JP6748378B2 - ジアミンおよびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、ジアミンおよびその利用に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のエレクトロニクスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更には、フレキシブル化が要求されるようになってきた。
これらのデバイスにおいては、ガラス基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、このガラス材料を柔軟かつ軽量な樹脂材料に替えることで、デバイス自体の薄型化や軽量化、フレキシブル化が期待される。
そして、そのような樹脂材料の候補としてはポリイミドが注目を集めており、ポリイミドフィルムに関する種々の報告が従来よりなされている(例えば特許文献1,2参照)。
特開昭60−188427号公報 特開昭58−208322号公報 国際公開2011/149018号パンフレット
ところで、ポリイミド樹脂材料をディスプレイの基板として用いるとき、その樹脂材料が透明性に優れるだけでなく、要求性能の一つとしてリタデーション(Retardation)が低い材料であることが望ましい。
すなわち、リタデーション(位相差)とは、複屈折(直交する2つの屈折率の差)と膜厚との積をいうが、この数値、特に厚さ方向のリタデーションは視野角特性に影響する重要な数値であり、大きなリタデーション値は、ディスプレイの表示品質の低下を招く原因となり得ることから(例えば特許文献3参照)、フレキシブルディスプレイ基板にあっても、高い柔軟性(可撓性)以外に、これらの特性も求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜を与えるジアミンを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1−1)で表されるジアミン化合物を、特に2,2’−ジ(トリフルオロメチル)ベンジジン等の含フッ素原子芳香族ジアミンとともに、テトラシクロブタン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物と共重合させることで、有機溶媒に可溶なポリイミドが得られること、及び当該ポリイミドを有機溶媒に溶解させることで得られる組成物から、柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、式(1−1)で表されることを特徴とするジアミンに関する。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
cは0〜2の整数を表す。)
第2観点として、式(1−2)で表されるジアミンである、第1観点に記載のジアミンに関する。
Figure 0006748378
第3観点として、式(1−3)又は式(1−4)で表されるジアミンである、第2観点に記載のジアミンに関する。
Figure 0006748378
第4観点として、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のジアミンを含むジアミン成分と、酸二無水物成分との反応生成物であるポリアミック酸に関する。
第5観点として、前記ジアミン成分が、式(A1)で表されるジアミンをさらに含む、第4観点に記載のポリアミック酸に関する。
Figure 0006748378
(式中、Bは、式(Y−1)〜(Y−34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
(式中、*は結合手を表す。)
第6観点として、前記酸二無水物成分が、式(C1)で表される酸二無水物を含む、第4観点又は第5観点に記載のポリアミック酸に関する。
Figure 0006748378
〔式中、Bは、式(X−1)〜(X−12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0006748378
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
第7観点として、第4観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載のポリアミック酸をイミド化して得られるポリイミドに関する。
第8観点として、第7観点に記載のポリイミドと、有機溶媒と、窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径が100nm以下である二酸化ケイ素粒子を含む、薄膜形成用組成物に関する。
第9観点として、前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素粒子の質量比が、1:10〜10:1である、第8観点に記載の薄膜形成用組成物に関する。
第10観点として、前記平均粒子径が、60nm以下である、第8観点又は第9観点に記載の薄膜形成用組成物に関する。
第11観点として、第8観点乃至第10観点のうちいずれか一項に記載の薄膜形成用組成物から形成される薄膜に関する。
第12観点として、第11観点に記載の薄膜からなるフレキシブルデバイス用基板に関する。
第13観点として、第7観点に記載のポリイミドと、有機溶媒とを含む膜形成用組成物に関する。
第14観点として、第13観点に記載の膜形成用組成物から形成される膜からなるフレキシブルデバイス用基板に関する。
第15観点として、式(2−1)で表されることを特徴とするジニトロ化合物に関する。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
cは0〜2の整数を表す。)
第16観点として、式(2−2)で表されるジニトロ化合物である、第15観点に記載のジニトロ化合物に関する。
Figure 0006748378
第17観点として、式(2−3)又は式(2−4)で表されるジニトロ化合物である、第16観点に記載のジニトロ化合物に関する。
Figure 0006748378
第18観点として、式(1−1)で表されるジアミンを製造する方法であって、
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
cは0〜2の整数を表す。)
式(2−1)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して式(1−1)で表されるジアミンを得る段階を含む、製造方法に関する。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
本発明の新規ジアミン化合物は、とりわけ従来既知の含フッ素原子芳香族ジアミンとともに、脂環式テトラカルボン酸二無水物と共重合させることで、有機溶媒に可溶なポリイミドを得ることができる。
また本発明のジアミン化合物から得られるポリイミドは、柔軟性及び透明性に優れ、さらに低いリタデーションを実現できる薄膜を形成できる。
さらに本発明のポリイミドを含む薄膜形成用組成物より得られる薄膜は、柔軟性及び透明性に優れることに加え、特に低い線膨張係数、低いリタデーションを示すことから、該樹脂膜についてもフレキシブルデバイス、特にフレキシブルディスプレイの基板として好適に用いることができる。
そして、本発明のポリイミドを用いて形成される膜は、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーションを示すことから、フレキシブルデバイス、特にフレキシブルディスプレイの基板として好適に用いることができる。
[ジアミン化合物]
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るジアミンは、式(1−1)で表されるジアミンであり、特に式(1−2)で表されるジアミンが好ましく、中でも、柔軟性及び透明性に優れ、低リタデーションの薄膜等を再現性よく得ることを考慮すると、好ましくは式(1−3)又は式(1−4)で表されるジアミンである。
Figure 0006748378
(上記式(1−1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そしてcは0〜2の整数を表す。)
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
上記炭素原子数1乃至5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、tert−アミル基、sec−イソアミル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
また炭素原子数1乃至5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert−ペントキシ基等が挙げられる。
本発明の上記式(1−1)〜(1−4)で表されるジアミンは、それぞれ下記式(2−1)〜(2−4)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して得ることができる。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
具体的には、上記式(1−1)で表されるジアミンは、一例として下記スキームで示されるように、有機溶媒中、9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジオール化合物(以下、ベンゼノアントラセンジオール化合物ともいう。)と、ニトロベンゾイルハライド化合物を塩基触媒の存在下で反応させて、中間体(9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジイル ビス(ニトロベンゾエート)化合物)(式(2−1)で表される化合物)を得(第1段階)、この中間体のニトロ基を還元する(第2段階)ことで得ることができる。なお中間体である上記式(2−1)〜(2−4)で表されるジニトロ化合物も本発明の対象である。
Figure 0006748378
(上記スキーム中、Xはハロゲン原子を表し、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
第1段階の反応において、ベンゼノアントラセンジオール化合物とニトロベンゾイルハライド化合物との仕込み比は、ベンゼノアントラセンジオール化合物1モルに対し、ニトロベンゾイルハライド化合物2〜4モルが好ましい。また、ニトロベンゾイルハライド化合物は、反応液での安定性が低いことから、必要量を一度に添加するのではなく、数回に分けて添加することが好ましい。
塩基触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類等の有機塩基が好適に用いられる。また、塩基触媒の使用量は、ベンゼノアントラセンジオール化合物1モルに対して2モル以上であれば特に限定されるものではないが、通常2〜10モル程度である。
