JP6757672B2 - シリコーン樹脂用帯電防止剤 - Google Patents

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Description

本発明はシリコーン樹脂用帯電防止剤に関する。
シリコーン樹脂は電気絶縁性に優れているため、剥離帯電、摩擦帯電と呼ばれる静電気を発生させてしまう。この静電気は周囲のゴミを吸い寄せ、電子部品の静電破壊の原因となる。そこで静電気の発生を防止するために、リチウム塩等のイオン導電性帯電防止剤をシリコーン樹脂に含有させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では帯電防止性能は十分なものではなく、帯電防止性能を上げるために、イオン導電性帯電防止を多量に含有させようとすると、イオン導電性帯電防止剤のブリードアウトによる被着体の汚染や粘着力の低下が起こる等の問題があった。
また、シリコーン樹脂にポリエチレングリコール変性シリコーンとリチウム塩等のイオン導電性帯電防止剤をシリコーン樹脂に含有させる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながらこの方法でもポリエチレングリコール変性シリコーン及びイオン導電性帯電防止剤のブリードアウトによる被着体の汚染やシリコーン樹脂層の強度低下が起こる等の問題があった。
特開2009−30028号公報 特開2015−20329号公報
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的はシリコーン樹脂組成物を加熱・反応した際、シリコーン樹脂の膜強度を低下させることなく、経時での色相変化が少なく、かつ帯電防止性能に優れた樹脂層を形成するためのシリコーン樹脂用帯電防止剤を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、
下記の一般式(1)又は(2)で示されるイオン性化合物(A)並びにエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を含有するシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物であって、前記化合物(B)が、末端にエチレン性不飽和結合を有する化合物(B1)であるシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物である。
Figure 0006757672
[一般式(1)において、R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の鎖状炭化水素基または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。X1−はアニオンを示す。]
Figure 0006757672
[一般式(2)において、R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の鎖状炭化水素基または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。X2−はアニオンを示す。]
本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤は、シリコーン樹脂組成物を加熱・反応した際、シリコーン樹脂の膜強度を低下させることなく、経時での色相変化が少なく、かつ帯電防止性能に優れた樹脂層を形成することができる。
本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物は、イオン性化合物(A)、 エチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を含有する。好ましくは硬化性の観点からさらに有機金属化合物(C)を含有してもよい。
本発明におけるイオン性化合物(A)としては、下記一般式(1)で表されるイオン性化合物(A1)が挙げられる。
Figure 0006757672
一般式(1)におけるR〜Rは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、スルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
(A1)を構成するホスホニウム基の具体例としては、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、前記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどがあげられる。
発明におけるイオン性化合物(A)としては、下記一般式(2)で表されるイオン性化合物(A2)が挙げられる。
Figure 0006757672
一般式(2)におけるR〜Rは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、スルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
(A2)を構成するスルホニウム基の具体例としては、トリアルキルスルホニウムカチオンや、前記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリブチル−(2−メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどがあげられる。
一般式(1)におけるX1−又はX2−(以下まとめてXとも記載する。)は、特に限定されるものではないが、例えばハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-及びI-等)、カルボキシラートアニオン{炭素数1〜7のモノ又はジカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及びコハク酸等のイオン(−COO-)}、スルホン酸イオン{炭素数1〜20のスルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等のイオン(−SO3 -)}、リン酸イオン{リン酸又は炭素数1〜10のリン酸基含有化合物のイオン(−OPO3 2-)}、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン及び硝酸イオン、無機酸類等が挙げられる。
