JP5996973B2 - 金属繊維複合体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、殺菌、脱臭、空気や液体の浄化等を行うことが可能な光触媒機能や殺菌脱臭機能を有する金属繊維複合体及びその製造方法に関する。
従来から、院内感染や食中毒の対策として光触媒の利用が進められており、食器や建材、フィルター等の殺菌加工に用いられている。
光触媒の中でも、特に二酸化チタン(TiO2)を用いた光触媒は、安価で、化学的安定性に優れ、かつ高い触媒活性を有しており、細菌の菌体と同時にグラム陰性菌の細胞壁外壁成分であるエンドトキシンや細菌が産生する毒素(例えば、病原性大腸菌が産生するベロ毒素)等の有害物質を併せて分解することができ、しかも光触媒自体は人体に無害であるという利点を有している。
これら光触媒を繊維状の基材に担持させる方法として、含浸法(バインダー含浸法)等の方法があるが、これらの方法では、光触媒がバインダーに埋まっており、表面に露出する光触媒の量が少ないので、光触媒機能を発揮し難く、また、バインダーの分だけ光触媒の層に厚みがあり、必要な形状に曲げる等基材に外力がかかる場合に、光触媒層に亀裂が入り易く、品質保持性に欠け、用途が限定されるため汎用性に欠けていた。また、スパッタリング等の方法を用いた場合、真空にする必要があり、広い面積に光触媒の層を形成することができず、生産性に欠けていた。
これらの課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究し、光触媒の皮膜を溶射技術によって施した繊維状フィルターとして(特許文献1)「直径が50μm〜500μmのアルミニウム製の繊維から構成され、空隙率が50%〜90%である繊維状フィルター本体と、前記繊維の表面に溶射技術により成膜された二酸化チタン皮膜とを備える繊維状フィルター」を開発し、特許出願を行った。
国際公開WO/2011/049140号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示された繊維状フィルターは、繊維状繊維を綿のように寄せ集めた不織布であるため、形状を保持したり、任意の厚みに調整すること等が難しく、また、殺菌性能を高めるために、アルミニウム繊維表面に、二酸化チタンに加えて殺菌金属を担持させた場合、殺菌金属が担持した部分に水分が付着することでアルミニウムと殺菌金属で電池が形成されて、しかもその電池のプラスとマイナスをショートした状態になり、アルミニウムは、大抵の金属よりイオン化しやすいので、アルミニウムが溶け出してアルミニウム繊維の腐食が起こるとともに、光触媒作用が腐食を加速させ、耐食性や耐久性に欠けるという課題があった。
(2)(特許文献1)に開示された繊維状フィルターの製造方法は、繊維を綿のように寄せ集めた繊維状フィルターに超音速前後の高速で二酸化チタン粒子を直接フレーム溶射するため、溶射材料の衝突や熱によるフィルター繊維の溶解等により繊維が飛散して歩留まりが極めて悪い。また、繊維の硬度が二酸化チタン粒子より小さいので、高速でアルミニウム表面に衝突した二酸化チタン粒子がアルミニウム繊維表面の弾力で跳ね飛ばされる傾向があり、二酸化チタンの密着性が悪いという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成した繊維集合体が多孔性でアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟持されているので、金属繊維複合体を任意の厚みに調整でき、形状の安定性に優れるため加工性に優れるとともに、金属繊維複合体が表面に硬度が金属よりも高い不動態のベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層を備えることで、光触媒等の溶射材料が表面に密着し易く、水分と接触した場合や水中で使用した場合にも繊維体や保形部材がイオン化し難いため、耐食性や耐久性に優れる金属繊維複合体を提供することを目的とする。
また、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維集合体をアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟持した後にベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層を形成するので、保形部材による圧延によって繊維集合体の破損や表皮層の割れや剥れが生じ難く、表皮層の硬度が金属よりも高いので、光触媒等の溶射材料との密着性が高く、溶射による溶射皮膜の形成が容易であるため、生産性に優れる金属繊維複合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の金属繊維複合体及びその製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の金属繊維複合体は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成された繊維集合体と、前記繊維集合体の両平面に覆設された複数の孔部を有したアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面に形成されたベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層の外表面に形成され光触媒機能を有する金属化合物を含む溶射皮膜と、を備える構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)保形部材によって繊維集合体を覆設するので、溶射皮膜を形成する際に、繊維集合体の破損を防ぐことができるとともに、保形部材により繊維集合体の厚みを任意の厚みに調整することができ、形状安定性に優れるので汎用性に優れる。
(2)保形部材により、繊維集合体が保護されているので、指等が繊維集合体に直接触れることがなく、また、フィルターとして使用する際に繊維フィルターを通過する流体の抵抗が大きい場合でも繊維集合体の変形や破損を防止することができる。
(3)繊維集合体の両面を保形部材で覆設するので、金属繊維複合体の厚みを薄くすることで省スペース性に優れる。
(4)表面に光触媒機能を有する金属化合物を含んだ溶射皮膜を備えるので、金属繊維複合体表面と接触するウィルスや細菌に対する殺菌性に優れる。
(5)繊維集合体及び保形部材がアルミニウム製又はアルミニウム合金製であるため、繊維集合体と保形部材を圧着、溶接、焼結等の方法で保持することができるので、フレーム等の形状保持部材を備える必要が無くなく、金属繊維複合体の構成を簡素化できるとともに、汎用性に優れる。
