JP6755543B2 - 積層構造体及び積層構造体の製造方法 - Google Patents

積層構造体及び積層構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6755543B2
JP6755543B2 JP2016088518A JP2016088518A JP6755543B2 JP 6755543 B2 JP6755543 B2 JP 6755543B2 JP 2016088518 A JP2016088518 A JP 2016088518A JP 2016088518 A JP2016088518 A JP 2016088518A JP 6755543 B2 JP6755543 B2 JP 6755543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet material
recess
hollow sheet
metal
laminated structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016088518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017196782A (ja
Inventor
伸二 福島
伸二 福島
紘規 伊藤
紘規 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gifu Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Gifu Plastic Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gifu Plastic Industry Co Ltd filed Critical Gifu Plastic Industry Co Ltd
Priority to JP2016088518A priority Critical patent/JP6755543B2/ja
Priority to US15/377,983 priority patent/US10442171B2/en
Priority to CN202010376430.9A priority patent/CN111516316A/zh
Priority to CN201611152260.6A priority patent/CN107031142B/zh
Publication of JP2017196782A publication Critical patent/JP2017196782A/ja
Priority to US16/102,285 priority patent/US20180361725A1/en
Priority to US16/102,300 priority patent/US10889095B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6755543B2 publication Critical patent/JP6755543B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、熱可塑性樹脂製の中空シート材に金属部材を取り付けてなる積層構造体及びその製造方法に関する。
従来、内部に多角柱形状又は円柱形状をなす複数のセルが並設された中空シート材に金属板を接合して、その強度を向上させた積層構造体が知られている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂製の中空シート材の片面または両面に、鋼、ステンレス、アルミニウム等の金属板を接合することにより、高強度、高剛性を有する複合プラスチック構造体を製造することが記載されている。
特開平10−156985号公報
こうした中空シート材に金属板が接合されてなる積層構造体は、軽量でありながら強度に優れていることから、近年、燃費の向上の点から軽量化が求められている車両部品として利用することが考えられる。車両部品としては、例えば、ラゲッジボードやトノカバー等の板状の部品に好適に適用することができる。しかし、特許文献1に記載される複合プラスチック構造体は、熱可塑性樹脂製の中空シート材に、単に平板状の金属板が接合されているに過ぎず、車両部品等の特定の部品に適用する際の利便性について何ら考慮されていない。
上記課題を解決するため、本発明は、内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材に接合された金属部材とを備える積層構造体であって、前記中空シート材には、前記金属部材により熱変形された塑造凹部が形成されており、前記金属部材は、前記塑造凹部に接合されていることを特徴とする。
上記の発明では、熱可塑性樹脂製の中空シート材に形成された塑造凹部に金属部材が接合されていることにより、金属部材が接合されている部位を対象として、積層構造体に特定の部品としての機能を付与することができる。例えば、積層構造体を車両トノカバーに適用するために、金属部材が接合された部位に持ち手やフックを取り付けたり、車両への固定部材を取り付けたりすることが考えられる。こうすることで、金属部材が接合された部位を対象として、積層構造体に車両トノカバーとしての機能を付与することができ、その利便性が向上する。
上記の発明において、前記金属部材は、中空シート材の少なくとも一方の面に接合された金属板であり、前記金属板には、金属凹部が形成され、前記中空シート材には、前記金属凹部により熱変形された前記塑造凹部が形成されており、前記金属凹部は、前記塑造凹部に接合されていることが好ましい。
上記の発明において、前記金属凹部及び前記塑造凹部には、孔が形成されていることが好ましい。
上記の発明において、前記金属凹部及び前記塑造凹部は複数形成され、前記金属板が接合された面が波状となっていることが好ましい。
上記の発明において、前記塑造凹部では、前記中空シート材内に樹脂溜まりが形成されていることが好ましい。
本発明によれば、積層構造体を特定の部品として利用する際の利便性が向上する。
(a)は積層構造体の部分斜視図、(b)は(a)におけるα−α線断面図、(c)は(a)におけるβ−β線断面図。 (a)は上側金属板の部分斜視図、(b)は中空シート材の部分斜視図。 (a)は中空シート材のコア層を構成するシート材の部分斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す部分斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す部分斜視図。 (a)、(b)は、金属板に金属凹部を形成する方法を示す説明図。(c)は、金属凹部が形成された金属板の部分斜視図。(d)は、金属凹部が形成された金属板を裏面側から見た部分斜視図。 (a)〜(i)は、中空シート材に金属板を貼り付ける方法を示す説明図。 (a)〜(c)は、図1(a)におけるγ−γ線断面図であり、積層構造体の凹部の状態を示す断面図。 (a)は積層構造体の凹部の変形例を示す部分斜視図、(b)は積層構造体の凹部の別の変形例を示す断面図、(c)は積層構造体の凹部の別の変形例を示す部分斜視図、(d)は積層構造体の凹部の別の変形例を示す断面図。 (a)〜(d)は積層構造体の凹部の別の変形例を示す部分斜視図。
