JP5806536B2 - 触媒前駆体分散液、触媒及び排気ガスの浄化方法 - Google Patents

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本発明は、排気ガスの浄化に適した触媒前駆体分散液、触媒及び排気ガスの浄化方法に関するものである。
従来、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)等の有害物質を浄化する排気ガス浄化用触媒には、少ない貴金属量で効率的に排気ガスを浄化するために、触媒と排気ガスとの接触面積を大きくすることが求められる。カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンまたはカーボンファイバーを使用して、細孔を有する担体に担持された触媒の製法として下記の特許文献1〜3の方法が報告されている。
特許文献1に記載された発明では、カーボンナノチューブに複合酸化物を担持させた後カーボンナノチューブを燃焼消失させ1〜10nm程度の細孔を有する触媒担持用基材(担体)を作り、その後、触媒担持用基剤と触媒成分溶液を混合、高圧をかけることで、細孔の深部まで触媒成分が担持された触媒を得ている。しかし、特許文献1に記載された発明は、細孔径が小さすぎるため排ガス処理触媒としては好ましいとは言えない。また、工程も複雑で触媒金属を担持させるために高圧で担持処理せねばならず、工業的実施が困難である。
特許文献2に記載された発明では、カーボンナノホーンの中にクラスターサイズの貴金属を導入し、それをγ−アルミナなどと混合、乾燥・焼却してカーボンナノホーンを燃焼除去し、担持触媒を製造している。しかし、特許文献2に記載された発明は、カーボンナノホーン等の細孔の中に金属を導入させるため、真空中でかなりの高温にする必要があり、やはり工業的実施が困難である。また、この方法では、排ガス処理触媒として適した細孔容積、細孔径を有しているとは言えない。
特許文献3に記載された触媒は、カーボンファイバーと無機材料を混合してスラリ化したものをハニカム担体に付着させて焼成して調製されている。焼成の際にカーボンファイバーが焼却され、微小で連続的な細長い空洞が形成された触媒担体が作成される。しかし、カーボンファイバーは比較的に径が太く、排ガス処理触媒に適した細孔を有するハニカム担体とは言えない。また、その後このハニカム担体に含浸法で貴金属を担持して排ガス処理触媒としているが、この方法ではカーボンファイバーの消失した細孔表面だけではなく無機材料が元々有する微細細孔にも触媒が担持され、燃焼に有効な適度の細孔にのみ貴金属を担持したとは言えない。
排気ガス浄化用の触媒には、白金(Pt)やパラジウム(Pd)などの貴金属が用いられるため、高価な触媒貴金属量を低減させるために反応に効率良く寄与する貴金属の比率を上げる必要がある。そのためには、種々の未燃成分を含む排気ガスの燃焼に適した細孔を多く形成し、その細孔内表面にのみ触媒貴金属を配置させる必要がある。
特開2005−46669公報 特開2003−181288公報 特開昭63−205143号公報
触媒金属の表面積を大きくする、すなわち触媒金属粒子のサイズを小さくするには担体の細孔を利用することが考えられるが、担体の細孔が小さすぎると、排気ガスの中に含まれる粒子などが担体の細孔を塞ぎ、触媒が機能しなくなるという弊害があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、製造に際して工業的実施が容易であり、排気ガス浄化に適した適度な大きさの細孔を有し、且つ担体の適度な大きさの細孔にのみ貴金属微細粒子が担持された触媒を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、カーボンナノチューブと特定の無機酸化物を用いて触媒を調製することにより上記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成するに到った。本発明の要点は、下記のとおりである。
(1) (A)Ag、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属粒子又は貴金属酸化物粒子を担持させたカーボンナノチューブ及び(B)無機酸化物水和物を含むことを特徴とする触媒前駆体分散液。
(2) (A)Ag、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属粒子又は貴金属酸化物粒子を担持させたカーボンナノチューブ、(B)無機酸化物水和物及び(C)アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア及びセリア−ジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物粒子を含むことを特徴とする触媒前駆体分散液。
