JP6763824B2 - 枠体及び建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の枠体は、上げ下げ窓に用いられる窓枠である。この窓枠を構成する縦枠の中空部の内部には、補強部材等の被締結部材が設けられている。また、中空部を構成する壁部(見付け面を構成する壁部、あるいは、見込み面を構成する壁部)には、当該中空部の内外を連通する孔が形成されている。そして、中空部の外部から当該孔にネジを挿通して被締結部材に締結することで、当該被締結部材は、縦枠に対して固定される。
また、締結部材が枠体の外部に露出している場合には当該露出部位が局部的に温度低下することにより結露し易い構造となるところ、本発明では締結部材が隠蔽されていることにより、結露し難い構造を実現することができる。さらに、締結部材が隠蔽されていることにより、ユーザが誤って当該締結部材を外してしまう虞もない。
さらに、締結部材は、第1の枠部材とは異なる他の枠部材の小口にて隠蔽されるため、枠部材とは別に締結部材を隠蔽する部材を設ける必要がなく、部品点数が少なくなることから、製造コストを低減することができる。
本発明では、締結部材は、第1の枠部材の長手方向に対して斜めに形成された小口を介して、当該第1の枠部材の内周面側から中空部の内部に取り付けられる。このため、第1の枠部材に締結部材を挿通するための孔等を形成する必要がなく、加工工数が少なくなることから、製造コストを低減することができる。
本発明に係る建具によれば、上述した枠体を備えるため、上述した枠体と同様の作用及び効果を奏する。
なお、以下で記載する「見込み方向」は、図2の矢印Arで示すように、建具1の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った平面については、見込み面と称し、見込み方向に直交する平面については、見付け面と称する場合がある。
建具1は、引違い窓で構成され、窓枠2と、外障子3と、内障子4とを備える。
窓枠2は、本発明に係る枠体に相当する。この窓枠2は、上枠21、下枠22、図1中、左側に位置する左枠23、及び図1中、右側に位置する右枠24を四周枠組みすることによって構成され、建物の開口部Opの縁部に沿うように取り付けられる。
本実施の形態では、これら各枠部材21〜24は、合成樹脂製の押出形材であり、全長に亘って略一様な断面形状を有する。また、各枠部材21〜24は、略同一の断面形状を有する。そして、各枠部材21〜24は、当該各枠部材21〜24の長手方向に対して45°の角度を成すようにそれぞれ形成された各小口21a〜24aを有し、小口21a〜24a同士を突き合わせて溶着することにより四周枠組みされている(図1)。
なお、本発明の要部となる上枠21の詳細な構成については後述する。
框体42は、上框421、下框422、戸先框423、及び召合せ框424を框組みすることにより構成され、内部で面材41を保持する。
これら各框部材421〜424は、合成樹脂製の押出形材であり、全長に亘って略一様な断面形状を有する。また、各框部材421は、略同一の断面形状を有する。そして、各框部材421〜424は、当該各框部材421〜424の長手方向に対して45°の角度を成すようにそれぞれ形成された各小口421a〜424aを有し、小口421a〜424a同士を突き合わせて溶着することにより框組みされている(図1)。
以下、上枠21、補強部材5、及び遮炎部材6の構成について、順に説明する。
上枠21は、本発明に係る第1の枠部材に相当する。この上枠21は、枠本体部211と、外壁部212と、内壁部213と、中央壁部214と、躯体固定部215と、内装材固定部216とを備える。
枠本体部211は、開口部Opの縁部に沿って延在した角筒形状を有し、見込み方向に沿って並ぶ端中空部217,219及び中央中空部218を備える。これら各中空部217〜219のうち、見込み方向の中央に位置する中央中空部218は、室外側及び室内側にそれぞれ位置する端中空部217,219よりも見込み方向の長さ寸法が大きく形成されている。そして、中央中空部218の内部に、補強部材5が設けられている。
中央壁部214は、中央中空部218における下方側の見込み面から下方側に延在した部分であり、外壁部212と内壁部213との間を見込み方向において2つの領域に仕切る。また、この中央壁部214は、当該中央壁部214の全長に亘って貫通した内周中空部210を有する。そして、内周中空部210の内部に、遮炎部材6が設けられている。なお、内周中空部210は、本発明に係る中空部に相当する。
吊り下げ金具7は、見込み方向に沿って延在する基部71と、基部71における室外側の端部から下方側に屈曲して延在し、さらに、先端部分が室内側に屈曲した鉤状部72とを備える。そして、基部71(吊り下げ金具7)は、中央中空部218における下方側の見込み面を構成する見込み壁部218aを介して、補強部材5にネジSc1にて固定される。
