以下、本発明の一実施形態となる支持台付きのパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(支持台の説明)
まず支持台70の構造について、図1〜図12、及び図26をもとに説明する。
図1は、支持台付きのパチンコ機の全体を示した斜視説明図である。図2は、支持台付きのパチンコ機を左上側から示した斜視説明図である。図3は、支持台付きのパチンコ機を後側から示した説明図である。図4は、背板80を組み付ける前の支持台付きのパチンコ機を後側から示した説明図である。図5は、支持台付きのパチンコ機を右側から示した説明図である。図6は、支持台70を前側から示した斜視説明図である。図7は、台車71を前面側から示した斜視説明図である。図8は、フレーム体72を前面側から示した斜視説明図である。図9は、フレーム体72を底面側から示した説明図である。図10は、支持台70において角度調整板87とパチンコ機1の機枠3との当接状態を示した断面説明図である。図11は、支持台70において固定ボルト88により機枠3を固定している状態を示した断面説明図である。図12は、背板80の前面側を示した斜視説明図である。図26は、背板80を取り外した状態にある支持台付きのパチンコ機を後側を示した斜視説明図である。
支持台70は、パチンコ機1やカード排出ユニット91を設置可能で、それらを設置することにより独立単体型パチンコ機を構成するものであって、木製の台車71と木製のフレーム体72とを組み立てて形成される。台車71は、底板73と、底板73の左右両側部上に立設される一対の側板74、74と、側板74、74の上部同士を連結するように固定される天板76と、側板74、74間にわたり天板76の底面に沿って架設される補強板75とを有している。底板73は、略矩形状に成形された平板の前端縁に沿って、後方へ凹んだ切り欠き部77を左右方向へ幅広く形成してなるもので、底板73の底面側には、台車71ひいては支持台70を所望の位置へ移動させるための4つのキャスター78、78・・と、所望の位置で支持台70を固定するための4つのストッパ79、79・・が取り付けられている。また、底板73の前端部における切り欠き部77の左右外側の部位は、その先端が天板76の前端と略同じ程度まで前方へ大きく突出している。
また、側板74、74は、底板73の左右両側縁に沿って立設されており、各側板74の前端面は、上方へ向かうにしたがって徐々に後方側へ向かう滑らかな湾曲面として形成されている。さらに、天板76は、略矩形状に成形された平板であって、底板73の上方の空間S1を覆うように側板74、74の上端面に固定されている。この天板76の端面にはラバー部材が取り付けられており、天板76の端面(特にエッジ)が露出しないようになっている。加えて、補強板75は、矩形板状に形成された平板であって、天板76の前後方向で略中央となる位置に、側板74、74間にわたり天板76の底面に沿って下方へ立設されている。
そして、上述したような底板73、側板74、74、天板76、及び補強板75を有する台車71では、その前側に、切り欠き部77、側板74、74、及び天板76に囲まれており、前方及び下方へ開放された空間が設けられている。そして、当該空間が、車椅子や椅子、遊技者の足等を台車71の内側へ受け入れる空間として機能するようになっている。また、この空間は、底板73上の空間S1(底板73、側板74、74、及び天板76により囲まれる空間S1)にも連通して後側へ広がっており、遊技者が、補強板75よりも後側まで足を伸ばし入れ可能となっている。さらに、底板73の前端部における切り欠き部77の左右外側の部位が、天板76の前端部と略同程度まで大きく前方へ突出しているため、遊技者が天板76の前端際に体重をかける等しても、台車71は前方へ転倒しない。
一方、フレーム体72は、左右一対の側板81a、81bと、側板81a、81b間に架け渡される天板82及び底板83と、天板82上に立設される上板84と、側板81bに沿って底板83と天板82との間にわたり立設される前板85と、側板81a、81b間の空間S2を後方から覆うように取り付けられる背板80とを有している。側板81aは、フレーム体72の左側面を構成するものであって、パチンコ機1の機枠3よりも上下方向へ十分に長い略矩形平板状に形成されている。該側板81aの上端部には、フレーム体72同士ひいては支持台70同士を左右に複数連結可能とするための連結孔86が穿設されている。また、側板81aの内面(右側の表面)には、パチンコ機1の前後方向での設置角度を所定の設置角度に定めるための角度調整板87が取り付けられている。角度調整板87は、その前面が下方へ向かうにしたがって後側へ向かう傾斜面(垂直面に対して所定角度だけ前後に傾斜する傾斜面)となっており、角度調整板87の前面にパチンコ機1の機枠3の後面を当接させることで、パチンコ機1の設置角度を自動的に所定の設置角度に定めることができるようになっている。一方、側板81bは、フレーム体72の右側面を構成するものであって、側板81aと同じ上下高さを有する略矩形状に形成されており、その上端部には連結孔86が穿設されている。
また、天板82は、フレーム体72の上面を構成するもので、前後方向の長さが側板81a、81bの前後方向の長さよりも短い矩形平板状に形成されており、側板81a、81bの下端からパチンコ機1の機枠3の上下高さと略同じ高さとなる位置において、側板81a、81b間に架け渡されている。そして、天板82には、下方へねじ込み可能な一組の固定ボルト88、88が取り付けられており、当該固定ボルト88、88を機枠3の上面へねじ込むことにより、パチンコ機1をフレーム体72に対して固定可能としている。さらに、底板83は、フレーム体72の底面を構成するもので、側板81a、81bの下端同士を連結するように組み付けられている。該底板83は、略矩形状に形成された平板の前部に、左端部から機枠3の左右方向での長さと略同じ左右長さにわたり、後方へ切り欠かれた受け入れ部89を設けてなるもので、後述の如く支持台70の組み立て後、受け入れ部89内へ機枠3の底部を入れ込むことにより、パチンコ機1の支持台70上での設置位置を位置決め可能となっている。また、底板83には、フレーム体72と台車71とを一体化するための複数のボルト孔90、90・・が設けられている。