また、反応で副生する塩酸等の酸を中和するために、酸吸収剤を用いてもよい。酸吸収剤としては、プロピレンオキシド等のエポキシド類が挙げられる。酸吸収剤の使用量は、ベンゼノアントラセンジオール化合物1モルに対して2モル以上であれば特に限定されるものではないが、通常2〜10モル程度である。
有機溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOという)などを用いることができる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、溶媒中に水分が多く含まれると、エステルの加水分解が起こることから、溶媒は脱水溶媒を使用する、もしくは、脱水してから使用することが好ましい。
反応温度は、0〜200℃程度とすることができるが、20〜150℃が好ましい。
反応後は、溶媒を留去し、粗生成物のまま、あるいは精製して次工程に用いる。精製法は任意であり、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法から適宜選択すればよい。
第2段階の反応において、中間体のニトロ基をアミノ基へ還元する方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に制限はないが、例えば、パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金−炭素、ロジウム−アルミナ、硫化白金炭素、還元鉄、塩化鉄、スズ、塩化スズ、亜鉛などを触媒として用い、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素、塩化アンモニウムなどによって行う方法がある。特に、中間体のエステル部位に起因する副反応を起こしにくく、容易に目的物を得ることができることから、接触水素化が好ましい。
接触水素化の水素原子源としては、水素ガスやヒドラジン、塩化水素、塩化アンモニウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
接触水素化に用いる触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、鉄、亜鉛、スズ等の金属の粉末が挙げられ、金属の粉末が活性体に担持されたものであってもよい。触媒の種類は、水素源の種類や反応条件に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、ニトロ基のみを還元できる触媒であればよく、好ましくは、パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金−炭素、ロジウム−アルミナ、硫化白金炭素が挙げられる。また、触媒の使用量は、水素源の種類や反応条件に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、原料のジニトロ体(中間体)に対して金属換算で通常0.01モル%から50モル%、好ましくは0.1モル%から20モル%である。
反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒を用いることができる。例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、水などが挙げられる。これらの溶媒は、単独、又は、2種類以上混合して使用することができる。
反応温度は、原料や生成物が分解することなく、用いる溶媒の沸点以下であれば、反応が効率よく進行する温度で行なうことができる。具体的には、−78℃から溶媒の沸点以下の温度が好ましく、合成の簡便性の観点から、0℃から溶媒の沸点以下の温度がより好ましく、さらに好ましくは0〜100℃、さらにより好ましくは10〜50℃である。
また、接触水素化は、オートクレーブを用いる等して、加圧条件の下で行ってもよい。
反応後は、溶媒を留去後、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法を用いて精製し、目的物のジアミンを得ることができる。なお、溶媒中に酸素が多く含まれると、生成したジアミン化合物の着色が起こる場合があるため、反応および精製に使用する溶媒は脱気してから使用することが好ましい。また、より着色を防ぐために、反応後の溶媒留去前、溶媒留去後の反応液も脱気することが好ましい。
また、本発明で用いるベンゼノアントラセンジオール化合物は、例えば、一例として下記スキームで示されるように、公知の方法に従い、有機溶媒中、アントラセン化合物と1,4−ベンゾキノン化合物とをDiels―Alder反応させて得られる9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−13,16(9H,10H)−ジオン化合物を酢酸溶媒中、47%臭化水素存在下、加熱条件で処理することで得ることができる。
Figure 0006748378
(上記スキーム中、Xはハロゲン原子を表し、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
[ポリアミック酸及びポリイミド]
以上説明した本発明のジアミンは、酸二無水物との重縮合反応によりポリアミック酸とした後、熱または触媒を用いた脱水閉環反応により、対応するポリイミドとすることができる。該ポリアミック酸及びポリイミドともに本発明の対象である。
柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いるジアミン成分は、本発明の上記式(1−1)で表されるジアミンに加え、好ましくは含フッ素原子芳香族ジアミンを、より好ましくは下記式(A1)で表されるジアミンを含む。
Figure 0006748378
(式中、Bは、式(Y−1)〜(Y−34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
Figure 0006748378
(式中、*は結合手を表す。)
上記式(A1)で表されるジアミンの中でも、式中のBが前記式(Y−12)、(Y−13)、(Y−14)、(Y−15)、(Y−18)、(Y−27)、(Y−28)、(Y−30)、(Y−33)で表されるジアミンが好ましく、前記Bが前記式(Y−12)、(Y−13)、(Y−14)、(Y−15)、(Y−33)で表されるジアミンが特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、前記ジアミン成分には、上記式(1−1)で表されるジアミン、上記式(A1)で表されるジアミン以外の、その他のジアミン化合物を用いてもよい。
上記ジアミン成分において、本発明の上記式(1−1)で表されるジアミンとともに含フッ素原子芳香族ジアミンを用いる場合における、上記式(1−1)で表されるジアミンと含フッ素原子芳香族ジアミンとのモル比率は、通常、上記式(1−1)で表されるジアミン:含フッ素原子芳香族ジアミン=1:1〜1:10である。このような範囲とすることで、薄膜の脆弱化を抑制でき、また低線膨張係数の薄膜を再現性よく得ることができる。
柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いる酸二無水物成分は、好ましくは脂環式テトラカルボン酸二無水物を、より好ましくは下記式(C1)で表される酸二無水物を含む。
Figure 0006748378
〔式中、Bは、式(X−1)〜(X−12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0006748378
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
上記式(C1)で表される酸二無水物の中でも、式中のBが前記式(X−1)、(X−2)、(X−4)、(X−5)、(X−6)、(X−7)、(X−8)、(X−9)、(X−11)、(X−12)で表される酸二無水物が好ましく、前記Bが前記式(X−1)、(X−2)、(X−6)、(X−11)、(X−12)で表される酸二無水物が特に好ましい。
高柔軟性、高透明性、低リタデーションの薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いる酸二無水物成分中の脂環式テトラカルボン酸二無水物の含有量は、好ましくは50mol%以上、より好ましくは60mol%以上、より一層好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、さらに一層好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
なお、上記ジアミン成分として上記式(1−1)で表されるジアミンと上記式(A1)で表されるジアミンとを用い、上記酸二無水物成分として上記(C1)で表される酸二無水物を用いた場合、ポリアミック酸は下記式(4−1)で表されるモノマー単位と、下記式(4−2)で表されるモノマー単位とを有するものとなる。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d、e、B及びBは、上記と同じ意味を表す。)
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、前述の酸二無水物成分とジアミン成分とを公知の手法によって反応、重合させればよい。
ポリアミック酸を合成する際の酸二無水物成分のモル数とジアミン成分のモル数との比は、酸二無水物成分/ジアミン成分=0.8〜1.2である。
ポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
上述したポリアミック酸の重合反応により得られたポリアミック酸溶液は、そのまま、あるいは希釈もしくは濃縮した後、後述するポリイミドの膜を形成するための膜形成用組成物として使用することができる。また該ポリアミック酸に、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させてポリアミック酸を単離し、その単離したポリアミック酸を適当な溶媒に再溶解させ、これを後述する膜形成用組成物として使用することもできる。
再溶解用溶媒は、得られたポリアミック酸を溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、ポリアミック酸が析出しない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明のポリイミドは、上記説明したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)、または公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環して得ることができる。
加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミン、1−エチルピペリジンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
こうして得られる上記式(4−1)で表されるモノマー単位と上記記式(4−2)で表されるモノマー単位とを有するポリアミック酸から得られるポリイミドは、下記式(5−1)で表されるモノマー単位と下記式(5−2)で表されるモノマー単位とを有するものである。
