JP4613074B2 - 排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒 Download PDF

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本発明は、排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒に関し、より詳しくは、内燃機関、ボイラー等の排気ガスに含まれるHC、CO、SOF、NOx等に対して優れた浄化能力を有し、また、低コストでありながら、高温の環境下においても安定した浄化能力を発現しうる排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒に関するものである。
内燃機関、ボイラーは、その構造、種類に応じて、燃料、潤滑剤等に由来した様々な有害物質を排出する。これら有害物質としては炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)のほかに、ディーゼルエンジンなどから排出される煤(スート)に代表される粒子状物質(particulate matter:以下、PMという事がある)があり、前記HCにはベンゼン、トルエン、炭素鎖長の長い炭化水素など有機溶剤に可溶な成分である可溶性有機成分(soluble organic fraction:以下、SOFと言うことがある)が含まれる。
近年、各種内燃機関からの排気ガスによる環境汚染が社会的問題となり、その浄化のために種々の手法が提案されている。これら排気ガス中の有害成分を浄化する一つの方法として、排気ガスを触媒に接触させ、浄化する接触処理法が実用化されている。
このうちガソリン機関の排気ガス浄化用触媒としては、HC、SOF、COなどの有害成分を酸化して浄化する酸化触媒、NOxなどの有害成分を一時的に吸蔵した後に加熱したり、燃料などの未燃炭化水素、尿素、アンモニアなどの還元剤を供給することにより還元除去する還元触媒、HC、CO、NOxを同時に酸化・還元処理して浄化する三元触媒が知られている。
また、ディーゼル機関から排出されるスートを排気ガスから濾し取り、スートが溜まった時点で燃料などの未燃炭化水素やNOを供給し、加熱処理して、スートを酸化(燃焼)処理する方法が検討され、排気ガス中の粒子状物質を濾し取るためのフィルター(Diesel Particulate Filter、以下、DPFと言うことがある)、DPFを触媒化した触媒化フィルター(catalyzed soot filter、以下、CSFという事がある)が知られている。
これら排気ガス浄化用の触媒は、排気ガスが流出する際の圧力損失を小さく抑えることができ、しかも接触効率を大きく確保できるように、担体の表面に触媒組成物を被覆した触媒として、通常は排気ガスの流路に設置される。
このうち自動車に搭載される排気ガス浄化用触媒は、比較的温度の低い床下に設置されるものと、エンジンから排出された直後、高温の排気ガスに触れる位置に設置される直下型と言われるものとがある。直下型では排気ガスの温度は1000℃を超える場合があることから、排気ガス浄化用触媒には、このように高温で苛酷な条件においても安定して排気ガスを浄化できる性能が要求される。
このような排気ガス浄化用触媒の担体としては、金属の波板やセラミックスで成形されたハニカム状のフロースルー型担体や、DPF、CSFに多く用いられるハニカムの一端が閉じて市松模様になったウォールフロー型担体の一体構造型担体が知られている。また、太い繊維状物からなるフェルト様の不燃性構造体や、数ミリから数センチの直径の球状物、柱状物などからなる成型担体が知られている(本発明では、これらを総称して構造型担体と言い、フロースルー型担体、ウォールフロー型担体などの一体構造型担体と区別する)。
排気ガス浄化に寄与する活性金属としては、白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属、ニッケル、鉄他の遷移金属、セリウム、ランタン他の希土類金属やその酸化物が知られている。また、これら活性金属は、表面積を大きくし強度を高めるために、β−アルミナ、γ−アルミナなどのアルミナやゼオライトなどの担体に担持される。なお、ゼオライトには、MFI型、β型等の種類があり、内部のカチオンをCe、Feなどの金属イオンで交換されることがある。触媒組成物は、その求められる機能に応じて、活性金属、担体の種類と量が選択され、触媒製造時に、アルカリ金属、アルカリ土類金属が添加されることがある。
ディーゼル機関からの排気ガス浄化用触媒の場合、特に活性金属種である白金、パラジウムなどの貴金属が酸化活性の面で重要な役割を果たし、担持母材の多層化や、セリアに代表される酸素の吸蔵・放出材等との組み合わせが重要な要素であるとされている(例えば、特許文献1、2参照)。