さらにまた、上板84は、天板82の前縁に沿って立設される矩形平板状の部材であって、前面略中央部には、パチンコ機1の遊技履歴を表示するための履歴表示装置57が設置されている。加えて、前板85は、上下方向に長い矩形平板状の部材であって、側板81bの前縁に沿って下端から天板82の下面にわたり立設されている。そして、前板85の左端面と側板81aとの間の左右方向での距離が、機枠3の左右方向での長さと略同じとなっている。また、前板85の後面側には、遊技カード60a〜60cを前板85の前面側へ排出するためのカード排出ユニット91が設置されている。カード排出ユニット91は、排出用スリット92及び排出報知LED93、93・・を有する前側装置94と、内蔵するカードを一枚ずつ排出する排出装置95とを備えてなる。そして、前側装置94は前板85の前面に、排出装置95は前板85の後面に固定された載置板96上に夫々設置されている。
加えて、背板80は、左右方向長さが側板81a、81b間の距離と略同じ長さで、上下方向長さが側板81a、81bよりも短くされた矩形平板状に形成されている。そして、該背板80は、左右両端縁が側板81a、81bの後端面に当接させて側板81a、81bへ固定され、側板81a、81b間の空間S2を後方から覆っている。また、背板80の前面の所定位置には、吸音材55が貼着されている。
以上のように構成される台車71及びフレーム体72からなる支持台70は、台車71とフレーム体72とに分割された状態で保管・運搬等される。そして、所望の位置に台車71を固定した後、フレーム体72を台車71の天板76上にセットし、ボルト等を用いてフレーム体72の底板83と台車71の天板76とを強固に連結する。すると、台車71の天板76、及びフレーム体72の側板81a、天板82、前板85で囲まれる空間S2が形成され、当該空間S2がパチンコ機1の設置空間となる。そこで、パチンコ機1を設置するに際しては、機枠3の底部をフレーム体72の前側から受け入れ部89内へ入れ込むとともに、機枠3を角度調整板87に当接させることにより、空間S2内でパチンコ機1の設置位置を位置決めする。そして、固定ボルト88を機枠3の上面へ強固にねじ込むとともに、機枠3の底部とフレーム体72の底板83とを図示しない連結板を利用して連結することにより、フレーム体72がパチンコ機1の上面及び左右両側面を囲った状態で、パチンコ機1が設置されることになる。なお、当該設置状態においては、補強板75の上方にパチンコ機1が位置している。
さらに、支持台70に設置されたパチンコ機1の後方を覆うように、背板80を組み付ける。この組み付け状態において、背板80の下端は、側板81a、81bの下端から所定高さだけ上方に位置しており、背板80の下端と台車71の天板76との間に、上下方向に所定幅を有し、空間S2と外部とを連通させる隙間S3が形成されている。また、背板80の上部において、天板82の後端と背板80の前面との間に、前後方向に所定幅を有し、空間S2と外部とを連通させる隙間S4が形成されている。さらに、背板80の前面に貼着された吸音材55が、パチンコ機1の後方(特に、遊技球を循環させるための循環部材27の後方)に位置している。
なお、当然ながらパチンコ機1を設置した後も、キャスター78、78・・を利用した支持台70の移動は可能である。また、履歴表示装置57及びカード排出ユニット91は、支持台70の組み立て前にフレーム体72に設置していてもよいし、支持台70の組み立て後、パチンコ機1の設置に伴い設置してもよい。さらに、支持台70には、パチンコ機1のプラグを接続可能な変圧装置(図示せず)も設置されており、該変圧装置を介してパチンコ機1を一般の家庭用電源に接続可能としている。
(パチンコ機の説明)
次にパチンコ機1の構造、及びパチンコ機1での遊技について、図1、図2、図4、図13〜図26をもとに説明する。
図13は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。図14は、上皿カバー8を示した説明図であり、(a)は上面図、(b)は背面図、(c)は斜め後方から示した斜視説明図である。図15は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。図16は、eカウンタの数値と基本変動パターンとの対応を示した説明図である。図17は、基本変動パターンと詳細変動パターンとの対応を示した説明図である。図18は、遊技カード60a、60b、60cを示した説明図である。図19は、パチンコ機1で使用する遊技球65の断面を示した説明図である。図20は、上皿部材7を示した説明図であり、(a)は上皿カバー8を装着した状態を、(b)は上皿カバー8を取り外した状態を夫々示している。図21は、循環部材27を前側から示した斜視説明図である。図22は、ベルト収納体101を分解して示す斜視図である。図23は、ベルト収納体101を分解して示す底面図である。図24は、ベルト収納体101を分解して示す側面図である。図25は、ベルト収納体101を分解して示す正面図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させるとともに、打ち込んだ遊技球を循環させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を保持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字や各種文字、絵柄等からなる図柄を変動/確定表示するとともに、種々の表示演出を実行するための図柄表示装置6が設けられている。
図柄表示装置6は、所定の間隔毎に各種図柄が描かれたベルトを回転させることにより図柄を変動表示する所謂ベルト式の図柄表示装置であって、3個のベルト収納体101、101・・を左右方向に並べて設置することによって構成されている。そして、各ベルト収納体101、101・・は、図柄の描かれたベルトが周面に巻回された扁平な円筒状のホイール102、透明な合成樹脂によって円弧状に湾曲した帯状に形成された前面カバー103、合成樹脂によって扁平な角柱状(半八角柱状)に形成された後面カバー104、金属板を折り曲げ形成してなる2個の装着プレート105、105、略ドーナッツ状に形成された側面カバー106、106、透明な合成樹脂によって形成されたレンズ部材107、モータ108等を一体的に組み付けることによって構成されている。
また、左側の側面カバー106は、内面に複数のLED等を設置してなる基板プレート106a、補強プレート106b、金属製の外プレート106cを積層することによって構成されている。一方、右側の側面カバー106は、金属製の外プレート106cのみによって構成されている。さらに、後面カバー104は、上側カバーと下側カバーとに分割可能となっている。そして、その側面カバー106、106(特に外プレート106c)、前面カバー103、及び後面カバー104は、分解側面図(図24)の方向において左右対称の形状を有している。また、前面カバー103、後面カバー104は、分解正面図(図25)および分解底面図(図23)の方向においても左右対称の形状を有している。すなわち、側面カバー106の外プレート106cは、外面を向ける側を変更するだけで左右どちらの側面カバーとしても使用することができる。また、前面カバー103は、長手方向両端のどちらを上側に向けた姿勢としても使用することができる。さらに、後面カバー104における上側カバーと下側カバーとは同部材であって、上下で向きをかえて連結することで構成することができる。