以下、本発明を具体化した積層構造体を図1、図2に従って説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の積層構造体は、内部に複数の柱形状のセルSが並設されて全体として中空板状をなす中空シート材10と、その上下両面に配置された一対の金属板50、60とで構成されている。積層構造体の上面(上側金属板50の上面)には、凹部70が形成されている。なお、図1(a)では、中空シート材10のセルSを上側金属板50上に点線で示している。
図1(b)及び(c)に示すように、中空シート材10は、内部に複数の柱形状のセルSが並設されたコア層20と、その上下両面に接合されたシート状のスキン層30、40とで構成されている。コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。
図1(b)及び(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。また、図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。この2層構造の側壁部23は、コア層20の厚み方向中央部に互いに熱溶着されていない部分を有する。したがって、コア層20の各セルSの内部空間は、2層構造の側壁部23の間を介して他のセルSの内部空間に連通している。
図1(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列をなすように並設されている。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列をなすように並設されている。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
図1(a)〜(c)に示すように、上記のように構成されたコア層20の上面には熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層30が接合されている。また、コア層20の下面には、熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層40が接合されている。これらコア層20、スキン層30、40で中空板状の中空シート材10が構成されている。本実施形態の中空シート材10の厚みは、5mm〜30mm程度に形成されている。なお、図1(b)及び(c)では、図示されている複数のセルSのうち、最も左側のセルSに代表して符号を付しているが、他のセルSについても同様である。
図1(a)〜(c)に示すように、中空シート材10の上面(スキン層30の外面)には、上側金属板50が熱溶着で接合されている。また、中空シート材10の下面(スキン層40の外面)には、下側金属板60が熱溶着で接合されている。各金属板50、60は、例えばアルミニウム合金、鉄合金、銅合金などの金属製であり、本実施形態では、その厚みは0.05mm〜数mm程度である。
図2(a)に示すように、積層構造体の上面の上側金属板50には、金属凹部51が形成されている。金属凹部51は、上側金属板50の上面52から垂下する4つの側壁55と、各側壁55に囲まれた矩形状の底壁56とで構成されている。上側金属板50は、厚みが0.05mm〜数mm程度の薄板であることから、上側金属板50の下面53には、金属凹部51に対応する金属凸部54が、下面53から下方に突出するように形成されている。
図2(b)に示すように、中空シート材10は、熱変形によって薄肉化された塑造凹部11を有している。塑造凹部11は、スキン層30の表面から垂下する4つの側壁12と、各側壁12に囲まれた矩形状の底壁13とで構成されている。本実施形態では、底壁13の下側に位置する中空シート材10の厚みは、2mm〜15mm程度である。また、この部分での中空シート材10の厚みは、中空シート材10全体の厚みの、2分の1以下、或いは、3分の1以下であることが好ましい。
上側金属板50の金属凹部51は、その裏面で、中空シート材10の塑造凹部11に接合されている。言い方を変えれば、上側金属板50の金属凸部54は、その表面で、中空シート材10の塑造凹部11に接合されている。具体的には、金属凹部51(金属凸部54)の各側壁55が、塑造凹部11の各側壁12に接合され、金属凹部51(金属凸部54)の底壁56が、塑造凹部11の底壁13に接合されている。中空シート材10の塑造凹部11と上側金属板50の金属凹部51とで、積層構造体の凹部70が構成されている。
図1(a)に示すように、積層構造体の凹部70は、正面視矩形状に形成されている。凹部70は、上側金属板50の面52から垂下する4つの側壁71と、各側壁71に囲まれた矩形状の底壁72で構成されている。各側壁71は、上側金属板50の面52に対して略直角をなすように折り曲げられ、底壁72は、各側壁71に対して略直角をなすように折り曲げられている。
次に、積層構造体を製造する方法を、図3〜図5に従って説明する。まず、中空シート材10を製造する方法について説明する。
図3(a)に示すように、第1シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。第1シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、第1シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、第1シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
図3(a)及び(b)に示すように、上述のように構成された第1シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20が形成される。具体的には、第1シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図3(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。
上記のように第1シート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図3(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部23となる。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、第1シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
このようにして得られたコア層20の上面及び下面には、それぞれ熱可塑性樹脂製の第2シート材が熱溶着により接合される。コア層20の上面に接合された第2シート材はスキン層30となり、コア層20の下面に接合された第2シート材はスキン層40となる。
