本実施形態のラゲッジボードは、自動車の後部に設けられたラゲッジルームの底面を形成するものである。ラゲッジルームの周縁下方には、支持部が設けられており、ラゲッジボードは、支持部上に載置されて支持されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ラゲッジボード1は、左右対称で左右方向に長い略長方形板状に形成されており、車両後側の後板部2と車両前側の前板部3とがヒンジ部4を介して一体的に接続された形状とされている。ヒンジ部4は、ラゲッジボード1を構成する板材の板厚が薄くされることによって形成されており、ヒンジ部4を回動軸として後板部2を上方に持ち上げると、ラゲッジボード1の下側の空間に保管された工具等を出し入れすることができる。ここで、ラゲッジボード1の前後とは、自動車の進行方向の前後を言うものとし、ラゲッジボード1の左右とは、自動車の進行方向前方に向かって車幅方向の左右を言うものとし、ラゲッジボード1の上下とは、自動車の上下を言うものとする。また、便宜上、図1(b)においてラゲッジボード1の上方に位置する面を上面1a、下方に位置する面を下面1bと言うものとする。本実施形態のラゲッジボード1は、左右対称に形成されていることから、上面1aを上側に向ける使用形態と、下面1bを上側に向ける使用形態を選択して配置可能に構成されており、リバーシブルラゲッジボードとして使用することができる。
図1(b)に示すように、ラゲッジボード1の上面1aは平坦面として形成され、下面1bはヒンジ部4以外の部分は平坦面として形成されている。一般的なラゲッジボードは、自動車内に形成された凹凸形状を吸収するために、その表面に凹凸形状が形成されている場合が多いが、ここでは説明の便宜上、ヒンジ部4以外は平坦面として形成されているものとする。なお、ラゲッジボード1の上面1a及び下面1bが平坦面でなくてもよい。
図2(a)に示すように、ラゲッジボード1は、内部に複数のセルSが並設された略長方形板状のコア層20と、その上下両面に接合された上シート層30及び下シート層40を備えている。上シート層30は、コア層20におけるラゲッジボード1の上面1a側でコア層20全体を覆うように接合された熱可塑性樹脂製のシート層である。下シート層40は、コア層20におけるラゲッジボード1の下面1b側でコア層20全体を覆うように接合された熱可塑性樹脂製のシート層である。コア層20と下シート層40の間には、長方形薄板状の鋼板10が設けられている。
図2(a)及び図3(a)に示すように、コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。以下で説明するように、コア層の上壁部21及び下壁部22は、1層構造と2層構造とが混在した構造とされているが、図2(a)、図3(a)、図3(b)及び図4では、コア層20の上壁部21及び下壁部22を1層構造で示している。
図3(b)及び図3(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図3(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、2層構造の上壁部21には、コア層20成形時の熱可塑性樹脂の熱収縮により、図示しない開口部が形成されている。第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。
一方、図3(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。2層構造の下壁部22には、コア層20成形時の熱可塑性樹脂の熱収縮により、図示しない開口部が形成されている。
また、図3(b)及び図3(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。この2層構造の側壁部23は、コア層20の厚み方向中央部に互いに熱溶着されていない部分を有する。したがって、コア層20の各セルSの内部空間は、2層構造の側壁部23の間を介して他のセルSの内部空間に連通している。なお、図3(b)及び図3(c)では、図示されている複数のセルSのうち、最も左側のセルSに代表して符号を付しているが、他のセルSについても同様である。
図3(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されている。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されている。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
コア層20を構成する熱可塑性樹脂は、従来周知の熱可塑性樹脂であればよく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。本実施形態のコア層20はポリプロピレン樹脂製とされている。
図4に示すように、ラゲッジボード1の下面1b側のコア層20には、鋼板10が接合されている。鋼板10は、図示しない熱可塑性樹脂製の接着層を介してコア層20及び下シート層40に接合されている。本実施形態の接着層は、ポリプロピレン樹脂と相溶性のある樹脂で構成されている。
図1(a)に示すように、鋼板10は、長板状に形成されて、ラゲッジボード1の後板部2及び前板部3にそれぞれ2枚ずつ接合されている。後板部2では、後板部2の前後方向のほぼ中間部で左右方向に延びる1枚の鋼板10と、後板部2の前部で左右方向に延びる1枚の鋼板10が接合されている。後板部2の前後方向のほぼ中間部に接合された鋼板10の長手方向の長さは、後板部2の左右方向の長さより僅かに短く、後板部2の左右両端部の各近傍から設けられている。具体的には、下シート層40の平坦部分であって、後に説明する下シート層40側のR形状の角部42の各近傍から設けられている。鋼板10の接合端縁の位置は、下シート層40の平坦部分とR形状の角部42との境界線から、10mm以内の位置であることが好ましく、5mm以内の位置であることがより好ましく、境界線の位置に鋼板10の接合端縁が位置していることがさらに好ましい。また、後板部2の前後方向のほぼ中間部に接合された鋼板10の幅は、後板部2の前後方向の長さの約1/3程度である。
前板部3では、後板部2の前部から後部近傍に至る位置で左右方向に延びる1枚の鋼板10と、後板部2の後部で左右方向に延びる1枚の鋼板10が接合されている。後板部2の前部から後部近傍に至る位置に接合された鋼板10の長手方向の長さは、前板部3の左右方向の長さより僅かに短く、前板部3の左右両端部の各近傍から設けられている。前板部3の前部から後部近傍に至る位置に接合された鋼板10の左右方向の接合端縁の位置は、後板部2の前後方向のほぼ中間部に接合された鋼板10の左右方向の接合端縁の位置と同様である。前板部3の前部から後部近傍に至る位置に接合された鋼板10の幅は、前板部3の前後方向の長さより少し短く、前端部の近傍から設けられている。
また、後板部2の前部、前板部3の後部に接合された鋼板10は、それぞれヒンジ部4周辺の曲げ強度を向上させるために設けられている。そのため、図1(a)及び図1(b)に示すように、ヒンジ部4の近傍でヒンジ部4に沿うように設けられている。