そして、各ベルト収納体101は、モータ108と螺着したホイール102の内部に、側面カバー106、106の内面に螺着したレンズ部材107を挿入させるとともに、そのホイール102の外周を覆うように、前面カバー103の両端に螺着された2つの装着プレート105、105を、後面カバー104の両端の当着部104a、104aに螺着することによって、前面カバー103と後面カバー104とを螺着し、かつ、そのように前面カバー103と一体となった後面カバー104の左右の側面に、それぞれ、側面カバー106、106を螺着することによって一体的に組み付けられている。
上記の如く組み付けられた3個のベルト収納体101、101・・は、図4や図26の如く、左右方向に並べて設置されて図柄表示装置6を構成した状態になっている。そして、各ベルト収納体101においては、ホイール102の周面に巻回されたベルトの表面に描かれている図柄の一部(3個分)が、前面カバー103を通して、パチンコ機1の機台の正面から認識できるようになっている。
また、図柄表示装置6を囲むように種々のランプ部材を備えたセンター部材26が設置され、該センター部材26の下方には、遊技球が進入可能な図柄始動口19が設けられている。さらにまた、図柄始動口19の下方と左右両側とには、一対の翼片を開閉動作可能に備えた第1チューリップ式電動役物17、18、18が夫々設置されている。加えて、遊技領域16の最下端部には、遊技球を遊技領域16から遊技盤2の後方へ排出するための排出口22が設けられている。なお、遊技領域16の略全面には、多数の遊技釘が植設されている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための上皿7aを備えた上皿部材7が取り付けられている。また、上皿部材7における上皿7aの右側には、左側へのスライドにより球抜き機構(図示せず)を作動させ、上皿7a内の遊技球を下皿12へ球抜きするための球抜きレバー11が設けられている。
そして、上皿7aは、合成樹脂製で半透明の上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8の本体41は、薄板状に形成されており、上皿7aの形状に応じて前方へ膨出する膨出部を有するカバー部と、カバー部から右方へ一体的に延設された規制部とを有している。また、規制部には、球抜きレバー11の操作部を挿通可能な挿通孔42が設けられている。挿通孔42は、上面視における球抜きレバー11の操作部の形状と略同じ形状となっている。そして、上皿カバー8の上皿部材7への取り付けにあたって、初期位置(球抜きされない位置)にある球抜きレバー11の操作部を挿通孔42へ挿通させることにより、挿通孔42の開口縁が操作部の外周面(表面)に当接し、球抜きレバー11の操作が規制されるようになっている。さらに、カバー部の下面には、下方へ突出する壁部43が、上皿7aの内周面の形状に沿って延設されている。そして、上皿カバー8により上皿7aを覆った際、壁部43の外面が上皿7aの内周面に当接し、上皿カバー8のガタ付きが防止されるようになっている。なお、上皿カバー8を半透明としたことで、上皿7a内での遊技球の状態を確認することができる。したがって、球詰まりの発生等を早期に発見することができる。また、半透明に限らず、透明としてもよいし、不透明としてもよい。
また、上皿部材7の右下側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、上皿7aの前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
一方、機枠3の後面側の下部には、各種制御基板や各種装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29が設置されている。また、電源装置29の上側には、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバー(図示せず)が取り付けられており、当該センターカバーの内部には、遊技に係る制御を実行するための制御装置30、図柄表示装置6における表示動作等を制御する表示制御装置50、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51、及びスピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52等が設置されている。
さらに、機枠3の後面側(遊技盤2の後面)において、上下方向で電源装置29と図柄表示装置6との間となり、且つ、排出口22よりも下方となる位置には、図柄始動口19やチューリップ式電動役物17、18、排出口22へ進入し、遊技盤2の後側へ排出された遊技球を受け止めて上皿7a内へ返却することによって遊技球を循環させるための循環部材27が設置されている。該循環部材27は、フッ素を含有したポリカーボネートによって一体的に成形されてなるもので、横長な長方形状の基板27aの上端縁には、一定幅(約15mm)の遊技球回収通路27bが、一定の角度(約5°)で傾斜するように(後方から見て右下がりに)設けられている。当該遊技球回収通路27bの略中央(左右方向の中央)には、段差が設けられており、後方から見て左側(27b2)の方が、右側(27b1)よりもわずかに(約5mm)高くなっている(図4参照)。また、遊技球回収通路27bの下端際(すなわち、後方から見た右端際)には、略直方体状の導球部27cが、前方へ突出するように設けられており、その上面が、上皿7a内へ遊技球を導くための導球板27dとなっている。
加えて、遊技球回収通路27bの後方側の端縁には、ガード壁27eが連設されており、当該ガード壁27eが、基板27aに対して、所定の間隔を隔てて平行に配置された状態になっている。また、当該ガード壁27eの上端縁の大部分(導球板27dの上方を除いた部分)は、略水平になっており、上端縁全体に亘ってガード壁27eの壁面と直交するように、一定幅の折り返し片27fが設けられている。また、導球板27dの上方に位置した折り返し片27fの幅は、他の部分の幅よりも広くなっており、端縁の位置(前後の位置)が、基板27aの表面と同一になっている(すなわち、遊技球回収通路27bの上方の折り返し片27fには、幅広な窓が形成された状態になっている)。さらに、基板27aの導球部27cと反対の端縁際には、各種の配線を挿通させるための挿通孔27gが穿設されている。
