JP6601191B2 - 乗員拘束装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員拘束装置に関する。
特許文献1には、車両の前面衝突が予知された段階で第1のプリテンショナ機構を作動させてシートベルト(ウェビング)を所定量巻き取り、車両の前面衝突が検知された段階で第2のプリテンショナ機構を作動させてシートベルトをさらに巻き取る構成が開示されている。一方、特許文献2〜6には、車両の後面衝突が予知された際に、ヘッドレストの少なくとも前部をシート前方へ移動させる技術が開示されている。
特開平6−286581号公報 特開2006−264431号公報 国際公開第2005/073019号 国際公開第2008/129935号 特開2000−233713号公報 特開2006−290348号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、乗員の上体が前傾している場合など非正規着座姿勢で着座している状態でウェビングが巻き取られると、乗員の頭部が勢いよくヘッドレスト側へ振られる可能性がある。一方、上記特許文献2〜6には、車両の後面衝突が予測された時にヘッドレストで乗員の頭部を支持する構成のみが記載されており、車両の前面衝突時については考慮されていない。このため、車両の衝突が不可避であると判断された際や車両の衝突が検知された際にウェビングを所定量巻き取る構成において、ヘッドレストによる頭部の保護性能を向上させる観点から改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の衝突が不可避であると判断された際や車両の衝突が検知された際にウェビングを所定量巻き取る構成において、頭部の保護性能を向上させることができる乗員拘束装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際又は車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が検知された際に、乗員を拘束するウェビングを所定量巻き取るリトラクタを備えたシートベルト装置と、車両用シートに着座した乗員の着座姿勢を検知する姿勢検知手段と、ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動可能に構成されたヘッドレスト移動機構と、前記姿勢検知手段による乗員の着座姿勢が正規着座姿勢であると判断した場合には、前記リトラクタによる前記ウェビングの巻き取り時に前記ヘッドレストを移動させず、前記姿勢検知手段による乗員の着座姿勢が正規着座姿勢に対して車両前方へ移動した非正規着座姿勢であると判断した場合には、前記ウェビングの巻き取りに先行して前記ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる制御部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、リトラクタを備えたシートベルト装置が設けられている。ここで、リトラクタは、車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際又は車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が検知された際に、乗員を拘束するウェビングを所定量巻き取る。これにより、乗員の拘束力を高められて乗員が車両前方又は車両幅方向に慣性移動するのを抑制することができる。
また、乗員拘束装置は、車両用シートに着座した乗員の着座姿勢を検知する姿勢検知手段、ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動可能に構成されたヘッドレスト移動機構、及び制御部を備えている。ここで、制御部、乗員の着座姿勢が正規着座姿勢に対して車両前方に移動した非正規着座姿勢であると判断した場合にはウェビングの巻き取りに先行してヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる。これにより、ヘッドレストが乗員の頭部に近づくため、乗員が非正規着座姿勢で着座している場合であっても、乗員の頭部を早期に支持することができ、頭部が勢いよくヘッドレスト側へ振られるのを抑制することができる。なお、ここでいう「正規着座姿勢に対して車両前方に移動した非正規着座姿勢」とは、乗員の着座位置が正規の着座位置に対して車両前方に移動した状態の姿勢に限定されるものではない。例えば、乗員が正規の位置に着座している場合であっても、乗員の上体が大きく前傾している姿勢などは、正規着座姿勢に対して車両前方に移動した非正規着座姿勢に含まれる。
さらに、乗員の着座姿勢が正規着座姿勢であれば、ウェビングの巻き取りのみが行われてヘッドレスト移動機構が作動しない。これにより、乗員の頭部がヘッドレストに支持されている状態や、ヘッドレストの近傍に頭部が位置している状態でヘッドレスト移動機構が作動されるのを抑制することができる。また、ヘッドレスト移動機構の作動を必要最小限に止めることができる。
