JP2005320385A - 液晶表示素子用配向膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】製膜加工性と安定したプレティルト角を与える液晶表示素子用ポリイミド配向膜を提供する。
【解決手段】ポリイミドとして、トリシクロ構造をするテトラカルボン酸二無水物の水素還元化物を含有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応物からなるポリイミド使用する。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリイミドとして、トリシクロ構造をするテトラカルボン酸二無水物の水素還元化物を含有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応物からなるポリイミド使用する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、液晶表示装置の配向膜に関するものである。さらに詳しくは、透明性、製膜性に優れ、かつ、長期間安定したプレティルト角を与える新規なポリイミド樹脂からなる液晶表示素子用配向膜に関するものである。
従来から、液晶表示素子用配向膜として、ポリイミド樹脂は広く用いられてきたが、近年、その特性の改良課題として、(1)透明性(可視光透過性)、(2)製膜加工性、(3)長期にわたる安定した高いプレティルト角保持性、が挙げられている。
(1)、(2)に関しては、従来の全芳香族ポリイミド樹脂に替えて、主鎖の共役構造を弱め、有機溶剤に対する溶解性を増加させるため、脂環式テトラカルボン酸二無水物を構成モノマーとして含有するポリイミド樹脂からなる配向膜が提案されている(例えば、特許文献1〜5を参照。)。
しかしながら、提案される脂環式テトラカルボン酸二無水物は、ディールス・アルダー反応生成物、ディールス・アルダー反応に加えて収率に問題のあるエン反応を経由する必要がある化合物、極めて複雑な合成経路を必要とする化合物であり、不純物の混入、また、精製後の逆ディールス・アルダー反応による分解物精製の懸念の問題がある。
特に、液晶表示素子用配向膜は、通常、ポリアミック酸を塗布して基板上で加熱してイミド化反応を行うことにより製造されること、長期にわたり広範な温度で使用されることから、これらの塗膜成形時の素材中への不純物混入、使用中の分解物の生成(例えば、逆ディールス・アルダー反応)を避けることは極めて重要である。(3)については側鎖を有するポリイミド樹脂からなる液晶表示素子用配向膜が提案されているが、上述したことと同様の問題がある(特許文献6。)。
特開平1−239525号公報
特開平8−43830号公報
特開平9−71650号公報
特開2001−48874号公報
特開平9−211467号公報
特開平8−73589号公報
しかしながら、提案される脂環式テトラカルボン酸二無水物は、ディールス・アルダー反応生成物、ディールス・アルダー反応に加えて収率に問題のあるエン反応を経由する必要がある化合物、極めて複雑な合成経路を必要とする化合物であり、不純物の混入、また、精製後の逆ディールス・アルダー反応による分解物精製の懸念の問題がある。
特に、液晶表示素子用配向膜は、通常、ポリアミック酸を塗布して基板上で加熱してイミド化反応を行うことにより製造されること、長期にわたり広範な温度で使用されることから、これらの塗膜成形時の素材中への不純物混入、使用中の分解物の生成(例えば、逆ディールス・アルダー反応)を避けることは極めて重要である。(3)については側鎖を有するポリイミド樹脂からなる液晶表示素子用配向膜が提案されているが、上述したことと同様の問題がある(特許文献6。)。
本発明の課題は、上記のような従来の問題点を解決したポリイミド樹脂からなる製膜加工性と安定したプレティルト角を与える液晶表示素子用配向膜を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、例えば、1,1−ジフェニルエチレン1モルと無水マレイン酸2モルとの間で連続して生じる反応によって得られるトリシクロ構造をするテトラカルボン酸二無水物の水素還元化物を含有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応物からなるポリイミドを含む液晶表示素子用配向膜用いて上記課題を解決し本発明を完成した。
本発明の第1は、下記式一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと下記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含むことを特徴とする液晶表示素子用配向膜である。
一般式(1)、(2)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
一般式(3)において、R3は2価の有機基を表す。
本発明の第2は、前記一般式(1)および(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくともひとつと下記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と前記一般式(3)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含むことを特徴とする液晶表示素子用配向膜である。
一般式(4)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
テトラカルボン酸二無水物として一般式(1)(2)の化合物を必須成分として用い、一般式(3)で表されるジアミンを反応させて得られるポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミドは、その構成材料として含有される一般式(1)、(2)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造に由来して、以下の優れた特性を有する。
(1)脂環式テトラカルボン酸二無水物中の主鎖を構成する部分はトリシクロ環構造であるため、ポリイミドの耐熱性を大きく低下させることがない。
(2)脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造が非対称であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、光透過性が高い。
(3)脂環式テトラカルボン酸二無水物が非対称構造であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、塗膜成形体の靭性が高い。
