以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板洗浄装置、基板洗浄方法および記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
<基板洗浄システムの概略構成>
まず、第1の実施形態に係る基板洗浄システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る基板洗浄システムの概略構成を示す図である。
なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。また、以下では、X軸負方向側を基板洗浄システムの前方、X軸正方向側を基板洗浄システムの後方と規定する。
図1に示すように、基板洗浄システム100は、搬入出ステーション1と、搬送ステーション2と、処理ステーション3とを備える。これら搬入出ステーション1、搬送ステーション2および処理ステーション3は、基板洗浄システム100の前方から後方へ、搬入出ステーション1、搬送ステーション2および処理ステーション3の順で配置される。
搬入出ステーション1は、複数枚(たとえば、25枚)のウェハWを水平状態で収容するキャリアCが載置される場所であり、たとえば4個のキャリアCが搬送ステーション2の前壁に密着させた状態で左右に並べて載置される。
搬送ステーション2は、搬入出ステーション1の後方に配置され、内部に基板搬送装置2aと基板受渡台2bとを備える。かかる搬送ステーション2では、基板搬送装置2aが、搬入出ステーション1に載置されたキャリアCと基板受渡台2bとの間でウェハWの受け渡しを行う。
処理ステーション3は、搬送ステーション2の後方に配置される。かかる処理ステーション3には、中央部に基板搬送装置3aが配置され、かかる基板搬送装置3aの左右両側にそれぞれ複数(ここでは、6個ずつ)の基板洗浄装置5が前後方向に並べて配置される。かかる処理ステーション3では、基板搬送装置3aが、搬送ステーション2の基板受渡台2bと各基板洗浄装置5との間でウェハWを1枚ずつ搬送し、各基板洗浄装置5が、ウェハWに対して1枚ずつ基板洗浄処理を行う。
また、基板洗浄システム100は、制御装置6を備える。制御装置6は、基板洗浄システム100の動作を制御する装置である。かかる制御装置6は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部と記憶部とを備える。記憶部には、基板洗浄処理等の各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板洗浄システム100の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置6の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
なお、図1では、便宜上、制御装置6が、基板洗浄システム100の外部に設けられる場合を示しているが、制御装置6は、基板洗浄システム100の内部に設けられてもよい。たとえば、制御装置6は、基板洗浄装置5の上部スペースに収容することができる。
このように構成された基板洗浄システム100では、まず、搬送ステーション2の基板搬送装置2aが、搬入出ステーション1に載置されたキャリアCから1枚のウェハWを取り出し、取り出したウェハWを基板受渡台2bに載置する。基板受渡台2bに載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置3aによって搬送され、いずれかの基板洗浄装置5に搬入される。
基板洗浄装置5に搬入されたウェハWは、かかる基板洗浄装置5によって基板洗浄処理を施された後、基板搬送装置3aにより基板洗浄装置5から搬出され、基板受渡台2bに再び載置される。そして、基板受渡台2bに載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置2aによってキャリアCに戻される。
ここで、従来の基板洗浄装置においては、物理力を利用したパーティクル除去や薬液の化学的作用を利用したパーティクル除去を行っていた。しかしながら、これらの手法では、ウェハの表面に形成されたパターンが物理力によって倒壊したり、エッチング作用等によってウェハの下地膜が侵食されたりするおそれがあった。
そこで、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5では、これらの手法に代えて、処理液の体積変化を利用したパーティクル除去を行うことで、パターン倒れや下地膜の侵食を抑えつつ、ウェハWに付着したパーティクルを除去することとした。
<基板洗浄方法の内容>
次に、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5が行う基板洗浄方法の内容について図2A〜図2Cを用いて説明する。図2A〜図2Cは、基板洗浄方法の説明図である。
図2Aに示すように、第1の実施形態では、処理液として、揮発成分を含みウェハW上に膜を形成するための処理液(以下、「成膜用処理液」と記載する)を用いる。具体的には、ウェハW上にトップコート膜を形成するための成膜用処理液(以下、「トップコート液」と記載する)を用いることとした。なお、トップコート膜とは、レジスト膜への液浸液の浸み込みを防ぐためにレジスト膜の上面に塗布される保護膜である。液浸液は、たとえばリソグラフィ工程における液浸露光に用いられる液体である。
図2Aに示すように、基板洗浄装置5は、トップコート液をウェハW上に供給する。ウェハW上に供給されたトップコート液は、その内部に含まれる揮発成分が揮発することによって体積収縮を起こす。さらに、トップコート液には、固化または硬化する際に体積が収縮する性質を有するアクリル樹脂が含まれており、かかるアクリル樹脂の硬化収縮によってもトップコート液の体積収縮が引き起こされる。なお、ここでいう「固化」とは、固体化することを意味し、「硬化」とは、分子同士が連結して高分子化すること(たとえば架橋や重合等)を意味する。
そして、トップコート液は、体積収縮を起こしながら固化または硬化していき、トップコート膜となる。このとき、トップコート液の体積収縮により生じる歪み(引っ張り力)によって、パターン等に付着したパーティクルは、パターン等から引き離される(図2B参照)。
トップコート液は、揮発成分の揮発およびアクリル樹脂の硬化収縮によって体積収縮が引き起こされるため、揮発成分のみを含む成膜用処理液と比べて体積収縮率が大きく、パーティクルを強力に引き離すことができる。特に、アクリル樹脂は、エポキシ樹脂等の他の樹脂と比較して硬化収縮が大きいため、パーティクルに引っ張り力を与えるという点でトップコート液は有効である。
その後、基板洗浄装置5は、トップコート膜を溶解させる除去液をトップコート膜上に供給することによってトップコート膜を溶解させて、ウェハWからトップコート膜を全て除去する。これにより、パーティクルは、トップコート膜とともにウェハWから除去される。
トップコート膜は、除去液によって溶解される際に膨潤する。このため、第1の実施形態に係る基板洗浄方法によれば、トップコート膜の揮発による体積収縮に加え、トップコート膜の膨潤による体積膨張によっても、パーティクルをパターン等から強力に引き離すことができる。