鋼板10は、例えばアルミニウム合金、鉄合金、銅合金などの金属製の薄板であり、その厚みは0.05mm~0.5mm程度であることが好ましい。本実施形態では、約0.4mmのアルミニウム合金製とされている。後板部2に接合された鋼板10及び前板部3に接合された鋼板は、同一の材質、厚みとされている。
鋼板10が接合された部分では、鋼板10の厚み分、コア層20が押し潰されている。鋼板10の厚みは、コア層20の厚みに比べて僅かであるが、コア層20が鋼板10の厚み分押し潰されていることにより、ラゲッジボード1の下面1b側では、鋼板10が接合されている部分の鋼板10の表面と、鋼板10が接合されていない部分のコア層20の表面とは面一となり、全体が平坦面として形成されている。
図4に示すように、ラゲッジボード1の上面1a側の上シート層30は、接着層34を介してコア層20に接合されている。上シート層30は、ラゲッジボード1の上面1aに意匠性を付与するためのシート層である。上シート層30の厚みは、0.3mm~1.0mm程度であることが好ましく、本実施形態では、約0.5mmとされている。その材質としては、従来周知の合成樹脂、合成皮革、合成繊維、金属、天然皮革、天然繊維等が挙げられる。また、その形態としては、不織布、織物、編物や、合成樹脂シート(例えば、合成樹脂を延伸してなる平滑な延伸シート)、金属シート等が挙げられる。さらに、意匠性を付与する観点から、模様や文字がプリントされていたり、異なる色の繊維で構成されていたりしてもよい。本実施形態の上シート層30は、ポリプロピレン樹脂製の不織布シートとされており、接着層34は、ポリプロピレン樹脂と相溶性のある樹脂で構成されている。
図4に示すように、ラゲッジボード1の下面1b側の下シート層40は、接着層44を介して鋼板10又はコア層20に接合されている。本実施形態の下シート層40は、樹脂フォーム材からなるフォーム層45と、ラゲッジボード1の下面1bに意匠性を付与するための意匠層46の2層構造をなしている。
フォーム層45は、ラゲッジボード1の下面1bに柔らかさを付与する層である。また、フォーム層45は、ラゲッジボード1の下面1bの意匠性を向上させる機能も有する。コア層20は、内部に複数のセルSが並設された中空板状であるため、側壁部23が存在する部分と存在しない部分とが混在し、コア層20の下壁部22に直接意匠層46が接合されていると、側壁部23の状況が意匠層46表面に表れる場合がある。この点、フォーム層45を介して意匠層46が接合されていると、側壁部23の状況が意匠層46表面に表れにくく、ラゲッジボード1の意匠性を良好なものとすることができる。
フォーム層45の厚みは、1.0mm~3.0mm程度であることが好ましく、本実施形態では、約2.0mmとされている。その材質としては、従来周知の樹脂発泡体が挙げられる。例えば、ポリプロピレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム等であり、本実施形態では、ポリプロピレンフォームとされている。
意匠層46は、上シート層30と同様、ラゲッジボード1の下面1bに意匠性を付与するための層である。その厚みは、0.3mm~4.0mm程度であることが好ましく、0.3mm~1.0mmであることがより好ましい。本実施形態では、約0.5mmとされている。その材質としては、従来周知の合成樹脂、合成皮革、合成繊維、金属、天然皮革、天然繊維等が挙げられる。また、その形態としては、不織布、織物、編物や、合成樹脂シート(例えば、合成樹脂を延伸してなる平滑な延伸シート)、金属シート等が挙げられる。意匠性を付与する観点から、模様や文字がプリントされていたり、異なる色の繊維で構成されていたりしてもよい。金属シートの場合、表面にスチレン系の塗料や樹脂フィルムを貼ったカラー鋼板であってもよい。意匠層46が合成樹脂製の場合、従来周知の熱可塑性樹脂であることが好ましく、中でもポリオレフィン樹脂であることが好ましい。本実施形態の意匠層46は、ポリプロピレン樹脂製の延伸シートとされており、ラゲッジボード1の下面1bの表面は、表面粗さが細かい平滑面となっている。また、本実施形態の接着層44は、ポリプロピレン樹脂と相溶性のある樹脂で構成されている。
本実施形態のラゲッジボード1では、上面1a側に接合された上シート層30が、約0.5mmの厚みのポリプロピレン樹脂製の不織布シートで構成されている。また、下面1b側に接合された下シート層40が、約2.0mmの厚みのポリプロピレンフォーム製のフォーム層45と、約0.5mmの厚みのポリプロピレン樹脂製の延伸シートである意匠層46で構成されている。つまり、上シート層30の厚みは約0.5mmであり、下シート層40の厚みは約2.5mmであり、ともにポリプロピレン樹脂製である。そのため、ラゲッジボード1の下面1b側に接合された2層構造の下シート層40の熱収縮率が、上面1a側に接合された1層構造の上シート層30の熱収縮率より大きい。したがって、鋼板10は、熱収縮率が大きい下シート層40とコア層20との間に接合されていることになる。
図2(a)に示すように、ラゲッジボード1のすべての端部では、コア層20は、後に説明する成形工程において熱収縮されて、収縮部分20aが形成されている。ラゲッジボード1のすべての端部では、上面1a側の上シート層30は、コア層20の収縮部分20aに向かって下方に曲げられている。また、下面1b側の下シート層40も同様に、ラゲッジボード1のすべての端部で、コア層20の収縮部分20aに向かって上方に曲げられている。そして、上シート層30の端縁31と下シート層40の端縁41は、コア層20の収縮部分20aを間に挟んで突き合わされた状態とされている。
図2(b)に示すように、上シート層30が下方に曲げられた部分は、ラゲッジボード1における上側の端面33を形成し、下シート層40が上方に曲げられた部分は、ラゲッジボード1における下側の端面43を形成している。そのため、コア層20の端縁では、上シート層30の端面33と下シート層40の端面43とでコア層20が封止されており、端面33、43、及びコア層20の収縮部分20aにより、ラゲッジボード1の端面1cが形成されている。
図2(b)に示すように、ラゲッジボード1の上面1a側の上シート層30が曲げられた部分である角部32はR形状とされており、その曲率は1~5程度である。上シート層30の端面33は、R形状の角部32より端縁31側の部分であり、ラゲッジボード1の上面1aに対して急な傾斜角度の斜面として形成されている。上シート層30の上面1aに対する端面33の傾斜角度θ1は、70゜以上であることが好ましく、80゜以上であることがより好ましく、85゜以上であることがさらに好ましい。
また、ラゲッジボード1の下面1b側の下シート層40が曲げられた部分である角部42はR形状とされており、その曲率は1~5程度である。下シート層40の端面43は、R形状の角部42より端縁41側の部分であり、ラゲッジボード1の下面1bに対して急な傾斜角度の斜面として形成されている。下シート層40の下面1bに対する端面43の傾斜角度θ2は、70゜以上であることが好ましく、80゜以上であることがより好ましく、85゜以上であることがさらに好ましい。