(6)アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体及び保形部材の外表面に形成されたベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層を備えるので、溶射による金属化合物の密着性が高く、溶射皮膜の剥れ等が起き難いので、製品の耐久性や品質安定性に優れる。
(7)ベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層により繊維体及び保形部材と溶射皮膜が直接接触しないので、金属繊維複合体表面に付着した水分による繊維体や保形部材の電食(ガルバニック腐食)が起きず、耐食性に優れるとともに、溶射皮膜に銀や銅等の殺菌金属を混合することができ、殺菌性を向上させることができる。
ここで、本発明の金属繊維複合体の用途としては、気体や液体等の流体に対するフィルター、建材、道路の吸音材、靴箱や箪笥,冷蔵庫等の収容物における消臭殺菌部材、その他日用品の消臭殺菌部材等に用いることができる。
繊維集合体としては、繊維体綿状に形成されたものであれば特に限定されないが、材質としてはアルミニウム又はアルミニウム合金で形成された金属繊維等の繊維体を使用することが好ましい。
繊維体としては、平均繊維径が30〜500μm,好ましくは50〜150μmのものが好適に選択される。
平均繊維径が50μmより細くなるにつれ、繊維体の強度が弱くなり、繊維集合体の耐久性が低下するので、溶射皮膜を形成する際に繊維集合体が破損し易く、歩留が低下する傾向にあり、30μmより細くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。また、150μmより太くなるにつれ、繊維体の強度は強くなるが、金属繊維複合体が任意の厚みの場合、金属繊維複合体の空隙率や単位体積当りの表面積が低下し易くなり、流体が通過し難く、流体と溶射皮膜が接触し難くなり、溶射皮膜が金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、500μmより太くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
繊維集合体としては、目付量が300〜10000g/m2,好ましくは500〜3000g/m2のものが好適に選択される。
目付量が500g/m2より少なくなるにつれ、単位体積当りの繊維体の量が少ないので、金属繊維複合体が任意の厚さの場合に、流体中の微粒子や細菌、ウィルス、悪臭物質等(以下、処理物質と記す)等が通過し易く、処理物質の分離が難しくなるとともに、単位体積当りの溶射皮膜の表面積も小さくなり、流体が通過する際に溶射皮膜に接触できる処理物質の量が低下し、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、300g/m2より少なくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。好ましくない。また、目付量が3000g/m2より多くなるにつれ、単位面積当りの繊維体の量が多いので、金属繊維複合体が任意の厚みの場合、流体が金属繊維複合体を通過し難く、単位時間当りに溶射皮膜に接触できる処理物質の量が低下し易く、溶射皮膜が十分な光触媒機能が得られ難くなくなる傾向にあり、10000g/m2より多くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
保形部材としては、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の網体又は多孔性の板であれば特に限定されないが、エキスパンドメタルやパンチングメタル,金網等の保形部材を使用することができる。中でも、エキスパンドメタルは、網目の歪みが無く、接合部分が一体であるため堅牢性に優れ、保形部材によって流体の流れが遮られ難く、また、金属繊維複合体の形状も維持することができる。保形部材を備えることで、用途に合わせて、多角形状,リング状,円盤状等の任意の2次元平面状や波板状,円筒状,錘状等の3次元形状に加工し、形状を保持することができる。
保形部材の開孔率は50〜90%,好ましくは、60〜80%の物が好適に選択される。保形部材の開孔率が60%より小さくなるにつれ、繊維集合体の露出が小さくなり、単位時間当たりに保形部材を通過できる流体の量が少なくなるので、処理物質の分離機能が十分に得られなくなる傾向にあり、50%より小さくなるにつれこれらの傾向が著しくなるので好ましくない。また、開口率が80%より大きくなるにつれ、保形部材の構造強度が弱くなり、外力等による破損等が起き易くなる傾向にあり、90%より大きくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
保形部材の1つの孔部目開き面積は0.5〜500mm2,好ましくは8〜125mm2のものが好適に選択される。孔部目開き面積が8mm2より小さくなるにつれ、流体が通過する際に保形部材が金属繊維複合体を通過する流体の流れを阻害するため、圧力損失が大きくなり、金属繊維複合体が任意の厚みの場合、単位時間当りに溶射皮膜に接触できる処理物質の量が低下し易くなるので、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、0.5mm2より小さくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。また、面積が125mm2より大きくなるにつれ、繊維集合体を十分に保形できなくなり、金属繊維複合体を任意の厚さに調整し難くなるとともに、金属繊維複合体が任意の厚みの場合、圧力損失が低下し、溶射被膜と処理物質が接触し難くなるので、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、500mm2より大きくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
保形部材の厚さとしては、0.1〜3mm,好ましくは0.4〜1mmのものが好適に選択される。保形部材の厚さが0.4mmより薄くなるにつれ、繊維集合体の補強に十分な強度が得られず、繊維集合体を挟み込む際に、繊維集合体の反発力を支え難くなり、金属繊維複合体を任意の厚さに調整し難くなり、歩留が低下し易くなる傾向にあり、0.1mmより薄くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。保形部材の厚さが1mmより厚くなるにつれ、金属繊維複合体を任意の厚みにする際に、金属繊維複合体の全体量に対する繊維集合体の割合が少なくなり、流体が通過する際の処理物質の分離(ろ過)機能や溶射皮膜と接触することによる光触媒機能が十分に得られなくなるとともに、構造強度が強くなるので、保形部材を変形させ難くなり、金属繊維複合体を使用する場所に合せた形状に適用し難く汎用性に欠け、また、溶射等で溶射皮膜を形成する場合に、保形部材の厚みにより影ができ易くなるので、溶射皮膜を斑無く形成し難くなる傾向にあり、3mmより厚くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
