以下、本発明の一実施形態となる独立単体型パチンコ機について、図面に基づき詳細に説明される。
≪外的構成等≫
図1ないし図7に示されるように、本発明に係る独立単体型パチンコ機1は、パチンコ機2と、カード排出ユニット4と、パチンコ機2の遊技履歴を表示するための履歴表示装置6と、支持台8を備えている。尚、特に言及されない限り、独立単体型パチンコ機1における前後は、遊技に際して遊技者が位置する方向を前方とし、上下左右は、遊技者(前側)から向かってみた方向による。
パチンコ機2は、上下左右の外郭となっており各種部材を支持する機枠10と、機枠10に対して機枠10内の上部を占める位置から前方へ片開き可能に設けられたミドル枠12と、ミドル枠12に支持されている遊技盤14と、遊技盤14の前方を透明板によって覆う位置から前方へ片開き可能に機枠10に設けられた前扉16を備えている。
図8に示されるように、遊技盤14の前面には、円弧状の外レール18及び内レール20が前方へ突出するように配置されており、これらの内側は、複数の遊技釘等が前方へ突出するように配置された遊技領域22となっている。遊技領域22において、図9に断面を示す遊技球24が1個以上流下可能となっている。各遊技球24は、通常のパチンコ機で使用する遊技球と同じ直径(11mm)を有するもので、球形の芯部26(直径10.4mmの金属球)と、芯部26の表面全体に配置された保護層28(0.3mmの厚さの合成樹脂層)を有している。保護層28は、アイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)にフッ素を添加したものであり、保護層28を有する各遊技球24によって、遊技釘等に対する衝突音が低減されるし、表面の摩擦抵抗が低減されて球詰まりの防止が図られる。各遊技球24は、外レール18と内レール20の間の部分である導入通路30を通じて、遊技領域22に導入される。
遊技領域22の略中央には、軸方向が左右方向である円筒状のドラムを左中右に3個それぞれ回転可能に有する図柄表示装置32が設けられている。図柄表示装置32において、各ドラムの曲面には図柄要素として「0」〜「9」の数字(図示せず)が順次描かれており、少なくとも何れかのドラムが回転することにより図柄の変動表示が行われ、全てのドラムが所定時間(例えば2秒間)以上停止した際に各ドラムの最前部に位置している数字の組合せ(「000」,「001」,・・・,「999」)によって図柄の確定表示が行われる。更に、図柄表示装置32を囲むように、それぞれ点灯(適宜点滅を含む,以下同様)ないし消灯が可能であるカウントランプ34A〜34Hを備えたセンター部材36が設置されており、センター部材36の下方には、遊技球24が進入可能な図柄始動口38が設けられている。又、図柄始動口38の下方には、一対の翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式の第1電動役物(第1入賞口)40が設置されており、図柄始動口38の左右には、一対の翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式の第2電動役物(第2入賞口)42,42が設置されている。第1電動役物40や第2電動役物42,42は、開動作時のみに遊技球24が進入可能であり閉動作時には遊技球24が進入しないように形成されている。加えて、遊技領域22の最下端部には、遊技球24を遊技領域22から遊技盤14の後方へ排出するための排出口44が設けられている。
更に、前扉16の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ46,46が設けられており、前扉16の側部には、遊技状態等に応じて点灯ないし消灯する複数のLEDをそれぞれ備えたランプ部材48,48が設けられている。又、ミドル枠12内の左下部には、遊技球24を導入通路30へ向けて発射する発射装置50が設けられていると共に、図10等に示されるように、機枠10の前面側であって遊技盤14の下方において、遊技球24を発射装置50へ供給するための上皿52を備えた上皿部材54が、ミドル枠12に対して取り付けられている。上皿部材54の下側には、上皿部材54と同様に取り付けられた、下皿56を有する下皿部材58が配置されている。上皿部材54における上皿52の右側には、左方へのスライドにより球抜き機構(図示せず)を作動させ、上皿52内の遊技球を下皿56へ球抜きするための球抜きレバー60が設けられている。加えて、上皿部材54の前部略中央(上皿52の前方)には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン61が上方へ突出した状態で設けられている。
図11にも示されるように、上皿52は、合成樹脂製で透光性を有する(半透明の)上皿カバー62により覆われている。上皿カバー62の本体64は、薄板状に形成されており、上皿52の形状に応じて前方へ膨出する膨出部を有するカバー部と、カバー部から右方へ一体的に延設された規制部とを有している。又、規制部には、球抜きレバー60の操作部を挿通可能な挿通孔66が設けられている。挿通孔66は、上面視における球抜きレバー60の操作部の形状と略同じ形状となっている。そして、上皿カバー62の上皿部材54への取り付けにあたって、初期位置(球抜きされない位置)にある球抜きレバー60の操作部を挿通孔66へ挿通させることにより、挿通孔66の開口縁が操作部の外周面(表面)に当接し、球抜きレバー60の操作が規制されるようになっている。更に、本体64の下面には、下方へ突出する壁部68が、上皿52の内周面の形状に沿って延設されている。そして、上皿カバー62により上皿52を覆った際、壁部68の外面が上皿52の内周面に当接し、上皿カバー62のガタ付きが防止されるようになっている。尚、上皿カバー62が透光性を有することで、上皿52内での遊技球24,24・・の状態を確認することができる。従って、球詰まりの発生等を早期に発見することができる。
又、上皿部材54の右下側であって下皿部材58の右部には、発射装置50を作動させるための回転操作可能なハンドル70が前方へ突出している。更に、ハンドル70の隣接部(右側)には、ハンドルユニット72を接続するための接続部74が設けられている。図22や図23等に示されるハンドルユニット72は、上面が前下がりの傾斜面とされた箱状の本体ケース76と、本体ケース76の上面前部に設けられた補助ボタン78と、本体ケース76の上面後部から上前方に斜めに突出する補助ハンドル80とを備えてなる。本体ケース76の内部には、補助ボタン78の押し込み操作を検出するスイッチが搭載されたスイッチ基板(図示せず)や補助ハンドル80の回転操作を検出する素子が搭載されたハンドル基板(図示せず)等が収容されている。又、本体ケース76の後面には、スイッチ基板やハンドル基板と電気的に接続されたケーブル(図示せず)を引き出すための引出口82が設けられている。ケーブルは、接続部74に接続可能である。
補助ボタン78は、遊技ボタン61と略同じ大きさに形成されており、遊技ボタン61同様、遊技者による押し込み操作が可能となっている。補助ハンドル80は、ハンドル70と略同じものであって、ハンドル70同様、遊技者による回転操作が可能となっている。補助ハンドル80は、先端側(遊技者が回転操作する回転レバー側)が基端側よりも前側へせり出すような前傾姿勢(即ち本体ケース76の上面において鉛直方向から所定角度だけ傾斜した傾斜方向へ突出するような姿勢)で組み付けられており、図23(a)に示されるように、補助ハンドル80の回転レバーと補助ボタン78とが上面視で一部重なるようになっている。ハンドルユニット72は、引出口82より引き出されたケーブルを、ハンドル70近傍に設けられた接続部74へ接続することにより使用可能となる。即ち、補助ハンドル80はハンドル70同様に発射装置50を作動させ、補助ボタン78の押し込み操作は遊技ボタン61の押し込み操作と同様に扱われる。
一方、機枠10の後面側の下部には、各種制御基板や各種装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置84が設置されている。又、電源装置84の上側には、カバー状に形成された合成樹脂製のセンターカバー86が取り付けられており、センターカバー86の内部には、後述する各種の制御装置(制御手段)等が設置されている。
更に、機枠10の後面側(遊技盤14の後面)において、上下方向で電源装置84とセンターカバー86との間となり、且つ、排出口44よりも下方となる位置には、図柄始動口38や第1電動役物40、第2電動役物42,42、排出口44の何れかへ進入した遊技球24、即ち遊技盤14の後側へ排出された遊技球24を受け止めて上皿52内へ返却することによって遊技球を循環させるための循環部材90が設置されている。図14にも示される循環部材90は、合成樹脂(例えばフッ素を含有したポリカーボネート)によって一体的に成形されてなるもので、横長な板状のベース部92の上端縁には、一定幅(約15mm)の遊技球回収通路94が、一定の角度(約5°)で傾斜するように(左下がりに)設けられている。遊技球回収通路94の左右方向の略中央には、段差部94aが設けられており、段差部94aより右の遊技球回収通路右部94bは、段差部94aより左の遊技球回収通路左部94cより、僅かに(約5mm)高くなっている。又、遊技球回収通路左部94cの下端際には、略直方体状の導球部96が、前方へ突出するように設けられており、導球部96の上面が、上皿52内へ遊技球を導くための導球板96aとなっている。
加えて、遊技球回収通路94の後辺縁からは、ガード壁部98が上方へ突設されている。ガード壁部98は、ベース部92に対して、所定の間隔を隔てて平行に配置された状態になっている。又、ガード壁部98の上辺縁の全体に亘って、ガード壁部98の壁面と直交するように、一定幅の折り返し片100が前方へ突設されている。ガード壁部98の上辺縁や折り返し片100の大部分(導球板96aの上方を除いた部分)は、一連で略水平な部分となっている。又、導球板96aの上方に位置した折り返し片100の前方突出量は、折り返し片100の他の部分の前方突出量よりも大きくなっており、導球板96a上方の折り返し片100の前辺の前後方向における位置が、遊技球回収通路94の前辺と略同一になっている。よって、遊技球回収通路94上方の折り返し片100は、導球板96a上方の折り返し片100よりも前方突出量が小さい状態となっており、窓を有した状態となっている。更に、ベース部92における導球部96と反対の端縁際には、各種の配線を挿通させるための配線口102が開けられている。
循環部材90は、ベース部92の前面をミドル枠5の後面に当接させた状態で固着(螺着)されている。そして、導球部96の上面に略水平に設けられた導球板96aが、上皿52の基端面と隙間なく連通した状態になっており、導球板96aと上皿52の基端面とが面一になっている。
一方、カード排出ユニット4は、図15に示されるような各種の遊技カード110,110・・等をセット可能であり、遊技カード110等を前面側へ排出可能である。遊技カード110は、矩形シート状であり、その長辺が前後方向に沿う状態でカード排出ユニット4にセットされる。カード排出ユニット4は、排出される遊技カード110を通すスリット112及び排出報知ランプ114を有する前側装置116と、セットされた遊技カード110を排出指令に基づいて一枚ずつスリット112に送る排出装置118とを備えている。排出報知ランプ114は、複数(3個)のLEDにより形成されている。