請求項2に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、請求項1において、車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際であって、乗員の着座姿勢が非正規着座姿勢であると判断された際に、前記リトラクタによって前記ウェビングを所定量巻き取り、かつ、前記ヘッドレスト移動機構によって前記ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる。
請求項2に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、車両の衝突時にウェビングを巻き取る場合と比較して、早期に乗員を拘束することができる。また、車両の衝突時にウェビングを巻き取る場合よりもウェビングによる拘束力を低く設定することができるため、ウェビングの巻き取り時に乗員の頭部が車両後方へ振られにくい。
請求項3に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、請求項1又は請求項2において、前記姿勢検知手段は、シートクッション内に設けられた体重センサと、前記リトラクタに設けられて前記ウェビングの引き出し量を検知するウェビング引出量検知センサとを含んで構成されており、正規の状態で着座した乗員の体重を前記体重センサで検知し、前記ウェビング引出量検知センサによって検知された前記ウェビングの引き出し量が、体重に応じて予め設定された前記ウェビングの適正な引き出し量の上限よりも多い場合に、乗員の着座姿勢が非正規着座姿勢であると判断する。
請求項3に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、乗員が正規の状態で着座した際の体重を体重センサで検知する。そして、検知された体重に応じて予め設定されたウェビングの適正な引き出し量の上限を参照する。そして、乗員の上体が車両前方へ移動するなどして、ウェビングの引き出し量が多くなり、適正な引き出し量の上限よりもウェビングの引き出し量が多くなった場合に、非正規着座姿勢であると判断する。このように体重センサ及びウェビング引出量検知センサの両方を用いることで、体型(体重)の違いによるウェビングの引き出し量を考慮することができ、乗員の着座姿勢の検知精度を向上させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の乗員拘束装置よれば、車両の衝突が不可避であると判断された際や車両の衝突が検知された際にウェビングを所定量巻き取る構成において、頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の乗員拘束装置よれば、車両の衝突時にヘッドレスト移動機構を作動させつつウェビングを巻き取る場合と比較して、乗員の頭部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の乗員拘束装置よれば、ウェビング引出量検知センサからの信号のみに基づいて乗員の着座姿勢を検知する場合と比較して、着座姿勢の検知精度を向上させることができるという優れた効果を有する。
実施形態に係る乗員拘束装置が適用された車両用シートの正面図である。 実施形態に係る乗員拘束装置が適用された車両用シートの側面図であり、乗員が非正規着座姿勢で着座している状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置が適用された車両用シートの側面図であり、プリクラッシュシートベルト及びヘッドレスト移動機構が作動された状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置の動作フローを示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る乗員拘束装置10について、図1〜図3に基づいて説明する。なお、各図において適宜示される矢印FRは、車両前方側を示しており、矢印UPは、車両上方側を示しており、矢印OUTは、車両幅方向の外側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
図1〜図3では、保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)が車両用シート12に着座した状態を図示している。ダミーは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。このダミーは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢(正規の状態)で着座しており、車両用シート12は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、説明を分かり易くするために、ダミーを「乗員D」と称する。また、以下の説明において、乗員Dが正規の状態で着座した着座姿勢を「正規着座姿勢」とし、この正規着座姿勢から所定量よりも上車両前方へ移動した着座姿勢(図3の二点鎖線参照)を「非正規着座姿勢」とする。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の乗員拘束装置10は、車両用シート12(以下、単に「シート12」と称する。)に搭載されている。シート12は、図示しない自動車の車体における車両幅方向中央に対し左右何れか(本実施形態では右側)にオフセットして配置されている。また、シート12は、乗員Dが着座するシートクッション14を備えており、このシートクッション14の後端部には、乗員Dの背部Bを支持するシートバック16が回動可能に連結されている。また、シートバック16の上端部には、ヘッドレストステー20を介して乗員Dの頭部Hを支持可能なヘッドレスト18が連結されている。