保形部材と繊維集合体の固定方法としては、保形部材及び繊維集合体の少なくとも一部をフレーム等で固定する方法、保形部材及び繊維集合体が金属であれば圧着,溶接,圧接等で保形部材及び繊維集合体の少なくとも一部を接合する方法等が選択される。これらの方法は組み合わせて使用しても良い。
溶射皮膜を形成する溶射材料は、少なくとも光触媒機能を有する金属化合物であれば特に限定されず、二酸化チタンや酸化亜鉛,酸化タングステン,酸化カドミウム,酸化インジウム,酸化銀,酸化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化スズ,酸化バナジウム,酸化ニオブ,酸化ジルコニウム等の金属酸化物半導体、硫化カドミウム,硫化亜鉛,硫化インジウム,硫化鉛,硫化銅,硫化モリブデン,硫化タングステン,硫化アンチモン,硫化ビスマス等の金属硫化物半導体、チタン酸ストロンチウム、セレン化カドミウム、タンタル酸カリウム及びこれらの混合物を使用することができる。中でも、二酸化チタンは安価であり、化学的安定性に優れ、かつ高い触媒活性を有しているので好ましい。
二酸化チタンには、結晶構造の違いによりアナターゼ(Anatase)型やルチル(Rutile)型等が存在するが、結晶構造は特に限定されず、一方のみを用いても良いし、これらの混合物を用いても良い。尚、光触媒機能を重視する場合にはアナターゼ型の二酸化チタンを使用することが好ましく、コスト面を重視する場合にはルチル型の二酸化チタンを使用することが好ましい。
また、二酸化チタンの結晶格子中に、硫黄,炭素,窒素等をドープしたり、溶射皮膜に増感剤である鉄,銅,クロム、ニッケル等の金属錯体又は金属塩から選ばれる少なくとも1以上の化合物を混合又は担持させたりすることにより可視光応答型の溶射皮膜をとしても良い。
溶射皮膜を形成する溶射材料には、光触媒機能を有する金属化合物に加え、殺菌機能を有する殺菌金属を担持させても良い。殺菌金属としては、銀,銅,亜鉛,ニッケル,コバルト,アルミニウム,鉄やこれらの化合物等を使用することができる。これら殺菌金属を加えて、殺菌性を高める場合、溶射皮膜の総量に対し、0.1〜10質量%含めることが好ましい。
溶射皮膜中の殺菌金属の量が0.1質量%より少なくなるにつれ、殺菌性の向上が見られなくなる傾向にあり、10質量%より多くなるにつれ、光触媒機能を有する金属化合物の量が減るので、光触媒機能を利用した殺菌性が低下し、金属繊維複合体を通過する流体中の処理物質が単位時間当りに溶射皮膜に接触できる量が低下し、光触媒機能による処理量が低下する傾向にあり好ましくない。
溶射皮膜を形成する方法としては、溶射であれば特に限定されず、フレーム溶射,高速フレーム溶射,ガス式溶射、アーク溶射,プラズマ溶射,線爆溶射等の電気式溶射、コールドスプレー法等の方法を用いることができる。中でも、高速フレーム溶射は、溶射材料が半溶融状態で溶射されるので、溶射材料が熱の影響を受け難く、また、音速の数倍の速度で吹き付けるので、溶射材料が繊維複合体に食い込み易く、アンカー効果が得られ易いため、緻密で密着度の高い溶射皮膜を形成することでき好ましい。
溶射皮膜の溶射量としては、5〜40g/m2,好ましくは10〜30g/m2であることが望ましい。溶射量が10g/m2より少なくなるにつれ、金属繊維複合体表面の溶射皮膜が薄くなるので、外力による溶射皮膜の剥離等が起き易く、品質の安定性や耐久力が低下する傾向にあり、5g/m2より少なくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。また、30g/m2より多くなるにつれ、溶射皮膜が厚くなるので、金属繊維複合体を曲げる等した際に、表面に亀裂が入り易く、それに伴って溶射皮膜の剥離等が起き易くなり、品質の安定性が低下する傾向にあり、40g/m2より多くなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。
金属繊維複合体の空隙率としては、50〜90%,好ましくは60〜80%であることが望ましい。空隙率が60%より小さくなるにつれ、単位体積当たりの繊維量が少なくなるので、繊維集合体表面の溶射皮膜の表面積も小さくなり、処理物質の分離(ろ過)が難しくなるとともに、流体中の処理物質等が溶射被膜に接触せず金属繊維複合体を通過し易くなり、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、50%より小さくなるにつれ、これらの傾向が著しくなるので好ましくない。また、空隙率が80%より大きくなるにつれ、単位堆積当たりの繊維量が多いので、金属繊維複合体が任意の厚みの場合、流体が通過する際の抵抗が大きくなり、金属繊維複合体を流体が通過し難くなり、流体が通過する際に単位時間当りに溶射皮膜に接触できる処理物質の量が低下し、溶射皮膜が十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり、90%より大きくなるにつれこれらの傾向が著しくなるので好ましくない。
金属繊維複合体の厚みとしては1〜7mmであることが好ましい。金属繊維複合体の厚みが1mmより薄くなるにつれ、繊維集合体を形成する繊維体の量によっては、繊維体が密になり、圧力損失が大きくなり過ぎるので、流体が通過する際に単位時間当りに溶射皮膜に接触できる処理物質の量が低下し、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり好ましくない。厚みが7mmより厚くなるにつれ、繊維集合体が任意の目付量の場合、繊維体が疎になり、溶射皮膜に接触せずに通過できる流体の量が多いため、流体が通過する際に単位時間当りの処理物質の量が低下し、金属繊維複合体に接触又は通過する流体に対して十分な光触媒機能を得られ難くなる傾向にあり好ましくない。
表皮層としては、溶射材料の密着性を向上させることができ、耐食性に優れ、融点が高いアルマイトやベーマイトが挙げられる。また表皮層は、溶射における溶射材料の繊維複合体に対するアンカー効果が得られ易く、金属繊維複合体と溶射材料の密着性を向上できる硬度のものが好ましい。
中でも、ベーマイトの場合、金属繊維複合体の形状に関係なく、全体に斑無く表皮層を形成することができるので好ましい。
ベーマイトは、約90℃以上の熱水(又は水蒸気)にアルミニウムを曝すことで、熱水や水蒸気とアルミニウムの接触面が反応することで形成される不動態である。そのため、繊維体や保形部材の表面にベーマイト層を設けることで、溶射皮膜に殺菌金属が混合された場合でも、アルミニウムと異種金属が接触せず、水分の付着による電流も発生しないので、繊維体や保形部材の電食(ガルバニック腐食)を防ぐことができる。