Figure 0006748378
(式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d、e、B及びBは、上記と同じ意味を表す。)
上述したポリアミック酸の閉環反応により得られたポリイミド溶液は、そのまま、あるいは希釈もしくは濃縮した後、後述する膜形成用組成物として使用することができる。また該ポリイミド溶液に、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させてポリイミドを単離し、その単離したポリイミドを適当な溶媒に再溶解させ、これを後述する膜形成用組成物として使用することができる。またこれら膜形成用組成物を、後述するポリイミドと二酸化ケイ素粒子とを含有する薄膜形成用組成物の調製に用いることができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、ポリイミドが析出しない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明において、ポリアミック酸(ポリイミド)の数平均分子量は、得られる薄膜の柔軟性、強度等を向上させるという観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、より一層好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、得られるポリイミドの溶解性を確保するという観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、より一層好ましくは、50,000以下である。なお本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として算出される値である。
[薄膜形成用組成物]
上述の本発明のポリイミドと、有機溶媒と、二酸化ケイ素粒子を含む薄膜形成用組成物も本発明の対象である。
<二酸化ケイ素>
本発明に用いる二酸化ケイ素(シリカ)は特に限定されないが、粒子形態の二酸化ケイ素、例えば平均粒子径が100nm以下、例えば5nm〜100nm、好ましくは5nm〜60nm、より好ましくは5nm〜55nmであり、より高透明の薄膜を再現性よく得る観点から、好ましくは5nm〜50nm、より好ましくは5nm〜45nm、より一層好ましくは5nm〜35nm、さらに好ましくは5nm〜30nmである。
本発明において二酸化ケイ素粒子の平均粒子径とは、二酸化ケイ素粒子を用いて窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径値である。
特に本発明では、上記平均粒子径の値を有するコロイダルシリカを好適に使用でき、該コロイダルシリカとしては、シリカゾルを用いることができる。シリカゾルとしては、ケイ酸ナトリウム水溶液を原料として公知の方法により製造される水性シリカゾル及び該水性シリカゾルの分散媒である水を有機溶媒に置換して得られるオルガノシリカゾルを使用する事が出来る。
また、メチルシリケートやエチルシリケート等のアルコキシシランを、アルコール等の有機溶媒中で触媒(例えば、アンモニア、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒)の存在下において加水分解し、縮合して得られるシリカゾル、又はそのシリカゾルを他の有機溶媒に溶媒置換したオルガノシリカゾルも用いることができる。
これらの中でも本発明は分散媒が有機溶媒であるオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。
上述のオルガノシリカゾルにおける有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類;γ−ブチロラクトン等のエーテル類;エチルセロソルブ、エチレングリコール等のグリコール類、アセトニトリル等が挙げられる。この置換は、蒸留法、限外濾過法等による通常の方法により行うことができる。
上記のオルガノシリカゾルの粘度は、20℃で、0.6mPa・s〜100mPa・s程度である。
上記オルガノシリカゾルの市販品の例としては、例えば商品名MA−ST−S(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MT−ST(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA−ST−UP(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA−ST−M(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA−ST−L(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA−ST−S(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA−ST(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA−ST−UP(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA−ST−L(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA−ST−ZL(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名NPC−ST−30(n−プロピルセロソルブ分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名PGM−ST(1−メトキシ−2−プロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名DMAC−ST(ジメチルアセトアミド分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名XBA−ST(キシレン・n−ブタノール混合溶媒分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名EAC−ST(酢酸エチル分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名PMA−ST(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK−ST(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK−ST−UP(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK−ST−L(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)及び商品名MIBK−ST(メチルイソブチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において二酸化ケイ素、例えばオルガノシリカゾルとして使用される上記製品に挙げたような二酸化ケイ素は、二種以上を混合して用いてもよい。
<有機溶媒>
本発明の薄膜形成用組成物は、前記ポリイミド及び二酸化ケイ素に加えて、有機溶媒を含む。該有機溶媒は、特に限定されるものではなく、例えば、上記ポリアミック酸及びポリイミドの調製時に用いた反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。より具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、平坦性の高い薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
<薄膜形成用組成物>
本発明は、前記ポリイミドと二酸化ケイ素と有機溶媒とを含有する薄膜形成用組成物である。ここで本発明の薄膜形成用組成物は、均一なものであって、相分離は認められないものである。
本発明の薄膜形成用組成物において、前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素の配合比は、質量比で、ポリイミド:二酸化ケイ素=10:1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは8:2〜2:8、例えば7:3〜3:7である。
また本発明の薄膜形成用組成物における固形分量の配合量は、通常0.5〜30質量%程度、好ましくは5〜25質量%程度である。固形分濃度が0.5質量%未満であると薄膜を作製する上において製膜効率が低くなり、また薄膜形成用組成物の粘度が低くなるため、表面が均一な塗膜を得られにくい。また固形分濃度が30質量%を超えると、薄膜形成用組成物の粘度が高くなりすぎて、やはり成膜効率の悪化や塗膜の表面均一性に欠ける虞がある。なおここでいう固形分量とは、有機溶媒以外の成分の総質量を意味し、液状のモノマー等であっても固形分として重量に含めるものとする。
なお薄膜形成用組成物の粘度は、作製する薄膜の厚み等を勘案し適宜設定するものではあるが、特に5〜50μm程度の厚さの薄膜を再現性よく得ること目的とする場合、通常、25℃で500〜50,000mPa・s程度、好ましくは1,000〜20,000mPa・s程度である。
本発明の薄膜形成用組成物には、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、触媒、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、染料、可塑剤、微粒子、カップリング剤、増感剤等を用いることができる。例えば触媒は薄膜のリタデーションや線膨張係数を低下させる目的で添加され得る。なお、前記ポリイミド、二酸化ケイ素及び有機溶媒に加え、さらに触媒を含む薄膜形成用組成物も本発明の対象とすることができる。
本発明の薄膜形成用組成物は、上述の方法で得られたポリイミド並びに二酸化ケイ素を上述の有機溶媒に溶解して得ることができるし、ポリイミドの調製後の反応溶液に二酸化ケイ素を添加し、所望により前記有機溶媒を更に加えたものとしてもよい。
[薄膜]
以上説明した本発明の薄膜形成用組成物を基材に塗布して乾燥・加熱することで有機溶媒を除去し、高い耐熱性と、高い透明性と、適度な柔軟性と、適度な線膨張係数とを有し、しかもリタデーションの小さい薄膜を得ることができる。
そして上記薄膜、すなわち上記ポリイミドと、上記無機シリカ化合物とを含有する薄膜も本発明の対象である。
薄膜の製造に用いる基材としては、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、ステンレス鋼(SUS)、木材、紙、ガラス、シリコンウェハ、スレート等が挙げられる。
特に、電子デバイスの基板材料として適用する場合においては、既存設備を利用することができるという観点から、適用する基材がガラス、シリコンウェハであることが好ましく、また得られる薄膜が良好な剥離性を示すことからガラスであることがさらに好ましい。なお、適用する基材の線膨張係数としては塗工後の基材の反りの観点から、好ましくは35ppm/℃以下、より好ましくは30ppm/℃以下、より一層好ましくは25ppm/℃以下、さらに好ましくは、20ppm/℃以下である。