乗員拘束装置10は、シートベルト装置21と、体重センサとしての座圧センサ34と、ヘッドレスト18を移動させるヘッドレスト移動機構23とを含んで構成されている。
図1に示されるように、シートベルト装置21は、3点式のシートベルト装置とされており、乗員Dを拘束するウェビング(ベルト)22を備えている。ウェビング22の一端は、シートバック16内に設けられたリトラクタ24に引き出し可能に巻き取られており、ウェビング22の他端は、シート12の下方に設けられたアンカ32に固定されている。また、ウェビング22は、リトラクタ24から上方に延在されてシートバック16の左側の上端部に設けられたベルト取出部(ベルトガイド)26から引き出される構成とされている。
ウェビング22にはタングプレート28がスライド可能に設けられており、このタングプレート28をバックル30に係止させることで、ウェビング22を乗員Dに装着させることができるようになっている。そして、装着状態におけるウェビング22のうち、乗員Dの前方を右側の肩部Sからタングプレート28まで斜めに延びて乗員Dの上体を拘束する部分がショルダベルト22Sとされている。また、タングプレート28から車両幅方向にアンカ32まで延びて乗員Dの腰部Pを拘束する部分がラップベルト22Lとされている。
ここで、本実施形態のシートベルト装置21は、車両の衝突が予知された際(車両の衝突が不可避であると判断された際)に、図示しないモータによってウェビング22を所定量巻き取って拘束力を高めるプリクラッシュシートベルトとされている。また、シートベルト装置21を構成するリトラクタ24は、作動されることで強制的にウェビング22を巻き取るプリテンショナ機能を有している。なお、リトラクタ24は、制御部であるECU(Electronic Control Unit)36と電気的に接続されており、このECU36からの信号に基づいて作動されるようになっている。ECU36の詳細については後述する。
図2に示されるように、リトラクタ24には、ウェビング22の引き出し量を検知するウェビング引出量検知センサ24A(以下、単に「引出量検知センサ24A」と称する。)が設けられている。そして、この引出量検知センサ24Aとシートクッション14の内部に設けられた座圧センサ34によって乗員Dの着座姿勢を検知する姿勢検知手段が構成されている。座圧センサ34は、シートクッション14の座圧を検知するセンサであり、一つ又は複数の感圧センサによって構成されている。なお、座圧センサ34としては、シートクッション14における特定の部位の座圧を検知するセンサの他に、シートクッション14の所定の範囲の座圧分布を取得可能なセンサを用いてもよい。また、座圧センサ34の他に、シートレールに歪ゲージを設けて体重を検知する体重センサを採用してもよい。引出量検知センサ24Aは、リトラクタ24と共にECU36と電気的に接続されており、座圧センサ34もECU36と電気的に接続されている。
ここで、ECU36は、引出量検知センサ24A及び座圧センサ34からの信号に基づいて乗員Dの着座姿勢が正規着座姿勢であるか非正規着座姿勢であるかを判断する。本実施形態では一例として、次の手順で乗員Dの着座姿勢を検知する。初めに、乗員Dがシート12に着座した段階で、座圧センサ34によって座圧(体重)を検知する。このとき、乗員Dは正規の状態で着座しているものとする。
続いて、ECU36は、座圧センサ34の出力値に応じて予め設定されたウェビング22の適正な引き出し量の上限値を参照する。このとき、座圧センサ34が検知した座圧(体重)が大きいほど、ウェビング22の適正な引き出し量の上限値が大きい値に設定されている。そして、ECU36は、座圧センサ34の出力値に応じた適正な引き出し量の上限値と、引出量検知センサ24Aによって検知された実際のウェビング22の引き出し量とを比較する。このとき、実際のウェビング22の引き出し量が適正な引き出し量の上限値よりも少ない場合、正規着座姿勢であると判断する。一方、乗員Dの上体が前傾している場合や、乗員Dがシートクッション14の前端部に着座している場合には、ウェビング22の引き出し量が多くなる。そして、引出量検知センサ24Aによって検知された実際のウェビング22の引き出し量が、適正な引き出し量の上限値よりも多くなった場合に、非正規着座姿勢であると判断する。すなわち、ECU36は、乗員Dが正規着座姿勢の状態から所定量よりも車両前方に移動した着座姿勢であると判断する。