また、ベーマイトは純粋なアルミニウムと比べて硬度が高いので、溶射のアンカー効果によるベーマイト層と溶射皮膜の密着性を向上させることができ、溶射皮膜の剥がれや亀裂が生じ難いので、耐久性及び形状自在性に優れる。
ベーマイト層の厚みとしては、0.2〜2μmが好適に選択される。ベーマイト層の厚みが0.2μmより薄くなるにつれ、ベーマイト層を形成し難くなるとともに、表皮層の強度が向上し難く、溶射皮膜との密着性が低下し、耐食性や耐久性が低下し易くなる傾向にあり好ましくない。また、2μmより厚くなるにつれ、ベーマイト層の形成に時間がかかるようになり、生産性が低下し易くなる傾向にあり好ましくない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金属繊維複合体であって、前記保形部材の厚みが0.1〜3mm,1つの孔部目開き面積が0.5〜500mm2,開孔率が50〜90%である構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)保形部材の厚みが0.1〜3mmであるため、金属繊維複合体に対する保形部材が厚くなり難く、金属繊維複合体の強度を強めることができるとともに、流体中の処理物質の分解(除去)性能を損なうことなく、金属繊維複合体全体を所定の厚さに調整することができ、加工性に優れる。
(2)保形部材の1つの孔部目開き面積が0.5〜500mm2であり、開孔率が50〜90%であるため、金属繊維複合体を流体が通過し易く、金属繊維複合体の強度も強めることができる。
ここで、保形部材の材質については〔0011〕段落で説明したもの,開孔率,1つの孔部目開き面積,厚みについては、〔0012〕段落で説明したものと同じものであるため、説明は省略する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金属繊維複合体であって、流体に対するフィルターである構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)流体に対するフィルターとして使用するので、流体中の不純物等を効率的に分離(ろ過)できるとともに、光触媒機能による空気清浄機能や殺菌脱臭機能により、フィルターに接触する流体に含まれる処理物質を除去・分解することができる。
ここで、金属繊維複合体を流体に対するフィルターとして使用する場合、空気清浄機や水処理装置のフィルター、車やトイレ等の脱臭装置のフィルター、エアーコンプレッサーの吸気又は吹出し口に取り付けるアタッチメント、台所の流し等で使用する水切り用のネット等に使用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金属繊維複合体であって、建築材料である構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)保形部材が繊維集合体の両平面に覆設されているので、騒音に対する吸音性に優れるだけではなく、光触媒機能を持つ溶射皮膜により建築材料に接触する空気の浄化や殺菌(消臭)等を行うことができる。
ここで、金属繊維複合体を建築材料として使用する場合、高速道路や鉄道沿線,トンネルの内装材等の吸音材、建造物の天井材や壁材等の建築材料等に使用することができる。特に高速道路やトンネルの吸音材として用いた場合、排気ガスの浄化に使用できるので好ましい。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1の金属繊維複合体の製造方法であって、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成された平板状の繊維集合体を複数の孔部を有したアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟み込む繊維集合体保形工程と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面を熱水又は水蒸気に曝してベーマイト層からなる表皮層を形成し或いは陽極酸化処理してアルマイト層からなる表皮層を形成する表皮層形成工程と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面に形成された前記表皮層の外表面に光触媒機能を有する金属化合物を含む前記溶射材料を溶射し溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と、を備える構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)繊維集合体保形工程において、繊維集合体を保形部材で保護することができるので、特に強度の弱い繊維集合体の端の部分も溶射によって破損等し難く、製品の生産性や品質安定性に優れ、高品質の金属繊維複合体を得ることができる。
(2)繊維集合体保形工程において、保形部材によって金属繊維複合体の厚みを調節でき、繊維集合体の反発力を抑えて厚みを薄くできるので、省スペース性に優れた金属繊維複合体を得ることができる。
(3)溶射によって光触媒機能を有する金属化合物や殺菌金属の溶射皮膜を形成するので、スパッタリング等と異なり、大気圧下で広い面積に溶射皮膜を形成することができ、生産性に優れる。
(4)繊維集合体が保形部材で挟み込まれており、繊維集合体の両平面が保形部材で保護されているので、溶射皮膜形成工程において両平面に向けて溶射することができ、溶射皮膜の粗密が生じ難く、品質の安定性に優れる。
(5)表皮層形成工程を備えるので、ベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層によって繊維集合体や保形部材と溶射材料との密着性を高めることができ、溶射皮膜の剥がれ等が起きず、高品質で長寿命の金属繊維複合体を得ることができる。
(6)表皮層形成工程によって繊維集合体及び保形部材に形成された表皮層は、溶射皮膜との密着性が高いので、溶射皮膜形成工程における溶射量を増やすことができ、金属繊維複合体の生産性や光触媒機能を向上させることができる。
(7)表皮層形成工程の前に繊維集合体保形工程があるため、繊維集合体の弾性が保たれた状態で、繊維集合体を保形部材で挟持することができ、繊維集合体を破損することなく、金属繊維複合体を任意の厚さに形成することができる。
(8)繊維集合体及び保形部材がアルミニウム製の素材であり、表皮層形成工程がベーマイト処理工程を供えることで、繊維集合体や保形部材の表面に形成されたベーマイト層により、溶射皮膜との密着性を著しく向上させることができるので、溶射皮膜の剥がれ等が起きず、高品質で長寿命の金属繊維複合体を得ることができる。
