JP6751524B2 - フレーム付車両のストッパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フレーム付車両のストッパ装置に関する。
特許文献1には、フレームに支持ブラケットを固定し、支持ブラケットにストッパ装置を装備し、ストッパ装置に対向する突出部を車体の下面に設けたフレーム付車両の車体構造が記載されている。ストッパ装置は第1及び第2のストッパ部材を備え、第1のストッパ部材は突出部に対して間隔を有する位置に配設される。車体は、フレームに対してゴム部材等の弾性部材を介して搭載され、通常の走行状態にあっても、車体はフレームに対して水平方向にある程度の距離内で移動する。車両が前面衝突を起こすと、フレームに大きな負の加速度が作用し、車体は慣性力の作用により前方へ移動し、突起部が第1のストッパ部材に衝突する。第1のストッパ部材が車体の慣性力により変形して第2のストッパ部材に当接すると、第2のストッパ部材によって車体の前方への移動が規制される。
特開平10−338162号公報
特許文献1に記載の車両では、フレームに固定される第1のストッパ部材と車体に固定される突出部との間に間隔が設けられているので、前面衝突の際、上記間隙の分だけフレームに対して車体が前方へ移動する。車体が前方へ移動すると、その分だけ車体の前部が大きく変形するおそれがあり、乗員の生存空間を狭めてしまうおそれがある。このような不都合は、フレーム側の第1のストッパ部材と車体側の突出部との間に上記間隙を設けずに、フレーム側の第1のストッパ部材と車体側の突出部とを通常時から近接又は接触させることによって抑制することが可能である。しかし、上記間隙を無くしてしまうと、通常時の車両の走行中にフレーム側の第1のストッパ部材と車体側の突出部とが干渉し、車体の弾性支持が損なわれてしまい、乗り心地が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、車両の通常走行時の乗り心地の低下を抑制することができ、且つ車両の前面衝突時の乗員の生存空間を十分に確保することが可能なフレーム付車両のストッパ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、車室の下方を区画するフロア部材がフレームによって弾性支持されるフレーム付車両のストッパ装置であって、走行状態検知手段と判定手段と第1ストッパと第2ストッパと移動手段と制御手段とを備える。走行状態検知手段は、車両の走行状態を検知する。判定手段は、走行状態検知手段が検知した走行状態に基づいて、前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であるか否かを判定する。第1ストッパは、前後方向と交叉する対向面を有し、フレーム又はフロア部材の一方側に固定される。第2ストッパは、第1ストッパの対向面から離間して対向する位置に配置されてフレーム又はフロア部材の他方側に固定されて対向面との間に可動空間を区画する支持部と、支持部に支持されて可動空間外の退避位置と可動空間内の作動位置との間を移動可能な可動部とを有する。第1ストッパまたは第2ストッパのうちフロア部材側のストッパは、フレーム側のストッパよりも後方に配置される。移動手段は、第2ストッパの可動部を退避位置と作動位置との間で移動させる。制御手段は、判定手段が要準備状態であると判定したときに第2ストッパの可動部を作動位置に移動させ、判定手段が要準備状態であると判定しないときに第2ストッパの可動部を退避位置に移動させるように、移動手段を制御する。第2ストッパの可動部が退避位置に配置された状態における可動空間は、第1ストッパと第2ストッパとの相対的な前後方向の移動を許容する。作動位置の第2ストッパの可動部は、第1ストッパの対向面の近傍に配置される。
上記構成では、第1ストッパが、フレーム又はフロア部材のいずれか一方側に固定され、第2ストッパの支持部が、他方側に固定され、第1ストッパまたは第2ストッパのうちフロア部材側のストッパが、フレーム側のストッパよりも後方に配置される。例えば、第1ストッパをフレーム側に固定した場合には、第2ストッパの支持部を、第1ストッパの後面(対向面)よりも後方に配置してフロア部材側に固定する。また、第1ストッパをフロア部材側に固定した場合には、第2ストッパの支持部を、第1ストッパの前面(対向面)よりも前方に配置してフレーム側に固定する。