なお、第2シート材(スキン層30、40)をコア層20に熱溶着する際には、第1セルS1における2層構造の上壁部21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における2層構造の下壁部22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。その一方で、第1セルS1及び第2セルS2における2層構造の側壁部23には、上壁部21及び下壁部22に比べて熱が伝わりにくい、したがって、2層構造の側壁部23は、中空シート材10の厚み方向中央部に互いに熱溶着で接合されていない部分を有している。その結果、各セルSの内部空間は、完全に閉塞された空間でなく、各セルSの内部空間同士が、熱溶着で接合されていない2層構造の側壁部23の間を介して連通している。
次に、中空シート材10の上下両面に金属板50、60を接合して、凹部70が形成された積層構造体を製造する方法を、図4及び図5に従って説明する。
図4(a)及び(b)に示すように、まず、上側金属板50に、プレス加工により金属凹部51を形成する。金属凹部51と同形状の凹み部81aが形成された下型81の上に、上側金属板50を、面53が下方を向くように配置する。金属凹部51と同形状の突状部82aが形成された上型82を、下型81へ向けて移動させる。このようにして、図4(c)に示すように、上側金属板50の面52には、金属凹部51が形成される。また、図4(d)に示すように、上側金属板50の面53には、金属凹部51と同形状の金属凸部54が形成される。金属凹部51及び金属凸部54は、薄板状の上側金属板50をプレス加工により形成していることから、表裏一体の関係となる。
次に、図5(a)に示すように、プレス加工後の上側金属板50を板状の支持板210の厚み方向の一方の面に配置して支持させるとともに、下側金属板60を支持板210の厚み方向の他方の面に配置して支持させる。このとき、上側金属板50は、金属凸部54が突出形成された面53が、下側金属板60と対向配置されるようにする。また、支持板210には、上側金属板50の金属凸部54に対応する位置に、金属凸部54よりやや大きい凹みが形成されており、金属凸部54が支持板210の凹み内に収納可能に構成されている。このため、支持板210の一方の面に配置した上側金属板50は、金属凸部54が支持板210と干渉することがなく、上側金属板50の面53が支持板210の一方の面に対して、その全体で面接触する。なお、図5(a)は、上側金属板50を面52から見た図となっているため、上側金属板50に金属凹部51が形成された状態として視認できる。
支持板210の厚み方向の各面には、それぞれ複数のエアー吸引孔が形成されている。そして、これらエアー吸引孔から空気を吸引することで、支持板210の厚み方向の各面において各金属板50、60を吸引して支持することができる。
次に、図5(b)に示すように、各金属板50、60を支持した状態の支持板210を、対向配置された一対の加熱板220、230の間に配置する。上側金属板50側の加熱板220には、上側金属板50の面52に形成された金属凹部51に対応する位置に、上側金属板50側に向かって突出するとともに、金属凹部51の内面形状に合致する形状の突出部221が形成されている。加熱部材としての各加熱板220、230は、面方向において各金属板50、60以上の大きさに形成されている。なお、図5では、面方向において各加熱板220、230と各金属板50、60とを同じ大きさで図示している。
各加熱板220、230は、他方の加熱板230、220に対向する側の面である対向面が、中空シート材10を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度以上(例えば数百度以上)に加熱されている。なお、各加熱板220、230の対向面には、複数のエアー吸引孔が形成されている。そして、これらエアー吸引孔から空気を吸引することで、各加熱板220、230の対向面側において各金属板50、60を吸引して支持することができる。
一対の加熱板220、230の間に、各金属板50、60を支持した状態の支持板210を配置した後、図5(c)に示すように、一対の加熱板220、230を互いに近接する方向に移動させて、一対の加熱板220、230で上側金属板50及び下側金属板60を支持した状態の支持板210を挟み込む。このとき、各金属板50、60は、その全面が各加熱板220、230の対向面に面接触し、各加熱板220、230からの熱を受けて加熱される。また、上側金属板50側の加熱板220に形成された突出部221が、上側金属板50の金属凹部51内に配置されて、突出部221の外面が金属凹部51の内面に接触する。これにより、上側金属板50の金属凹部51(金属凸部54)が、加熱板220の突出部221からの熱を受けて加熱される。
この挟み込んだ状態においては、支持板210における空気の吸引、又は各加熱板220、230における空気の吸引の少なくとも一方が行われているようにする。したがって、各金属板50、60は、支持板210又は各加熱板220、230の少なくともいずれかに支持された状態となっており、支持板210と一対の加熱板220、230の間から脱落することはない。
その後、図5(d)に示すように、各金属板50、60を支持した状態の各加熱板220、230を互いに離間する方向に移動させる。そして、支持板210を、対向配置された一対の加熱板220、230の間から移動させる。支持板210を移動させた後、図5(e)に示すように、中空シート材10を、対向配置された一対の加熱板220、230の間に配置させる。この状態では、各加熱板220、230の対向面に面接触されている各金属板50、60と中空シート材10の外面(表面)とが対向配置される。上側金属板50では、面53が中空シート材10と対向配置されており、面53に形成された金属凸部54が中空シート材10側に位置している。
中空シート材10を一対の加熱板220、230の間に配置させた後、図5(f)に示すように、各加熱板220、230を互いに近接する方向に移動させる。その結果、各加熱板220、230は、中空シート材10に近接する方向に移動し、各加熱板220、230に支持されている加熱状態の各金属板50、60が中空シート材10の外面に面接触する。このとき、各金属板50、60は相応に高温になっているため、各金属板50、60の熱で中空シート材10の外面に熱溶着で接合される。
また、中空シート材10の上側金属板50側の面では、上側金属板50の面53に形成された金属凸部54が、中空シート材10を押圧する。そして、上側金属板50の金属凸部54も、上側金属板50と同様、相応に高温になっている。このため、中空シート材10は、金属凸部54からの押圧力により圧縮されて内部のセルSが変形するとともに、熱可塑性樹脂製の中空シート材10が加熱溶融されて塑造凹部11が形成され、上側金属板50の金属凸部54(金属凹部51)が塑造凹部11の外面に熱溶着で接合される。このようにして、積層構造体に凹部70が形成される。
各金属板50、60が中空シート材10の外面に面接触した後、各加熱板220、230における空気の吸引を停止し、各加熱板220、230を互いに離間する方向に移動させる。したがって、各加熱板220、230が一対の金属板50、60を介して中空シート材10を挟んでいる時間はごく僅かであり、各加熱板220、230からの熱が中空シート材10に過度に伝わることはなく、中空シート材10のコア層20が過度に軟化してその強度が低下することが起こりにくい。