遊技カード110は、その表示(装飾)内容により複数の種類が存在するものである。ここでは3種類の遊技カード110A〜110Cが示される(図15(a)〜(c))。セットされた遊技カード110A〜110Cの前端部には、前後方向に所定幅を有する共通装飾部120がそれぞれ設けられている。同様に、各種の遊技カード110の後端部にも、前端部と同じ前後幅を有する共通装飾部120が設けられている。
そして、遊技カード110Aにおける共通装飾部120,120間が、遊技カード110Aであることを識別可能な識別装飾部122Aとなっており、該識別装飾部122Aには、文字等を書き込み可能なメモ部124が設けられている。又、遊技カード110Bは、遊技カード110Aと同じ大きさの長方形カード体であり、前後端部の共通装飾部120,120間には、遊技カード110Bであることを識別可能で、識別装飾部122Aとは異なる識別装飾部122Bが配置されており、識別装飾部122Bにも、遊技カード110Aと同様のメモ部124が設けられている。更に、遊技カード110Cは、遊技カード110A,110Bと同じ大きさに成形された長方形カード体であり、前後端部の共通装飾部120,120間には、遊技カード110Cであることを識別可能で、識別装飾部122A,122Bとは異なる識別装飾部122Cが配置されており、識別装飾部122Cにも、遊技カード110A,110B同様のメモ部124が設けられている。尚、全ての遊技カード110A〜110Cは、表裏どちらも同様の装飾が施されている。即ち、各共通装飾部120、何れかの識別装飾部122A,122B,122C、及びメモ部124が表裏に設けられている。
そして、カード排出ユニット4は、各遊技カード110A〜110Cの前後何れかの共通装飾部120のみがスリット112から露出するように、遊技カード110A〜110Cを排出する。従って、遊技者にしてみると、排出された遊技カードを抜き取らない限り、遊技カード110A〜110Cのうちの何れのものが排出されたのか確認できないようになっている。又、カード排出ユニット4は、かような排出時において排出報知ランプ114を点灯させ、遊技カード110の排出を遊技者に知らせる。
他方、図16〜19にも示される支持台8は、パチンコ機2やカード排出ユニット4、履歴表示装置6を設置可能であって、木製の台車130と、台車130の上側に配置される木製のフレーム体132を有している。尚、これらの図のうち図19にのみ排出された遊技カード160が示される。
台車130は、底板140と、底板140の左右両側部上に立設される一対の側板142,142と、側板142,142の上部同士を連結するように固定される天板144と、側板142,142間にわたり天板144の底面に沿って架設される補強板146とを有している。底板140は、略矩形状の平板の前端縁に沿って、後方へ凹んだ凹部148を左右方向へ幅広く形成してなるもので、底板140の底面側には、台車130ひいては支持台8を所望の位置へ移動させるための4つのキャスター150,150・・と、所望の位置で支持台8を固定するための4つのストッパ152,152・・とが取り付けられている。又、底板140の前端部における凹部148の左右外側の部位は、その先端が天板144の前端と略同じ程度まで前方へ大きく突出している。
又、側板142,142は、底板140の左右両側縁に沿って立設されており、各側板142の前端面は、上方へ向かうにしたがって徐々に後方側へ向かう滑らかな湾曲面として形成されている。更に、天板144は、略矩形状に成形された平板であって、底板140の上方の空間K1を覆うように側板142、74の上端面に固定されている。この天板144の端面には弾性体(ラバー部材)が取り付けられており、天板144の端面(特にエッジ)が露出しないようになっている。加えて、補強板146は、矩形平板状であって、天板144の前後方向で略中央となる位置において下方へ立設されている。
そして、上述したような底板140、側板142,142、天板144、及び補強板146を有する台車130では、その前側において、凹部148、側板142,142、及び天板144に囲まれており、前方及び下方へ開放された空間が設けられている。そして、当該空間が、車椅子や椅子、遊技者の足等を台車130の内側へ受け入れる空間として機能するようになっている。又、この空間は、底板140上の空間K1(底板140、側板142,142及び天板144により囲まれる空間K1)にも連通しており、遊技者は補強板146よりも後側まで足を伸ばして入れることが可能となっている。更に、底板140の前端部における凹部148の左右外側の部位が、天板144の前端部と略同程度まで大きく前方へ突出しているため、遊技者が天板144の前端際に体重をかける等しても、台車130は前方へ転倒しない。
一方、フレーム体132は、左右の側板160a,160bと、これらの間に架け渡される天板162及び底板164と、天板162上に立設される上板166と、右の側板160bに沿って底板164と天板162との間にわたり立設される前板168と、側板160a,160b間の空間K2を後方から覆うように取り付けられる背板170とを有している。側板160aは、フレーム体132の左側面を構成するものであって、パチンコ機2の機枠10よりも上下方向へ十分に長い略矩形平板状に形成されている。側板160aの上端部には、複数のフレーム体132同士ひいては複数の支持台8同士を左右に連結可能とするための連結孔172が穿設されている。又、側板160aの内面(右側の表面)には、パチンコ機2の前後方向での設置角度を所定の設置角度に定めるための角度調整板174が取り付けられている。角度調整板174は、その前面が下方へ向かうに従って前側へ向かうテーパ面(上下左右に広がる垂直面に対して所定角度だけ上部が後方へ移動して傾斜する傾斜面)となっており、角度調整板174の前面にパチンコ機2の機枠10の後面を当接させることで、パチンコ機2の設置角度を自動的に所定の設置角度に定めることができるようになっている。一方、側板160bは、フレーム体132の右側面を構成するものであって、側板160aと同じ上下高さを有する略矩形状に形成されており、その上端部には連結孔172が穿設されている。
天板162は、フレーム体132の上面を構成するもので、前後方向の長さが側板160a(160b)の前後方向の長さよりも短い矩形平板状に形成されており、側板160a,160bの下端からパチンコ機2の機枠10の上下高さと略同じ高さとなる位置において、側板160a,160b間に架け渡されている。そして、天板162には、下方へねじ込み可能な一組の固定ボルト176,176が取り付けられており、各固定ボルト176を機枠10の上面へねじ込むことにより、パチンコ機2をフレーム体132に対して固定可能としている。更に、底板164は、フレーム体132の底面を構成するもので、側板160a,160bの下端同士を連結するように組み付けられている。底板164は、略矩形状に形成された平板の前部に、左端部から機枠10の左右方向での長さと略同じ左右長さにわたり、後方へ切り欠かれた受け入れ部178を備えており、フレーム体132を台車130と組み合わせた後、受け入れ部178内へ機枠10の底部を入れ込むことにより、パチンコ機2の支持台8における設置位置を位置決め可能となっている。又、底板164には、フレーム体132と台車130とを一体化するための複数の連結部(ボルト孔)180,180・・が設けられている。
上板166は、天板162の前縁に沿って立設される矩形平板状の部材であって、前面略中央部に履歴表示装置6が設置されている。又、前板168は、上下方向に長い矩形平板状の部材であって、側板160bの前縁に沿って側板160bの下端から天板162の下面に渡り立設されている。そして、前板168の左端面と側板160aとの間の左右方向での距離が、機枠10の左右方向での長さと略同じとなっている。前板168の後面側には、矩形状の載置板181が略水平となるように固定されており、載置板96上に、カード排出ユニット4が設置されている。カード排出ユニット4の前側装置116は、前板168の前面において露出するように設置されている。
図20にも示される背板170は、左右方向長さが側板160a,160b間の距離と略同じ長さで、上下方向長さが側板160a,160bよりも短くされた矩形平板状に形成されている。背板170は、左右両端縁が側板160a,160bの後端面に当接させて側板160a,160bへ固定され、側板160a、160b間の空間S2を後方から覆っている。又、背板170の前面の所定位置には、吸音材182が貼着されている。
以上のように構成される台車130及びフレーム体132を有する支持台8は、台車130とフレーム体132とに分割された状態で保管・運搬等される。そして、所望の位置に台車130を固定した後、フレーム体132を台車130の天板144上にセットし、ボルト等を用いてフレーム体132の底板164と台車130の天板144とを連結する。すると、台車130の天板144、及びフレーム体132の側板160a、天板162、前板168で囲まれる空間K2が形成され、空間K2がパチンコ機2の設置空間となる。よって、パチンコ機2は、その設置に際し、機枠10の底部がフレーム体132の前側から受け入れ部178内へ入れ込まれると共に、機枠10が角度調整板174に当接されることにより、空間K2内で位置決めされる。そして、固定ボルト176が機枠10の上面へねじ込まれるようにし、又機枠10の底部とフレーム体132の底板164とが図示しない連結板を用いて連結されるようにすることで、フレーム体132がパチンコ機2の上面及び左右両側面を囲った状態で、パチンコ機2が設置されることになる。尚、当該設置状態においては、補強板146の上方にパチンコ機2が位置している。
更に、支持台8に設置されたパチンコ機2の後方を覆うように、背板170が組み付けられる。この組み付け状態において、背板170の下端は、側板160a,160bの下端から所定高さだけ上方に位置しており、背板170の下端と台車130の天板144との間に、上下方向に所定幅を有し、空間K2と外部とを連通させる隙間K3が形成されている。又、背板170の上部において、天板162の後端と背板170の前面との間に、前後方向に所定幅を有し、空間S2と外部とを連通させる隙間K4が形成されている。更に、背板170の前面に貼着された吸音材182が、パチンコ機2の後方(特に遊技球24,24・・を循環させるための循環部材90の後方)に位置している。
尚、当然ながらパチンコ機2を設置した後も、キャスター150,150・・を利用した支持台8の移動は可能である。又、カード排出ユニット4や履歴表示装置6は、支持台8の組み立て前においてフレーム体132に設置されていても良いし、支持台8の組み立て後、パチンコ機2の設置に伴い設置されても良い。更に、支持台8には、パチンコ機2のプラグを接続可能な変圧装置(図示せず)も設置されており、該変圧装置を介してパチンコ機2を一般の家庭用電源に接続可能としている。
≪内的構成等≫
パチンコ機2における機枠10後面側のセンターカバー86の内部には、図21に示されるように、遊技に係る制御を実行するための制御装置200、図柄表示装置32における表示動作等を制御する表示制御装置202、ランプ部材48の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置204、及びスピーカ46からの報音動作を制御する音制御装置206等が配置されている。