次に、ヘッドレスト18は、ヘッドレスト移動機構23によって移動可能とされたアクティブヘッドレストとされている。ヘッドレスト移動機構23は、ヘッドレスト18内に設けられており、ヘッドレストステー20とヘッドレスト18とを連結している。また、ヘッドレスト移動機構23は、図示しないモータ及びギヤを含んで構成されており、モータを駆動させることによってヘッドレスト18の上部が下部に対して前方へ傾倒されるように構成されている。ここで、図2に図示されたヘッドレスト18は、車両の通常走行時に乗員Dの頭部Hを支持可能な通常位置に位置している。また、図3に実線で図示されたヘッドレスト18は、ヘッドレスト移動機構23が作動されてヘッドレスト18が前方へ傾倒した傾倒位置に位置している。このように、ヘッドレスト18を前方へ傾倒させることにより、ヘッドレスト18の少なくとも前部が車両前方へ移動して乗員Dの頭部Hとヘッドレスト18との間の距離が縮められる構成とされている。なお、ヘッドレスト移動機構23は、ECU36と電気的に接続されており、ECU36からの信号に基づいて作動される。
以上のように、引出量検知センサ24Aを含むリトラクタ24、座圧センサ34、及びヘッドレスト移動機構23は、ECU36と電気的に接続されている。また、ECU36には、プリクラッシュセンサなどの衝突予知センサ38が電気的に接続されている。そして、ECU36は、この衝突予知センサ38からの信号に基づいて、自動車に対する各種形態の衝突(の発生又は不可避であること)を予測可能とされている。また、衝突予知センサ38からの信号に基づいて車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際には、シートベルト装置21のリトラクタ24によってウェビング22が所定量巻き取られる。なお、ここでいう前面衝突としては、フルラップ前面衝突、オフセット前面衝突などがあり、オフセット前面衝突には、斜め衝突や微小ラップ衝突などが含まれる。
なお、衝突予知センサ38は、例えばウインドシールドガラスの上部における車幅方向中央付近に設けられた図示しないステレオカメラを含んで構成される。そして、このステレオカメラによって車両の前方側を撮影し、車両への衝突体を検出するようになっている。また、ステレオカメラによって検出された衝突体までの距離や車両と衝突体との相対速度などを測定し、測定データをECU36へ出力するようになっている。そして、ECU36は、ステレオカメラからの測定データに基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。なお、衝突予知センサ38をミリ波レーダなどによって構成してもよい。
また、ECU36は、衝突センサ40と電気的に接続されている。そして、ECU36は、衝突センサ40からの信号に基づいて車両の衝突を検知すると、リトラクタ24のプリテンショナ機構を作動させる。これにより、ウェビング22が強制的に巻き取られて乗員Dの拘束力が高められる。また、衝突センサ40からの信号に基づいてシート12に収納された図示しないエアバッグなどの乗員保護装置が作動されて乗員を保護する。なお、衝突センサ40は、一例として、フロントサイドメンバに配置された加速度センサから成るフロントサテライトセンサと、センタコンソール下方のフロアに配設された加速度センサから成るフロアセンサとを含んで構成されている。
次に、ヘッドレスト移動機構23を作動させる手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。初めに、ステップS100では、衝突予知センサ38からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であるか否かを判定する。ここで、肯定判定(車両の衝突が不可避)であればステップS102に移行し、否定判定であれば繰り返し衝突予知センサ38からの信号を取得する。
次に、ステップS102では、座圧センサ34及び引出量検知センサ24Aからの信号に基づいて乗員Dの着座姿勢を検知する。そして、ステップS104では、検知された乗員Dの着座姿勢が非正規着座姿勢であるか否かを判定する。ここで、肯定判定(非正規着座姿勢)であればステップS106に移行し、否定判定(正規着座姿勢)であればステップS108に移行する。
ステップS106では、乗員Dの着座姿勢が非正規着座姿勢であると判定されたため、ヘッドレスト移動機構23を作動させつつ、リトラクタ24によってウェビング22を所定量巻き取る。本実施形態では、ヘッドレスト移動機構23のモータを駆動させてヘッドレスト18の上部を下部に対して前方へ傾倒させる。これにより、ヘッドレスト18は、図3の二点鎖線で示された通常位置から実線で示された傾倒位置へ傾倒される。
また、リトラクタ24によってウェビング22が巻き取られることにより、非正規着座姿勢(図3の二点鎖線参照)で着座していた乗員Dが後方側へ移動される。これにより、乗員Dの背部Bがシートバック16に当接され、頭部Hがヘッドレスト18へ向かって移動する。そして、頭部Hは、ヘッドレスト移動機構23によって前方へ移動されたヘッドレスト18によって後方から支持される。
一方、ステップS108では、乗員Dの着座姿勢が正規着座姿勢であると判定されたため、ヘッドレスト移動機構23を作動させない。すなわち、ヘッドレスト移動機構23は非作動状態を維持しており、ヘッドレスト18を通常位置から移動させずにリトラクタ24によってウェビング22を所定量巻き取る。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態に係る乗員拘束装置10の作用並びに効果について説明する。