上記の如く、構成された循環部材27は、基板27aの表面をミドル枠5の裏面に当接させた状態で固着(螺着)されている。そして、導球部27cの上面に略水平に設けられた導球板27dが、上皿7aの基端面と隙間なく連通した状態になっている(すなわち、導球板27dと上皿7aの基端面とが面一になっている)。
一方、制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載された制御基板31が内蔵されている。そして、該制御基板31は、インターフェイス35を介して、図柄始動口19、チューリップ式電動役物17、18、発射装置10、履歴表示装置57、及びカード排出ユニット91等と接続されている。また、制御基板31は、インターフェイス35を介して、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52とも電気的に接続されており、後述するような大当たり抽選の結果に応じて、スピーカ14やランプ部材15の動作や、図柄表示装置6における図柄の表示動作等を制御するようになっている。なお、図15では省略しているが、制御基板31は、電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
記憶手段33には、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、図柄表示装置6における図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、cカウンタは0〜40(41通り)の間を、dカウンタは0〜8(9通り)の間を、そしてeカウンタは0〜30(31通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球の図柄始動口19への進入検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段33には、図柄表示装置6で確定表示する図柄、及びdカウンタの数値と図柄の確定表示態様とを対応づけた確定表示態様決定テーブル(はずれ時、及び大当たり時の2種類)と、図16に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルとが記憶されている。この基本変動パターンとは、主に図柄表示装置6における図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、図柄の詳細な変動表示態様等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域38とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図17に示す如く上記基本変動パターンと対応づけて記憶されている。
さらにまた、記憶手段33には、たとえば図柄表示装置6において図柄が変動表示中に図柄始動口19へ遊技球が進入したような場合に、当該進入に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として最大4つまで記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、図柄が確定表示される度に記憶した順番で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が図柄始動口19へ進入すると、当該進入がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)とともに、進入した遊技球は循環部材27により上皿7a内へ返却される。すると、メインCPU32は、進入検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶する。
また、メインCPU32は、図柄表示装置6において図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、図柄を確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(ここでは、時間的に最も早く記憶した保留情報)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、cカウンタからの取得数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”の1通りとなっており、特定遊技状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“5”、“10”、“15”、“20”、“25”、“30”、“35”、“40”の9通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)を判定するとともに、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上で、dカウンタからの取得数値にもとづき図柄の確定表示態様を決定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、図16(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、図16(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、基本変動パターンに対応する詳細変動パターンを読み出し、図柄表示装置6において図柄の変動を開始するとともに、タイマ34により計時しながら読み出した詳細変動パターンにしたがって図柄表示装置6において図柄を変動表示させたり、図柄表示装置6に内蔵されているLEDを点滅させる等の表示演出を実行する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく確定表示態様で、図柄表示装置6において図柄を確定表示させる。なお、確定表示する図柄については、たとえば、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、同一の図柄を3つ並べる大当たり図柄表示態様(特別確定表示態様であって、たとえば“7・7・7”や“3・3・3”)で確定表示させる。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、並べて表示する3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が他の2つの図柄とは異なるはずれ図柄表示態様(はずれ確定表示態様であって、たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。