吊り下げ金具8は、見込み方向に沿って延在する基部81と、基部81における室内側の端部から下方側に屈曲して延在し、さらに、先端部分が室外側に屈曲した鉤状部82とを備える。そして、基部81(吊り下げ金具8)は、見込み壁部218aを介して、補強部材5にネジSc2にて固定される。
そして、吊り下げ金具7,8は、外障子3及び内障子4が火炎等により加熱されて溶融して下方側に移動した際に、当該外障子3及び内障子4の上端にそれぞれ設けられたフック金具33,43にそれぞれ係合する。すなわち、吊り下げ金具7,8は、外障子3及び内障子4の下方側への移動(脱落)を防止する機能をそれぞれ有する。
内装材固定部216は、内壁部213における室内側の見付け面から室内側にヒレ状に延在し、窓枠2に対して室内側に並設される額縁等の内装材(図示略)に対してネジSc4により固定される部分である。
下対向部51は、見込み方向に沿って延在し、見込み壁部218aに対向する部分である。そして、下対向部51には、ネジSc1,Sc2がそれぞれ螺合され、当該ネジSc1,Sc2を介して吊り下げ金具7,8が固定される。
上方延出部53は、下対向部51における室外側の端部から上方側に屈曲して延在し、中央中空部218における室外側の壁部に対向する部分である。
上下接合壁部54は、下対向部51における室内側の端部から上方側に屈曲して延在して下対向部51と内対向部52との室内側の端部同士を上下に繋ぐ部分であり、中央中空部218における室内側の壁部に対向する。
連結金具9は、見込み方向に沿って延在し、ネジSc5にて補強部材5に固定される第1固定片91と、第1固定片91における室外側の端部から上方側に屈曲して延在する第2固定片92とを備え、断面視L字形状を有する。そして、第2固定片92は、躯体固定部215と建物の躯体(図示略)との間に挟み込まれた状態で、躯体固定部215とともにネジSc3にて当該躯体に固定される。すなわち、補強部材5は、連結金具9を介して、建物の躯体(図示略)に固定されている。
遮炎部材6は、本発明に係る被締結部材に相当する。この遮炎部材6は、内周中空部210の内部に設けられている。また、遮炎部材6は、アルミニウム等の金属材料で構成され、上枠21の全長と略同一の全長を有する。そして、遮炎部材6は、遮炎壁部61と、一対の補強片62と、一対の取付片63とを備え、断面視U字形状を有する。
遮炎壁部61は、内周中空部210の長手方向に沿って延在する板体で構成され、内周中空部210の内部において、各板面が室内側及び室外側にそれぞれ向く姿勢で配設される。
一対の補強片62は、遮炎壁部61を補強する部分であり、遮炎壁部61の上下の端部から室外側に屈曲して延在する。
一対の取付片63は、一対の補強片62のうち上方側の補強片62を室外側から見て左方向及び右方向にそれぞれ延長した部分である。また、一対の取付片63には、遮炎部材6の長手方向に沿って延び、ネジSc6が挿通される長穴631がそれぞれ形成されている。そして、遮炎部材6は、見込み壁部218aを介して、補強部材5に当該ネジSc6にて固定される。なお、ネジSc6は、本発明に係る締結部材に相当する。すなわち、本実施の形態では、遮炎部材6は、上枠21の長手方向の両端側において、当該遮炎部材6の長手方向の両端側がネジSc6により補強部材5(上枠21)に固定される。
なお、遮炎部材6の取付方法については後述する。
ここで、遮炎部材6は、その下端部が内周中空部210における下方側の見込み面を構成する見込み壁部に当接し、自重により湾曲が規制されている。すなわち、遮炎部材6は、内周中空部210の内部に収容されている状態(中央壁部214(内周中空部210)が溶融していない状態)では、当該内周中空部210の内部において、略直線状となる姿勢で収容されている(図7の一点鎖線参照)。
図6は、一対の第1熱膨張性部材11,12の位置関係を示す図である。具体的に、図6(a)は、遮炎部材6を室内側から見た図である。図6(b)は、遮炎部材6を上下反転した状態とし、室外側から見た図である。
一対の第1熱膨張性部材11,12のうち第1熱膨張性部材11は、遮炎壁部61における室外側の板面において、外障子3を閉じた状態とした際に、当該外障子3の上方側の部位と見込み方向に対向する位置に設けられている。
一方、第1熱膨張性部材12は、遮炎壁部61における室内側の板面において、内障子4を閉じた状態とした際に、当該内障子4の上方側の部位と見込み方向に対向する位置に設けられている。
このため、一対の第1熱膨張性部材11,12は、遮炎部材6における長手方向の中心位置CTを含む中央部分において、見込み方向に互いに重なり合った状態となる。