(4)脂環式テトラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路で生成されるため、再結晶による精製も可能である場合はさらに、ポリイミド分子の不純物濃度が低い。
(5)ディールス・アルダー反応で生成した炭素・炭素不飽和結合部が水素添加されているため高温環境したでの逆ディールス・アルダー反応による分解が抑制される。
(6)側鎖に液晶分子と親和性の高い芳香族環またはシクロヘキサン環を含有するため、液晶分子との相互作用が強く安定した高ティルト角が得られる。
したがって、一般式(1)(2)のテトラカルボン酸二無水物から誘導されたポリイミド樹脂を含む液晶表示素子用配向膜を使用すれば、可視光領域の透過性が高く、製膜加工性と安定したプレティルト角を与える液晶表示素子用配向膜を得ることができる。
(1)脂環式テトラカルボン酸二無水物中の主鎖を構成する部分はトリシクロ環構造であるため、ポリイミドの耐熱性を大きく低下させることがない。
(2)脂環式テトラカルボン酸二無水物の構造が非対称であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、光透過性が高い。
(3)脂環式テトラカルボン酸二無水物が非対称構造であり、さらに、芳香族環またはシクロへキサン環を側鎖として含むため、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ、ポリイミド分子に屈曲性が付与され、塗膜成形体の靭性が高い。
(4)脂環式テトラカルボン酸二無水物が温和で副反応の無い経路で生成されるため、再結晶による精製も可能である場合はさらに、ポリイミド分子の不純物濃度が低い。
(5)ディールス・アルダー反応で生成した炭素・炭素不飽和結合部が水素添加されているため高温環境したでの逆ディールス・アルダー反応による分解が抑制される。
(6)側鎖に液晶分子と親和性の高い芳香族環またはシクロヘキサン環を含有するため、液晶分子との相互作用が強く安定した高ティルト角が得られる。
したがって、一般式(1)(2)のテトラカルボン酸二無水物から誘導されたポリイミド樹脂を含む液晶表示素子用配向膜を使用すれば、可視光領域の透過性が高く、製膜加工性と安定したプレティルト角を与える液晶表示素子用配向膜を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置用配向膜を構成するポリイミドは、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(3)で表されるジアミンから得られるものである。または、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つおよび一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミンから得られるものである。一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、下記の一般式(5)で表される化合物1モルと一般式(6)で表される化合物2モルとを反応させて得られる一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物を水素添加することによって得られる。(非特許文献1を参照)
本発明の液晶表示装置用配向膜を構成するポリイミドは、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つと一般式(3)で表されるジアミンから得られるものである。または、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一つおよび一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミンから得られるものである。一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、下記の一般式(5)で表される化合物1モルと一般式(6)で表される化合物2モルとを反応させて得られる一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物を水素添加することによって得られる。(非特許文献1を参照)
一般式(5)、(6)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、R3は2価の有機基を表す。m、nは互いに独立の0〜5までの任意の整数であり、m+nが複数の場合、複数のR2は互いに同じでも、または、異なっても良い。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、1,1−ジ(メチルフェニル)エチレン、1−フェニル−1−メチルフェニルエチレン、1,1−ジフェニルプロペン、1,1−ジ(メチルフェニル)プロペン、1−フェニル−1−メチルフェニルプロペン等が挙げられる。
一般式(6)で示される化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸(3−メチル無水マレイン酸)、3−エチル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、3−クロル無水マレイン酸、3,4−ジメチル無水マレイン酸、等が挙げられる。
一般式(5)の化合物1モルと、一般式(6)の化合物2モルとは、図1に示す経路で反応して、一般式(4)のテトラカルボン酸二無水物を生成するものと考えられる。反応の進行には、特に触媒を必要とせず、適宜、溶剤を使用して、両者を混合して加熱攪拌して得ることができる。反応温度は、溶媒を使用した場合は当該溶媒の沸点付近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行うことができる。より好ましくは、60〜150℃である。反応時間は反応温度との関係から定まるが、通常0.1〜20時間の範囲が好ましい。
以下、反応経路を図1にしたがって説明する。
一般式(5)と一般式(6)の化合物とは、炭素・炭素二重結合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、一般式(5)および一般式(6)それぞれの化合物に存在する置換基が、両者の炭素・炭素二重結合の電子密度差を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式(5)の化合物の芳香族環以外の炭素に電子吸引性の強い置換基を存在させすることは好ましくなく、一般式(6)の化合物の炭素に電子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さらに、立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