制御装置200には、制御基板210が内蔵されている。制御基板210は、移行抽選の実行とともに各種部材の動作を制御するメインCPU212や、ROMやRAM等といった記憶手段214、タイマ216、及びインターフェイス218等を備えている。そして、制御基板210は、インターフェイス218を介して、図柄始動口38、第1電動役物40、第2電動役物42、カード排出ユニット4、発射装置50、及びカウントランプ34A〜34H等と接続されている。又、制御基板210は、インターフェイス218を介して、表示制御装置202、発光制御装置204、及び音制御装置206とも電気的に接続されており、後述するような移行抽選の結果に応じて、スピーカ46やランプ部材48の動作や、図柄表示装置32における図柄の表示動作等を制御するようになっている。更に、制御基板210は、遊技ボタン61や電源装置84、履歴表示装置6等ともインターフェイス218を介して接続されている。
発射装置50に対しては、ハンドル70が接続され、又ケーブルで接続部74に接続されたハンドルユニット72が接続されている。発射装置50は、ハンドル70に対する回転操作に従い、遊技球24を導入通路30に発射する。又、発射装置50は、ハンドルユニット72の補助ハンドル80に対する回転操作に従い、ハンドル70の場合と同様に、遊技球24を導入通路30に発射する。補助ハンドル80に対する回転操作の情報は、ケーブルや接続部74を通じて発射装置50に送信される。加えて、発射装置50は、ハンドルユニット72の補助ボタン78に係る押下の有無についても受信し、そのままインターフェイスを通じて制御基板210に送信する。制御基板210は、補助ボタン78の押下に関し、遊技ボタン61の押下と同様に処理する。
ハンドルユニット72は、遊技者の手がパチンコ機2のハンドル70や遊技ボタン61に届かないような場合にパチンコ機2と接続し、所望の位置にハンドルユニット72をセットして使用することができ、例えば車椅子に乗った被介護者が、車椅子が邪魔となってパチンコ機2に近寄れないような場合には、ハンドルユニット72を被介護者の近くにセットすることで、ハンドル70より扱い易い補助ハンドル80を操作可能とすることができるし、遊技ボタン61より押し易い補助ボタン78を操作可能とすることができる。又、例えば腕に障害を抱えた被介護者が、ハンドル70や遊技ボタン61を操作できるほど腕が上がらないような場合には、被介護者の腕に合わせた位置にハンドルユニット72をセットすることで対応することができる。
一方、制御基板210の記憶手段214には、移行抽選に使用するcカウンタ(移行成立決定用乱数)、移行当選の種別決定に使用するdカウンタ(移行当選種別決定用乱数)、及び主に図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(例えば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。又、cカウンタは0〜70(71通り)の間を、dカウンタは0〜4(5通り)の間を、eカウンタは0〜30(31通り)の間をそれぞれループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球の図柄始動口38への進入検出を契機として、cカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(移行抽選を実行する)。
又、記憶手段214には、図22に示すように、eカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルが記憶されている。基本変動パターンとは、主に図柄表示装置32における図柄の変動時間(例えば変動開始から左列で図柄要素を停止表示し、さらに右列で図柄要素を停止表示するまでの時間等)を規定するものである。更に、記憶手段214には、図柄の詳細な変動表示態様となる詳細変動パターンを複数種類記憶した変動パターン記憶領域220が設けられており、各詳細変動パターンは、図23に示すように上記基本変動パターンと対応づけられていて、その対応関係は詳細変動パターン参照テーブルとして記憶手段214において記憶されている。
又更に、記憶手段214には、例えば図柄表示装置32における図柄の変動表示中に図柄始動口38へ遊技球が進入したような場合に、当該進入に伴うcカウンタ、dカウンタ及びeカウンタからの取得数値を保留情報として最大4つまで記憶する保留情報記憶領域222が設けられている。加えて、記憶手段214には、保留情報記憶領域222に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、移行抽選の結果が当選であるか否か等の移行判定を実行するための移行判定用記憶領域224が設けられている。尚、保留情報は、図柄が確定表示される度に記憶した順番で順次移行判定用記憶領域224へ移行されて消化され、その消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
そして、制御装置200は、移行抽選の結果が当選であった場合に行われる移行動作における図柄の変動表示の速度(中列のドラムの回転速度)を設定するための速度切替スイッチ230と接続されている。即ち、スイッチ230は、インターフェイス210を通じて、制御基板210と接続されている。スイッチ230は、レバーが上中下の何れかのポジションを取り得る3ポジションのトグルスイッチであり、制御基板210は、レバーのポジション即ち速度切替スイッチ230の切替状態を把握可能である。スイッチ230は、パチンコ機2後面側のセンターカバー86内に配置されており、センターカバー86を外すことで、レバーのポジションを移動して切り替え操作することが可能となっている。
≪動作例等≫
図24〜図26には、上記独立単体型パチンコ機1における基本的な遊技動作が示される。図24は、通常状態の遊技の流れに関するフローチャートであり、図25は、高確率状態の遊技の流れに関するフローチャートであり、図26は、時短状態の遊技の流れに関するフローチャートである。尚、以下では、動作の処理に係るステップが、適宜Sと記載される。
独立単体型パチンコ機1では、通常状態において遊技球24が図柄始動口38へ進入すると、その進入がメインCPU32により検出される(S1)。進入した遊技球24は、循環部材90により上皿52内へ返却される。メインCPU32は、進入検出のタイミングで、cカウンタ、dカウンタ及びeカウンタからそれぞれ1つの数値を取得し、更に保留情報記憶領域222に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する(S2)。保留情報の数が既に最大値に達していると(S2でYes)、メインCPU32はcカウンタないしeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと(S2でNo)、メインCPU32はcカウンタないしeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域222に記憶する(S3)。
メインCPU32は、図柄表示装置32において図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、図柄を確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、メインCPU32は消化する優先度が最も高い保留情報(ここでは時間的に最も早く記憶した保留情報)を移行判定用記憶領域224へ移す(S4)と共に、当該保留情報について以下の移行判定を実行する(S5)。即ち、メインCPU32は、保留情報を移行判定用記憶領域224へ移した時点での遊技状態に対応した移行判定用テーブルを参照し、cカウンタからの取得数値が所定の移行数値であるか否か(移行抽選の結果が「当選」であるか否か)を判定する。各種の移行判定テーブルは記憶手段214に記憶されており、通常状態で使用する移行判定用テーブルでは、移行数値は「7」の1通りとなっている。又、移行抽選の結果が「当選」である(cカウンタからの取得数値が移行数値である)と、メインCPU32はdカウンタからの取得数値に基づいて「当選」の種別(遊技状態の移行先の種別)を決定する。
遊技状態の移行先の種別について、メインCPU32は、dカウンタからの取得数値が「0」か「1」であると、当該「当選」が「第1リーチ当選」であるとして、図柄表示装置32において左列の表示部(左ドラム)と右列の表示部(右ドラム)とに同じ種類の図柄要素を停止表示させるといったいわゆるリーチ表示を成立させた後、後述するように遊技者による遊技ボタン61(あるいは補助ボタン78,以下同様)の操作を要求するスロットリーチ状態(第1遊技状態の一種)へ移行させる。又、dカウンタからの取得数値が「2」か「3」であると、メインCPU32は当該「当選」が「第2リーチ当選」であるとして、図柄表示装置32でのリーチ表示の成立後、後述するように遊技者による遊技ボタン61の操作を要求する連打リーチ状態(第1遊技状態の一種)へ移行させる。スロットリーチ状態や連打リーチ状態は、何れもリーチ表示が成立し、第1遊技状態に相当する。一方、dカウンタからの取得数値が「4」であると、メインCPU32は当該「当選」が「確定当選」であるとして、図柄表示装置32でのリーチ表示の成立後、遊技者による遊技ボタン25の操作を要することなく、図柄表示装置32の中列の表示部(中ドラム)に左列の表示部及び右列の表示部で停止表示されている図柄要素と同じ種類の図柄要素を停止表示させて確定表示とし、図柄表示装置32における表示態様を大当たり確定表示態様として、後述するような第2遊技状態としての大当たりチャンス状態へ移行させる。
又、移行抽選の結果が「当選」であり(cカウンタからの取得数値が「移行数値」であり)、且つ、dカウンタからの取得数値が「0」〜「3」である(「当選」の種別が「第1リーチ当選」又は「第2リーチ当選」である)と、メインCPU32は図22(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを参照し、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出して、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する。更に、移行抽選の結果が「当選」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が「4」である(「当選」の種別が「確定当選」である)と、図22(c)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出して、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する。一方、移行抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「移行数値」以外の数値である)と、図22(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出して、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する。
