第1の発明は、オゾンとマイナスイオンとを同時に発生する発生装置と、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段とから構成され、前記発生装置は放電電極と対向電極との間でコロナ放電を行うものであり、前記放電電極と前記対向電極との間に印加する電圧が直流であり、範囲が−3kV以上−10kV以下であり、かつ、前記放電電極と前記対向電極との間に流れる電流が1μAより大きく、30μAより小さいことを特徴とした除菌デバイスであり、オゾンとマイナスイオンにより、ラジカル生成が促進されるとともに、さらに、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段により、目的の場所でラジカルを生成することができるため、効果的に除菌することができる。また、浮遊菌に対して、マイナスイオンの効果により捕集操作をすることができるため、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段の作用域での処理が効果的に行えるため除菌に非常に適している。
さらに、対向電極の形状を筒状もしくは平板状にすることで、放電電極との近接部の面積をコントロールできること、また、マイナスイオンの放出を抑制することなくでき、低濃度のオゾンを発生させることができ、かつ、多量のマイナスイオンを放出することができる。
または、放電電極と対向電極の電極間に印加する電圧が直流であり、範囲が−3kV以上−10kV以下であり、かつ、電極間に流れる電流が1μAより大きく、30μAより小さいことを特徴としたオゾンとマイナスイオンを同時に発生する発生装置を有する除菌デバイスであり、印加電圧と電極間の電流値の制限により、低濃度オゾンと多量のマイナスイオンを発生でき、また、短絡なしに安全に供給することができる。
第2の発明は、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段が、光であることを特徴とした除菌デバイスであり、光により効率的にオゾンからラジカルを生成することができるとともに、所望の場所への照射が容易であり、汎用性の高さから、利用用途の幅を広げることができる。
第3の発明は、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段が、遷移金属である除菌デバイスであり、遷移金属により効率的にオゾンからラジカルを生成することができるとともに、マイナスイオンが直接オゾンからラジカル生成することを促進することに加え
、遷移金属が間接的に作用することで、さらにラジカル生成を促進する。また、除菌処理部に対して、直接接触や溶液を利用することで、光であれば影になりうる部分にも、ラジカルを生成させ、作用することができる。
第4の発明は、光が、LEDにより発せられることを特徴とした除菌デバイスであり、光源にLEDを使用することで、大きさによる設置性、指向性のよさ、割れないことによる安全性により、展開性のよいデバイスとすることができる。
第5の発明は、光の波長が380nm以上500nm以下であることを特徴とした除菌デバイスであり、オゾンから効率よくラジカルが生成できるとともに、人体、特に目に対しての安全面を確保でき、また、可視領域であるため視覚的効果を期待することができる。さらに、この波長域を利用することで、コスト面でも優位である。
第6の発明は、遷移金属が、銀、銅、亜鉛である除菌デバイスであり、遷移金属を利用する効果に加え、銀、銅、亜鉛が有する除菌効果を利用することができるとともに、通常、銀、銅、亜鉛を単体で使用するには、除菌効果を発揮できない、低濃度の添加においてでも、高い除菌効果を発揮することができる。
第7の発明は、遷移金属を担持体に金属単体もしくは金属酸化物もしくは金属イオンの状態で担持したことを特徴とする除菌デバイスであり、担持体をフィルターなどに加工することで、マイナスイオンによりフィルター部に捕集し、効果的に除菌ができる。さらに、担持体を利用することで、遷移金属の比表面積を増大させることができ、除菌効果を確保しながら遷移金属の使用量を抑制することができる。
第8の発明は、遷移金属が、有機高分子の成形体や合金に含有されていることを特徴とする除菌デバイスであり、有機高分子の成形体や合金に含有することで、様々な形に成形することが可能であり、除菌処理部を囲む壁などに加工することができ、汎用性を高めることができる。また、マイナスイオンで、帯電され除菌処理部を囲む壁などに付着してしまっても、効果的に除菌することができる。