一般式(5)と一般式(6)の化合物とは、炭素・炭素二重結合の電子密度差を誘因として電荷移動錯体を形成する。
したがって、一般式(5)および一般式(6)それぞれの化合物に存在する置換基が、両者の炭素・炭素二重結合の電子密度差を減少させないようにすることが好ましい。すなわち、一般式(5)の化合物の芳香族環以外の炭素に電子吸引性の強い置換基を存在させすることは好ましくなく、一般式(6)の化合物の炭素に電子供与性の強い置換基を存在させることは好ましくない。さらに、立体障害効果を有する置換基の存在も好ましくない。
したがって、一般式(5)中のR1および一般式(6)中のR1の少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。また、R1およびR2は、それぞれがアルキル基である場合、炭素数10以下であることが好ましく、炭素数5以下がさらに好ましく、特にメチル基、プロピル基が好ましい。
また、一般式(5)の化合物については、m+n≦4とすることが好ましく、特に、m+n≦2が好ましい。
また、一般式(5)の化合物については、m+n≦4とすることが好ましく、特に、m+n≦2が好ましい。
したがって、最も好ましい一般式(5)で表される化合物は1,1−ジフェニルエチレンであり、最も好ましい一般式(6)で表される化合物は無水マレイン酸である。
一般式(5)と一般式(6)とから形成される電荷移動錯体は、分子内環化反応により六員環(シクロヘキサジエン環)となり、当該六員環化合物内のシクロヘキサジエン部と原料化合物一般式(6)の炭素・炭素二重結合部とが、ディールス・アルダー反応を経由して一般式(4)の化合物を生成するものと考えられる。当該ディールス・アルダーによって生成する炭素・炭素二重結合部は高温環境下で逆ディールス・アルダー反応で分解することがあるので、公知の還元法等を用いて常法により水素添加して当該部分を飽和単結合として一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物、さらに、側鎖の芳香族環を核水添して一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物とする。
接触還元方法は、金属触媒として、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト等を使用して、溶媒中で、水素圧を常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲、温度を0〜150℃の範囲で行うことができる。
さらに詳しく述べれば、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を1MPa〜5MPaの範囲とし、温度を室温〜50℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよく、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を5MPa〜8MPaの範囲とし、温度を50〜100℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよい。
さらに詳しく述べれば、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を1MPa〜5MPaの範囲とし、温度を室温〜50℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよく、一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高い収率で得る場合は、パラジウム系触媒存在下で水素圧を5MPa〜8MPaの範囲とし、温度を50〜100℃の範囲で5〜20時間接触還元を行うとよい。
一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、従前の脂環式ポリイミドに使用されているテトラカルボン酸二無水物に比べて、特段の反応条件変更を要さずに実質的にひとつの反応操作で、エン反応等と比較して温和な条件下による反応で、副生成物を生じることなく得られる。さらに、後述する実施例に見られるように再結晶による精製が可能な化合物である場合には、特に高い純度が要求される光学機能部材中で使用されるポリイミドを製造するモノマーとして極めて優れた特性を発揮する。これらの中でも、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、高温環境下でも逆ディールス・アルダー反応がないので、高い耐熱性、あるいは、長期の安定性が要求されるポリイミドの構成モノマーとして優れている。
本発明に係る一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、2つのカルボン酸二無水物基がトリシクロ環構造中に非対称に配置されていること、および、側鎖(例えば、n=0であればベンゼン環。)を有していることを特徴とする。本発明者らは、当該基本構造が、ポリアミック酸およびポリイミドの耐熱性、有機溶剤への溶解性、靭性の付与に大きく関与しているものと考えている。
上記基本的特性に加えて、より優れた耐熱性を所望する場合は一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物、よりすぐれた透明性と溶解性を所望する場合は一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を単独で使用するが、これらの特性をバランスよく所望する場合は、混合して使用しても良い。なお、一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物も、化学修飾や架橋反応を所望する場合、300℃以上で残渣を大量に残さない熱分解を所望する場合は併用することが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置用配向膜に係るポリイミドを得るためには、一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物中に開環重付加反応や閉環反応の進行に関して立体障害となる置換基を含まないことが好ましく、一般式(1)、(2)、(4)の中でも、1,1−ジフェニルエチレンと無水マレイン酸から合成されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミドの構成成分として使用される公知の他のテトラカルボン酸無水物を併用することができることはもちろんである。
一般式(3)で表されるジアミン化合物としては、特に制限は無く、ポリイミド構成モノマーとして知られているジアミン化合物であればよい。