一般に触媒組成物中の貴金属量を多くするほど排気ガス浄化能力を向上しうるが、貴金属の増量はコストアップにつながり、安価な触媒をユーザーに向けて安定的に供給することが困難となる。ところが、環境問題に直面した自動車業界などからは、排気ガス浄化性能の向上に関する期待が近年一段と増している。このように、排気ガス浄化用触媒の開発には、コストアップを抑えた上で浄化能力を向上しなければならないという相反した課題を有している。
このような状況下、触媒組成物中の貴金属量を増やすことなく排気ガス浄化能力を向上でき、1000℃を超えるような高温で過酷な条件においても安定して排気ガスを浄化できる排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化用一体構造型触媒が切望されていた。
特開2002−248347公報 ([0020]) 特開2001−104783公報 ([請求項6,7]、[0021])
本発明の目的は、上記従来の課題に鑑み、内燃機関、ボイラー等の排気ガスに含まれるHC、CO、SOF、NOx等に対して優れた浄化能力を有し、また、低コストでありながら、高温の環境下においても安定して浄化能力を発現しうる排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒を提供することにある。また、特に、HC、NOx、COを同時に削減する事が可能な三元系触媒について好適な触媒技術を提供することにある。
本発明者らは、このような上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、無機母材上に金属触媒成分が針状に担持された特定の無機母材―金属触媒複合物を排気ガス浄化用触媒として用いることにより、高価な貴金属触媒成分の使用量が削減でき、この無機母材―金属触媒複合物は、金属触媒成分と無機母材とを含むスラリーを焼成して得られ、1100℃の高温に12時間加熱された後も金属触媒成分が繊維形状を保ち、安定した触媒性能を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、金属触媒成分(A)が無機母材(B)上に担持された無機母材―金属触媒複合物(C)を含有する排気ガス浄化用触媒であって、金属触媒成分(A)が、白金又はロジウムから選ばれる一種以上であり、無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で針状形態をなして存在し、かつその直径が実質的に50nm以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、無機母材(B)が、Alを主要構成単位とする無機物質であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、無機母材(B)が、希土類元素から選ばれる一種以上を含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、希土類元素の含有量が、無機母材(B)に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で金属触媒成分(A)の長さが、実質的に100nm以上であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で金属触媒成分(A)が、1100℃の高温で12時間加熱後も針状形状を保つことを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
一方、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、金属触媒成分(A)と無機母材(B)とを水系媒体中で混合してスラリーを調製した後、該スラリーを、無機母材(B)上に担持される金属触媒成分(A)がその表層部中で針状形態をなして存在するに十分な程度に、焼成することにより、金属触媒成分(A)の直径が実質的に50nm以下である無機母材―金属触媒複合物(C)を形成させることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法が提供される。