第9の発明は、第1から第8の発明による除菌デバイスを利用した除菌方法であり、オゾンとマイナスイオンにより、ラジカル生成が促進されるとともに、さらに、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段により、目的の場所で、光や遷移金属を利用してラジカルを生成することができるため、効果的に除菌することができる。また、浮遊菌に対して、マイナスイオンの効果により捕集操作をすることができるため、オゾンからラジカルを生成するラジカル生成手段の作用域での処理が効果的に行える。この除菌方法により、除菌対象物や除菌対象範囲、除菌対象環境などに捉われず、広い対象で優れた除菌性能を発揮する除菌方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光を利用した除菌デバイスの構成図を示している。処理空間1において、マイナスイオン・オゾン発生装置2によりマイナスイオン5およびオゾン6を発生させ、除菌対象物4に、マイナスイオン5およびオゾン6を作用させ、光源3によりオゾン6からラジカルを生成させることで、除菌対象物4を除菌するものである。
処理空間1の大きさは、1Lから500Lまでの大きさである。処理空間1と外部とが
、ファンなど送風装置を介して、空気の出入りが自由であってもよい。処理空間1と外部との間にフィルターを設置することで、フィルターを除菌対象物4とすることも可能である。フィルターを除菌対象物4とし、外部の浮遊菌を対象とした場合、外部からの空気が侵入する側から光源3により発せられる光が照射されることが望ましい。また、フィルターを除菌対象物4とし、処理空間1内部の浮遊菌を対象とした場合、内部側から光源3により発せられる光が照射されることが望ましい。フィルターには、樹脂製や金属製のメッシュ状のフィルターやセラミック製や紙製のハニカム状のフィルター、樹脂製や紙製の不織布のフィルターを用いることができる。
また、処理空間1と外部とが、重力による液体の移動や水圧、また、ポンプなど液体輸送装置を介して、液体の出入りが自由であってもよい。処理空間1と外部との間にフィルターを設置することも可能で、フィルターを除菌対象物4とすることも可能である。フィルターを除菌対象物4とし、外部の液体に浮遊している菌を対象とした場合、外部からの液体が侵入する側から光源3により発せられる光がフィルターに照射されることが望ましい。また、フィルターを除菌対象物4とし、処理空間1内部の液体に浮遊している菌を対象とした場合、内部側から光源3により発せられる光がフィルターに照射されることが望ましい。フィルターには、樹脂製や金属製のメッシュ状のフィルターやセラミック製のハニカム状のフィルター、樹脂製の不織布のフィルターを用いることができる。
処理空間1を形成する材料は、ポリプロピレン、ABS、ポリスチレン、アクリル樹脂などの樹脂材料、鉄、アルミや、ステンレスなどの合金等の金属材料が挙げられる。内部や表面に、抗菌剤を配合することも可能であり、手法とすれば、樹脂材料への添加や、成形後の塗装や、金属材料であればプレコート材を利用することもできる。抗菌剤は特に限定しない。さらに、対象を浮遊菌とし、除菌対象物4を処理空間1を形成している空間壁面とする場合、浮遊菌をマイナスイオン5により帯電する、もしくは、マイナスイオン5により処理空間1を形成している空間壁面を帯電することで、浮遊菌を処理空間1を形成している空間壁面に付着させることができ、浮遊菌を付着させた処理空間1を形成している空間壁面を除菌対象物4とし、光源3により発せられる光を照射することで除菌することができる。特に、マイナスイオン5により帯電された浮遊菌が付着しやすいように、もしくは、マイナスイオン5により処理空間1を形成している空間壁面を帯電することで浮遊菌が付着しやすくするために、処理空間1を形成する材が、帯電しやすい樹脂が望ましい。帯電しやすい樹脂としては、表面抵抗値が1×1013Ω以上であることが望ましい。
マイナスイオン・オゾン発生装置2は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させてオゾンとマイナスイオンを発生させる発生装置である。発生するマイナスイオン5は、発生装置近傍で、数が1000000個/cc以上存在することが望ましい。マイナスイオン5が1000000個/cc未満であると、オゾン6への作用を及ぼす数が少なく、ラジカル生成に与える影響が減少する。また、浮遊菌の捕集に対しての効果が減少する。発生するオゾン6は、処理空間1を、0.01ppmから0.3ppmの範囲が望ましく、0.01ppm未満では、除菌効果が小さく、また、0.3ppm以上であると、除菌効果は高くなるが、人体に与える影響や構成部材に与える影響が出てくる。さらに望ましくは、長時間連続で除菌する場合には、0.1ppm以下である。
図1では、マイナスイオン・オゾン発生装置2は、処理空間1の内部に設置されているが、処理空間1の外部に設置し、マイナスイオン5、オゾン6がファンなどの送風手段によって、処理空間1に供給される構成でも構わない。
光源3は、紫外領域の波長から、500nm以下の波長を照射できればよい。また、人が直視してしまう恐れがある場合は380nm以上の波長であることが望ましい。さらに