帯電防止性能の観点から、特に好ましいのは、一般式(1)におけるXは、−11.93以下のHammett酸度関数(H)を有する超強酸の共役塩基である。
又はX の共役酸である超強酸は、100%硫酸より強い酸強度を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であり、Hammettの酸度関数(H)が100%硫酸の−11.93未満のものであり、プロトン酸及びプロトン酸とルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の超強酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H=−14.00)等が挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素及び五フッ化タウリン等が挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸及び六フッ化タウリン等が挙げられる。
又はX として、一般式(1)で表されるイオン性化合物(A1)の帯電防止性能の観点から好ましいのは、Hammettの酸度関数(H)が−12.00以下の超強酸の共役塩基、更に好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、四フッ化硼素酸、六フッ化リン、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素又は六フッ化タウリンの共役塩基、特に好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、四フッ化硼素酸又は六フッ化リン酸の共役塩基、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、最も好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸の共役塩基、及びビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドである。
化合物(B)が有するポリオキシエチレン鎖は炭素数3〜4のオキシアルキレン基を有していてもよい。
化合物(B)は1個又は2個以上のポリオキシアルキレン鎖を有し、当該ポリオキシアルキレン鎖が合計p個のオキシエチレン基とq個の炭素数3〜4のオキシアルキレン基とを有し、pの割合がpとqの合計数に対して好ましくは25〜100%であり、より好ましくは80〜100%、特に好ましくは100%である。
炭素数3〜4のオキシアルキレン基としては、オキシ−1,2−プロピレン基、オキシ−1,3−プロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1,2−ブチレン基、オキシ−1,3−ブチレン基等が挙げられる。これらの中でオキシ−1,2−プロピレン基、オキシテトラメチレン基が好ましい。
化合物(B1)が2官能の活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物であって、当該アルキレンオキサイド付加物の2個の水酸基の水素原子がエチレン性不飽和結合を有する1価の炭化水素基で置換された化合物(B11)であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合とエチレン性不飽和結合とポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B1)としては、例えば、ポリエチレングリコール変性シリコーンの末端ヒドロキシル基を塩化(メタ)アクリル又は塩化(メタ)アリルで封鎖した化合物、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アリルアルコールのエチレンオキサイド付加物等及び前記付加物の末端ヒドロキシル基を塩化(メタ)アクリル又は塩化(メタ)アリルで封鎖した2官能物、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アリルアルコールのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等及び前記付加物の末端ヒドロキシル基を塩化(メタ)アクリル又は塩化(メタ)アリルで封鎖した2官能物等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)は帯電防止性シリコーン樹脂組成物を加熱・硬化した際、硬化反応中にエチレン性不飽和結合とポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)がシリコーン樹脂中に分散した状態でシリコーン樹脂骨格に結合・硬化するため、シリコーン樹脂の膜強度低下を抑える。
また、シリコーン樹脂の膜強度低下がほとんどないことから2個以上のエチレン性不飽和結合を有するポリオキシエチレン鎖を有する化合物がより好ましく、2個以上のエチレン性不飽和結合が末端にある化合物が最も好ましい。
エチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)におけるポリオキシエチレン鎖のオキシエチレン基の繰り返し単位数は、帯電防止性能の観点から、2〜100であることが好ましく、更に好ましくは5〜50である。
イオン性化合物(A)及びエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を併用することでイオン導電性が向上し、帯電防止性能が向上する。また、イオン性化合物(A)及びエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を併用することで、イオン性化合物(A)がエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)とともにシリコーン樹脂中に分散した状態で硬化反応が起こるためイオン性化合物が局在化することがなく、膜強度の低下が起こりにくいという効果をそうする。
