塩基側鎖を有するアミノ酸);
アスパラギン酸およびグルタミン酸(酸性側鎖を有するアミノ酸);
アスパラギンおよびグルタミン(アミド側鎖を有するアミノ酸);および
システインおよびメチオニン(硫黄含有側鎖を有するアミノ酸)。
同一性および類似性の程度は、容易に計算されることができる(Computational Molecular Biology(計算分子生物学), Lesk, A.M., ed., Oxford University Press、ニューヨーク、1988年;Biocomputing。Informatics and Genome Projects(情報学およびゲノムプロジェクト), Smith, D.W., ed., Academic Press, ニューヨーク、1993年;Computer Analysis of Sequence Data(配列データのコンピュータ分析), Part 1, Griffin, A.M.およびGriffin, H.G., eds., Humana Press, ニュージャージー, 1994年;Sequence Analysis in Molecular Biology(分子生物学における配列分析), von Heinje, G., Academic Press, 1987年, Sequence Analysis Primer(配列分析プライマー), Gribskov, M.およびDevereux, J., eds., M Stockton Press, ニューヨーク、1991年、BNCIから入手可能なBLAST(登録商標)ソフトウェア(Altschul, S.Fら、1990年, J. Mol. Biol. 215:403−410; Gish, W. & States, D.J. 1993年、Nature Genet. 3:266−272. Madden, T.L.ら、1996年、Meth. Enzymol. 266:131−141; Altschul, S.F.ら、1997年, Nucleic Acids Res. 25:3389−3402; Zhang, J. & Madden, T.L. 1997年、Genome Res. 7:649−656,)。
本発明の多重特異性コンストラクトで使用するための抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって作製され得る。
抗原ポリペプチドに対して生じる抗体は、動物の免疫化が必要な場合に、動物、好ましくは、非ヒト動物にポリペプチドを投与することによって、周知で慣習的なプロトコル(例えば、Handbook of Experimental Immunology, D. M. Weir (ed.), Vol 4, Blackwell Scientific Publishers, Oxford, England、1986年参照)を使用して、得られうる。ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ウシ、ラクダまたはブタなどの多くの温血動物が免疫され得る。しかしながら、マウス、ウサギ、ブタおよびラットが、通常最も適している。
モノクロナール抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein, 1975年, Nature, 256:495−497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら 1983年, Immunology Today, 4:72)およびEBVハイブリドーマ技術(Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy(モノクロナール抗体および癌療法), pp77−96, Alan R Liss, Inc., 1985年)など、当該分野で公知の任意の方法によって調製され得る。
抗体はまた、単一リンパ球抗体法を使用して、例えば、Babcook, J.ら、1996年, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(15):7843−78481; WO92/02551; WO2004/051268およびWO2004/106377によって記載される方法によって特定の抗体の生産について選択される単一リンパ球から生じる免疫グロブリン可変領域cDNAをクローニングおよび発現することによって作製され得る。
本開示で使用のための抗体は、当該分野で公知の様々なファージディスプレイ方法を使用して作製されることができ、Brinkmanら(J. Immunol. Methods, 1995年, 182: 41−50)、Amesら(J. Immunol. Methods, 1995年, 184:177−186)、Kettleboroughら(Eur. J. Immunol. 1994年, 24:952−958)、Persicら(Gene, 1997年 187 9−18) Burtonら(Advances in Immunology, 1994年, 57:191−280)およびWO90/02809; WO91/10737; WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;およびUS 5,698,426; 5,223,409; 5,403,484; 5,580,717;5,427,908;5,750,753;5,821,047;5,571,698;5,427,908;5,516,637;5,780,225;5,658,727;5,733,743;5,969,108、およびWO20011/30305によって開示されるものが挙げられる。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性分子は、ヒト化される。
本明細書中で開示されるヒト化抗体(CDR移植抗体を含む)は、非ヒト種からの領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク領域を決定する1つ以上の相補性を有する分子を指す(例えば、US 5,585,089;WO91/09967参照)。全体のCDRよりむしろCDRの残基を決定する特異性を移すことが必要であるにすぎないことが理解されるだろう(例えば、Kashmiriら、2005年、Methods, 36, 25−34参照)。ヒト化抗体は、任意に、CDRが由来した非ヒト種由来の1つ以上のフレームワーク残基をさらに含む。
本明細書中で使用される場合、用語「ヒト化抗体分子」は、重および/または軽鎖が、アクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)の重および/または軽鎖可変領域フレームワーク中に移植されるドナー抗体(例えば、マウスモノクロナール抗体)からの1つ以上のCDR(必要な場合、1つ以上の修飾CDRを含む)を含む抗体分子を指す。総説として、Vaughanら、Nature Biotechnology, 16, 535−539, 1998年参照。1つの態様において、全体のCDRが転写されるよりも、本明細書中で上記に記載されるCDRの任意の1つからの残基を決定する特異性の1つ以上のみが、ヒト抗体フレームワークに転写される(例えば、Kashmiriら、2005年, Methods, 36, 25−34参照)。1つの態様において、本明細書中で上記に記載される1つ以上のCDRからの残基を決定する特異性のみが、ヒト抗体フレームワークに転移される。別の態様において、本明細書中で上記に記載されるCDRのそれぞれからの残基を決定する特異性のみが、ヒト抗体フレームワークに転移される。
CDRまたは特異性決定残基が移植される場合、任意の適切なアクセプターの可変領域フレームワーク配列は、マウス、霊長類およびヒトフレームワーク領域を含む、CDRが由来するドナー抗体のクラス/タイプに関して使用され得る。適切には、本発明に係るヒト化抗体は、ヒトアクセプターフレーム領域並びに本明細書中で提供されるCDRの1つ以上を含む可変ドメインを有する。
本開示で使用されることができるヒトフレームワークの例は、KOL、NEWM、REI、EU、TUR、TEI、LAYおよびPOMである(前記Kabatら)。例えば、KOLおよびNEWMは、重鎖のために使用されることができ、REIは、軽鎖のために使用されることができ、EU、LAYおよびPOMは、重鎖および軽鎖の両方のために使用されることができる。あるいは、ヒト生殖系列配列が使用され得、これらは、http://www2.mrc-lmb.cam.ac.uk/vbase/list2.phpで利用できる。
本開示のヒト化抗体分子において、アクセプターの重および軽鎖は、同じ抗体に由来することが必ずしも必要ではなく、所望であれば、異なる鎖に由来するフレームワーク領域を有する複合鎖を含み得る。
フレームワーク領域は、アクセプター抗体の配列と全く同じ配列を有する必要はない。例えば、異常な残基は、そのアクセプター鎖のクラスまたはタイプのより頻繁に生じる残基に変化され得る。あるいは、アクセプターフレームワーク領域で選択された残基は、それらがドナー抗体中の同じ位置で検出される残基に相当するように変更され得る(Reichmannら、1998年、Nature, 332, 323−324参照)。そのような変化は、ドナー抗体の親和性を回復するのに必要な最小限に保たれるべきである。変更される必要のあるアクセプターフレームワーク領域中の残基を選択するためのプロトコルは、WO91/09967に記載される。
フレームワークの誘導体は、代替アミノ酸、例えば、ドナー残基で置換される1,2、3または4つのアミノ酸を有し得る。
ドナー残基は、ドナー抗体からの残基、すなわち、CDRがもともと由来する抗体である。ドナー残基は、ヒト受容体フレームワーク(アクセプター残基)に由来する適切な残基で置換され得る。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体は、完全にヒトであり、特に、可変ドメインの1つ以上は、完全にヒトである。
完全なヒト分子は、重および軽鎖の両方の可変領域および定常領域(存在する場合)が、全てヒト起源であるか、または必ずしも同じ抗体からではない、ヒト起源の配列に実質的に同一のものである。完全ヒト抗体の例としては、例えば、上記のファージディスプレイ方法によって生産される抗体、およびマウス免疫グロブリン可変および任意に定常領域遺伝子がそれらのヒト対応物、例えば、EP0546073、US5,545,806、US5,569,825、US5,625,126、US5,633,425、US5,661,016、US5,770,429、EP 0438474およびEP0463151において、一般的用語で記載されるようなものによって置換されているマウス産生抗体が挙げられる。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、目的の2つ、3つ以上の異なる抗原を選択的に結合することができる。
1つの態様において、V/V、またはVまたはVによって形成される抗原結合ドメインによって結合される目的の抗原は、独立して、細胞関連タンパク質、例えば、細菌細胞、酵母細胞、T細胞、B細胞、内皮細胞または腫瘍細胞、および可溶性タンパク質などの細胞上の細胞表面タンパク質から選択される。
目的の抗原はまた、疾患または感染中に上方調節されるそれらのタンパク質、例えば、受容体および/またはそれらの対応するリガンドなどの任意の医学的に関連するタンパク質であり得る。抗原の特定の例としては、T細胞またはB細胞シグナル伝達受容体、共刺激分子、チェックポイント阻害剤、ナチュラルキラー細胞受容体、免疫グロブリン受容体、TNFRファミリー受容体、B7ファミリー受容体、接着分子、インテグリン、サイトカイン/ケモカイン受容体、GPCR、成長因子受容体、キナーゼ受容体、組織特異性抗原、癌抗原、病原体認識受容体、補体受容体、ホルモン受容体または可溶性分子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、ロイコトリエン、成長因子、ホルモンまたは酵素またはイオンチャネル、エピトープ、それらの断片および翻訳後修飾フォームなどの細胞表面受容体が挙げられる。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、目的の抗原(複数可)の活性を機能的に変化させるために使用され得る。例えば、抗体融合タンパク質は、前記抗原の活性を直接的または間接的に中和、拮抗または作動させ得る。
1つの態様において、VおよびVは、同じ抗原に特異的であり、例えば、その中の同じまたは異なるエピトープを結合する。1つの態様において、Vは、ヒト血清アルブミンに特異的である。1つの態様において、Vは、ヒト血清アルブミンに特異的である。1つの態様において、VおよびVは、2つの異なる抗原に特異的である。
1つの態様において、VおよびVは、同じ抗原、例えば、同じ抗原上の同じまたは異なるエピトープに特異的である。
1つの態様において、V/VまたはVまたはVによって結合される目的の抗原は、補体経路活性化および/またはエフェクター細胞補充などの、エフェクター機能を補充する能力を提供する。