次いで、メインCPU32は、基本変動パターンに対応する詳細変動パターンを読み出して(図23参照)、図柄表示装置32において全ドラムを回転させることで図柄の変動を開始すると共に、タイマ34により計時しながら読み出した詳細変動パターンに従って図柄表示装置32において図柄を変動表示させる。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、移行抽選の判定結果に応じた態様で各種図柄要素を停止表示させる。即ち、移行抽選の結果が「第1リーチ当選」若しくは「第2リーチ当選」であると(検出手段である図柄始動口38による遊技球24の検出に応じた所定条件の充足がなされると)、メインCPU32はS5で「リーチ当選」と判断してS6へ移り、図柄表示装置32においてリーチ表示を成立させ(図柄表示装置32における表示態様を所定の移行表示態様とし)、dカウンタからの取得数値に対応するリーチ状態(第1遊技状態)へ移行させる。又、移行抽選の結果が「確定当選」であると、(S5で「確定当選」と判断すると)、メインCPU32はS5で「確定当選」と判断してS10へ移り、特有の基本変動パターンE(図22(c))ないしこれに対応する詳細変動パターン(大当たり確定変動,図23)に従い、図柄表示装置32においてリーチ表示を成立させた後、中ドラムの所定位置での停止制御により中列の表示部にも自動的にリーチ表示に係る図柄要素と同じ図柄要素を停止表示させて大当たり確定表示態様とし、第2遊技状態としての大当たりチャンス状態へ移行させる。即ち、第1遊技状態としてのリーチ状態を迂回して直接第2遊技状態としての大当たりチャンス状態へ移行させることになる。一方、移行抽選の結果が「はずれ」であると、メインCPU32はS5で「はずれ」と判断して、左列の表示部に停止表示させた図柄要素と異なる種類の図柄要素を右列の表示部に停止表示させた後、任意の図柄要素を中列の表示部に停止表示させて確定表示として図柄表示装置32における表示態様をはずれ確定表示態様とし、リーチ状態や大当たりチャンス状態へ移行させずにS1へ戻る。尚、制御装置200は、例えば基本変動パターンDや基本変動パターンEを選択したりすると、図柄の変動表示中(リーチ状態への移行前)にカウントランプ34A〜34Hを所定の期待演出態様で点灯させ、リーチ表示の成立やこれに続くリーチ状態や大当たりチャンス状態への移行を遊技者に期待させる。期待演出態様(カウントランプ34A〜34Hの点灯パターン等)は、記憶手段33に記憶されている。
又、メインCPU32は、リーチ状態へ移行すると、遊技ボタン61やカウントランプ34A〜34Hを点灯させる等してリーチ状態への移行を報知するとともに、移行したリーチ状態における遊技内容等をスピーカ46,46から報音させ(例えばスロットリーチ状態へ移行した場合には「ボタンを押して図柄を揃えよう」等のメッセージを、連打リーチ状態へ移行した場合には「ボタンを連打しよう」等のメッセージをそれぞれ報音させ)、遊技者に遊技ボタン61の操作を促す。
各リーチ状態に関し、まずスロットリーチ状態は、いわゆるスロットマシーンのように、遊技者による遊技ボタン61の操作に応じて、図柄表示装置32で図柄を確定表示させる遊技状態となっている。即ち、スロットリーチ状態への移行に伴い遊技ボタン61の操作を有効とし、遊技者による遊技ボタン61の操作を検出すると、当該検出のタイミングに対応する図柄(例えば中列の表示部内を通過中の図柄要素)を中ドラムの停止により中列の表示部に停止表示させる。そして、停止表示された図柄要素が、左列の表示部及び右列の表示部で停止表示されている図柄要素と同じ種類の図柄要素であると、図柄の確定表示態様が大当たり確定表示態様であるとして大当たりチャンス状態へ移行させることになる。従って、スロットリーチ状態が生起すると、遊技者は、図柄表示装置32における確定表示態様が大当たり確定表示態様になるよう、遊技ボタン61を適切なタイミングで操作することを狙うことになり、例えば左列の表示部及び右列の表示部で停止表示されている図柄要素と同じ種類の図柄要素が中列の表示部を通過するタイミングといったように、スロットリーチ状態における所定の特別期間中に遊技ボタン61を操作することを狙うことになる。
スロットリーチ状態において、メインCPU32は、速度切替スイッチ230の切替状態を参照し、当該切替状態に応じて図柄表示装置32における図柄の変動表示の速度を調節する。即ち、メインCPU32は、速度切替スイッチ230のレバーのポジションが上であると、最も速い速度で中ドラムを回転させて、最も速い速度で中列の表示部における図柄要素を変動させる。又、メインCPU32は、速度切替スイッチ230のレバーのポジションが下であると、最も遅い速度で中ドラムを回転させて、最も遅い速度で中列の表示部における図柄要素を変動させる。更に、メインCPU32は、速度切替スイッチ230のレバーのポジションが中であると、中程度の速度(最も遅い速度を超えて最も速い速度未満の範囲内の速度)で中ドラムを回転させて、当該速度で中列の表示部における図柄要素を変動させる。
そして、メインCPU32は、遊技ボタン61の操作が行われると、表示制御装置202を通じて把握される中ドラムの回転位置に応じ、中ドラムを停止して中列の図柄要素を停止表示する。例えば、最前部の通過を基準とし、中列の図柄要素「0」の中央を超えて図柄要素「1」の中央に至るまでの間に遊技ボタン61の操作が行われると、メインCPU32は、図柄要素「1」を最前部に位置させて停止表示させる。この場合であって、左右双方の列に図柄要素「1」が停止表示されているとき、中列の図柄要素「0」の中央を超えて図柄要素「1」の中央に至るまでの間の期間が、図柄「111」の大当たり確定表示態様における確定表示を得られる特別期間となる。同様に、中列の図柄要素「1」の中央を超えて図柄要素「2」の中央に至るまでの間に遊技ボタン61の操作が行われると、メインCPU32は、図柄要素「2」を最前部に位置させて停止表示させ、左右の図柄要素が何れも「2」であれば大当たり確定表示態様が得られる。即ち、メインCPU32は、速度切替スイッチ230の切替状態に応じ、スロットリーチ状態における所定の特別期間の長さを調節する。よって、中列の図柄要素の変動が遅ければ遅いほど、遊技ボタン61を操作すべき特別期間が長くなって左列や右列の図柄要素に中列の図柄要素を合わせ易くなり、図柄の確定表示態様が大当たり確定表示態様となり大当たりチャンス状態へ移行し易くなる。逆に、図柄の変動速度が速ければ速いほど、遊技ボタン61を操作すべき特別期間が短くなり、図柄の確定表示態様を大当たり確定表示態様とさせて大当たりチャンス状態へ移行させることに比較的に技量を要することとなる。
次に連打リーチ状態は、連打リーチ状態において設定した所定の遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数に応じて、図柄表示装置32で図柄を停止表示させる遊技状態となっている。即ち、メインCPU32は、連打リーチ状態への移行に伴い、遊技ボタン61の操作を有効とする所定の遊技期間(例えば10秒)を設定する。そして、メインCPU32は、遊技期間の開始に伴い遊技ボタン61の操作を有効とした後、当該遊技期間中に、遊技ボタン61が所定回数(例えば30回)以上操作されると、中列の表示部に、左列の表示部及び右列の表示部で停止表示されている図柄要素と同じ種類の図柄要素を停止表示させ、図柄表示装置32における図柄の確定表示態様を大当たり確定表示態様とし、大当たりチャンス状態へ移行させる。一方、遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数が所定回数に達しないと、メインCPU32は、中列の表示部に、左列の表示部及び右列の表示部で停止表示されている図柄要素とは異なる種類の図柄要素を停止表示させ、図柄表示装置32における図柄の確定表示態様をはずれ確定表示態様とし、大当たりチャンス状態へ移行させない。従って、連打リーチ状態が生起すると、遊技者は、図柄表示装置32における確定表示態様が大当たり確定表示態様になるよう、遊技期間の開始に伴い遊技ボタン61を連打することになる。
そして、各リーチ状態において、遊技ボタン61が適切なタイミング(特別期間内)で操作されたり、遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数が所定回数に達したりすると、メインCPU32は、図柄表示装置32における表示態様を大当たり確定表示態様(特別確定表示態様)とし、その確定表示態様が大当たり確定表示態様である旨を判定した(S7でYesと判断した)後、大当たりチャンス状態(第2遊技状態)へ移行させる(S10)。
一方、リーチ状態において、遊技ボタン61が適切なタイミングで操作されなかったり、遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数が所定回数に達しなかったりすると、メインCPU32は、図柄表示装置32における表示態様をはずれ確定表示態様(特別確定表示態様とは異なる確定表示態様)とする。又、各リーチ状態において、1回のチャンスで遊技ボタン61を適切なタイミングで操作したり、遊技期間中に遊技ボタン61を所定回数以上操作したりすることは、遊技に精通していない初心者や遊技の技量を発揮し難い被介護者等にとっては難しいことに鑑み、メインCPU32は、リーチ状態における図柄の確定表示回数を確認して(S8)、リーチ状態における図柄の確定表示回数が規定回数(例えば2回)に達していない(S8でNoと判断する)と、中列の表示部において図柄の変動を再開させ、即ち図柄表示装置32における表示態様を確定表示前の表示態様であってリーチ状態への移行時における表示態様へ復帰させる(S9)。そして、メインCPU32は、遊技ボタン61やカウントランプ34A〜34Hを点灯させる等したり、スピーカ46,46から所定のメッセージ(例えば「ラストチャンス」等)を報音させる等して、再び大当たり確定表示態様とするチャンスがあることを遊技者に報知すると共に、遊技者に遊技ボタン61の操作を促す。中列の表示部において図柄要素の変動表示を再開させるにあたり、メインCPU32は保留情報を新たに消化することはなく、この変動再開に係る遊技は、現時点で移行判定用記憶領域224へ移されている保留情報での遊技となる。リーチ状態への移行時における表示態様への復帰後は、復帰後の遊技ボタン61の操作に応じて、図柄の確定表示態様が新たに決定されることになる(S7)。又、スロットリーチ状態の表示態様への復帰後は、速度切替スイッチ230の切替状態に応じた速度で中列の表示部の図柄要素が変動表示されることとなる。他方、リーチ状態における図柄の確定表示回数が規定回数に達する(S8でYesと判断する)と、大当たりチャンス状態へ移行させることなくリーチ状態を終了させ、S1に戻る。かようにして、メインCPU32は、リーチ状態における遊技ボタン61の操作に応じて、図柄表示装置32における図柄の確定表示態様を決定し、決定した確定表示態様で図柄を確定表示して、確定表示態様に応じた遊技状態へ移行させることになる。尚、スロットリーチ状態において、所定の有効期間(例えば60秒)内に遊技ボタン61が操作されなかった場合も、適切なタイミングで操作されなかった場合と同じ制御となる。
又、規定回数目以内に図柄が大当たり確定表示態様で表示(図柄揃い表示)されて大当たりチャンス状態へ移行すると、メインCPU32は、第1電動役物40の合計の開放時間が所定の第1特別時間(例えば30秒)となるまで、若しくは、第1電動役物40への遊技球の進入個数が合計で所定個数(例えば8個)に達するまでの何れかの条件が満たされるまで、第1電動役物40を開閉動作させる(S10)。そして、メインCPU32は、開動作している第1電動役物40へ所定個数以上の遊技球の進入を検出すると(S11でYesと判断すると)、大当たり状態へ移行させる(S12)。一方、メインCPU32は、大当たりチャンス状態において、第1電動役物40への遊技球の進入個数が所定個数に達しないまま、第1電動役物40の合計の開放時間が所定の第1特別時間に達したことを把握すると(S11でNoと判断すると)、大当たり状態へ移行することなく、リーチ状態へ移行する前の遊技状態へ復帰させる(S1へ戻る)。