(9)ベーマイト処理は、繊維集合体及び保形部材を熱水又は水蒸気で処理するだけでよいので、繊維集合体や保形部材の露出面に斑無くベーマイト層を形成することができ品質の安定性に優れるとともに、耐久性・耐食性に優れた金属繊維複合体を得ることができる。
(10)ベーマイト処理によって、繊維集合体及び保形部材に形成されたベーマイト層は、溶射皮膜との密着性が高いので、溶射皮膜形成工程における溶射量を増やすことができ、金属繊維複合体の生産性や光触媒機能を向上させることができる。
ここで、繊維集合体保形工程において、繊維集合体に使用される繊維体としては、段落〔0008〕欄で説明したものと同じものを使用できるので、説明は省略する。
繊維集合体としては、金属繊維体で形成された不織布であれば特に限定されず、市販のものを購入しても良いし、射出成形等で形成された金属繊維体を集合圧縮し形成することもできる。
また、繊維集合体を形成する繊維体の繊維径は段落〔0009〕欄で説明したもの、繊維集合体の目付量は段落〔0010〕欄で説明したものと同じものを使用できるので説明は省略する。
保形部材としては、〔0011〕欄で説明したものと同じものを使用できるので、説明は省略する。保形部材の開口率,1つの孔部目開き面積,厚みについては、〔0012〕段落で説明したものと同じものであるため、説明は省略する。
繊維集合体保形工程は、表皮層形成工程より先に行うことが好ましい。表皮層形成工程により繊維集合体は硬度の高い表皮層が形成されるため、繊維集合体の弾性が低下し、保形部材で挟持する際に表皮層の亀裂や剥れ、繊維集合体の破損等が起こり易く、金属繊維複合体の品質安定性や生産性が低下するからである。
繊維集合体を保形部材で挟み込むことで、金属繊維複合体全体の厚みを任意の厚みに形成し保つことができるとともに、金属繊維複合体を使用する場所に合せて任意の形状に形を保つこともできる。また、保形部材は溶射工程の際に繊維集合体の破損や飛散を防ぐこともでき、金属繊維複合体の生産性を高めることができる。
繊維集合体保形工程後の金属繊維複合体の厚みを概ね1〜7mmにすることができ、省スペース性にも優れる。
溶射工程において、溶射される光触媒機能を有する金属化合物としては、段落〔0013〕欄で説明した金属化合物やそれらの混合物を使用することができるので、説明は省略する。
溶射方法としては、繊維集合体及び保形部材に該金属化合物を担持させることができればどのような方法でも良く、フレーム溶射,高速フレーム溶射,ガス式溶射、アーク溶射,プラズマ溶射,線爆溶射等の電気式溶射、コールドスプレー法等を用いることができる。中でも、高速フレーム溶射は、溶射材料が半溶融状態で溶射されるので、溶射材料が熱の影響を受け難く、また、音速の数倍の速度で吹き付けるので、溶射材料が繊維複合体に食い込み易く、アンカー効果が得られ易いため、緻密で密着度の高い溶射皮膜を形成することでき好ましい。また、高速フレーム溶射を行う装置としては、本発明者が発明した特許第3978512号の温度可変型溶射装置等を好適に使用することができる。
また、表面処理工程として、溶射工程の前にブラスト処理等の方法で繊維集合体及び保形部材表面を粗くすることで、溶射材料の密着性を高めることができる。
表皮層形成工程における表皮層の形成方法としては、繊維集合体又は保形部材の材質がアルミニウム又はアルミニウムを含む合金であるので、アルマイト処理やベーマイト処理を用いることができる
ベーマイト処理工程としては、繊維集合体や保形部材の表面にベーマイト層を形成することができれば良く、約90度以上の熱水や水蒸気に繊維集合体や保形部材を接触させる方法等を用いることができる。この時、ベーマイト処理に用いる熱水や蒸気にトリエタノールアミンやアンモニア等の添加剤を加えても良い。添加剤により弱アルカリ性にすることでベーマイト処理時間を短くすることができる。
アルミニウム表面の処理方法としては、アルマイト処理が一般的であるが、アルミニウム繊維にアルマイト処理を用いると、繊維の切断部分から先には電気が流れず、繊維集合体全体にアルマイト処理を施すことが極めて難しい。しかし、ベーマイト処理であれば、熱水や水蒸気に接触させるだけで繊維集合体や保形部材の表面全体に容易にベーマイト層を形成することができ、アルマイト処理に比べ、生産性に優れるとともに、歩留を高めることができる。
また、溶射工程において光触媒機能を有する金属化合物に加え、殺菌金属である銀や銅等の殺菌金属を溶射した場合、繊維集合体や保形部材の表面にベーマイト層を形成することで、アルミニウムと異種金属が接触しないので、金属繊維複合体に水接触しても電食(ガルバニック腐食)が発生せず、耐食性を増すことができる。
さらに、ベーマイトはアルミニウムやアルミニウム合金単体に比べて硬度が高いので、溶射よって極めて密着性の高い溶射皮膜を形成することができるので、スパッタリング等の真空中で光触媒機能を有する金属皮膜を形成する必要がない。そのため、溶射によって大気中で効率良く金属繊維複合体を製造することができ、生産性に優れる。
以上のように、本発明の金属繊維複合体及びその製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)形状安定性に優れ、ウィルスや細菌に対する殺菌性に優れた金属繊維複合体を提供することができる。
(2)金属化合物の密着性が高く、製品の耐久性や品質安定性、耐食性に優れるとともに、殺菌性の高い金属繊維複合体を提供することができる。
(3)繊維集合体及び保形部材と溶射皮膜の密着性が高く、耐久性・耐食性に優れた金属繊維複合体を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)金属繊維複合体の厚みが抑えられ、加工性に優れ、強度の強い金属繊維複合体を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)流体中の処理物質を効率的に分離(ろ過)できるとともに、空気清浄機能や殺菌消臭機能に優れる金属繊維複合体を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)吸音性に優れ、建築材料の周辺の空気の浄化や殺菌(消臭)等をすることができる金属繊維複合体を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、
(1)生産性に優れ、高品質であり省スペース性に優れた金属繊維複合体を得ることができる金属繊維複合体の製造方法を提供することができる。
(2)溶射皮膜の密着性が高く、高品質であり、省スペース性に優れ、品質の安定性,耐久性・耐食性に優れた金属繊維複合体を得ることができ、生産性に優れる金属繊維複合体の製造方法を提供することができる。
(3)耐久性・耐食性・品質の安定性に優れる金属繊維複合体を得ることができ、生産性に優れる金属繊維複合体の製造方法を提供することができる。
実施の形態1の金属繊維複合体の分解斜視図 実施の形態1の金属繊維複合体の斜視図及び拡大図 図2のB−B線模式断面拡大図 トルエンの分解量と処理時間の関係を示したグラフ ベーマイト処理の時間と耐食性の関係を示したグラフ
