JP6764654B2 - 金属粒子担持繊維および金属粒子担持繊維の製造方法 - Google Patents

金属粒子担持繊維および金属粒子担持繊維の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面に金属粒子を担持した繊維、およびその製造方法に関するものである。
触媒等の技術分野では、触媒作用を有する金属粒子を担体に担持させた構成が提案されている。例えば、アルミナ等の球状多孔質体に硝酸ニッケル水溶液を含浸した後、加熱および還元を行って、球状多孔質体にニッケル粒子を担持させた構成が提案されている(特許文献1参照)。また、繊維シートの表面に金属酸化物層を湿式法により形成するとともに、かかる金属酸化物層の表面または内部に活性金属を担持させた構成が提案されている(特許文献2参照)。
特開2012−187485号公報 特開2015−93224号公報
しかしながら、特許文献1に記載の触媒では、担体が可撓性を有していないため、触媒等の形状が限られるという問題がある。これに対して、特許文献2に記載の触媒は、可撓性を有しているが、繊維シートの表面に金属酸化物層を湿式法により形成するため、繊維間が金属酸化物層で塞がれるという問題がある。かかる状態になると、繊維間に活性金属が十分に担持されにくいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可撓性を有するとともに、全体にわたって金属粒子を適正に分布させて担持することのできる金属粒子担持繊維、およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る金属粒子担持繊維は、アルミナ長繊維からなる無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子と、を有し、前記無機長繊維は、表面が花弁状の凹凸形状を有する金属酸化物層になっていることを特徴とする。
本発明は、無機長繊維自身の表面に金属粒子が担持された金属粒子担持繊維になっているため、可撓性を有している。それ故、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
本発明において、前記無機長繊維は、γアルミナ相からなる態様を採用することができる。また、前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなる態様を採用してもよい。
本発明において、前記金属粒子は、例えば、銅粒子、ニッケル粒子、鉄粒子、モリブデン粒子、コバルト粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、またはルテニウム粒子である。
本発明に係る金属粒子担持繊維の製造方法は、無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程と、前記無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有し、前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、前記表面処理工程は、前記アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程であることを特徴とする。
本発明は、無機長繊維自身の表面に金属粒子が担持された金属粒子担持繊維になっているため、可撓性を有している。それ故、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。 本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例2に係る金属粒子担持繊維の表面(遷移アルミナ多孔層)の一部を破断した内部を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。 本発明の参考例4に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例4に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例5に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。 本発明の参考例5に係る金属粒子担持繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る実施例を説明しながら、本発明を実施するための形態を説明する。これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
参考例1
図1は、本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図2は、本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図3は、本発明の参考例1に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。
図1および図2に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維の直径は、5μm〜50μmである。無機長繊維の表面は平坦面になっており、かかる表面の全体にわたって金属粒子が担持されている。本例において、無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、γアルミナ相とムライト(Mullite)相との混合相になっている。ムライトは、単鎖構造を持つアルミノケイ酸塩鉱物であり、化学式は通常、3Al・2SiOで表される。金属粒子はニッケル粒子である。従って、金属粒子担持繊維は、水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒等として用いることができる。また、金属粒子として、銅粒子、コバルト粒子、鉄粒子を用いた場合も、水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒等として用いることができる。また、モリブデン粒子やコバルト粒子を用いた場合、石油精製用触媒として用いることができる。
かかる金属粒子担持繊維は、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。また、金属粒子担持繊維は、可撓性を有しているので、微細なパイプの中に配置することができる等、小型の装置への適用に適している。また、金属粒子担持繊維は、可撓性を有しているため、クロ
ス、スリーブ、ロール等の構造体をつくることも可能である。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。なお、表1および表2には、後述する実施例、参考例2、3、4、5の条件や結果も示してある。
本例では、まず、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)と塩化ニッケル六水塩と水を所定量混合し、コータミン60W=15wt%、Ni=1wt%の処理液を作製する。コータミン60Wは、塩化セチルトリメチルアンモニウムの30wt%溶液である。
次に、接触工程では、直径10μmのアルミナ長繊維からなる無機長繊維を処理液に浸漬する。
次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中で、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.