基材への薄膜形成用組成物の塗布法は、特に限定されるものではないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられ、目的に応じてこれらを適宜用いることができる。
加熱温度は、300℃以下が好ましい。300℃を超えると、得られる薄膜が脆くなり、特にディスプレイ基板用途に適した薄膜を得ることができない場合がある。
また、得られる薄膜の耐熱性と線膨張係数特性を考慮すると、塗布した薄膜形成用組成物を40℃〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させ、最終的に175℃超〜280℃で30分〜2時間加熱することが望ましい。このように、溶媒を乾燥させる段階と分子配向を促進する段階の2段階以上の温度で加熱することにより、低熱膨張特性を発現させることができる。
特に、塗布した薄膜形成用組成物は、40℃〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、100℃超〜175℃で5分間〜2時間、次いで、175℃超〜280℃で5分〜2時間加熱することが好ましい。
加熱に用いる器具は、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても窒素等の不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよく、また加熱の各段階において異なる圧力を適用してもよい。
薄膜の厚さは、特にフレキシブルディスプレイ用の基板として用いる場合、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜50μm程度であり、加熱前の塗膜の厚さを調整して所望の厚さの薄膜を形成する。
なおこのようにして形成された薄膜を基材から剥離する方法としては特に限定はなく、該薄膜を基材ごと冷却し、薄膜に切れ目を入れ剥離する方法やロールを介して張力を与えて剥離する方法等が挙げられる。
[膜形成用組成物及び膜]
上述したように、前記ポリアミック酸含有溶液や前記ポリイミド含有溶液はポリイミドの膜を形成するための膜形成用組成物として好適に用いることができる。
すなわち、基材上に塗布した上記ポリアミック酸含有溶液を加熱し、溶媒を蒸発させつつイミド化反応をさせることで、あるいは、基材上に塗布した上記ポリイミド含有溶液を加熱し、溶媒を蒸発させることで、本発明のポリイミドを含む膜を得ることができる。この際、加熱温度は、通常40〜500℃程度であり、例えば、40〜150℃の範囲、180〜350℃の範囲、さらに380〜450℃の範囲で段階的に加熱してもよい。
なお、ポリイミドの膜と基材との密着性を更に向上させる目的で、ポリアミック酸溶液やポリイミド溶液に、カップリング剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
上記膜形成用組成物並びに該組成物を用いて形成される膜も本発明の対象である。
なお、膜形成用組成物に配合され得る公知の添加剤や、ポリイミドの膜の形成等に係る諸条件は、先に詳述した薄膜形成用組成物に配合され得る添加剤や、該組成物から形成される薄膜の製造等に係る諸条件を適宜採用することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、使用した試薬の略語並びに使用した装置及びその条件は、以下の通りである。
<HPLC分析(1)>
カラム:Inertsil ODS−3、5μm、4.6×250mm
オーブン:40℃、 検出波長:254nm、 流速:1.0mL/分
溶離液:
TB:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=70/30 サンプル注入量:2μL
TH:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=70/30 サンプル注入量:1μL
THDNB:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=80/20 サンプル注入量:10μL
THDAB:アセトニトリル/水=80/20 サンプル注入量:5μL
<HPLC分析(2)>
カラム:Inertsil ODS−3、5μm、4.6×250mm
オーブン:40℃、 検出波長:200nm,254nm、 流速:1.0mL/分
溶離液:
m−THDNB:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=70/30 サンプル注入量:10μL
m−THDAB:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=70/30 サンプル注入量:10μL
HNMR分析>
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)(INOVA−400(Varian社)400MHz、
溶媒:DMSO−d6、CDCl
内標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定>
装置:昭和電工(株)製、Showdex GPC−101
カラム:KD803およびKD805
カラム温度:50℃
溶出溶媒:DMF、流量:1.5ml/分
検量線:標準ポリスチレン
[1]化合物の合成
[合成例1] 9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−13,16(9H,10H)−ジオン(以下、TBという)の合成
Figure 0006748378
フラスコ内に、トルエン(900g)、アントラセン(90g)および1,4−ベンゾキノン(63.32g)を入れ、フラスコ内を脱気して窒素置換した後、昇温して固体を溶解させた。そして、得られた混合物を還流条件(110℃)にて20時間攪拌した。なお、加熱撹拌の際、反応の進行とともに生成物の析出が確認された。
その後、反応混合物を室温まで冷却し、析出物をろ過によって回収し、トルエン(540g)で洗浄した。
最後に、洗浄したろ取物(135.64g)を減圧下、60℃で乾燥することで、TBを122.73g得た(収率;84.9%、HPLC面百値(保持時間;6.3min);98.8%)。
HNMR(CDCl、δppm):7.4(m,1H)、7.2(m,2H )、7.1(m,1H)、6.3(s,1H)、4.9(s,1H)、3.1(t,1H).
[合成例2] 9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジオール(以下、THという)の合成
Figure 0006748378
フラフコ内に、酢酸(693.5g)を入れ、そこへ合成例1で得たTB(95g)を入れて溶解させた。そして、70℃まで昇温し、47%HBr水溶液(7.8g)を3分間かけて滴下した後、得られた混合物を70−80℃で1時間攪拌した。
その後、反応混合物を30℃まで冷却し、析出物をろ過によって回収し、酢酸(135.76g)、トルエン(221.79g)で順次洗浄した。
最後に、洗浄した取物(99.39g)を減圧下、70℃で乾燥することで、THを89.89g得た(収率;94.6%、HPLC面百値(保持時間;4.1min);99.8%)。
HNMR(DMSO−d6、δppm):8.8(s,2H)、7.4(m,4H )、7.0(m,4H)、6.3(s,2H)、5.8(s,2H).
[合成例3] 9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジイル ビス(4−ニトロベンゾエート)(以下、THDNBという)の合成
Figure 0006748378
窒素気流下、フラスコ内に脱気したDMF(2000g)に入れ、そこへ合成例2で得たTH(40g)を入れて溶解させた後、トリエチルアミン(42.41g)を入れて30℃に昇温した。
次いで、得られた混合物へ、約5−10gの4−ニトロベンゾイルクロリドを加え、5分間攪拌した。この4−ニトロベンゾイルクロリドの添加および5分間の撹拌を、計9回繰り繰り返し、合計59.62gのニトロベンゾイルクロリドを加えた。
その後、50℃まで昇温して2時間攪拌し、得られた反応混合物に240gの水を加えて20−30℃に冷却し、更に16時間攪拌した。
撹拌後、ろ過によって析出物を回収し、水(750g)、メタノール(750g)で順次を洗浄し、未乾燥の粗物を得た(粗物1)。
以上の操作を、THの使用量を35gとして用いた以外は同一の条件で繰り返して行い、更に未乾燥の粗物(粗物2)を得、合計211.18gの未乾燥の粗物(粗物1+2)を得た。
この未乾燥の粗物(粗物1+粗物2)を減圧下、70℃で十分乾燥し、乾燥したTHDNB粗物を157.37g得た。
乾燥したTHDNB粗物60gとDMF(3L)とを混合することで得られた懸濁液を120℃で1時間30分間攪拌し、撹拌後20℃まで冷却した。そして、析出物をろ過によって回収し、メタノール(400g)で洗浄した後、洗浄したろ取物を減圧下、70℃にて乾燥し、THDNBを52.09g得た(収率;86.8%、HPLC面百値(保持時間;10.0min);99.2%)。
なお、上記得られた結果物であるTHDNBは、汎用の重溶媒に溶解しなかったため、NMRで同定できなかったが、後記の様に、当該結果物を還元することでTHDABが得られた事実から、当該結果物はTHDNBであることが確認された。
[合成例4]9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジイル ビス(4−アミノベンゾエート)(以下、THDABという)の合成(1)
Figure 0006748378
反応容器内を窒素置換したオートクレーブ内に、合成例3で得たTHDNB(10g)、5%Pd−C(STDタイプ、wet品、エヌ・イー ケムキャット(株)製、1g)およびジメチルホルムアミド(70g)を入れて反応容器内を水素置換した後、水素圧0.8MPaの条件下、30℃で21.5時間攪拌した。
HPLCを用いて反応が終了したことを確認した後、ろ過によって反応混合物からPd−Cを取り除き、このPd−Cをジメチルホルムアミド(38g)で洗浄し、洗浄に用いたジメチルホルムアミドをろ液とともに回収した(ろ液1)。
以上の操作をもう一度行って、ろ液を回収し(ろ液2)、ろ液1とろ液2を合わせた。
次いで、このろ液(ろ液1+ろ液2)を水中(1623g)に滴下した後、析出物をろ過によって回収し、水(395g)で洗浄した。そして、得られたろ取物にメタノール(300g)を加え、26℃でスラリー洗浄を行った。
最後に、混合物をろ過し、ろ物を減圧下、70℃で乾燥することでTHDAB(15.46g)を得た(収率;86.2%、HPLC面百値(保持時間;4.7min);99.5%)。
HNMR(DMSO−d6、δppm):8.0(m,4H)、7.4(m,4H )、7.0(m,4H)、6.9(s,2H)、6.7(m,4H)、6.3(s,4H)、5.6(s,2H).