さらに、メインCPU32は、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記図柄の特別確定表示態様での確定表示後、カード排出ユニット91を作動させ、遊技カード60a〜60cのうちの何れか一枚の遊技カード(たとえば遊技カード60a)を排出用スリット92を介して前板85の前面側へ排出させるとともに、遊技者により遊技カード60aが抜き取られるまで排出報知LED93、93・・を点灯させ、遊技カード60aが排出されている旨を遊技者に報知する。
また、メインCPU32は、上記遊技カード60a〜60cの排出と共に、チューリップ式電動役物17を所定の第1特別時間(たとえば30秒間)にわたり開成させる第1特別遊技状態を生起させる。そして、開成しているチューリップ式電動役物17への所定個数(たとえば9個)以上の遊技球の進入を検出すると、第1特別遊技状態の終了後、所定の第2特別時間(たとえば30秒間)にわたるチューリップ式電動役物17、18、18の開成を2回繰り返す第2特別遊技状態を生起させる。そして、メインCPU32は、第2特別遊技状態が終了すると、第2特別遊技状態が終了してから、大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるか、若しくは、図柄が特定回数(たとえば5回)確定表示されるかの何れかの条件が満たされるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した特定遊技状態を生起させる。
一方、第1特別遊技状態が生起したにもかかわらず、開成しているチューリップ式電動役物17へ所定個数以上の遊技球が進入しないと、第1特別遊技状態の終了後、第2特別遊技状態を生起させることなく、また特定遊技状態をも生起させることなく、通常状態とする。なお、開成したチューリップ式電動役物17、18に進入した遊技球は、図柄始動口19へ進入した場合と同様、循環部材27により上皿7a内へ返却される。
ここで、第1特別遊技状態の生起に伴いカード排出ユニット91が排出する遊技カード60a〜60cについて説明する。遊技カード60aは、前後方向に長い長方形状に成形されており、その前端部には前後方向に所定幅を有する共通装飾部61が設けられている。また、遊技カード60aの後端部にも、前端部と同じ前後幅を有する共通装飾部61が設けられている。そして、共通装飾部61、61間が、遊技カード60aであることを識別可能な識別装飾部62aとなっており、該識別装飾部62aには、文字等を書き込み可能なメモ部63が設けられている。
また、遊技カード60bは、遊技カード60aと同じ大きさに成形された長方形カード体であり、前端部及び後端部には、遊技カード60aと同じ共通装飾部61、61が設けられている。そして、共通装飾部61、61間が、遊技カード60bであることを識別可能で、識別装飾部62aとは異なる識別装飾部62bとなっている。また、識別装飾部62bにも、遊技カード60a同様、メモ部63が設けられている。
さらに、遊技カード60cは、遊技カード60a、60bと同じ大きさに成形された長方形カード体であり、前端部及び後端部には、遊技カード60a、60bと同じ共通装飾部61、61が設けられている。そして、共通装飾部61、61間が、遊技カード60cであることを識別可能で、識別装飾部62a、62bとは異なる識別装飾部62cとなっている。また、識別装飾部62cにも、遊技カード60a、60b同様、メモ部63が設けられている。
なお、全ての遊技カード60a〜60cは、表裏どちらも同様の装飾が施されている(すなわち、共通装飾部61、識別装飾部62a、62b、62c、及びメモ部63が設けられている)。
そして、カード排出ユニット91は、各遊技カード60a〜60cの前側か後側かの何れかの共通装飾部61のみが前板85の前面に露出するように、遊技カード60a〜60cを排出する。したがって、遊技者にしてみると、排出された遊技カードを抜き取らない限り、遊技カード60a〜60cのうちの何れの遊技カードが排出されたのか確認できないようになっている。
また、パチンコ機1で使用する遊技球65について説明する。遊技球65は、通常のパチンコ機で使用する遊技球と同じ直径(11mm)を有するもので、直径10.4mmの金属球66の表面に0.3mmの厚さの合成樹脂層67を設けてなる。そして、合成樹脂層67を形成する合成樹脂としては、アイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)にフッ素を添加したものを使用しており、遊技釘等への衝突音の低減に加え、フッ素を添加したことで遊技球65の表面の摩擦抵抗の低減、ひいては球詰まりの防止を図っている。
そして、遊技者による上記パチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは図柄始動口19への遊技球の進入を狙う。そして、図柄始動口19へ進入した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、第1特別遊技状態が生起すると、排出用スリット92から共通装飾部61のみが露出するような状態で排出される遊技カードを抜き取り、遊技カード60a〜60cのうちの何れの遊技カードが排出されたか、またメモ部63にはどのような内容が記載されているか等を確認するとともに、開成しているチューリップ式電動役物17への所定個数以上の遊技球の進入を狙う。また、第1特別遊技状態の終了後、第2特別遊技状態が生起すると、再度開成するチューリップ式電動役物17や新たに開成するチューリップ式電動役物18、18への遊技球の進入を狙う。さらに、第2特別遊技状態の終了後、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が向上した特定遊技状態が生起しているため、「大当たり」となる期待をもって図柄始動口19への遊技球の進入を狙う。しかしながら、大当たり抽選の結果が「大当たり」となることなく、図柄の確定表示回数が特定回数に達すると、特定遊技状態が終了して通常状態へ移行するため「大当たり」となる確率が低くなるものの、再び大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで図柄始動口19への遊技球の進入を狙う遊技へと戻る。なお、図柄始動口19やチューリップ式電動役物17、18に進入した遊技球のみならず、何れの部材にも進入することなく排出口22から排出される遊技球についても、循環部材27により上皿7a内へ返却される。