5時間、温度が1210℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折および電子顕微鏡観察により観察したところ、無機長繊維の表面にNiを含む酸化物層が形成されていた。
次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が1050℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、図1図2および図3等に示す結果が得られた。かかる分析結果によれば、アルミナ長繊維(無機長繊維)の表面に300nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていた。
実施例
図4は、本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図5は、本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図6は、本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図7は、本発明の実施例に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
図4および図5に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。本例では、図4、図5、図6および図7に示すように、無機長繊維の表面に凹凸が形成されている。より具体的には、無機長繊維は、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維であり、無機長繊維の表面は、花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層または遷移アルミナ層からなる金属酸化物層になっている。このため、金属粒子は、花弁状の凹凸の表面および内部にわたって分布し、担持されている。
かかる金属粒子担持繊維は、参考例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。
また、本例では、接触工程の前に、無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程を行う。本例において、無機長繊維は、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維であるため、表面処理工程は、アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程である。
その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。
本例では、まず、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)と塩化ニッケル六水塩と水を所定量混合し、コータミン60W=15wt%、Ni=1wt%の処理液を作製する。コータミン60Wは、塩化セチルトリメチルアンモニウムの30wt%溶液である。
次に、表面処理工程(水熱処理工程)において、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維(直径30μm)と水とをフッ素樹脂系の容器に入れ、温度が140℃で1.5時間、水熱処理を行う。その結果、図6および図7に示すように、無機長繊維の表面には、花弁状
の凹凸が形成される。次に、接触工程では、アルミナ長繊維を処理液に浸漬する。
次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.5時間、温度が900℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、電子顕微鏡観察、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維の表面における花弁状の凹凸形状を有する遷移アルミナ層にNiが固溶した状態になっていた。
次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に花弁状の凹凸が形成され、かかる凹凸の表面および内部に粒径が150nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。
参考例2
図8は、本発明の参考例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図9は、本発明の参考例2に係る金属粒子担持繊維の表面(遷移アルミナ多孔層)の一部を破断した内部を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
図8および図9に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、γアルミナとムライトとの混合相からなるアルミナ長繊維である。また、無機長繊維は、表面が遷移アルミナ多孔層からなる金属酸化物多孔層になっており、遷移アルミナ多孔層の表面および内部に金属粒子が分布し、担持されている。
かかる金属粒子担持繊維は、参考例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。
また、本例では、処理液にアルミナの前駆体を含ませておき、加熱工程では、無機長繊維の表面に、金属が固溶した遷移アルミナ多孔層を形成する。
その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。
本例では、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)、アルミナゾル(AS100:商品名:日産化学工業株式会社製)、塩化ニッケル六水塩および水を所定量計量し、自転公転式混合機で混合した。処理液の組成はコータミン60W=10wt%、アルミナゾル(酸化アルミニウム換算)=5.6wt%、Ni=1wt%であった。ここで、アルミ
ナゾルは、アルミナの前駆体である。次に、接触工程では、直径10μmのアルミナ長繊維を処理液に浸漬する。
次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.5時間、温度が900℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、電子顕微鏡観察、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維の表面にNiが固溶した遷移アルミナ多孔質層が形成されていた。
次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に遷移アルミナ多孔質層が形成され、かかる遷移アルミナ多孔質層の表面に粒径が200nmの均一なNi微粒子が担持されていることが確認された。また、遷移アルミナ多孔質層の一部を破断して内部を観察したところ、遷移アルミナ多孔質層の内部にも、粒径が200nmの均一なNi微粒子が担持されていることが確認された。
参考例3
図10は、本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図11は、本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図12は、本発明の参考例3に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。
図10および図11に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。
かかる金属粒子担持繊維は、参考例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、紡糸原液に金属塩を含ませておき、紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。
その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。
本例では、紡糸工程において、水、ポリビニルアルコール、塩基性塩化アルミニウム、コロイダルシリカ、および塩化ニッケル六水塩を所定量混合し、Al:SiO=75:25、Ni=2%の組成となる紡糸原液を作製した。次に、紡糸原液を延伸して紡糸し、アルミナ長繊維からなる無機長繊維を得た。
次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を温度900℃で3時間、仮焼成し、その後、温度が1210℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維は、ムライト相、γアルミナ相、Niスピネル相の混合相からなることが確認された。