[合成例5]THDABの合成(2)
反応容器内を窒素置換したオートクレーブ内に、合成例3で得たTHDNB(10g)、5%Pd−C(STDタイプ、wet品、エヌ・イー ケムキャット(株)製、1g)およびジメチルホルムアミド(70g)を入れて反応容器内を水素置換した後、水素圧常圧の条件下、30℃で92.5時間攪拌した。
HPLCを用いて反応が終了したことを確認した後、ろ過によって反応混合物からPd−Cを取り除き、このPd−Cをジメチルホルムアミド(18g)で洗浄し、洗浄に用いたジメチルホルムアミドをろ液とともに回収した。
次いで、このろ液を水中(679g)に滴下した後、析出物ろ過によって回収し、水(200g)で洗浄した。そして、次に得られたろ取物にメタノール(148g)を加え、23℃でスラリー洗浄を行った。
最後に、混合物をろ過し、ろ物を減圧下、70℃で乾燥することでTHDAB(8.57g)を得た(収率;95.5%、HPLC面百値(保持時間;4.7min);99.4%)。
HNMR(DMSO−d6、δppm):8.0(m,4H)、7.4(m,4H )、7.0(m,4H)、6.9(s,2H)、6.7(m,4H)、6.3(s,4H)、5.6(s,2H).
[合成例6](9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジイル ビス(3−ニトロベンゾエート)(以下、m−THDNBという)の合成
Figure 0006748378
窒素気流下、25℃にて前記合成例2で得られたTH(20g)をDMF(1000g)に溶解し、トリエチルアミン(29.8g)を添加した。
次いでその溶液に21℃にて約3−5gの3−ニトロベンゾイルクロリドを添加し、21℃から27℃にて5分間撹拌した。この操作を計8回繰り返し、計29.8gの3−ニトロベンゾイルクロリドを添加した。23℃から27℃にて18時間撹拌後、25℃にて反応液に水(1000g)を添加し、更に25℃にて1時間撹拌した。
ろ過によって析出物を回収し、水(200g)でろ取物を洗浄し、m−THDNB粗物の未乾燥品を得た。ここで得られたm−THDNB粗物のすべてをメタノール(400g)に加え、25℃にて1時間撹拌後、ろ過し、ろ取物をメタノール(200g)で洗浄した。得られたろ取物(88.5g)を70℃にて減圧乾燥し、m−THDNBを43.1g得た(収率;99.3%、HPLC面百値(保持時間;10.0min);96.8%)。
なお、上記得られた結果物であるm−THDNBは、汎用の重溶媒に溶解しなかったため、NMRで同定できなかったが、後記の様に、当該結果物を還元することでm−THDABが得られた事実から、当該結果物はm−THDNBであることが確認された。
[合成例7]9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン−1,4−ジイル ビス(3−アミノベンゾエート)(以下、m−THDABという)の合成
Figure 0006748378
合成例6で得たm−THDNB(40.5g)、5%Pd−C(STDタイプ、wet品、エヌ・イー ケムキャット(株)製、4.05g)をN,N−ジメチルホルムアミド(284g)に加え、水素常圧の条件下、20−30℃にて、24時間撹拌した。その後さらにN,N−ジメチルホルムアミド(81g)、5%Pd−C(4.05g)を追加し、26時間撹拌した。
HPLCを用いて反応が完了したことを確認した後、ろ過によって反応混合物からPd−Cを取り除き、ろ液を得た。また使用したPd−CをN,N−ジメチルホルムアミド(81g)で洗浄し、洗浄に用いたジメチルホルムアミドを、先のろ液とともに回収した。回収したろ液に水(2300g)を25℃にて滴下した後、析出物をろ過によって回収し、ろ取物を水(500g)で洗浄した。そして得られたろ取物(66.2g)を70℃にて減圧乾燥することでm−THDAB粗物(35.2g)を得た。
このm−THDAB粗物(35.2g)を、脱気したテトラヒドロフラン(106g)に溶解し、79%ヒドラジン1水和物(30mg)を添加後、5℃に冷却した。この溶液に脱気した2−プロパノール(317g)を滴下し、1時間撹拌した。析出物をろ過し、ろ取物を脱気した2−プロパノール(70g)で2回洗浄し、得られたろ取物のすべてを70℃にて減圧乾燥することでm−THDAB再結晶物(30.8g)を得た。
このm−THDAB再結晶物(30.8g)を、脱気したテトラヒドラフラン(308g)に溶解し、79%ヒドラジン1水和物を30mg添加後、特製白鷺活性炭(3.08g)を加え、1時間撹拌後ろ過した。得られたろ液を70℃にて減圧乾燥することで、m−THDAB活性炭処理物(28.6g)を得た。
さらにこのm−THDAB活性炭処理物を、脱気したヘキサン(858g)に加え、還流条件下で1時間撹拌した。室温に冷却後、ろ過して得られたろ出物を脱気したヘキサン(143g)で3回洗浄した。得られたろ取物(27.5g)を70℃にて減圧乾燥することで、m−THDABの結晶を26.4g得た(収率;70.6%、HPLC面百値(保持時間;6.7min);99.7%)。
この結晶は、HNMR分析結果から、m−THDABであることを確認した。
HNMR(DMSO−d6、δppm):7.5(dd,2H)、7.4(m,6H )、7.3(dd,2H)、7.0(m,4H)、7.0(s,2H)、7.0(ddd,2H)、5.6(s,2H)、5.6(br,4H).