本実施形態の乗員拘束装置10では、衝突予知センサ38からの信号に基づいて車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際に、リトラクタ24によってウェビング22が所定量巻き取られる。これにより、乗員Dの拘束力を高められて、車両の衝突時に乗員Dが車両前方又は車両幅方向に慣性移動するのを抑制することができる。特に本実施形態では、衝突予知センサ38からの信号に基づいてウェビング22を所定量巻き取る構成であるため、車両の衝突が検知された際にウェビング22を所定量巻き取る場合と比較して、早期に乗員Dを拘束することができる。
また、本実施形態では、座圧センサ34と引出量検知センサ24Aとを含む姿勢検知手段が設けられており、この座圧センサ34及び引出量検知センサ24Aによって乗員Dの着座姿勢が検知できるように構成されている。また、ヘッドレスト18の少なくとも前部を前方へ移動させるヘッドレスト移動機構23が設けられている。そして、リトラクタ24によるウェビング22の巻き取り時に、乗員Dの着座姿勢が非正規着座姿勢であると判断された場合に、ヘッドレスト移動機構23が作動されてヘッドレスト18の少なくとも前部が前方に移動される。これにより、ヘッドレスト18が乗員Dの頭部Hに近づくため、ウェビング22が所定量巻き取られた際に、ヘッドレスト18によって早期に頭部Hを後方から支持することができ、頭部Hが後方へ勢いよく振られるのを抑制することができる。この結果、乗員Dが非正規着座姿勢で着座している場合であっても、ウェビング22の巻き取り時にヘッドレスト18による頭部Hの保護性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、座圧センサ34及び引出量検知センサ24Aによって検知された乗員Dの着座姿勢が正規着座姿勢であれば、ヘッドレスト移動機構23を作動させない。すなわち、ヘッドレスト18を前方へ移動させない。これにより、不用意にヘッドレスト18を移動させて移動中のヘッドレスト18が乗員Dの頭部に干渉するのを抑制することができる。例えば、頭部Hがヘッドレスト18に支持されている状態や、ヘッドレスト18の近傍に頭部Hが位置している状態でヘッドレスト18が前方へ移動すれば、頭部Hがヘッドレスト18によって前方へ押される可能性がある。これに対して、本実施形態では、乗員Dが正規着座姿勢よりも車両前方へ移動した非正規着座姿勢である場合にのみヘッドレスト移動機構23を作動させるため、頭部Hがヘッドレスト18によって前方へ押されるのを抑制することができる。また、ヘッドレスト移動機構23の作動を必要最小限に止めることができる。
さらにまた、本実施形態では、衝突予知センサ38によって車両の衝突が予知された際に、ヘッドレスト移動機構23を作動させつつ、リトラクタ24によってウェビング22を所定量巻き取っている。これにより、車両の衝突時にウェビング22を巻き取る場合よりもウェビング22による拘束力を低く設定することができるため、乗員Dの頭部Hが後方へ振られにくく、ヘッドレスト18によって良好に頭部Hを支持することができる。また、車両の衝突時にプリテンショナ機構が作動した場合であっても、予めウェビング22が所定量巻き取られており、かつ、ヘッドレスト18が前方に移動しているため、乗員Dの頭部Hが後方へ振られるのを抑制することができる。この結果、車両の衝突時にウェビング22を巻き取りつつヘッドレスト移動機構23を作動させる構成と比較して、乗員Dの頭部Hの保護性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、座圧センサ34及び引出量検知センサ24Aの両方のセンサからの信号に基づいて乗員Dの着座姿勢を検知している。これにより、引出量検知センサ24Aからの信号のみに基づいて乗員Dの着座姿勢を検知する場合と比較して、着座姿勢の検知精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において実施することが可能であることは勿論である。例えば、本実施形態では、車両の面前衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際に、ウェビング22を所定量巻き取るプリクラッシュシートベルトを備えた構成に本発明を適用したが、これに限定されない。プリクラッシュシートベルトを有していない構成に本発明を適用してもよい。この場合、衝突センサ40からの信号に基づいて車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が検知された際に、乗員Dの着座姿勢が非正規着座姿勢であれば、ウェビング22を巻き取りつつ、ヘッドレスト移動機構23を作動させる。これにより、ヘッドレスト18の少なくとも前部が車両前方へ移動され、乗員Dの頭部Hを支持する。このようにして、プリクラッシュシートベルトを有していない構造であっても、ウェビング22の巻き取り時に乗員Dの頭部Hを早期に支持することができ、頭部Hが勢いよくヘッドレスト18側へ振られるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、座圧センサ34及び引出量検知センサ24Aによって乗員Dの着座姿勢を検知したが、これに限定されない。例えば、引出量検知センサ24Aのみによって乗員Dの着座姿勢を検知する構成としてもよい。この方法の一例として、乗員Dがシート12に着座してウェビング22を装着した段階で、ウェビング22の引き出し量を記憶して初期値とする。そして、ウェビング22の引き出し量が記憶した初期値に対して、所定量以上となった時点で、非正規着座姿勢であると判断する方法を採用してもよい。