ラゲッジボード1の上面1a側の端面33、下面1b側の端面43がそれぞれ急斜面として形成されているため、ラゲッジボード1は、ラゲッジルームの周縁下方に設けられた支持部上に安定して支持される。また、リバーシブルラゲッジボードとして上面1a及び下面1bのどちらを上側にして配置しても、支持部上に安定して支持される。
本実施形態のラゲッジボード1の作用について説明する。
ラゲッジボード1は、後板部2と前板部3がヒンジ部4を介して一体的に接続された形状をなしている。ラゲッジボード1をラゲッジルームの周縁下方に設けられた支持部上に載置すると、ラゲッジボード1がラゲッジルームの底部を構成し、ラゲッジボード1の上が荷物の収容空間を構成する。また、ラゲッジボード1の後板部2を、ヒンジ部4を回動軸として上方に回動させれば、ラゲッジボード1の下側の空間に保管された工具等を出し入れすることができ、ラゲッジボード1は、工具等の保管空間の仕切壁として機能する。
ラゲッジボード1は、左右対称の略長方形板状に形成されており、上面1aを上側に向ける使用形態と、上下反転させることで下面1bを上側に向ける使用形態を選択して配置することができる。そのため、ラゲッジボード1は、リバーシブルなラゲッジボードとして機能する。また、上面1aの表面には、不織布シートとしての上シート層30が表れており、下面1bの表面には、延伸シートとしての意匠層46が表れている。そのため、上シート層30を上側に向けたときと、意匠層46を上側に向けたときとで、ラゲッジルーム内のイメージを変化させることができる。
下シート層40の熱収縮率は、上シート層30の熱収縮率より大きく、下シート層40とコア層20との間には、鋼板10が接合されている。上シート層30と下シート層40の熱収縮率が異なると、ラゲッジボード1が高温に晒されたような場合に、反りが発生する場合がある。本実施形態のラゲッジボード1では、熱収縮率の大きい下シート層40が相対的に熱収縮されやすく、下シート層40側が凹状となる反りが発生する場合がある。下シート層40側に接合された鋼板10は、ラゲッジボード1を補強するように作用し、ラゲッジボード1の反りが抑制される。鋼板10はラゲッジボード1の後板部2及び前板部3で、左右両端部の各近傍から設けられているため、ラゲッジボード1の左右方向である長手方向が効果的に補強され、反りが効果的に抑制される。また、後板部2では、鋼板10の幅は、後板部2の前後方向の長さの約1/3程度であるため、後板部2の前後両端部の近傍から鋼板10が設けられている場合に比べて、ラゲッジボード1の重量化が抑制される。
ラゲッジボード1の端縁では、上シート層30の端面33と下シート層40の端面43によってコア層20が封止されており、中空板材であるコア層20内にゴミや埃等が入ることが抑制される。さらに、端面33、43の傾斜角度θ1、θ2は、それぞれ70゜以上であるため、ラゲッジルームの周縁下方に設けられた支持部との間に隙間が形成されにくく、また、支持部とラゲッジボード1との接地面積が増えるため、ラゲッジボード1が支持部上に安定して支持される。
次に、ラゲッジボード1を製造する方法を、図5及び図6に従って、その作用とともに説明する。ラゲッジボード1を製造する方法は、コア層20を形成する工程、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を加熱する加熱工程、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を接合する接合工程、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を成形して中間体60を得る成形工程、中間体60の端面の形状を整えてラゲッジボード1を得る後加工工程に分けることができる。本実施形態では、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を接合する接合工程と、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を成形して中間体60を得る成形工程とを同時に行っている。
先ず、コア層20を形成する工程について説明する。コア層20は、第1シート材100を折り畳むことによって形成される。
図5(a)に示すように、第1シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成されている。第1シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、第1シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、第1シート材100は、真空成形法や収縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
図5(a)及び図5(b)に示すように、上述のように構成された第1シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20が形成される。具体的には、第1シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に収縮する。そして、図5(b)及び図5(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。
上記のように第1シート材100を収縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図5(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部23となる。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、第1シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
次に、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を加熱する加熱工程について説明する。
図6(a)に示すように、まず、ラゲッジボード1に使用するコア層20として、先に製造したコア層20を、ラゲッジボード1より大きな形状に切断したものを準備する。例えば、ラゲッジボード1の大きさより、長手方向及び短手方向にそれぞれ50mm程度大きな長方形状に切断したものを準備する。なお、図6では、コア層20の中空構造を省略して示している。また、図6では、図1(a)のβ‐β線断面図に対応する部分を模式図として示している。
鋼板10は、所定の大きさに切断したものを準備する。鋼板10の両面には、熱可塑性樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン樹脂)製の接着層がコーティングされている。図6では、ラゲッジボード1に使用する鋼板10として、ラゲッジボード1の後板部2に使用する1枚の鋼板10のみを示している。また、以下の説明でも、ラゲッジボード1の後板部2に鋼板10を接合する場合について説明する。実際には、前板部3についても全ての工程を後板部2と同時に行う。
ラゲッジボード1に使用する上シート層30及び下シート層40は、ラゲッジボード1より大きな形状、具体的にはコア層20と同程度の大きさに切断する。上シート層30の一方の面には、ポリプロピレン樹脂製の接着層34が積層されている。また、下シート層40の一方の面には、ポリプロピレン樹脂製の接着層44が積層されている。