(3) (1)または(2)に記載の触媒前駆体分散液を乾燥・焼成することを特徴とする排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法
(4) (1)または(2)に記載の触媒前駆体分散液を担体にコーティングした後、焼成してカーボンナノチューブを焼失させることを特徴とする排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法
(5) 前記の担体が金属製であることを特徴とする(4)に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
(6) 前記の金属製担体が表面に無機酸化物を有することを特徴とする(5)に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
(7) 前記の金属製担体がアルミニウムを含有するステンレス鋼であることを特徴とする(5)または(6)に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
(8) 担体の形状が金網であることを特徴とする(5)〜(7)のいずれか1項に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
(9) (3)〜(8)のいずれか1項に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法により得られる触媒を用いることを特徴とする排気ガスの浄化方法。
本発明により、触媒の調製に際して、工業的実施が容易であり、排気ガス浄化に適した適度な大きさの細孔を有する担体に貴金属が担持された触媒を得ることができ、また本発明の触媒は触媒活性が高いので、高価な貴金属量を低減させることができる。
本発明の触媒の模式図。 本発明の触媒の拡大模式図。 実施例2の触媒の断面TEM写真像(倍率40000倍)。 実施例4の触媒の細孔分布曲線を示すグラフ。 触媒活性試験に用いた反応容器。 触媒活性試験(一酸化炭素酸化反応)の結果を示すグラフ。 触媒活性試験(プロピレン酸化反応)の結果を示すグラフ。
<触媒前駆体分散液>
本発明における触媒前駆体分散液とは、本発明の(排気ガス浄化用)触媒原料となる成分を含有する分散液であって、成分(A)Ag、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtから選ばれる少なくとも1種の貴金属原子を担持させたカーボンナノチューブ(以下、CNTと略称する)及び成分(B)無機酸化物水和物からなる。なお、本発明の触媒前駆体分散液には、静置時に沈降、分離する成分があったとしても攪拌により均一になるものも含まれる。
成分(A)のCNTには、さらに、活性向上のためやシンタリング防止の用途などで通常使われる助触媒成分、Ni、Co、Mg、Fe、Hf、W、V、Mo、Ti、Re、Ta、Nb、アルカリ金属・アルカリ土類金属などが担持されていてもよい。
貴金属を担持するCNTはSWCNT(単層)、DWCNT(二層)、MWCNT(多層)のいずれも使用できる。形状にも限定されないが、貴金属粒子を担持させること、焼成処理を行い、サブマイクロからマイクロメートルサイズの空孔を形成させるという特徴を引き出すには、径が2nm以上で、長さが100nm〜10μmくらいのものが好ましい。また、CNTの製造方法はCVD法、アーク放電法など様々な方法があり、いずれの方法も選択することができるが、例えばCarbon Vol.35 No10-11,pp1495-1501,1997 に記載の方法で作成することができる。
CNTに担持する貴金属としては、通常排ガス浄化用触媒として用いられるAg、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtから選ばれる少なくとも1種の貴金属が用いられる。CNTに担持したときの貴金属の大きさは小さい方が触媒の表面積が大きくなり好ましいが、粒子径が1〜100nm、特に1〜50nm程度が望ましく、100nmを超える貴金属粒子になると、単位重量あたりの比表面積が非常に小さく、触媒の活性を高めることが難しくなる。
CNT上に貴金属粒子又は貴金属酸化物粒子(1〜100nmサイズの貴金属酸化物の集合体で複数の貴金属元素及び複数の原子価構造を有する)を担持させる方法としては、
(1)CNTを溶媒中に分散し、そこに貴金属塩を溶解した後アルカリで中和することでCNT上に貴金属水酸化物として固定化し、その後還元処理又は熱処理による酸化処理によって行う方法、
(2)CNTと貴金属水酸化物又は貴金属酸化物を溶媒中で混合後、濃縮、乾燥、熱処理することで貴金属酸化物をCNT上に担持する方法
(3)CNTと貴金属塩を溶液中で混合後、濃縮、乾燥することで貴金属塩をCNTに担持し、続いてCNTが酸化されない条件下で熱処理し、貴金属塩を金属又は金属酸化物、金属複合酸化物微粒子とする方法
等があるが、これらの方法に限定されるものではない。