制御手段は、前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であると判定手段が判定したときに第2ストッパの可動部を作動位置に移動させるように移動手段を制御する。作動位置の第2ストッパの可動部は、第1ストッパの対向面の近傍に配置されるので、判定手段が要準備状態であると判定した後、車両が前面衝突してフレームの前端部が衝突物と衝突した場合に、その衝突直後に第1ストッパの対向面と第2ストッパの可動部とを当接させることができる。このため、前面衝突の衝突直後にフレームに対するフロア部材の前方への移動を迅速に規制することができ、衝突による車室の前部の変形を抑制して、車室内に乗員の生存空間を十分に確保することができる。
また、判定手段が要準備状態であると判定しないときには、制御手段は、第2ストッパの可動部を退避位置に移動させるように移動手段を制御し、可動空間が、第1ストッパと第2ストッパとの相対的な前後方向の移動を許容する。すなわち、前面衝突に備えた事前準備を行う必要が低い時には、第1ストッパと第2ストッパとの相対的な前後方向の移動が許容されるので、フレームとフロア部材との前後方向の相対的な移動が許容される。このため、通常走行時等に、フレームに弾性支持されたフロア部材がフレームに対して前方へ移動した場合であっても、第1ストッパと第2ストッパとが干渉せず、フレームによるフロア部材の弾性支持が損なわれることがないので、車両の通常走行時の乗り心地の低下を抑制することができる。
また、前面衝突時のフレームに対するフロア部材の前方への移動が、第1ストッパと第2ストッパとの当接によって迅速に規制され、この規制によって車室側の減速度が上昇するので、例えば、シートベルトによる乗員の拘束やエアバッグの展開が車室側の減速度の上昇に応じて開始される車両の場合、前面衝突時にシートベルトによる乗員の拘束やエアバックの展開を迅速に開始することができる。
本発明によれば、車両の通常走行時の乗り心地の低下を抑制することができ、且つ車両の前面衝突時の乗員の生存空間を十分に確保することができる。
本発明の一実施形態に係るフレーム付車両の概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)を矢印Ib方向から視た底面図である。 図1(b)の要部の拡大図であり、(a)は退避状態を、(b)は作動状態をそれぞれ示す。 ストッパ装置の概略構成図である。 図1のフレーム付車両が前面衝突したときの状態を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)を矢印IVb方向から視た底面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るフレーム付車両(以下、単に車両と称する)1のストッパ装置10について、図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、車両1のフレーム2は、車幅方向の両側で前後方向に延びる左右1対のサイドメンバ3L,3Rと、車幅方向に延びて左右のサイドメンバ3L,3Rを連結する複数のクロスメンバ4とを有するはしご形フレーム(ラダーフレーム)である。複数のクロスメンバ4は、前後方向に相互に離間して配置される。
車両1のボディ5は、車室11の下方を区画するフロア部材12を有する。フロア部材12は、フロアパネル6と左右1対のサイドシル7L,7Rとを有する。フロアパネル6は、フレーム2の上方に配置されて車室11の底面を形成するパネル部材であって、その車幅方向の中央には、円弧状に上方へ膨出するトンネル部9が曲折形成されている。車室11には、乗員が着座するシート(座席)8が配置されてフロアパネル6に対して固定される。フロアパネル6は、シート8を下方から支持する。左右のサイドシル7L,7Rは、左右のサイドメンバ3L,3Rの車幅方向外側にそれぞれ配置されて前後方向に延び、フロアパネル6の車幅方向両側に固定される。左右のサイドメンバ3L,3Rは、フロアパネル6及び左右のサイドシル7L,7Rの前端よりも前方へ延び、左右のサイドメンバ3L,3Rの前端が、フロアパネル6及び左右のサイドシル7L,7Rの前端よりも前方に配置される。左右のサイドシル7L,7Rは、ラバー等のマウント機構(図示省略)を介してフレーム2に弾性支持される。