エフェクター機能の補充は、エフェクター機能が細胞に関連し、前記細胞がその表面に補充分子を有するという点で、直接的であり得る。間接的補充は、補充ポリペプチドに対する本開示に係る分子における抗原結合ドメイン(VまたはVなど)への抗原の結合は、例えば、次に、直接的または間接的にエフェクター機能を補充しうる、またはシグナル伝達経路の活性化によるものであってもよい因子の放出を引き起こす場合に、起こりうる。例としては、IL2、IL6、IL8、IFNγ、ヒスタミン、C1q、オプソニンおよびC2、C4、C3コンバターゼ、C5〜C9などの古典的および代替補体活性化カスケードの他のメンバーが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「補充ポリペプチド」は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIなどのFcγR、C1qおよびC3、CDマーカータンパク質(分化マーカーのクラスター)または直接的または間接的に細胞媒介エフェクター機能を補充する能力を保持するその断片などの補体経路たんぱく質が挙げられるが、それらに限定されない。補充ポリペプチドはまた、エフェクター機能を有するIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgEおよびIgAなどの免疫グロブリン分子が挙げられる。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性抗体分子中の抗原結合ドメイン(VまたはVまたはV/Vなど)は、補体経路タンパク質に特異性を有し、C1qが特に好ましい。
さらに、本開示の多重特異性抗体分子は、核種キレート化剤タンパク質に結合する単一ドメイン抗体により放射性核種をキレート化するために使用され得る。そのような融合タンパク質は、イメージングまたは治療への放射性核種ターゲティグアプローチでの使用である。
1つの態様において、本開示に係る分子内での抗原結合ドメイン(VまたはVまたはV/Vなど)は、血清担体タンパク質、循環免疫グロブリン分子、またはCD35/CR1に特異性を有し、例えば、前記血清担体タンパク質、循環免疫グロブリン分子またはCD35/CR1に結合することによって、目的の前記抗原に対する特異性を有する抗体断片に延長した半減期を提供する。
本明細書中で使用される場合、「血清担体タンパク質」としては、チロキシン結合タンパク質、トランスサイレチン、α1酸糖タンパク質、トランスフェリン、フィブリノゲンおよびアルブミン、またはその任意の断片が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「循環免疫グロブリン分子」としては、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、sIgA、IgMおよびIgD、またはその任意の断片が挙げられる。
CD35/CR1は、36日の半減期を有する赤血球上に存在するタンパク質である(28〜47日の通常の範囲:Lanaroら、1971年、Cancer, 28(3):658−661)。
1つの態様において、V/Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清アルブミンなどのヒト血清担体のような血清担体タンパク質である。
1つの態様において、Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清アルブミンなどのヒト血清担体のような血清担体タンパク質である。
1つの態様において、Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清アルブミンなどのヒト血清担体のような血清担体タンパク質である。
1つの態様において、V/V、VまたはVの1つのみが、ヒト血清アルブミンなどのヒト血清担体のような血清担体タンパク質に特異性を有する。
1つの態様において、本開示のコンストラクト中の結合部位は、6つのCDR、例えば、CDRH1のための配列番号71、CDRH2のための配列番号72、CDRH3のための配列番号73、CDRL1のための配列番号74、CDRL2のための配列番号75およびCDRL3のための配列番号76を含む。
1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置V/Vにある。1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置Vにある。1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置Vにある。1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置VおよびVにある。1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置V/VおよびVにある。1つの態様において、前記6つのCDR配列番号71〜76は、本開示のコンストラクト中の位置V/VおよびVにある。
1つの態様において、本開示のコンストラクト中のアルブミン結合部位は、配列番号77および配列番号78から選択される重鎖可変ドメインおよび配列番号79および配列番号80から選択される軽鎖可変ドメイン、特に、それぞれ、重および軽鎖について配列番号77および79または配列番号78および80を含む。1つの態様において、これらのドメインは、本開示のコントラクトにおいて、位置V/Vにある。1つの態様において、これらの可変ドメインは、位置Vにある。1つの態様において、これらの可変ドメインは、位置Vにある。1つの態様において、これらの可変ドメインは、位置VおよびVにある。1つの態様において、これらの可変ドメインは、本開示のコンストラクトにおいて、位置V/VおよびVにある。可変ドメインが、本開示のコンストラクト中の2つの位置にある場合、可変ドメインの同じ対は、各位置にあり得る、または可変ドメインの2つの異なる対が使用され得る。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、標的抗原または抗原(複数)に対する改善された親和性を提供するように処理される。そのような変異体は、CDRを変異すること(Yangら J. Mol. Biol., 254, 392−403, 1995年)、鎖シャッフリング(Marksら Bio/Technology, 10, 779−783, 1992年)、大腸菌(E. coli)の突然変異誘発株の使用(Lowら, J. Mol. Biol., 250, 359−368, 1996年)、DNAシャッフリング(Pattenら, Curr. Opin. Biotechnol., 8, 724−733, 1997年)、ファージディスプレイ(Thompsonら, J. Mol. Biol., 256, 77−88, 1996年)および性的PCR(Crameriら Nature, 391, 288−291, 1998年)を含むいくつかの親和性成熟プロトコルによって得られることができる。Vaughanらは、親和性成熟のこれらの方法を議論している。
この文脈において、本明細書中で使用される場合、改善された親和性は、出発分子を超える改善を指す。
所望の場合、本開示で使用のための多重特異性抗体コンストラクトは、1つ以上のエフェクター分子(複数可)に結合され得る。エフェクター分子は、本発明の抗体に結合されることができる単一の部分を形成するように結合された単一エフェクター分子または2つ以上そのような分子を含み得ることが理解されるだろう。エフェクター分子に結合される抗体断片を得ることが望ましい場合、これは、抗体断片が、直接またはエフェクター分子へのカップリング剤を介して結合される標準化学的または組換えDNA手順によって調製され得る。そのようなエフェクター分子を抗体に結合させるための技術は、当該技術分野において周知である(HellstromらControlled Drug Delivery, 第2版, Robinsonら, 1987年, pp. 623−53; Thorpeら 1982年, Immunol. Rev., 62:119−58およびDubowchikら 1999年、PharmacologyおよびTherapeutics, 83, 67−123参照)。特定の化学的手順は、例えば、WO93/06231、WO92/22583、WO89/00195、WO89/01476およびWO03031581で記載されるものが挙げられる。あるいは、エフェクター分子は、タンパク質またはポリペプチドである場合、例えば、WO86/01533およびEP0392745で記載されるように、リンケージは、組換えDNA手順を使用して達成され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「エフェクター分子」としては、例えば、生物学的に活性なタンパク質、例えば、酵素、他の抗体または抗体断片、合成または天然発生ポリマー、核酸およびその断片、例えば、DNA,RNAおよびその断片、放射性核種、特に、放射性ヨウ素、放射性同位元素、キレート化金属、ナノ粒子および蛍光化合物またはNMRまたはESR分光法によって検出され得る化合物などのレポーター基が挙げられる。
他のエフェクター分子としては、111Inおよび90Y、Lu177、ビスマス213、カリホルニウム252、イリジウム192およびタングステン188/レニウム188などのキレート化放射性核種;またはアルキルホスホコリン、トポイソメラーゼI阻害剤、タキソイドおよびスラミンなどの薬物が挙げられるが、それらに限定されない。
他のエフェクター分子は、タンパク質、ペプチドおよび酵素を含む。目的の酵素としては、タンパク質分解酵素、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、トラスフェラーゼが挙げられるが、それらに限定されない。目的のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドとしては、免疫グロブリン、アブリン、リシンA、シュードモーナス外毒素、またはジフテリア毒素などの毒、インスリン、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子又は組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質、血栓剤または抗血管新生剤、例えば、アンギオテンシンまたはエンドスタチン、またはリンホカイン、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、神経成長因子(NGF)または他の成長因子および免疫グロブリンなどの生物学的応答修飾物質が挙げられるが、それらに限定されない。
他のエフェクター分子は、例えば診断において有用な検出可能な物質を含みうる。検出可能な物質の例としては、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性核種、陽電子放出金属(陽電子放出断層撮影に使用するため)、および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。診断薬として使用するために抗体に結合されることができる金属イオンについては、一般的に、US4,741,900を参照されたい。適切な酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータガラクシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子族としては、ストレプトアビジンおよびビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルレセイン、ダンシルクロリドおよびフィコエリトリンが挙げられ;適切な発光物質としては、ルミノールが挙げられ;適切な生物発光物質としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ;および適切な放射性核種としては、125I、131I、111Inおよび99Tcが挙げられる。
別の態様において、エフェクター分子は、インビボで抗体の半減期を増加させ、および/または抗体の免疫原性を低下させ、および/または免疫系に対する上皮バリアを通る抗体の送達を増強しうる。このタイプの適切なエフェクター分子の例としては、ポリマー、アルブミン、WO05/117984に記載されているようなアルブミン結合タンパク質またはアルブミン結合化合物が挙げられる。
エフェクター分子がポリマーである場合、それは、一般的に、合成または自然に発生するポリマー、例えば、任意に置換された直鎖または分枝鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレンまたはポリオキシアルキレンポリマーまたは分枝または非分枝多糖類、例えば、ホモ−またはヘテロ−ポリサッカライドであり得る。
上記合成ポリマーに存在し得る特定の任意の置換基は、1つ以上の水酸基、メチル基またはメトキシ基を含む。
合成ポリマーの特定の例としては、任意に置換された直鎖または分枝鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)またはその誘導体、特に、メトキシポリ(エチレングリコール)またはその誘導体など任意に置換されたポリ(エチレングリコール)が挙げられる。
特定の自然に生じるポリマーとしては、ラクトース、アミロース、デキストラン、グリコーゲンまたはそれらの誘導体が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「誘導体」は、反応性誘導体、例えば、マレイミドなどのようなチオール選択的反応性基を含むことが意図される。反応性基は、ポリマーに直接またリンカーセグメントを介して結合され得る。そのような基の残基は、場合によっては、抗体断片およびポリマーの間の結合基として生成物の一部を形成するだろうことが理解されるだろう。