、割れる危険性を考慮すると、光源3はLEDであることが望ましい。LEDの光波長は380nmから500nmに中心を持つものが望ましい。これは、コストの面と、入手しやすさ、また、強い光量を得やすくオゾンからラジカルを生成しやすいためである。
除菌対象物4は、衣類やぬいぐるみなどの玩具、食器、調理器具、果物や野菜、肉類や魚介類などの食物および食物を包装しているラップやトレイのような対象物そのものを除菌対象物4とするもの、また、処理空間1の壁面や外部への排出口に設置するフィルター、外部の浮遊菌を捕集したフィルターや壁面を除菌対象物4とすることができる。除菌対象物4あるいは処理空間1の水分量はラジカル生成において役割を果たすため、処理空間1や除菌対象物4の水分量調整手段を備えることも可能である。水分量調整手段としては、水分量を増加させる手段として、超音波によって気相中に水を粒子化して飛ばす手段、ヒーターによって水を蒸発させる手段、霧吹きのようにノズルを利用し水を粒子化して飛ばす手段などが挙げられる。また、水分量を減少させる手段として、ヒーターや、ヒートポンプ、マイクロ波、遠心力を利用することが挙げられる。さらに、水への浸漬による水分量を増加させる手段と水分量を減少させる手段とを併用することによって水分量を調整することもできる。ほかに、水分量調整手段として、ゼオライトなど多孔質体による水の吸脱着を利用した手段を用いることも可能である。
除菌方法は、処理空間1内にある除菌対象物4に存在する菌に対し、マイナスイオン・オゾン発生装置2により生じたマイナスイオン5およびオゾン6を接触させ、除菌対象物4に対して、光源3からの光により、マイナスイオン5およびオゾン6から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物4に存在する菌が除菌する方法である。
また、外部空間に浮遊していた菌を処理空間1に取り込むことも可能で、マイナスイオン5が外部空間に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間1の内部がマイナスイオンにより帯電することで、ファンなどの送風装置を利用し、取り込んだ外部に浮遊していた菌を効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。この捕集する場所を、フィルターや処理空間1を形成している空間壁面とし、除菌対象物4とする。このようにして、取り込んだ外部に浮遊していた菌に対して、光源3からの光により、マイナスイオン5およびオゾン6から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物4に存在する菌を除菌する方法である。
さらに、処理空間1の内部に浮遊している菌に対して、マイナスイオン5が処理空間1に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間1の内部がマイナスイオンにより帯電することで、処理空間1の壁面に浮遊菌を付着させ、効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。浮遊菌を付着させた処理空間1の壁面を除菌対象物4とする。このようにして、処理空間1内部に浮遊していた菌に対して、光源3からの光により、マイナスイオン5およびオゾン6から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物4に存在する菌を除菌する方法である。
図4は、本発明の実施の形態1から3における筒形状型マイナスイオンおよびオゾン発生装置の模式図である。筒型形状型マイナスイオンおよびオゾン発生装置は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させてオゾンとマイナスイオンを発生させるもので、より、望ましくは、放電電極42と対向電極41の電極間に印加する電圧が直流であり、範囲が−3kV以上−10kV以下であり、かつ、この印加電圧範囲において、電極間に流れる電流が1μAより大きく、30μAより小さいものである。この制限によって、オゾン発生量を制御し、マイナスイオンを多量に放出することができる。電流が大きいほど、オゾン発生量が多く、小さいほど、オゾン発生量が少ない。
対向電極41は、ステンレス、ニッケル、アルミ、銅、タングステンなどが挙げられる
が、ステンレスが、汎用的であり、加工性の面からも望ましい。板厚は、0.3mm以上、2mm以下であれば良い。0.3mm未満では、強度が弱くなってしまい、製造過程などで形状が変形しやすいことが問題となってしまう。また、1mmより大きいと、加工がしにくい。対向電極41の形状は、筒で示しているが、円の一部が欠けている形状のものでも構わない。また、筒が扁平している形状である、中心に穴の開いた円板状でも構わない。円板状の場合、外径と内径の差が、0.3mm以上、5mm以下であればよい。0.3mm未満では、強度が弱くなってしまい、製造過程などで形状が変形しやすく、また、製造過程、運搬過程、使用過程において破断する恐れがある。5mmより大きいと、マイナスイオンおよびオゾン発生装置の大きさが大きくなり、設置が制限される。