一方、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明の排気ガス浄化用触媒が、一体構造型担体の表面に被覆されてなる排気ガス浄化用一体構造型触媒が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、金属触媒成分(A)の量が、一体構造型担体に対して0.01〜10g/Lであることを特徴とする排気ガス浄化用一体構造型触媒が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第の発明において、無機母材―金属触媒複合物(C)の量が、一体構造型担体に対して10〜400g/Lであることを特徴とする排気ガス浄化用一体構造型触媒が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第の発明において、さらに、酸素吸蔵・放出材を含むことを特徴とする排気ガス浄化用一体構造型触媒が提供される。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、排気ガス中のHC、NOx、COなどに対して優れた浄化能力を発揮すると共に、これら有害成分を同時に除去できることから、特に内燃機関から排出される排気ガス浄化用の三元系触媒として良好である。また、1000℃を超える高温での耐久性能にも優れていることから、内燃機関に対して直下型の一体構造型触媒として設置することが可能となる。
さらに、本発明の触媒は、貴金属の使用量が少なくて済むため低コストで製造する事ができ、排気ガス浄化装置を安定的に生産し供給することができる。
以下、本発明の排気ガス浄化用触媒、その製造方法、及び排気ガス浄化用一体構造型触媒について、図面を用いて詳細に説明する。
1.排気ガス浄化用触媒
本発明の排気ガス浄化用触媒は、金属触媒成分(A)が無機母材(B)上に担持された無機母材―金属触媒複合物(C)を含有する排気ガス浄化用触媒であって、金属触媒成分(A)が、白金又はロジウムから選ばれる一種以上であり、無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で針状形態をなして存在し、かつその直径が実質的に50nm以下であることを特徴とする。
(金属触媒成分)
本発明において金属触媒成分は、排気ガスの浄化に対して活性を有する貴金属であり、具体的には、白金又はロジウムから選ばれる1種以上である。金属触媒成分の原料は、通常、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等の形態で使用される。
金属触媒成分の量は、貴金属の種類、無機母材や担体の種類などによって異なるが、無機母材や担体の容積当り、0.01〜10g/L、特に0.1〜10g/Lである事が好ましい。金属触媒成分の量が10g/Lを超えると、触媒の生産コストが上昇してしまい、0.01g/L未満では、排気ガスの浄化性能が低下する。
金属触媒成分(A)が無機母材(B)上に担持された無機母材―金属触媒複合物(C)にあっては、針状の金属触媒成分の直径が実質的に50nm以下であることが望ましく、さらには40nm以下、最も好ましくは30nm以下である。また、針状の金属触媒成分の長さは、実質的に100nm以上であることが望ましく、さらには200nm以上、最も好ましくは300nm以上である。
ここで、「実質的に」とは、針状に成長した金属触媒成分の直径が、平均して50nm以下であるか、針状形状の直径の内、その多くが50nm以下の直径を有する部位を保ちえる状態を意味する。長さの場合も同様に、平均値で100nmであるか、またはその多くが100nm以上の値を取るものであることを意味する。それは、金属触媒成分の成長過程において、これらの形状に曲がり、凹み等を生じる場合があり、無機母材上で、金属触媒成分が均一に成長しない場合があるためである。なお、無機母材が繊維状である場合も同様である。
(無機母材)
本発明において無機母材は、少なくともAl、SiC、SiO、TiO、MgOなど、熱的に安定な構成単位からなる無機物質、またはその前駆体である。特にAl、SiO又はSiCを構成単位とする無機物質が望ましく、その形状は特に限定されない。例えば、球状や柱状などの粒状、板状、繊維状、不定形状など、いずれであってもよい。このような無機物質としては、板状ベーマイト、繊維状ベーマイトや、粒状シリカ、粒状アルミナ、粒状シリカ−アルミナ、SiCナノファイバー(前駆体)などがある。
ここで、無機母材のサイズは特に限定されないが、繊維状であれば直径が50nm以下であることが望ましく、より好ましくは20nm、最も好ましくは10nm以下である。無機母材の直径の下限については、特に限定されるものでは無いが、2nm以上の無機母材を用いた場合で本発明の効果が確認されている。なお、前駆体の場合は、通常は鎖状の高分子化合物の集合体であるため、直径を規定することはできない。
無機母材は、熱的な安定性を得る点から希土類を含む無機物質である事が望ましい。このような無機物質と希土類の好ましい組み合わせとしては、無機物質としてAl単位を有する板状あるいは繊維状ベーマイト、希土類としてランタンの組み合わせがあげられる。なお、ここでランタンは、ランタンアルミネート、酸化ランタンなどの化合物でもよく、ランタンそのものとして無機物質に含まれていても良いが、ベーマイトの結晶内に取り込まれていることが望ましい。