ポリマーのサイズは、所望の場合、変えることができ、一般的に、500Da〜50000Da、例えば、20000Da〜40000Daなど5000Da〜40000Daの平均分子量範囲であるだろう。ポリマーサイズは、特に、生成物の意図される使用、例えば、腫瘍などの特定の組織に局在するか、または循環半減期を延長する能力に基づいて選択され得る(レビューのために、Chapman, 2002, Advanced Drug Delivery Reviews, 54, 531−545参照)。したがって、例えば、生成物が循環を離れて、組織に浸透することが意図される場合、例えば、腫瘍の治療での使用のために、例えば、約5000Daの分子量を有する低分子量ポリマーを使用することが有利であり得る。生成物が、循環中に留まる用途では、例えば、20000Da〜40000Daの範囲の分子量を有する、より高い分子量を使用することが有利であり得る。
適切なポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)または、特に、メトキシポリ(エチレングリコール)またはその誘導体、および特に、約15000Da〜約40000Daの範囲の分子量を有するなどのポリアルキレンポリマーが挙げられる。
1つの態様において、本開示で使用のための抗体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分に結合される。1つの特定の例において、抗体は、抗体断片であり、PEG分子は、抗体断片に位置する任意の利用可能なアミノ酸側鎖または末端アミノ酸官能基、例えば、任意の遊離アミノ、イミノ、チオール、水酸基またはカルボキシル基であり得る。そのようなアミノ酸は、抗体断片中で自然に生じ得る、または組換えDNA法を使用して断片中に改変され得る(例えば、US5,219,996;US 5,667,425; WO98/25971、WO2008/038024参照)。1つの態様において、本発明の抗体分子は、修飾Fab断片であり、ここで、その修飾は、エフェクター分子の結合を可能にするためのその重鎖のC末端への1つ以上のアミノ酸の追加である。適切には、追加のアミノ酸は、エフェクター分子が結合し得る1つ以上のシステイン残基を含む修飾されたヒンジ領域を形成する。複数の部位は、2つ以上のPEG分子を結合するために使用されることができる。
適切には、PEG分子は、抗体断片に位置する少なくとも1つのシステイン残基のチオール基を介して共有結合される。修飾抗体断片に結合した各ポリマー分子は、断片に位置するシステイン残基の硫黄原子に共有結合され得る。共有結合は、一般的に、ジスルフィド結合、または特に、硫黄−炭素結合であるだろう。チオール基が結合点として適切に使用される場合、活性化されるエフェクター分子、例えば、マレイミドおよびシステイン誘導体などのチオール選択的誘導体が使用され得る。活性化されたポリマーは、上記のようなポリマー修飾抗体断片の調製で、出発物質として使用され得る。活性化されたポリマーは、α−ハロカルボン酸またはエステル、例えば、ヨードアセトアミド、イミド、例えば、マレイミド、ビニルスルホンまたはジスルフィドなどのチオール反応性基を含む任意のポリマーであってもよい。そのような出発物質は、商業的に得られうる(例えば、Nektar、以前は、Shearwater Polymers Inc., Huntsville, AL, USAから)、または従来の化学的手順を使用して市販の出発物質から調製され得る。特定のPEG分子は、20Kメトキシ−PEG−アミン(Nektar、以前は、Shearwater; Rapp Polymere;およびSunBioから入手可能)およびM−PEG−SPA(Nektar、以前は、Shearwaterから入手可能)を含む。
1つの態様において、分子中のF(ab’)、FabまたはFab’は、PEG化され、すなわち、PEG(ポリ(エチレングリコール))を共有結合させており、例えば、EP0948544またはEP1090037で開示される方法に従う[また「Poly(ethyleneglycol) Chemistry, Biotechnical and Biomedical Applications(ポリ(エチレングリコール)化学、バイオ技術的および生物医学的適用)」、1992年, J. Milton Harris (ed)、Plenum Press, New York,、「Poly(ethyleneglycol) Chemistry and Biological Applications(ポリ(エチレングリコール)化学、および生物学的適用)」、1997年, J. Milton HarrisおよびS. Zalipsky (eds), American Chemical Society, Washington DCおよび「Bioconjugation Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences(生物医科学のためのバイオコンジュゲーションタンパク質のカップリング技術)」、1998年, M. AslamおよびA. Dent, Grove Publishers, New York; Chapman, A. 2002, Advanced Drug Delivery Reviews 2002, 54:531−545参照]。1つの態様において、PEGは、ヒンジ領域のシステインに結合される。1つの例において、PEG修飾Fab断片は、修飾ヒンジ領域において単一のチオール基に共有結合するマレイミド基を有する。リジン残基は、マレイミド基に共有結合されてもよく、リジン残基上のアミノ基のそれぞれは、約20,000Daの分子量を有するメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーに結合され得る。したがって、Fab断片に結合したPEGの総分子量は、約40,000Daであり得る。
特定のPEG分子として、PEG2MAL40K(Nektar、以前は、Shearwaterから入手可能)としても知られる、N,N’−ビス(メトキシポリ(エチレングリコール)分子量20,000修飾リジンの2−[3−(N−マレイミド)プロピオンアミド]エチルアミド)が挙げられる。
PEGリンカーの代替供給源は、GL2−400MA2(ここで、以下の構造中のmは、5である)およびGL2−400MA(ここで、mは2である)を供給するNOFを含み、nは、約450である:

すなわち、各PEGは、約20,000Daである。
さらに、以下のタイプの代替PEGエフェクター分子は、Dr Reddy、NOFおよびJenkemから入手可能である:
1つの態様において、PEG化され(例えば、本明細書中に記載されるPEGと一緒に)、(連続した番号付けによる)鎖中のアミノ酸226またはその周囲で、例えば重鎖のアミノ酸226で、システインアミノ酸残基を介して結合される抗体分子を供給する。
1つの態様において、本開示の分子をコードするポリヌクレオチド配列、例えば、DNA配列を提供する。
1つの態様において、例えば、以下の本開示の分子の2以上、または3以上のポリペプチド成分など、1つ以上をコードするポリヌクレオチド配列を提供する:
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvまたはdsscFvである。
1つの態様において、DNAなどのポリヌクレオチドは、ベクター中に含まれる。
当業者は、Vおよび/またはVがdsFvを表す場合、多重特異性抗体は、XまたはYに結合しない相当する遊離VまたはVをコードする第3のポリペプチドを含むことを理解するだろう。したがって、本発明の多重特性タンパク質は、1以上、2以上または3以上のポリヌクレオチドによってコードされ得、これらは、1以上のベクター中に組み込まれ得る。
ベクターが構築され得る一般的な方法、トランスフェクション方法および培養方法は、当業者に周知である。これに関しては、「Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における最新のプロトコル)」、1999年, F. M. Ausubel (ed), Wiley Interscience, New YorkおよびCold Spring Harbor Publishingによって製造されたManiatis Manual(マニアティスマニュアル)を参照されたい。
また、本発明の多重特異性タンパク質をコードする1以上のDNA配列を含む1以上のクローニングまたは発現ベクターを含む宿主細胞も提供する。任意の適切な宿主細胞/ベクター系は、本発明の抗体分子をコードするDNA配列の発現のために使用され得る。細菌、例えば、大腸菌および他の微生物系が使用されてもよく、または真核生物、例えば、哺乳動物、宿主細胞発現系を使用してもよい。適切な哺乳動物宿主細胞は、CHO、骨髄腫、NSO骨髄腫細胞およびSP2細胞、COS細胞またはハイブリドーマ細胞を含む。
本開示はまた、本発明の多重特異性タンパク質をコードするDNAからのタンパク質の発現を導き、多重特異性タンパク質を単離するのに適した条件下で、本発明のベクターを含む宿主細胞を培養することを含む本開示による多重特異性タンパク質の生産のためのプロセスを提供する。
重および軽鎖の両方を含む生成物の生産のために、細胞株は、軽鎖ポリペプチドをコードする第1のベクターおよび重鎖ポリペプチドをコードする第2のベクターの2つのベクターでトランスフェクトされ得る。あるいは、単一ベクターを使用してもよく、ベクターは、軽鎖および重鎖ポリペプチドをコードする配列を含む。1つの例において、細胞株は、2つのベクターでトランスフェクトされ得、それぞれが、本発明の抗体分子のポリペプチド鎖をコードする。Vおよび/またはVはがdsFvである場合、細胞株は、3つのベクターでトランスフェクトされ得、それぞれが、本発明の多重特異性タンパク質のポリペプチド鎖をコードする。
1つの態様において、細胞株は、
a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
から選択される異なるポリペプチドを各々がコードする2つのベクターでトランスフェクトされ、
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
は、軽鎖可変ドメインを表し;
は、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、scFvまたはdsscFvを表し;
ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvまたはdsscFvである。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがYに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがYに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VおよびVの両方がdsFvであり、VのVドメインがYに結合され、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株はVおよびVの両方の共通のVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VおよびVの両方がdsFvであり、VのVドメインがYに結合され、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株はVおよびVの両方の共通のVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
宿主細胞中にトランスフェクトされる各ベクターの比率は、多重特異性抗体生成物の発現を最適化するために変えることができることが理解されるだろう。1つの態様において、2つのベクターが使用される場合、ベクターの比は1:1であってもよい。1つの態様において、3つのベクターが使用される場合、ベクターの比は1:1:1であってもよい。当業者は、トランスフェクション後のタンパク質発現レベルの日常的な試験に最適な比を見つけることができることが理解されるだろう。代わりにまたは加えて、各ベクターからの多重特異性コンストラクトの各ポリペプチド鎖の発現のレベルは、同じまたは異なるプロモーターを使用することによって制御され得る。
ポリペプチド成分の2つ以上または、存在する場合3つは、単一ベクターでポリヌクレオチドによってコードされ得ることが理解されるだろう。また、ポリペプチド成分の2つ以上、特に3つ以上が、単一ベクターでポリヌクレオチドによってコードされる場合、各ポリペプチド成分の相対的発現は、本開示のポリペプチド成分をコードする各ポリヌクレオチドに対して異なるプロモーターを利用することによって変えることができることが理解されるだろう。
1つの態様において、ベクターは、単一プロモーターの制御下で、本発明の多重特異性抗体分子の2つ、または存在する場合3つのポリペプチド鎖をコードする単一ポリヌクレオチド配列を含む。
1つの態様において、ベクターは、本開示の多重特異性抗体分子の2つ、または、存在する場合3つのポリペプチド鎖をコードする単一のポリヌクレオチド配列を含み、ここで、各ポリペプチド鎖をコードする各ポリヌクレオチド配列は、異なるプロモーターの制御下にある。
本開示に係る多重特異性タンパク質は、宿主細胞からの良好なレベルで発現される。したがって、抗体および/または断片の特性は、最適化され、商業的処理につながるようである。