さらに、シートバック16内に静電容量センサを配置し、この静電容量センサを姿勢検知手段の一部として用いてもよい。静電容量センサでは、乗員Dの背部Bがシートバック16に当接しているか否かを検知する。そして、乗員Dがシート12に着座している状態で、背部Bがシートバック16に当接していない場合(シートバック16から離れている場合)に、非正規着座姿勢であると判断する方法を採用してもよい。また、車室天井に光学カメラを配置し、このカメラによって乗員Dの姿勢を検知させてもよく、これらのセンサ類を組み合わせて姿勢検知手段を構成してもよい。
さらにまた、本実施形態では、ヘッドレスト移動機構23として、ヘッドレスト18の上部を下部に対して前方へ傾倒させる機構としたが、これに限定されず、他の方法でヘッドレスト18の少なくとも前部を車両前方へ移動させる構造としてもよい。例えば、特開2006−264431号公報に開示された構造のように、平行リンク機構によって前後に分割されたヘッドレストの前部側を車両前方へ移動させる構成としてもよい。その他、ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる周知の構造を採用し得る。
また、リトラクタ24によってウェビング22を巻き取るタイミングと、ヘッドレスト移動機構23によってヘッドレスト18を移動させるタイミングとが同時とされた構成に限定されない。例えば、ウェビング22を巻き取る直前にヘッドレスト18の移動を開始させてもよい。
さらに、本実施形態では、リトラクタ24がシートバック16内に設けられた構成としたが、これに限定されず、例えば、車体側にリトラクタ24が設けられた構成としてもよい。この場合、ウェビング22の一端が、センタピラーやアッパバックパネルに設けられたリトラクタに引き出し可能に巻き取られた構成としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際又は前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が検知された際にヘッドレスト移動機構23を作動させることについて説明したが、これに限定されない。例えば、周知の構造と同様に、後面衝突が不可避であると判断された際又は後面衝突が検知された際にヘッドレスト移動機構23を作動させてもよい。
10 乗員拘束装置
12 車両用シート
14 シートクッション
18 ヘッドレスト
21 シートベルト装置
22 ウェビング
23 ヘッドレスト移動機構
24 リトラクタ
24A ウェビング引出量検知センサ(姿勢検知手段)
34 座圧センサ(姿勢検知手段、体重センサ)
D 乗員

Claims (3)

  1. 車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際又は車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が検知された際に、乗員を拘束するウェビングを所定量巻き取るリトラクタを備えたシートベルト装置と、
    車両用シートに着座した乗員の着座姿勢を検知する姿勢検知手段と、
    ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動可能に構成されたヘッドレスト移動機構と、
    前記姿勢検知手段による乗員の着座姿勢が正規着座姿勢であると判断した場合には、前記リトラクタによる前記ウェビングの巻き取り時に前記ヘッドレストを移動させず、前記姿勢検知手段による乗員の着座姿勢が正規着座姿勢に対して車両前方へ移動した非正規着座姿勢であると判断した場合には、前記ウェビングの巻き取りに先行して前記ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる制御部と、
    を有する乗員拘束装置。
  2. 車両の前面衝突及び側面衝突の少なくとも一方の衝突が不可避であると判断された際であって、乗員の着座姿勢が非正規着座姿勢であると判断された際に、前記リトラクタによって前記ウェビングを所定量巻き取り、かつ、前記ヘッドレスト移動機構によって前記ヘッドレストの少なくとも前部を車両前方へ移動させる請求項1に記載の乗員拘束装置。
  3. 前記姿勢検知手段は、シートクッション内に設けられた体重センサと、前記リトラクタに設けられて前記ウェビングの引き出し量を検知するウェビング引出量検知センサとを含んで構成されており、
    正規の状態で着座した乗員の体重を前記体重センサで検知し、前記ウェビング引出量検知センサによって検知された前記ウェビングの引き出し量が、体重に応じて予め設定された前記ウェビングの適正な引き出し量の上限よりも多い場合に、乗員の着座姿勢が非正規着座姿勢であると判断する請求項1又は2に記載の乗員拘束装置。
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