CNTへの貴金属の担持量については、特に制限はないが、CNTに対して、0.1〜20wt%で、好ましくは1〜10wt%が良い。0.1wt%より少ない場合では、貴金属が少なすぎるため、触媒としての効果が充分に発揮できない。一方、20wt%を越える場合には、貴金属がCNTに担持しにくく、担持できても貴金属粒子がはずれやすく、貴金属粒子のシンタリングが起こりやすくなる恐れがある。
成分(B)としては、アルミナ水和物、アルミナシリカ水和物、シリカ水和物、チタニア水和物、ジルコニア水和物、ハフニア水和物及びセリアジルコニア水和物から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物水和物が好ましい。
成分(B)は無機酸化物水和物ゾルのような、適当な分散媒に分散した状態で加えることが好ましく、分散媒としては、効率的に乾燥、除去できる水や、メタノール、エタノールなどの水溶性アルコールが好ましく、特に水が好ましい。
成分(B)は焼成した際に無機酸化物となり、担体としての役割や、他の成分を結着させるバインダーとしての役割を果たす。
さらに、本発明の触媒前駆体分散液には、成分(C)として無機化合物粒子を含んでいてもよい。成分(C)としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリア粒子から選ばれる少なくとも1種の無機化合物粒子が好ましい。また、その粒子径としては10nm〜100μmが好ましい。
触媒前駆体分散液中に含まれる固体分、すなわち、触媒貴金属を担持させたCNT、無機酸化物水和物、無機化合物粒子などが、触媒前駆体分散液量に対して5〜25重量%になるように調製する。触媒前駆体分散液中に含まれる固体分が5重量%より低くなると、触媒前駆体分散液中の固形物成分の分散性が悪くなり、均一化しにくくなる。25重量%を超えると触媒前駆体分散液の粘度が高くなりすぎて、コーティングの際の操作性が悪くなる。
<触媒>
触媒の製造方法
触媒前駆体分散液を乾燥・焼成した触媒とは
(1)触媒前駆体分散液を乾燥し、(2)CNTが消失しない程度の温度で焼成することで、無機化合物粒子、無機化合物水和物を固定化した後、(3)CNTを消失させることで、CNTに担持されていた貴金属粒子が、CNTの消失によって作成された空孔のふちに配置されたものである。
(1)触媒前駆体分散液の溶媒を乾燥する際は、50℃〜200℃くらいで1時間〜24時間程度乾燥することが好ましい。その際、減圧下で乾燥することが可能である。また、凍結乾燥法を用いることもできる。200℃以上に加熱すると、媒質の均一性が保たれず、アルミナ層とCNT層に分離してしまい好ましくない。
(2)CNTが消失しない程度の温度で焼成することで、無機化合物粒子、無機化合物水和物を固定化する際は、300℃〜400℃で1時間〜3時間程度焼成することが好ましい。焼成温度が400℃より高い場合には、貴金属が酸化触媒として機能し、CNTを燃焼してしまうおそれがある。一方、焼成温度が300℃より低い場合には、担体への固定化が不充分となり、触媒を調製した際に貴金属粒子の脱離や適度な細孔が得られなくなる。
(3)CNTを消失させる際は、600℃〜900℃で1時間〜10時間程度焼成することが好ましい。焼成温度が600℃以上で、CNTの消失が顕著に見られるようになり、それ以下では触媒中にCNTが残留する恐れがある。一方、900℃以上になると、担持した金属粒子のシンタリングや触媒表面からの脱落が起こりやすくなる。
触媒前駆体分散液を担体に担持させた後、乾燥・焼成した触媒とは
(1)担体に触媒前駆体分散液をコーティングし、(2)触媒前駆体分散液の溶媒を乾燥し、(3)CNTが消失しない程度の温度で焼成することで、無機化合物粒子、無機化合物水和物を固定化した後、(4)CNTを消失させることでCNTに担持されていた貴金属粒子が、CNTの消失によって作成された空孔のふちに配置されたものである。
(1)触媒前駆体分散液をコーティングする担体の材質としては、金属製担体があげられる。金属製担体の中では、ステンレス系の材質が耐熱性が優れ、強度があるため好ましい。また担体の表面が無機酸化物で覆われていると、触媒前駆体分散液に含まれている無機酸化物水和物との接着性が優れる。表面が無機酸化物に覆われた材質を作成する方法として、例えば特開2005−095846号公報に記載の方法ようにアルミニウムを含有するステンレスを熱処理することで表面にアルミナ層を形成する方法が挙げられる。
担体の形状としては、排気ガスとの接触面積を大きくし、且つ、ガスの流れを著しく妨げないような形状が良く、0.1mm〜10mm程度の径を有する球状、円柱状、単一若しくは多段の網目構造が好ましい。
担体に触媒前駆体分散液をコーティングする方法としては、通常行われる方法であればいずれの方法でもいいが、たとえば、ディップ法、ローラー法、はけ法、スプレー法、スピン法などが挙げられる。コーティングの厚さは100nm〜500μmくらいが好ましい。100nm未満であるとコーティング液中に含まれる無機化合物粒子の大きさよりも薄いため、平坦な触媒前駆体の膜が形成できず、500μmを超えると担体から触媒前駆体の膜が剥がれやすくなってしまうため好ましくない。