また、対向電極41の放電電極42の先端に近い端を屈曲させ、放電電極42方向に端面を向けることができる。端面を向けることで、放電極に近い部分の面積を減少させることができ、電極間に流れる電流を減少させることができ、オゾン発生量を減少する。
円筒径45は、内径の直径が、15mm以上、40mm以下であれば良い。15mm未満では、短絡の危険性が高くなるためである。また、40mmより大きいと放電が発生しにくくなる。外径は、板厚に依存する、もしくは、円板状の場合は、内径より0.3mm以上、5mm以下大きくなる。
円筒幅46は、0.3mm以上、5mm以下であればよい。0.3mm未満では強度が弱くなる。また、5mmより大きいと、発生したマイナスイオンが円筒外へ出にくくなるため、処理空間1にマイナスイオン5の量が減少する。
放電電極42は、ステンレス、ニッケル、アルミ、銅、タングステンなどが挙げられるが、ステンレスが、汎用的であり、加工性の面からも望ましい。形状は、先端が鋭く尖った形状をしており、鋭く尖っているほど、オゾン発生量が減少する。放電電極42は、径が0.3mm以上、1mm以下であれば良い。0.3mm未満では、先端との差が出にくい。また、1mmより大きいと、加工が難しくなる。また、先端部は対向電極41円筒部の中心に来ることが望ましい。
最近接部距離47は、放電電極42の先端と対向電極41の距離を表している。最近接部距離を、大きくとれば、電極間の電流値が減少し、小さくすれば、電極間の電流値が増加する。
導線43は、樹脂で被覆された導線であり、特に、放電電極側の導線43は、高電圧にも耐えうる、フッ素樹脂被覆やシリコーン樹脂被覆などの耐圧性の導線が望ましい。
高電圧発生装置44は、負極の高電圧を発生できるものであり、より望ましくは、−3kVから−10kVの高電圧を発生させることができるものが望ましい。−3kV未満では、放電が起こりにくく、また、−10kVより大きいと、電極間の短絡が起きやすくなる。
図5は、本発明の実施の形態1から3における平板状型マイナスイオンおよびオゾン発生装置の模式図である。平板状型マイナスイオンおよびオゾン発生装置は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させてオゾンとマイナスイオンを発生させるもので、より、望ましくは、放電電極42と対向電極41の電極間に印加する電圧が直流であり、範囲が−3kV以上−10kV以下であり、かつ、この印加電圧範囲において、電極間に流れる電流が1μAより大きく、30μAより小さいものである。この制限によって、オゾン発生量を制御し、マイナスイオンを多量に放出することができる。電流が大きいほど、オゾン発生量が多く、小さいほど、オゾン発生量が少ない。
対向電極51は、ステンレス、ニッケル、アルミ、銅、タングステンなどが挙げられるが、ステンレスが、汎用的であり、加工性の面からも望ましい。板厚は、0.3mm以上、2mm以下であれば良い。0.3mm未満では、強度が弱くなってしまい、製造過程などで形状が変形しやすいことが問題となってしまう。また、1mmより大きいと、加工がしにくい。対向電極51の形状は、板で示しているが、また、対向電極51の上端を屈曲させ、放電電極52方向に端面を向けることができる。端面を向けることで、放電極に近い部分の面積を減少させることができ、電極間に流れる電流を減少させることができ、オゾン発生量を減少する。
板幅55は、幅が、1mm以上、30mm以下であれば良い。小さいほど、オゾン発生が少なく、大きいほどオゾン発生が大きくなる。1mm未満では、電極間の電流が流れにくくなり、オゾンが発生しにくくなる。また、30mm以上であれば、電極間の電流の増加がさほど期待できなくなり、また、マイナスイオンの放出量が減少する。
板長56は、5mm以上、30mm以下であればよい。5mm未満では、放電電極から飛び出る電子を受け取るアースとしての役割を果たしにくくなり、放電の制御が難しくなる。また、30mmより大きいと、発生したマイナスイオンが放出されにくくなるため、処理空間1にマイナスイオン5の量が減少する。
放電電極52は、ステンレス、ニッケル、アルミ、銅、タングステンなどが挙げられるが、ステンレスが、汎用的であり、加工性の面からも望ましい。形状は、先端が鋭く尖った形状をしており、鋭く尖っているほど、オゾン発生量が減少する。放電電極42は、径が0.3mm以上、1mm以下であれば良い。0.3mm未満では、先端との差が出にくい。また、1mmより大きいと、加工が難しくなる。
最近接部距離57は、放電電極52の先端と対向電極51の距離を表している。最近接部距離を、大きくとれば、電極間の電流値が減少し、小さくすれば、電極間の電流値が増加する。最近接部距離57は、7mm以上、30mm以下であれば良い。7mm未満では、短絡の危険性が高く、30mmより大きいとオゾンが発生しにくくなる。