[2]ポリイミドの合成(1)
[実施例1]
窒素置換したフラスコ内に、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)1.46g及びTHDAB 0.898gを入れた。そこへγ−ブチロラクトン 14.9gを加え、撹拌してTFMB及びTHDABが溶解したことを確認した後、更に2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸−1,4:2,3−二無水物(TCA)0.728gを加えた。そして、得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で4時間撹拌し、反応混合物を50℃まで冷却した後、更に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA) 0.637gを加え、そのまま一晩撹拌した。
その後、固形物濃度が8質量%となるようにγ−ブチロラクトンを用いて反応混合物を希釈し、希釈した反応混合物に無水酢酸2.65gおよびピリジン1.542gを加えた後、窒素雰囲気下、100℃で4時間撹拌した。
次いで、得られた反応混合物を100gのメタノール中に滴下して30分間撹拌し、
ろ過によって析出物を回収した。この操作を3回繰り返した。
最後に、得られたろ物を減圧下、150℃で8時間乾燥し、ポリイミドを得た(3.248g 収率:87.2%)。
[比較例1]
THDABの代わりに、本発明のジアミンと同様に分子内に9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン骨格を有する以下の既知ジアミン(以下THDA)0.913gを用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミドを得た(3.22g 86.2%)。
なお、THDAは、Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, Vol. 49, 3109-3120 (2011)記載の方法に従って合成した。
Figure 0006748378
[3]ポリイミド溶液(ワニス)の調製
[実施例2]
実施例1で得られたポリイミドを、濃度が12質量%となるようにγ−ブチロラクトンに溶解させ、ポリイミド溶液を得た。
[比較例2]
実施例1で得られたポリイミドの代わりに、比較例1で得られたポリイミドを用いた以外は、実施例2と同様の方法でポリイミド溶液を得た。
[4]ポリイミドの膜の作製
[実施例3]
まず、実施例2で得られたポリイミド溶液を、5μmのフィルターを用いて加圧ろ過した。
その後、大気下で、ろ過したポリイミド溶液をガラス基板上に塗布し、50℃で30分間、140℃で30分間、200℃で60分間、順次加熱し、ポリイミドの膜を得た。そして、得られたポリイミドの膜に四角形の切込みを入れて膜を剥がし、評価試料とした。
[比較例3]
実施例2で得られたポリイミド溶液の代わりに、比較例2で得られたポリイミド溶液を用いた以外は、実施例3と同様の手順・方法でポリイミドの膜を得た。そして、得られたポリイミドの膜に四角形の切込みを入れて膜を剥がし、評価試料とした。
[5]ポリイミドの合成(2)
[実施例4]
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラーと冷却器が取り付けられた100mLの三口フラスコ内に、TFMB 10.087g(31.5mmol)、THDAB 1.611g(3.5mmol)を仕込んだ。続いてγ−ブチロラクトン 45.9gを加え、撹拌を開始した。その後すぐにノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2”−ノルボルナン−5,5”,6,6”−テトラカルボン酸二無水物(CpODA)6.726g(17.5mmol)を加え、さらにγ−ブチロラクトン 9.836gを加え、窒素雰囲気下にて90℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、CBDA 3.431g(17.5mmol)と、1−エチルピペリジン 0.655gを加え、さらに、γ−ブチロラクトン 9.836gを加え、窒素雰囲気下にて6時間、180℃で撹拌した。次いで得られた反応混合物に対して、メタノールを用いた析出物の回収・精製を行い、得られたろ物を乾燥させ、ポリイミドを収率86.2%にて得た(Mn:49,646,Mw:119,613)。
[6]薄膜形成用組成物の調製
[実施例5]
室温で、実施例4で得られたポリイミド 3gを、以下の[参考例]で調製したGBL−M:γ−ブチロラクトン分散シリカゾル(シリカ固形分濃度:25.25質量%)に加えて30分間混合した後、撹拌した混合物を一晩静置状態で放置することで、薄膜形成用組成物(固形分濃度:18.97質量%、ポリイミド:二酸化珪素粒子=3:7(質量比))を得た。
[参考例]シリカゾルの調製例
1000mLの丸底フラスコに、日産化学工業(株)製メタノール分散シリカゾル:MA−ST−M 350g(シリカ固形分濃度:40.4質量%)とγ−ブチルラクトン419gを入れた。そして、そのフラスコを真空エバポレーターと繋いでフラスコ内を減圧にし、約35℃の温水浴に20〜50分間浸すことで、溶媒がメタノールからγ−ブチルラクトンに置換されたシリカゾル(GBL−M)約560.3gを得た(シリカ固形分濃度:25.25質量%)。
なお、上記シリカゾルにおいて、窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径は22nmであった。なお具体的には、シリカゾルの乾燥粉末の比表面積をユアサアイオニクス社製、比表面積測定装置モノソーブMS−16を用いて測定し、測定された比表面積S(m/g)を用いてD(nm)=2720/Sの式で平均一次粒子径を算出した。
[7]薄膜の作成
[実施例6]
実施例5で得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、塗膜を−97kPaの真空下で、50℃で30分間、140℃で30分間、200℃で60分間、順次加熱して薄膜を得た。なお、加熱には、予め所望の温度に設定をした3つのオーブンを使用した。
得られた薄膜を機械的切断にて剥がし、その後の評価に供した。
[8]ポリイミドの膜及び薄膜の評価
上述の手順にて作製した各薄膜(評価試料)の耐熱性及び光学特性、すなわち、50℃乃至200℃における線膨張係数(CTE)、5%重量減少温度(Td5%)、光線透過率(T400nm、T550nm)及びCIE b値(黄色評価)、リタデーション(Rth、R)並びに複屈折(Δn)に関して、下記手順に従いそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
1)線膨張係数(CTE)
TAインスツルメンツ社製 TMA Q400を用いて、薄膜を幅5mm、長さ16mmのサイズにカットし、まず10℃/minで昇温して50乃至300℃まで加熱(第一加熱)し、次いで10℃/minで降温して50℃まで冷却した後に、10℃/minで昇温して50乃至420℃まで加熱(第二加熱)した際の、第二加熱の50℃乃至200℃における線膨張係数(CTE[ppm/℃])の値を測定することで求めた。なお、第一加熱、冷却および第二加熱を通じて、荷重0.05Nを加えた。
2)5%重量減少温度(Td5%
5%重量減少温度(Td5%[℃])は、TAインスツルメンツ社製 TGA Q500を用い、窒素中、薄膜約5乃至10mgを50乃至800℃まで10℃/minで昇温して測定することで求めた。
3)光線透過率(透明性)(T400nm、T550nm)及びCIE b値(CIE b
波長400nm及び550nmの光線透過率(T400nm、T550nm[%])及びCIE b値(CIE b)は、日本電色工業(株)製 SA4000スペクトロメーターを用いて、室温にて、リファレンスを空気として、測定を行った。
4)リタデーション(Rth、R
厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R)を、王子計測機器(株)製、KOBURA 2100ADHを用いて、室温にて測定した。
なお、厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R)は以下の式にて算出される。
=(Nx−Ny)×d=ΔNxy×d
th=[(Nx+Ny)/2−Nz]×d=[(ΔNxz×d)+(ΔNyz×d)]/2
Nx、Ny:面内の直交する2つの屈折率(Nx>Ny、Nxを遅相軸、Nyを進相軸とも称する)
Nz:面に対して厚さ(垂直)方向(垂直)の屈折率
d:膜厚
ΔNxy:面内の2つの屈折率の差(Nx−Ny)(複屈折)
ΔNxz:面内の屈折率Nxと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
ΔNyz:面内の屈折率Nyと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
5)膜厚(d)
得られた薄膜の膜厚は、(株)テクロック製 シックネスゲージにて測定した。
6)複屈折(Δn)
前述の<4)リタデーション>により得られた厚さ方向リタデーション(Rth)の値を用い、以下の式にて算出した。
ΔN=[Rth/d(フィルム膜厚)]/1000
Figure 0006748378
表1に示される通り、本発明のジアミンを用いて製造した膜(実施例3)は、本発明のジアミンと構造上類似する既知ジアミンを用いて製造した膜(比較例3)よりも線膨張係数が低く、およそ30ppm/℃という低い値を有することができた。また比較例に比べて透過率も高く、さらに耐熱性も改善され、黄色度(CIE b)も低いという結果となった。また厚さ方向のリタデーションRthに関しても700nm未満の値となり、比較例と同程度の低さを有する結果となった。