このように、第1の実施形態では、成膜用処理液の体積変化を利用してパーティクルの除去を行う。これにより、従来の物理力を利用したパーティクル除去と比較して、弱い力でパーティクルを除去することができるため、パターン倒れを抑制することができる。また、化学的作用を利用することなくパーティクル除去を行うため、エッチング作用等による下地膜の侵食を抑えることもできる。したがって、第1の実施形態に係る基板洗浄方法によれば、パターン倒れや下地膜の侵食を抑えつつ、ウェハWに付着したパーティクルを除去することができる。なお、トップコート膜は、ウェハWに成膜された後、パターン露光を行うことなくウェハWから全て除去される。
また、第1の実施形態に係る基板洗浄方法によれば、物理力を利用した基板洗浄方法では除去が困難であった、粒子径が小さいパーティクルやパターンの隙間に入り込んだパーティクルも容易に除去することができる。
また、第1の実施形態では、除去液としてアルカリ性を有するものを用いることで、パーティクルの除去効率を高めることとしている。具体的には、アルカリ現像液を除去液として用いることとしている。アルカリ現像液としては、たとえばアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH:Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、コリン水溶液の少なくとも一つを含んでいればよい。
アルカリ現像液を供給することにより、ウェハWやパターンの表面とパーティクルの表面とには、図2Cに示すように、同一極性(ここでは、マイナス)のゼータ電位が生じる。トップコート液の体積変化によってウェハW等から引き離されたパーティクルは、ウェハW等と同一極性のゼータ電位に帯電することで、ウェハW等と反発し合うようになる。これにより、パーティクルのウェハW等への再付着が防止される。
このように、トップコート液の体積収縮を利用してウェハW等からパーティクルを引き離した後、アルカリ現像液を供給して、トップコート膜を溶解しつつウェハW等とパーティクルとに同一極性のゼータ電位を生じさせる。これにより、パーティクルの再付着が防止されるため、パーティクルの除去効率をより高めることができる。
なお、ウェハWに対して供給されるトップコート液等の成膜用処理液は、最終的にはウェハWから全て取り除かれる。したがって、洗浄後のウェハWは、トップコート液を塗布する前の状態、具体的には、回路形成面が露出した状態となる。
<基板洗浄装置の構成および動作>
次に、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5の構成および動作について具体的に説明する。図3は、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5の構成を示す模式図である。なお、図3では、基板洗浄装置5の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図3に示すように、基板洗浄装置5は、チャンバ10内に、基板保持部20と、液供給部30A,30Bと、回収カップ40と、気流形成ユニット50とを備える。
基板保持部20は、ウェハWを回転可能に保持する回転保持機構21と、かかる回転保持機構21の中空部21dに挿通され、ウェハWの下面に気体を供給する気体供給部22とを備える。
回転保持機構21は、チャンバ10の略中央に設けられる。かかる回転保持機構21の上面には、ウェハWを側面から保持する保持部21aが設けられており、ウェハWは、かかる保持部21aによって回転保持機構21の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。なお、保持部21aは、ウェハWの周縁部を保持する保持機構の一例である。
また、回転保持機構21は、駆動機構21bを備え、かかる駆動機構21bによって鉛直軸まわりに回転する。具体的には、駆動機構21bは、モータ21b1と、モータ21b1の出力軸に取り付けられたプーリ21b2と、プーリ21b2および回転保持機構21の外周部に捲回されたベルト21b3とを備える。
かかる駆動機構21bは、モータ21b1の回転によってプーリ21b2を回転させ、かかるプーリ21b2の回転をベルト21b3によって回転保持機構21へ伝達することで、回転保持機構21を鉛直軸まわりに回転させる。そして、回転保持機構21が回転することによって、回転保持機構21に保持されたウェハWが回転保持機構21と一体に回転する。なお、回転保持機構21は、軸受21cを介してチャンバ10および回収カップ40に回転可能に支持される。
気体供給部22は、回転保持機構21の中央に形成された中空部21dに挿通された長尺状の部材である。気体供給部22の内部には、流路22aが形成される。かかる流路22aには、バルブ8aを介してN2供給源7aがそれぞれ接続されている。気体供給部22は、N2供給源7aから供給されるN2ガスをバルブ8aおよび流路22aを介してウェハWの下面へ供給する。
ここで、バルブ8aを介して供給されるN2ガスは、高温(たとえば、90℃程度)のN2ガスであり、後述する揮発促進処理に用いられる。
気体供給部22は、ウェハWの受け渡しを行う際にも用いられる。具体的には、気体供給部22の基端部には、気体供給部22を鉛直方向に移動させる昇降機構22cが設けられる。また、気体供給部22の上面には、ウェハWを支持するための支持ピン22dが設けられる。
基板保持部20は、基板搬送装置3a(図1参照)からウェハWを受け取る場合には、昇降機構22cを用いて気体供給部22を上昇させた状態で、支持ピン22dの上部にウェハWを載置させる。その後、基板保持部20は、気体供給部22を所定の位置まで降下させた後、回転保持機構21の保持部21aにウェハWを渡す。また、基板保持部20は、処理済のウェハWを基板搬送装置3aへ渡す場合には、昇降機構22cを用いて気体供給部22を上昇させ、保持部21aによって保持されたウェハWを支持ピン22d上に載置させる。そして、基板保持部20は、支持ピン22d上に載置させたウェハWを基板搬送装置3aへ渡す。
液供給部30A,30Bは、ウェハWの外方からウェハWの上方に移動し、基板保持部20によって保持されたウェハWの上面へ向けて処理液を供給する。液供給部30Aは、ノズル31A,31Dと、ノズル31A,31Dを水平に支持するアーム32Aと、アーム32Aを旋回および昇降させる旋回昇降機構33Aとを備える。また、液供給部30Bは、ノズル31B,31Eと、ノズル31B,31Eを水平に支持するアーム32Bと、アーム32Bを旋回および昇降させる旋回昇降機構33Bとを備える。
液供給部30Aは、ウェハWに対し、成膜用処理液であるトップコート液をノズル31Aから供給し、トップコート液と親和性のある溶剤としてMIBC(4−メチル−2−ペンタノール)をノズル31Dから供給する。具体的には、ノズル31Aには、バルブ8bを介して成膜用処理液供給源7bが接続され、かかる成膜用処理液供給源7bから供給されるトップコート液がノズル31AからウェハW上に供給される。また、ノズル31D(「溶剤供給部」に相当)には、バルブ8hを介して溶剤供給源7hが接続され、かかる溶剤供給源7hから供給されるMIBCがノズル31DからウェハW上に供給される。