この大当たりチャンス状態では、メインCPU32は、遊技球24が第1電動役物40へ進入する度に、第1電動役物40を一旦閉動作させ、進入個数の合計を確認する。このとき、進入個数の合計が所定個数に達していないと、メインCPU32は第1電動役物40を再度開動作させ、次の遊技球24の進入を待つ。又、大当たりチャンス状態において、メインCPU32は遊技球24が第1電動役物40へ進入する度に、センター部材36のカウントランプ34A〜34Hを左端のカウントランプ34Aから順に右側へ1つずつ点灯させていく。即ち、例えば大当たりチャンス状態へ移行した後、最初の遊技球24の第1電動役物40への進入を検出すると、カウントランプ34Aのみを点灯させる。又、2個目の遊技球24の第1電動役物40への進入を検出するまではカウントランプ34Aのみを点灯させ続け、2個目の遊技球24の進入を検出したことをもって、カウントランプ34Aに加え、カウントランプ34Bを点灯させる。更に、3個目の遊技球24の第1電動役物40への進入を検出するまでは、カウントランプ34Aとカウントランプ34Bとを点灯させ続け、3個目の遊技球24の進入を検出したことをもって、カウントランプ34A,34Bに加え、カウントランプ34Cを点灯させる。このような順で点灯するカウントランプ34A〜34Hの個数を増やし、最終的に所定個数目の遊技球の第1電動役物40への進入を検出すると、全てのカウントランプ34A〜34Hを点灯させる。尚、大当たりチャンス状態におけるカウントランプ34A〜34Hの点灯態様(報知態様)は記憶手段214に記憶されている。
そして、大当たり状態へ移行すると、メインCPU32は、所定の第2特別時間(例えば30秒)に亘る第1電動役物40及び第2電動役物42,42の開放を所定回(例えば3回)繰り返す大当たり状態を生起させる。又、大当たり状態の生起に伴い、メインCPU32は、カウントランプ34A〜34Hを所定の大当たり態様で点灯させ、遊技者の高揚感を高める。更に、大当たり状態の生起に伴い、メインCPU32はカード排出ユニット4を作動させ、カード排出ユニット4は遊技カード110A〜110Cの内の何れか一枚の遊技カード110を排出用のスリット112を介して前板168の前面側へ排出すると共に、遊技者により遊技カード110が抜き取られるまで排出報知ランプ114を点灯し、遊技カード110が排出されている旨を遊技者に報知する。尚、大当たりチャンス状態や大当たり状態において、第1電動役物40や第2電動役物42,42へ進入した遊技球24は、図柄始動口38へ進入した場合と同様、循環部材90により上皿52内へ返却される。
更に、メインCPU32は、第2特別時間の経過に基づいて大当たり状態を終了させた後、移行抽選の結果が「当選」となる確率が向上していると共に、移行抽選の結果が「はずれ」である場合の図柄の平均変動時間が短い高確率状態を生起させる(図25)。即ち、高確率状態で使用する移行抽選判定用テーブルでは、「1」〜「10」の10通りと、通常状態よりも多くの数値(cカウンタの数値)が「移行数値」とされている。又、高確率状態で「はずれ」時に使用する基本変動パターン決定テーブルでは、通常状態よりも多くの数値(eカウンタの数値)が基本変動パターンAに割り振られている。そして、高確率状態を生起させると、メインCPU32はまず保留情報記憶領域222における保留情報の有無を確認し(S21)、保留情報が存在すると(S21でYesと判断すると)、消化する優先度が最も高い保留情報を移行判定用記憶領域224へ移す(S24)。又、保留情報が存在しないと(S21でNoと判断すると)、メインCPU32は通常状態と同様に、遊技球24の図柄始動口38への進入検出(S22)をもって保留情報を記憶した後(S23)、保留情報を移行判定用記憶領域222へ移す(S24)。その後、メインCPU32は、移行判定用記憶領域222へ移した保留情報について、移行抽選の結果が「当選」であるか否かの移行判定を行う(S25)。
そして、メインCPU32は、高確率状態における移行判定(S25)や、規定回数目以内に亘るリーチ状態(S26〜S29)、又大当たりチャンス状態や大当たり状態(S30〜S32)について、通常状態のS5〜S12と同様に処理する。高確率状態においても、規定回数目以内に亘るスロットリーチ状態(S26〜S29)では、速度切替スイッチ230の切替状態に応じた速度で中列の図柄要素が変動表示される。但し、メインCPU32は、S26で「はずれ」と判定した場合や、S28でリーチ状態に係るはずれ確定表示態様の表示回数が規定回数目に達した(Yes)と判断した場合、あるいはS31で第1電動役物40の合計開放時間が第1特別時間に達するまでに第1電動役物40に遊技球24が所定個数以上進入しなかった(No)と判断した場合には、高確率状態の生起後における図柄の確定表示回数が第1特定回数(例えば5回)に達したか否かを確認する(S33)。そして、高確率状態において移行抽選の結果が「当選」となることなく、高確率状態の生起後における図柄の確定表示回数が第1特定回数に達すると(S33でYesと判断すると)、メインCPU32は高確率状態を終了し、時短状態(図26)を生起させる。
メインCPU32は、時短状態を生起させると、高確率状態に係るS21〜S33と同様に制御する(図26,S41〜S53)。但し、時短状態において、移行抽選判定用テーブルは「7」の1通りと通常状態と同じ数の数値のみが「移行数値」とされており、移行抽選の結果が「当選」となる確率は通常状態と同じであるものの、移行抽選の結果が「はずれ」である場合の図柄の平均変動時間は短く設定されている。又、メインCPU32は、高確率状態に係る第1特定回数に至ったか否かの確認(S33)に代えて、時短状態では第2特定回数(例えば30回)に至ったか否かの確認(S53)を行い、時短状態において移行抽選の結果が「当選」となることなく、時短状態の生起後における図柄の確定表示回数が第2特定回数に達すると(S53でYesと判断すると)、時短状態を終了して通常状態(図24)へ復帰させる。即ち、メインCPU32は、移行抽選の当選確認(S45)ではずれと判断した場合や、リーチ状態に係る規定回数到達確認(S48)でYesと判断した場合、あるいは大当たりチャンス状態(S50)で第1特別時間内に遊技球24を第1電動役物40へ所定個数以上進入させられなかった場合に、S41で図柄の確定表示回数を確認し、第2特定回数に至れば時短状態を終了する。
そして、遊技者による上記パチンコ機2での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル70(補助ハンドル80)を回転操作して発射装置50を作動させ、導入通路30を介して遊技球を遊技領域22内へ打ち込み、まずは図柄始動口38への遊技球の進入を狙う。そして、図柄始動口38へ進入した遊技球によるリーチ抽選の結果が「当選」となりリーチ状態へ移行すると、図柄表示装置32において同じ種類の図柄要素が左右に3つ並んで停止表示されるように、遊技者は適切なタイミングで遊技ボタン61(補助ボタン78)を操作する。その結果、図柄表示装置32において同じ種類の図柄要素が左右に3つ並んで停止表示され、図柄の確定表示態様が大当たり確定表示態様となって大当たりチャンス状態が生起すると、遊技者は開閉動作する第1電動役物40への開状態中における所定個数以上の遊技球24の進入を狙う。そして、所定個数以上の遊技球が進入して大当たり状態が生起すると、遊技者はスリット112から共通装飾部120のみが露出するような状態で排出される遊技カード110を抜き取り、遊技カード110A〜110Cのうちの何れの遊技カードが排出されたか、又メモ部124にはどのような内容が記載されているか等を確認すると共に、開動作中の第1電動役物40及び第2電動役物42への遊技球の進入を狙う。又、大当たり状態の終了後は、リーチ抽選に「当選」する確率が向上した高確率状態や図柄の平均変動時間が短い時短状態が生起するため、遊技者はリーチの成立(リーチ状態への移行)を期待しつつ、図柄始動口38への遊技球24の進入を狙う。尚、図柄始動口38や第1電動役物40,第2電動役物42に進入した遊技球24のみならず、何れの部材にも進入することなく排出口44から排出される遊技球24についても、循環部材90により上皿52内へ返却される。
≪作用効果等≫
上述したような構成を有する独立単体型パチンコ機1によれば、支持台8が、キャスター150,150・・付きの台車130と、フレーム体132とを有するものであるため、台車130とフレーム体132とに分割した状態で夫々別個に保管・運搬等することができ、台車130とフレーム体132を用いて支持台8を導入先で組合せ、パチンコ機2を設置することができる。従って、支持台8の保管や運搬に係る作業を容易なものにすることができ、介護施設等への導入も容易となる。
又、台車130の底板140の前端縁に沿って、後方へ凹んだ凹部148が左右方向へ形成されており、台車130の前側に、当該凹部148と側板142,142及び天板144とにより囲まれた空間、即ち前方及び下方へ開放された空間が設けられている。従って、たとえ車椅子を利用する遊技者であっても、台車130の前側から凹部148等により形成された空間内へ車椅子や足を入れるだけで、パチンコ機2に近い位置で楽に遊技することができる。
更に、台車130の天板144上にパチンコ機2を設置した際、補強板146の上方にパチンコ機2が位置し、補強板146が、天板144におけるパチンコ機2の設置箇所を下方から支持するようになっている。従って、台車130の天板144にひびや割れ等が生じ難く、支持台8の強度向上が図られる。
又更に、凹部148等により形成された空間は、底板140上の空間K1にも連通して後側へ広がっているため、遊技者が、補強板146よりも後側まで足を伸ばし入れたりすることができ、遊技者にしてみると非常に楽な姿勢で遊技することができる。加えて、底板140における凹部148の左右外側の部位が、天板144の前端部と略同程度まで大きく前方へ突出しているため、遊技者が天板144の前端際に体重をかける等しても、台車130は前方へ転倒することがなく、安全性の向上が図られる。
又、フレーム体132の左右両側板160a,160bには、連結孔172がそれぞれ設けられている。よって、介護施設等へ導入するにあたり、例えばボルトとナットからなる連結具等を利用することで、支持台8同士が連結状態で左右に並設され、支持台8,8・・の設置状態が安定する。
加えて、フレーム体132の側板160aの内面に、前面が所定のテーパ面とされた角度調整板174が取り付けられており、パチンコ機2を設置するにあたり、パチンコ機2の機枠10を角度調整板174の前面に当接させるだけで、パチンコ機2の設置角度が所定の設置角度とされる。従って、設置作業の経験のない者等によっても、パチンコ機2が容易に好適な設置角度で設置される。更に、フレーム体132の天板162に下方へねじ込み可能な固定ボルト176,176が設けられており、固定ボルト176,176をパチンコ機2の機枠10の上面にねじ込むことにより、パチンコ機2がフレーム体132に対して固定される。従って、パチンコ機2の設置作業の一層の簡易化が図られる。
又、パチンコ機2が設置される側板160a,160b間の空間K2を後方から覆うように背板170が組み付けられるとともに、背板170の前面で、特に循環部材90の後方を含むような位置に、吸音材182が貼着されている。よって、循環部材90上へ落下したり、循環部材90上を転動したりする遊技球24の騒音が低減される。
更に、背板170を組み付けた際に、背板170の下端と台車130の天板144との間に空間K2と外部とを連通させる隙間K3が、フレーム体132の天板162の後端と背板170の上部の前面との間に空間K2と外部とを連通させる隙間K4が夫々形成されるようにしている。そのため、制御装置200等から生じた熱により、空間K2内において隙間K3から隙間K4へと流れる空気流が発生することになる。従って、パチンコ機2の後側に熱がこもり難く、空間K2内に熱がこもって制御装置200に悪影響を及ぼす等の問題が生じ難い。