有利には、本開示の多重特異性抗体分子は、精製後に見られる凝集の量を最小化し、医薬濃度でコンストラクトの製剤中のモノマーの量を最大化し、例えば、モノマーは、総タンパク質の50%、60%、70%または75%以上、80または90%以上など、91、92、93、94、95、96、97、98または99%以上などとして存在し得る。1つの例において、本開示の多重特異性抗体分子の精製されたサンプルは、4℃で28日の保存後、98%または99%より大きい単量体のままである。1つの例において、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中5mg/mlで本開示の多重特異性抗体分子の精製されたサンプルは、4℃で28日の保存後、98%より大きい単量体のままである。
本開示の抗体分子およびそれを含む組成物は、治療、例えば、病理学的状態の治療および/または予防で有用である。
本開示はまた、薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体の1つ以上と組み合わせて本開示の抗体分子を含む医薬組成物または診断用組成物を提供する。したがって、特に本明細書中に開示される適用のために、治療での使用および医薬の製造のための本開示の抗体の使用を提供する。
組成物は、通常、薬学的に許容可能な担体を含む滅菌した医薬組成物の一部として供給されるだろう。本開示の医薬組成物は、薬学的に許容可能なアジュバントをさらに含み得る。
本開示はまた、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体と一緒に本開示の抗体分子を添加および混合することを含む医薬組成物または診断用組成物の調製のための方法を提供する。
抗体分子は、医薬組成物または診断用組成物中の唯一の活性成分であってもよく、または他の抗体成分、例えば、抗IL−1β、抗T細胞、抗IFNγまたは抗LPS抗体、またはキサンチンなどの非抗体成分を含む他の活性成分を伴ってもよい。他の適切な活性成分として、耐性を誘導することができる抗体、例えば、抗CD3または抗CD4抗体が挙げられる。
さらなる態様において、本開示に係る抗体、断片または組成物は、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。
医薬組成物は、本発明の抗体分子の治療有効量を適切に含む。本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は、標的の疾患または状態を治療、改善または予防するため、または検出可能な治療または予防効果を示すために必要な治療剤の量を指す。任意の抗体について、治療有効量は、細胞培養アッセイまたは動物モデルのいずれかで、通常げっ歯類、ウサギ、イヌ、ブタまたは霊長類で最初に推定されることができる。動物モデルはまた、適切な濃度範囲および投与経路を決定するために使用され得る。次に、そのような情報は、ヒトにおける投与のために有用な用量および投与経路を決定するために使用されることができる。
ヒト対象に対する正確な治療有効量は、疾患状態の重篤度、対象の一般的な健康状態、対象の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬物の組み合わせ(複数可)、反応感受性および治療に対する耐性/応答に依存するだろう。この量は、日常的な実験によって決定されることができ、臨床医の判断の範囲内である。一般的には、治療有効量は、0.01mg/kg〜50mg/kg、例えば、0.1mg/kg〜20mg/kgであるだろう。あるいは、用量は、1日当たり1〜500mg、例えば、1日当たり10〜100、200、300または400mgであり得る。医薬組成物は、本発明の活性剤の所定量を含む単位用量フォームで従来通り提供されうる。
組成物は、患者に個々に投与されてもよく、または他の薬剤、薬物またはホルモンと組み合わせて(例えば、同時に、連続してまたは別々に)投与されてもよい。
本開示の抗体分子が投与される用量は、治療される状態の性質、存在する炎症の程度および抗体分子が予防的にまたは既存の状態を治療するために使用されているか否かに依存する。
投与の頻度は、抗体分子の半減期およびその効果の持続時間に依存するだろう。抗体分子が短い半減期(例えば、2〜10時間)を有する場合、1日に1回以上の投与を与えることが必要であり得る。あるいは、抗体分子が長い半減期(例えば、2〜15日)を有する場合、1日1回、1週間に1回、または1、2ヶ月ごとに1回の投与のみで足り得る。
薬学的に許容可能な担体は、組成物を受ける個体に有害な抗体の生産を誘導すべきではなく、有害であってはならない。適切な担体は、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子などの大きく、ゆっくり代謝される巨大分子であってもよい。
薬学的に許容可能な塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩および硫酸塩などの鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩などの有機酸の塩を使用することができる。
治療組成物中の薬学的に許容可能な担体は、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールなどの液体をさらに含み得る。さらに、湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝物質などの補助物質は、そのような組成物中に存在し得る。そのような担体は、患者による摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリーおよび懸濁液として処方される医薬組成物を可能にする。
投与のための適切なフォームは、例えば、注射または注入によって、例えば、ボーラス注入法または連続注入による適切な非経口投与のフォームを含む。生成物が注射または注入用である場合、油性または水性賦形剤中の懸濁液、溶液または乳濁液のフォームをとってもよく、懸濁剤、保存剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含み得る。あるいは、抗体分子は、適切な滅菌液体との使用前の再構成のために、乾燥フォームであり得る。
処方されると、本発明の組成物は、対象に直接投与されることができる。治療される対象は、動物であることができる。しかしながら、1つ以上の態様において、組成物は、ヒト対象への投与のために適合される。
1つの態様において、本開示に係る製剤において、最終製剤のpHは、抗体または断片の等電点の値に類似せず、製剤のpHが7である場合、8〜9またはそれ以上のpIが適切であり得る。理論に縛られることを望まないが、これは、最終的に、改善された安定性を有する最終製剤を提供し得ることが考えられ、例えば、抗体または断片が溶液中に残ったままである。
本開示の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、経皮的(例えば、WO98/20734参照)、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下、膣内または直腸経路を含む任意の多くの経路によって投与され得るが、それらに限定されない。皮下噴霧器はまた、本発明の医薬組成物を投与するために使用され得る。典型的には、治療用組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製され得る。注射前の液体賦形剤中の溶液、または懸濁液に適した固体フォームはまた、調製され得る。好ましくは、本発明の抗体分子は、皮下、吸入または局所投与される。
組成物の直接送達は、一般的に、注射、皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内によって達成され、または組織の間質腔に送達される。組成物はまた、目的の特定の組織中に投与されることができる。投薬治療は、単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールであってもよい。
組成物中の活性成分は、抗体分子であることが理解されるだろう。このように、消化管における分解を受けやすいだろう。したがって、組成物が、消化管を使用する経路によって投与される場合、組成物は、分解から抗体を保護するが、消化管から吸収された後に抗体を放出する薬剤を含む必要があるだろう。
薬学的に許容可能な担体の徹底的な議論は、Remington‘s Pharmaceutical Sciences(Remingtonの薬学)(Mack Publishing Company, N.J. 1991年)で利用可能である。
1つの態様において、製剤は、吸入を含む局所投与のための製剤として提供される。
適切な吸入可能な製剤は、吸入可能な粉末、噴射剤ガスを含む計量エアロゾルまたは噴射剤ガスを含まない吸入可能な溶液(噴霧可能な溶液または懸濁液など)を含む。活性物質を含む本開示に係る吸入可能な粉末は、上記活性物質単独または生理学的に許容可能な賦形剤との上記活性物質の混合物からなり得る。
これらの吸入可能な粉末は、単糖類(例えば、グルコースまたはアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖および多糖類(例えば、デキストラン)、ポリアルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)または互いにこれらの混合物を含み得る。単糖類または二糖類は、好適に使用され、ラクトースまたはグルコースの使用は、特に限定されないが、それらの水和物のフォームで使用される。
肺での沈着のための粒子は、10ミクロン未満、1〜9ミクロン、例えば0.1〜5μm、特に1〜5μmなどを必要とする。活性剤(抗体または抗体断片など)の粒径は、最も重要である。
吸入可能なエアロゾルを調製するために使用されることができる噴霧ガスは、当該技術分野において公知である。適切な噴霧ガスは、n−プロパン、n−ブタンまたはイソブタンなどの炭化水素またはメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタンの塩化および/またはフッ素化誘導体などのハロ炭化水素の間から選択される。上記の噴霧ガスは、それら自体またはその混合物で使用され得る。
特に、適切な噴霧ガスは、TG 11、TG 12、TG 134aおよびTG227の間から選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。上記のハロゲン化炭化水素のうち、TG 134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびTG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)およびそれらの混合物が特に適している。
噴霧ガス含有吸入可能なエアロゾルはまた、共溶媒、安定剤、界面活性剤(surface−active agents、surfactant)、抗酸化剤、潤滑剤およびpH調整手段などの他の成分を含み得る。全てのこれらの成分は、当該分野で公知である。
本発明に係る噴霧ガス含有吸入可能なエアロゾルは、活性物質の重量で5%までを含み得る。本発明に係るエアロゾルは、例えば、活性の0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%または0.5〜1重量%を含む。
あるいは、肺への局所投与は、液体溶液または懸濁製剤の投与によってであり得、例えば、圧縮機に接続される噴霧器(例えば、Pari Respiratory Equipment, Inc., Richmond, Vaによって製造されるPari Master(登録商標)圧縮機に接続されるPari LC−Jet Plus(登録商標)噴霧器)などのデバイスを使用する。
1つの態様において、製剤は、噴霧による送達のための単位用量を含む別個のアンプルとして提供される。
1つの態様において、抗体は、凍結乾燥のフォームで、再構成のためにまたは懸濁液製剤として代わりに供給される。
本開示の抗体は、例えば、溶液または懸濁液のフォームで、溶媒中に分散されて送達されることができる。適切な生理学的溶液、例えば、生理食塩水、薬学的に許容可能な溶媒または緩衝用溶液に懸濁されることができる。当該分野で公知の緩衝溶液は、水1ml当たり0.05mg〜0.15mgのエデト酸二ナトリウム、8.0mg〜9.0mgのNaCl、0.15mmg〜0.25gのポリソルベート、0.25mg〜0.30mgの無水クエン酸、および0.45mg〜0.55mgのクエン酸ナトリウムを含むので、約4.0〜5.0のpHを達成し得る。上記のように、懸濁液は、例えば、凍結乾燥された抗体から作製されることができる。
治療用懸濁液または溶液製剤はまた、1つ以上の賦形剤を含むことができる。賦形剤は、当該分野で周知であり、緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液および重炭酸緩衝液)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質(例えば、血清アルブミン)、EDTA、塩化ナトリウム、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、およびグリセロールを含む。溶液または懸濁液は、リポソームまたは生物分解性ミクロオスフェアに封入されることができる。製剤は、一般的に、滅菌製造プロセスを用いて実質的に無菌のフォームで供給されるだろう。