なお、ベーマイトへのランタンの添加方法は、例えば、硝酸ランタン等のランタン塩の溶液とベーマイトを混合攪拌し、乾燥焼成することによって得ることができる。ここで、ベーマイトに添加されるランタンの量は0.5〜20重量%とし、1〜10重量%がより好ましい。ランタンが0.5重量%未満では充分な耐熱性の向上が得られず、20重量%を超えるとベーマイトに結晶学的変化が起こり、活性アルミナとしての特性が変化してしまう恐れがある。
本発明において、無機母材として好ましい繊維状ベーマイトは、主として分子式がAl・1.05〜3.0HOで表される。アルミナの結晶水が1.05より少ないベーマイトは、形状が板状であり、結晶水が3.0を越えるベーマイトは極めて小さな繊維の凝集体である。好ましい繊維状ベーマイトは、主として分子式がAl・1.3〜3.0HOで表されるものである。
また、繊維状ベーマイトは、直径が50nm以下、特に3〜50nmの範囲にあるものが好ましい。繊維の長さは特に限定されないが、100nmよりも長いものが好ましく、例えば、100〜10000nmの範囲にあるものが好ましい。繊維状ベーマイトの直径と長さは、得られる焼成物の細孔構造とも密接に関係している。すなわち、短い繊維のベーマイトから得られる焼成物の細孔容積は小さく、長い繊維の場合は細孔容積が大きい。また、細い繊維のベーマイトから得られる焼成物の比表面積は大きく、太い繊維の場合は比表面積が小さい。
このような繊維状ベーマイトからなるアルミナ水和物は、たとえば、国際公開特許(WO97/32817号公報)に記載された方法によって調製することができる。具体的には、アルミナ原料の水懸濁液に、酸を加えたのち90〜150℃の温度で水熱処理を行い、繊維状ベーマイトが分散したアルミナゾルを調製する。
上記アルミナ原料としては、少なくとも部分的に再水和性を有するρおよび/またはχ結晶構造を示すアルミナが用いられる。中でもギブサイト、バイヤライト等のアルミナ三水和物を急速高温加熱により脱水して得られたもので、比表面積が50〜500m/gの範囲にあり、かつ部分的に再水和性を有するアルミナが好ましい。
このようにして得られる繊維状ベーマイトは、通常、水に分散したゾル状であるが、このゾルに前記触媒金属成分を混合し、このスラリーを乾燥・焼成すると、繊維状ベーマイトの表面に触媒金属成分が担持され安定した針状構造を形成する。
一方、SiCナノファイバーは、化学気相析出法(CVD法)、ケイ素系ポリマーの熱分解による方法(プレカーサー法)などにより調製される。このようなものに、SiCウィスカー、Si−C−O系繊維などが知られている。CVD法は、原料ガスを高温で反応させ、炭素やタングステンなどの繊維にSiCを化学的に成長する方法である。また、プレカーサー法は、ケイ素系ポリマーのポリカルボシラン(Polycarbosilane:PCS)を出発物質として、溶融紡糸、不融化、熱処理(焼成)という3つの工程を経て製造する方法である。本発明では、PCSを用いるプレカーサー法の適用が好ましい。
一方、SiCナノファイバーでは、前駆体の焼成後に直径が50nm以下、特に3〜50nmの範囲になるものが好ましい。繊維の長さは特に限定されないが、100nmよりも長いものが好ましく、例えば、100〜10000nmの範囲にあるものが好ましい。
(複合物)
本発明において複合物は、無機母材上に、金属触媒成分が針状に担持された無機母材―金属触媒複合物であり、この無機母材―金属触媒複合物は、熱的に極めて安定である。
図1の写真は、本発明に係る無機母材―金属触媒複合物を1100℃のオーブン中で、12時間放置し、その後の無機母材―金属触媒複合物の外観を走査型透過電子顕微鏡で観察したもの(倍率:×100k)である。図3は無機母材のみの電子顕微鏡写真であるが、図1を見ると、原料として用いた無機母材が、略一方向に整列し、部分的に複数本が合体した状態で、金属触媒を太い針状に担持している様子がわかる。本発明において複合物は、このように1100℃の高温に12時間加熱された後も金属触媒成分が針状を保ちうるものであることが望ましい。なお、図1のように無機母材が繊維状である場合は、共にその形状を保ちうるものである事が望ましい。
この写真を一見すると、表層部では無機母材の上に金属触媒が載っているだけのようであるが、本発明の無機母材−金属触媒複合物における無機母材は、無機母材上に単に金属触媒が担持されている状態に限らず、無機母材が組成中、あるいは結晶中に金属触媒を取り込んだ状態で有っても良い。
なお、ここで複合物における無機母材の形状を示す“繊維状”とは直径の大小によらず、針状、ウイスカー状のほか、数本の繊維が合体して太くなった状態、さらに多数の繊維がランダムに集合したフェルト状態であっても良い。また、無機母材は、柱状、針状、ウイスカー状、繊維状など広い意味でアスペクト比を有する形状を取ることができる。望ましいアスペクト比は2以上であり、より望ましくは10以上である。以下、本発明においては、触媒金属については針状、複合物については繊維状という。さらに、これらの形状を包括する場合にも繊維状ということがある。