図3に示すように、ストッパ装置10は、ミリ波レーダ(走行状態検知手段)13と、車両前方カメラ(走行状態検知手段)14と、ECU(Electric Control Unit)15と、左右の第1ストッパ16L,16Rと、左右の第2ストッパ19L,19Rと、左右のモータ(移動手段)23L,23Rとを備える。なお、図3には、左右の第1ストッパ16L,16R、左右の第2ストッパ19L,19R、及び左右のモータ23L,23Rのうち、右側の第1ストッパ16R、右側の第2ストッパ19R、及び右側のモータ23Rが図示されている。
図1(a)及び図3に示すように、ミリ波レーダ13と車両前方カメラ14とは、車両1のボディ5に設けられる。
ミリ波レーダ13は、車両1の前面部に設けられ、ミリ波帯域の連続した電磁波である送信波を、車両1の前面部から前方へ向かって所定角度の範囲内に所定時間ごとに繰り返し発射し、車両1の前方に存在する物体(障害物)からの反射波である受信波を受信することによって、上記範囲内の障害物を検知する。ミリ波レーダ13は、車両1の前面部から上記障害物までの距離と仰俯角と前後方向を基準にする方位角とを逐次検出し、検出した情報を含む信号を後述するECU15へ出力する。すなわち、ミリ波レーダ13は、車両1の走行時に、車両1の前方に存在する物体に対する車両1の状態(走行状態)を検知する。
車両前方カメラ14は、車両1の前面部に設けられ、車両1の前方の所定角度の範囲内の動画像を逐次撮像し、撮像した動画像を構成する静止画像をデジタル変換し、動画像の情報としてECU15へ出力する。すなわち、車両前方カメラ14は、車両1の走行時に、車両1の前方の情報を取得することによって車両1の状態(走行状態)を検知する。なお、車両の走行状態とは、車両1の走行時の状態であり、上記ミリ波レーダ13や車両前方カメラ14によって検知される車両1の外部の状況に対する相対的な車両1の状態に限定されず、例えば、加速度センサによって検知される車両1の減速度(負の加速度)等の車両の絶対的な状態であってもよい。
図1(b)及び図3に示すように、左右の第1ストッパ16L,16Rは、上下方向に延びる金属製の部材であって、左右のサイドシル7L,7Rの車幅方向内側に配置されて左右のサイドシル7L,7Rの車幅方向内側面17に固定され、左右のサイドシル7L,7Rよりも下方へ延びる。第1ストッパ16L,16Rは、少なくとも左右のサイドメンバ3L,3R側の第2ストッパ19L,19Rよりも下方まで延び、左右の第1ストッパ16L,16Rの前面(対向面)18は、第2ストッパ19L,19Rから後方に離間した位置に配置される。左右の第1ストッパ16L,16Rの後面側には、ほぼ直角三角形状の補強部29が固定される。補強部29は、第1辺がサイドシル7L,7Rの車幅方向内側面17に沿って前後方向に延びてサイドシル7L,7Rの車幅方向内側面17に固定され、第2辺が第1ストッパ16L,16Rの後面に沿って車幅方向に延びて第1ストッパ16L,16Rの後面に固定される。なお、本実施形態では、左右の第1ストッパ16L,16Rを左右のサイドシル7L,7Rに固定したが、これに限定されるものではなく、左右の第1ストッパ16L,16Rは、車室11の下方を区画するフロア部材12側に固定されていればよい。また、左右の第1ストッパ16L,16Rは、上下方向に延びる金属製の部材に限定されない。
左右の第2ストッパ19L,19Rは、左右の第1ストッパ16L,16Rの前面18から前方へ離間した位置に配置され、左右のサイドメンバ3L,3Rの車幅方向外側面20に固定される。
図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、左右の第2ストッパ19L,19Rは、ベース部材(支持部)21と、ストッパ本体22とを有する。なお、左右の第2ストッパ19L,19Rは、車両1の左右に対称的に設けられ、ほぼ同様の構成を有するため、以下では、右側について説明し、左側の詳細な説明を省略する。また、図2(a)、図2(b)は、図1(b)の車両1の右側の要部の拡大図であり、図3は、車両1の右側の要部を車幅方向外側から視た側面図である。