以下、本発明の実施の形態における金属繊維複合体及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における金属繊維複合体の分解斜視図であり、図2は実施の形態1の金属繊維複合体の斜視図及び拡大図であり、図3は図2のB−B線模式断面拡大図である。
図1及び図2中、1は本発明の実施の形態1における金属繊維複合体、2はアルミニウム又はアルミニウム合金製の金属繊維等の繊維体の集合体で形成された繊維集合体、3は繊維集合体2を挟持するアルミニウム又はアルミニウム合金製のエキスパンドメタル等の保形部材、4は繊維集合体2及び保形部材3を圧着した圧着部である。
また、図3中、5は繊維集合体2及び保形部材3の表面に形成された表皮層、6は表皮層5の表面に形成された光触媒機能を有する金属化合物等からなる溶射皮膜である。
繊維集合体2を形成する繊維体としては、平均繊維径が30〜500μm,好ましくは50〜150μmであることが望ましい。
繊維集合体2としては、目付量が300〜10000g/m2,好ましくは500〜3000g/m2であることが好ましい。また、金属繊維複合体1の空隙率は50〜90%,好ましくは60〜80%に形成されることが好ましい。
保形部材3の開口率は50〜90%,好ましくは60〜80%であり、厚さは0.1〜3mm,好ましくは0.4〜1mmであり、1つの孔部目開き面積は0.5〜500mm2,好ましくは8〜125mm2であるものが望ましい。
実施の形態1において、表皮層5はベーマイト層である。
溶射皮膜6を形成する金属化合物としては、光触媒機能を有していれば特に限定されないが、二酸化チタンは光触媒の中でも安価であり、人体に対する毒性もないため好ましい。
また、溶射皮膜6には、該金属酸化物に加え、殺菌金属の銀,銅,亜鉛,アルミニウム,ニッケル,コバルト,鉄等を担持させても良い。殺菌金属を担持させる場合、溶射皮膜の総量に対し0.1〜10質量%担持させることが好ましい。
以上のように形成された本発明の実施の形態1における金属繊維複合体1の製造方法について説明する。
まず、繊維集合体保形工程として、金属繊維からなる繊維体を集合圧縮する等して得られた繊維集合体2をエキスパンドメタルやパンチメタル等の保形部材で挟み込み、1〜7mmの厚みに圧縮し、繊維集合体2及び保形部材3をスポット溶接し、圧着部4を形成することで、繊維集合体2及び保形部材3の形状を保持し、繊維集合体2と保形部材3の密着性を高める。この時、金属繊維複合体の表面は繊維集合体2や保形部材3が規則的に露出している状態となる。(図2中Aを参照)
次に、繊維集合体保形工程で形成された金属繊維複合体を純水で洗浄し、ベーマイト処理工程として、該金属繊維複合体を90℃以上の熱水に30分間以上浸漬させるか、90℃以上の水蒸気に30分間以上接触させることで、アルミニウム繊維の0.2〜2μmの表皮層5(ベーマイト層)が生成される。表皮層5の生成後、約100〜200℃の乾燥炉で数時間乾燥させることで表皮層5を安定化することができる。
次いで、溶射工程として、該金属繊維複合体に光触媒機能を有する金属化合物を高速フレーム溶射等の方法で溶射し、繊維集合体2及び保形部材3の表面に溶射皮膜6が形成され、本発明の実施の形態1の金属繊維複合体1が製造される。金属繊維複合体1は、使用する際に所定の大きさに切断されたり、変形させて使用することができる。
また、表面処理工程として、溶射工程の前にブラスト処理等の方法で繊維集合体2及び保形部材3表面を粗くすることで、溶射の密着性を高めることができる。
以上のように実施の形態1における金属繊維複合体1は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)繊維集合体2を保形部材3で挟み込むことで、金属繊維複合体1を薄くすることができ省スペース性に優れるとともに、形状安定性に優れるので加工性にも優れる。
(2)保形部材3によって繊維集合体2を形成する繊維体が保護されるので、溶射皮膜6を形成ために金属化合物を溶射しても繊維集合体2が破損し難く、生産性に優れる。
(3)表面に光触媒機能を有する金属化合物で形成された溶射皮膜6を備えるので、金属繊維複合体1の表面と接触する処理物質に対する殺菌性や脱臭性に優れる。
(4)保形部材3の厚みが0.1〜3mmであるため、金属繊維複合体の強度を強めることができるとともに、繊維集合体2を保形部材3で挟み込んでも金属繊維複合体全体の厚みを抑えることができ、加工性に優れる。
(5)保形部材3の1つの孔部目開き面積が0.5〜500mm2のエキスパンドメタルであり、開孔率が50〜90%であるので、保形部材3によって流体の流れが遮られ難く、また、金属繊維複合体の強度も強めることができる。
(6)繊維集合体2を形成する繊維体及び保形部材3がアルミニウム又はアルミニウム合金製であるので、繊維集合体2及び保形部材3と溶射皮膜6の間にベーマイト層からなる表皮層5を備えることができ、表皮層5が繊維集合体2及び保形部材3と溶射皮膜6の密着性を高めることができる。
(7)繊維集合体2及び保形部材3と溶射皮膜6の間に表皮層5(ベーマイト層)を備えることで、異種金属同士が接触することが無くなるので、金属繊維複合体表面に付着した水分による電食(ガルバニック腐食)が起きず、耐食性に優れる。
(8)表皮層5(ベーマイト層)は、純粋なアルミニウムと比べても表面の硬度が強いので、外力によって表面に亀裂等が入り難く、耐久性に優れる。
(9)圧着部4を備えているので、繊維集合体2と保形部材3の密着性に優れる。
以上のように実施の形態1における金属繊維複合体1の製造方法は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)繊維集合体保形工程において、繊維集合体2を保形部材3で保護することができるので、特に強度の弱い繊維集合体2の端の部分も溶射によって破損等がし難く、生産性に優れ、高品質の金属繊維複合体1を得ることができる。
(2)繊維集合体保形工程において、保形部材3によって金属繊維複合体の厚みを調節でき、繊維集合体2の反発力を抑えて厚みを薄くできるので、省スペース性に優れた金属繊維複合体1を得ることができる。
(3)溶射によって光触媒機能を有する金属化合物や殺菌金属の溶射皮膜6を形成するので、スパッタリング等と異なり、大気圧下で広い面積に溶射皮膜6を形成することができ、生産性に優れる。
(4)溶射工程の前にベーマイト処理工程を供えることで、繊維集合体2や保形部材3の表面と溶射皮膜6との密着性を著しく向上させることができるので、溶射皮膜6の剥がれ等が起きず、高品質で長寿命の金属繊維複合体1を得ることができる。