好ましい例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどがあり、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
好ましい例を挙げれば、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどがあり、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
本発明のポリアミック酸は、一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミン化合物とを、例えば、開環重付加反応させることにより合成することが出来る。
一般式(1)、(2)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミン化合物とでポリアミック酸を合成するときの好ましい使用割合は、上記ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対する上記テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基の範囲が0.2〜4当量となる範囲である。重合度の高いポリアミック酸を得たいときは、当該範囲を0.8〜1.2当量の範囲とする。
上記手法により、対数粘度が0.05〜10の範囲にあるポリアミック酸を得ることができる。なお、対数粘度の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で、対数粘度=[ln(溶液粘度/溶媒粘度)]/[溶液濃度]によって求める。なお、液晶表示素子用配向膜を検討する場合は、重合度が高いほど塗膜としたときに高い強度が得られるが、高すぎると塗膜形成形の加工性が劣ってくるので、対数粘度を0.5〜3の範囲とすることが好ましい。
上記手法により、対数粘度が0.05〜10の範囲にあるポリアミック酸を得ることができる。なお、対数粘度の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で、対数粘度=[ln(溶液粘度/溶媒粘度)]/[溶液濃度]によって求める。なお、液晶表示素子用配向膜を検討する場合は、重合度が高いほど塗膜としたときに高い強度が得られるが、高すぎると塗膜形成形の加工性が劣ってくるので、対数粘度を0.5〜3の範囲とすることが好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はない。なお、溶媒を例示すれば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒、m−クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒が挙げられる。
つづいて、この反応溶液とポリアミック酸の貧溶媒を混合して析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
なお、貧溶媒を例示すれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
なお、貧溶媒を例示すれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
本発明に係るポリイミドは、公知の方法に従って、上記ポリアミック酸をそのまま、あるいは、有機溶媒中で、イミド化反応時に生成する低分子化合物を系外に除去しながら、加熱して、脱水閉環(イミド化反応)して合成する。加熱における反応温度は50〜300℃、好ましくは、100〜200℃である。反応温度が50℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。
また、上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加しても、本発明に係るポリイミドを合成することができる。脱水剤を例示すれば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が挙げられる。イミド化触媒を例示すれば、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の第3級アミンが挙げられる。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、本発明のポリイミドを精製することができる。
本発明に係る液晶表示素子用配向膜は、通常、一般式(1)、(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物のいずれかを含むテトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミンとを反応させてなるポリアミック酸溶液をパターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、塗布し、溶剤を除去することによって配向膜となる塗膜を形成し、さらに加熱することによって脱水閉環(イミド化)反応を進行させて得ることができる。形成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。当該塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行えば液晶表示素子用配向膜となる。
なお、本発明に係る液晶表示素子用配向膜は、本発明に係るポリイミド樹脂の優れた有機溶剤溶解性を利用して、これの溶液を直接、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱して溶剤を除去することを経て得ることもできる。
なお、本発明に係る液晶表示素子用配向膜は、本発明に係るポリイミド樹脂の優れた有機溶剤溶解性を利用して、これの溶液を直接、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱して溶剤を除去することを経て得ることもできる。
以下、実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
ものではない。
<テトラカルボン酸二無水物の合成>
容量20mlのナス型フラスコに1,1−ジフェニルエチレン5.10gと無水マレイ
ン酸2.78g(モル比1:1)を入れ、10分間溶存酸素を脱気した後、油浴を140
℃に保ち5時間加熱攪拌した。反応系の温度は106℃であった。反応終了後、トルエン
をフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。濾過物の重量は3.65gであっ
た。