また、本発明において、金属触媒成分が針状に担持された複合物の直径は、特に限定されないが、実質的に100nm以下であることが望ましく、60nm以下、最も好ましくは40nm以下である。なお、複合物の直径の下限は特に限定されるものでは無いが、5nm以上である場合において本発明の効果が確認されている。
また、複合物の無機母材が繊維状の場合、その方向は、一方向であってもランダム方向であっても構わないが、通常は焼成によって略一方向に揃った状態で得られることが多い。繊維の長さやフェルトの幅は、特に限定されないが、繊維が長くフェルトの幅が広いほど金属触媒を効果的に担持できるので好ましい。無機母材―金属触媒複合物の長さは、実質的に200nm以上であることが好ましい。さらに好ましい長さは300nm以上であり、最も好ましくは400nm以上である。
このように、本発明においては、無機母材に金属触媒成分が針状に担持されたときに、金属触媒成分の含有量が従来より少なくても優れた排気ガス浄化性能を発現する。金属触媒成分が無機母材に針状に担持された繊維状の複合物とすることにより、排気ガス浄化性能が向上する理由は定かでは無いが、その理由の一つとしては、複合物の形状を極細の繊維状にすることにより、粒状である場合に比べて比表面積が著しく増大し、金属触媒成分がより多くの排気ガスと接触する事が可能になるためでは無いかと考えられる。
また、他の理由としては、金属触媒成分が所謂ナノサイズにまで微細化されていることで、量子サイズ効果により電子状態が変化し、近年注目されている所謂ナノ材料同様に、当該金属触媒成分が新規で特異な性質を発現し、金属触媒成分の量を減らしても排気ガス浄化性能が向上するのでは無いかと考えられる。
また、金属をナノサイズまで微細化した場合、一般に融点が低下する事が知られているが、本発明において金属触媒成分は長時間高温に晒された状態であっても、金属触媒成分が針状を維持して安定した排気ガス浄化性能を発揮することは、これまで知られていない。
本発明の排気ガス浄化用触媒には、前記原料の他、触媒性能を改善するために、アルカリ金属、アルカリ土類金属などを適宜添加することができる。また、ゼオライト等の吸着剤、セリアやセリア−ジルコニア複合酸化物などの酸素吸蔵・放出材(oxgen storage component:以下、OSC材と言うことがある)などを適宜組み合わせて、より高度な機能を有する排気ガス浄化用触媒とする事が可能である。
OSC材の量は、その種類、担体の種類などによって異なるが、セリア−ジルコニア複合酸化物であれば、担体の容積当り、0.01〜10g/L、特に0.1〜10g/Lである事が好ましい。このように、本発明を酸化触媒として用いる場合は、OSC材と併用することで、OSC材から放出される酸素によりHC、SOF等の酸化作用が促進される。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、担体表面に上記複合物が被覆された構造型触媒として用いることが望ましい。ここで担体の形状は特に限定されるものではなく、円柱状、円筒状、球状、ハニカム状、シート状などから選択可能である。構造型担体のサイズは特に制限されないが、円柱状、円筒状、球状のいずれかであれば、例えば数ミリから数センチの直径のものが使用できる。
前記特許文献1には、OSC材である第1金属酸化物が第2金属酸化物(担体)上に微粒子として島状に保持された形態をもち、900℃以上の高温に晒された後にも該第1金属酸化物の粒子径が30nm以下である複合酸化物粉末が開示され、この複合酸化物粉末が排ガス浄化用触媒担体として有用であるとしている。しかしながら、この特許文献1には、複合酸化物上に貴金属などの触媒成分がいかなる形態で担持されるか記載がなく、高温での触媒成分の形状変化については言及していない。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、熱的に安定であり、例えば金属触媒成分として貴金属を用いた場合、多くの貴金属がシンタリングを始める1000℃を越える高温に長時間以上晒された状態であっても、貴金属成分のみならず、無機母材においても焼結、凝集による粗大粒子の発生が見られず、無機母材−金属触媒複合物における金属触媒成分の針状形状を保つ事ができる。
プラチナ、ロジウム、パラジウムは1500℃を越える融点を持つが、従来の排気ガス浄化用触媒のように微細化された状態では、通常の排気ガス雰囲気においてシンタリング(粒成長)を起こし、表面積を減少して触媒活性を低下させていた。これに対して、本発明における無機母材−金属触媒複合物は、このような苛酷な条件下でも金属触媒成分の針状形状を保つだけでなく、ナノクラスのサイズを維持でき優れた耐久性を有する事は驚くべきことである。
2.排気ガス浄化用触媒の製造方法