これは、製剤に使用される緩衝化溶媒溶液のろ過、滅菌緩衝化溶媒溶液中の抗体の無菌懸濁液、および当業者によく知られている方法による無菌容器への製剤の調剤による生成物および殺菌を含み得る。
本開示に係る噴霧可能な製剤は、例えば、ホイルエンベロープで包装された単回投与単位(例えば、密閉されたプラスチック容器またはバイアル)として提供され得る。各バイアルは、溶媒/溶液緩衝液の体積、例えば、2mlの単位用量を含む。
本開示の抗体は、噴霧による送達に適していると考えられる。
また、本発明の抗体は、遺伝子治療の使用によって投与され得ると予測される。これを達成するために、適切なDNA成分の制御下で抗体分子の重および軽鎖をコードするDNA配列が、抗体鎖がDNA配列から発現され、その場で組み立てられるように、患者に導入される。
病理学的状態または疾患は、例えば、感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性および寄生虫性)、感染症に関連する内毒素ショック、リウマチ性関節炎などの関節炎、重度の喘息などの喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ペーロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、パイロン病、毛巣病、腹膜炎、乾癬、血管炎、外科的癒着、脳卒中、I型糖尿病、ライム病、髄膜脳炎、自己免疫性ブドウ膜炎、多発性硬化症、紅斑性狼瘡(全身性エリテマトーデスなど)およびギラン・バレー症候群などの中枢および末梢神経系の免疫媒介性炎症性疾患、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維化性肺胞炎、グレーブス病、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、メニエール病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、サルコイドーシス、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、他の自己免疫疾患、膵炎、心的外傷(手術)、移植片宿主病、移植による拒絶反応、心筋梗塞ならびにアテローム性動脈硬化症などの虚血性疾患を含む心疾患、血管内凝固、骨吸収、骨粗しょう症、変形性関節症、歯周炎および低塩酸症からなる群から選択され得る。
本開示はまた、疼痛、特に炎症に関連する疼痛の治療または予防における使用のための本発明に係る多重特異性抗体分子を提供する。
したがって、治療で使用するための本発明に係る多重特異性抗体およびそれを使用する治療の方法を提供する。
1つの態様において、多重特異性抗体(特に、本発明に係る抗体または断片)を精製する方法を提供する。
1つの態様において、不純物がカラム上に保持され、抗体が非結合画分で維持されるような非結合モードで陰イオン交換クロマトグラフィーを実施するステップを含む多重特異性抗体(特に、本発明に係る抗体または断片)を精製する方法を提供する。そのステップは、例えば、pH約6〜8で実施され得る。
本発明の方法は、例えば、約4〜5のpHで実施される陽イオン交換クロマトグラフィーを使用する初期補足ステップをさらに含み得る。
本発明の方法は、生成物を確実にする追加のクロマトグラフィーステップ(複数可)をさらに含んでもよく、不純物に関連する方法は、生成物ストリームから適切に分離される。
精製方法はまた、濃縮および透析ろ過ステップなどの、1以上の限外ろ過ステップを含み得る。
上記で使用されるような精製されたフォームは、少なくとも90%の純度、例えば、91、92、93、94、95、96、97、98、99%w/w以上の純度を意味することが意図される。
エンドトキシンを実質的に含まないとは、一般的に、抗体生成物1mg当たり1EU以下、例えば、生成物1mg当たり0.5または0.1EUのエンドトキシン含量を指すことが意図される。
宿主細胞タンパク質またはDNAを実質的に含まないとは、一般的に、適宜、抗体生成物の1mg当たり400μg以下、例えば、1mg当たり100μg以下、特に1mg当たり20μgの宿主細胞タンパクおよび/またはDNA含量を指すことを意図される。
本発明の抗体分子はまた、診断、例えば、インビボ診断および病態の画像化で使用され得る。
1つの態様において、以下のステップを含む本発明に係る多重特異性タンパク質コンストラクトを選択する方法を提供する:
a)VまたはVのいずれかが、所定の可変領域対についてdsscFvである場合に単量体多重特異性タンパク質の収率を決定するステップ
b)(a)において試験されたVまたはVのいずれかが、同じ可変領域対についてdsFvである場合、単量体多重特異性タンパク質の収率を決定するステップおよび
c)(a)および(b)で得られたモノマーの収率を比較し、最も高い単量体の収率を有する多重特異性タンパク質を選択するステップ。
典型的には、本発明の方法のステップ(a)および(b)における「可変領域対」は、VおよびV対である。一般的には、VおよびVは抗原結合ドメイン、VまたはVを一緒に形成する。したがって、本発明の方法は、本発明のコンストラクト中のdsscFvおよびdsFvの両方として試験されるVおよびV対を可能にし、ほとんどの単量体コンストラクトは、ステップ(c)で選択される。
典型的には、本発明の方法のステップ(a)および(b)において、収率は、アフィニティークロマトグラフィー後など、精製後に決定される。モノマーの収率は、サイズ排除クロマトグラフィーなど、任意の適切な方法を使用して決定され得る。
本明細書の文脈における「含む」は、包含することを意味することを意図する。技術的に適切な場合、本発明の態様が組み合わせられ得る。態様は、特定の特徴/要素を含むものとして本明細書中に記載される。本開示はまた、前記特徴/要素からなる、または本質的になる態様を分離することを示す。
特許および出願のような技術的参考文献は、参照により本明細書中に組み込まれる。
本明細書中に具体的かつ明確に記載される任意の態様は、単独または1以上のさらなる態様との組み合わせのいずれかでディスクレーマー(「一部除く」)の基礎を形成し得る。
本開示は、添付図面に言及する以下の実施例においてのみ例示としてさらに記載される。
図1は、本開示のFab−2xdsscFvおよびFab−dsscFv−dsFvコンストラクトを示す。
図2は、プロテインG精製、HEK293発現Fab−1xdsscFv、1xscFvおよびFab−2xdsscFvタンパク質のSDS−PAGE分析を示す。
図3は、プロテインG精製、HEK293発現Fab−1xdsscFv、1xscFvおよびFab−2xdsscFvタンパク質のG3000SE HPLC分析を示す。
図4 精製HEK293発現Fab−2xdsscFv#3タンパク質のSDS−PAGE分析
図5 精製HEK293発現Fab−2xdsscFv#3タンパク質のS200SE HPLC分析。
図6は、本開示の様々なプロテインG精製Fab−dsscFv−dsFvコンストラクトのSDS−PAGE分析を示す。 (A)Fab−dsscFv−dsscFvサンプル。(B)Fab−dsscFv−dsFvサンプル。
図7は、本開示のプロテインG精製Fab−dsscFv−dsFvコンストラクトのG3000SE HPLC分析を示す。
図8は、還元条件下で本開示に係る様々なコンストラクトのSDS−PAGE分析を示す。
図9は、単量体のFab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのG3000SE−HPLC時間経過分析を示す。
図10は、プロテインG精製EXPiHEK発現Fab−2xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのSDS−PAGE分析を示す。
抗原1に対する抗体断片は、標識化#1である。
抗原2に対する抗体断片は、標識化#2である。
抗原3に対する抗体断片は、標識化#3である。
抗原4に対する抗体断片は、標識化#4である。
実施例1:Fab−2xdsscFv
哺乳動物細胞における発現のためのプラスミドの構築
Fab#2−(HC)dsscFv#3、(LC)dsscFv#4およびFab#2−(LC)dsscFv#3、(HC)dsscFv#4の発現のためのプラスミド(図1参照)は、フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS[本明細書中でS、2xG4Sとも呼ばれる](配列番号2)を使用する#2軽鎖のKm3アロタイプヒトκ定常領域のC末端にscFv#3およびscFv#4を融合させることによって、またはフレキシブルリンカーSGGGGTGGGGS[本明細書中S、G4T、G4Sとも呼ばれる](配列番号1)を使用して#2重鎖のγ1アイソタイプヒトγ−1CH定常領域のC末端にscFv#3およびScFv#4を融合することによって構築された。また、点突然変異が、vL#3/vL#4およびvH#3/vH#4の両方のフレームワーク領域において選択された残基のDNA配列中に導入された。突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖G100C)は、Fv#3の重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製するために導入された。突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖Q100C)は、Fv#4の重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製するために導入された。
scFv#4およびdsscFv#4をコードする遺伝子断片(vHvLおよびvLvH配向)は、化学的に製造され、上記で詳細したように、Fab#2に融合して以下のものを生成した:
プラスミドe1:Light#2−(SGGGGSGGGGS[配列番号2]−vL#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−vH#4;
プラスミドf1:Light#2−(SGGGGSGGGGS[配列番号2]−dsvL#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−dsvH#4;
プラスミドe2:Light#2−(SGGGGSGGGGS[配列番号2]−vH#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−vL#4;
プラスミドf2:Light#2−(SGGGGSGGGGS[配列番号2]−dsvH#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−dsvL#4;
プラスミドg1:Heavy#2−(SGGGGTGGGGS[配列番号1]−vL#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−vH#4;
プラスミドh1:Heavy#2−(SGGGGTGGGGS[配列番号1]−dsvL#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−dsvH#4;
プラスミドg2:Heavy#2−(SGGGGTGGGGS[配列番号1]−vH#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−vL#4;
プラスミドh2:Heavy#2−(SGGGGTGGGGS[配列番号1]−dsvH#4−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列暗号68])−dsvL#4。
pND1プラスミド(Fab#2Heavy−(SGGGGTGGGGS)[配列番号1]−dsvH#3−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS)[配列番号68]−dsvL#3)[プラスミドi]は、すでに入手可能であった。dsHLscFv#3をコードする遺伝子断片は、pND1から切除され、上記で詳述したように軽鎖#2に融合されて:Light#2−(SGGGGSGGGGS)[配列番号2]−dsvH#3−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS)[配列番号68]−dsvL#3[プラスミドj]。
全てのFab融合フォーマットは、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で哺乳動物発現ベクター中にクローニングされた。
Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdssFvフォーマットのHEK293発現
HEK293細胞は、Invitrogenの293フェクチントランスフェクション試薬をメーカーの説明通り使用して関連するプラスミドでトランスフェクトされた。プラスミドは、表4で示されるように、混合されて異なるコンストラクトを発現した。
トランスフェクションに使用されたプラスミドの比率は、1:1であった。全部で50μgのプラスミドDNAを、125μlの293フェクチン+4.25ml Optimem培地で、20分間、室温でインキュベートした。次に、その混合物を、1×10細胞/mlで懸濁液中で50mlのHEK293細胞に加え、37℃で振盪しながらインキュベートした。上清を、1500gで遠心分離によって10日目に採取して細胞を除去し、その上清を、0.22μmフィルターに通した。発現レベルを、プロテイン−G HPLCによって決定した。