ベース部材21は、上板部21a、下板部21b、及び前板部21cを一体的に有する断面略コ字状の金属製の部材であって、第1ストッパ16Rの前面18から前方へ離間して対向する位置に配置されてサイドメンバ3Rに対して固定され、サイドメンバ3Rの車幅方向外側面20から車幅方向外側へ突出する。上板部21aと下板部21bとは、上下方向と交叉し、互いに上下に離間して配置されて対向する。前板部21cは、前後方向と交叉し、上板部21a及び下板部21bの前端縁同士を連結する。上板部21a、下板部21b、及び前板部21cの車幅方向内端縁は、サイドメンバ3Rの車幅方向外側面20に固定される。前板部21cの前面側には、ほぼ直角三角形状の補強部25が固定される。補強部25は、第1辺がサイドメンバ3Rの車幅方向外側面20に沿って前後方向に延びてサイドメンバ3Rの車幅方向外側面20に固定され、第2辺が前板部21cの前面に沿って車幅方向に延びて前板部21cの前面に固定される。ベース部材21の後端と第1ストッパ16Rの前面18との間には、可動空間24(図2(a)参照)が区画される。上板部21aと下板部21bとは、上下に貫通する貫通孔(図示省略)を有する。上板部21a及び下板部21bの双方の貫通孔は、互いに同軸となる位置に配置される。上板部21a及び下板部21bの車幅方向外側、且つ後側の角部は、面取りされて湾曲状に形成された湾曲面30を有し、後述するストッパ本体22の傾動を許容する。
ストッパ本体22は、回転軸部26と、ヘッド部(可動部)27と、回転軸部26とヘッド部27とを連結する連結部28とを一体的に有する金属製の部材である。回転軸部26は、上下方向に延びる円柱体であって、ベース部材21の上板部21a及び下板部21bの双方の貫通孔を挿通し、ベース部材21に対して回転可能である。回転軸部26の上端側は、ベース部材21の上板部21aの貫通孔から上方へ突出する。連結部28は、回転軸部26のうちベース部材21の上板部21aと下板部21bとの間の領域に固定的に設けられ、回転軸部26を介してベース部材21に回転自在に支持される。連結部28は、回転軸部26側から上下方向と交叉する方向へ延びる。ヘッド部27は、連結部28のうち回転軸部26側とは反対側の端部に固定的に設けられ、ベース部材21の上板部21a、下板部21b、及び前板部21cの間の空間の外部に配置され、連結部28及び回転軸部26を介してベース部材21に回転自在に支持される。ヘッド部27は、ベース部材21の後端と第1ストッパ16Rの前面18との間の可動空間24内の作動位置(図2(b)に示す位置)と、作動位置から回転軸部26の軸を中心として車幅方向外側の前方へ傾動した退避位置(図2(a)に示す位置)との間を傾動可能である。退避位置は、ベース部材21の後端と第1ストッパ16Rの前面18との間の可動空間24外の位置であり、ベース部材21の車幅方向外側の位置である。ヘッド部27は、連結部28よりも大きく形成され、ベース部材21に対して当接する当接面27aを有する。ヘッド部27の当接面27aは、作動位置における前面(退避位置における車幅方向内側面)であり、作動位置では、ベース部材21の上板部21a及び下板部21bの後端に接触し、退避位置では、ベース部材21の上板部21a、下板部21b及び前板部21cの車幅方向外端に接触する。ヘッド部27が作動位置と退避位置との間を傾動する際には、ヘッド部27の当接面27aは、ベース部材21の上板部21a及び下板部21bの湾曲面30に沿って移動する。ヘッド部27が退避位置に配置された退避状態では、ベース部材21の後端と第1ストッパ16Rの前面18との間の可動空間24は、第1ストッパ16Rと第2ストッパ19Rとの相対的な前後方向の移動を許容する。ヘッド部27が作動位置に配置された作動状態では、ヘッド部27の後面27b(退避位置における車幅方向外側面)が、第1ストッパ16Rの前面18に近接し、ヘッド部27の当接面27aが、ベース部材21の上板部21a及び下板部21bの後端に接触する。すなわち、作動位置の第2ストッパ19Rのヘッド部27は、第1ストッパ16Rの前面18の近傍に配置される。
モータ23Rは、ベース部材21の上板部21aの上方に配置されてフレーム2側(本実施形態では、ベース部材21の上板部21a)に固定される。モータ23Rは、ストッパ本体22の回転軸部26の上端側に連結され、ECU15に制御されて回転軸部26を回転可能であり、ストッパ本体22のヘッド部27を作動位置と退避位置との間で移動させる。