図6(b)に示すように、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40をそれぞれ加熱する。コア層20を加熱する場合には、所定温度に設定された加熱炉71内にコア層20を入れて、所定時間保持する。また、鋼板10を加熱する場合には、所定温度に設定された加熱炉72内に鋼板10を入れて、所定時間保持する。上シート層30、及び下シート層40も同様に、所定温度に設定された加熱炉73内に上シート層30、及び下シート層40を入れて、所定時間保持する。加熱炉71、72、73内の温度は、コア層20、上シート層30、及び下シート層40を構成する熱可塑性樹脂(ポリプロピレン樹脂)が溶融する程度に設定されている。また、鋼板10を加熱する加熱炉72内の温度が、コア層を加熱する加熱炉71内の温度、上シート層30、及び下シート層40を加熱する加熱炉73内の温度より高く設定されている。
本実施形態では、加熱工程において、加熱炉71内に保持されたコア層20の表面温度が、部位によって異なるように調整している。これは、コア層20の表面に、部分的に遮蔽材を設置することによって行う。遮蔽材には孔が形成されており、孔の大きさや数を調整することによって、遮蔽材を設置した部分の表面温度が、加熱炉71内の温度より低くなるよう調整することができる。なお、表面温度の調整は、孔が形成された遮蔽材に限らず、孔が形成されていない遮蔽材を設置することによって行ってもよい。
次に、遮蔽材を設置することによりコア層20の表面温度を調整する方法について説明する。コア層20は、ラゲッジボード1より大きな形状に切断してあることから、最初に切断されたコア層20の端部を除いた部分が、各工程を経て製造されるラゲッジボード1に対応する。切断されたコア層20において、各工程を経て製造されるラゲッジボード1に対応する部分には、遮蔽材を設置する一方で、その他の部分には、遮蔽材を設置しない。こうすることにより、加熱炉71内での加熱温度に対して、ラゲッジボード1に対応する部分の表面温度を相対的に低く調整し、その他の部分の表面温度を加熱炉71内の加熱温度と同程度に調整することができる。その他の部分とは、後に説明する中間体60の収縮部分61に対応する部分である。なお、ラゲッジボード1のヒンジ部4に対応する部分でも、その表面温度を相対的に高く調整し、後に説明する成形工程では、熱収縮された形状のヒンジ部4を成形するが、ここでは、ヒンジ部4の成形についての具体的な説明は省略する。
次に、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を接合する接合工程、及びコア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を成形して中間体60を得る成形工程について説明する。
図6(c)に示すように、接合工程及び成形工程に使用する金型は、上型51及び下型52を備えている。本実施形態の上型51及び下型52は、全体が加熱されることなく常温に保持されている。
下型52に形成された凹部52aは、上面視略長方形状をなし、その長手方向の長さは、ラゲッジボード1の長手方向(左右方向)の長さとほぼ同一とされ、その短手方向の長さは、ラゲッジボード1の短手方向(前後方向)の長さとほぼ同一とされている。また、凹部52aの深さは、ラゲッジボード1の厚みの約半分とされている。凹部52aは、後に説明する成形工程において、ラゲッジボード1を成形するための部分である。なお、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40の熱収縮を考慮して、凹部52aの大きさを設定することが好ましい。以下、同様である。
上型51に形成された凹部51a、51bは、上面視略長方形環状をなしている。凹部51aの深さは、ラゲッジボード1の厚みの約半分とされている。また、凹部51bの深さは、後に説明する中間体60の収縮部分61の厚みとほぼ同一とされている。凹部52aは、後に説明する成形工程において、ラゲッジボード1を成形するための部分であり、凹部51bは、中間体60の収縮部分61を成形するための部分である。つまり、上型51及び下型52を型締めしたときに、凹部51a及び凹部52aでラゲッジボード1に対応する大きさの空間を形成し、凹部51bは凹部51a及び凹部52aの外縁より外方に位置する。
図6(c)に示すように、まず、加熱されたコア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を、下から、下シート層40、鋼板10、コア層20、及び上シート層30の順に、下型52の凹部52aの上に載置する。つまり、下型52の凹部52aの上に、ラゲッジボード1とは上下を逆にして載置する。コア層20、上シート層30、及び下シート層40は、ラゲッジボード1より大きな長方形状に切断されていることから、凹部52aの上に載置した状態では、長手方向両端部及び短手方向両端部が凹部52aから外方に突出した状態となる。
また、先の加熱工程では、切断されたコア層20の表面温度を、ラゲッジボード1に対応する部分とその他の部分とで異ならせていることから、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を載置する際には、コア層20の表面温度に応じて、金型51、52に対して位置決めする。具体的には、ラゲッジボード1に対応する部分として表面温度を調整した部分を、凹部51a及び凹部52aの位置に合わせ、その他の部分、つまり、中間体60の収縮部分61に対応する部分として加熱炉71内の加熱温度と同程度とした部分を凹部51bに合わせる。このように、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40の位置決めは、上型51及び下型52を型締めしたときに形成される上型51と下型52の間の空間の高さに応じてなされ、空間の高さが高い凹部51a及び凹部52aの部分には、先の加熱工程で相対的に低い表面温度に調整された部分を配置し、空間の高さが低い凹部51bの部分には、先の加熱工程で相対的に高い表面温度とされた部分を配置する。裏返せば、加熱工程では、型締め時の上型51と下型52の間の空間の高さに応じて、コア層20の表面温度を調整することになる。
コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を下型52の上に載置した状態では、加熱された鋼板10の両面にコーティングされた接着層の熱可塑性樹脂が一部熱溶融された状態となっている。また、上シート層30に積層された接着層34、下シート層40に積層された接着層44の熱可塑性樹脂が一部熱溶融された状態となっている。そのため、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40は、下型52の上で仮接合された状態で位置決めされる。