本発明の触媒の構造を図1、図2により模式的に示す。
触媒前駆体分散液又は、担体にコーティングした触媒前駆体分散液を乾燥・焼成すると、成分(B)の無機酸化物水和物は無機酸化物になり、触媒全体が固定化され、3のバインダー層が形成される。
さらに焼成によってCNTが消失することで、図1の1のような空孔ができる。CNT表面に担持されていた貴金属粒子4は図2のように空孔1のふちに適度な間隔を保って配置される。
実際のCNTはコーティング液中で多少凝集したり、束状になるため、CNTの繊維径(ナノサイズ)よりも大きな空孔(サブミクロン〜ミクロンサイズ)ができることがある。
本発明の触媒の細孔分布を測定すると、触媒中に含まれる無機化合物粒子や無機化合物水和物に由来する微細な細孔と、CNTを消失させた後にできた細孔の二つのピークが測定される。CNTを消失させた後にできる細孔の細孔ピークは、100nm以上に現れる。
排気ガスを浄化する方法は、触媒を排ガス浄化のための所定の位置に設置し、排ガスを流す。その際、排ガスの温度が下がりすぎると触媒の活性が落ちるので、排ガスの温度が下がらない位置に設置するのが好ましい。また、排ガスの流速が遅くなりすぎるとエンジン等の内圧が上がってしまうため、排ガスの流速を妨げないような位置に設置することが好ましい。
以下の測定装置を用いて行った。
触媒金属の比表面積 m/g(日本ベル製、BEL-METAL-3)
流動式比表面積自動測定装置(商標“フローソーブII2300”、Micrometrics Instrument Co.)により測定した。
細孔径
水銀圧入式ポロシメーター(オートポアIV9500、MICROMERITICS製)を用いて、0.0018μmから100μmの範囲の細孔分布を測定する。その細孔分布曲線より極大点をピークトップ細孔径とする。
平均粒子径
金属の比表面積
金属分散度測定装置(BEL−METAL−3、日本ベル(株))にてCO吸着の度合いを測定し、貴金属の平均粒子径、触媒表面上にある貴金属の表面積を算出した。
金属の結晶子径
X線回折装置(RINT2100、(株)リガク)を用いてサンプルを2θ=30〜60°の範囲を測定し、2θ=34°付近の酸化パラジウムに相当するピークの半値幅から結晶子径を算出した。
排気ガスの分析
排ガス測定器(MEXA−584L,(株)堀場製作所)により、HC、CO、COを測定した。
製造例1
(10%Pd(II)−CNTの製造)
500mL4ツ口フラスコにCNT(Carbon Vol.35 No10-11,pp1495-1501,1997 に記載の方法で作成)3.0g、蒸留水50mLを加えて、5分攪拌した。続いて、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度50g/L)6mLを攪拌しながらフラスコに加えた。室温下で30分間攪拌後、エバポレーターを用いて水分を減圧留去し、濃縮残分として3.6gを得た。この濃縮物を磁性のるつぼに移し、乾燥器内で100℃、1時間乾燥し、次に窒素置換した電気炉内で350℃、1時間焼成を行い、10%Pd−CNT 3.1gを得た。
実施例1
製造した10%Pd(II)−CNT2.0g、アルミナゾル(製品名:アルミゾル−10A、川研ファインケミカル(株)製、アルミナ純分10.0%)158.0g、ジルコニアボール(φ2mm)50gをポリ容器に入れ、ロッキングミル(SEIWAGIKEN ROCKING MILL)を用いて50Hz、1時間処理することにより、触媒前駆体分散液を得た。
実施例2
実施例1で得られた触媒前駆体分散液を減圧濃縮し、続いて、乾燥器で100℃、2時間乾燥、窒素置換した電気炉で400℃、2時間焼成、さらに800℃、2時間焼成し、1.25%Pd(II)−アルミナ触媒15.1gを得た。
図3は実施例2で得られた触媒のTEM像であるが、空孔1のふちにPd粒子4が配置されているのがみられる。
実施例3
製造例1で製造した10%Pd(II)−CNT3.1g、アルミナゾル(製品名:アルミゾル−10A、川研ファインケミカル(株)製、アルミナ純分10.0%)14.0g、γ-アルミナ23.1g(ローディア社、平均粒子径22〜23μm)、蒸留水100mL、ジルコニアボール(φ2mm)50gをポリ容器に入れ、ロッキングミル(SEIWAGIKEN ROCKING MILL)を用いて50Hz、1時間処理することにより、触媒前駆体分散液を得た。
実施例4
実施例3で得られた触媒前駆体分散液をステンレス製のバットに入れ、乾燥機で100℃、2時間乾燥し、固形物として24.3gを得た。得られた固形物を解砕した後、磁性のるつぼに24.3g量りとり、窒素置換した電気炉内で400℃、1時間焼成を行い、22.3gを得た。更に、電気炉内で800℃、1時間焼成し、1.25%Pd(II)−アルミナ触媒19.7gを得た。