導線53は、樹脂で被覆された導線であり、特に、放電電極側の導線53は、高電圧にも耐えうる、フッ素樹脂被覆やシリコーン樹脂被覆などの耐圧性の導線が望ましい。
高電圧発生装置54は、負極の高電圧を発生できるものであり、より望ましくは、−3kVから−10kVの高電圧を発生させることができるものが望ましい。−3kV未満では、放電が起こりにくく、また、−10kVより大きいと、電極間の短絡が起きやすくなる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における遷移金属を利用した除菌デバイスの構成図を示している。処理空間21において、マイナスイオン・オゾン発生装置22によりマイナスイオン25およびオゾン26を発生させ、除菌対象物24に、マイナスイオン25およびオゾン26を作用させ、遷移金属23によりオゾン26からラジカルを生成させることで、除菌対象物24を除菌するものである。
処理空間21の大きさは、1Lから500L程度までの大きさであれば良く、処理空間21と外部とが、ファンなど送風装置を介して、空気の出入りが自由であってもよい。処理空間21と外部との間にフィルターを設置することも可能で、フィルターを除菌対象物24とすることも可能である。フィルターには、樹脂製や金属製のメッシュ状のフィルタ
ーやセラミック製や紙製のハニカム状のフィルター、樹脂製や紙製の不織布のフィルターを用いることができる。
また、処理空間21を形成する材料は、ポリプロピレン、ABS、ポリスチレン、アクリル樹脂などの樹脂材料、ステンレスや鉄などの金属材料が挙げられる。内部や表面に、抗菌剤を配合することも可能であり、手法とすれば、樹脂材料への添加や、成形後の塗装や、金属材料であればプレコート材を利用することもできる。さらに、対象を浮遊菌とし、除菌対象物24を処理空間21を形成している空間壁面とする場合、浮遊菌をマイナスイオン25により帯電する、もしくは、マイナスイオン25により処理空間21を形成している空間壁面を帯電することで、浮遊菌を処理空間21を形成している空間壁面に付着させることができ、浮遊菌を付着させた処理空間1を形成している空間壁面を除菌対象物24とし、除菌することができる。特に、マイナスイオン25により帯電された浮遊菌が付着しやすいように、もしくは、マイナスイオン25により処理空間21を形成している空間壁面を帯電することで浮遊菌が付着しやすくするために、処理空間1を形成する材が、帯電しやすい樹脂が望ましい。帯電しやすい樹脂としては、表面抵抗値が1×1013Ω以上であることが望ましい。
マイナスイオン・オゾン発生装置22は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させてオゾンとマイナスイオンを発生させる発生装置である。発生するマイナスイオン25は、発生装置近傍で、数が1000000個/cc以上存在することが望ましい。マイナスイオン25が1000000個/cc未満であると、オゾン26への作用を及ぼす数が少なく、ラジカル生成に与える影響が減少する。また、浮遊菌の捕集に対しての効果が減少する。さらに、遷移金属23に対して、還元する作用が減少し、酸化還元サイクルが遅くなり、ラジカル生成が減少する。発生するオゾン26は、処理空間1を、0.01ppmから0.3ppmの範囲が望ましく、0.01ppm未満では、除菌効果が小さく、また、0.3ppm以上であると、除菌効果は高くなるが、人体に与える影響や構成部材に与える影響が出てくる。さらに望ましくは、長時間連続で除菌する場合には、0.1ppm以下である。
図2では、マイナスイオン・オゾン発生装置22は、処理空間21の内部に設置されているが、処理空間21の外部に設置し、マイナスイオン25、オゾン26がファンなどの送風手段によって、処理空間21に供給される構成でも構わない。
遷移金属23は、銀、銅、亜鉛、コバルト、鉄、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、モリブデン、パラジウム、白金、金などが挙げられるが、特に、単独でも抗菌効果の高い、銀、銅、亜鉛が望ましい。遷移金属23は、処理空間21と外部との間のフィルターに担持することも可能で、ゼオライトやシリカゲル、活性炭などの多孔質体への担持させたものをフィルターに担持したり、フィルター構成材料に含有させることができる。また、フィルターそのもの担持したり、フィルター構成材料に含有させることもできる。また、フィルターだけでなく、遷移金属23をゼオライトやシリカゲル、活性炭などの多孔質体への担持させたものや、遷移金属23を、処理空間21を構成する樹脂材料や金属材料に含有させることや、表面に配合させることも可能である。さらに、遷移金属23を溶解させた溶液を、スプレーや超音波、浸漬によって除菌対象物24に接触させることも可能である。遷移金属23の溶解は、処理空間21内部で行なわれても、外部で行なわれ、溶液を処理空間21内部に取込んでも構わない。遷移金属23の溶解方法は、電解による方法や、溶融ガラスやゼオライトなど多孔質体に担持させた金属の水との接触による溶解、ウール状の金属と水との接触による溶解などが挙げられるが、所望の濃度の溶液を得られる方法であれば良い。遷移金属23の溶液の濃度は、金属種にもよるが、一概に1ppm程度あれば良い。下限は、0.01ppm程度である。これより少ないとラジカルの生成量が十分でなくなってしまう。例えば、銀であれば、0.1−0.005ppm程