表5は、プロテイン−G HPLC分析の結果を示す。わかるように、全てのコンストラクトの発現のレベルは、互いに同等であり、11〜23μg/mlの範囲をカバーする。アスタリスク()で示されたものは、別々のトランスフェクションで発現されたので、LC−scFv#3、HC−scFv#4の絶対発現レベルは、HC−scFv#3、LC−scFv#4と比較されることはできない。
HEK293発現Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのプロテイン−G精製
約50mlのHEK293上清を、10kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用して、約2mlへと約25倍に濃縮した。濃縮した上清を、20mMリン酸塩、40mMNal pH7.4中で平衡化された1ml HiTrapプロテイン−G FFカラム(GE Healthcare)に適用した。カラムを20mM リン酸塩、40mM NaCl pH7.4で洗浄し、結合物質を、0.1Mグリシン/HCl pH2.7で溶出した。溶出ピークを集め、2MのTris/HCl pH8.5で約pH7.0に調整した。pH調整された溶出液を濃縮し、10kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用してPBS pH7.4にbuffer置換した。
プロテイン−G精製、HEK293発現Fab−1xdsscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、PBSを用いて、9.75μlの体積に希釈し、3.75μl4×LSDサンプル緩衝液および1.5μl 100mMのN−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μlの10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。SeeBluePlus2(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。
還元および非還元SDS−PAGE後の予想バンドサイズを表6に示す。
全てのタンパク質について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、両方のバンドで、約50kDaで同等の染色を有するダブレットを示すと予想された。
全てのFab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvタンパク質について、還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが、約50kDaでダブレットを有する移動位置および染色強度の両方に関して正しく発現されていたことを示したバンドパターンを示した(図2B,D)。さらなる最上部のマイナーバンドは、非還元性全長タンパク質と一致する。予想通り、ジスルフィド結合多量体は、非還元ゲル上で見られ(図2A、C)、これは、還元条件下で消失する(図2B、D)。非還元ゲル上で、約50kDaのマイナーバンド(図2A、C)は、Fab領域での重および軽鎖の間での不完全なdsバンド形成と一致し得る。
プロテイン−G精製、HEK293発現Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのG3000 SE−HPLC分析
10μg精製タンパク質サンプル(PBSで希釈した0.1mg/mlストックの100μl)を、精製後3日目にTSK Gel G3000SWXL、7.8×300mm、カラム(Tosoh)上に注入し、1ml/分で200mMリン酸塩pH7.0のアイソクラチック勾配を発現させた。シグナル検出は、280nmの吸光度で行った。
結果を図3に示す。図3からわかるように、プロテイン−G精製後、Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットは、83〜89%のモノマーであった。
全てのサンプルは、アッセイで類似のモノマーレベルを有し、Fvジスルフィドを欠くscFvを含むそれらのサンプルは、動的平衡にある。これは、これらのサンプルに対するアッセイで測定されるモノマー%がサンプルの濃度に依存し、より濃縮されたサンプルは、より高いモノマー%を与え、より濃縮されていないサンプルは、より低いモノマー%を与えることを意味する。対照的に、両方のscFvがジスルフィドを含むサンプルは、安定であり、動的平衡でない。したがって、アッセイで測定された%モノマーは、サンプル濃度の変化と一緒に変化しない。
Fab−2xdsscFvフォーマットのモノマーおよび多量体は安定であり、動的平衡ではないので、サンプルは、容易にさらに精製されて%モノマーを増加させることができる。精製された単量体サンプルはまた、所定の製剤中のコンストラクトの濃度が増加しても単量体のままであり、それにより、医薬調製物における使用に非常に適したコンストラクトを作製する。対照的に、Fab−2xscFvは、モノマーとして精製後、scFvドメインのvLおよびvHの間の分子間動的ドメイン交換に供されることができる。したがって、非凝集フォームは、分析方法の間に使用される希釈ステップ後にモノマーに分解することができるので、二量体、三量体、高次構造および凝集体の形成のリスクが増加することに加えて、そのような分子は、観察が難しい。したがって、Fab−2xdsscFvは、医薬組成物の分析中にさらなる透明性を提供する。
Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのCHOS発現
CHOS細胞を、1Lスケールでエレクトロポレーション法によって関連するプラスミドでトランスフェクトした。プラスミドを、表7で示されるように混合してタンパク質を発現させた。培養物を、2mMのGlutaMAXを添加したCD−CHO培地で増殖させ、24時間、140rpmで8%COと一緒に、37℃でインキュベートし、その後、32℃でさらに13日間インキュベートした。トランスフェクション後4日目に、3mMの最終濃度の酪酸ナトリウムを培養物に添加した。トランスフェクション後14日目に、培養物上清を、遠心分離および滅菌した0.22μmフィルターにより採取した。発現力価を、プロテインG HPLCにより測定した(表8)。
CHO発現Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのプロテイン−G精製
1LのCHO上清を、10kDa分子量カットオフAmicon撹拌セルを使用して約40mlに約25倍濃縮した。濃縮した上清を、ランニング緩衝液としてプロテインGカラムおよびPBSを有するAKTA Express Purificationシステム上に充填した。結合物質を、0.1Mグリシン/HCL pH2.7で溶出し、2M Tris/HCl pH8.5で約pH7.0に調整した。次に、溶出した材料を、10kDaの分子量濃縮器を使用して濃縮し、得られた濃縮物を、ランニング緩衝液としてPBSでゲルろ過のためにSuperdexカラム(GE Healthcare)上に充填した。個々の溶出ピークを収集し、サイズ排除HPLCによって分析して、単量体画分を決定した。最終単量体タンパク質をPBS中5mg/mlに濃縮し、4℃で保存した。
Fab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのプロテイン−G精製、CHOS発現単量体画分のSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、9.75μlの体積にPBSで希釈し、3.75μl 4×LDSサンプル緩衝液および1.5μl 100mM N−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μl 10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。Mark12(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。
還元および非還元SDS−PAGE後の予想されるバンドサイズを、表9に示す。
全てのタンパク質について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、両方のバンドで約50kDaで同等の染色でダブレットを示すと予想された。
全てのFab−1xdsscFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvタンパク質について、還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが単量体であり、移動位置および約50kDaでダブレットを有する染色強度の両方に関して正確に発現されたことを示すバンディングパターンを示した(図8B、D)。さらなる最上部のマイナーバンドは、非還元性全長タンパク質と一致する(図8B、D)。全てのタンパク質について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示し、完全長タンパク質を示した(図8A、a)。非還元ゲル上で約50kDaのマイナーバンド(図8A、b)は、Fab領域で、重および軽鎖の間の不完全なジスルフィド結合形成と一致し得る。
単量体Fab−1xdssccFv−1xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのG3000 SE−HPLC時間経過分析
抗体フォーマットの精製モノマーの5mg/mlを、PBS中4℃で保存し、精製後4日目、14日目および28日目に分析した。サンプルをPBSで10μgに希釈し、TSK Gel G3000SWXL, 7.8x300mm、カラム(Tosoh)上に注入し、1ml/分で200mMリン酸塩pH7.0のアイソクラチック勾配で展開させた。シグナル検出は、280nmの吸光度で行った。結果を表9に示す。精製後4日目に、Fab−2xdsscFvの分析が示すところによれば、タンパク質の大部分が実験開始時に単量体であり(実線)、時間経過にわたって、単量体で安定なままで、多量体(二量体、三量体、高次数および大きな凝集体)として定義されたのは<1%であった。一方、多量体化のより高い発生が、時間の経過とともに直線的に増加することが観察されたFab−1xdsscFv−1xscFvについて検出された(破線)。実際に、多量体化の普及は、V/V配向性で非ジスルフィド安定化scFvを含むフォーマットでより顕著であるようであった。しかしながら、Fvジスルフィドを欠くscFvを含むフォーマットは、動的平衡であり、ジスルフィドで安定化されたscFvより保存中の多量体化の傾向がより大きいことが明らかである。実際に、両方ともジスルフィドで安定化されたscFvを含むフォーマットは、所定の製剤中のタンパク質の濃度が増加する場合でも、単量体のままであることが示されている。これは、両方のscFvが、貯蔵期間中に多量体または大きな凝集体の高次を形成する危険性が非常に重要でない必要がある医薬調製物での使用に理想的に適したFvジスルフィドを含むコンストラクトを作製する。
実施例2:Fab−2xdsscFv(同じdsscFvの2つを有する2価)
哺乳動物細胞における発現のためのプラスミドの構築
Fab#2−(HC)dsscFv#3、(LC)dsscFv#3の発現のためのプラスミド(図4参照)が、フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS[本明細書中でS、2xG4Sとも呼ばれる](配列番号2)を使用して軽鎖#2のKm3アロタイプヒトκ定常領域のC末端にdsscFv#3を融合することによって、またはフレキシブルリンカーSGGGGTGGGGS[本明細書中でS、G4T、G4Sとも呼ばれる](配列番号1)を使用して重鎖#2のγ1アイソタイプヒトγ−1CH定常領域のC末端にdsscFv#3を融合することによって、構築された。点突然変異は、vL#3/vL#1およびvH#3/vH#1の両方のフレームワーク領域で選択された残基でDNA配列中に導入された。突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖G100C)が導入され、Fv#3の重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製した。
pND1プラスミド(Fab#2重鎖−(SGGGGTGGGGS[配列番号1])−dsvH#3−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号68])−dsvL#3)[プラスミドi]は、すでに利用可能であった。dsHLscFv#3をコードする遺伝子断片がpND1から切り出され、上記に詳述したように軽鎖#2に融合させて発生した:軽鎖#2−(SGGGGSGGGGS[配列番号2])−dsvH#3−(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号68])−dsvL#3[プラスミドj]。
Fab融合フォーマットは、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下、哺乳動物発現ベクター中にクローニングした。
Fab−2xdsscFv#3のHEK293発現