本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物(D)は、イオン性化合物(A)及びエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)の他に、硬化性の観点から有機金属化合物(C)を含有することが好ましい。
本発明における有機金属化合物(C)は有機鉄化合物(C1)、有機アルミニウム化合物(C2)、または有機チタン化合物(C3)が好ましい。これらの有機金属化合物は、1種類のみを用いても良く、適宜、2種類以上混合して用いても良い。
本発明において有機鉄化合物(C1)としては、特に限定されないが、具体的には、オクチル酸第二鉄、酢酸第二鉄、プロピオン酸第二鉄、ナフテン酸第二鉄、鉄アセチルアセトナートが挙げられる。
有機アルミニウム化合物(C2)としては、特に限定されないが、具体的には、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム(III)アセチルアセトナート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノメチルアセトアセテート等が挙げられる。
有機チタン化合物(C3)としては、特に限定されないが、具体例には、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル類;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類等が挙げられる。
有機金属化合物(C)において、さらに好ましくはキレート構造を有する有機金属化合物が好ましい。なお、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助 編者(株)大成社 平成2年版)にも具体的に記載されている。
帯電防止性シリコーン樹脂組成物において、硬化性の観点から、イオン性化合物(A)とエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)の合計重量に対して、(A)は0.1%以上重量50%以下、好ましくは1%以上重量40%以下含有され、(B)は50%以上重量99.9%以下、好ましくは60%以上重量99%以下含有される。有機金属化合物(C)の含有量は硬化性の観点からは(A)と(B)の合計重量に対して、100重量%以下であることが好ましく、1〜75重量%であることがさらに好ましく、5〜50重量%であることが特に好ましい。
本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物は、(A)、(B)、(C)及び必要によりその他の成分を通常の混合装置(撹拌機を備えた混合槽及びスタティックミキサー等)で均一に混合することにより製造できる。
本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物はシリコーン樹脂及び白金族金属系触媒と使用するか、又は本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物とシリコーン樹脂及び有機過酸化物触媒と使用する。
白金族金属系触媒は、付加反応硬化型組成物の場合に使用される付加反応触媒であり、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル基含有シロキサン錯体等の白金系触媒、ロジウム錯体及びルテニウム錯体等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、これらの触媒をイソプロパノールやトルエン等の溶剤やシロキサンオイルなどに溶解・分散させたものを用いてもよい。
有機過酸化物触媒は、過酸化物硬化型組成物の場合に硬化剤として使用される有機過酸化物であり、分解して遊離酸素ラジカルを発生するものであれば特に制限されるものではない。具体例としては、ジベンゾイルパーオキサイド、4,4’−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、3,3’−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2,2’−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2,2’,4,4’−テトラクロロジベンゾイルパーオキサイド及びクミルパーオキサイド等が挙げられる。
本発明におけるシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物を用いた帯電防止性シリコーン粘着フィルム及び帯電防止性シリコーン剥離フィルムは、本発明の帯電防止性シリコーン樹脂組成物を、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布して形成される帯電防止性シリコーン樹脂組成物の層を有する。
本発明におけるシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物を用いた帯電防止性シリコーン粘着テープ及び帯電防止性シリコーン粘着シートは、本発明の帯電防止性シリコーン樹脂を種々の塗工装置を用いて基材の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布し、加熱して有機溶媒あるいは分散媒の乾燥を行うとともに、硬化させる方法、又は離型フィルム等に粘着剤を同様に塗布した後、乾燥し、硬化させて得られた粘着剤を、基材の少なくとも片面に転写する方法等により製造することができる。
帯電防止性剥離フィルムは基材の上に少なくとも片面の少なくとも一部に剥離層を設けてなる。
剥離層とは本発明の帯電防止組成物を含んだシリコーン樹脂を塗布してなる。剥離層と基材との塗膜密着性を良好とするために塗布層を設けても良い。塗布層に関しては、塗布延伸法(インラインコーティング)を用いてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよく、何れの手法を採用してもよい。
塗布層としてシランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤は、1分子中に珪素原子に結合する加水分解性基を少なくとも3個、好ましくは3〜1000個有するものである。加水分解性基としては、珪素原子に直接結合したメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、イソプロペノキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基が挙げられるがこれに限定されない。