度、銅であれば、1−0.01ppm程度、亜鉛であれば、1−0.02ppm程度であれば、上限は水質の保全とコスト、下限は除菌効果から好ましい。
除菌対象物24は、衣類やぬいぐるみなどの玩具、食器、調理器具、果物や野菜、肉類や魚介類などの食物および食物を包装しているラップやトレイのような対象物そのものを除菌対象物24とするもの、また、処理空間21や外部の浮遊菌を捕集したフィルターや壁面を除菌対象物24とすることができる。除菌対象物24あるいは処理空間21の水分量はラジカル生成において役割を果たすため、処理空間21や除菌対象物24の水分量調整手段を備えることも可能である。水分量調整手段としては、水分量を増加させる手段として、超音波によって気相中に水を粒子化して飛ばす手段、ヒーターによって水を蒸発させる手段、霧吹きのようにノズルを利用し水を粒子化して飛ばす手段などが挙げられる。
また、水分量を減少させる手段として、ヒーターや、ヒートポンプ、マイクロ波、遠心力を利用することが挙げられる。さらに、水への浸漬を加えた水分量を増加させる手段と水分量を減少させる手段とを併用することによって水分量を調整することもできる。ほかに、水分量調整手段として、ゼオライトなど水の吸脱着を利用した手段を用いることも可能である。
除菌方法は、処理空間21内にある除菌対象物24に存在する菌に対し、マイナスイオン・オゾン発生装置22により生じたマイナスイオン25およびオゾン26を接触させ、除菌対象物24に対して、遷移金属23により、マイナスイオン25およびオゾン26から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物24に存在する菌が除菌する方法である。
また、外部空間に浮遊していた菌を処理空間1に取り込むことも可能で、マイナスイオン25が外部空間に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間21の内部がマイナスイオンにより帯電することで、ファンなどの送風装置を利用し、取り込んだ外部に浮遊していた菌を効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。この捕集する場所を、フィルターや処理空間21を形成している空間壁面とし、除菌対象物24とする。除菌対象物24としたフィルターや処理空間21を形成している空間壁面に遷移金属23を配合させることで、取り込んだ外部に浮遊していた菌に対して、マイナスイオン25が遷移金属23に作用し、また、マイナスイオン25がオゾン26に作用し、効率的にラジカルが生成し、除菌対象物24に存在する菌を除菌する方法である。
さらに、処理空間21の内部に浮遊している菌に対して、マイナスイオン25が処理空間21に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間21の内部がマイナスイオン25により帯電することで、処理空間21の壁面に浮遊菌を付着させ、効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。この捕集する場所を、フィルターや処理空間21を形成している空間壁面とし、除菌対象物24とする。除菌対象物24としたフィルターや処理空間21を形成している空間壁面に遷移金属23を配合させることで、処理空間21の内部に浮遊していた菌に対して、マイナスイオン25が遷移金属23に作用し、また、マイナスイオン25がオゾン26に作用し、効率的にラジカルが生成し、除菌対象物24に存在する菌を除菌する方法である。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における光かつ遷移金属を利用した除菌デバイスの構成図を示している。処理空間31において、マイナスイオン・オゾン発生装置32によりマイナスイオン36およびオゾン37を発生させ、除菌対象物35に、マイナスイオン36およびオゾン37を作用させ、光源33および遷移金属34によりオゾン37からラジカルを生成させることで、除菌対象物35を除菌するものである。