本発明の排気ガス浄化用触媒は、金属触媒成分(A)と無機母材(B)とを水系媒体中で混合してスラリーを調製した後、該スラリーを、無機母材(B)上に担持される金属触媒成分(A)がその表層部中で針状形態をなして存在するに十分な程度に、焼成することにより、金属触媒成分(A)の直径が実質的に50nm以下である無機母材―金属触媒複合物(C)を形成させることにより製造される。
ここで、スラリーは、無機母材、金属触媒成分、水系媒体を所定の比率で混合して調製されるが、本発明においては、無機母材100重量部に対して、金属触媒成分0.01〜25重量部とを混合することが好ましい。水系媒体はスラリー中で無機母材と金属触媒成分が均一に分散できる量を用いれば良い。この際、必要に応じてpH調整のための酸、アルカリを、粘性の調整やスラリー分散性を向上するための界面活性剤、分散用樹脂等を配合する事ができる。また、スラリーの混合方法としては、ボールミルなどによる粉砕混合が適用可能であるが、他の粉砕、もしくは混合方法を適用しても良い。
なお、焼成条件は、無機母材上に担持される金属触媒成分が針状に存在するに十分な程度であればよく、特に限定されない。なお、乾燥温度は、100〜300℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。また、焼成温度は、300〜1200℃が好ましく、400〜800℃がより好ましい。加熱手段については、電気炉やガス炉等の公知の加熱手段によって行う事ができる。
無機母材がSiCナノファイバーである場合、その前駆体(PCS)に金属触媒成分を混合し、これを紡糸してから、不融化し、焼成する。プレカーサー法において、不融化処理は、溶融紡糸したポリマー繊維中の分子同士を架橋し、その後の熱処理工程において、繊維が溶融せずに形状を保持する処理である。不融化の条件は特に限定されないが、放射線などにより酸素を含まない雰囲気下で処理すればSiC系繊維が得られ、空気または酸素雰囲気下で熱酸化することでSi−C−O系繊維が得られる。
なお、本発明の構造型触媒は、上記のようにスラリーを構造型担体に塗工し加熱することによって得られるが、予めスラリーそのものを焼成することによって焼成触媒組成物を得た後、別途粉砕してから構造型担体に担持させて触媒を得ることもできる。
3.排気ガス浄化用一体構造型触媒
本発明の排気ガス浄化用一体構造型触媒は、排気ガスが流通可能な一体構造型担体表面に、上記の無機母材―金属触媒複合物を被覆した触媒である。
ここで、一体構造型担体は、特に限定されるものではなく、公知の一体構造型担体の中から選択可能である。このような一体構造型担体としては、フロースルー型担体や、DPFに用いられるウォールフロー型担体があり、フロースルー型担体の材質としては金属、セラミックスが、ウォールフロー型担体の材質としてはセラミックスがある。この他にも、細い繊維状物を編んだシート状構造体、比較的太い繊維状物からなるフェルト様の不燃性構造体が使用できる。これら一体構造型担体は、金属触媒成分の担持量が大きく、また排ガスとの接触面積が大きいので他の構造型担体よりも処理能力が高い。
一体構造型担体の全体形状は任意であり、円柱型、四角柱型、六角柱型など適用する排気系の構造に応じて適宜選択できる。さらに開口部の孔数についても処理すべき排気ガスの種類、ガス流量、圧力損失あるいは除去効率などを考慮して適正な孔数が決められるが、通常、自動車用排気ガス浄化用途としては1平方インチ当たり10〜1500個程度である。
このようなフロースルー型担体、ウォールフロー型担体のようなハニカム形状の担体では、その構造的特徴がセル密度であらわされるが、本発明においてはセル密度10〜1500cel/inch、より好ましくは350〜900cel/inchの担体を用いる事ができる。セル密度が10cel/inch以上であれば、内燃機関の排気ガスの圧力損失を生じることなく内燃機関の性能を損う事がない。また、セル密度が1500cel/inch以下であれば、排気ガスと触媒の接触面積を確保する事ができ、充分な排気ガスの浄化機能が得られる。
なお、本発明ではこのようなフロースルー型担体、ウォールフロー型担体などの一体構造型担体上に触媒組成物が被覆されたものを、以下、一体構造型触媒と言うことがある。
また、本発明の排気ガス浄化用一体構造型触媒は、一体構造型担体がセル密度10〜1500cel/inchであれば、複合物の被覆量は10〜400g/L、特に30〜300g/Lである事が好ましい。被覆量が400g/Lを超えると、自動車の排気ガス流路に配置すると排気ガスの圧損を生じてしまい、10g/L未満では、排気ガスの浄化性能が不十分となる。
また、金属触媒成分が白金族金属の場合、その担持量は、前記一体構造型担体に対して0.01〜10g/L、特に0.1〜10g/Lである事が好ましい。触媒の担持量が10g/Lを超えると、生産コストが上昇してしまい、0.01g/L未満では、排気ガスの浄化性能が低下する。
4.排気ガス浄化用一体構造型触媒の製造