比較製造例1
500mL4ツ口フラスコに蒸留水100mL,γ-アルミナ(ローディア社製、平均粒子径22〜23μm)46.2g、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度50g/L)12mLを加えて、室温下1時間攪拌した。エバポレーターを用いて水分を減圧留去し、続いて、ステンレス製のバットに移し替えて、乾燥器で100℃、15時間乾燥し、黄褐色粉体として44.8gを得た。得られた粉体を磁製のるつぼに移し、電気炉400℃、1.5時間焼成し、1.28%Pd(II)−アルミナ43.0gを得た。(ただのアルミナ担持触媒)
比較例1
比較製造例1で製造したPd(II)−アルミナ23.1g、CNT3.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、川研ファインケミカル(株)製、純分10.0%)6.0g、蒸留水100mL、ジルコニアボール(φ2mm)50gをポリ容器に入れ、ロッキングミルを用いて50Hz、1時間処理して、均一に分散化した。この分散液をステンレス製のバットに入れ、乾燥器内で100℃、2時間乾燥し、固形物として27.7gを得た。得られた固形物を解砕した後、磁製のるつぼに27.5g量りとり、窒素置換した電気炉内で400℃、2時間焼成を行い、22.6gを得た。更に、電気炉で800℃、1時間焼成し、1.25%Pd(II)−アルミナ触媒21.3gを得た。
比較製造例2
CNT3.0g、γ−アルミナ23.1g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、川研ファインケミカル(株)製、純分10.0%)6.0g、酢酸6.6g、蒸留水100mL、ジルコニアボール(φ2mm)50gをポリ容器に入れ、ロッキングミルを用いて50Hz、1時間処理して、均一に分散化した。この分散液をステンレス製のバットに入れ、乾燥器で100℃、2時間乾燥し、固形物として22.3g得た。得られた固形物を解砕した後、磁製のるつぼに移し、窒素置換した電気炉で350℃、2時間焼成した。更に電気炉で800℃、2時間焼成し、多孔質アルミナ18.3g得た。
比較例2
比較製造例2で製造したアルミナ18.0g、蒸留水200mL、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度50g/L)4.6mLを500mL4ツ口フラスコに加え、室温下1時間攪拌した後、エバポレーターを用いて減圧濃縮し、淡黄色固体として22.9g得た。得られた粉体22.6gを磁製のるつぼに量りとり、窒素置換した電気炉内で400℃、2時間焼成を行い、17.4gを得た。更に、電気炉で800℃、1時間焼成し、1.25%Pd(II)−アルミナ触媒17.2gを得た。
比較例3
比較製造例1で製造した1.28%Pd(II)−アルミナ10.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)2.6g、蒸留水80.0g、ジルコニアボール50gをポリ容器に入れ、ロッキングミルを用いて50Hz、1時間処理して、均一に分散化した。分散液をステンレス製のバットに入れ、100℃、2時間乾燥し、固形物を得た。固形物を磁製のるつぼに移し替え、電気炉で400℃、400℃、2時間焼成、さらに800℃、2時間焼成し、1.25%Pd(II)−アルミナ触媒9.12gを得た。
以下に作成した触媒それぞれの物性を表1に示す。
図4に実施例4の触媒の細孔分布曲線を示す。
CNTが入っている触媒(実施例2、実施例4、比較例1、比較例2)については、細孔分布曲線で二つのピークがでる。それは、アルミナが持つ小さな細孔と、CNTを消失させた後にできた比較的大きな細孔ができていることを示す。
製造例2
500mL4ツ口フラスコに蒸留水100mL,CNT(上記と同じ)10.0g、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度50g/L)6.4mL、硝酸ロジウム溶液(ロジウム濃度3.0g/L)27mLを加えて、室温下1時間攪拌した。エバポレーターを用いて水分を減圧留去し、続いて、磁製のるつぼに移し、乾燥器で100℃、2時間乾燥した。さらに、窒素雰囲気下の電気炉内で400℃、2時間焼成し、3.2%Pd(II)−0.8%Rh(III)−CNT 9.9gを得た。
実施例5
製造例2で製造した3.2%Pd(II)−0.8%Rh(III)−CNT 2.0g、γ−アルミナ2.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)180.0g、蒸留水40mL、酢酸5g、及びジルコニアボール(φ2mm)50gを250mLポリ容器に入れ、ロッキングミルを用いて50Hz、1時間処理して、触媒前駆体分散液を作成した。
実施例6