続いて、図6(d)に示すように、上型51を下型52に向けて下降させて型締めして、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40をプレスすることにより接合工程と成形工程を同時に行う。上型51及び下型52には図示しない吸引孔が複数形成されており、型締め時にはコア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を吸引することで、金型51、52内部に位置決め状態で密着させることができる。プレス時の圧力、プレス時間は、適宜設定すればよい。
本実施形態の加熱工程では、鋼板10を加熱する加熱炉71内の温度が、コア層20を加熱する加熱炉71内の温度及び上シート層30と下シート層40を加熱する加熱炉73内の温度より高く設定されている。そのため、型締めしたときには、鋼板10の両面の接着層が熱溶融するとともに、鋼板10の熱がコア層20、上シート層30、及び下シート層40に伝搬して、熱可塑性樹脂の一部が熱溶融している。その結果、上型51及び下型52の型締めによって、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40が接合され、鋼板10が接合された部分のコア層20は鋼板10の厚み分押し潰されている。
また、このとき、コア層20の第1セルS1の2層構造の上壁部21、及び第2セルS2の2層構造の下壁部22には、開口部が形成され、コア層20の厚み方向中央部には、側壁部23が互いに熱溶着されていない部分を有することから、コア層20と、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40との間の空気が、コア層20の上壁部21、下壁部22の開口部や、コア層20内の隙間から抜けやすくなる。そのため、空気溜まりの発生が抑制され、コア層20と、鋼板10及びシート層30、40との接合強度が向上する。
図6(d)に示すように、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40は、上型51及び下型52の内面形状、すなわち、凹部51a、51b、52aの形状に成形されて中間体60となる。
図6(c)に示すように、上型51の凹部51bは、凹部51aより浅く、型締めしたときに対応する位置の下型52には凹部は形成されていない。そのため、この部分は、型締め時の上型51と下型52の間の空間の高さが低い部分となる。この部分では、型締めによって、コア層20を構成する熱可塑性樹脂が溶融してコア層20が熱収縮され、中間体60の収縮部分61が形成される。収縮部分61では、上壁部21、下壁部22、及び側壁部23を構成する熱可塑性樹脂が溶融して一体化した状態となっている。
上型51の凹部51aと下型52の凹部52aでは、型締め時の上型51と下型52の間の空間の高さが高い部分となり、加熱工程において、表面温度が相対的に低くなるように調整された部分が配置されている。この部分では、型締めによって、コア層20を構成する熱可塑性樹脂が溶融せず、コア層20が上下方向に変形することなく、その高さ寸法を維持した形状となる。
型締めによって、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40が下型52の凹部52a内に押し込まれると、上側の上シート層30が下側の下シート層40側に曲げられて、その曲げられた角部32がR形状に形成される。また、下側の下シート層40が上側の上シート層30側に曲げられて、その曲げられた角部42がR形状に形成される。このとき、コア層20、上シート層30、及び下シート層40は、ラゲッジボード1に対応する部分が低い表面温度に調整されており、中間体60の収縮部分61に対応する部分が高い表面温度に調整されているため、上シート層30、下シート層40が曲げられるとき、ラゲッジボード1に対応する部分と、中間体60の収縮部分61に対応する部分との温度差が大きくなる。そのため、熱可塑性樹脂の溶融状態に差ができる。上シート層30に形成される角部32、下シート層40に形成される角部42が、小さなR形状で曲げられることになる。
図6(e)に示すように、下型52から上型51を離間させて中間体60を冷却した後、中間体60を下型52から取り出す。接合工程、成形工程を経て得られた中間体60は、コア層20の上面に上シート層30が接合され、コア層20の下面に鋼板10及び下シート層40が接合され、ラゲッジボード1に相当する大きさ、形状を有する部分の端部全周に亘って収縮部分61が形成された形状となる。本実施形態では、上シート層30と下シート層40の熱収縮率が異なっているため、中間体60が冷却されると、熱収縮率の大きい下シート層40が相対的に熱収縮されやすく、下シート層40側が凹状となるように反ろうとする。この点、下シート層40とコア層20との間には鋼板10が接合されているため、下シート層40の熱収縮が抑制され、中間体60での反りの発生が抑制される。
中間体60では、上シート層30にはR形状の角部32が形成されるとともに、下シート層40にはR形状の角部42が形成されて、コア層20を側方から覆う端面33、43が形成されている。収縮部分61では、端面33の下端縁と端面43の下端縁から水平方向に延びた上シート層30及び下シート層40の間に、コア層20の収縮部分20aが介在している。
次に、中間体60の端面の形状を整えてラゲッジボード1を得る後加工工程について説明する。
図6(f)に示すように、中間体60に形成された収縮部分61を、図示しない切断冶具で切断する。図2(a)及び図2(b)に示すように、切断された部分では、上シート層30の端縁31と下シート層40の端縁41との間にコア層20の収縮部分20aが介在しており、上シート層30の端面33、下シート層40の端面43、及びコア層20の収縮部分20aによって、ラゲッジボード1の端面1cが形成されている。その後、切断された部分を研磨、塗装等して、端面1cの形状を整える。なお、収縮部分61を切断する切断冶具としてトムソン刃やレーザー等を使用し、研磨、塗装等を行わなくてもよい。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のラゲッジボード1は、上面1a側に接合された上シート層30と、下面1b側に接合された下シート層40の熱収縮率が異なっており、熱収縮率の大きい下シート層40とコア層20の間には、鋼板10が接合されている。そのため、熱収縮率の違いによる反りの発生が抑制され、ラゲッジボード1の外観形状の低下が抑制される。また、ラゲッジルームの周縁下方に設けられた支持部上でのラゲッジボード1のがたつきの発生が抑制される。
(2)鋼板10は、略長方形板状に形成されたラゲッジボード1の後板部2及び前板部3において、長手方向のほぼ全長に亘って連続的に設けられている。そのため、ラゲッジボード1の剛性が向上し、ラゲッジボード1を効果的に補強することができる。ラゲッジボード1に反りが発生することを抑制することができる。また、ラゲッジボード1上に重量物を置いたとしても、ラゲッジボード1の撓みが抑制される。
(3)鋼板10は、ラゲッジボード1の前板部3では、前後方向の全長に亘って設けられている一方、後板部2では、前後方向のほぼ中間部に、前後方向の長さの約1/3程度の長さで設けられている。そのため、鋼板10をラゲッジボード1の全体に接合する場合に比べて、ラゲッジボード1を軽量化することができ、ひいては自動車の軽量化に寄与することができる。