MIBCは、トップコート液に含有されており、トップコート液と親和性がある。なお、MIBC以外のトップコート液と親和性のある溶剤としては、たとえばPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)などを用いてもよい。
液供給部30Bは、ウェハWに対し、除去液であるアルカリ現像液をノズル31Bから供給し、リンス処理に用いるCDIWをノズル31Eから供給する。具体的には、ノズル31Bには、バルブ8cを介して除去液供給源7cが接続され、かかる除去液供給源7cから供給されるアルカリ現像液がノズル31BからウェハW上に供給される。また、ノズル31Eには、バルブ8dを介してCDIW供給源7dが接続され、かかるCDIW供給源7dから供給されるCDIWがノズル31EからウェハW上に供給される。なお、CDIWは、常温(23〜25度程度)の純水である。
なお、ここでは、処理液ごとに専用のノズル31A,31D,31B,31Eを設けることとしたが、複数の処理液でノズルを共用してもよい。たとえば、アーム32A(図3参照)に1つのノズルを設け、かかるノズルからトップコート液およびMIBCを選択的に供給してもよい。同様に、アーム32Bに1つのノズルを設け、かかるノズルからアルカリ現像液およびCDIWを選択的に供給してもよい。ただし、ノズルを共用化すると、たとえば処理液同士を混ぜたくない場合等に、ノズルや配管に残存する処理液を一旦排出する工程が必要となり、処理液が無駄に消費されることとなる。これに対し、専用のノズル31A,31D,31B,31Eを設けることとすれば、上記のように処理液を排出する工程が必要とならないため、処理液を無駄に消費することもない。
回収カップ40は、処理液の周囲への飛散を防止するために、回転保持機構21を取り囲むように配置される。かかる回収カップ40の底部には、排液口41が形成されており、回収カップ40によって捕集された処理液は、かかる排液口41から基板洗浄装置5の外部に排出される。また、回収カップ40の底部には、排気口42が形成されており、気体供給部22によって供給されるN2ガスあるいは後述する気流形成ユニット50から基板洗浄装置5内に供給される気体が、かかる排気口42から基板洗浄装置5の外部に排出される。
排液口41には、廃液ライン12aと回収ライン12bとが設けられており、これらのライン12a,12bを切替バルブ15によって切り替え可能に構成されている。基板洗浄装置5は、切替バルブ15を用いてこれらのライン12a,12bを切り替えることにより、ウェハWから除去されたトップコート液については廃液ライン12aへ排出し、再利用可能なアルカリ除去液については回収ライン12bへそれぞれ排出することができる。
また、チャンバ10の底部には、排気口11が形成されており、かかる排気口11には、減圧装置9が接続される。減圧装置9は、たとえば真空ポンプであり、チャンバ10内を吸気により減圧状態にする。
気流形成ユニット50は、チャンバ10の天井部に取り付けられており、チャンバ10内にダウンフローを形成する気流発生部である。具体的には、気流形成ユニット50は、ダウンフローガス供給管51と、かかるダウンフローガス供給管51に連通するバッファ室52とを備える。ダウンフローガス供給管51は、図示しないダウンフローガス供給源と接続する。また、バッファ室52の底部には、バッファ室52とチャンバ10内とを連通する複数の連通口52aが形成される。
かかる気流形成ユニット50は、ダウンフローガス供給管51を介してダウンフローガス(たとえば、清浄気体やドライエアなど)をバッファ室52へ供給する。そして、気流形成ユニット50は、バッファ室52に供給されたダウンフローガスを複数の連通口52aを介してチャンバ10内に供給する。これにより、チャンバ10内には、ダウンフローが形成される。チャンバ10内に形成されたダウンフローは、排気口42および排気口11から基板洗浄装置5の外部に排出される。
次に、基板洗浄装置5の具体的動作について説明する。図4は、基板洗浄装置5が実行する基板洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図5A〜図5Fは、基板洗浄装置5の動作説明図である。具体的には、図5Aおよび図5Bには、図4における成膜用処理液供給処理(ステップS103)の動作例を、図5Cには、図4における揮発促進処理(ステップS104)の動作例を示している。また、図5Dは、図4における除去液供給処理(ステップS105)の動作例を、図5Eは、図4におけるリンス処理(ステップS106)の動作例を、図5Fは、図4における乾燥処理(ステップS107)の動作例を示している。なお、図4に示す各処理手順は、制御装置6の制御に基づいて行われる。
図4に示すように、基板洗浄装置5では、まず、基板搬入処理が行われる(ステップS101)。かかる基板搬入処理では、基板搬送装置3aが気体供給部22の支持ピン22d上にウェハWを載置した後、かかるウェハWを回転保持機構21の保持部21aが保持する。このときウェハWは、回路形成面が上向きの状態で保持部21aに保持される。その後、駆動機構21bによって回転保持機構21が回転する。これにより、ウェハWは、回転保持機構21に水平保持された状態で回転保持機構21とともに回転する。
つづいて、基板洗浄装置5では、溶剤供給処理が行われる(ステップS102)。溶剤供給処理は、成膜用処理液であるトップコート液をウェハWに供給する前に、かかるトップコート液と親和性のあるMIBCをウェハWに供給する処理である。
具体的には、液供給部30Aのノズル31DがウェハWの中央上方に位置し、その後、ノズル31DからウェハWの上面へMIBCが供給される。ウェハWの上面へ供給されたMIBCは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの上面に塗り広げられる。
このように、トップコート液と親和性のあるMIBCを事前にウェハWに塗り広げておくことで、後述する成膜用処理液供給処理において、トップコート液がウェハWの上面に広がり易くなるとともに、パターンの隙間にも入り込み易くなる。したがって、トップコート液の使用量を削減することができるとともに、パターンの隙間に入り込んだパーティクルをより確実に除去することが可能となる。また、成膜用処理液供給処理の処理時間の短縮化を図ることもできる。
このように、トップコート膜をウェハWの上面に短時間で効率的に塗り広げたい場合等には、上述した溶剤供給処理を行うことが好ましい。なお、溶剤供給処理は、必ずしも実施される必要はない。
なお、溶剤供給処理では、回収カップ40(図3参照)の排液口41が回収ライン12bへ接続される。これにより、遠心力によってウェハW上から飛散したMIBCは、回収カップ40の排液口41から切替バルブ15を介して回収ライン12bへ排出される。
つづいて、基板洗浄装置5では、成膜用処理液供給処理が行われる(ステップS103)。かかる成膜用処理液供給処理では、液供給部30Aのノズル31AがウェハWの中央上方に位置する。その後、図5Aに示すように、成膜用処理液であるトップコート液が、レジスト膜が形成されていない回路形成面であるウェハWの上面へノズル31Aから供給される。
ウェハWの上面へ供給されたトップコート液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの上面に塗り広げられる。これにより、図5Bに示すように、ウェハWの上面全体にトップコート液の液膜が形成される。成膜用処理液供給処理が完了すると、ノズル31AがウェハWの外方へ移動する。