(5)繊維集合体2及び保形部材3のベーマイト処理工程を備え、熱水又は水蒸気で処理するので、繊維集合体2や保形部材3の露出面(表面)に斑無く容易に表皮層5を形成することができ生産性に優れるとともに、品質の安定性・耐久性・耐食性に優れた金属繊維複合体1を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<保形部材の効果及び溶射材料の密着性>
参考例1
繊維集合体を形成する繊維体として、JIS H 2102に規定されたアルミニウム地金(純度99.7%)を準備し、射出成形により平均繊維径約50〜150μmのアルミニウム繊維を得た。得られたアルミニウム繊維を圧縮成形し不織布とし、目付量850g/m2の繊維集合体を形成した。また、保形部材として厚さ0.8mm,刻み0.8mmであり、1つの孔部目開き面積が50mm2、開孔率50%のアルミニウム製エキスパンドメタル(日建ラス工業株式会社製:商品名AL NK)を準備した。
次に、準備したエキスパンドメタルで繊維集合体を挟み込み圧着して、厚さ1.8mmとし、100×100mmの大きさに切断し、空隙率62.5%の金属繊維複合体を得た。
次いで、溶射材料として平均粒径15μmの二酸化チタン粒子(昭和タイタニウム株式会社製:FP−6)を準備し、該金属繊維複合体の表面に900℃未満の温度で高速溶射することで溶射皮膜を形成した。
実施例1
ベーマイト処理として、容量200mLのビーカーに入れた純水150mLを約95℃に加熱し、該熱水に金属繊維複合体を30分間浸漬し、金属繊維複合体表面に厚さ1μmのベーマイト層(表皮層)を形成し、150℃で約2時間乾燥させた後に、溶射皮膜を形成した以外は比較例1と同様にした。
実施例2
ベーマイト処理の代わりに陽極酸化処理によって、厚さ5〜10μmアルマイト層(表皮層)を形成した以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
保形部材を用いない以外は参考例1と同様にした。
参考例1、実施例1及び2、比較例1における溶射前の金属繊維複合体表面のビッカース硬さと溶射材料である二酸化チタンのビッカース硬さを表1に示す。尚、ビッカース硬さは、JIS Z 2244ビッカース硬さ試験に従って測定した。
結果、保形部材を備えない比較例1の金属繊維複合体は二酸化チタン粒子を溶射により、繊維が飛散・破損し溶射皮膜を形成することが困難であった。
また、参考例1の金属繊維複合体は、保形部材で繊維集合体が保護されているため、二酸化チタン粒子を溶射しても繊維集合体の破損や飛散は起こらなかったが、二酸化チタン粒子の密着性が低く、溶射された二酸化チタン粒子の一部が飛散し、溶射皮膜を十分に形成することができなかった。これは、表1から分かるように溶射材料である二酸化チタンのビッカース硬さ550Hvに比べ、参考例1や比較例1のビッカース硬さ25Hvは低すぎるため、繊維集合体が二酸化チタンを弾いていることが原因だと推測される。
これらに対し、ベーマイト層を備える実施例1及びアルマイト層を備える実施例2の金属繊維複合体は、繊維集合体の飛散も、二酸化チタン粒子の飛散も起こらなかった。これは、表1から分かるように、参考例1比較例1の硬度に比べ、ビッカース硬度が実施例1のベーマイト層では160Hv、実施例2のアルマイト層では250Hvと高いので、溶射材料を弾かず、溶射によるアンカー効果による溶射材料の密着性が向上したためだと推測される。
また、実施例1の金属繊維複合体表面に斑無く溶射皮膜を形成することができたが、実施例2の金属繊維複合体表面には溶射皮膜に斑ができていた。これは、陽極酸化処理の場合、繊維集合体では電流が流れない場所があり、アルマイト層を形成できないことが原因であった。
以上のことから、エキスパンドメタル等の保形部材を用い、金属繊維複合体に保形部を備えることで、溶射による繊維集合体の飛散や破損を防ぐことができることが分かった。また、ある程度の硬度を有する表皮層を金属繊維複合体の表面に形成することで、溶射の際に溶射材料を弾かず、溶射材料の密着性を向上させることができることが示された。
<保形部材と繊維集合体の密着性>
実施例3
ベーマイト処理の前に、金属繊維複合体の角四箇所に、加圧力40kN、溶接電流16A、通電時間20cycleでスポット溶接を行い径φ6mmの圧着部を形成した以外は実施例1と同様にした。
参考例1、実施例1、3において、溶射時の保形部材と繊維集合体の剥がれを目視で確認した結果を表2に示す。
表2より、ベーマイト層(表皮層)を形成した実施例1は、参考例1に比べて保形部材と繊維集合体の密着性が高まることが分かった。また、実施例3のように、スポット溶接を行い、圧着部を形成した後にベーマイト処理を行うことで、さらに保形部材と繊維集合体の密着性が高まることが示された。
<フィルター性能の対比>
実施例1及び比較例1の金属繊維複合体を備えた空気清浄機を各々準備し、各々の空気清浄機を1m3の密閉容器内に入れ、387.5nmの波長の紫外線を金属繊維複合体に照射しながら、風量0.05m3/minの風量で、90ppmのトルエンの分解量を、TVOC測定器(フィガロ技研株式会社製FTVR−01)を用いて測定した。
トルエンの分解量と運転時間の結果を表3及び図4に示す。尚、分解量は初期濃度を100%とした時の割合で示す。
図4はトルエンの分解量と処理時間の関係を示したグラフである。
表3及び図4から、比較例1に比べ、実施例1の方がトルエンの分解速度が速く、空気清浄機を150分間運転することで実施例1では47.7%、比較例1では66.0%のトルエンを分解できることが分かった。
以上のことから、実施例1のように保形部材を備えていても、保形部材の開孔率が十分であれば、空気清浄機能に大きな差はなく、また、実施例1は比較例1に比べて溶射材料の密着性が高いため、悪臭物質の分解速度が比較例1に比べて高いことが分かった。
<耐食性試験>
0.1mass%の水酸化ナトリウム溶液を準備し、液温を40℃に保った。この水酸化ナトリウム溶液に実施例1及び2、比較例1の金属繊維複合体を浸漬し、金属繊維複合体の全面から発泡するまでの時間を測定した。
結果を表4に示す。尚、発泡までの時間は実施例2の結果を1とした相対値である。
表4より、表皮層を備える実施例1及び2の金属繊維複合体は、表皮層を備えていない比較例1金属繊維複合体と比べて極めて高い耐食性を備えていることが分かった。また、アルマイト層を備える実施例2の耐食性が、ベーマイト層を備える実施例1に比べて低い理由は、ベーマイト層と異なり、アルマイト層がポーラス状の膜であることが原因であると考えられる。
実施例4
ベーマイト処理において浸漬時間を30分、45分、60分、90分を分け、其々の金属繊維複合体を実施例4a、4b、4c、4dとした以外は実施例1と同様にした。
実施例5
純水(熱水)を撹拌しながら金属繊維複合体を浸漬した以外は実施例1と同様にした。
実施例6
ベーマイト処理中に、ビーカーを42kHzの超音波振動器で振動させた以外は実施例1と同様にした。