実施例5の触媒前駆体分散液をステンレス製バットに入れ、特開2005−095846号公報に記載の方法で作成されたフェライト系ステンレスの網(サイズ3cm×24cm、6.38g)を浸し、ディップコートした。余分な触媒前駆体分散液は、窒素ガスを吹き付けて取り除いた。コートした網は、乾燥器で100℃、2時間乾燥し、電気炉で400℃、2時間焼成した。同様な操作をさらに2回繰り返した。次に、電気炉で800℃、2時間焼成し、含有するCNTを焼成・除去し、0.32%Pd−0.08%Rh−アルミナ担持ステンレス網触媒6.66gを得た(触媒担持率:3.89mg/cm)。
比較製造例3
500mL4ツ口フラスコに蒸留水100mL,γ―アルミナ10.0g、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度6.4g/L)50mL、硝酸ロジウム溶液(ロジウム濃度3.0g/L)27mLを加えて、室温下1時間攪拌した。エバポレーターを用いて水分を減圧留去し、続いて、磁製のるつぼに移し、乾燥器で100℃、2時間乾燥した。さらに、電気炉で400℃、2時間焼成し、3.2%Pd−0.8%Rh−アルミナ 9.9gを得た。
製造した3.2%Pd(II)−0.8%Rh(III)−アルミナ 2.0g、γ−アルミナ2.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)160.0g、蒸留水40mL、酢酸5g、及びジルコニアボール(φ2mm)50gを200mLポリ容器に入れ、ロッキングミルを用いて50Hz、1時間処理して、触媒前駆体分散液を作成した。
比較例5
比較製造例3の触媒前駆体分散液をステンレス製バットに入れ、特開2005-095846に記載の方法で作成されたフェライト系ステンレスの網(2.7cm×15cm、3.34g)を浸し、ディップコートした。余分な触媒前駆体分散液は、窒素ガスを吹き付けて取り除いた。コートした網は、乾燥機で100℃、2時間乾燥し、電気炉で400℃、2時間焼成した。同様な操作をさらに2回繰り返した。次に、電気炉で800℃、2時間焼成し、0.32%Pd(II)−0.08%Rh(III)−アルミナ担持ステンレス網触媒3.50gを得た(触媒担持の割合:3.95mg/cm)。
触媒の活性試験
汎用エンジンより排出される排気ガスを触媒を装着できるステンレス管に通し、排出される炭化水素(以下HC)、一酸化炭素(以下CO)の削減率を調べた。汎用エンジンは(株)工進製ハイデルスポンプKR−25Sについている2サイクルエンジンを使用してアイドリング時の排気ガスの分析を実施した。
エンジンの総排気量:24.5cc
アイドリング時の回転数:3700rpm
ガソリンは、(株)カインズ製25:1専用混合ガソリン(2サイクルエンジン用)を使用した。
排出ガスの分析は、堀場製作所社製自動車排ガス分析装置MEXA−584Lを用いてHC、CO、CO2の同時分析を同時に行った。
触媒1枚中の貴金属量:65.6μg(Pd:49.2μg、Rh:16.4μg)
HC比0.5%削減された際の触媒の触媒燃焼処理効果は、毎分135リットル(HC)/g(貴金属) と見積もられる。
CO比3%削減された際の触媒の燃焼処理効果は、毎分809リットル(CO)/g(貴金属)と見積もられる。
比較例6
(排気ガスを用いたブランク試験)
ハイデルスポンプKR−25S((株)工進製、以下「ポンプ」と略称する)を稼働させ、回転計にて回転数が3700rpm(±50rpm)になるように調整後、排気ガスの分析を行った。排出ガスは、内径2.4mmのステンレス製の管内を通し、内部の温度を測定するとともに、そのステンレス管から排出されるガスの分析をMEXA−584Lで測定した。
実施例7
比較例6と同じ条件でポンプを稼働させ、排出する排気ガスを使用して触媒の活性試験を行った。直径2.3cmに切り抜いた実施例6の触媒を排気ガスの流速方向に垂直に1枚配置して排気ガスのHC、CO、COの組成変化をガス分析装置で測定した。各測定値は触媒の直前にある温度計が所定の温度(排ガス温度)に達したことを確認後3分経過のちに行った。
実施例8
直径2.3cmに切り抜いた実施例6の触媒を排気ガスの流速方向に垂直に2枚配置した以外は、実施例6と同様に排ガスの測定を行った。
比較例7
直径2.3cmに切り抜いたステンレス網を用いた以外は、実施例7と同じ方法で排ガスの測定を実施した。
比較例8
直径2.3cmに切り抜いた比較例5で作成した触媒を用いた以外は実施例7と同じ方法で実施した。
通常、触媒はその活性を上げるために平均粒子径、結晶子径を小さくし、貴金属の比表面積を高くすることで、触媒活性を高めようとする。しかし本発明は、表1をみてもわかるとおり、比較例と比べてPdの比表面積が低く、平均粒子径、結晶子径が比較例と比べて高い。つまり、通常の触媒が求める物性とは逆の物性を示している。しかし本発明の触媒の活性は、比較例の触媒と同等もしくはそれ以上の能力を示す。それは、本発明の触媒は貴金属が排ガスの入り込めない微細孔には存在せず、CNTの消失により作成された空孔のみに存在しているためである。