なお、成膜用処理液供給処理においては、回収カップ40(図3参照)の排液口41が廃液ライン12aへ接続される。これにより、遠心力によってウェハW上から飛散したトップコート液は、回収カップ40の排液口41から切替バルブ15を介して廃液ライン12aへ排出される。
つづいて、基板洗浄装置5では、揮発促進処理が行われる(ステップS104)。かかる揮発促進処理は、ウェハWの上面全体に液膜を形成するトップコート液に含まれる揮発成分の揮発を促進させる処理である。具体的には、図5Cに示すように、バルブ8a(図3参照)が所定時間開放されることによって、高温のN2ガスが気体供給部22から回転するウェハWの下面へ供給される。これにより、ウェハWとともにトップコート液が加熱されて揮発成分の揮発が促進される。
また、減圧装置9(図3参照)によってチャンバ10内が減圧状態となる。これによっても、揮発成分の揮発を促進させることができる。さらに、基板洗浄処理中においては、気流形成ユニット50からダウンフローガスが供給される。かかるダウンフローガスによってチャンバ10内の湿度を低下させることによっても、揮発成分の揮発を促進させることができる。
揮発成分が揮発すると、トップコート液は体積収縮しながら固化または硬化し、トップコート膜を形成する。これにより、ウェハW等に付着したパーティクルがウェハW等から引き離される。
このように、基板洗浄装置5では、成膜用処理液に含まれる揮発成分の揮発を促進させることによって、成膜用処理液が固化または硬化するまでの時間を短縮することができる。また、ウェハWを加熱することにより、成膜用処理液に含まれる合成樹脂の収縮硬化が助長されるため、ウェハWを加熱しない場合と比較して、成膜用処理液の収縮率を更に高めることができる。なお、気体供給部22、減圧装置9、気流形成ユニット50は、「揮発促進部」の一例である。
なお、ここでは、基板洗浄装置5が揮発促進処理を行う場合の例について示したが、揮発促進処理は省略可能である。すなわち、トップコート液が自然に固化または硬化するまで基板洗浄装置5を待機させておくこととしてもよい。また、ウェハWの回転を停止させたり、トップコート液が振り切られてウェハWの表面が露出することがない程度の回転数でウェハWを回転させたりすることによって、トップコート液の揮発を促進させてもよい。
つづいて、基板洗浄装置5では、除去液供給処理が行われる(ステップS105)。かかる除去液供給処理では、図5Dに示すように、ノズル31BがウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ8c(図3参照)が所定時間開放されることによって、除去液であるアルカリ現像液が液供給部30Bのノズル31Bから回転するウェハW上に供給される。これにより、ウェハW上に形成されたトップコート膜が溶解し、除去される。
また、このとき、ウェハW等およびパーティクルに同一極性のゼータ電位が生じるため、ウェハW等およびパーティクルが反発してパーティクルのウェハW等への再付着が防止される。
除去液供給処理では、回収カップ40(図3参照)の排液口41が回収ライン12bへ接続される。これにより、遠心力によってウェハW上から飛散した除去液は、回収カップ40の排液口41から切替バルブ15を介して回収ライン12bへ排出される。回収ライン12bへ排出された除去液は、再利用される。
なお、除去液の供給を開始してからトップコート膜が十分に除去されるまでの所定時間は排液口41を廃液ライン12aに接続しておき、その後、排液口41を回収ライン12bに接続するようにしてもよい。これにより、再利用する除去液にトップコート膜が混入することを防止することができる。
つづいて、基板洗浄装置5では、ウェハWの上面をCDIWですすぐリンス処理が行われる(ステップS106)。かかるリンス処理では、図5Eに示すように、ノズル31EがウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ8d(図3参照)が所定時間開放されることによって、液供給部30Bのノズル31Eから回転するウェハWの上面へCDIWが供給され、ウェハW上に残存するトップコート膜やアルカリ現像液が洗い流される。
具体的には、ウェハW上に供給されたCDIWは、ウェハWの回転によってウェハW上に拡散しながら、ウェハWの外方へ飛散する。かかるリンス処理によって、溶解したトップコート膜やアルカリ現像液中に浮遊するパーティクルは、CDIWとともにウェハWから除去される。なお、このとき、気流形成ユニット50によって形成されるダウンフローによってチャンバ10内を速やかに排気することができる。リンス処理が完了すると、ノズル31EがウェハWの外方へ移動する。
つづいて、基板洗浄装置5では、乾燥処理が行われる(ステップS107)。かかる乾燥処理では、ウェハWの回転速度を所定時間増加させることによってウェハWの上面に残存するCDIWが振り切られて、ウェハWが乾燥する(図5F参照)。その後、ウェハWの回転が停止する。
そして、基板洗浄装置5では、基板搬出処理が行われる(ステップS108)。かかる基板搬出処理では、昇降機構22c(図3参照)によって気体供給部22が上昇して、保持部21aによって保持されたウェハWが支持ピン22d上に載置される。そして、支持ピン22d上に載置させたウェハWが基板搬送装置3aへ渡される。かかる基板搬出処理が完了すると、1枚のウェハWについての基板洗浄処理が完了する。なお、ウェハWは、回路形成面が露出した状態で基板洗浄装置5から搬出される。
上述してきたように、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5は、液供給部30A(第1の液供給部に相当)と液供給部30B(第2の液供給部に相当)とを備える。液供給部30Aは、揮発成分を含みウェハW上に膜を形成するための処理液であるトップコート液をウェハWへ供給する。液供給部30Bは、液供給部30AによってウェハWに供給され、揮発成分が揮発することによってウェハW上で固化または硬化したトップコート液に対してトップコート液の全てを溶解させる除去液であるアルカリ現像液を供給する。したがって、第1の実施形態によれば、パターン倒れや下地膜の侵食を抑えつつ、ウェハWに付着したパーティクルを除去することができる。
しかも、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5は、アルカリ性を有する除去液を用いることとした。これにより、ウェハW等とパーティクルとに同一極性のゼータ電位が生じてパーティクルの再付着が防止されるため、パーティクルの除去効率を高めることができる。
<物理力を用いた洗浄方法との比較>
ここで、物理力を用いた洗浄方法である2流体洗浄と、第1の実施形態に係る基板洗浄方法(以下、「本洗浄方法」と記載する)との比較結果について説明する。まず、比較条件について図12Aおよび図12Bを参照して説明する。図12Aおよび図12Bは、本洗浄方法と2流体洗浄との比較条件の説明図である。
図12Aおよび図12Bに示すように、パターン無しのウェハ(図12A参照)と、高さ0.5μm、幅0.5μmのパターンが1.0μm間隔で形成されたパターン有りのウェハ(図12B参照)とに対し、2流体洗浄と本洗浄方法とをそれぞれ行った場合における、各洗浄方法によるパーティクル除去率を比較した。パーティクルの粒径は、200nmである。