本発明において、塗布層中には加水分解・縮合反応促進を目的として、触媒を併用するのが好ましい。触媒の具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸などの有機酸類、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸類、トリエチルアミンなどの塩基性化合物類、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等などの有機金属塩類などを挙げることができる。上記触媒は単独で使用しても良くあるいは2種類以上を併用しても良い。
さらに塗布層の密着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
基材としては、各種プラスチック[ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、レーヨン及びポリアミド等]のフィルム、シート、フォーム及びフラットヤーン並びに紙(和紙及びクレープ紙等)、金属板、金属箔、織布、不織布及び木材等が挙げられる。
シリコーン樹脂としては一般的にシリコーン樹脂として使用されているシリコーン系化合物が挙げられ、これが帯電防止性シリコーン樹脂の主成分となる。前記シリコーン系化合物としては、例えばSiO単位と(CHSiO0.5単位の共重合体及びシラノール基含有ポリジメチルシロキサンとの混合物又は反応物を主成分とするものが使用され、必要によりこれらのシロキサン単位の置換基がメチル基以外のもの、例えばフェニル基又はビニル基等で置換されたものが使用される。
シリコーン樹脂は、基材等に塗布することにより使用でき、有機溶媒を使用している場合は更に有機溶媒を揮発させることにより使用できるが、塗布されたシリコーン樹脂の凝集力を高めるために、架橋させて使用することが好ましい。架橋方法としては付加反応、UV等を用いたものなどが挙げられるが、これに限定されない。
生産性の観点から、比較的低温で硬化する付加反応型シリコーン樹脂を用いるのがより好ましい。
付加反応型シリコーン樹脂は、一般にRSiO0.5単位と(式中、Rは1価炭化水素基)とSiO単位からなる有機溶媒可溶性の共重合体及び末端シラノールのアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとの縮合反応物あるいは混合物を、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと付加反応させるものである。白金付加硬化型のシリコーン樹脂としては、市販の「KR−100」[信越化学工業社製]、「KR−130」[信越化学工業社製]、「KS−774」[信越化学工業社製]、及び「KS−3703T」[信越化学工業社製]等が挙げられる。
過酸化物硬化型シリコーン樹脂は、RSiO0.5単位(式中、Rは1価の炭化水素基)とSi O単位からなる有機溶媒可溶性の共重合体及び末端シラノールのポリオルガノシロキサンとの縮合反応物又は混合物を、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物で架橋させるものである。過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤としては、市販の「KR−100」[信越化学工業社製]及び「KR−130」[信越化学工業社製]等が挙げられる。
本発明におけるシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物を用いた帯電防止性シリコーン樹脂組成物における本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物の含有量は、膜強度及び帯電防止性能の観点から、樹脂組成物中の帯電防止剤組成物の合計重量が、好ましくは0.01〜50重量%、更に好ましくは0.05〜40重量%となる量である。
また、本発明のシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物は必要に応じて、架橋剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明の帯電防止性シリコーン粘着剤及び帯電防止性シリコーン剥離フィルムは、本発明の帯電防止性シリコーン樹脂組成物を種々の塗工装置を用いて基材の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布し、加熱して有機溶媒あるいは分散媒の乾燥を行うとともに、硬化させる方法等により製造することができる。
本発明の帯電防止性剥離フィルムは、本発明の帯電防止性シリコーン樹脂を種々の塗工装置を用いてPETフィルム等の基材の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布し、加熱して有機溶媒あるいは分散媒の乾燥を行うとともに、硬化させる方法等により製造することができる。
前記塗工装置としては、グラビアコータ、ロールコータ、リバースコータ、ドクターブレード、バーコータ、コンマコータ、ファウンテンダイコータ、リップコータ及びナイフコータ等が挙げられる。
本発明の粘着テープ、粘着シート及び粘着フィルムのそれぞれの粘着層の厚さは、通常1〜250μm、粘着剤の接着力、乾燥及び硬化性の観点から好ましくは10〜100μmである。
本発明の剥離テープ、剥離シート及び剥離フィルムのそれぞれの剥離層の厚さは、通常0.01〜10μm、樹脂の剥離力の観点から好ましくは0.1〜1μmである。
以下実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
製造例1