中空シート材10の外面に各金属板50、60を熱溶着で接合した後、図5(g)に示すように、一対の加熱板220、230の間に配置され、一対の金属板50、60が接合された中空シート材10を、一対のプレス板240の間に配置させる。各プレス板240は、面方向において各金属板50、60の大きさ以上に形成されている。図5では、面方向において各プレス板240と各金属板50、60とを同じ大きさで図示している。なお、これらプレス板240は、一対の加熱板220、230のように加熱されてなく、常温の状態になっている。また、上側金属板50側に配置されるプレス板240も下側金属板60側に配置されるプレス板240もともに平坦形状であり、凹凸形状は形成されていない。
図5(h)に示すように、一対のプレス板240の間に中空シート材10を配置した後、各プレス板240を互いに近接する方向に移動させて、中空シート材10を厚み方向両面から挟み込んで所定のプレス圧でプレスする。これにより、各金属板50、60の全域が各プレス板240によって中空シート材10側に押圧され、各金属板50、60が均一の押圧力でもって中空シート材10に接合されるとともに、積層構造体の厚みを調整して当該積層構造体を反りのない平坦な板材にする。その後、一対のプレス板240を互いに離間する方向に移動させる。そして、図5(i)に示すように、一対のプレス板240の間から一対の金属板50、60が熱溶着で接合された中空シート材、すなわち凹部70が形成された積層構造体が取り出される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、あらかじめ金属凹部51(金属凸部54)が形成された上側金属板50を加熱して、中空シート材10に熱溶着で接合した。加熱された上側金属板50の金属凸部54で中空シート材10を押圧していることから、中空シート材10が金属凸部54からの押圧力によって圧縮変形するとともに、金属凸部54自身の熱で、熱可塑性樹脂製の中空シート材10が熱溶融して、塑造凹部11が形成される。そして、上側金属板50の金属凹部51(金属凸部54)が中空シート材10に接合することにより、積層構造体の凹部70が形成される。
上側金属板50にあらかじめ金属凹部51(金属凸部54)を形成することなく、平坦な上側金属板50を中空シート材10に接合して積層構造体を得た後、上側金属板50の外側から凹部70形状の治具を押し当ててプレス加工することにより、積層構造体の表面に凹部70を形成することも考えられる。しかし、このような方法では、冶具による押し当て力は、上側金属板50だけでなく中空シート材10でも受け止めることになるため、凹部70の深さを制御することが困難である。また、金属板が伸びにくいことから、深い凹部70を形成しようとすると上側金属板50に亀裂が入るといった問題もある。この点、本実施形態では、上側金属板50の両面に対するプレス成形によって、あらかじめ金属凹部51(金属凸部54)を形成し、加熱された上側金属板50を中空シート材10に熱溶着で接合していることから、こうした問題の発生を抑制することができる。あらかじめ金属凹部51が形成された上側金属板50を熱溶着させることにより、5mm以上、さらには、10mm以上の凹部70を形成することが可能となる。また、凹部70の側壁71と底壁72との角度を直角とするなど、急な角度を付けた凹部70を形成することができる。積層構造体に意図した形状の凹部70を容易に形成することができる。
また、上側金属板50を比較的高温に加熱し、上側金属板50による押圧スピードを比較的ゆっくりすることにより、塑造凹部11が形成される部分の中空シート材10は、熱可塑性樹脂が溶融しながら、セルSが均等に押圧されていく。このような場合、図6(a)に示すように、中空シート材10を構成する熱可塑性樹脂が溶融されて溶融樹脂がセルS内に溜まりつつ、セルSの側壁部23は、上壁部21と下壁部22との間に立設された状態を保持したまま、上壁部21と下壁部22との間が狭くなる。その結果、セルSの内部空間が狭くなるとともに、冷却固化された後の溶融樹脂による樹脂溜まりRが生じ、薄肉化された部分の強度が向上する。このように、中空シート材10を構成する熱可塑性樹脂が溶融されて冷却固化された状態が、特許請求の範囲で言う「樹脂溜まり」であり、樹脂溜まりRの形成によって、積層構造体の凹部70に強度を付与することができる。
一方、上側金属板50の加熱温度を抑え、上側金属板50による押圧スピードを早くすることにより、塑造凹部11が形成される部分の中空シート材10では、熱可塑性樹脂の溶融が抑えられた状態で、金属凸部54からの押圧力による圧縮変形が進行する。このような場合、例えば、図6(b)に示すように、セルSの側壁部23は、上壁部21と下壁部22との間で同じ方向に倒れるように変形し、上壁部21と下壁部22との間が狭くなる。したがって、相応に生じた樹脂溜まりRと、薄肉化してセルSが圧縮されたことにより積層構造体の凹部70での強度が向上する。
また、上側金属板50の加熱温度と、上側金属板50による押圧スピードを調整することにより、図6(c)に示すように、セルSの側壁部23が、上壁部21と下壁部22との間で不規則に倒れるように変形するとともに、熱可塑性樹脂が溶融されてセルS内に溶融樹脂が溜まる。そして、冷却固化された溶融樹脂による樹脂溜まりRが生じ、薄肉化された部分の強度が向上する。
このように、上側金属板50の加熱温度、上側金属板50による押圧スピードを適宜調整することにより、塑造凹部11でのセルSの状態を変化させ、積層構造体の凹部70での強度を調整することができる。積層構造体の製造過程の効率性と、製品に要求される性能等を考慮して、条件を設定することができる。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の積層構造体では、中空シート材10に、上側金属板50の金属凹部51(金属凸部54)により熱変形された塑造凹部11が形成されており、金属凹部51は、塑造凹部11に接合されている。このため、金属凹部51が接合されている部位を対象として、積層構造体に特定の部材を取り付けることができる。例えば、金属凹部51に持ち手やフックを取り付ける等の加工をして、積層構造体を車両トノカバーに適用することができる。積層構造体の凹部70に特定の部材を取り付けることにより、積層構造体に特定の部品としての機能を付与することができることから、積層構造体の利便性を向上させることができる。
また、積層構造体に特定の部材を取り付ける場合、凹部70を適宜の深さに設定することにより、取り付けられる部材が積層構造体の表面から突出することなく、凹部70内に収まるようにすることができる。こうすることで、例えば、積層構造体をラゲッジボードのような車両部品として適用した場合に、その上に荷物等を載せても荷物等に傷が付くことが抑制される。積層構造体に、車両部品として好適な機能を付与することができる。
(2)上記実施形態では、上側金属板50側の加熱板220として、上側金属板50の金属凹部51の内面形状に合致する形状の突出部221が形成されたものを使用している。そのため、加熱板220の熱が上側金属板50の金属凹部51に伝わりやすく、上側金属板50の金属凸部54による中空シート材10の圧縮変形及び熱溶融が適切になされる。また、加熱板220の突出部221以外の部分が、上側金属板50と面接触することができるため、上側金属板50の加熱が均等に行われ、上側金属板50を中空シート材10の外面に均一に熱溶着で接合できる。
上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、これらの変更例を適宜組み合わせて適用してもよい。