それぞれの洗浄方法は、「ダメージ無し条件」および「ダメージ有り条件」の2つの条件で実施した。「ダメージ無し条件」とは、ウェハ上に厚さ2nmの熱酸化膜を形成するとともに、かかる熱酸化膜上に、高さ100nm、幅45nmのサンプルパターンを形成し、かかるサンプルパターンを倒壊させない所定の力で洗浄を行った条件のことである。また、「ダメージ有り条件」とは、上記のサンプルパターンを倒壊させる所定の力で洗浄を行った条件のことである。
次に、比較結果を図13に示す。図13は、本洗浄方法と2流体洗浄との比較結果を示す図である。図13においては、パターン無しウェハについてのパーティクル除去率を左下がり斜線のハッチングで示し、パターン有りウェハについてのパーティクル除去率を右下がり斜線のハッチングで示している。なお、本洗浄方法については、サンプルパターンの倒壊が発生しなかった。このため、本洗浄方法については、「ダメージ無し条件」の結果のみを示す。
図13に示すように、パターン無しウェハに対する本洗浄方法、2流体洗浄(ダメージ無し条件)および2流体洗浄(ダメージ有り条件)のパーティクル除去率は、いずれも100%に近い値であり、両洗浄方法に大きな違いは見られなかった。
一方、パターン有りウェハに対する2流体洗浄のパーティクル除去率は、ダメージ無し条件で約17%程度、ダメージ有り条件でも約32%とパターン無しウェハと比べて大幅に減少した。このように、パターン有りウェハのパーティクル除去率がパターン無しウェハの場合と比べて大幅に減少したことから、2流体洗浄では、パターンの隙間に入り込んだパーティクルが除去され難いことがわかる。
これに対し、本洗浄方法は、パターン有りウェハに対しても、パターン無しウェハの場合と同様、100%に近い値を示した。このように、パターン無しウェハとパターン有りウェハとで、パーティクル除去率にほとんど変化がなかったことから、本洗浄方法によって、パターンの隙間に入り込んだパーティクルが適切に除去されたことがわかる。
このように、本洗浄方法によれば、2流体洗浄と比較して、パターンを倒壊させにくいばかりでなく、パターン間に入り込んだパーティクルを適切に除去することができる。
<化学的作用を用いた洗浄方法との比較について>
次に、化学的作用を用いた洗浄方法であるSC1(アンモニア過水)による薬液洗浄と、本洗浄方法との比較について説明する。図14および図15は、本洗浄方法と薬液洗浄との比較結果を示す図である。図14にはパーティクル除去率の比較結果を、図15にはフィルムロスの比較結果をそれぞれ示している。フィルムロスとは、ウェハ上に形成された下地膜である熱酸化膜の侵食深さのことである。
なお、薬液洗浄については、アンモニアと水と過酸化水素水とをそれぞれ1:2:40の割合で混合したSC1を使用し、温度60℃、供給時間600秒の条件で洗浄を行った。また、本洗浄方法については、トップコート液の供給後、揮発促進処理を行ったうえで、アルカリ現像液の供給を10秒間行った。ウェハには、図12Bに示すパターン有りウェハを用いた。
図14に示すように、薬液洗浄によるパーティクル除去率は、97.5%であり、本洗浄方法のパーティクル除去率(98.9%)と比べて僅かに低いものの、上述した2流体洗浄とは異なり、パターンの隙間に入り込んだパーティクルが適切に除去されていることがわかる。
一方、図15に示すように、薬液洗浄を行った結果、7A(オングストローム)のフィルムロスが生じたが、本洗浄方法を行ってもフィルムロスは生じなかった。このように、本洗浄方法は、下地膜を侵食することなく、パターンの隙間に入り込んだパーティクルを除去することが可能であることがわかる。
以上のように、本洗浄方法によれば、パターン倒れおよび下地膜の侵食を防止しつつ、パターンの隙間に入り込んだパーティクルを適切に除去することができるという点で、物理力を用いた洗浄方法や化学的作用を用いた洗浄方法よりも有効である。
なお、基板洗浄装置5は、ウェハWに対して成膜用処理液を重ね塗りしてもよい。たとえば、基板洗浄装置5は、図4に示すステップS103の成膜用処理液供給処理およびステップS104の揮発促進処理を複数回繰り返した後で、ステップS105以降の処理を行うこととしてもよい。また、基板洗浄装置5は、図4に示すステップS102〜S105の処理を複数回繰り返した後で、ステップS106以降の処理を行うこととしてもよい。
(第2の実施形態)
ところで、上述してきた第1の実施形態では、トップコート液を加熱したり、チャンバ10内の湿度を低下させたり、チャンバ10内を減圧状態にしたりすることによって、トップコート液に含まれる揮発成分の揮発を促進することとした。しかし、揮発促進処理は、第1の実施形態において説明したものに限ったものではない。以下では、揮発促進処理の他の例について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態に係る基板洗浄装置の構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態に係る基板洗浄装置5Aは、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5が備える各構成要素に加え、紫外線照射部60を備える。紫外線照射部60は、たとえばUV(Ultra Violet)ランプであり、ウェハWの上方に配置され、ウェハWの上方からウェハWの上面へ向けて紫外線を照射する。これにより、トップコート液が活性化して揮発成分の揮発が促進される。
このように、基板洗浄装置5Aは、トップコート液に対して紫外線を照射することによって揮発成分の揮発を促進させる処理を揮発促進処理として行ってもよい。紫外線照射部60は、揮発促進部の一例である。
なお、紫外線照射部60は、液供給部30A,30Bによる処理を阻害しないように、液供給部30A,30Bのノズル31A,31D,31B,31Eよりも高い位置に配置することが好ましい。もしくは、揮発促進処理を行う場合にのみウェハWの上方に位置させるべく、紫外線照射部60を移動可能に構成してもよい。
(第3の実施形態)
基板洗浄装置の構成は、上述してきた各実施形態において示した構成に限定されない。そこで、以下では、基板洗浄装置の他の構成について図7を用いて説明する。図7は、第3の実施形態に係る基板洗浄装置の構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示すように、第3の実施形態に係る基板洗浄装置5Bは、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5が備えるチャンバ10、基板保持部20および回収カップ40に代えて、チャンバ10’、基板保持部20’および回収カップ40’を備える。さらに、基板洗浄装置5Bは、保持部材212によって保持されたウェハWの上方を覆うトッププレート213を備える。
基板保持部20’は、ウェハWを回転可能に保持する回転保持機構21’と、回転保持機構21’によって保持されるウェハWの下方を覆うアンダープレート22’とを備える。
回転保持機構21’は、アンダープレート22’が挿通される本体部211と、本体部211に設けられ、アンダープレート22’から離間させた状態でウェハWを保持する保持部材212とを備える。