さらに、本発明のジアミンを用いて製造したポリイミドと、二酸化ケイ素粒子とを含む薄膜形成用組成物を用いて製造した薄膜(実施例6)は、二酸化ケイ素粒子を含むにも関わらず光線透過率が高く、50℃乃至200℃における線膨張係数がおよそ15ppm/℃であり、実施例3の膜と比べてさらに低い線膨張係数を示し、すなわち加熱時の寸法安定に優れ、また5%重量減少温度で評価される耐熱性も改善されるという結果となった。特に該薄膜は、厚さ方向の断面からみたときの2つの複屈折(面内の2つの屈折率と厚さ方向の屈折率との夫々の差)にそれぞれ膜厚を掛けて得られる2つの位相差の平均値として表される厚さ方向リタデーションRthが150nm未満と極めて低く、複屈折Δnも0.004という極めて低い値となった。
このように、本発明のジアミンを用いて製造した薄膜等は、低線膨張係数、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーションという特性を有し、すなわちフレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして必要な要件を満たすものであり、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして特に好適に用いることができることが期待できる。
[9]ポリイミドの合成(3)
[実施例7]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラーが取り付けられた100mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 1.457g(4.45mmol)、THDAB 0.898g(1.95mmol)を仕込んだ。その後すぐ、γ−ブチロラクトン(GBL) 14.884gを加え、撹拌を開始した。ジアミンが完全に溶媒中に溶解した後、TCA 0.728g(3.25mmol)を加え、窒素雰囲気下、90℃で4時間撹拌し反応混合物を得た。次いで、反応混合物を50℃まで冷却し、CBDA 0.637g(3.25mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩反応させた。次の日、固形物濃度が8質量%となる様にGBLを用いて反応混合物を希釈し、酢酸 2.654g(0.026mol)及びピリジン 1.542g(19.5mmol)を加え、100℃で4時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を100gのメタノール中に滴下して30分間撹拌し、30分間撹拌し、固体ポリイミドを濾別した。この操作を3回繰り返した。ポリイミド中のメタノールを8時間、150℃の真空オーブンで乾燥させることにより除去し、最後に乾燥したポリイミドI 3.2438g(収率81.17%)を得た。次いで、粉末ポリイミドIを、濃度が12%となるようにGBLに溶解させ、ポリイミドI溶液を得た。
[10]ポリイミドの合成(4)
[実施例8]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラーが取り付けられた100mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 1.457g(4.45mmol)、THDA 0.913g(1.95mmol)を仕込んだ。その後すぐ、γ−ブチロラクトン(GBL) 14.947gを加え、撹拌を開始した。ジアミンが完全に溶媒中に溶解した後、TCA 0.728g(3.25mmol)を加え、窒素雰囲気下にて4時間、90℃で撹拌した。ついで、50℃まで冷却し、CBDA 0.637g(3.25mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩反応させた。次の日、反応混合物をGBLで8%まで希釈し、酢酸 2.654g(0.026mol)及びピリジン 1.542g(19.5mmol)を加え、4時間、100℃の温度まで昇温した。その後、実施例1と同様にポリイミドを精製し乾燥したポリイミドII 3.22g(収率86.23%)を得た。次いで、粉末ポリイミドIIを、濃度が12質量%となるようにGBL中に溶解しポリイミドII溶液を得た。
[11]ポリイミドの合成(5)
[実施例9]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラー及び冷却器が取り付けられた100mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 10.087g(31.5mmol)、THDAB 1.611g(3.5mmol)を仕込み、次いでγ−ブチロラクトン(GBL) 45.9gを加え、撹拌を開始した。その後すぐにCpODA 6.726g(17.5mmol)を加え、次いで、GBL 9.836gを加え、窒素雰囲気下にて20分間撹拌した。次いで、CBDA 3.431g(17.5mmol)及び1−エチルピペリジン 0.655gを加え、次いでGBL 9.836gを加え、そして溶液を窒素雰囲気下にて6時間、210℃で撹拌した。次いで得られた反応混合物に対して、メタノールを用いた析出物の回収・精製を行い、得られたろ物を乾燥させ、ポリイミドIIIを収率86.2%で得た。
[12]ポリイミドの合成(6)
[実施例10]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラー及び冷却器が取り付けられた100mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 1.457g(4.55mmol)、m−THDAB 1.023g(1.95mmol)を仕込み、次いでγ−ブチロラクトン(GBL) 13.143gを加え、撹拌を開始した。その後すぐにTCA 0.728g(3.25mmol)を加え、次いで、GBL 2.817gを加え、窒素雰囲気下にて5時間、90℃で撹拌した。次いで、CBDA 0.637g(3.25mmol)を加え、次いでGBL 2.817gを加え、そして溶液を窒素雰囲気下にて一晩、50℃で撹拌した。翌日、そのワニスをGBL 17.92gで10%となる様に希釈し、無水酢酸 2.654g(26mmol)及びピリジン 1.542g(19.5mmol)を加え、4時間、100℃で反応させた。次いで得られた反応混合物に対して、メタノールを用いた析出物の回収・精製を行い、得られたろ物を乾燥させ、ポリイミドIVを収率93.3%で得た。
[13]ポリイミドの合成(7)
[実施例11]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラー、冷却器、ディーン−スターク装置が取り付けられた250mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 5.764g(18mmol)及びm−THDAB 1.049g(2mmol)を仕込み、次いでγ−ブチロラクトン(GBL) 31.569gを加え、撹拌を開始した。その後すぐにBODAxx 2.5g(10mmol)を加え、次いで、GBL 6.765g、1−エチルピペリジン 0.22gを加え、窒素雰囲気下にて5時間、140℃で撹拌した。次いで、CBDA 1.961g(10mmol)及び1−エチルピペリジン 0.22gを加え、次いでGBL 6.765gを加え、そして溶液を窒素雰囲気下にて7時間、180℃で撹拌した。次いで得られた反応混合物に対して、メタノールを用いた析出物の回収・精製を行い、得られたろ物を乾燥させ、ポリイミドVを収率85.5%で得た。
[14]ポリイミドの合成(8)
[実施例12]
Figure 0006748378
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラー、冷却器、ディーン−スターク装置が取り付けられた250mLの反応三口フラスコ内に、TFMB 4.483g(14mmol)及びm−THDAB 3.147g(6mmol)を仕込み、次いでγ−ブチロラクトン(GBL) 33.858gを加え、撹拌を開始した。その後すぐにBODAxx 2.5g(10mmol)を加え、次いで、GBL 7.255g、1−エチルピペリジン 0.22gを加え、窒素雰囲気下にて5時間、140℃で撹拌した。次いで、CBDA 1.961g(10mmol)及び1−エチルピペリジン 0.24gを加え、次いでGBL 7.255gを加え、そして溶液を窒素雰囲気下にて7時間、180℃で撹拌した。次いで得られた反応混合物に対して、メタノールを用いた析出物の回収・精製を行い、得られたろ物を乾燥させ、ポリイミドVを収率84.7%で得た。
[15]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例13]
室温で、実施例7で得られたポリイミドI 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し透明な膜PI−Iを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表2に示す。
[16]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例14]
室温で、実施例8で得られたポリイミドII 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し透明な膜PI−IIを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表2に示す。
[17]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例15]
室温で、実施例9で得られたポリイミドIII 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し透明な膜PI−IIIを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表2に示す。
[18]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例16]