・ 上記実施形態では、積層構造体の上側金属板50側に凹部70が1箇所形成されたものについて説明したが、凹部70の形成個数はこれに限定されない。積層構造体の上側金属板50側に複数個形成されていてもよく、上側金属板50側、下側金属板60側の双方に複数個形成されていてもよい。また、金属板50、60全体に複数の凹部70が形成されて、積層構造体の一方または両方の面が波状となっていてもよい。
・ 上記実施形態では、積層構造体の上側金属板50側に凹部70が形成されたものについて説明したが、図7(a)に示すように、凹部70の底壁72に、下側金属板60側に貫通する孔73が形成されていてもよい。つまり、上側金属板50の金属凹部51に孔が形成されているとともに、中空シート材10の塑造凹部11に孔が形成されている。このようにすると、凹部70の底壁72を上下方向に挟み込むような状態で、持ち手やフック等の部材を取り付けることができる。また、底壁72の上下方向には金属板50、60が接合されているため、孔73に部材を取り付ける際、底壁72に対する掛かり代が少なくても確実に部材を取り付けることができる。
・ 図7(b)に示すように、積層構造体の上側金属板50側に凹部70が形成されるとともに、下側金属板60側の同じ位置にも凹部70が形成されていてもよい。この場合、上側金属板50側と下側金属板60側との両凹部70を同じ大きさ、形状としてもよいし、異なる大きさ、形状としてもよい。また、この場合に、図7(a)に示すように、両凹部70を貫通する孔73を形成してもよい。
・ 上記実施形態では、積層構造体の上側金属板50側の略中央部に凹部70が形成されたものについて説明したが、凹部70の形成位置はこれに限定されない。板状の積層構造体の所望の位置に形成することができる。例えば、図7(c)のように、積層構造体の端部に凹部70を形成することもできる。このようにすると、例えば、積層構造体の端部に持ち手やフック等の部材を取り付けることができるため、車両トノカバーのように端部を引っ張って開閉するような車両部品に適用することができる。また、この場合も、図7(a)に示すように、凹部70の底壁72に、下側金属板60側に貫通する孔73が形成されていてもよい。なお、図7(c)では、積層構造体の上側金属板50及び下側金属板60両側に凹部70が形成されているものを示したが、いずれか一方の金属板にのみ凹部70が形成されていてもよい。
・ 上記実施形態では、積層構造体の上側金属板50側に正面視矩形状の凹部70が1箇所形成されたものについて説明したが、凹部70の形状はこれに限定されない。凹部70の形状は適宜決定することができる。また、凹部70の底壁72にさらに凹部が形成されていてもよく、段差が形成されていてもよい。
・ 上記実施形態では、積層構造体の上側金属板50側の一部に凹部70が形成されたものについて説明したが、凹部70の大きさはこれに限定されない。上側金属板50側の大部分が凹部70となっていてもよい。上側金属板50全体に占める凹部70の割合が大きい場合、凹部70でない部分が、上側金属板50における突出部分として認識される。この場合であっても、上側金属板50により熱変形されており、前記突出部分を基準として相対的に凹んだ部分全体が、凹部70を構成する。
・ 上記実施形態では、中空シート材10の上下両面に対して加熱状態の金属板50、60を熱溶着で接合する方法について説明した。しかし、図7(d)に示すように、中空シート材10の上面のみに上側金属板50を熱溶着で接合してもよい。この場合、中空シート材10に上側金属板50が接合された側では、金属凸部54(金属凹部51)からの押圧力と熱溶融によって、積層構造体の凹部70が形成されるが、上側金属板50が接合された側の反対側では、凹部70に対応する位置で、中空シート材10が盛り上がった状態となる。こうした積層構造体も、上面に接合された上側金属板50と、熱変形して薄肉化された塑造凹部11によりその強度が向上するとともに、凹部70に持ち手やフック等の部材を取り付ける等して、積層構造体を特定の部品として利用する際の利便性を向上させることができる。なお、上側金属板50を接合する際に、上側金属板50が接合される側の反対側に支持部材等を配置して、前記盛り上がった状態とならないようにしてもよい。
・ 上記実施形態では、あらかじめ金属凹部51が形成された上側金属板50を中空シート材10に接合したが、これに限定されない。例えば、図8(a)に示すように、中空シート材10の端部の一部を除いて、その両面に金属板50、60を接合し、加熱した金属製環状の持ち手90を中空シート材10の側方から近接させて、中空シート材10の側方を加熱圧縮させ、図8(b)に示すように、中空シート材10の側方に持ち手90を取り付けるようにしてもよい。この場合、持ち手90が特許請求の範囲で言う「金属部材」に相当し、持ち手90により加熱圧縮された中空シート材10の側方部分が、特許請求の範囲で言う「塑造凹部」に相当する。
また、中空シート材10の上下面のいずれかの部分を除いた形状に金属板50、60を接合し、金属板50、60が接合されていない部分に、金属部材を接合してもよい。例えば、図8(c)に示すように、中空シート材10の上面に対して、その一部を除いた形状の上側金属板50を接合し、加熱した金属製管状の持ち手90を中空シート材10において上側金属板50が接合されていない部分に近接させて接合するようにする。こうすると、図8(d)に示すように、持ち手90が中空シート材10の上側金属板50から外方へ突出するように接合される。
・ 上記実施形態では、積層構造体の凹部70は、側壁71が底壁72とほぼ直角をなし、側壁71が上側金属板50の面52とほぼ直角をなしている。しかし、側壁71と底壁72のなす角度は、略直角に限定されない。例えば、5゜〜90゜の範囲であってもよく、20゜〜90゜の範囲であってもよく、或いは、45゜〜90゜の範囲であってもよい。側壁71と底壁72のなす角度を比較的小さな角度とすることにより、積層構造体表面になだらかな形状の側壁71を有する凹部70を形成することができる。また、側壁71と底壁72のなす角度を比較的大きな角度とすることにより、凹部70における曲げ強度が向上し、積層構造体の強度を向上させることができる。積層構造体に付与すべき機能や要求される利便性に応じて、適宜な角度に設定すればよい。
なお、上記実施形態では、凹部70の各側壁71及び底壁72をそれぞれ平坦な面として説明した。しかし、各側壁71及び底壁72の少なくともいずれか一つが、曲線状に凹んでいたり、曲線状に盛り上がっていたり、或いは、断面S字状に湾曲していたりしてもよい。この場合、側壁71と底壁72のなす角度は、平坦でない面をそれぞれ平坦な面として近似することにより得られる。
・ 上記実施形態では、金属凸部54(金属凹部51)が形成された1枚の上側金属板50を中空シート材10の一方の面に接合したが、上側金属板50は複数枚で構成されていてもよい。この場合、金属凸部54の部分と他の部分とが異なる板で形成されていてもよく、他の部分がさらに複数の板で形成されていてもよい。また、複数枚の板のそれぞれについて、金属板の厚み、材質等を異ならせてもよい。こうすることで、曲げ強度を向上させたり、積層構造体を軽量化させたりすることができる。これは、下側金属板60についても同様である。