保持部材212は、ウェハWの下面を支持する支持ピン212aを複数(たとえば3個)備えており、かかる支持ピン212aにウェハWの下面を支持させることによってウェハWを水平保持する。なお、ウェハWは、回路形成面が上向きの状態で支持ピン212aに支持される。
トッププレート213は、ウェハWの上面を覆う大きさに形成され、中央には、液供給部30A,30Bによって供給される処理液を通過させるための開口部213aが設けられている。ウェハWに処理液を供給する場合には、かかる開口部213aからウェハWの中央部へ処理液を供給する。トッププレート213は、トッププレート213を水平に支持するアーム213bと、アーム213bを旋回及び昇降させる駆動機構213cとを備える。
駆動機構213cがアーム213bを上昇させると、これに伴いトッププレート213が上昇してウェハWから離隔する。一方、駆動機構213cがアーム213bを降下させると、トッププレート213がウェハWに近接した位置で保持される。このように、トッププレート213は、ウェハWの上面に近接しウェハWの上方を覆う位置(以下、「処理位置」と記載する)と、ウェハWの上面から離隔しウェハWの上方を開放する位置(以下、「退避位置」と記載する)との間で移動することができる。
なお、回転保持機構21’は、第1の実施形態に係る回転保持機構21と同様、軸受21cを介してチャンバ10’および回収カップ40’に回転可能に支持されるとともに、駆動機構21bによって鉛直軸まわりに回転する。
アンダープレート22’は、回転保持機構21’によって保持されるウェハWの下面を覆う大きさに形成された部材である。アンダープレート22’の内部には、流路22eが形成される。かかる流路22eには、バルブ8eを介して成膜用処理液供給源7bに接続されるとともに、バルブ8iを介して溶剤供給源7hが接続される。そして、アンダープレート22’は、これらの供給源からそれぞれ供給されるトップコート液およびMIBCを流路22eを介してウェハWの下面に供給する。
また、流路22eには、バルブ8fを介してCDIW供給源7dが接続されるとともに、バルブ8gを介して除去液供給源7cが接続される。そして、アンダープレート22’は、これらの供給源からそれぞれ供給されるCDIWおよびアルカリ現像液を流路22eを介してウェハWの下面に供給することもできる。
アンダープレート22’の基端部には、アンダープレート22’を鉛直方向に移動させる昇降機構22cが設けられる。かかる昇降機構22cによって、アンダープレート22’は、ウェハWの下面に近接した位置(以下、「処理位置」と記載する)と、ウェハWの下面から離隔した位置(以下、「退避位置」と記載する)との間で位置を変更することができる。
また、第3の実施形態では、減圧装置9が、チャンバ10の排気口11に代えて、回収カップ40’の排気口42に接続される。減圧装置9は、後述する基板洗浄処理において回収カップ40’とトッププレート213とによって形成される処理空間内の吸気を排気口42を介して行うことにより、かかる処理空間内を減圧状態とする。
次に、第3の実施形態に係る基板洗浄装置5Bが実行する基板洗浄処理の内容について説明する。図8は、第3の実施形態に係る基板洗浄装置5Bの動作説明図である。
図8に示すように、トッププレート213およびアンダープレート22’がそれぞれ処理位置に位置する。すなわち、トッププレート213がウェハWの上面に近接しウェハWの上方を覆う位置に、アンダープレート22’がウェハWの下面に近接した位置に、それぞれ位置する。これにより、トッププレート213とウェハWの上面との間、および、アンダープレート22’とウェハWの下面との間には、それぞれ1mm程度の狭い隙間が形成される。
つづいて、駆動機構21b(図7参照)によって本体部211が回転することにより、保持部材212およびウェハWが回転する。そして、ノズル31DがウェハWの中央上方に位置した後、ノズル31DからウェハWの上面へMIBCが供給されるとともに、アンダープレート22’からウェハWの下面へMIBCが供給される。
ノズル31Dおよびアンダープレート22’からそれぞれ供給されたMIBCは、ウェハWの回転による遠心力によってウェハWの外周方向へ拡散する。これにより、ウェハWの上面にMIBCが液盛りされるとともに、アンダープレート22’とウェハWの下面との間に形成された隙間がMIBCで満たされた状態となる。
つづいて、ノズル31AがウェハWの中央上方に位置した後、ノズル31AからウェハWの上面へトップコート液が供給されるとともに、アンダープレート22’からウェハWの下面へトップコート液が供給される。
ノズル31Aおよびアンダープレート22’からそれぞれ供給されたトップコート液は、ウェハWの回転による遠心力によってウェハWの外周方向へ拡散する。これにより、ウェハWの上面にトップコート液が液盛りされるとともに、アンダープレート22’とウェハWの下面との間に形成された隙間がトップコート液で満たされた状態となる。かかる処理が完了すると、ノズル31AがウェハWの外方へ移動する。
アンダープレート22’には、加熱部23が設けられており、かかる加熱部23によって揮発成分促進処理が行われる。すなわち、加熱部23によってトップコート液が加熱される。このときの加熱温度は、たとえば90℃である。これにより、トップコート液に含まれる揮発成分の揮発が促進される。このように、加熱部23は、揮発促進部の一例である。
また、揮発促進処理として、減圧装置9を作動させてチャンバ10’内を減圧状態とする処理も併せて行われる。第3の実施形態では、回収カップ40’およびトッププレート213により比較的狭い処理空間が形成される。減圧装置9は、かかる処理空間内の吸気を排気口42を介して行うことにより、かかる処理空間内を容易に減圧状態とする。
また、気流形成ユニット50から供給されるダウンフローガスは、トッププレート213に形成された開口部213aを介して上記の処理空間へ供給される。このため、かかるダウンフローガスによって処理空間内の湿度が低下することによっても、揮発成分の揮発を促進させることができる。なお、ここでは、ダウンフローガスが気流形成ユニット50から供給される場合の例を示したが、ダウンフローガスは、たとえば、液供給部30A(または液供給部30B)のノズル31A(またはノズル31B)から供給されてもよい。
つづいて、ノズル31BがウェハWの中央上方に位置した後、ノズル31Bおよびアンダープレート22’からウェハWの上面および下面に対して除去液であるアルカリ現像液が供給される。ウェハW上に供給されたアルカリ現像液は、ウェハWの回転によってウェハW上に拡散し、ウェハW上に形成されたトップコート膜を溶解しつつ、溶解されたトップコート膜とともにウェハWの外方へ飛散する。なお、このとき、トッププレート213を退避位置に移動させてウェハWの上方を開放することで、ダウンフローにより速やかにチャンバ10内を排気することができる。
つづいて、ノズル31EがウェハWの中央上方に位置した後、ノズル31Eおよびアンダープレート22’からウェハWの上面および下面に対してCDIWが給される。これにより、ウェハW上に残存するトップコート膜やアルカリ現像液がCDIWによってウェハW上から洗い流される。かかる処理が完了すると、ノズル31EがウェハWの外方へ移動する。