補強部材5は、中央中空部218の内部に設けられ、建物の躯体に固定されている。また、遮炎部材6は、内周中空部210の内部に設けられ、外障子3及び内障子4における上方側の部位と見込み方向に対向するとともに、補強部材5に固定されている。さらに、補強部材5及び遮炎部材6は、アルミニウム等の金属製の部材で構成されている。また、遮炎部材6における外障子3及び内障子4の上方側の部位と見込み方向に対向する面には、第1熱膨張性部材11,12がそれぞれ設けられている。このため、火炎等により加熱されて上枠21が溶融した場合であっても、遮炎部材6と外障子3及び内障子4とが見込み方向に対向している。そして、第1熱膨張性部材11,12が加熱により膨張することで、遮炎部材6と外障子3及び内障子4との隙間は、当該第1熱膨張性部材11,12にて閉塞される。
また、遮炎部材6は、長手方向の両端側が補強部材5に固定されている。このため、火炎等により加熱されて上枠21(中央壁部214)が溶融した状態では、遮炎部材6は、自重により下方側に向けて凸状に湾曲した状態となる(図7の二点鎖線)。すなわち、召合せ部分の上部において、遮炎部材6と外障子3及び内障子4とが見込み方向に対向する面積が大きいものとなる。このため、第1熱膨張性部材11,12が加熱により膨張することで、召合せ部分の上部において、遮炎部材6と外障子3及び内障子4との隙間は、当該第1熱膨張性部材11,12にて効果的に閉塞される。すなわち、本実施の形態に係る建具1では、召合せ部分の上部において、上枠21と外障子3及び内障子4との間に貫通口が形成され難い防火構造を採用している。
図8は、上枠21における左枠23側の端部を室外側から見た図である。図9は、上枠21における左枠23側の端部を下方側から見た図である。
上枠21の小口21aは、当該上枠21の長手方向に対して45°の角度を成すように形成されている。すなわち、内周中空部210の内部は、上枠21の下方側(内周面側)から視認可能となる(図9)。
このため、作業者は、上枠21の下方側からネジSc6を内周中空部210の内部に挿入するとともに遮炎部材6の長穴631に挿通し、見込み壁部218aを介して、補強部材5に締結する。これにより、遮炎部材6は、ネジSc6により補強部材5を介して上枠21に固定される。
そして、上枠21及び左枠23における小口21a,23a同士を突き合わせて溶着した状態では、小口21aが小口23aにて閉塞されるため、ネジSc6は隠蔽される。
図10及び図11は、本実施の形態の変形例を示す図である。なお、図10及び図11は、図8及び図9にそれぞれ対応した図である。
上述した実施の形態では、各枠部材21〜24は、小口21a〜24a同士を突き合わせて溶着することにより枠組みされていたが、これに限らず、図10及び図11に示した本変形例の構成を採用しても構わない。
具体的に、図10及び図11に示した本変形例に係る上枠21の小口21aは、当該上枠21の長手方向に直交するように形成されている。なお、他の枠部材22〜24の小口22a〜24aも同様である。ここで、中央壁部214は、枠本体部211に対して、長手方向の長さ寸法が短く設定されている。そして、各枠部材21〜24は、横勝ちでビス等により四周枠組みされる。
遮炎部材6は、中央壁部214に対して、長手方向の長さ寸法が長く設定されている。このため、遮炎部材6は、一対の取付片63が内周中空部210の外部に張り出した状態で、内周中空部210に収容される。すなわち、取付片63は、上枠21の下方側(内周面側)から視認可能となる(図11)。
このため、作業者は、上枠21の下方側からネジSc6を取付片63の長穴631に挿通し、見込み壁部218aを介して、補強部材5に締結する。これにより、遮炎部材6は、ネジSc6により補強部材5を介して上枠21に固定される。
そして、各枠部材21〜24を横勝ちで四周枠組みした状態では、取付片63の下方側が小口23aにて覆われるため、ネジSc6は隠蔽される(図11)。
Claims (3)
- 長尺状の複数の枠部材が枠組みされた枠体であって、
前記複数の枠部材のうち第1の枠部材には、
当該第1の枠部材における長手方向の端部側で当該第1の枠部材に対して締結部材にて固定される被締結部材が設けられ、
前記締結部材は、
前記第1の枠部材の内周面側から取り付けられ、当該第1の枠部材とは異なる他の前記枠部材の小口にて当該内周面側から覆われる
ことを特徴とする枠体。 - 前記第1の枠部材は、
長手方向に延在する中空部を有し、
前記被締結部材は、
前記中空部の内部に設けられ、
前記複数の枠部材は、
長手方向に対して斜めに形成された前記小口をそれぞれ有し、当該小口同士を突き合わせて枠組みされ、
前記締結部材は、
前記第1の枠部材の内周面側から前記小口を介して前記中空部の内部に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の枠体。 - 請求項1または2に記載の枠体を備える
ことを特徴とする建具。
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