・ 一対の金属板50、60の面方向の形状と中空シート材10の面方向の形状との関係は問わない。例えば、中空シート材10の面方向の大きさに対して、小さい金属板50、60を接合してもよい。この場合には、中空シート材10の外面の一部に金属板50、60が接合されることになる。
・ 一枚の金属板を複数の中空シート材に跨って接合するようにしてもよい。この場合、金属板が貼り付けられることによって、複数の中空シート材が一体化されて一枚の板材のようになる。
・ 上記実施形態では、中空シート材10の両面に直接金属板50、60を配置する態様で説明したが、中空シート材10と各金属板50、60との間に接着フィルムを配置したり、中空シート材10又は金属板50、60のいずれかに接着剤を塗布したりすることができる。接着剤としては、ホットメルト型の接着剤を用いることができる。
・ 中空シート材10に各金属板50、60を接合する際、中空シート材10中に含まれる空気を脱気するための処理を行ってもよい。コア層20にスキン層30、40を接合することにより、中空シート材10内部に空気が含まれる場合があり、この場合に金属板50、60を接合すると、接合後に中空シート材10内部の空気が収縮して、金属板50、60を凹ませるように作用する場合がある。また、金属板50、60の接合により塑造凹部11の厚みが薄くなると、中空シート材10内部で圧縮された空気が金属板50、60を膨らませるように作用する場合がある。この点、脱気処理により金属板50、60の膨らみや凹みを抑制することができる。
・ 上記実施形態では、中空シート材10として、コア層20と、その上下両面にスキン層30、40が接合されたものを用いたが、スキン層30、40の両方又は一方を省略して、コア層20に対して、直接金属板50、60を接合するようにしてもよい。図7(d)は、一例として、スキン層30、40の両方を省略して、コア層20の上面に直接上側金属板50を接合した積層構造体を示している。
セルSの2層構造の側壁部23は、中空シート材10の厚み方向中央部に互いに熱溶着で接合されていない部分を有しているため、各セルSの内部空間同士が、側壁部23の間を介して連通し、側壁部23の間を空気が通りやすくなっている。このため、スキン層30、40の両方又は一方が省略されていると、金属板50、60を接合する際に、脱気処理をする必要がなく、また、金属板50、60の接合後に中空シート材10内の空気によって金属板50、60が膨らんだり凹んだりすることが抑制される。
・ 一枚の第1シート材100を折り畳み成形してコア層20を構成するのに限らない。例えば、複数の帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させて配置してセルの側壁を構成し、これら帯状のシートの上下両側にスキン層を配置してセルの上壁及び下壁を構成するようにしてもよい。或いは、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって、帯状のシート材に凹凸形状を形成し、これをコア層20として上下両側にスキン層を配置してもよい。なお、上下両側のスキン層の両方又は一方を省略して、コア層20に対して、直接金属板50、60を接合するようにしてもよい。
・ 上記実施形態では、一枚の第1シート材100を折り畳み成形して、コア層20の内部に六角形状のセルSが区画形成されたハニカム構造体としてのコア層20を形成したが、成形方法はこれに限定されない。例えば、特許第4368399号に記載されるように、断面台形状の凸部が複数列設された三次元構造体を、順次折り畳んでいくことにより、ハニカム構造体としてのコア層20を形成してもよい。
・ 上記実施形態では、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されていたが、セルSの形状は、特に限定されるものでなく、例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。また、セルSの形状は、接頭円錐形状であってもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。
・ 中空シート材10の構成は上記実施形態のように柱形状のセルSが区画されたものに限らない。例えば、所定の凹凸形状を有するコア層の上下両面にスキン層を接合したものであってもよい。このような構成の中空シート材としては、例えば特開2014−205341号公報に記載のものが挙げられる。また、断面がハーモニカ状のプラスチックダンボール等であってもよい。
・ 上記実施形態において中空シート材10を成形する際の熱可塑性樹脂として、各種機能性樹脂を添加したものを使用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂を添加することにより、難燃性を高めることが可能である。また、タルクや無機材料等を混ぜて比重を大きくすることも可能である。コア層20、スキン層30、40のすべてに対して各種機能性樹脂を添加したものを使用することも可能であり、また、コア層20、スキン層30、40の少なくともいずれかに対して使用することも可能である。
・ 上記実施形態においてスキン層30、40が多層構造をなしていてもよい。例えば、スキン層30、40が比較的溶融温度の低い接着層と難燃性等の機能が付加された機能層とを有していてもよい。この場合、例えば、コア層20や金属板50、60と接合される側に接着層を配置しておくことが好ましい。
・ 中空シート材10と金属板50、60との間に他の層が介在されていてもよい。例えば、中空シート材10の上面に不織布が接合され、その不織布の上面に上側金属板50が接合されていてもよい。この場合、不織布も中空シート材10を構成する層である。また、金属板50、60の上面に、他の層(例えば不織布)が接合されていてもよい。
・ 上記実施形態において各金属板50、60が、金属製の金属層とその金属層の少なくとも一方の面に配置された熱可塑性樹脂製の樹脂層とを有していてもよい。この場合、各加熱板220、230は、各金属板50、60における金属層と面接触するように、各金属板50、60を支持すればよい。また、各加熱板220、230の対向面における加熱温度は、各金属板50、60における樹脂層が軟化できる温度に設定すればよい。このように各金属板50、60側にも樹脂層を設けることで、中空シート材10と各金属板50、60との接合強度を高めることができる。また、各金属板50、60に樹脂層を設ける場合、その樹脂層の材質として、中空シート材10を構成する樹脂材料よりも低い温度で溶融する樹脂材料を採用してもよい。
・ 各金属板50、60を支持、移動させる構成は、支持板210に限らない。例えば、一対の金属板50、60の上部を挟み込んで支持するクランプ部材や、磁力により支持するマグネット部材を採用してもよい。また、例えば、各金属板50、60に凹部や孔を形成しておき、この凹部や孔にピンを嵌め合わせて支持してもよい。また、例えば各金属板50、60を移動させずに固定しておき、代わりに加熱板220や中空シート材10を移動させてもよい。
・ 一対の加熱板220、230で、各金属板50、60を支持した状態の支持板210を挟み込んだ際に、支持板210における空気の吸引を停止し、各加熱板220、230における空気の吸引を開始するようにしてもよい。この場合には、一対の加熱板220、230で各金属板50、60を支持した状態の支持板210を挟み込んだ後、速やかに各金属板50、60が各加熱板220に、230受け渡されることになる。