(本実施形態の支持台付きのパチンコ機による効果)
上述したような構成を有する支持台付きのパチンコ機によれば、支持台70が、キャスター78、78・・付きの台車71と、フレーム体72とを組み立ててなるものであるため、台車71とフレーム体72とに分割した状態で夫々別個に保管・運搬等することができる。したがって、支持台70の保管や運搬に係る作業を容易なものにすることができ、介護施設等への導入も容易となる。
また、台車70の底板73の前端縁に沿って、後方へ凹んだ切り欠き部77を左右方向へ幅広く形成しており、台車70の前側に、当該切り欠き部77と側板74、74及び天板76とにより囲まれた空間、すなわち前方及び下方へ開放された空間を設けている。したがって、たとえ車椅子を利用する遊技者であっても、台車70の前側から切り欠き部77等により形成された空間内へ車椅子や足を入れるだけで、パチンコ機1に近い位置で楽に遊技することができる。
さらに、台車71の天板76上にパチンコ機1を設置した際、補強板75の上方にパチンコ機1が位置し、補強板75が、天板76におけるパチンコ機1の設置箇所を下方から支持するような格好で補強するようになっている。したがって、台車71の天板76にひびや割れ等が生じにくく、支持台70の強度向上を図ることができる。
さらにまた、切り欠き部77等により形成された空間は、底板73上の空間S1にも連通して後側へ広がっているため、遊技者が、補強板75よりも後側まで足を伸ばし入れたりすることができ、遊技者にしてみると非常に楽な姿勢で遊技することができる。加えて、底板73における切り欠き部77の左右外側の部位を、天板76の前端部と略同程度まで大きく前方へ突出させているため、遊技者が天板76の前端際に体重をかける等しても、台車71は前方へ転倒することがなく、安全性の向上をも図ることができる。
またさらに、フレーム体72の左右両側板81a、81bに連結孔86を夫々設けている。したがって、介護施設等へ導入するにあたり、たとえばボルトとナットからなる連結具等を利用することで、支持台70同士を連結状態で左右に並設することができ、ひいては支持台70、70・・の設置状態を安定させることができる。
加えて、フレーム体72の側板81aの内面に、前面が所定の傾斜面とされた角度調整板87を取り付けており、パチンコ機1を設置するにあたり、パチンコ機1の機枠3を角度調整板87の前面に当接させるだけで、パチンコ機1の設置角度を所定の設置角度とすることができる。したがって、設置作業の経験のない者であっても、容易にパチンコ機1を好適な設置角度で設置することができる。さらに、フレーム体72の天板82に下方へねじ込み可能な固定ボルト88、88を設けており、固定ボルト88、88をパチンコ機1の機枠3の上面にねじ込むことにより、パチンコ機1をフレーム体72に対して固定可能としている。したがって、パチンコ機1の設置作業の一層の簡易化を図ることができる。
また、パチンコ機1が設置される側板81a、81b間の空間S2を後方から覆うように背板80を組み付けるとともに、背板80の前面で、特に循環部材27の後方を含むような位置に、吸音材55を貼着している。したがって、循環部材27上へ落下したり、循環部材27上を転動したりする遊技球が発する騒音を低減することができる。
さらに、背板80を組み付けた際に、背板80の下端と台車71の天板76との間に空間S2と外部とを連通させる隙間S3が、フレーム体72の天板82の後端と背板80の上部の前面との間に空間S2と外部とを連通させる隙間S4が夫々形成されるようにしている。そのため、制御装置30等から生じた熱により、空間S2内において隙間S3から隙間S4へと流れる空気流が発生することになる。したがって、パチンコ機1の後側に熱がこもりにくく、空間S2内に熱がこもって制御装置30に悪影響を及ぼす等の問題が生じない。
さらにまた、上皿7aを覆うように取り付けられる上皿カバー8に、球抜きレバー11の操作部が挿通可能な挿通孔42を有する規制部を設けている。そして、上皿カバー8の取り付けにあたって、球抜きレバー11の操作部を挿通孔42へ挿通させることにより挿通孔42の開口縁が球抜きレバー11の操作部の外周面に当接し、球抜きレバー11の操作が不能となるようにしている。したがって、球抜きレバー11等を有する従来周知のパチンコ機を用いて支持台付きのパチンコ機を構成したとしても、遊技者が誤って球抜きレバー11を操作し、上皿7a内の遊技球が下皿12へ球抜きされてしまうといったおそれがない。また、上皿カバー8を取り付けるだけで球抜きレバー11の操作を不能とすることができるため、球抜きレバー11と球抜き機構との連係を解除したり、球抜きレバー11を取り外すといった煩わしい作業が必要でなく、安価に支持台付きのパチンコ機を製造することができる。
またさらに、遊技盤2の後面で、全ての進入手段及び排出口22よりも下方となる位置に、下方へ凹んだ皿状で、左端部(前から見て)で上皿7aへの連通口と連通し、且つ、底面が連通口側へ向かって下降傾斜する傾斜面とされた受け止め部を有する循環部材27を設置しており、図柄始動口19やチューリップ式電動役物17、18に進入した遊技球、及び何れの部材にも進入することなく排出口22から排出される遊技球を受け止め部で受け止めた後、遊技球回収通路27b上を流下させて上皿7aへ返却可能としている。したがって、リフト手段等により遊技球を循環させていた従来のパチンコ機と比較すると、遊技球の循環に係る構造が非常に簡易化されており、支持台付きパチンコ機を小型化することができるし、製造コストを低減することができる。また、従来のパチンコ機の如く遊技球の循環に別途動力を必要としないため、運転コストの低コスト化をも図ることができる。
加えて、上下方向で電源装置29と図柄表示装置6との間の空間を利用して循環部材27を設置しているため、従来周知の循環型でないパチンコ機に循環部材27を容易に後付けすることができる。したがって、従来周知の循環型でないパチンコ機を、支持台付きパチンコ機における遊技機本体(パチンコ機1)として使い回すことができる等、製造コストの一層の削減を図ることができる。なお、循環手段である循環部材27をフッ素含有ポリカーボネートによって形成しているため、遊技球が機台内を循環し続ける際に汚れが付着しにくく、球詰まり等のトラブルが生じにくいといった効果もある。