本発明の排気ガス浄化用一体構造型触媒は、前記の方法で金属触媒成分またはその前駆体と、前記無機母材またはその前駆体とを水系媒体と共に混合してスラリー状混合物にしてから、一体構造型担体へスラリー状混合物を塗工して、乾燥、焼成する事により製造される。
すなわち、まず、無機物質、金属触媒成分、水系媒体を所定の比率で混合してスラリー状混合物を得る。本発明においては、無機母材100重量部に対して、金属触媒成分を0.01〜25重量部混合することが好ましい。水系媒体は、スラリー中で無機母材と金属触媒成分が均一に分散できる量を用いれば良い。
この際、必要に応じてpH調整のための酸、アルカリを、粘性の調整やスラリー分散性向上のための界面活性剤、分散用樹脂等を配合する事ができる。スラリーの混合方法としては、ボールミルなどによる粉砕混合が適用可能であるが、他の粉砕、もしくは混合方法を適用しても良い。
次に、一体構造型担体へスラリー状混合物を塗工する。塗工方法は、特に限定されないが、ウオッシュコート法が好ましい。塗工した後、乾燥、焼成を行う事により触媒組成物が担持された一体構造型触媒が得られる。なお、乾燥温度は、100〜300℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。また、焼成温度は、300〜1200℃が好ましく、400〜800℃、特に400〜600℃が好ましい。加熱手段については、電気炉やガス炉等の公知の加熱手段によって行う事ができる。
前記特許文献2には、一体構造型担体(基材)上に無機酸化物からなる第1層を形成し、次に、該第1層上に無機繊維材からなる第2層を網目状に形成するとともに、少なくとも該第1層に触媒成分を担持することによる排気ガス浄化用触媒の製造方法が開示されている。ところが、この方法では、第2層を網目状にするために、アルミナ繊維であれば直径が100〜1000nmと比較的太い無機繊維を用いるため、予め一体構造型担体上に無機酸化物からなる第1層を形成しておかねばならない。ところが、本発明においては、無機母材上に金属触媒成分が実質的に直径50nm以下の針状となるように担持された複合物とするもので、発明として構成が全く異なるものである。
本発明では、上記の方法で無機母材−金属触媒複合物を含む被覆層を形成した後、その上、またはその下にOSC材、すなわちゼオライト等の吸着剤、セリアやセリア−ジルコニア複合酸化物などの酸素吸蔵・放出材をコートして2層化することもできる。これにより、OSC材から放出される酸素によりHC、SOF等の酸化作用が促進され、より高度な機能を有する排気ガス浄化用触媒とする事が可能である。
なお、これら吸着剤、酸素吸蔵・放出材は、無機母材−金属触媒複合物を含む被覆層に配合されていても良い。
以下、本発明の実施例、比較例を示すが、本発明は、この実施例に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
<焼成触媒組成物の製造>
無機母材として繊維状ベーマイト(La添加量:5重量%)、金属触媒成分としてプラチナ硝酸塩とロジウム硝酸塩を用い、これに水系媒体を加えてからボールミルを用いて混合しスラリーを得た。なお、各成分の使用量は、原料無機母材に対する金属触媒成分合計量が0.5重量%となり、水系媒体はスラリー中で無機母材と金属触媒成分が均一に分散できる量とした。このスラリーを乾燥し、500℃で1時間焼成し、焼成触媒組成物を得た。
得られた焼成触媒組成物を1100℃のオーブン中で12時間放置し、その後の焼成触媒組成物の外観を走査型透過電子顕微鏡で観察し、耐熱性を評価した。走査型透過電子顕微鏡による写真(倍率:×100k)を図1に示す。図3は原料として用いた無機母材の電子顕微鏡写真である。この実施例1の触媒組成、形状、サイズは表1のとおりであった。なお、原料及び焼成後の無機母材、および焼成後の触媒組成物(複合物)の直径、および長さは、電子顕微鏡下において目視で測定した平均値である。
(比較例1)
<焼成触媒組成物の製造>
無機母材として粒状γ−アルミナ(La添加量:5重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、焼成触媒組成物を製造した。まず、金属触媒成分として所定量のプラチナ硝酸塩とロジウム硝酸塩を採り、これに無機母材と水系媒体を加えて、ボールミルで混合しスラリーを得た。なお、各成分の使用量は、原料無機母材に対する金属触媒成分合計量が0.5重量%となり、水系媒体はスラリー中で無機母材と金属触媒成分が均一に分散できる量とした。このスラリーを乾燥し、500℃で1時間焼成し、焼成触媒組成物を得た。
次に、得られた焼成触媒組成物を1100℃のオーブン中で、12時間放置し、耐熱性を評価した。焼成触媒組成物の走査型透過電子顕微鏡による写真(倍率:×100k)を図2に示す。その触媒組成、形状、サイズは表1のとおりであった。なお、原料無機母材、および焼成後の無機母材−金属触媒複合物のサイズは、電子顕微鏡下において目視で測定した平均値である。