その後、第1の実施形態に係る基板洗浄装置5と同様に、乾燥処理および基板搬出処理が行われて基板洗浄処理が完了する。
このように、第3の実施形態に係る基板洗浄装置5Bは、ウェハWの上面を覆うとともに、液供給部30Aによって供給されるトップコート液を通過させる開口部213aが形成されたトッププレート213を備える。そして、液供給部30Aは、トッププレート213に形成された開口部213aを介してウェハWに対してトップコート液を供給することとした。
また、第3の実施形態に係る基板洗浄装置5Bは、ウェハWの下面を覆うとともに、ウェハWに供給されたトップコート液を加熱するための加熱部23が設けられたアンダープレート22’を備える。これにより、基板洗浄装置5Bは、アンダープレート22’に設けられた加熱部23を用いて揮発促進処理を行うことができる。
なお、アンダープレート22’とウェハWの下面との間に供給される液体は、トップコート液に限らず、純水等であってもよい。そして、基板洗浄装置5Bは、ウェハW上にトップコート液を液盛りした後、アンダープレート22’からウェハWの下面に対してHDIW(90℃程度の純水)を供給することによって、ウェハWを加熱してトップコート液に含まれる揮発成分の揮発を促進させることとしてもよい。
また、トップコート液を液盛りした後、アンダープレート22’とウェハWの下面との間に高温の気体(N2ガスなど)を供給することによって、ウェハWを介してトップコート液を加熱するようにしてもよい。また、加熱部23を備えるアンダープレート22’(加熱板に相当)をウェハWに接触させることによって、アンダープレート22’がウェハWを直接加熱するようにしてもよい。
また、トッププレート213の下部にUV照射部を設けてもよい。これにより、第2の実施形態と同様に、UV照射部から照射される紫外線によってトップコート液を活性化させて、揮発成分の揮発を促進させることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る基板洗浄装置について図9を用いて説明する。図9は、第4の実施形態に係る基板洗浄装置の構成を示す模式図である。
図9に示すように、第4の実施形態に係る基板洗浄装置5Cは、基板洗浄装置5(図3参照)が備える液供給部30Bに代えて、液供給部30B’を備える。
液供給部30B’は、ノズル31Bおよびノズル31Eに加え、ノズル31Cをさらに備える。ノズル31Cは、アーム32Bに対して斜めに支持されており、ノズル31BがウェハWの中央上方に位置した場合に、吐出口がウェハWの周縁方向を向くように構成される。なお、ノズル31Cは、第3の液供給部の一例である。
ノズル31Cには、図示しないバルブを介して除去液供給源7c(図3参照)が接続される。そして、ノズル31Cは、除去液供給源7cから供給されるアルカリ現像液をウェハWの周縁方向へ吐出する。これにより、保持部21aを洗浄するのに十分な流量・流速のアルカリ現像液が保持部21aに供給される。
なお、ノズル31Cに接続されるバルブは、ノズル31Bに接続されるバルブ8c(図3参照)とは異なるバルブである。したがって、アルカリ現像液の供給開始タイミングおよび供給停止タイミングをノズル31Bとノズル31Cとで個別に制御することができる。基板洗浄装置5Cのその他の構成は、基板洗浄装置5と同じであるためここでの説明は省略する。
第4の実施形態に係る基板洗浄装置5Cは、制御装置6による制御に従い、液供給部30B’を用いた保持部21aの洗浄処理を行う。具体的には、上述した除去液供給処理(図4のステップS104)において、ノズル31BがウェハWの中央上方に位置した後、ノズル31Cに接続される図示しないバルブとバルブ8c(図3参照)とが所定時間開放されることにより、除去液であるアルカリ現像液が、ノズル31Bから回転するウェハW上に供給されるとともにノズル31Cから回転する保持部21aに供給される。
これにより、保持部21aに付着したトップコート膜が溶解し、保持部21aから除去される。すなわち、保持部21aが洗浄される。
ノズル31Cに接続されるバルブは、バルブ8c(図3参照)よりも先に閉鎖される。これにより、ノズル31Cから保持部21aへのアルカリ現像液の供給が、ノズル31BからウェハWへのアルカリ現像液の供給よりも先に停止する。
これにより、保持部21aに付着したトップコート膜がノズル31Cから供給されるアルカリ現像液によってウェハWに飛散したとしても、ノズル31Bから供給されるアルカリ現像液によってウェハWへの付着を防止するとともに、洗い流すことができる。
このように、第4の実施形態に係る基板洗浄装置5Cによれば、保持部21aに対してアルカリ現像液を供給するノズル31Cをさらに備えることとしたため、保持部21aに付着したトップコート膜を除去することができ、ウェハWの汚損や発塵等を防止することができる。
なお、ここでは、ノズル31BからウェハWへのアルカリ現像液の供給が停止される前に、ノズル31Cから保持部21aへのアルカリ現像液の供給を停止する場合の例を示したが、ノズル31Cの停止タイミングは、これに限ったものではない。たとえば、ノズル31Cから保持部21aへのアルカリ現像液の供給は、リンス処理が終了する前、つまり、ノズル31BからウェハWへのCDIWの供給が停止される前に停止してもよい。かかる場合であっても、保持部21aからウェハW上に飛散したトップコート膜をノズル31Bから供給されるCDIWによって洗い流すことができる。
このように、ノズル31Cから保持部21aへのアルカリ現像液の供給は、ノズル31BからウェハWへの処理液(アルカリ現像液またはCDIW)の供給が停止される前に停止すればよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る基板洗浄装置について説明する。図10Aおよび図10Bは、第5の実施形態に係る回転保持機構の構成を示す模式図である。
図10Aに示すように、第5の実施形態に係る基板洗浄装置5Dは、基板洗浄装置5(図3参照)が備える回転保持機構21に代えて、回転保持機構21''を備える。基板洗浄装置5Dのその他の構成は、基板洗浄装置5と同じであるためここでの説明は省略する。
回転保持機構21''は、回転保持機構21が備える保持部21aに代えて、ウェハWを保持する第1の保持部21eと、第1の保持部21eと独立して動作可能な第2の保持部21fとを備える。
第1の保持部21eは、ウェハWの周方向に沿って等間隔で複数個、ここでは、120度間隔で3つ設けられており、ウェハWの径方向に沿って移動可能に構成される。また、第2の保持部21fは、第1の保持部21e間に等間隔で配置されており、第1の保持部21eと同様にウェハWの径方向に沿って移動可能に構成される。
このように、第5の実施形態に係る基板洗浄装置5Dは、独立して動作可能な2つの保持部を備えており、これらを用いてウェハWの持ち替えを行うことができる。
たとえば、図10Aには、ウェハWが第1の保持部21eによって保持された状態を示している。かかる状態において、第2の保持部21fをウェハWに近づく方向へ移動させた後、第1の保持部21eをウェハWから遠ざかる方向へ移動させることにより、図10Bに示すように、ウェハWを第1の保持部21eから第2の保持部21fに持ち替えることができる。