一方、パチンコ機1では、所謂大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、特別図柄が特別確定表示態様で確定表示されると、カード排出ユニット91が作動し、遊技カード60a〜60cのうちの何れかの一枚の遊技カードが排出される。したがって、多数の賞球を払い出し得る大当たり状態を生起させていた従来一般的な遊技機とは異なる遊技を提供することができる。
また、図柄始動口19やチューリップ式電動役物17、18、排出口22に進入した遊技球は全て上皿7aへ返却されるため、少ない数の遊技球で遊技を継続することができるとともに、モータ等を作動させて遊技球を循環させるような従来一般的な遊技球の循環装置を必要としないため、遊技球を循環させるような設備のない介護施設等へも好適に導入することができる。
さらに、全ての遊技カード60a〜60cを同じ大きさとするとともに、各遊技カード60a〜60cの前端部及び後端部に同じ共通装飾部61、61を設け、共通装飾部61、61間のみを夫々異なる識別装飾部62a〜62cとしている。そして、遊技カード60a〜60cを排出するにあたっては、共通装飾部61のみが前面に露出するような状態で排出されるようにしている。したがって、遊技者にしてみると、排出された遊技カードを抜き取らない限り、遊技カード60a〜60cのうちの何れの遊技カードが排出されたのか確認できないという遊技性に富んだパチンコ機1とすることができる。加えて、排出装置95に遊技カード60a〜60cを補充する際、遊技カード60a〜60cの前後の向きや表裏を気にする必要がなく、補充作業を容易に行うことができる。
さらにまた、各遊技カード60a〜60cにメモ部63を設けているため、メモ部63に書き込む文字等を異ならせることで、同じ遊技カード60a同士であっても価値を異ならせることができ、一層興趣に富んだ遊技を提供することができる。
またさらに、カード排出ユニット91に排出報知LED93、93・・を設けており、遊技カード60a〜60cを排出すると、排出した遊技カード60a〜60cが遊技者により抜き取られるまでの間、排出報知LED93、93・・を点灯させる。したがって、遊技経験に乏しい遊技者であっても、遊技カード60a〜60cが排出されている旨を容易に知ることができる。
また、図柄表示装置6が、周面に複数の図柄を表示したベルトが巻回された扁平な円筒状のホイール102を収納したベルト収納体101を、その図柄の一部が機台の正面から認識できるように、複数並べて設置したものであるため、当該ベルト収納体101を一度に大量に製造し、それらのベルト収納体101、101・・を3個だけ組み付けることによって図柄表示装置6を構成することができる。したがって、製造コストを低く抑えることができる。
さらに、1つのベルト収納体101が故障した場合には、そのベルト収納体101を別の新たなベルト収納体101と取り替えれば良いので、メンテナンスコストをも低く抑えることができる。
さらにまた、図柄表示装置6が1リール毎(1つのベルト収納体101毎)に、それを保持する左右側板(側面カバー106、106)と上下板(装着プレート105、105)と前後板(前面カバー103、後面カバー104)とで覆うことによってユニット化されているので、1リール単位で独立して取り扱うことが可能であるため、図柄表示装置6の設置作業やメンテナンス作業等の取扱いが容易である。なお、ベルト収納体101の一部である側面カバー106、106が、リール(ホイール102)の左右の側板として機能するため、リールの回転時に発生する熱を、側面カバー106、106を介して伝導させて、効果的に放熱させることもできる。
また、ベルト収納体101、101・・が、前面カバー103及び後面カバー104の内部にホイール102を収納したもので、前面カバー103及び後面カバー104が、上下対称かつ左右対称に形成されているため、当該前面カバー103及び後面カバー104を上下反対に取り付けることもでき、部品点数が少なく、より安価に製造することができる。
さらに、左右側板(側面カバー106、106)および上下板(装着プレート105、105)が、それぞれ同形状で構成されているため、それらを作るための金型の数を半分に抑えることができるので、従来のパチンコ機やロットマシーンに比べて、図柄表示装置6の部品単価の大幅ダウンが可能である。
加えて、直径10.4mmの金属球66の表面に、0.3mmの厚さのフッ素が添加されたアイオノマー樹脂からなる合成樹脂層67を設けた遊技球65を使用しているため、遊技釘等への衝突音を低減することができる上、遊技球65の表面の摩擦抵抗を低減し、遊技領域16内での球詰まりを防止することができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、支持台を含めた遊技機全体の構成は勿論、カバー部材や遊技機個々に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、台車やフレーム体の構造については適宜変更可能であって、台車に関しては補強板の後面や側板の内面に水平な支持板を取り付け、トランス等を空間S1内に設置可能とすることも可能であるし、台車の後端縁に天板と底板との間を閉塞する背板を設ける等してもよい。一方、フレーム体に関しても、上板を設けるか否かであったり、カード排出ユニットを遊技機の右側に設けることに伴う前板の取付位置の変更等、種々の設計変更が可能である。
また、上記実施形態では、景品体として遊技カードを採用しているが、遊技カードではない景品体(たとえばコイン)等を採用しても何ら問題はない。
さらに、たとえばフレーム体の天板の後端面にフックを取り付け、支持台の設置位置近傍の壁面とフックとを連結することで、支持台の前側への転倒を防止するように構成することも可能である。
さらにまた、遊技機で使用する遊技球についても、上記実施形態のものに限定されることはない。
またさらに、上記実施形態では、右側の側板の内面に角度調整部を設けているが、角度調整部をどこに設けるか、そして遊技機本体のどの箇所を角度調整部に当接させるか等については適宜設計変更可能であり、たとえばフレーム体の底板の受け入れ部の前端面を角度調整部として構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、固定手段をフレーム体の天板に設け、固定手段を遊技機本体の上面にねじ込ませるように構成しているが、固定手段の設置位置や数は勿論、遊技機本体の周面であれば、どの面に固定手段をねじ込ませるか等についても適宜設計変更可能である。