又更に、上皿52を覆うように取り付けられる上皿カバー62に、球抜きレバー60の操作部が挿通可能な挿通孔62を有する規制部が設けられている。そして、上皿カバー62の取り付けにあたって、球抜きレバー60の操作部を挿通孔62へ挿通させることにより挿通孔62の開口縁が球抜きレバー60の操作部の外周面に当接し、球抜きレバー60の操作が不能となるようにしている。従って、球抜きレバー60等を有する従来周知のパチンコ機を用いて独立単体型パチンコ機1が構成されたとしても、遊技者が誤って球抜きレバー60を操作し、上皿52内の遊技球が下皿12へ球抜きされてしまうといったおそれがない。又、上皿カバー62が取り付けられるだけで球抜きレバー60の操作が不能となるため、球抜きレバー60と球抜き機構との連係を解除したり、球抜きレバー60を取り外すといった煩わしい作業が必要でなく、独立単体型パチンコ機1は安価に製造可能である。
又、遊技盤14の後面には、全ての遊技球24の進入手段及び排出口44よりも下方となる位置に、下方へ凹んだ皿状で、左端部で上皿52への連通口と連通し、且つ底面が連通口側へ向かって下降傾斜する傾斜面とされた受け止め部を有する循環部材90が設置されており、図柄始動口38や第1電動役物40,第2電動役物42に進入した遊技球24、及び何れの部材にも進入することなく排出口44から排出される遊技球24を受け止め部で受け止めた後、遊技球回収通路94上を流下させて上皿52へ返却可能としている。従って、リフト手段等により遊技球24を循環させていた従来のパチンコ機と比較すると、遊技球24,24・・の循環に係る構造が非常に簡易化されており、独立単体型パチンコ機1が小型化され、製造コストが低減される。又、従来のパチンコ機の如く遊技球24,24・・の循環に別途動力を必要としないため、運転コストの低コスト化も図られる。
加えて、上下方向で電源装置84と制御装置200との間の空間を利用して循環部材90が設置されているため、従来周知の循環型でないパチンコ機に循環部材90が後付けされることで循環型のパチンコ機2が形成される。従って、従来周知の循環型でないパチンコ機が、独立単体型パチンコ機1におけるパチンコ機2として利用可能である等、製造コストの一層の削減を図ることができる。尚、循環手段である循環部材90をフッ素含有ポリカーボネートによって形成しているため、遊技球24,24・・がパチンコ機2内を循環し続ける際に汚れが付着し難く、球詰まり等のトラブルが生じ難い。
一方、パチンコ機2では、移行抽選の結果が「リーチ当選」であると、遊技ボタン61の適切なタイミングでの操作や、遊技期間中における遊技ボタン61の所定回数以上の操作を要するリーチ状態へ移行するととともに、リーチ状態において適切なタイミングで遊技ボタン61が操作される等すると、図柄表示装置32における図柄の表示態様が大当たり確定表示態様となって大当たりチャンス状態へ移行し、更に当該大当たりチャンス状態において所定個数以上の遊技球24が第1電動役物40へ進入すると、第1電動役物40や第2チューリップ式電動役物42,42が開閉動作したり、カード排出ユニット4が作動して遊技カード110が排出されるといった大当たり状態へ移行する。従って、従来の遊技機における、大当たり抽選に当選するとリーチ状態や大当たりチャンス状態を経ることなく大当たり状態へ移行して多数の賞球を払い出し得るといった遊技とは全く異なる遊技が、独立単体型パチンコ機1によって提供される。
又、移行抽選の結果が「当選」である際、リーチ状態を経由して大当たりチャンス状態へ移行し得る場合と、リーチ状態を経由することなく直接大当たりチャンス状態へ移行する場合とが存在する。よって、遊技の流れが単調でなく、遊技者に飽きられ難い遊技性の高い独立単体型パチンコ機1とすることができる。更に、リーチ状態として、適切なタイミングでの遊技ボタン61の操作を要求するスロットリーチ状態と、遊技期間中に少なくとも所定回数の遊技ボタン61の操作を要求する連打リーチ状態との2種類のリーチ状態を設定している。従って、多様性のある遊技が遊技者に提供され、一層遊技性の高い独立単体型パチンコ機1が提供される。
又更に、リーチ状態において遊技ボタン61が適切なタイミングで操作されなかったり、遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数が所定回数に達しなかったりして、図柄がはずれ確定表示態様で確定表示されたとしても、リーチ状態における図柄の確定表示回数が規定回数に達するまでは、図柄の変動を再開させ、再開後に遊技ボタン61が適切なタイミングで操作されたり、遊技期間中における遊技ボタン61の操作回数が所定回数に達したりすると、図柄を大当たり確定表示させるようになっている。すなわち、1度遊技ボタン61の操作を失敗したとしても、再び図柄を大当たり確定表示態様で確定表示させ得るチャンスを遊技者に提供するようになっている。従って、遊技の難度が抑えられており、独立単体型パチンコ機1は、特に遊技に精通していない遊技者であっても遊技意欲を欠くことなく遊技可能となっている。
そして、独立単体型パチンコ機1の制御装置200には、速度切替スイッチ230が接続されており、制御装置200は、その切替状態に応じ、スロットリーチ状態における図柄の変動速度を変化させ、スロットリーチ状態における(大当たりチャンス状態への移行のために)遊技ボタン61を操作すべき特別期間の長さを調節する。即ち、独立単体型パチンコ機1は、図柄の変動速度を変化させ、特別期間の長さを調節する速度切替スイッチ230を備えている。よって、速度切替スイッチ230によって図柄の変動速度が遅く設定されて特別期間が長く設定されれば、遊技者はスロットリーチ状態において中列の図柄要素を左右の図柄要素に合わせて一層停止させ易くなり、図柄の大当たり確定表示態様ひいては大当たりチャンス状態を比較的に得易くなり、速度切替スイッチ230によって図柄の変動速度が速く設定されて特別期間が短く設定されれば、遊技者はスロットリーチ状態において中列の図柄要素を左右の図柄要素に合わせて停止させることに一層の技術を要することとなり、図柄の大当たり確定表示態様ひいては大当たりチャンス状態を得ることが比較的に挑戦的になる。従って、独立単体型パチンコ機1では、介護施設の相違や介護を要する程度等、対象となり得る遊技者の技術水準や熟練度等に応じて図柄の変動速度を調節することが可能であり、スロットリーチ状態から大当たりチャンス状態に移行することについて、必要以上に簡単過ぎて飽きられ易くトレーニング効果の薄いものとなることが防止され、あるいは必要以上に難し過ぎて興味を削がれ易いものとなることが防止され、遊技の難易度が適切に調整されることとなる。尚、独立単体型パチンコ機1が複数設置される場合には、互いに変動速度(特別期間の長さ)が揃えられるようにすることが可能であるし、それぞれ(あるいは所定のグループ毎に)変動速度(特別期間の長さ)が相違するようにすることも可能である。
特別期間の長さを調節する調節手段としての速度切替スイッチ230に係る発明は、実施形態(独立単体型パチンコ機1)に即したかたちで、次に更に詳しく示される。即ち、遊技球24が流下する遊技領域22内に配置された遊技球24を検出可能な図柄始動口38と、遊技者が操作可能な遊技ボタン61(補助ボタン78)と、図柄を変動表示すると共に確定表示する図柄表示装置32と、遊技に係る動作を制御する制御装置200を備えており、制御装置200は、図柄始動口38による遊技球24の検出に応じて所定条件が充足される(検出時に取得された保留情報中のcカウンタ取得値が所定値である)と、図柄表示装置32における図柄の表示態様をリーチ表示態様として遊技状態を第1遊技状態へ移行させると共に、第1遊技状態において図柄を確定表示させ、更に第1遊技状態における図柄の確定表示態様が所定の特別確定表示態様(大当たり確定表示態様)であると、遊技状態を前記第1遊技状態から所定の第2遊技状態(大当たりチャンス状態)へ移行させる独立単体型パチンコ機1であって、制御装置200は、第1遊技状態における所定の特別期間中に遊技ボタン61(補助ボタン78)の操作を検出すると、特別確定表示態様で図柄を確定表示させると共に、特別期間以外の期間において遊技ボタン61(補助ボタン78)の操作を検出すると、特別確定表示態様とは異なる確定表示態様(はずれ確定表示態様)で図柄を確定表示させるものであり、更に、制御装置200は、特別期間の長さを調節する速度切替スイッチ230と接続されていることを特徴とする独立単体型パチンコ機1である。又、特別期間は、図柄の変動表示の速度に応じたものとされており、速度切替スイッチ230は、図柄の変動表示の速度を調節することで、特別期間の長さを調節するものである。
又更に、大当たりチャンス状態において遊技球24が進入する度に、点灯するカウントランプ20A〜20Hが所定の順で1つずつ増加され、進入個数がカウントランプ20A〜20Hの点灯数で報知されるため、遊技者は、大当たりチャンス状態において現時点でどれだけの数の遊技球が第1電動役物40に進入しているのか、言い換えるなら、この後どれだけの数の遊技球を第1電動役物40に進入させるのが良いのかを容易に把握することができる。従って、遊技に精通していない遊技者であってもスムーズに遊技を進行することができ、ひいては介護施設等の遊技に精通していない者が多い場所に対しても独立単体型パチンコ機1は好適に導入可能である。
更に、図柄の変動表示中や大当たり状態中における演出の一環として点灯させるランプがカウントランプ20A〜20Hであるため、大当たりチャンス状態において遊技者に報知するための専用のランプの設置は不要で、独立単体型パチンコ機1は部品点数の削減や遊技領域内の省スペース化が図られた合理的な構成とされている。
又更に、大当たりチャンス状態においては、遊技球24が第1電動役物40へ進入する度に開放している第1電動役物40を一旦閉動作させるため、第1電動役物40へ遊技球が進入したことを遊技者に一層強くアピールすることができる。従って、遊技者は、遊技球24の第1電動役物40への進入を一層容易に把握することができる。
又、図柄始動口38や第1電動役物40,第2電動役物42,排出口44に進入した遊技球24は全て上皿52内へ返却されるため、少ない数の遊技球24で遊技を継続することができると共に、モータ等を作動させて遊技球を循環させるような従来の遊技球の循環装置が不要であり、独立単体型パチンコ機1は遊技球24を循環させるような設備のない介護施設等へも好適に導入可能である。
更に、全ての遊技カード110A〜110Cは同じ大きさであり、各遊技カード110A〜110Cの前端部及び後端部に同じ共通装飾部120,120が設けられ、共通装飾部120,120間のみがそれぞれ異なる識別装飾部122A〜122Cとされている。そして、遊技カード110は、共通装飾部120のみが前面に露出するような状態で排出される。よって、遊技者にしてみると、排出された遊技カード110を抜き取らない限り、遊技カード110A〜110Cのうちの何れの遊技カード110が排出されたのか確認できないこととなり、遊技性に富んだパチンコ機2が提供される。加えて、遊技カード110A〜110Cは、排出装置118に対し、遊技カード110A〜110Cの前後の向きや表裏を気にすることなく補充することができ、補充作業は容易に実行可能である。又、各遊技カード110A〜110Cにメモ部124を設けているため、メモ部124に書き込む文字等を異ならせることで、同じ遊技カード110a同士であっても価値を異ならせることができ、一層興趣に富んだ遊技を提供することができる。