・ 支持板210及び一対の加熱板220、230に形成されるエアー吸引孔の構成は、各金属板50、60を支持できるのであれば、どのようなものであっても構わない。なお、エアー吸引孔の大きさ(径)を小さくすることで、各金属板50、60にエアー吸引孔の痕がつくことを抑制できる。
・ 一対の金属板50、60を加熱する方法は上記実施形態のものに限らない。例えば、バーナーやオーブンで加熱してもよいし、IHヒータで加熱してもよい。この場合、例えば、加熱した後の各金属板50、60を、支持板210で支持、移動させて、中空シート材10の外面に面接触させるようにしてもよい。
・ 一対のプレス板240で挟み込んでプレスする工程がなくても、十分な接合強度や各金属板50、60表面の平坦性が確保できるならば、このようなプレス工程は省略できる。積層構造体として求められる接合強度や美観を勘案して、プレス工程の有無を決めればよい。
・ 上記実施形態の説明に用いた図5では、支持板210や加熱板220、230等を鉛直方向に沿って立設されたように描いたが、これはあくまでも例示である。一対の支持板210や加熱板220、230の配置は自由に決定でき、例えば、これらを水平方向に沿って寝かせて配置してもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術思想を以下に記載する。
・ 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材の両面に接合された金属板を備える積層構造体であって、前記金属板が接合された面の少なくとも一方の面には熱変形された凹部が形成され、前記凹部では、前記中空シート材の柱形状のセルが薄肉化している。
・ 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材に金属板を熱溶着で接合する積層構造体の製造方法であって、前記金属板に凹部を形成するプレス工程と、凹部が形成された金属板を加熱する加熱工程と、加熱状態の金属板を前記中空シート材の表面に配置して、金属板の熱で当該金属板を中空シート材に熱溶着で接合する熱溶着工程とを有する。
10…中空シート材、11…塑造凹部、20…コア層、30、40…スキン層、50、60…金属板(金属部材)、51…金属凹部、70…凹部、73…孔、90…持ち手(金属部材)、R…樹脂溜まり、S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、210…支持板、220、230…加熱板、240…冷却板。

Claims (7)

  1. 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材に接合された金属板とを備える積層構造体であって、
    前記中空シート材は、複数の前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端縁で前記セルを閉塞する一対の閉塞壁を備え、
    前記中空シート材には塑造凹部が形成されているとともに、前記金属板には前記塑造凹部に接合された金属凹部が形成されており、
    前記塑造凹部では、該塑造凹部が形成されていない部分に比べて一対の前記閉塞壁の間隔が狭くなるとともに、一対の前記閉塞壁の間に前記中空シート材を構成する熱可塑性樹脂からなる樹脂溜まりが形成されており、
    前記樹脂溜まりの間には、前記塑造凹部が形成されていない部分での前記セルの内部空間より狭い隙間が形成されていることを特徴とする積層構造体。
  2. 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材に接合された金属板とを備える積層構造体であって、
    前記中空シート材は、複数の前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端縁で前記セルを閉塞する一対の閉塞壁を備え、
    前記中空シート材には塑造凹部が形成されているとともに、前記金属板には前記塑造凹部に接合された金属凹部が形成されており、
    前記塑造凹部では、該塑造凹部が形成されていない部分に比べて一対の前記閉塞壁の間隔が狭くされて一対の前記閉塞壁の間に前記中空シート材を構成する熱可塑性樹脂からなる樹脂溜まりが形成されているとともに、前記塑造凹部が形成されていない部分に比べて複数の前記側壁部が互いに同じ方向に傾斜するように変形しており、
    前記樹脂溜まりの間には、前記塑造凹部が形成されていない部分での前記セルの内部空間より狭い隙間が形成されていることを特徴とする積層構造体。
  3. 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材に接合された金属板とを備える積層構造体であって、
    前記中空シート材は、複数の前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端縁で前記セルを閉塞する一対の閉塞壁を備え、
    前記中空シート材には塑造凹部が形成されているとともに、前記金属板には前記塑造凹部に接合された金属凹部が形成されており、
    前記塑造凹部では、該塑造凹部が形成されていない部分に比べて一対の前記閉塞壁の間隔が狭くされて一対の前記閉塞壁の間に前記中空シート材を構成する熱可塑性樹脂からなる樹脂溜まりが形成されているとともに、前記塑造凹部が形成されていない部分に比べて複数の前記側壁部が互いに異なる方向に傾斜するように変形しており、
    前記樹脂溜まりの間には、前記塑造凹部が形成されていない部分での前記セルの内部空間より狭い隙間が形成されていることを特徴とする積層構造体。
  4. 前記金属凹部及び前記塑造凹部には、孔が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層構造体。
  5. 前記金属凹部及び前記塑造凹部は複数形成され、前記金属板が接合された面が波状となっている請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層構造体。
  6. 内部に柱形状のセルが複数並設された熱可塑性樹脂製の中空シート材と、前記中空シート材に接合された金属部材とを備えるとともに、凹部が形成された積層構造体の製造方法であって、
    金属板をプレスして金属凸部を形成するプレス工程と、加熱された前記金属凸部で前記中空シート材を押圧して前記中空シート材に塑造凹部を形成する押圧工程を備え、
    前記押圧工程では、前記金属凸部を前記塑造凹部に接合して前記凹部を形成することを特徴とする積層構造体の製造方法。
  7. 前記押圧工程では、加熱された前記金属凸部により、前記中空シート材を構成する熱可塑性樹脂を熱溶融させて該中空シート材内に樹脂溜まりを形成する請求項6に記載の積層構造体の製造方法。
JP2016088518A 2015-12-17 2016-04-26 積層構造体及び積層構造体の製造方法 Active JP6755543B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016088518A JP6755543B2 (ja) 2016-04-26 2016-04-26 積層構造体及び積層構造体の製造方法