また、モータ等を備えた遊技球の循環装置を支持台に設置することで、たとえば開成したチューリップ式電動役物へ遊技球が進入した際に賞球を払い出す等、遊技球を単に循環させるのみならず、賞球の払い出しを行うように構成することも当然可能である。
さらに、所謂確変大当たりと非確変大当たりとの2種類の大当たりを設け、確変大当たりの場合には、第1特別遊技状態において開成したチューリップ式電動役物への遊技球の進入個数に拘わらず、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態を生起させる一方、非確変大当たりの場合には、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態を生起させないように構成しても何ら問題はない。なお、大当たり時の図柄の確定表示態様の違い等により、遊技者に提供する景品体の数を異ならせる等(たとえば、「7.7.7」であると遊技カードを2枚、「2.2.2」であると遊技カードを1枚それぞれ提供する等)してもよい。
さらにまた、カバー部材の規制部について、どのように球抜き操作手段の操作を規制するかについては、球抜き操作手段の構造等に応じて適宜変更可能である。つまり、球抜き操作手段が押し込み操作する球抜きボタンであるような場合、上記実施形態の如く挿通孔を設けるのではなく、球抜き操作手段の表面を覆うような規制部を一体的に設けることによって球抜き操作手段の操作を不能とするように構成してもよい。なお、規制部が球抜き操作手段の表面を覆うにあたっては、規制部と球抜き操作手段とが接触していてもよいし、非接触であってもよい。さらに、球抜き操作手段が球抜きレバーであっても、その操作部を覆うような規制部を設けることで球抜き操作手段の操作を不能とすることは可能である。
また、カバー部材の形状(たとえば本体のどこに規制部を設けるか等)についても、皿部と球抜き操作手段の位置関係等に応じて適宜変更可能である。
さらに、上記実施形態ではカバー部材を合成樹脂製としているが、金属製のカバー部材ーであっても何ら問題はない。
さらに、吸音材をどのような形状とするかについては適宜変更可能であって、たとえば吸音材の前面に多数の凹凸を設けることにより吸音材の表面積を増やし、より効率良く吸音可能とするようにしてもよい。なお、背板における吸音材の取付位置についても、遊技機の後面側の構造等に応じて適宜変更可能である。
さらにまた、上記実施形態では、背板の下端と台車の天板との間に隙間が形成されるように背板を組み付けたり、フレーム体の天板の前後方向の長さを側板の前後方向の長さよりも短くすることで、天板の後端と背板の上部の前面との間に隙間が形成されるようにしているが、背板の上部や下部にスリットを直接設けたり、台車の天板やフレーム体の天板にスリットを直接設けたりすることでも、同様の効果を奏し得る。
またさらに、上記実施形態の如く、3個のホイール収納体を組み付けることによって図柄表示装置を構成したものに限定されず、2個あるいは4個以上のホイール収納体を組み付けることによって図柄表示装置を構成したものに変更することも可能である。
加えて、遊技機を収納可能な設置空間の上部及び下部のみならず、側部等にも熱を逃がす等するための隙間を形成してもよいし、側板の内面に吸音材を取り付けても何ら問題はない。なお、フレーム体の全体的な構造についても適宜設計変更可能であり、前板や上板、底板等を設けないとしてもよいし、カード排出ユニットをフレーム体の外側に別途設置するように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、1つの制御装置で大当たり抽選等の遊技に係る主たる制御から図柄表示装置における図柄の変動に係る制御まで制御するように構成しているが、従来の遊技機同様、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分け、遊技に係る主たる制御はメイン制御装置で、図柄表示装置における図柄の変動に係る制御等はサブ制御装置で夫々制御するように構成することも勿論可能である。
さらに、上記実施形態では、基本変動パターンと詳細変動パターンとを一対一対応としているが、同じ基本変動パターンに対して複数種類の詳細変動パターンを対応させ、カウンタ等を用いた抽選により、どの詳細変動パターンにて図柄を変動させるかを決定するように構成してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
またさらに、「大当たり」とするか否かを決定するタイミングについても図柄始動口等の進入手段への遊技球の進入を検出したタイミングに限らない。すなわち、進入の検出に応じて所定時間にわたり図柄を変動させた後、遊技ボタン等の操作手段を操作させ、当該操作のタイミングよって確定表示させる図柄を特別確定表示態様とするか否か(すなわち、「大当たり」とするか否か)を決定するように構成することも可能である。
また、図柄表示装置をどのような構造とするかについても適宜変更可能であり、ベルト式の表示装置に限らず、たとえばドット表示タイプの表示装置や7セグメント表示装置であってもよいし、所謂スロットマシンに採用されているようなドラム式の表示装置を採用することも可能である。
さらに、遊技領域内に、遊技球が一時停留するような部材を設けてもよいし、一時的に遊技球が見えなくなるような構造(たとえば、遊技盤の前面側から後面側へ移動させたり、箱状に形成された遊技部材内に入れたりする等)を採用することも可能である。
さらにまた、遊技球の流下や進入手段への進入等に影響を及ぼすような可動手段(たとえば、遊技領域の下部まで流下した遊技球を再度遊技領域の上部まで持ち上げるような可動手段等)を設けてもよい。
また、一般的な遊技機には、たとえば前扉を開放すると当該開放を検出する開放検出手段といった所謂不正検出手段が設けられているが、本願発明に係る遊技機には、そのような不正検出手段を設けずともよい。
さらに、一般的な遊技機には、前扉やミドル枠を機枠に対して閉じた状態を維持する施錠手段を設けているが、本願発明に係る遊技機には、そのような施錠手段を設けずともよい。
さらに、上記実施形態では、上皿と下皿とを有するパチンコ機にカバー部材を取り付けているが、本発明に係るカバー部材は、上皿のみを有し、球抜き操作手段を操作することでパチンコ機本体外に遊技球が球抜きされるようなタイプのパチンコ機にも好適に取り付けることができる。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、遊技領域、遊技盤、発射手段、皿部、循環部、球抜き機構、球抜き操作手段、キャスター、台車、カバー部材、規制部等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。