(4)鋼板10は、その厚みが0.05mm~数mm程度の薄板状とされている。そほため、鋼板10で補強していても、ラゲッジボード1全体の重さが重くなることが抑制される。
(5)本実施形態のラゲッジボード1は、左右対称に形成され、上面1a側に接合された上シート層30と下面1b側に接合された下シート層40(意匠層46)の構成が異なっている。上シート層30は、ポリプロピレン樹脂製の不織布シートであり、意匠層46は、ポリプロピレン樹脂製の延伸シートである。そのため、上面1aを上方に向けて配置する使用形態と、下面1bを上方に向けて配置する使用形態とを選択可能なリバーシブルラゲッジボードとして使用することができる。また、それぞれの使用形態で、ラゲッジルーム内のイメージを変化させることができる。
(6)本実施形態のラゲッジボード1は、上シート層30が不織布シートであり、意匠層46が延伸シートである。上シート層30の表面粗さが粗い一方、意匠層46の表面粗さは細かい。そのため、ラゲッジルームの使用態様に合わせて、ラゲッジボード1の使用形態を選択することができる。例えば、通常は不織布シートである上シート層30を上方へ向けて使用し、アウトドア用品等の汚れが付着したものを収容する場合には、下シート層40を上方へ向けて使用する。この場合、下シート層40の意匠層46は、表面が平滑な延伸シートであるため、汚れが付着したとしても拭き取りやすい。ラゲッジボード1の利便性が向上する。
(7)本実施形態のラゲッジボード1は、その端面1cが、上シート層30の端面33、コア層20の収縮部分20a、及び下シート層40の端面43で形成され、コア層20は、上シート層30の端面33と下シート層40の端面43とで封止されている。そのため、コア層20内に並設されたセルS内にゴミや埃等が入ることが抑制される。
(8)本実施形態のラゲッジボード1は、上シート層30の端面33の傾斜角度θ1及び下シート層40の端面43の傾斜角度θ2が、それぞれ70゜以上であり、端面33、43は急斜面として形成されている。そのため、ラゲッジルームの周縁下方に設けられた支持部を小型化しても、ラゲッジボード1は支持部に対して安定して支持されることができる。また、支持部とラゲッジボード1との接地面積が増えることによっても、ラゲッジボード1は安定して支持されることができる。さらに、ラゲッジボード1と支持部との間にゴミや埃等が溜まりにくい。
(9)本実施形態のラゲッジボード1は、その端面1cは、上シート層30の端縁31と下シート層40の端縁41とが、コア層20の収縮部分20aを挟んで突き合わされている。コア層20の収縮部分20aは、コア層20を構成する熱可塑性樹脂が溶融して冷却固化することにより、上壁部21、下壁部22、及び側壁部23が一体化された塊状となっている。そのため、端面1cの剛性が向上し、ラゲッジボード1は支持部に対して安定して支持されることができる。
(10)ラゲッジボード1の端部では、コア層20の端部側1列目のセルS及び端部側2列目のセルSが厚み方向に収縮されている一方、端部側3列目のセルSは収縮されておらず、その側壁部23は立設状態を維持している。そのため、端部でもコア層20のハニカム構造が維持されて、その強度が保持されている。
(11)ラゲッジボード1を製造する際には、まず、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を加熱工程であらかじめ加熱した後、下型52上に載置する。このとき、鋼板10の両面にコーティングされた熱可塑性樹脂製の接着層、上シート層30に積層された熱可塑性樹脂製の接着層34、下シート層40に積層された熱可塑性樹脂製の接着層44は、熱溶融された状態となっている。そのため、コア層20、鋼板10、上シート層30及び下シート層40がそれぞれ仮接合された状態となり、コア層20に対して、鋼板10、上シート層30及び下シート層40を精度よく位置決めすることができる。
(12)加熱工程では、コア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40をそれぞれ別個の加熱炉71、72、73で加熱している。そのため、各部材の温度調整、温度管理がしやすい。また、各部材を均質な温度に加熱することができる。
(13)加熱炉71、73から取り出したコア層20、上シート層30、及び下シート層40は、温度低下によって熱可塑性樹脂が熱収縮しようとする。特に、下シート層40は、上シート層30より熱収縮率が大きいため熱収縮しやすい。接合工程、成形工程において、あらかじめ、線膨張率が小さい鋼板10を下シート層40側に載置して位置合わせすることにより、下シート層40の熱収縮が抑制される。そのため、上型51及び下型52に対する転写が良好となり、ラゲッジボード1を精度よく成形することができる。また、端面1cの傾斜角度θ1、θ2を急な角度に形成することができる。
(14)本実施形態では、金型51、52でのプレス成形により、接合工程と成形工程とを同時に行っている。工程が簡略化され、作業性、コスト面において有利である。
(15)金型51、52には、吸引孔が複数形成されている。そのため、型締め時にはコア層20、鋼板10、上シート層30、及び下シート層40を、金型51、52内部に位置決め状態で密着させることができ、金型51、52の内部空間の形状に沿うように成形することができる。
(16)本実施形態の加熱工程では、遮蔽材を設置することにより、コア層20の表面温度が部位によって異なるように調整している。そのため、その後に続く接合工程、成形工程において、金型51、52を加熱することなく、一度のプレス成形により、収縮部分61が形成された中間体60を成形することができる。工程が簡略化され、作業性、コスト面において有利である。
(17)加熱工程で遮蔽材を設置することにより、コア層20において、上型51の凹部51aに位置合わせする部分と、上型51の凹部51bに位置合わせする部分との温度差を大きくしている。そのため、コア層20が収縮された部分(収縮部分61)と収縮されない部分との境界を明瞭にすることができる。
(18)加熱工程で遮蔽材を設置することにより、コア層20において、ラゲッジボード1全体に対応する部分と、その端面1cに対応する部分との温度差を大きくしている。そのため、上シート層30の角部32のR、下シート層40の角部42のRを小さくすることができ、また、上シート層30の端面33の傾斜角度θ1、下シート層40の端面43の傾斜角度θ2を大きく形成することができる。
上記実施形態は、次のように変更できる。なお、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて適用することができる。
・ 本実施形態のラゲッジボード1は、上シート層30が不織布シートであり、下シート層40の意匠層46が延伸シートである。これに限らず、その材質としては、従来周知の合成樹脂、合成皮革、金属、天然皮革、天然繊維等から適宜選択することができ、また、その形態としては、不織布、織物、編物や、合成樹脂を延伸してなる平滑な延伸シート、金属シート等から適宜選択することができる。上シート層30と下シート層40が同じ材質、同じ形態であってもよく、少なくともいずれかが異なっていてもよい。上シート層30と下シート層40の熱収縮率が異なっていれば、その構成は特に限定されない。