又更に、カード排出ユニット4に排出報知ランプ114が設けられており、遊技カード110A〜110Cが排出されると、排出された遊技カード110A〜110Cが遊技者により抜き取られるまでの間、排出報知ランプ114が点灯される。よって、遊技経験に乏しい遊技者等は、遊技カード110A〜110Cが排出されている旨を容易に知ることができる。
又、補助ボタン78及び補助ハンドル80を備えたハンドルユニット72がパチンコ機2の制御装置200に電気通信可能に接続自在であり、ハンドル70や遊技ボタン61に代えて、あるいはハンドル70や遊技ボタン61と共に、補助ハンドル80や補助ボタン78を操作して遊技可能とされているため、ケーブルの長さの範囲内ではあるものの、補助ボタン78や補助ハンドル80の位置を適宜変更することができる。そのため、例えば車椅子が邪魔になってパチンコ機2に十分に近寄れない場合や、腕が思うように上がらない等ハンドル70を操作できないような場合には、それぞれ適当な位置にセットされたハンドルユニット72によって、補助ボタン78や補助ハンドル80を操作して遊技することができる。従って、独立単体型パチンコ機1は介護施設等へ好適に導入可能である。
更に、ハンドルユニット72において、本体ケース76の上面が前下がりの傾斜面となっており、補助ハンドル80が前傾姿勢となっており、補助ボタン78が補助ハンドル80の傾斜する側に設けられ、又補助ハンドル80の回転レバーと補助ボタン78とが上面視で一部重なっている。そのため、パチンコ機2におけるハンドル70と遊技ボタン61との距離に比べ、補助ボタン78と補助ハンドル80との距離が近い。従って、補助ハンドル80を操作していた状況から補助ボタン78を操作しなければならなくなった場合等に、遊技者にかかる負担を軽減することができ、例えば腕に障害を抱えた被介護者等であっても好適に遊技可能であり、独立単体型パチンコ機1は介護施設等へ好適に導入可能である。
加えて、直径10.4mmの球形の芯部26の表面に、0.3mmの厚さのフッ素が添加されたアイオノマー樹脂からなる保護層28を設けた遊技球24,24・・が使用されているため、遊技釘等への衝突音が低減されるし、遊技球24,24・・の表面の摩擦抵抗が低減され、遊技領域22内やパチンコ機2内での球詰まりが防止される。
≪変更例等≫
尚、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、支持台8を含めた独立単体型パチンコ機1全体の構成は勿論、支持台8やパチンコ機2等の個々に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、図柄表示装置32(図柄表示部)は、左中右に3個のドラムを有するものに代えて、上中下に3個のドラムを有するものや、2個以下あるいは4個以上のドラムを有するもの、ドラムに代えてあるいはドラムと共にベルトを有するもの、又は液晶表示装置若しくはドット表示タイプの表示器や7セグメント表示器、又はこれらの組合せとされて良い。更に、遊技領域22内に、遊技球24が一時停留するような部材が設けられても良いし、一時的に遊技球24が見えなくなるような構造(例えば遊技盤14の前面側から後面側へ移動させたり、箱状に形成された遊技部材内に入れたりする等)が採用されても良い。又更に、遊技球24の流下や進入手段への進入等に影響を及ぼすような可動手段(例えば遊技領域22の下部まで流下した遊技球24を再度遊技領域22の上部まで持ち上げるような可動手段等)が設けられても良い。
又、一般的な遊技機には、例えば前扉16を開放すると当該開放を検出する開放検出手段を始めとするいわゆる不正検出手段が設けられているが、本願発明に係る遊技機には、そのような不正検出手段が設けられなくても良い。更に、一般的な遊技機には、前扉16やミドル枠12を機枠10に対して閉じた状態を維持する施錠手段が設けられているが、本願発明に係る遊技機には、そのような施錠手段を設けられなくても良い。
又更に、上皿カバー62における球抜きの規制について、どのように球抜き操作手段の操作を規制するかは、球抜き操作手段の構造等に応じて適宜変更可能である。つまり、球抜き操作手段が押し込み操作する球抜きボタンであるような場合、挿通孔66に代えて、球抜き操作手段の表面を覆うような規制部が一体的に設けられるようにしても良い。尚、規制部が球抜き操作手段の表面を覆うにあたっては、規制部と球抜き操作手段とが接触していても良いし、非接触であっても良い。更に、球抜き操作手段が球抜きレバー60であっても、その操作部を覆うような規制部が設けられることで球抜き操作手段の操作が不能とされて良い。又、上皿カバー62の形状(例えば本体64のどこに規制部が配置されるか等)についても、上皿52と球抜き操作手段の位置関係等に応じて適宜変更可能である。更に、カバー部材は金属製等であっても良い。
加えて、上記実施形態では、上皿と下皿とを有するパチンコ機2に上皿カバー62が取り付けられているが、下皿カバーが取り付けられても良いし、上皿52のみを有し、球抜き操作手段を操作することでパチンコ機外に遊技球24が球抜きされるようなタイプのパチンコ機に上皿カバー62が取り付けられても良い。又、上皿カバー62や下皿カバーに係る透光性の度合は、完全な透明から不透明までの任意のものとすることができる。
又更に、ハンドルユニット72が接続された場合、パチンコ機2のハンドル70及び遊技ボタン61とハンドルユニット72の補助ハンドル80及び補助ボタン78とのどちらを有効な状態とするかを切り替える切替スイッチがパチンコ機2に設けられても良いし、ハンドルユニット72を接続することで自動的にハンドルユニット72の補助ハンドル80及び補助ボタン78が有効となり、ハンドル70及び遊技ボタン61が無効となる(ハンドル70を回転操作しても発射装置50が作動しない等)ように構成されても良い。更に、パチンコ機2は、ハンドルユニット72を接続した際、ハンドル70及び遊技ボタン61とハンドルユニット72の補助ハンドル80及び補助ボタン78との両方が有効である状態としても良い。又、ハンドルユニット72の接続を前提として、パチンコ機2本体のハンドル70や遊技ボタン61が省略されても良い。尚、ハンドルユニット72に設けられた補助ボタン78の数や大きさ、補助ボタン78と補助ハンドル80との位置関係、本体ケース76の形状等についても適宜変更可能である。又、ハンドルユニット72に係合部が設けられると共に、パチンコ機2本体側に被係合部が設けられるようにして、ハンドルユニット72がパチンコ機2本体に対して着脱自在とされても良い。更に、上記実施形態では、ハンドルユニット72は有線で電気通信可能であるが、ハンドルユニット72とパチンコ機2本体とにそれぞれ無線通信部が設けられるようにして、ハンドルユニット72とパチンコ機2本体が無線で電気通信可能に接続されるようにしても良い。
又、台車130やフレーム体132の構造も適宜変更可能であって、台車130に関しては補強板146の後面や側板142の内面に水平な支持板が取り付けられ、トランス等が空間K1内に設置されて良いし、台車130の後端縁に天板144と底板140との間を閉塞する背板が設けられても良い。一方、フレーム体132に関しても、上板166が省略されたり、カード排出ユニット4がパチンコ機2の右側に設けられるようにするために前板168が左側に配置されたりして良い。又、遊技カード110に代えて、あるいは遊技カード110と共に、遊技カード110ではない景品体(例えばコイン)等が採用されて良い。
更に、例えばフレーム体132の天板144の後端面にフックが取り付けられ、支持台8の設置位置近傍の壁面とフックが連結されることで、支持台8の前側への転倒が防止されるようにすることも可能である。又、遊技球24についても、保護層28がないもの等とされて良い。又更に、角度調整板174の配置や形状は、例えばフレーム体132の底板164の受け入れ部178の前端面が角度調整部とされる等、適宜変更可能である。加えて、固定ボルト176,176の設置位置や数や固定の形式も変更可能であり、例えばパチンコ機2の周面であれば、上面以外の面に固定手段をねじ込ませて良い。
又、モータ等を備えた遊技球24,24・・の循環装置が支持台8に設置されることで、例えば開成した特別可動装置へ遊技球が進入した際に賞球が払い出される等、遊技球24,24・・が単に循環されるのみならず、賞球として払い出されるようにして良い。更に、パチンコ機2において、いわゆる確変大当たりと非確変大当たりとの2種類の大当たりが設定され、確変大当たりの場合には、開成した特別可動装置への遊技球24の進入個数に拘わらず、特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態が生起するようにしても良い。尚、大当たり時の図柄の確定表示態様の違い等により、遊技者に提供する景品体の数が異なるようにしても良く、例えば「777」であると遊技カード110を2枚、「222」であると遊技カード110を1枚それぞれ提供するして良い。
更に、吸音材182の形状は、例えば前面に多数の凹凸が設けられること等により表面積が増加するようにして、より効率良く吸音可能となるものとしても良い。又、背板170における吸音材182の取付位置についても、パチンコ機2の後面側の構造等に応じて適宜変更可能である。
又更に、上記実施形態では、背板170の下端と台車130の天板144との間に隙間K3が形成されるように背板170が組み付けられたり、フレーム体132の天板162の前後方向の長さが側板160a,160bの前後方向の長さよりも短くすることで、天板162の後端と背板170の上部の前面との間に隙間K4が形成されるようにしているが、背板170の上部や下部にスリットが直接設けられたり、台車130の天板144やフレーム体132の天板162にスリットが直接設けたられたりしても良い。加えて、パチンコ機2が収納される設置空間の上部及び下部のみならず、側部等にも熱を逃がす等するための隙間が形成されても良いし、側板160a,160bの内面に吸音材が取り付けられても良い。尚、フレーム体132の全体的な構造についても適宜変更可能であり、前板168や上板166、底板164等が省略されても良いし、カード排出ユニット4や履歴表示装置6の少なくとも一方がフレーム体132の外側に別途設置されても良い。
又、上記実施形態では、1つの制御装置200で大当たり抽選等の遊技に係る主たる制御から図柄表示装置32における図柄の変動に係る制御まで行われるが、従来の遊技機同様、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分け、遊技に係る主たる制御はメイン制御装置で、図柄表示部における図柄の変動に係る制御等はサブ制御装置でそれぞれ行われるようにすることも可能である。更に、上記実施形態では、基本変動パターンと詳細変動パターンとが一対一で対応しているが、同じ基本変動パターンに対して複数種類の詳細変動パターンを対応させ、カウンタ等を用いた抽選により、どの詳細変動パターンにて図柄を変動させるかが決定されるようにしても良い。
又更に、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値が取得されるが、1つのカウンタのみから数値が取得されても良いし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値が取得されても良い。尚、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。又、「大当たり」とするか否かを決定するタイミングについても図柄始動口やチューリップ電動役物等といった進入手段への遊技球の進入を検出したタイミングに限らない。すなわち、進入の検出に応じて所定時間にわたり図柄を変動させた後、押しボタン等の操作手段を操作させ、当該操作のタイミングよって確定表示させる図柄を特別確定表示態様とするか否か(すなわち、「大当たり」とするか否か)を決定するように構成することも可能である。