HEK293細胞は、Invitrogenの293フェクチントランスフェクション試薬をメーカーの説明通り使用して関連するプラスミドでトランフェクトされた。プラスミドを、表10で示されるように混合してタンパク質を発現した。
トランスフェクションに使用されたプラスミドの比率は1:1であった。全部で50μgのプラスミドDNAは、室温で20分間、125μl 293フェクチン+4.25ml Optimem培地でインキュベートされた。次に、その混合物を1×10細胞/mlで懸濁液中で50mlのHEK293細胞に加え、37℃で振盪しながらインキュベートした。上清を1500gでの遠心分離により10日目に採取し、細胞を除去し、その上清を0.22μmフィルターに通した。発現レベルを、プロテイン−G HPLCによって決定した。表11は、プロテイン−G HPLCアッセイの結果を示す。発現のレベルは、20μg/mlであった。
HEK293発現Fab−2xdsscFv#3の精製
約50ml HEK293の上清を、30kDa分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用して、約2mlへと約25倍に濃縮した。濃縮した上清を精製し、さらに濃縮し、緩衝液を30kDa分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用してPBS pH7.4中に交換した。
プロテイン−G精製、HEK293発現Fab−2xdsscFv#3のSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、9.75μlの体積にPBSで希釈し、3.75μl 4×LDSサンプル緩衝液および1.5μl 100mM N−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μl 10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。SeeBluePlus2(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。還元および非還元SDS−PAGE後の予想されるバンドサイズを、表12に示す。
非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すことが予想されたが、還元ゲルは、両方のバンドで同等の染色で約50kDaでダブレットを示すと予想された。
還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが、移動位置および約50kDaでダブレットを有する染色強度の両方に関して正確に発現されていたことを示すバンディングパターンを示したが(図4B)、しかしながら、いくつかのさらなるマイナー種がまた、Fabの精製に典型的に使用される標準プロテインG媒介精製方法とは対照的に、おそらくは準最適な精製スキームのために可能に観察された。ジスルフィド結合多量体は、非還元ゲル上で見られ(図4A)、これは、還元条件下で消失する(図4B)。
精製されたHEK293発現Fab−2xdssFv#3のS200 SE−HPLC分析
10μg精製タンパク質サンプル(PBSで希釈した0.1mg/mlストックの100μl)を、精製後3日にSuperdex 200 10/300 GL Tricorn カラム(GE Healthcare)上に注入し、1ml/分で、280nmの吸光度によって連続検出で、PBS pH7.4のアイソクラチック勾配で展開させた。その結果を図5に示す。図5からわかるように、精製後、Fab−2xdsscFv#3フォーマットは、81%モノマーであった。
実施例3:Fab−(HC)dsscFv−(LC)dsFv
哺乳動物細胞における発現のためのFab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)プラスミドの構築
Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFa#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)の発現のためのFab#2融合タンパク質(図6参照)は、フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号69)を使用して軽鎖#2のKm3アロタイプヒトκ定常領域のC末端にdsscFv#1(dsvH−4xG4S−dsvL)またはdsvL#1のいずれかを融合することによって構築され、
Light#2−(SGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号69])−dsscFv#1[プラスミドb]および
Light#2−(SGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号69])−dsvL#1[プラスミドc]を発生させ;および
フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号70)を使用してHeavy#2のγ1アイソタイプヒトγ−CH1定常領域のC末端にHLdsscFv#3(dsvH−4xG4S−dsvL)を融合することによって構築され、
Heavy#2−(SGGGGSGGGGTGGGGS[配列番号70])−dsscFv#3[プラスミドa]を発生させた。
点突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖G100C)が、vL#3、vH#3、vL#1およびvH#1のフレームワーク領域で選択された残基でDNA配列中に導入され、Fv#3およびFv#1の重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製した。重および軽鎖Fab融合遺伝子は、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で哺乳動物発現ベクター中にクローニングされた。Heavy#2−(SGGGGSGGGGTGGGGS[配列番号70])−dsscFv#3[プラスミドa]およびdsvH#1フリードメイン[プラスミドd]をコードする遺伝子は、化学的に製造され、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で、哺乳動物発現ベクター中に個々にクローニングされた。
dsscFv#1およびdsvL#1をコードする遺伝子は、化学的に製造され、軽鎖#2のC末端に融合され、Light#2−(SGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号69])−dsscFv#1[プラスミドb]およびLight#2−(SGGGGSGGGGSGGGGS[配列番号69])−dsvL#1#1[プラスミドc]を作製し、全コンストラクトは、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で哺乳動物発現ベクター中にクローニングされた。
Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)のHEK293発現
HEK293細胞は、Invitrogenの293フェクチントランスフェクション試薬をメーカーの説明通り使用して関連するプラスミドでトオラスフェクトされた。プラスミドは、混合されて以下の表13で示されるように異なるコンストラクトを発現した。
2つのプラスミドの組み合わせについて、トランスフェクションに使用されたプラスミドの比率は1:1であったが、3つのプラスミドの組み合わせについて、その比率は1:1:1であった。全部で50μgのプラスミドDNAは、室温で20分間、125μl 293フェクチン+4.25ml Optimem培地でインキュベートされた。次に、その混合物を1×10細胞/mlの懸濁液中で50mlのHEK293細胞に加え、37℃で振盪しながらインキュベートした。上清を1500gでの遠心分離により10日目に採取し、細胞を除去し、その上清を0.22μmフィルターに通した。発現レベルを、プロテイン−G HPLCによって決定した。
結果を表14に示す。見てわかるように、両方のコンストラクトの発現のレベルが、互いに匹敵した(16〜18μg/ml)。文献に、vLおよびvHを一緒にもたらすためのvLおよびvHの間のリンカーまたは二量化モチーフのいずれかを欠くFv領域の発現は、結合したFvよりも実質的に低い発現レベルを有することが報告されている。驚くべきことに、これは、コンストラクトの各タイプの発現レベルの間に有意差が観察されなかったこのデータでは観察されない。
HEK293発現Fa2#−(HC)−dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)のプロテイン−G精製
約50mlのHEK293上清を、10kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用して、約2mlへと約25倍に濃縮した。濃縮した上清を、20mMリン酸塩、40mM NaCl pH7.4中で平衡化された1mlのHiTrapプロテイン−G FFカラム(GE Healthcare)に適用した。カラムを20mMリン酸塩、40mM NaCl pH7.4で洗浄し、結合物質を、0.1Mグリシン/HCl pH2.7で溶出した。溶出ピークを集め、pHを、2MのTris/HCl pH8.5で約pH7.0に調整した。pH調整された溶出液を濃縮し、緩衝液は10kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用してPBS pH7.4中に交換した。
プロテイン−G精製、HEK293発現Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)のSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、9.75μlの体積にPBSで希釈し、3.75μl 4×LDSサンプル緩衝液および1.5μl 100mM N−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μl 10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。SeeBluePlus2(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。
結果を図6に示す。Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すと予測されたが、還元ゲルは、両方のバンドでほぼ等しい染色を有する約50kDaでダブレットを示すことが予想された。Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すことが予想されるが、還元ゲルは、上方から下方バンドにおおよそ3:2:1の比率の染色で、約50、約36および約13kDaで3つのバンドを示すことが予想された。
還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが移動位置および染色強度の両方に関して正確に発現されていたことを示すバンドパターンを示した。非還元SDS−PAGEゲルは、多量体化と一致したFab−2xdsscFvについて顕著なバンドパターン>200kDaを示したたが(図6A、レーン2)、より少ない高分子量種が、Fab−dsscFv−dsFvサンプル中で観察された(図6B、レーン2)。
プロテイン−G精製、HEK293発現、Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1およびFa#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)のG3000 SE−HPLC分析
10μg精製タンパク質サンプル(PBSで希釈した0.1mg/mlストックの100μl)を、精製後3日目にTSK Gel G3000SWXL、7.8×300mm、カラム(Tosoh)上に注入し、1ml/分で200mMリン酸塩pH7.0のアイソクラチック勾配で展開させた。シグナル検出を、280nmの吸光度によって行った。
結果を図7に示す。プロテイン−G精製後、Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsFv#1(LC−vL結合)は、91%のモノマーであったが、Fab#2−(HC)dsscFv#3−(LC)dsscFv#1は、30%モノマーであった。
dsscFv#1は、特に多量体化する傾向があることが知られている。多量体は、dsscFvリンカーによって(vL#1またはvH#1は、異なるポリペプチド鎖からのvH#1またはvL#1と対にされる)、dsscFv#1をdsFv#1(scFvリンカーを含まない)で置き換えることによって、物理的に結合されると、得られたモノマーの割合が有意に増加した。
したがって、当業者は、多量体化するdsscFvの傾向に依存して、場合によって、dssFvの代わりにdsFvを使用する利益があることを理解するたろう。
実施例4:Biacoreアフィニティーおよび抗原標的の同時結合の証明