次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が1050℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折(図12参照)、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が300nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。
参考例4
図13は、本発明の参考例4に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図14は、本発明の参考例4に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
図13および図14に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。
かかる金属粒子担持繊維は、参考例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構
造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、参考例3と同様、紡糸原液に金属塩を含ませておき、紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。
本例では、紡糸工程において、参考例3と同様な方法で紡糸し、アルミナ長繊維からなる無機長繊維を得た。次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を温度900℃で3時間、焼成した。焼成後の無機長繊維をX線回折、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維は、Niが均一に固溶したγアルミナ相からなることが確認された。
次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が80nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。
このように本形態では、無機長繊維がγアルミナ相からなるため、加熱工程では、700℃〜1000℃で焼成して、Ni固溶γアルミナを形成し、その後の還元処理によって、金属を均一に分布させることができる。これに対して、実施の形態4のように、無機長繊維がγ−ムライトからなる場合、1000℃〜1400℃で焼成してNi複合酸化物(Niスピネル)を形成し、その後の還元処理によって、金属を均一に分布させることができる。
参考例5
図15は、本発明の参考例5に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図16は、本発明の参考例5に係る金属粒子担持繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
図15および図16に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。金属粒子は白金粒子である。従って、金属粒子担持繊維を水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒、自動車排気ガス浄化触媒として用いることができる。また、パラジウム粒子を用いた場合も、水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒、自動車排気ガス浄化触媒として用いることができる。また、ロジウム粒子やルテニウム粒子を用いてもよい。
かかる金属粒子担持繊維は、参考例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。
このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に気相成膜法によって金属層を形成する金属層形成工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを行う。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。
本例では、まず、直径10μmのアルミナ長繊維の表面にスパッタリング法(気相成膜法)によって白金層をコーティングした。次に、加熱工程において、電気炉内(酸素を含有する雰囲気内)で、温度380℃で1時間焼成した。
次に、焼成工程では、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が760℃で1時間焼成し、還元処理を行った。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が50nmの均一な白金微粒子が高密度に担持されていることが確認された。
かかる方法によれば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等のように、金属酸化物を還元する方法を適用できない場合でも、250℃〜600℃で焼成すれば金属粒子を無機長繊維に均質に分布させることができる。
[他の実施例]
上記実施例では、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で焼成したが、水素、水素と窒素の混合ガス等を利用した還元雰囲気内での加熱を利用してもよい。
上記実施例では、無機長繊維を単体の状態で全ての工程を行ったが、途中の工程までは、無機長繊維を単体の状態で行い、無機長繊維に金属を付与した後や、加熱工程の後、無機長繊維に凹凸を付与する処理の後等、工程の途中で無機長繊維によってスリーブやクロス等の構造物を形成し、その後、残りの工程を行ってもよい。
上記実施例では、1種類の金属粒子を担持させたが、2種類以上の金属粒子を組み合わせて添加し、担持させてもよい。

Claims (8)

  1. アルミナ長繊維からなる無機長繊維と、
    無機長繊維の表面に担持された金属粒子と、
    を有し、
    前記無機長繊維は、表面が花弁状の凹凸形状を有する金属酸化物層になっていることを特徴とする金属粒子担持繊維。
  2. 前記無機長繊維は、γアルミナ相からなることを特徴とする請求項に記載の金属粒子担持繊維。
  3. 前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなることを特徴とする請求項に記載の金属粒子担持繊維。
  4. 前記金属粒子は、銅粒子、ニッケル粒子、鉄粒子、モリブデン粒子、コバルト粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、またはルテニウム粒子であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維。
  5. 無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程と、
    前記無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、
    酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、
    還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、
    を有し、
    前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、
    前記表面処理工程は、前記アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程であることを特徴とする金属粒子担持繊維の製造方法。
  6. 前記無機長繊維は、γアルミナ相からなることを特徴とする請求項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。
  7. 前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなることを特徴とする請求項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。
  8. 前記金属粒子は、銅粒子、ニッケル粒子、鉄粒子、モリブデン粒子、コバルト粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、またはルテニウム粒子であることを特徴とする請求項5から7までの何れか一項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。
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