本合成例においては、1,1−ジフェニルエチレンは反応原料として仕込まれたと同時に、過剰分は溶剤として機能している。本合成例の収率は、1,1−ジフェニルエチレン2.55gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:2)を基準として、68%である。
(DSC分析による融点測定)
酢酸エチルから再結晶した当該化合物は、20℃/minでの昇温条件で290℃ に明
確な吸熱ピークを示した。
容量20mlのナス型フラスコに1,1−ジフェニルエチレン5.10gと無水マレイ
ン酸2.78g(モル比1:1)を入れ、10分間溶存酸素を脱気した後、油浴を140
℃に保ち5時間加熱攪拌した。反応系の温度は106℃であった。反応終了後、トルエン
をフラスコに加えて析出する沈殿物を濾過して集めた。濾過物の重量は3.65gであっ
た。
本合成例においては、1,1−ジフェニルエチレンは反応原料として仕込まれたと同時に、過剰分は溶剤として機能している。本合成例の収率は、1,1−ジフェニルエチレン2.55gと無水マレイン酸2.78g(モル比1:2)を基準として、68%である。
(DSC分析による融点測定)
酢酸エチルから再結晶した当該化合物は、20℃/minでの昇温条件で290℃ に明
確な吸熱ピークを示した。
<テトラカルボン酸二無水物の構造決定>
(マススペクトル)
マススペクトルの結果、生成物の分子量は376であった。
(IRスペクトル測定)
700cm−1〜740cm−1:1置換芳香族帰属ピーク
760cm−1〜860cm−1:炭素・炭素二重結合帰属ピーク
1780cm−1〜1880cm−1:カルボン酸無水物帰属ピーク
(1HNMRスペクトル測定)
1H NMRスペクトル(DMSO−d6)
2.55(m、2H)、2.75(m、2H):カルボニル基隣接炭素上の水素
3.50〜3.60(m、2H)
3.70(t、1H):シクロへキセン環とシクロヘキサジエン環結合部炭素上の水素
3.80(m、2H):シクロヘキセン中のメチン水素
6.00(t、1H)、6.25(t、1H):炭素・炭素二重結合部の水素
7.20(d、2H)、7.35(t、1H)、7.45(t、2H):
一置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、生成物の化学構造は一般式(4)の構造を満足するテトラカルボン酸二無水物のうち、下記の化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、当該化合物の構造決定に関しては、上記非特許文献1も参照した。
(マススペクトル)
マススペクトルの結果、生成物の分子量は376であった。
(IRスペクトル測定)
700cm−1〜740cm−1:1置換芳香族帰属ピーク
760cm−1〜860cm−1:炭素・炭素二重結合帰属ピーク
1780cm−1〜1880cm−1:カルボン酸無水物帰属ピーク
(1HNMRスペクトル測定)
1H NMRスペクトル(DMSO−d6)
2.55(m、2H)、2.75(m、2H):カルボニル基隣接炭素上の水素
3.50〜3.60(m、2H)
3.70(t、1H):シクロへキセン環とシクロヘキサジエン環結合部炭素上の水素
3.80(m、2H):シクロヘキセン中のメチン水素
6.00(t、1H)、6.25(t、1H):炭素・炭素二重結合部の水素
7.20(d、2H)、7.35(t、1H)、7.45(t、2H):
一置換ベンゼン部の水素
以上の分析結果から、生成物の化学構造は一般式(4)の構造を満足するテトラカルボン酸二無水物のうち、下記の化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることを確認した。なお、当該化合物の構造決定に関しては、上記非特許文献1も参照した。
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、50℃、5〜4.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より2多い378になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する下記の化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元されたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より2多い378になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する下記の化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積との比が、還元処理前の2:5から、1.2:5に変化し、δ=6.00近傍にメチン系水素のピークが新たに出現し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)の一部が水素化還元されたことを示した。
一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(4)の構造を満足する化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約60モル%と一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約40モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」という。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積との比が、還元処理前の2:5から、1.2:5に変化し、δ=6.00近傍にメチン系水素のピークが新たに出現し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)の一部が水素化還元されたことを示した。
一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現せず芳香族環族の核水添が生じていないことを示した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(4)の構造を満足する化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物約60モル%と一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約40モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物A」という。