つづいて、ウェハWの持ち替えを行うタイミングについて図11Aおよび図11Bを用いて説明する。図11Aは、ウェハWの持ち替えタイミングを示す図である。また、図11Bは、ウェハWの持ち替えタイミングの他の例を示す図である。
図11Aに示すように、第1の保持部21eおよび第2の保持部21f間でのウェハWの持ち替えは、除去液供給処理(図4のステップS105)中の所定のタイミングで行われる。具体的には、除去液供給処理の開始後、アルカリ現像液によってトップコート膜がある程度洗い流され、第2の保持部21fにトップコート膜が付着するおそれがなくなったタイミングで、第2の保持部21fをウェハWに近づく方向へ移動させ、その後、第1の保持部21eをウェハWから遠ざかる方向へ移動させる。
このように、第5の実施形態では、第1の保持部21eおよび第2の保持部21f間でウェハWの持ち替えを行う。このため、仮に、第1の保持部21eにトップコート膜が付着していたとしても、第2の保持部21fへの持ち替えを行うことにより、ウェハWの汚損や発塵等を防止することができる。
なお、第1の保持部21eから第2の保持部21fへの持ち替えは、図11Bに示すように、揮発促進処理の終了直後に行ってもよい。トップコート液は、固体化することによって第2の保持部21fに付着し難くなるため、揮発促進処理の完了直後に行ったとしても、ウェハWの汚損や発塵等を防止することができる。
また、基板洗浄装置5Dは、第4の実施形態に係る基板洗浄装置5Cのように、第1の保持部21eにアルカリ除去液を供給するノズルを備えていてもよく、かかるノズルを用いて第1の保持部21eを定期的に洗浄することとしてもよい。なお、かかる洗浄処理は、チャンバ内にウェハWが存在しない状態で行うことが好ましい。
(その他の実施形態)
ところで、上述してきた各実施形態では、回転保持機構が、ウェハWの周縁部を保持するメカニカルチャックである場合の例について示した。しかし、回転保持機構は、メカニカルチャックに限らず、ウェハWを吸着保持するバキュームチャックであってもよい。
さらに、かかるバキュームチャックは、加熱機構を備えていてもよい。これにより、吸着保持したウェハWを直接的に加熱することができるため、トップコート液に含まれる揮発成分の揮発をより効果的に促進させることができる。
また、上述した保持部21a,21e,21fと同様の保持部をバキュームチャックに設け、バキュームチャックと保持部との間でウェハWの持ち替えを行なってもよい。かかる場合、成膜用処理液供給処理(図4のステップS103)においては、ウェハWの上面と接触する部位がなく、ウェハWの上面全体にトップコート液を塗り広げることのできるバキュームチャックを用いることが好ましく、除去液供給処理(図4のステップS105)においては、ウェハWの裏面を洗浄することが容易な保持部を用いることが好ましい。したがって、揮発促進処理の完了後、バキュームチャックから保持部への持ち替えを行うことが好ましい。
ところで、上述してきた各実施形態では、成膜用処理液としてトップコート液を用いる場合の例について説明したが、成膜用処理液は、トップコート液に限定されない。
たとえば、成膜用処理液は、フェノール樹脂を含む処理液であってもよい。かかるフェノール樹脂も上述したアクリル樹脂と同様に硬化収縮を引き起こすため、トップコート液と同様、パーティクルに引っ張り力を与えるという点で有効である。
フェノール樹脂を含む成膜用処理液としては、たとえばレジスト液がある。レジスト液は、ウェハW上にレジスト膜を形成するための成膜用処理液である。具体的には、レジスト液には、ノボラック型フェノール樹脂が含まれる。
なお、レジスト液を成膜用処理液として用いる場合には、レジスト液を溶解させることのできるシンナーを除去液として用いればよい。除去液としてシンナーを用いる場合、除去液供給処理後のリンス処理を省略することが可能である。また、レジスト液を成膜用処理液として用いる場合には、ウェハW上に形成されたレジスト膜に対して全面露光等の露光処理を行った後に除去液を供給することとしてもよい。かかる場合、除去液は、現像液でもシンナーでもよい。
成膜用処理液に含まれる合成樹脂は、硬化収縮するものであればよく、上記のアクリル樹脂やフェノール樹脂に限定されない。たとえば、成膜用処理液に含まれる合成樹脂は、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等であってもよい。
また、成膜用処理液として、反射防止膜液を用いてもよい。反射防止膜液とは、ウェハW上に反射防止膜を形成するための成膜用処理液である。なお、反射防止膜とは、ウェハWの表面反射を軽減し、透過率を増加させるための保護膜である。かかる反射防止膜液を成膜用処理液として用いる場合には、反射防止膜液を溶解させることのできる純水(たとえば、CDIWまたはHDIW)を除去液として用いることができる。
また、成膜用処理液は、揮発成分および合成樹脂に加え、ウェハWやウェハW上に構成される材料あるいはウェハW上に付着する異物を溶解する所定の薬液をさらに含んでいてもよい。ここで、「ウェハW上に構成される材料」とは、たとえばウェハWの下地膜であり、「ウェハW上に付着する異物」とは、たとえば粒子状の金属系汚染物(パーティクル)である。また、「所定の薬液」としては、たとえばフッ化水素、フッ化アンモニウム、塩酸、硫酸、過酸化水素水、リン酸、酢酸、硝酸、水酸化アンモニウム等がある。これらの薬液によって下地膜やパーティクルの表面が溶解されることにより、パーティクルの付着力が弱まるため、パーティクルを除去し易い状態にすることができる。
「所定の薬液」は、化学的作用を用いて洗浄を行う通常の薬液洗浄における薬液と比較してエッチング量の少ない条件で使用される。このため、通常の薬液洗浄と比較して下地膜への侵食を抑えつつ、より効果的なパーティクル除去を行うことができる。
また、上述してきた各実施形態では、除去液としてアルカリ現像液を用いた場合の例について説明してきたが、除去液は、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えたものであってもよい。このように、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えることによって、アルカリ現像液によるウェハ表面の面荒れを抑制することができる。
また、除去液は、シンナー、トルエン、酢酸エステル類、アルコール類、グリコール類(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等の有機溶剤であってもよいし、酢酸、蟻酸、ヒドロキシ酢酸等の酸性現像液であってもよい。
さらに、除去液は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。界面活性剤には表面張力を弱める働きがあるため、パーティクルのウェハW等への再付着を抑制することができる。
また、上述してきた各実施形態では、ウェハWを回転可能に保持する基板保持部を用いてウェハWを回転させ、回転に伴う遠心力によってトップコート等の処理液をウェハW上に塗り広げることとした。しかし、これに限ったものではなく、たとえばスリットノズルを用いて、ウェハWを回転させることなく処理液をウェハW上に塗り広げてもよい。かかる場合、基板保持部は回転機構を備えなくてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。