製造例3
(10%Pd(0)−CNTの製造)
1L4ツ口フラスコにCNT10.0g、蒸留水300mLを加えて1時間攪拌した。続いて、炭酸ナトリウム8.0gを攪拌しながらフラスコに加え、室温下で1時間攪拌した。さらに塩化パラジウム水溶液(パラジウム含量1.15g)をゆっくり加えたのち、12時間撹拌した。80〜90℃で1時間加温後、一旦室温まで冷却した後、ギ酸ナトリウム2.5gをゆっくり加えて80〜90℃で1時間加温した。その後、室温まで冷却した後、桐山漏斗を用いて触媒を濾過し、さらに水2Lで洗浄した。濾過した触媒を乾燥器内で100℃、12時間乾燥後、10%Pd(0)−CNT11.8gを得た。
実施例9
実施例4で作成した1.25%Pd(II)−アルミナ触媒に櫛がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、空気(10%水分)を通気した電気炉内で1000℃、24時間でエイジング処理を行った後、0.6gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
実施例10
実施例3の10%Pd(II)-CNTの代わりに製造例3で作成した10%Pd(0)−CNTを用いた以外は実施例3及び実施例4と同様の方法を用いて1.25%Pd(0)−アルミナ触媒を作成した。その触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.6gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
実施例11
製造例1のPd(II)-CNTの製造方法において硝酸パラジウム中のパラジウム濃度を50g/Lから5g/Lに変更したこと以外は製造例1と同様にして1%Pd(II)−CNTを作成した。
この1%Pd(II)−CNT2.0g、γ−アルミナ10.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)9.0g、蒸留水70mL、酢酸0.5gから実施例3及び実施例4と同様な方法を用いて、0.2%Pd(II)−アルミナ触媒9.5gを作成した。その触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.6gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
実施例12
実施例11で作成した1%Pd(II)−CNT0.4g、CNT1.6g、γ−アルミナ19.0g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)10.0g、蒸留水70mL、酢酸0.5gから実施例3及び実施例4と同様な方法を用いて、0.02%Pd(II)−アルミナ触媒9.5gを作成した。その触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.6gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
実施例13
実施例12で作成した触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.3gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
製造例4
(3.8%Pd(II)−0.2%Rh(III)−CNT)
200mL4ツ口フラスコに蒸留水100mL,CNT(上記と同じ)10.0g、硝酸パラジウム溶液(パラジウム濃度50g/L)7.6mL、硝酸ロジウム溶液(ロジウム濃度3.0g/L)6.7mLを加えて、室温下1時間攪拌した。エバポレーターを用いて水分を減圧留去し、続いて、磁製のるつぼに移し、乾燥器で100℃、2時間乾燥した。さらに、窒素雰囲気下の電気炉内で400℃、2時間焼成し、3.8%Pd(II)−0.2%Rh(III)−CNT 9.8gを得た。
実施例14
製造例4で製造した3.8%Pd(II)−0.2%Rh(III)−CNT 5.0g、酸化セリウム(IV)(粒子径25nm以下)0.87g、酸化ジルコニア(IV)(粒子径100nm以下)2.47g、γ−アルミナ 12.1g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、アルミナ純分10.0%)4.0g、蒸留水100mL、酢酸0.23g、から実施例3及び実施例4と同様な方法を用いて、1.19%Pd(II)−0.06%Rh(III)−アルミナ触媒14.1gを作成した。その触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.6gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
比較例9
比較製造例1の硝酸パラジウム溶液のパラジウム濃度を50g/Lから5g/Lに変更した以外は、比較製造例1と同様にして0.2%Pd(II)−アルミナを作成した。