加えて、報知手段としてのカウントランプ34A〜34Hによって遊技球24の進入個数が点灯している個数で報知されることに代えて、報知手段としてのスピーカによって遊技球24の進入個数が音声や報音で報知されたり、報知手段としての図柄表示装置や別途表示装置によって進入個数が表示されたりしても良い。尚、上記実施形態では、報知手段がリーチ状態での点灯を始めとする他の演出にも使用されるところ、進入個数の報知専用の報知手段が設けられたとしても何ら問題はない。
又更に、カウントランプ34A〜34Hの個数や位置は勿論のこと、遊技者に報知するに際してのカウントランプ34A〜34Hの点灯態様についても適宜変更可能であり、例えば進入個数よりも多い数のカウントランプが遊技領域外に設けられており、所定個数まで後1個になると全てのカウントランプを点灯させるように構成してもよい。又、最初に点灯しているカウントランプ34A〜34Hについて遊技球24が進入する度に段階的に消灯していくことで遊技者に進入個数を報知するように構成されても良い。更に、進入個数が所定個数よりも少ない所定の段階個数に達するまでは点灯させるカウントランプを増やさず、進入個数が段階個数を超えると点灯させるカウントランプを増やすように構成されても良い。
又、上記実施形態では、第1遊技状態において1つの第1可動進入手段(第1電動役物40)を遊技球24が進入可能な状態としているが、複数の第1可動進入手段を遊技球24が進入可能な状態とし、複数の第1可動進入手段への合計の進入個数が所定個数以上になると、遊技状態を第1遊技状態から第2遊技状態へ移行させる等しても良い。尚、上記実施形態では、遊技球24が進入する度に、第1可動進入手段を一旦遊技球24が進入不可能な状態とした後、再度遊技球24が進入可能な状態とするように構成されているが、第1遊技状態において第1可動進入手段をどのような態様で作動させるかについても適宜変更可能である。
更に、上記実施形態では、第2遊技状態において複数の第2可動進入手段(第2電動役物42,42)を遊技球24が進入可能な状態としているが、第2可動進入手段が1つしか設けられず、1つの第2可動進入手段しか遊技球24が進入可能な状態とならないようにしても良いし、第2可動進入手段が3個以上設けられても良いし、第2遊技状態においては第1可動進入手段を作動させない、即ち第1可動進入手段に対し遊技球24が進入不能であるようにしても良い。
又更に、大当たりチャンス状態を第1遊技状態とし、大当たり状態を第2遊技状態とすることに代えて、例えば大当たり状態を第1遊技状態とし、大当たり状態中に第1可動進入手段への所定個数以上の遊技球の進入が検出されると、大当たり状態の終了後に第2可動進入手段が開動作する第2遊技状態へ移行する等として良く、第1遊技状態や第2遊技状態をどのような遊技状態とするかは適宜変更可能である。
又、上記実施形態では、所謂リーチ表示が移行表示態様とされているが、リーチ表示ではなく、それぞれ異なる種類の図柄要素ではあるものの、それらの図柄要素が所定の順序に並ぶことで図柄が所定の態様で確定表示される所謂チャンス目のような表示が移行表示態様とされても良い。そして、特別確定表示態様についても、同一の図柄要素が3つ並ぶ図柄の確定表示に限定されることはない。更に、スロットリーチ状態において、遊技操作手段(遊技ボタン61)の操作に応じて図柄の確定表示態様が特別確定表示態様となる特別期間が、いわゆるスロットマシーンのように図柄の変動に応じて繰り返し設定されるように構成されることは勿論可能であるし、それとは異なり、図柄の変動とは独立して特別期間が設定される(例えば図柄表示部において遊技操作手段の操作を促している期間が特別期間となる等)ように構成されることも可能である。即ち、第1遊技状態におけるどのタイミングが特別期間とされるか等については、適宜変更可能である。
更に、スロットリーチ状態と連打リーチ状態との2種類のリーチ状態が設定されることに代えて、何れか一方のリーチ状態しか設定されないようにしても良いし、3種類以上のリーチ状態が設定されるようにしても良い。例えば、遊技操作手段が複数設けられ、操作した順番が所定の順番であると、図柄が特別確定表示態様で確定表示されるといったリーチ状態等が考えられる。又、上記実施形態では、リーチ当選以外にリーチ状態を迂回する確定当選が設定されているが、設定されなくても良い。
又、上記実施形態では、スロットリーチ状態や連打リーチ状態において図柄がはずれ確定表示態様で確定表示された場合の再チャレンジに係る規定回数を2回としているが、3回以上であっても良く、規定回数を何回にするか切替設定可能に構成して、遊技の難度を調整可能に構成することも可能である。更に、上記実施形態では、スロットリーチ状態や連打リーチ状態において図柄がはずれ確定表示態様で確定表示された場合に必ず1度は図柄が変動を再開するように構成されているが、図柄が変動を再開しないようなリーチ状態を設定し、移行抽選により図柄の変動が再開されないリーチが選択され得るように構成されても良い。即ち、例えばdカウンタからの取得数値に応じて決定されるリーチ状態の種別として、図柄がはずれ確定表示態様で確定表示された場合に図柄の変動が1回も再開されない(規定回数が1回と同義である)リーチ状態が設定されて良い。尚、スロットリーチ状態と連打リーチ状態との何れか一方のみ図柄の変動が再開され得る、即ち規定回数を2回以上とされ得るように構成されても良いし、規定回数に関する処理が省略されてリーチ状態における再チャレンジが存在しないものとされても良い。又、特別期間や遊技期間の長さが調整可能であるようにしたり、遊技期間中に必要な操作回数が調整可能であるようにしたり、第1遊技状態となる確率が調整可能であるようにしたりする等して、遊技の難易度が調整可能に構成されることも可能である。
更に、高確率状態や時短状態についても、どのような遊技状態とするかは適宜変更可能であり、少なくとも何れか一方が省略されて良い。又、通常状態のみ生起し、あるいは通常状態に加えて高確率状態や時短状態の少なくとも一方のみ生起し、又は全ての状態が生起するように、状態に係る設定が切替可能とされて良い。又更に、時短状態(図26)の処理に関し、S53において、時短状態の生起後における図柄の確定表示回数ではなく、大当たり状態の終了後における図柄の確定表示回数(即ち高確率状態での確定表示回数をも含めた通算の確定表示回数)が第2特定回数(上記実施形態では35回となる)に達したか否かが判断されても良い。
そして、速度切替スイッチ230についても適宜変更可能であり、レバーのポジションが左中右となるように配置されたり、レバーのポジションが2箇所あるいは4箇所以上とされる等によって変動速度が2段階あるいは4段階以上に切替可能とされたり、レバーに代えて有段階あるいは無段階のロータリースイッチが用いられるようにしたり、レバーに代えて押下毎に切替わる1個のボタンや押下する位置により切替わる複数のボタン(テンキーやキーボードを含む)が用いられるようにしたり、複数のスイッチの組合せによって構成されるようにして複数のスイッチの切替状態の組合せを切替状態として変動速度が切り替えられるようにしたり、変動速度あるいはそのレベルが図柄表示装置32や専用の表示装置等によって表示されるようにしたりして良い。又、遊技ボタン61(補助ボタン78)やハンドル70(補助ハンドル80)によって速度が切り替えられても良く、この場合において速度切替設定時に他のボタンやスイッチ等の押下が必要とされても良いし、デモ動作中等の所定受付期間中における遊技ボタン61等の操作が必要とされても良い。更に、速度切替スイッチ230は、独立単体型パチンコ機1の前面側等、パチンコ機2後面側のセンターカバー86内以外の部位に配置されて良い。
又、速度切替スイッチ230により変動速度が切り替えられる対象は、中列の図柄要素に限定されず、例えば左列や右列の図柄要素であっても良いし、中列の図柄要素が停止表示され左右列の図柄要素が変動表示されている場合における左右列の図柄要素であっても良い。更に、スロットリーチ状態以外の状態における図柄の変動速度が切り替えられても良く、連打リーチ状態に係る所定の遊技期間が図柄の変動速度に応じる(例えば変動速度が速いと当該遊技期間が短く、変動速度が遅いと当該遊技期間が長い)ようにして、変動速度の切替により連打リーチ状態の難易度が調節可能であるようにしても良い。当該遊技期間の変動速度切替に応じた変更は、例えば当該遊技期間の終了条件を、変動表示中の中列の図柄要素において特定種類(例えば「7」)の図柄要素を最前方で表示した回数が所定回数に至った場合とすることで行える。
加えて、スロットリーチ状態における特別期間の長さの調節は、図柄の変動速度の切替以外でも行え、例えば中列の図柄要素を確定表示前にスライドさせる(すべらせる)範囲の調節によっても行える。即ち、最前部(図柄表示部の中央)の通過を基準とし、最も特別期間の長さを長くする場合、中列の図柄要素「0」の中央を超えて図柄要素「3」の中央に至るまでの間に遊技ボタン61の操作が行われると、メインCPU32は図柄要素「3」を最前部に位置させて停止表示させる。中列の図柄要素「0」の中央を超えた直後に遊技ボタン61の操作が行われたときには、確定表示前に図柄要素「1」や「2」を超えて図柄要素「3」まで中列の図柄要素がスライドされ(図柄要素を基準としたスライド量2)、中列の図柄要素「1」の中央を超えた直後に遊技ボタン61の操作が行われたときには、確定表示前に図柄要素「2」を超えて図柄要素「3」まで中列の図柄要素がスライドされる(スライド量1)。このスライドは通常一瞬で処理され、変動速度や遊技者の技量レベルにもよるが一般には遊技ボタン61の操作によって中列の図柄要素が左右の図柄要素に合うタイミングで操作したように捉えられる。一方、最も特別期間の長さを短くする場合、中列の図柄要素「2」の中央を超えて図柄要素「3」の中央に至るまでの間に遊技ボタン61の操作が行われると、メインCPU32は図柄要素「3」を最前部に位置させて停止表示させる。又、中間の特別期間の長さとする場合、中列の図柄要素「1」の中央を超えて図柄要素「3」の中央に至るまでの間に遊技ボタン61の操作が行われると、メインCPU32は図柄要素「3」を最前部に位置させて停止表示させ、この場合にもスライド量1のスライドが起こり得る。スイッチは、かようなスライドがなされる量(範囲)を切り替えるものとされる。尚、スライド可能範囲の切替可能数(種類数)は3段階に限られず2段階あるいは4段階以上であっても良い。又、各段階におけるスライド量の設定値も増減可能である。更に、変動速度を切り替えるスイッチとスライド量を切り替えるスイッチが併設されても良いし、変動速度及びスライド量の双方が共通のスイッチの切替状態に応じて設定されるようにしても良い。そして、本発明は、独立単体型パチンコ機1以外の遊技機にも適用することができる。
尚、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば可動進入手段,制御手段,報知手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。又、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。即ち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、若しくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。