室温で、実施例9で得られたポリイミドIII 3gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過し、得られた溶液を実施例5に記載されたGBL−M:γ−ブチルラクトン分散シリカゾル(γ−ブチルラクトン中に分散された18乃至23nmのサイズのSiO 25.25%) 3.326gに加え、30分間混合した後、静置状態で放置することで薄膜形成用組成物を得た。この薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、−97kPa減圧下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し透明な膜PI−III−Aを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表2に示す。
[19]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例17]
室温で、実施例4で得られたポリイミドIV 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し、そして−100kPa減圧下にて、280℃で60分間加熱し、透明な膜PI−IVを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表3に示す。
[20]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例18]
室温で、実施例11で得られたポリイミドV 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し、そして−100kPa減圧下にて、280℃で60分間加熱し、透明な膜PI−Vを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表3に示す。
[21]ポリイミド膜形成用組成物の調製及びポリイミド膜の作成
[実施例19]
室温で、実施例6で得られたポリイミドV 1gをポリイミド濃度12質量%となる様にGBL溶媒に溶解し、この溶液を5μmフィルタに通してゆっくり加圧濾過して薄膜形成用組成物を得た。次いで、得られた薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、大気下にて、50℃で30分間、140℃で30分間及び200℃で60分間加熱し、そして−100kPa減圧下にて、280℃で60分間加熱し、透明な膜PI−VIを得た。得られた薄膜を機械的切断にてガラス基板から剥がした。光学的及び熱的性質を表2に示す。
[22]ポリイミド膜の評価
実施例13乃至実施例19で作製した各ポリイミド膜の光学的及び熱的性質を以下の機器を用いて測定した。
ポリイミド膜の光透過率(T400nm、T550nm)及び黄色度(CIE b)は、室温で日本電色SA4000分光計を使用して計測した。
厚さ芳香リタデーション(Rth)及び内面リタデーション(R)を、王子計測機器(株)製KOBURA 2100 ADHを用いて、室温にて測定した。
線膨張係数(CTE)は、ティー・エイ・インスツルメント社のTMA Q400を用いて、窒素気流下で、10℃/分の加熱速度で行い、50℃から200℃の温度範囲で測定した。
熱分解温度(Td点)は窒素気流下で、10℃/分の加熱速度で、ティー・エイ・インスツルメント社のTGA Q500を使用して実施した。150℃で5%の重量損失を規定した。
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、昭和電工(株)製のShowdex GPC−101を用いて決定された。高分子濾過のためのPTFEの0.45μmのフィルターを使用し、検量線は、標準ポリスチレンを用いた。を用いた
膜形成は、コーテスト インスツルメント フリー オートマティック フィルム アプリケ−タ− PFA−2010−1を使用して実施し、フィルムベーキングは、Deng YNG社の円形オーブンDO45を使用して実施した。
膜厚は(株)テクロック製、シックネスゲージにて測定した。
Figure 0006748378
Figure 0006748378
表2及び表3に示される通り、本発明のジアミンを用いて製造した膜(実施例13乃至実施例15、実施例17乃至実施例19)は、低い線膨張係数を有し、また、透過率も高く、さらに耐熱性も良好であり、黄色度(CIE b)も低いという結果となった。また厚さ方向のリタデーションRthに関しても良好な結果となった。
さらに、本発明のジアミンを用いて製造したポリイミドと、二酸化ケイ素粒子とを含む薄膜形成用組成物を用いて製造した薄膜(実施例16)は、二酸化ケイ素粒子を含むにも関わらず光線透過率が高く、50℃乃至200℃における線膨張係数がおよそ16ppm/℃という非常に低い数値を示した。すなわち加熱時の寸法安定に優れ、また5%重量減少温度で評価される耐熱性も改善されるという結果となった。特に該薄膜は、厚さ方向の断面からみたときの2つの複屈折(面内の2つの屈折率と厚さ方向の屈折率との夫々の差)にそれぞれ膜厚を掛けて得られる2つの位相差の平均値として表される厚さ方向リタデーションRthが150nm未満と極めて低く、複屈折Δnも0.004という極めて低い値となった。
このように、本発明のジアミンを用いて製造した薄膜等は、低線膨張係数、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーションという特性を有し、すなわちフレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして必要な要件を満たすものであり、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして特に好適に用いることができることが期待できる。

Claims (18)

  1. 式(1−1)で表されることを特徴とするジアミン。
    Figure 0006748378
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
    cは0〜2の整数を表す。)
  2. 式(1−2)で表されるジアミンである、請求項1に記載のジアミン。
    Figure 0006748378
  3. 式(1−3)又は式(1−4)で表されるジアミンである、請求項2に記載のジアミン。
    Figure 0006748378
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のジアミンを含むジアミン成分と、酸二無水物成分とを用いて得られるポリアミック酸。
  5. 前記ジアミン成分が、式(A1)で表されるジアミンをさらに含む、請求項4に記載のポリアミック酸。
    Figure 0006748378
    (式中、Bは、式(Y−1)〜(Y−34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
    Figure 0006748378
    Figure 0006748378
    Figure 0006748378
    Figure 0006748378
    Figure 0006748378
    (式中、*は結合手を表す。)
  6. 前記酸二無水物成分が、式(C1)で表される酸二無水物を含む、請求項4又は請求項5に記載のポリアミック酸。
    Figure 0006748378
    〔式中、Bは、式(X−1)〜(X−12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
    Figure 0006748378
    (式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
  7. 請求項4乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のポリアミック酸をイミド化してから得られるポリイミド。
  8. 請求項7に記載のポリイミドと、有機溶媒と、窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径が100nm以下である二酸化ケイ素粒子を含む、薄膜形成用組成物。
  9. 前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素粒子の質量比が、1:10〜10:1である、請求項8に記載の薄膜形成用組成物。
  10. 前記平均粒子径が、60nm以下である、請求項8又は請求項9に記載の薄膜形成用組成物。
  11. 請求項8乃至請求項10のうちいずれか一項に記載の薄膜形成用組成物から形成される薄膜。
  12. 請求項11に記載の薄膜からなるフレキシブルデバイス用基板。
  13. 請求項7に記載のポリイミドと、有機溶媒とを含む膜形成用組成物。
  14. 請求項13に記載の膜形成用組成物から形成される膜からなるフレキシブルデバイス用基板。
  15. 式(2−1)で表されることを特徴とするジニトロ化合物。
    Figure 0006748378
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
    cは0〜2の整数を表す。)
  16. 式(2−2)で表されるジニトロ化合物である、請求項15に記載のジニトロ化合物。
    Figure 0006748378
  17. 式(2−3)又は式(2−4)で表されるジニトロ化合物である、請求項16に記載のジニトロ化合物。
    Figure 0006748378
  18. 式(1−1)で表されるジアミンを製造する方法であって、
    Figure 0006748378
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表し、そして
    cは0〜2の整数を表す。)
    式(2−1)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して式(1−1)で表されるジアミンを得る段階を含む、製造方法。
    Figure 0006748378
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
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