・ 本実施形態のラゲッジボード1では、補強部として、下シート層40とコア層20の間に鋼板10を接合したが、補強部の構成はこれに限定されない。例えば、図7(a)に示すように、コア層20内に複数の金属棒材80を圧入してもよい。例えば、ラゲッジボード1の後板部2では、後板部2の左右方向のほぼ全長に亘って連続的に延びる金属棒材80を、前後方向に所定間隔をあけて複数本圧入する。また、ラゲッジボード1の前板部3でも、前板部3の左右方向のほぼ全長に亘って連続的に延びる金属棒材80を、前後方向に所定間隔をあげて複数本圧入する。金属棒材80は、上記実施形態の加熱工程における鋼板10と同様に加熱し、コア層20、上シート層30及び下シート層40の接合に先立って、コア層20内に圧入する。加熱工程において加熱されたコア層20に、加熱された金属棒材80を圧入することにより、コア層20を形成する熱可塑性樹脂が熱溶融し、コア層20のセルSを貫通するように金属棒材80がコア層20の上壁部21と下壁部22の間に圧入される。
金属棒材80の断面形状は特に限定されず、図7(a)に示すような断面円形状の棒材以外にも、H鋼、L鋼、或いは断面コ字状の棒材であってもよい。
なお、金属棒材80を圧入した後、金属棒材80の周囲に接着剤を注入してもよい。
・ 補強部としての鋼板10は、熱収縮率の大きい下シート層40側に接合されているが、これに限らず、下シート層40側と上シート層30側の両方に接合してもよい。この場合、上シート層30側の鋼板10と、下シート層40側の鋼板10とで、その厚さ、大きさ、材質等を変えてもよい。
・ ラゲッジボード1の後板部2及び前板部3のそれぞれに1枚の鋼板10を接合したが、鋼板10をそれぞれ複数枚に分割して接合してもよい。
・ 鋼板10の大きさは適宜決定することができる。本実施形態では、後板部2に接合された鋼板10は、その長手方向の長さが、後板部2の左右方向の長さより少し短く、その短手方向の幅が、後板部2の前後方向の長さの約1/3程度である。これに限定されず、長手方向の長さが短くてもよい。この場合、1枚の鋼板10が、後板部2の左右中間部に位置していてもよく、2枚の鋼板10が、後板部2の左右両端部にそれぞれ位置していてもよい。また、短手方向の幅が、後板部2の前後方向の長さより少し短い程度であってもよい。前板部3についても同様である。
・ 補強部としては、鋼板10や金属棒材80等、金属製の部材ではなくてもよい。例えば、図7(b)に示すように、コア層20のセルS内にウレタン等の樹脂材90を注入してもよい。この場合、例えば、コア層20成形時の熱可塑性樹脂の熱収縮により形成された上壁部21の開口部に、ウレタン等の樹脂材90を注入すればよい。これによっても、コア層20が補強されて、ラゲッジボード1に反りが発生することを抑制することができる。
・ 補強部としては、別部材を圧入したり、接合したり、注入したりすることに限らず、上シート層30や下シート層40の構成を変えることによってその機能を持たせてもよい。本実施形態では、下シート層40がフォーム層45と意匠層46の2層構造であり、その厚みが約2.5mmとされる一方、上シート層30は、材質は下シート層40と同様にポリプロピレン樹脂製であり、その厚みは約0.5mmである。例えば、図7(c)に示すように、同じポリプロピレン樹脂製の上シート層30の厚みD1と下シート層40の厚みD2を同じとして、熱収縮率を同等にしてもよい。この場合、厚みD1を厚くした上シート層30が補強部ということになる。
このように、上シート層30或いは下シート層40の厚みを厚くして補強部とする構成は、例えば、上シート層30と下シート層40が異なる材質であって熱収縮率が異なる場合、熱収縮率が小さい方のシート層30、40の厚みを厚くすることによって達成することができる。これによって、両方のシート層30、40の熱収縮率を同等にすることができ、結果的にラゲッジボード1を補強することができる。
・ 熱収縮率の大きい下シート層40にタルク等の補強材を添加してもよい。この場合、フォーム層45及び意匠層46の少なくともいずれかを、補強材を添加した熱可塑性樹脂で成形する。
・ 鋼板10を金属製の薄板で構成したが、鋼板10に代えて、炭素繊維やガラス繊維等の引張弾性率の高い素材を含有してなる繊維強化樹脂製の薄板を接合してもよい。
・ 本実施形態のラゲッジボード1では、鋼板10は、熱収縮率の大きい下シート層40とコア層20との間に接合されているが、下シート層40側に加えて、熱収縮率の小さい上シート層30とコア層20との間に接合されていてもよい。鋼板10を両面に接合することで、ラゲッジボード1の曲げ強度を向上させて、反りを抑制することができる。この場合、下シート層40側と上シート層30側とで鋼板10の大きさを適宜変更して、熱収縮率の違いによる反りを好適に抑制することができる。
・ 本実施形態のラゲッジボード1は、左右対称に形成されて上面1aを上方に向けて配置する使用形態と、下面1bを上方に向けて配置する使用形態を選択可能なリバーシブルラゲッジボードとして使用することができる。その形状は左右対称でなくてもよく、リバーシブルで使用できるものでなくてもよい。
・ 本実施形態のラゲッジボード1は、上面1aが平坦面であり、下面1bがヒンジ部4以外の部分が平坦面である。これに限らず、上面1a、下面1bに凹凸が形成されていてもよい。こうすることで、自動車のラゲッジルームの上方、或いは下方に形成された凹凸形状を吸収することができる。また、孔を形成して、ラゲッジボード1を持ち上げる際の持ち手としてもよい。さらに、収納用の凹部や仕切り等を形成して、例えば屋外で使用できるテーブルの天板に適用してもよい。
・ 本実施形態のラゲッジボード1は、全周に亘って上シート層30が下方に曲げられ、下シート層40が上方に曲げられて、それぞれの端面33、43がコア層20を封止している。これに限らず、上シート層30のみが下方に曲げられて、下シート層40は曲げられることなく、下面1bに対して水平方向に延び、上シート層30の端面33がコア層20を封止していてもよい。また、下シート層40のみが上方に曲げられて、上シート層30は曲げられることなく、上面1aに対して水平方向に延び、下シート層40の端面43がコア層20を封止していてもよい。
なお、本実施形態のラゲッジボード1は、上シート層30が不織布シートであり、下シート層40が平滑な延伸シートであるため、通常は上シート層30を上方に向けるように、つまりラゲッジルーム側に面するように配置して使用する場合が多い。そのため、上シート層30が下方に曲げられてなる端面33より、下シート層40が上方へ曲げられてなる端面43の方が大きく形成されていることが好ましい。言い方を換えれば、上シート層30の端縁31、コア層20の収縮部分20a、下シート層40の端縁41の位置が、上シート層30側に偏倚していることが好ましい。こうすることで、ラゲッジボード1を支持部上に載置したときに、上シート層30の端面33と自動車のボディとの間に形成される隙間を小さくすることができる。ラゲッジボード1を通常使用している場合に、ラゲッジボード1と自動車のボディとの間に埃等が溜まりにくく、美観を損なうことを抑制することができる。