その0.2%Pd(II)−アルミナ1.0g、γ-アルミナ8.5g、10%アルミナゾル溶液(製品名:アルミナゾル10A、純分10.0%)5.0g、蒸留水70mL、酢酸0.5gから実施例3及び実施例4と同様な方法を用いて、0.02%Pd(II)−アルミナ触媒9.4gを作成した。その触媒に篩がけを行い20−40メッシュサイズに調整し、実施例9と同様な方法でエイジング処理を行った後、0.3gを用いて後述する触媒活性試験を行った。
比較例10
粉末状のγ-アルミナ(ローディア社、平均粒子径22〜23μm)を加圧成形してプレート状にした後、解砕及び篩がけを行い、20−40メッシュのサイズに調整した。サイズ調整を行ったγ-アルミナ0.6gについて後述する触媒活性試験を行った。
(自動車モデル排ガスを用いた触媒活性試験)
実施例9〜14及び比較例9〜10で作成した触媒を、それぞれ図5に示す石英ガラス製円筒形の反応容器(内径17mm)11の中央部12に充填した。その反応容器を地面に対して垂直に固定し、ガスを上部から下部へ流す。ガスは、酸素8.0%、二酸化炭素10.3%、プロピレン2,700ppm(炭素換算)、一酸化炭素900ppm、水分10%、及び窒素(残分)となる混合ガスを使用し、ガス流速は2,000mL/分となるように反応容器の上部から流した。外部に設置された電気炉によって加熱され、反応容器中央に設置された熱電対用管15の先端で温度を測定する。
容器内温度を昇温速度5℃/分で100から400℃の範囲で変化させ、混合ガスを流し、反応容器下部から排出されるガスから、プロピレンの酸化及び一酸化炭素の酸化反応の経時変化を追跡した。プロピレン及び一酸化炭素の分析は、赤外スペクトル測定装置(Nicolet製NEXUS 670-FTIR)を用いて行い、反応容器から排出される混合ガス中のプロピレン(測定波長:912cm-1)及び一酸化炭素(測定波長:2,158cm-1)の含有率を計測した。
結果を図6、図7に示す。
比較例と比べて本発明の触媒の方が、低温で活性があることがわかった。
本発明により、排気ガスの浄化に適した触媒を工業的に簡便に製造することができるので、環境保護の観点から極めて有用である。
1:CNTの消失跡にできた空孔
2:担体
3:バインダー層
4:貴金属粒子
5:バインダー
6:無機酸化物粒子
11:反応容器
12:触媒設置部
13:ガラスウール
14:触媒固定台座(メッシュ構造)
15:熱電対設置管

Claims (9)

  1. (A)Ag、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属粒子又は貴金属酸化物粒子を担持させたカーボンナノチューブ及び(B)無機酸化物水和物を含むことを特徴とする触媒前駆体分散液。
  2. (A)Ag、Ru、Rh、Pd、In、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属粒子又は貴金属酸化物粒子を担持させたカーボンナノチューブ、(B)無機酸化物水和物及び(C)アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア及びセリア−ジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物粒子を含むことを特徴とする触媒前駆体分散液。
  3. 請求項1または2に記載の触媒前駆体分散液を乾燥・焼成することを特徴とする排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法
  4. 請求項1または2に記載の触媒前駆体分散液を担体にコーティングした後、焼成してカーボンナノチューブを焼失させることを特徴とする排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法
  5. 前記の担体が金属製であることを特徴とする請求項4に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
  6. 前記の金属製担体が表面に無機酸化物を有することを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
  7. 前記の金属製担体がアルミニウムを含有するステンレス鋼であることを特徴とする請求項5または6に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
  8. 担体の形状が金網であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法。
  9. 請求項3〜8のいずれか1項に記載の排気ガス浄化に用いられる触媒の製造方法により得られる触媒を用いることを特徴とする排気ガスの浄化方法。

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