US15/377,983 US10442171B2 (en) 2015-12-17 2016-12-13 Lamination structure and a method for manufacturing the same
CN202010376430.9A CN111516316A (zh) 2015-12-17 2016-12-14 层叠结构体及其制造方法
CN201611152260.6A CN107031142B (zh) 2015-12-17 2016-12-14 层叠结构体及其制造方法
US16/102,285 US20180361725A1 (en) 2015-12-17 2018-08-13 Lamination structure and a method for manufacturing the same
US16/102,300 US10889095B2 (en) 2015-12-17 2018-08-13 Lamination structure and a method for manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016088518A JP6755543B2 (ja) 2016-04-26 2016-04-26 積層構造体及び積層構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017196782A JP2017196782A (ja) 2017-11-02
JP6755543B2 true JP6755543B2 (ja) 2020-09-16

Family

ID=60237017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016088518A Active JP6755543B2 (ja) 2015-12-17 2016-04-26 積層構造体及び積層構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6755543B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6990919B2 (ja) * 2018-03-20 2022-01-12 岐阜プラスチック工業株式会社 中空構造体及びその製造方法
JP7392971B2 (ja) * 2019-09-20 2023-12-06 岐阜プラスチック工業株式会社 中空構造体及びその製造方法
WO2023013611A1 (ja) * 2021-08-02 2023-02-09 岐阜プラスチック工業株式会社 プロテクタ及びプロテクタの製造方法
WO2023013625A1 (ja) 2021-08-05 2023-02-09 MT-Tec合同会社 積層中空成形体

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE792077A (ja) * 1971-11-29 1973-03-16 Ici Australia Ltd
JPS59212245A (ja) * 1983-05-17 1984-12-01 凸版印刷株式会社 化粧鋼板パネル及びその製造方法
WO1986005159A1 (en) * 1985-02-27 1986-09-12 Johnsen, Harald Crate
US5039567A (en) * 1989-12-04 1991-08-13 Supracor Systems, Inc. Resilient panel having anisotropic flexing characteristics and method of making same
CA2056867A1 (en) * 1990-12-04 1992-06-05 Thermoplastic Products Corporation Process for the preparation of thermoplastic honeycomb sandwich structures
JP2913255B2 (ja) * 1994-04-04 1999-06-28 鋼鈑建材株式会社 ハニカムコア、ハニカムパネルおよびそれらの製造法
JPH10156985A (ja) * 1996-11-28 1998-06-16 Toomoku:Kk 複合プラスチック構造板
JP2001262772A (ja) * 2000-03-23 2001-09-26 Daiken Trade & Ind Co Ltd 多孔パネル及びその製造方法
GB0016149D0 (en) * 2000-06-30 2000-08-23 Short Brothers Plc A noise attenuation panel
JP5898567B2 (ja) * 2012-05-22 2016-04-06 岐阜プラスチック工業株式会社 中空構造体の製造方法、製造装置及び端面封止構造
JP2016153166A (ja) * 2013-06-28 2016-08-25 日産自動車株式会社 中空板
JP6607664B2 (ja) * 2014-06-23 2019-11-20 日産自動車株式会社 自動車の荷室用のパネル材
JP6449022B2 (ja) * 2015-01-13 2019-01-09 岐阜プラスチック工業株式会社 積層構造体、及び積層構造体の端末処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017196782A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6892099B2 (ja) 積層構造体の製造方法
US10889095B2 (en) Lamination structure and a method for manufacturing the same
JP6755543B2 (ja) 積層構造体及び積層構造体の製造方法
KR101783269B1 (ko) 구조체 및 성형품 그리고 그것들의 제조 방법
CN110785281B (zh) 板材
JP5514470B2 (ja) 構造体及び成形品
JP7017227B2 (ja) 板材
JP7204172B2 (ja) 中空板材
JP5514471B2 (ja) 成形品及びその製造方法
JP2024003233A (ja) 中空構造体
JP7398081B2 (ja) 中空構造体
JP7184319B2 (ja) ラゲッジボード
JP6684595B2 (ja) 積層構造体
JP7201200B2 (ja) 防音パネル及びその製造方法
JP7365673B2 (ja) 中空構造体
JP7391358B2 (ja) 中空構造体
WO2019181929A1 (ja) 中空構造体及び中空構造体の製造方法
JP2022168585A (ja) 中空構造体
JP7271007B2 (ja) 中空構造体の製造方法
JP7204178B2 (ja) 中空板材をプレス成形してなるプレス成形品
JPH05318004A (ja) アルミニウム製サンドイッチパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6755543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250