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製耐圧反応容器に、数平均分子量が600のポリエチレングリコール(三洋化成工業社製「PEG600」)300部(0.5モル)と水素化ホウ素ナトリウム0.1部とアリルクロライド78.8部(1.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、反応槽内の温度を20℃以下に調整する。温度調整後、水酸化ナトリウム60.0部を、釜内温度が60℃以下に保つように制御しながら、2時間かけて投入した後、85℃で4時間熟成した。次に、粗精製物を70℃に調整した後、イオン交換水を331.4部加え、30分間攪拌して粗精製物中の残存アルカリと生成塩を溶解した。塩を溶解した後、反応槽内温度を70℃に維持したまま30分間静置し、分離した下層の水を抜き取った。次いで上層に対して3部のKW−600(協和化学工業製)と2部のKW−700(協和化学工業製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過してPEG600のジアリルエーテル化合物(B11−1)340部を得た。
製造例2
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製耐圧反応容器に、数平均分子量が600のポリエチレングリコール(三洋化成工業社製「PEG1000」)500部(0.5モル)と水素化ホウ素ナトリウム0.1部とアリルクロライド78.8部(1.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、反応槽内の温度を20℃以下に調整する。温度調整後、水酸化ナトリウム60.0部を、釜内温度が60℃以下に保つように制御しながら、2時間かけて投入した後、85℃で4時間熟成した。次に、粗精製物を70℃に調整した後、イオン交換水を331.4部加え、30分間攪拌して粗精製物中の残存アルカリと生成塩を溶解した。塩を溶解した後、反応槽内温度を70℃に維持したまま30分間静置し、分離した下層の水を抜き取った。次いで上層に対して3部のKW−600(協和化学工業製)と2部のKW−700(協和化学工業製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過してPEG1000のジアリルエーテル化合物(B11−2)510部を得た。
製造例3
撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製耐圧反応容器に、数平均分子量が4000のポリオキシエチレン/プロピレングリコール共重合体(三洋化成工業社製「ニューポール80−4000」)2000部(0.5モル)と水素化ホウ素ナトリウム0.1部とアリルクロライド78.8部(1.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、反応槽内の温度を20℃以下に調整する。温度調整後、水酸化ナトリウム60.0部を、釜内温度が60℃以下に保つように制御しながら、2時間かけて投入した後、85℃で4時間熟成した。次に、粗精製物を70℃に調整した後、イオン交換水を331.4部加え、30分間攪拌して粗精製物中の残存アルカリと生成塩を溶解した。塩を溶解した後、反応槽内温度を70℃に維持したまま30分間静置し、分離した下層の水を抜き取った。次いで上層に対して3部のKW−600(協和化学工業製)と2部のKW−700(協和化学工業製)を加え混合した。混合後、液中に窒素を通気しながら70〜80℃で4時間減圧脱水し、40℃まで冷却してから窒素加圧濾過して数平均分子量が4000のポリオキシエチレン/プロピレングリコール共重合体のジアリルエーテル化合物(B11−4)1500部を得た。
実施例1
シリコーン粘着剤(「KR−3704」、信越化学工業社製)(E1−1)100部に、テトラブチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業社製)(A1−1)0.5部、PEG600のジアリルエーテル化合物(B11−1)1部、鉄(III)アセチルアセトナート(C1−1)(東京化成社製)0.5部、白金触媒(「CAT−PL−50T」、信越化学工業社製)1部、及びトルエン100部を混合し、乾燥後の膜厚が30μmとなるようにポリイミドフィルム(25μm)またはPETフィルム(東レ ルミラー L−38T60)上に塗布し、130℃で所定時間乾燥・硬化させ、粘着フィルムを作製した。
実施例2〜4及び比較例1〜3
表1に記載の配合処方(単位は「部」)で各成分を混合後、実施例1と同様の手順で粘着フィルムを作製した。また、表1に得られた粘着フィルムを用いて以下の試験方法により表面固有抵抗値、硬化性、樹脂層の膜強度及び経時での色相変化を測定又は評価した結果を示す。
実施例5
シリコーン樹脂(「KS−3703T」、信越化学社製)(E1−2)100部に、テトラブチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A1−1)2部、PEG600のジアリルエーテル化合物(B11−1)10部、鉄(III)アセチルアセトナート(C1−1)2部、白金触媒(「CAT−PL−50T」、信越化学社製)1部、トルエン460部、及びMEK(メチルエチルケトン)460部を混合し、塗工量が0.1mとなるようにPETフィルム(東レ ルミラー L−38T60)上に塗布し、130℃で所定時間乾燥・硬化させ、剥離フィルムを作製した。
実施例6〜7及び比較例4〜5
表1に記載の配合処方(単位は「部」)で各成分を混合後、実施例4と同様の手順で剥離フィルムを作製した。また、表1に得られた粘着フィルムを用いて以下の試験方法により表面固有抵抗値、硬化性、樹脂層の膜強度及び経時での色相変化を測定又は評価した結果を示す。
実施例8
シリコーン粘着剤(「KR−100」、信越化学工業社製)(E2−1)100部に、テトラブチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業社製)(A1−1)0.5部、PEG600のジアクリレート(「NKエステル A−600」、新中村化学工業社製)(B11−3)1部、有機過酸化物(「ナイパーBMT−K40」、日油株式会社製)0.2部、及びトルエン100部を混合し、乾燥後の膜厚が30μmとなるようにポリイミドフィルム(25μm)またはPETフィルム(東レ ルミラー L−38T60)上に塗布し、130℃で所定時間乾燥・硬化させ、粘着フィルムを作製した。
実施例9