図3に示すように、ECU15は、CPU(Central Processing Unit)31や記憶部32を有する。記憶部32は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記録媒体によって構成される。記憶部32には、衝突予想時間TTC(Time To Collision)の閾値Kが予め記憶される。また、記憶部32には、ミリ波レーダ13及び車両前方カメラ14からの情報や、各種データなどが読み書き自在に記憶されるデータ記憶領域が予め設定されている。記憶部32は、上記データ記憶領域以外にも、CPU31の演算結果の一時記憶領域等として機能する。なお、上記衝突予測時間TTCの閾値には、車両1の前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であるか否かを判定可能な値が、実験やシミュレーション等によって求められて設定される。車両1の前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態とは、前面衝突の衝突直前の状態(前面衝突を回避できない状態)よりも前段階の状態であり、前面衝突する可能性がある状態である。すなわち、記憶部32に予め記憶される閾値Kは、車両の前面衝突の衝突直前の状態を検知するための閾値よりも大きく設定される。
CPU31は、ミリ波レーダ13の信号及び車両前方カメラ14の情報に基づいて、車両1の前方に障害物を検知するとともに、車両1と障害物との相対距離L(m)及び相対速度Vr(m/s)を取得する。次に、CPU31は、衝突予想時間TTC(Time To Collision)を次式(1)に従って演算し、算出した衝突予想時間TTC(s)を予め記憶部32に記憶された衝突予測時間TTCの閾値Kと比較する。CPU31は、衝突予想時間TTCが閾値K以下の場合(TTC≦K)は、車両1の前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であると判定し、一方、車両1の前方に障害物を検知しない場合や、衝突予想時間TTCが閾値Kを超えている場合(TTC>K)は、車両1と障害物との前面衝突の可能性が低く、要準備状態ではないと判定する。すなわち、ECU15は、ミリ波レーダ13や車両前方カメラ14が検知した車両1の走行状態に基づいて、要準備状態であるか否かを判定する判定手段として機能する。
TTC=L/Vr ・・・(1)
CPU31は、要準備状態ではないと判定している間は、左右のモータ23L,23Rを制御して、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を退避位置に保持する。CPU31は、退避状態であるときに衝突予想時間TTCが閾値K以下となり要準備状態であると判定すると、左右のモータ23L,23Rを制御して、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を作動位置に移動して作動状態にする。一方、CPU31は、作動状態であるときに衝突予想時間TTCが閾値Kを超えるなどして要準備状態ではない判定すると、左右のモータ23L,23Rを制御して、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を退避位置に移動させる。すなわち、ECU15は、要準備状態であると判定したときに、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を作動位置に移動させ、要準備状態ではないと判定するとき(要準備状態であると判定しないとき)に、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を退避位置に移動させるように、左右のモータ23L,23Rを制御する制御手段として機能する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、車両1が前面衝突する際には、その衝突より前に、ECU15のCPU31(図3参照)が要準備状態であると判定して、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27が作動位置に配置されている。車両1が前面衝突すると、フレーム2の前端部が衝突物100に衝突し、フレーム2の減速度が急激に上昇し、ボディ5が慣性によって前方へ移動しようとする。ボディ5が前方へ僅かに移動すると、ボディ5側の左右の第1ストッパ16L,16Rが、フレーム2側の左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27に当接し、この当接によって左右の第2ストッパ19L,19Rに対する左右の第1ストッパ16L,16Rの前方への移動が規制される。これにより、フレーム2に対するボディ5の前方への移動が規制される。