化学式(1)で表される上記テトラカルボン酸二無水物を1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)100mgを加えて、120℃、9.00〜8.50MPa(水素圧)で水素化還元を16時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元され、かつ芳香族環がされたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が出現した。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より8多い386になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(2)の構造を満足する下記化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路を図2に示した。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる炭素・炭素二重結合部分の2個の水素原子に帰属されるピーク面積が消滅し、化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)が水素化還元され、かつ芳香族環がされたことを示した。一方、δ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素が出現した。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認し、また、マススペクトルの結果から分子量が化学式(1)の化合物より8多い386になっていることを確認した。
この結果から、当該還元処理化合物が、一般式(2)の構造を満足する下記化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが確認された。
これらの脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物の合成経路を図2に示した。
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1gを10mlのTHFに溶解し、10%パラジウム/カーボン触媒(小島薬品製)50mgを加えて、100℃、1〜0.95MPa(水素圧)で水素化還元を6時間行った。触媒を除去後、THFを減圧蒸留して白色の結晶を95%の収率で回収した。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)部分の2個の水素原子に帰属されるピークが消滅し、δ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%と一般式(2)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」という。
当該結晶の1HNMRスペクトル測定を上記と同様に行ったところ、δ=6.00〜6.25の領域に現れる化学式(1)中の11位の炭素・炭素二重結合(2置換オレフィン)部分の2個の水素原子に帰属されるピークが消滅し、δ=7.20〜7.45の領域に現れる一置換ベンゼン環部分の5個の水素原子に帰属されるピーク面積とδ=1.00〜2.00にはシクロアルカン系メチン水素は新たに出現した。なお、これ以外に大きな変化は見られなかった。また、IRスペクトル解析から無水カルボニル基が残存していることを確認した。
それぞれのピーク面積の比から、当該還元処理化合物が、一般式(1)の構造を満足する化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%と一般式(2)の構造を満足する化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物約50モル%とから構成されることが確認された。
以下、当該方法で得られた混合物を「水添テトラカルボン酸二無水物混合物B」という。
(参考例1)
<ポリアミック酸の合成>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液にN,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて
粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過に
て回収し、過剰メタノールで洗浄した。対数粘度は2.3であった。
<ポリアミック酸の合成>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液にN,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて
粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過に
て回収し、過剰メタノールで洗浄した。対数粘度は2.3であった。
<ポリアミック酸の構造決定>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図3に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリアミック酸は下記化学式(4)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図3に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリアミック酸は下記化学式(4)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
<ポリイミドの合成>
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液を減圧下、100℃で30分、200℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、N,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過にて回収し、過剰メタノールで洗浄した。合成物は薄金色の粉体であり、収率は100%であった。
化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物752mg(2mmol)、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル400mg(2mmol)、溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド1.5mlを30mlのナスフラスコに入れ室温で1昼夜攪拌反応させた。反応溶液は粘稠となった。