処理空間31の大きさは、1Lから500Lまでの大きさである。処理空間31と外部とが、ファンなど送風装置を介して、空気の出入りが自由であってもよい。処理空間31と外部との間にフィルターを設置することで、フィルターを除菌対象物35とすることも可能である。フィルターを除菌対象物24とし、外部の浮遊菌を対象とした場合、外部からの空気が侵入する側から光源3により発せられる光が照射されることが望ましい。また、フィルターを除菌対象物35とし、処理空間31内部の浮遊菌を対象とした場合、内部側から光源33により発せられる光が照射されることが望ましい。
また、処理空間31と外部とが、重力による液体の移動や水圧、また、ポンプなど液体輸送装置を介して、液体の出入りが自由であってもよい。処理空間31と外部との間にフィルターを設置することも可能で、フィルターを除菌対象物35とすることも可能である。フィルターを除菌対象物35とし、外部の液体に浮遊している菌を対象とした場合、外部からの液体が侵入する側から光源33により発せられる光がフィルターに照射されることが望ましい。また、フィルターを除菌対象物35とし、処理空間31内部の液体に浮遊している菌を対象とした場合、内部側から光源33により発せられる光がフィルターに照射されることが望ましい。フィルターには、樹脂製や金属製のメッシュ状のフィルターやセラミック製のハニカム状のフィルター、樹脂製の不織布のフィルターを用いることができる。
処理空間31を形成する材料は、ポリプロピレン、ABS、ポリスチレン、アクリル樹脂などの樹脂材料、鉄、アルミや、ステンレスなどの合金等の金属材料が挙げられる。内部や表面に、抗菌剤を配合することも可能であり、手法とすれば、樹脂材料への添加や、成形後の塗装や、金属材料であればプレコート材を利用することもできる。抗菌剤は特に限定しない。さらに、対象を浮遊菌とし、除菌対象物35を処理空間31を形成している空間壁面とする場合、浮遊菌をマイナスイオン36により帯電する、もしくは、マイナスイオン36により処理空間31を形成している空間壁面を帯電することで、浮遊菌を処理空間31を形成している空間壁面に付着させることができ、浮遊菌を付着させた処理空間31を形成している空間壁面を除菌対象物35とし、光源33により発せられる光を照射することで除菌することができる。特に、マイナスイオン36により帯電された浮遊菌が付着しやすいように、もしくは、マイナスイオン36により処理空間31を形成している空間壁面を帯電することで浮遊菌が付着しやすくするために、処理空間1を形成する材が、帯電しやすい樹脂が望ましい。帯電しやすい樹脂としては、表面抵抗値が1×1013Ω以上であることが望ましい。
マイナスイオン・オゾン発生装置32は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させてオゾンとマイナスイオンを発生させる発生装置である。発生するマイナスイオン36は、発生装置近傍で、数が1000000個/cc以上存在することが望ましい。マイナスイオン36が1000000個/cc未満であると、オゾン37への作用を及ぼす数が少なく、ラジカル生成に与える影響が減少する。また、浮遊菌の捕集に対しての効果が減少する。さらに、遷移金属23に対して、還元する作用が減少し、酸化還元サイクルが遅くなり、ラジカル生成が減少する。発生するオゾン37は、処理空間31を、0.01ppmから0.3ppmの範囲が望ましく、0.01ppm未満では、除菌効果が小さく、また、0.3ppm以上であると、除菌効果は高くなるが、人体に与える影響や構成部材に与える影響が出てくる。さらに望ましくは、長時間連続で除菌する場合には、0.1ppm以下である。
図3では、マイナスイオン・オゾン発生装置32は、処理空間31の内部に設置されているが、処理空間1の外部に設置し、マイナスイオン36、オゾン37がファンなどの送風手段によって、処理空間1に供給される構成でも構わない。
光源33は、紫外領域の波長から、500nm以下の波長を照射できればよい。また、人が直視してしまう恐れがある場合は380nm以上の波長であることが望ましい。さらに、割れる危険性を考慮すると、光源33はLEDであることが望ましい。LEDの光波長は380nmから500nmに中心を持つものが望ましい。これは、コストの面と、入手しやすさ、また、強い光量を得やすくオゾンからラジカルを生成しやすいためである。
遷移金属34は、銀、銅、亜鉛、コバルト、鉄、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、モリブデン、パラジウム、白金、金などが挙げられるが、特に、単独でも抗菌効果の高い、銀、銅、亜鉛が望ましい。遷移金属34は、処理空間21と外部との間のフィルターに担持することも可能で、ゼオライトやシリカゲル、活性炭などの多孔質体への担持させたものをフィルターに担持したり、フィルター構成材料に含有させることができる。