上記のように構成されたストッパ装置10では、車両1が前面衝突する際には、その衝突より前に、ECU15のCPU31が要準備状態であると判定して、左右の第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27が作動位置に配置されている。作動位置のヘッド部27は、その後面27bが第1ストッパ16L,16Rの前面18に近接するので、車両1が前面衝突した場合、その衝突直後に第1ストッパ16L,16Rの前面18と第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27とを当接させることができる。このため、車両1の前面衝突の衝突直後にフレーム2に対するボディ5の前方への移動を迅速に規制することができるので、フレーム2の減速度の増大開始からボディ5の減速度の増大開始までの遅延時間(タイムラグ)を短縮することができ、衝突による車室11の前部の変形を抑制して、車室11内に乗員の生存空間を十分に確保することができる。
また、ECU15が要準備状態ではないと判定するときには、ECU15は、第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を退避位置に移動させるように左右のモータ23L,23Rを制御する。退避状態では、第2ストッパ19L,19Rのベース部材21の後端と第1ストッパ16L,16Rの前面18との間の可動空間24が、第1ストッパ16L,16Rと第2ストッパ19L,19Rとの相対的な前後方向の移動を許容する。すなわち、前面衝突に備えた事前準備を行う必要性が低い時には、第1ストッパ16L,16Rと第2ストッパ19L,19Rとの相対的な前後方向の移動が許容されるので、フレーム2とフロア部材12との前後方向の相対的な移動が許容される。このため、通常走行時等の前面衝突に備えた事前準備を行う必要性が低い時に、フレーム2に弾性支持されたフロア部材12がフレーム2に対して前方へ移動した場合であっても、第1ストッパ16L,16Rと第2ストッパ19L,19Rとが干渉せず、フレーム2によるフロア部材12の弾性支持が損なわれることがないので、車両1の通常走行時の乗り心地の低下を抑制することができる。
また、前面衝突時のフレーム2に対するフロア部材12の前方への移動が、第1ストッパ16L,16Rと第2ストッパ19L,19Rとの当接によって迅速に規制され、この規制によって車室11側(ボディ5側)の減速度が上昇するので、例えば、シートベルトによる乗員の拘束やエアバッグの展開が車室11側の減速度の上昇に応じて開始される車両の場合、前面衝突時にシートベルトによる乗員の拘束やエアバックの展開を迅速に開始することができる。
また、ECU15は、前面衝突の衝突直前の状態(前面衝突を回避できない状態)ではなく、その前段階である前面衝突する可能性がある状態(要準備状態)であるか否かを判定する。このため、車両1が前面衝突する可能性がある段階で、第2ストッパ19L,19Rのストッパ本体22のヘッド部27を作動位置に配置することができ、車両1の前面衝突に備えた事前準備を行うことができる。
従って、本実施形態によれば、車両1の通常走行時の乗り心地の低下を抑制することができ、且つ車両1の前面衝突時の乗員の生存空間を十分に確保することができる。
なお、本実施形態では、上板部21a、下板部21b、及び前板部21cを一体的に有する断面略コ字状のベース部材21を設けたが、ベース部材21の形状は、これに限定されるものではなく、ストッパ本体22を作動位置と退避位置との間で移動可能に支持するベース部材21であれば、他の様々な形状を適用することができる。
また、本実施形態では、ストッパ本体22のヘッド部27の退避位置を、ベース部材21の車幅方向外側の位置に設定したが、これに限定されるものではなく、退避位置は、ベース部材21の後端と第1ストッパ16Rの前面18との間の可動空間24外の所望の位置に設定することができる。
また、本実施形態では、ミリ波レーダ13と車両前方カメラ14とによって車両1の走行状態を検知したが、これに限定されるものではない。例えば、車両1のフレーム2の加速度を検出する加速度センサを設け、該加速度センサによって車両1の走行状態(負の加速度(減速度))を検知してもよい。この場合、ECU15の記憶部32に、車両1の減速度の上昇率の閾値Kを予め記憶し、ECU15は、加速度センサが検出した車両1の減速度に基づいて車両1の減速度の上昇率を算出し、算出した上昇率と前記閾値Kとを比較し、減速度の上昇率が前記閾値Kよりも大きい場合に、車両1の前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であると判定してもよい。すなわち、記憶部32に予め記憶される前記閾値Kには、車両1の前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であるか否かを判定可能な値が、実験やシミュレーション等によって求められて設定される。