0.1mass%の水酸化ナトリウム溶液を準備し、液温を50℃に保った。この水酸化ナトリウム溶液に実施例4乃至6、比較例1の金属繊維複合体を浸漬し、金属繊維複合体の全面が発泡するまでの時間を目視で測定した。
結果を表5及び図5に示す。
図5はベーマイト処理時間と耐食性の関係を示したグラフである。
図5より、実施例4においてベーマイト処理時間の時間を長くすることで、耐食性が増すことが分かった。
また、表5より、純水を撹拌した実施例5や容器を振動させた実施例6の方が、実施例4aに比べて耐食性に優れることが分かった。この結果から、純水を強制的に対流させることで短い処理時間でも高い耐食性が得られることが分かった。
<耐久性試験>
実施例7乃至9
参考例1、実施例1、2の金属繊維複合体に促進耐候試験機(スガ試験機株式会社製:サンシャインウェザーメーター)を用いて、光劣化させ、使用5年後の劣化状態と近い金属繊維複合体を作成し、実施例7乃至9とした。
参考例1、実施例1、2の金属繊維複合体と実施例7乃至9の金属繊維複合体を備えた空気清浄機を各々準備し、各々の空気清浄機を1m3の密閉容器内に入れ、金属繊維複合体に波長域300〜700nmの紫外線を放射照度255W/m2の条件で照射しながら、風量0.05m3/minの風量で、約35mg/m3の濃度のホルムアルデヒドの分解速度を測定した。
分解速度は、空気清浄機の運転時間0.5時間毎にTVOC測定器(フィガロ技研株式会社製:FTVR−01)を用いて測定し、1時間当たりの分解速度定数をVOC濃度と分解に要した経過時間から算出した。結果を表6に示す。
表6から、光劣化前の参考例1、実施例1、2は、同じ溶射皮膜が形成されているので、分解速度定数としては約2程度で略同じであると考えられるが、表皮層を備える実施例1及び2では、溶射材料の密着性が高いため、参考例1に比べ分解速度定数が0.2〜0.3程高くなっている。
使用5年間の劣化状態である実施例7乃至9において、表皮層を備えない参考例1は分解速度定数が1.958から1.047に低下し、アルマイト層を備える実施例2は分解速度定数が2.234から1.141低下しており、参考例1及び実施例2は使用5年で分解速度乗数が約1/2になることが分かった。しかし、ベーマイト層を備える実施例1は使用5年後の劣化状態においても分解速度定数が2.123から1.629までしか低下しておらず、参考例1及び実施例2に比べ分解速度定数の低下の割合が小さいことが分かった。
以上のことから、表皮層としてベーマイト層を備えることで、耐久性を向上させることができ、金属繊維複合体の長寿命化が測れることが示された。
以上の結果から、金属繊維複合体は保形部材を備えることで、溶射の際の繊維集合体の飛散を抑えることができ、表皮層を備えることで、溶射材料の密着性を向上させることができることが示された。また、繊維集合体を形成する繊維体や、保形部材としてアルミニウム製の素材を使用する場合、表皮層をベーマイト層にすることで、溶射材料の密着性を向上させるとともに、高い耐食性及び耐久性が得られ、長寿命の金属繊維複合体が得られることが示された。
本発明は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成した繊維集合体が多孔性でアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟持されているので、金属繊維複合体を任意の厚みに調整でき、形状の安定性に優れるため加工性に優れるとともに、金属繊維複合体が表面に硬度が金属よりも高い不動態のベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層を備えることで、光触媒等の溶射材料が表面に密着し易く、水分と接触した場合や水中で使用した場合にも繊維体や保形部材がイオン化し難いため、耐食性や耐久性に優れる金属繊維複合体を提供することができる。
また、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維集合体をアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟持した後にベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層を形成するので、保形部材による圧延によって繊維集合体の破損や表皮層の割れや剥れが生じ難く、表皮層の硬度が金属よりも高いので、光触媒等の溶射材料との密着性が高く、溶射による溶射皮膜の形成が容易であるため、生産性に優れる金属繊維複合体の製造方法を提供することができる。
1 実施の形態1の金属繊維複合体
2 繊維集合体
3 保形部
4 圧着部
5 表皮層
6 溶射皮膜
A 要部拡大図

Claims (5)

  1. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成された繊維集合体と、前記繊維集合体の両平面に覆設された複数の孔部を有したアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面に形成されたベーマイト層又はアルマイト層からなる表皮層の外表面に形成され光触媒機能を有する金属化合物を含む溶射皮膜と、を備えることを特徴とする金属繊維複合体。
  2. 前記保形部材の厚みが0.1〜3mm,1つの孔部目開き面積が0.5〜500mm2,開孔率が50〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の金属繊維複合体。
  3. 流体に対するフィルターであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属繊維複合体。
  4. 建築材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属繊維複合体。
  5. 請求項1乃至4の内いずれか1に記載の金属繊維複合体の製造方法であって、
    アルミニウム製又はアルミニウム合金製の繊維体で形成された平板状の繊維集合体を複数の孔部を有したアルミニウム製又はアルミニウム合金製の保形部材で挟み込む繊維集合体保形工程と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面を熱水又は水蒸気に曝してベーマイト層からなる表皮層を形成し或いは陽極酸化処理してアルマイト層からなる表皮層を形成する表皮層形成工程と、前記繊維集合体及び前記保形部材の外表面に形成された前記表皮層の外表面に光触媒機能を有する金属化合物を含む前記溶射材料を溶射し溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成工程と、を備えることを特徴とする金属繊維複合体の製造方法。
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