・ ラゲッジボード1の端面1cは、上シート層30の端面33、下シート層40の端面43で封止されるのではなく、上シート層30及び下シート層40とは異なる別部材で封止されていてもよい。また、上シート層30の端面33、下シート層40の端面43で封止された上で、さらに別部材で覆われていてもよい。
・ 上シート層30の端面33の傾斜角度θ1、下シート層40の端面43の傾斜角度θ2は、少なくともいずれかが70゜以上でなくてもよい。より緩やかな傾斜面であってもよい。また、上シート層30の角部32のRの曲率、下シート層40の角部42のRの曲率は、1~5の範囲でなくてもよい。
・ コア層20は、一枚の第1シート材100を折り畳み成形して構成するのに限らない。例えば、複数の帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させて配置してセルの側壁を構成し、これら帯状のシートの上下両側にシート層を配置してセルの上壁及び下壁を構成するようにしてもよい。
・ 本実施形態では、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されているが、セルSの形状は、特に限定されるものでない。例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。また、セルSの形状は、接頭円錐形状であってもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。
・ コア層20は、柱形状のセルSが区画されたものに限らない。例えば、所定の凹凸形状を有するコア層の上下両面にシート層を接合したものであってもよい。このような構成のコア層としては、例えば特開2014-205341号公報に記載のものが挙げられる。また、断面がハーモニカ状のプラスチックダンボール等であってもよい。
・ 本実施形態では、一枚の第1シート材100を折り畳み成形して、コア層20の内部に六角形状のセルSが区画形成されたハニカム構造体としてのコア層20を形成したが、成形方法はこれに限定されない。例えば、特許第4368399号に記載されるように、断面台形状の凸部が複数列設された三次元構造体を順次折り畳んでいくことにより、ハニカム構造体としてのコア層20を形成してもよい。
・ 上シート層30は1層構造、下シート層40は2層構造としたが、積層数は特に限定されない、いずれも1層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
・ コア層20、シート層30、40を構成する熱可塑性樹脂として、各種機能性樹脂を添加したものを使用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂を添加することにより、難燃性を高めることが可能である。コア層20、シート層30、40のすべてに対して各種機能性樹脂を添加したものを使用することも可能であり、また、コア層20、シート層30、40の少なくともいずれかに対して使用することも可能である。
・ 加熱工程における加熱温度は、上記構成に限定されるものではない。コア層20を構成する熱可塑性樹脂の材質、鋼板10を構成する金属の材質、上シート層30及び下シート層40を構成する熱可塑性樹脂の材質、及び、鋼板10にコーティングされた接着層を構成する熱可塑性樹脂の材質、上シート層30に積層された接着層34の材質、下シート層40に積層された接着層44の材質等により適宜設定することができる。
・ 本実施形態の加熱工程では、コア層20、鋼板10、上シート層30及び下シート層40をそれぞれ別個の加熱炉71、72、73内で加熱したが、これに限定されない。例えば、加熱温度の近い鋼板10、上シート層30及び下シート層40を同じ加熱炉内で加熱してもよい。
・ 加熱工程での加熱は、加熱炉71、72、73内での加熱ではなく、開放された環境下での加熱であってもよい。例えば、バーナーで加熱してもよいし、IHヒータで加熱してもよいし、赤外線ヒータで加熱してもよい。
・ 加熱工程の際、コア層20の下面にあらかじめ鋼板10を位置決めした状態で加熱してもよい。こうすることで、コア層20に対して鋼板10が仮接合されて位置決めされ、鋼板10のずれが抑制される。また、接合工程、成形工程の前に、鋼板10によってコア層20の温度低下が抑制され、コア層20の熱収縮が抑制される。金型51、52に対する転写がよくなる。なお、コア層20の上面に鋼板10を載置して位置決めした状態で加熱してもよい。この場合、接合工程、成形工程では、鋼板10が仮接合されたコア層20を、上下反転させて、下型52の凹部52aの上に載置すればよい。
・ 本実施形態の加熱工程では、鋼板10を加熱する加熱炉72内の温度を、コア層を加熱する加熱炉71内の温度、上シート層30及び下シート層40を加熱する加熱炉73内の温度より高く設定したが、加熱炉71、72、73内の温度は、これに限定されない。加熱炉71、72、73内の温度を、すべて、コア層20、上シート層30及び下シート層40を構成する熱可塑性樹脂が溶融する程度の同じ温度としてもよい。この場合であっても、コア層20、鋼板10、上シート層30及び下シート層40を下型52の上に載置した状態では、加熱された鋼板10の両面にコーティングされた接着層の一部、上シート層30に積層された接着層34の一部、下シート層40に積層された接着層44の一部が熱溶融された状態となって、コア層20、鋼板10、上シート層30及び下シート層40が、下型52の上で仮接合された状態で位置決めされる。また、接合工程では、各接着層が熱溶融するとともに、コア層20、上シート層30及び下シート層40を構成する熱可塑性樹脂の一部が熱溶融して、コア層20、鋼板10、及びシート層30、40が接合される。
・ 上シート層30は接着層34を介してコア層20に接合され、下シート層40は接着層44を介して鋼板10及びコア層20に接合されているが、接合するものは接着層に限定されない。粘着層を介して接合されていてもよい。
・ 鋼板10の両面には接着層があらかじめコーティングされており、上シート層30には接着層34があらかじめ積層されており、下シート層40には接着層44があらかじめ積層されている。これに限定されず、接合する際に、接着剤を塗布するようにしてもよい。
・ 本実施形態では、加熱工程において、コア層20の表面に遮蔽材を設置することにより、コア層20の表面温度を部位によって異なるように調整した。これに限らず、鋼板10、上シート層30及び下シート層40についても、加熱工程において、その表面温度を部位によって異なるように調整してもよい。
・ 本実施形態では、鋼板10、上シート層30及び下シート層40を接合する接合工程と、コア層20、鋼板10、上シート層30及び下シート層40を成形して中間体60を得る成形工程とを同時に行っているが、別々に行ってもよい。
・ 接合工程、成形工程で使用する金型51、52には、吸引孔が複数形成されているものを使用したが、吸引孔の形状は特に限定されない。スリット状の吸引溝であってもよい。
・ 接合工程、成形工程は、金型51、52は加熱して行ってもよい。
上記実施形態から把握される技術思想について以下に記載する。
(イ)前記第1シート層の表面粗さと前記第2シート層の表面粗さが異なっている。
(ロ)前記第1シート層及び前記第2シート層のいずれか一方は不織布シートであり、他方は延伸シートである。