また、本実施形態では、ストッパ本体22のヘッド部27を退避位置と作動位置との間で移動させる移動手段としてモータ23L,23Rを設けたが、移動手段はこれに限定されるものではない。例えば、ストッパ本体22のヘッド部27を退避位置と作動位置との間で移動させるソレノイド等のアクチュエータを移動手段として設けてもよい。
また、本実施形態では、ECU15のCPU31は、要準備状態ではないと判定した場合に、ストッパ本体22のヘッド部27を退避位置に移動させるように、左右のモータ23L,23Rを制御したが、これに限定されるものではなく、例えば、要準備状態であると判定してストッパ本体22のヘッド部27を作動位置に移動させた後、予め設定した所定の時間が経過し、且つ要準備状態ではないと判定した場合に、ヘッド部27を退避位置に移動させるように、左右のモータ23L,23Rを制御してもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、第1ストッパ16L,16Rを、フロア部材12側(一方側)に固定し、第2ストッパ19L,19Rのベース部材21を、第1ストッパ16L,16Rの前面18よりも前方に配置してフレーム2側(他方側)に固定したが、これに限定されるものではなく、フロア部材12側のストッパよりもフレーム2側のストッパが前方に配置されていればよい。すなわち、第1ストッパ16L,16Rを、フレーム2側(一方側)に固定し、第2ストッパ19L,19Rのベース部材21を、第1ストッパ16L,16Rの後面(対向面)よりも後方に配置してフロア部材12側(他方側)に固定してもよい。
1:車両
2:フレーム
10:ストッパ装置
11:車室
12:フロア部材
13:ミリ波レーダ
14:車両前方カメラ
15:ECU(判定手段、制御手段)
16L,16R:第1ストッパ
18:第1ストッパの前面(対向面)
19L,19R:第2ストッパ
21:ベース部材(支持部)
22:ストッパ本体
23L,23R:モータ(移動手段)
24:可動空間
27:ストッパ本体のヘッド部(可動部)

Claims (1)

  1. 車室の下方を区画するフロア部材がフレームによって弾性支持されるフレーム付車両のストッパ装置であって、
    前記車両の走行状態を検知する走行状態検知手段と、
    前記走行状態検知手段が検知した走行状態に基づいて、前面衝突に備えた事前準備を行う必要がある要準備状態であるか否かを判定する判定手段と、
    前後方向と交叉する対向面を有し、前記フレーム又は前記フロア部材の一方側に固定される第1ストッパと、
    前記第1ストッパの前記対向面から離間して対向する位置に配置されて前記フレーム又は前記フロア部材の他方側に固定されて前記対向面との間に可動空間を区画する支持部と、前記支持部に支持されて前記可動空間外の退避位置と前記可動空間内の作動位置との間を移動可能な可動部とを有する第2ストッパと、
    前記第2ストッパの前記可動部を前記退避位置と前記作動位置との間で移動させる移動手段と、
    前記判定手段が前記要準備状態であると判定したときに前記第2ストッパの前記可動部を前記作動位置に移動させ、前記判定手段が前記要準備状態であると判定しないときに前記第2ストッパの前記可動部を前記退避位置に移動させるように、前記移動手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記第1ストッパまたは前記第2ストッパのうち前記フロア部材側のストッパは、前記フレーム側のストッパよりも後方に配置され、
    前記第2ストッパの前記可動部が前記退避位置に配置された状態における前記可動空間は、前記第1ストッパと前記第2ストッパとの相対的な前後方向の移動を許容し、
    前記作動位置の前記第2ストッパの前記可動部は、前記第1ストッパの前記対向面の近傍に配置される
    ことを特徴とするフレーム付車両のストッパ装置。
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