Figure 0004613074
表1から、本発明の触媒組成物は、長時間高温下に晒されても繊維形状を保ちうる事がわかる。これに対して、比較例の触媒組成物は、長時間高温下に晒されると金属触媒が粒成長してしまう事がわかる。
次に、当該アンダーコートスラリーを用いて、ウォッシュコート法により下記一体構造型担体に被覆した。被覆量は、金属触媒成分の量が、最終的に一体構造型担体に対して合計で1g/Lとなり、無機母材―金属触媒複合物の量が、一体構造型担体に対して100g/Lとなる量とした。
[一体構造型担体]
・一体構造型担体の種類:フロースルー型担体
・一体構造型担体の容量:900cc
・一体構造型担体の材質:コージェライト
・一体構造型担体のセル密度:400cel/inch2
<触媒性能評価>
実施例1、および比較例1で得られた各一体構造型触媒について、以下の条件で排気ガス中のHC、NOx、COの濃度を測定し、触媒性能を評価した。
・測定モード:FTPモード
・排気ガスの測定機器:HORIBA社製 MEXA9000
・評価エンジン:1.8L ガソリンエンジン
上記条件における排気ガス中のHC、NOx、COの濃度変化を対比し、グラフに表すと図4のようになった。なお、HCについてはFTPモード試験の基準に従い測定した、non−methane hydrocarbon(以下、NMHCという)の結果である。グラフは、比較例1におけるNMHC、NOx、COの排出量(重量)に対する、実施例1の排出量の割合を示している。
グラフから、実施例1の触媒は、比較例1の触媒に対して、浄化能力がNMHCについては21%、NOxについては27%優れていることが分かる。
本発明の焼成触媒組成物(無機母材−金属触媒複合物)の外観を示す写真である。 比較例の焼成触媒組成物(無機母材−金属触媒複合物)の外観を示す写真である。 本発明で用いる原料無機母材の外観を示す写真である。 本発明と比較例の一体構造型触媒の性能を対比するためのグラフである。

Claims (11)

  1. 金属触媒成分(A)が無機母材(B)上に担持された無機母材―金属触媒複合物(C)を含有する排気ガス浄化用触媒であって、
    金属触媒成分(A)が、白金又はロジウムから選ばれる一種以上であり、無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で針状形態をなして存在し、かつその直径が実質的に50nm以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 無機母材(B)が、Alを主要構成単位とする無機物質であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  3. 無機母材(B)が、希土類元素から選ばれる一種以上を含むことを特徴とする請求項2に記載の排気ガス浄化用触媒。
  4. 希土類元素の含有量が、無機母材(B)に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化用触媒。
  5. 無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で金属触媒成分(A)の長さが、実質的に100nm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の排気ガス浄化用触媒。
  6. 無機母材―金属触媒複合物(C)の表層部中で金属触媒成分(A)が、1100℃の高温で12時間加熱後も針状形状を保つことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排気ガス浄化用触媒。
  7. 金属触媒成分(A)と無機母材(B)とを水系媒体中で混合してスラリーを調製した後、該スラリーを、無機母材(B)上に担持される金属触媒成分(A)がその表層部中で針状形態をなして存在するに十分な程度に、焼成することにより、金属触媒成分(A)の直径が実質的に50nm以下である無機母材―金属触媒複合物(C)を形成させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の排気ガス浄化用触媒が、一体構造型担体の表面に被覆してなる排気ガス浄化用一体構造型触媒。
  9. 金属触媒成分(A)の量が、一体構造型担体に対して0.01〜10g/Lであることを特徴とする請求項8に記載の排気ガス浄化用一体構造型触媒。
  10. 無機母材―金属触媒複合物(C)の量が、一体構造型担体に対して10〜400g/Lであることを特徴とする請求項8に記載の排気ガス浄化用一体構造型触媒。
  11. さらに、酸素吸蔵・放出材を含むことを特徴とする請求項8に記載の排気ガス浄化用一体構造型触媒。
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