また、フィルターそのもの担持したり、フィルター構成材料に含有させることもできる。また、フィルターだけでなく、遷移金属34をゼオライトやシリカゲル、活性炭などの多孔質体への担持させたものや、遷移金属34を、処理空間21を構成する樹脂材料や金属材料に含有させることや、表面に配合させることも可能である。さらに、遷移金属34を溶解させた溶液を、スプレーや超音波、浸漬によって除菌対象物35に接触させることも可能である。遷移金属34の溶解は、処理空間31内部で行なわれても、外部で行なわれ、溶液を処理空間31内部に取込んでも構わない。遷移金属34の溶解方法は、電解による方法や、溶融ガラスやゼオライトなど多孔質体に担持させた金属の水との接触による溶解、ウール状の金属と水との接触による溶解などが挙げられるが、所望の濃度の溶液を得られる方法であれば良い。遷移金属34の溶液の濃度は、金属種にもよるが、一概に1ppm程度あれば良い。下限は、0.01ppm程度である。これより少ないとラジカルの生成量が十分でなくなってしまう。例えば、銀であれば、0.1−0.005ppm程度、銅であれば、1−0.01ppm程度、亜鉛であれば、1−0.02ppm程度であれば、上限は水質の保全とコスト、下限は除菌効果から好ましい。
除菌対象物35は、衣類やぬいぐるみなどの玩具、食器、調理器具、果物や野菜、肉類や魚介類などの食物および食物を包装しているラップやトレイのような対象物そのものを除菌対象物35とするもの、また、処理空間31の壁面や外部への排出口に設置するフィルター、外部の浮遊菌を捕集したフィルターや壁面を除菌対象物35とすることができる。除菌対象物35あるいは処理空間31の水分量はラジカル生成において役割を果たすため、処理空間31や除菌対象物35の水分量調整手段を備えることも可能である。水分量調整手段としては、水分量を増加させる手段として、超音波によって気相中に水を粒子化して飛ばす手段、ヒーターによって水を蒸発させる手段、霧吹きのようにノズルを利用し水を粒子化して飛ばす手段などが挙げられる。また、水分量を減少させる手段として、ヒーターや、ヒートポンプ、マイクロ波、遠心力を利用することが挙げられる。さらに、水への浸漬による水分量を増加させる手段と水分量を減少させる手段とを併用することによって水分量を調整することもできる。ほかに、水分量調整手段として、ゼオライトなど多孔質体による水の吸脱着を利用した手段を用いることも可能である。
除菌方法は、処理空間31内にある除菌対象物35に存在する菌に対し、マイナスイオン・オゾン発生装置32により生じたマイナスイオン36およびオゾン37を接触させ、除菌対象物35に対して、光源33からの光と、遷移金属34により、マイナスイオン36およびオゾン37から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物4に存在する菌が除菌する方法である。さらに、光源33からの光およびマイナスイオン36による遷移金属34への作用により、ラジカル生成が促進されることでより、除菌効果が高められるものである。
また、外部空間に浮遊していた菌を処理空間31に取り込むことも可能で、マイナスイオン36が外部空間に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間31の内部がマイナスイオンにより帯電することで、ファンなどの送風装置を利用し、取り込んだ外部に浮遊していた菌を効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。
この捕集する場所を、フィルターや処理空間31を形成している空間壁面とし、除菌対象物35とする。除菌対象物35としたフィルターや処理空間31を形成している空間壁面に遷移金属34を配合させ、取り込んだ外部に浮遊していた菌に対して、光源33からの光および遷移金属34により、マイナスイオン36およびオゾン37から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物35に存在する菌を除菌する方法である。さらに、光源33からの光およびマイナスイオン36による遷移金属34への作用により、ラジカル生成が促進されることでより、除菌効果が高められるものである。
さらに、処理空間31の内部に浮遊している菌に対して、マイナスイオン36が処理空間31に浮遊していた菌を帯電させる、もしくは、処理空間31の内部がマイナスイオンにより帯電することで、処理空間31の壁面に浮遊菌を付着させ、効率的に捕集し、再度、外部に放出されることを抑制することができる。この捕集する場所を、フィルターや処理空間31を形成している空間壁面とし、除菌対象物35とする。除菌対象物35としたフィルターや処理空間31を形成している空間壁面に遷移金属34を配合させ、処理空間31内部に浮遊していた菌に対して、光源33からの光および遷移金属34により、マイナスイオン36およびオゾン37から効率的にラジカルが生成し、除菌対象物35に存在する菌を除菌する方法である。さらに、光源33からの光およびマイナスイオン36による遷移金属34への作用により、ラジカル生成が促進されることでより、除菌効果が高められるものである。