つづいて、上記反応溶液を減圧下、100℃で30分、200℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、N,N−ジメチルアセトアミド15mlを加えて溶解させて粘稠度を低下させ、当該反応溶液を150mlのメタノール中にあけた。沈殿物を濾過にて回収し、過剰メタノールで洗浄した。合成物は薄金色の粉体であり、収率は100%であった。
<ポリイミドの構造決定>
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピークの消失
1710cm−1、1780cm−1 イミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図4に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリイミドは下記化学式(5)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
(IRスペクトル測定)
1540cm−1、1680cm−1 アミド結合帰属ピークの消失
1710cm−1、1780cm−1 イミド結合帰属ピーク
1780cm−1、1860cm−1 カルボン酸無水物帰属ピークの消失
IRスペクトルを図4に示した。
以上の分析結果から、参考例1によるポリイミドは下記化学式(5)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
(実施例1〜4)
参考例1における化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物2mmolに代えて、化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例1」という。)、化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例2」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物A(以下、「実施例3」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物B(以下、「実施例4」という。)をそれぞれ約2mmolとした他は、参考例1に示した手法と同様にして、ポリアミック酸およびポリイミドを合成し、IRスペクトルで構造決定を行った。各合成反応における収率はほぼ同一であり、IRスペクトルの帰属もほぼ同一であった。
参考例1における化学式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物2mmolに代えて、化学式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例1」という。)、化学式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「実施例2」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物A(以下、「実施例3」という。)、水添テトラカルボン酸二無水物混合物B(以下、「実施例4」という。)をそれぞれ約2mmolとした他は、参考例1に示した手法と同様にして、ポリアミック酸およびポリイミドを合成し、IRスペクトルで構造決定を行った。各合成反応における収率はほぼ同一であり、IRスペクトルの帰属もほぼ同一であった。
実施例1によるポリアミック酸(対数粘度は2.1であった。)は下記化学式(6)、ポリイミドは下記化学式(7)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
実施例2によるポリアミック酸は(対数粘度は2.1であった。)下記化学式(8)、ポリイミドは下記化学式(9)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
実施例3によるポリアミック酸(対数粘度は2.0であった。)は化学式(4)と化学式(6)の繰り返し単位構造を有するもの、ポリイミドは化学式(5)と化学式(7)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
実施例4によるポリアミック酸(対数粘度は2.2であった。)は化学式(6)と化学式(8)の繰り返し単位構造を有するもの、ポリイミドは化学式(7)と化学式(9)の繰り返し単位構造を有するものであることが確認された。
<ポリイミド等の有機溶剤への溶解性>
上記実施例1〜4で得られた各ポリアミック酸、ポリイミドを5mg秤量し、室温の5mlのジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドンに投入したところ、すべての有機溶剤につき、投入後、直ちに溶解した。また、溶液は実質透明であった。
上記実施例1〜4で得られた各ポリアミック酸、ポリイミドを5mg秤量し、室温の5mlのジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドンに投入したところ、すべての有機溶剤につき、投入後、直ちに溶解した。また、溶液は実質透明であった。
(参考例2)
上記参考例1において、化学式(1)のテトラカルボン酸二無水物をピロメリット酸二無水物に代えて合成したポリアミック酸、ポリイミドを同様に評価したところ、当該ポリアミック酸は溶解したものの溶液には着色が見られ、当該茶褐色のポリイミドは全く溶解せず、沈殿したままであった。
上記参考例1において、化学式(1)のテトラカルボン酸二無水物をピロメリット酸二無水物に代えて合成したポリアミック酸、ポリイミドを同様に評価したところ、当該ポリアミック酸は溶解したものの溶液には着色が見られ、当該茶褐色のポリイミドは全く溶解せず、沈殿したままであった。
<ポリイミドの光透過性>
参考例1、実施例1〜4で得られたポリイミドをN−メチルピロリドンに溶解させ(0.1質量%)、1cm角の石英セルに入れ、バンド幅2nm、走査速度200nm/min.で、UV−吸収スペクトルを測定した。全てのポリイミドは吸収端が330nm以下で、可視域(400〜780nm)に吸収を示さなかった。なお、上記可視域での光透過率は、参考例が90%、実施例1と実施例3が92%、実施例2と実施例4が94%であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて光透過性に優れることがわかる。
参考例1、実施例1〜4で得られたポリイミドをN−メチルピロリドンに溶解させ(0.1質量%)、1cm角の石英セルに入れ、バンド幅2nm、走査速度200nm/min.で、UV−吸収スペクトルを測定した。全てのポリイミドは吸収端が330nm以下で、可視域(400〜780nm)に吸収を示さなかった。なお、上記可視域での光透過率は、参考例が90%、実施例1と実施例3が92%、実施例2と実施例4が94%であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて光透過性に優れることがわかる。