シリコーン粘着剤(「KR−3704」、信越化学工業社製)(E1−1)100部に、トリエチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業社製)(A2−1)0.5部、ポリオキシエチレン/プロピレングリコール共重合体のジアリルエーテル化合物(B11−4)1部、鉄(III)アセチルアセトナート(C1−1)(東京化成社製)0.1部、白金触媒(「CAT−PL−50T」、信越化学工業社製)1部、及びトルエン100部を混合し、乾燥後の膜厚が30μmとなるようにポリイミドフィルム(25μm)またはPETフィルム(東レ ルミラー L−38T60)上に塗布し、130℃で所定時間乾燥・硬化させ、粘着フィルムを作製した。
Figure 0006757672
表1中の各成分の組成・商品名は以下の通りである。
・ホスホニウム塩(A1−2):トリブチルメチルホスホニウムヨージド(和光純薬工業社製)
・スルホニウム塩(A2−1):トリエチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(和光純薬工業社製)
・PEG1000のモノアリルエーテル化合物(B1−1):SANYCOL H−2300(三洋化成工業社製)
・PEG変性シリコーン(B’1−1):KF−6017(信越化学工業社製)
[性能試験方法]
(1)帯電防止性(表面固有抵抗)
試料フィルムを23℃×65%RHの条件で12時間静置した後に、JIS−K6911に記載の方法で表面固有抵抗値を測定した。
<判定基準>
○:1×1012 Ω/□未満
△:1×1012 Ω/□以上、1×1013 Ω/□未満
×:1×1013 Ω/□以上
(2)硬化性
作成した試料フィルムを130℃で所定時間乾燥させ、試料フィルムの樹脂面を指により5回擦り、樹脂層の状態を目視にて観察した。塗布層の曇りがなくなるまでの時間により判定した。
<判定基準>
○:60秒以下の時間で硬化
△:60秒より長く、180秒以下で硬化
×:180秒より長く硬化に時間がかかる
(3)樹脂層の膜強度
作成した試料フィルムを130℃で所定時間乾燥させ、試料フィルムの樹脂面を指により往復20回強く擦り、樹脂層の状態を目視にて観察した。
<判定基準>
○:樹脂層表面の剥がれ、曇りなし
△:樹脂層表面の剥がれはないが、曇る
×:樹脂層が剥がれ落ちる
(4)経時での色相変化
PETフィルム(東レ ルミラー L−38T60)上に塗工したシリコーン樹脂フィルム試験片を90℃の恒温槽に750時間入れ、耐熱試験前後の色相の変化を求めた。
色彩濁度同時測定器 NIPPON DENSHOKU COH400(日本電色工業株式会社製)にてイエローインデックス(YI)を測定した。下記式にてΔYI値を算出した。耐熱試験前後のYI変化が小さいものが好ましい。
ΔYI=(耐熱試験後のYI値)−(耐熱試験前のYI値)
表1の評価結果より、イオン性化合物(A)及びエチレン性不飽和結合とポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を含有する帯電防止剤組成物を用いた帯電防止性シリコーン樹脂では、経時での色相変化が少なく、かつ帯電防止性能に優れる。
本発明の帯電防止性粘着フィルムは、電子材料用途、光学用途に用いることができ、極めて有用である。また、本発明の帯電防止性剥離フィルムは、粘着シート用の剥離フィルム(キャリアフィルムおよびセパレーター)として極めて好適に用いることができ、極めて有用である。






Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)又は(2)で示されるイオン性化合物(A)並びにエチレン性不飽和結合及び/もしくはヒドロシリル基を有し且つポリオキシエチレン鎖を有する化合物(B)を含有するシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物であって、前記化合物(B)が、末端にエチレン性不飽和結合を有する化合物(B1)であるシリコーン樹脂用帯電防止剤組成物(D)。
    Figure 0006757672
    [一般式(1)において、R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の鎖状炭化水素基または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。X1−はアニオンを示す。]
    Figure 0006757672
    [一般式(2)において、R〜Rは、それぞれヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で水素原子を置換されていてもよい炭素数1〜20の鎖状炭化水素基または酸素原子、イオウ原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有していてもよい環状炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、またR〜Rの2つの基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。X2−はアニオンを示す。]
  2. 前記イオン性化合物(A)のアニオンX1−又はX2−が、−11.93以下のHammett酸度関数(H0)を有する超強酸の共役塩基である請求項1に記載の帯電防止剤組成物(D)。
  3. さらに有機金属化合物(C)を含有してなる請求項1又は2に記載の帯電防止剤組成物(D)。
  4. 化合物(B)が1個又は2個以上のポリオキシアルキレン鎖を有し、当該ポリオキシアルキレン鎖が合計p個のオキシエチレン基とq個の炭素数3〜4のオキシアルキレン基とを有し、pの割合がpとqの合計数に対して25〜100%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止剤組成物。
  5. 化合物(B1)が2官能の活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物であって、当該アルキレンオキサイド付加物の2個の水酸基の水素原子がエチレン性不飽和結合を有する1価の炭化水素基で置換された化合物(B11)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止剤組成物。
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