Fab#2−(HC)dsHLscFv#3(LC)dsHLscFv#4の相互作用に対する結合親和性および動的パラメーターは、CM5センサーチップ(GE Healthcare Bio−Sciences AB)およびHBS−EP(10mM HEPES(pH7.4)、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05% v/v界面活性剤P20)ランニング緩衝液を使用して、BIAcore T100またはBIAcore 3000上で実施された表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定された。全ての実験を25℃で実施した。抗体サンプルを、ヒトF(ab’)特異的ヤギFab(Jackson ImmunoResearch)または社内で作製した抗ヒトCHモノクロナール抗体のいずれかを使用して、センサーチップ表面に捕捉した。補足抗体の共有結合的固定は、6000〜7000応答単位(RU)のレベルに標準的なアミンカップリング化学によって達成された。
抗原#2、#3または#4は、捕捉抗体に対して別々に滴定された。各アッセイサイクルは、抗原の3分注入からなる会合相の前に、1分の注入を使用して、抗体サンプルを最初に捕捉することからなり、その後、解離が10分間モニターされた。各サイクルの後、捕捉表面は、40mM HClの2×1分注入、続いて、5mM NaOHの30sで再発生された。使用された流速は、捕捉に対して10μl分−1、会合および解離相に対して30μl分−1、および再発生に対して10μl分−1であった。動力学的パラメーターは、BIAcore T100 Evaluationソフトウェアv2.0.1またはBIAcore 3000 BIAEvaluation v3.2を使用して、標準1:1結合モデルに得られたセンサーグラムの同時のグローバルフィッテイングによって決定された。その結果を表15に示す。抗体は、試験された抗原についてpM−nM範囲内で予想される親和性を示した。
全ての3つ抗原に同時に結合するFab#2−(HC)dsHLscFv#3(LC)dsHLscFv#4の可能性は、固定化された抗ヒトIgG−F(ab’)を介してセンサーチップに三重特異的抗体を捕捉することによって評価された。抗原#2、#3および#4の各抗原または混合溶液は、3分注入で捕捉された抗体上で滴定された。独立した注入および組み合わせられた反応について観察された結合反応を表16に示す。組み合わせられた抗原#2/#3/#4溶液についての結合反応は、独立した注入の応答の和と同等であった。これは、Fab#2−(HC)dsHLscFv#3(LC)dsHLscFv#4が、試験された全ての3つの抗原に同時に結合することができることを確認するものである。
実施例5 Fab−2xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットの間の単量体収率の比較
EXpiHEK細胞は、50mlスケールのエレクトロポレーション法によって関連するプラスミドでトランスフェクトした。プラスミドは、表17に示されるように混合されて、タンパク質を発現した。培養物を、EXpiHEK発現培地中で増殖し、エンハンサー1および2の添加の前に、16〜18時間、120rpmで8%COで37℃でインキュベートした。その後、培養物を37℃で、さらに4日間、インキュベートした。培養物上清を、遠心分離および滅菌された0.22μmフィルターによって採取した。発現力価を、プロテインG HPLCによって測定した(表18)。
EXPiHEK発現Fab−2xscFvFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのタンパク質−G精製
上清を、10kDa分子量カットオフ濃縮器を使用して、約2mlへと約25倍に濃縮した。濃縮した上清を、リン酸塩緩衝液pH7.4を使用して、プロテインG HPLCによって精製した。結合物質を0.1Mグリシン/HCLpH2.7で溶出し、pHを2M Tris/HCl pH8.5で約7.0に調整した。溶出された物質を10kDa分子量濃度計を使用して濃縮し、緩衝液をPBS中に交換した。精製したタンパク質を、PBS中約4〜5mg/mlに濃縮し、4℃で保存した。
プロテイン−G精製、EXPiHEK発現Fab−2xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、9.75μlの体積にPBSで希釈し、これに3.75μl 4×LDSサンプル緩衝液および1.5μl 100mM N−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μl 10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。SeeBlue(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。
還元および非還元SDS−PAGE後の予想されるバンドサイズを、表19に示す。
全てのタンパク質について、非還元ゲルは、約100kDaでバンドを示すことが予想されたが、還元ゲルは、両方のバンドで同等の染色で約50kDaでダブレットを示すと予想された。
全てのFab−2xscFvおよびFab−2xdsscFvタンパク質について、還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが、移動位置および約50kDaでダブレットを有する染色強度の両方に関して正確に発現されたことを示すバンディングパターンを示した(図10B、a)。さらなる最上部マイナーバンドは、非還元全長タンパク質と一致する(図10B、b)。全てのタンパク質について、非還元ゲルは、約130kDaでバンドを示し、完全長タンパク質を示した(図10A、a)。非還元ゲル上で約50kDaのバンド(図10A、b)は、Fab領域の重および軽鎖の間の不完全なジスルフィド結合と一致し得る。
Fab−2xscFvおよびFab−2xdsscFvフォーマットのG3000 SE−HPLC分析
約5mg/lの精製抗体タンパク質を、分析前に24時間PBS中4℃で保存した。25μgの濃度に相当するサンプルを、TSK Gel G3000SWXL、7.8x300mmカラム(Tosoh)上に注入し、1ml/分で200mM リン酸塩 pH7.0のアイソクラチック勾配で展開した。シグナル検出は、280nmの吸光度で行った。結果を表20に示す。分析は、全てのFab−2xdsscFvタンパク質が、>90%単量体であったことを示した。一方、多量体化のより高い発生が、全てのFab−2xsFvについて検出された。Fvジスルフィドを有するscFvを含むフォーマットは、Fvジスルフィドを欠くscFvと比較してより単量体であることが明らかである。これは、安定した品質を有する治療用分子を選択することに関して、Fvジスルフィドを含むscFvを有するフォーマットを使用することが好ましいことを示し、また製造プロセスにおいて有利であると考えられる。

Claims (27)

  1. a)式(I):V−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
    b)式(II):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
    を含む、またはからなる多重特異性抗体分子であって、
    ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
    CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
    Xは、結合またはリンカーを表し;
    Yは、結合またはリンカーを表し;
    、dsscFvを表し;
    は、軽鎖可変ドメインを表し;
    は、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
    、dsscFvを表す、
    多重特異性抗体分子。
  2. Xがリンカーである、請求項1に記載の多重特異性抗体分子。
  3. Yはリンカーである、請求項1または2のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  4. /V、V及びVの何れかが、抗原結合部位を形成し、V/V、V及びVの何れか1つのみが、血清担体タンパク質に特異性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  5. 前記血清担体タンパク質が、アルブミン、チロキシン結合タンパク質、トランスサイレチン、α1酸糖タンパク質、トランスフェリン、フィブリノゲンおよびそれらの何れかの断片からなる群から選択される、請求項に記載の多重特異性抗体分子。
  6. 前記血清担体タンパク質が、ヒト血清アルブミンであり、前記血清担体タンパク質に特異性を有するV/V、V又はVは、アルブミン結合部位を形成する、請求項4又は5に記載の多重特異性抗体分子。
  7. 前記アルブミン結合部位は、CDRH1のための配列番号71、CDRH2のための配列番号72、CDRH3のための配列番号73、CDRL1のための配列番号74、CDRL2のための配列番号75およびCDRL3のための配列番号76を含むか、或いは配列番号77および配列番号78から選択される重鎖可変ドメインおよび配列番号79および配列番号80から選択される軽鎖可変ドメインを含む、請求項に記載の多重特異性抗体分子。
  8. 前記配列番号71〜76の6つのCDR、又は前記配列番号77〜80の可変ドメインは、V/V、V、又はVの位置にある、請求項に記載の多重特異性抗体分子。
  9. 前記配列番号78の重鎖可変ドメインおよび前記配列番号80の軽鎖可変ドメインは、Vの位置にあり、前記Vの軽鎖可変ドメイン又は重鎖可変ドメインは、例えばペプチド結合を通じてYに結合している、請求項7又は8に記載の多重特異性抗体分子。
  10. 目的の2つ以上の異なる抗原に選択的に結合することができる、請求項1〜のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  11. の軽鎖可変ドメインまたは重鎖可変ドメインは、例えば、ペプチド結合を介して、Xに結合される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  12. の軽鎖可変ドメインまたは重鎖可変ドメインは、例えば、ペプチド結合を介して、Yに結合される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  13. の軽鎖および重鎖可変ドメインおよび/またはVの軽鎖および重鎖可変ドメインは、2つの改変されたシステイン残基の間のジスルフィド結合によって連結される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  14. および/またはVの重鎖および軽鎖可変ドメインは、2つのシステイン残基間のジスルフィド結合によって結合され、ここで、システイン残基の対の位置は、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V100bおよびV49、V98およびV46、V101およびV46、V105およびV43、およびV106およびV57(Kabatによる番号付け)を含む、またはからなる群から選択され、ここで、VおよびV値は、所定のVまたはV内で独立して選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  15. 改変されたシステイン残基の対の位置は、V44およびV100である、請求項14に記載の多重特異性抗体分子。
  16. Xは、ペプチドリンカー、例えば、配列番号1、2、69および70である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  17. Yは、ペプチドリンカー、例えば、配列番号1、2、69および70である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  18. 三重特異性である請求項1〜17のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  19. 3つの結合ドメインは、異なる抗原に結合する、請求項18に記載の三重特異性抗体分子。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子をコードするポリヌクレオチド。
  21. 請求項20に記載のポリヌクレオチド(単数)またはポリヌクレオチド(複数)を含むベクター。
  22. それぞれ請求項20または21の1つ以上のベクターまたはポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  23. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子の異なるポリペプチド鎖をコードするポリヌクレオチドを各々含む2つまたは3つのベクターを含む宿主細胞。
  24. 請求項22または23に記載の宿主細胞からの多重特異性抗体分子を発現することを含む、抗体分子の製造方法。
  25. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子および少なくとも1つの賦形剤を含む医薬組成物。
  26. 治療に使用するための請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 医薬組成物を調製するための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子の使用。
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