<ポリイミド等の熱分析>
参考例1によるポリイミドを窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度でTGA測定を行った。5%重量損失温度は320℃であり、液晶配向膜用途としての耐熱性を有していることが確認された。また、600℃での重量残存率は37%であり、熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
実施例1〜4によるポリイミドの5%重量損失温度および600℃での重量残存率は、実施例1が355℃(50%)、実施例2が355℃(44%)、実施例3が335℃(42%)、実施例4が355℃(44%)であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて耐熱性に優れることがわかる。また、後述する参考例2との比較から、芳香族族系ポリイミドに対して熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
参考例1によるポリイミドを窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度でTGA測定を行った。5%重量損失温度は320℃であり、液晶配向膜用途としての耐熱性を有していることが確認された。また、600℃での重量残存率は37%であり、熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
実施例1〜4によるポリイミドの5%重量損失温度および600℃での重量残存率は、実施例1が355℃(50%)、実施例2が355℃(44%)、実施例3が335℃(42%)、実施例4が355℃(44%)であり、脂環式テトラカルボン酸二無水物系化合物からなるポリイミド中でも極めて耐熱性に優れることがわかる。また、後述する参考例2との比較から、芳香族族系ポリイミドに対して熱分解性でコーキングを生じ難い特性が確認された。
参考例2のポリイミドを同様に評価したところ、600℃での重量残存率は、それぞれ82%であり、熱分解性でコーキングを生じ易い特性が確認された。
<液晶表示素子用配向膜の製造>
参考例1および実施例1〜4によるポリアミック酸を、NMP:ブチルセロソルブの容積比率が7:3で溶解して、それぞれの5質量%溶液を液晶配向剤として評価した。以下、参考例1によるポリアミック酸を使用したものをそれぞれ「液晶配向剤0」、実施例1〜4によるポリアミック酸を使用したものをそれぞれ「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」という。
参考例1および実施例1〜4によるポリアミック酸を、NMP:ブチルセロソルブの容積比率が7:3で溶解して、それぞれの5質量%溶液を液晶配向剤として評価した。以下、参考例1によるポリアミック酸を使用したものをそれぞれ「液晶配向剤0」、実施例1〜4によるポリアミック酸を使用したものをそれぞれ「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」という。
<製膜性評価1>
(1)「液晶配向剤0」、「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」を、それぞれ、透明電極付きガラス基板の透明電極面にスピンコーターにより塗布して膜を生成させた。なお、工程中、溶液の変色やゲル化は認められなかった。
(2)(1)で得られた塗布膜を80℃のホットプレート上で120秒間乾燥した。基板を目視で観察したところ、液晶配向剤途膜の干渉色ムラは無かった。
(3)(1)で得られた塗布膜を200℃のホットプレート上で120秒間乾燥した。基板を目視で観察したところ、「液晶配向剤0」の途膜に干渉色が発生した。
<プレチルト角の安定性>
上記(2)得られた各基板をクリーンオーブン中180℃で60分間焼成した後、液晶配向剤Bを使用した基盤をラビングマシーンによりラビングし、セルギャップ20μmで張り合わせ、液晶(メルク社製「ZLI−1132」Z)を注入し、このセルの配向性を顕微鏡により評価したところ、各基板とも全面にわたり均一であった。
なお、クリスタルローテーション法によりプレティルト角は、ラビング条件により、10〜15°の範囲であったが、プレティルト角には「液晶配向剤2」>「液晶配向剤4」=「液晶配向剤1」>「液晶配向剤3」>「液晶配向剤0」の関係が見られた。
さらに、このセルを100℃、60%RH条件下で700時間放置した後、液晶配向性及びプレティルト角の測定を行なった。「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」を使用した基板には変化は認められなかったが、「液晶配向剤0」には、プレティルト角が低下した部分が見られた。
(1)「液晶配向剤0」、「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」を、それぞれ、透明電極付きガラス基板の透明電極面にスピンコーターにより塗布して膜を生成させた。なお、工程中、溶液の変色やゲル化は認められなかった。
(2)(1)で得られた塗布膜を80℃のホットプレート上で120秒間乾燥した。基板を目視で観察したところ、液晶配向剤途膜の干渉色ムラは無かった。
(3)(1)で得られた塗布膜を200℃のホットプレート上で120秒間乾燥した。基板を目視で観察したところ、「液晶配向剤0」の途膜に干渉色が発生した。
<プレチルト角の安定性>
上記(2)得られた各基板をクリーンオーブン中180℃で60分間焼成した後、液晶配向剤Bを使用した基盤をラビングマシーンによりラビングし、セルギャップ20μmで張り合わせ、液晶(メルク社製「ZLI−1132」Z)を注入し、このセルの配向性を顕微鏡により評価したところ、各基板とも全面にわたり均一であった。
なお、クリスタルローテーション法によりプレティルト角は、ラビング条件により、10〜15°の範囲であったが、プレティルト角には「液晶配向剤2」>「液晶配向剤4」=「液晶配向剤1」>「液晶配向剤3」>「液晶配向剤0」の関係が見られた。
さらに、このセルを100℃、60%RH条件下で700時間放置した後、液晶配向性及びプレティルト角の測定を行なった。「液晶配向剤1」、「液晶配向剤2」、「液晶配向剤3」、「液晶配向剤4」を使用した基板には変化は認められなかったが、「液晶配向剤0」には、プレティルト角が低下した部分が見られた。
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