JP6744969B1 - トリメチルアミン尿症用の外用組成物、トリメチルアミン臭の消臭液 - Google Patents

トリメチルアミン尿症用の外用組成物、トリメチルアミン臭の消臭液 Download PDF

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Abstract

【課題】トリメチルアミン尿症の患者の皮膚に適用することにより体臭を抑える、トリメチルアミン尿症用の外用組成物を提供する。【解決手段】デオドラント液11は、トリメチルアミン尿症の患者の皮膚に対して適用する外用組成物である。適用の手法は、例えば、塗布する、あるいは噴霧により吹き付けるなどの手法がある。デオドラント液11は、ミョウバンと、にがりとの、少なくとも一方が水に溶解されている水溶液とされており、これらの両方を含有することがさらに好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、トリメチルアミン尿症用の外用組成物,トリメチルアミン臭の消臭液に関する。
トリメチルアミン尿症(魚臭症、魚臭症候群)は、摂取した食物を体内で消化分解した際に発生したトリメチルアミンが分解されず、汗や尿、呼気の中に排出されてしまう疾患であり、体臭を引き起こす。トリメチルアミン尿症の患者から発せられるにおいの強さは、摂取する食物に左右される傾向がある。
トリメチルアミン尿症の治療法は確立されておらず、また、この疾患の報告例はごくわずかにあるだけなので治療に関する研究の進みも極めて遅い(例えば、非特許文献1〜3参照)。そのため、患者は、特定の食物の摂取を控えることで体臭を抑えている。
一方、近年は、体臭の抑制効果をうたう商品が数多く市販されてきている。
Sabir N, et al.、「CASE REPORT Trimethylaminuria」、BMJ Case Rep 2016. doi:10.1136/bcr−2015−213742 Krzysztof Rutkowski,Yusof Rahman,Mary Halter、「Development and feasibility of the use of an assessment tool measuring treatment efficacy in patients with trimethylaminuria:A mixed methods study」,WILEY JIMD、DOI:10.1002/jimd.12023 千葉布季子(昭和薬科大学),清水万紀子,徳山瑛美,牧野美紀,山崎浩史、「日本人トリメチルアミン尿症の大規模詳細調査(会議録)」、日本薬学会年会要旨集 (0918−9823)135年会3号 Page184(2015.03)
しかしながら、体臭の抑制をうたう市販品では、トリメチルアミン尿症の患者の体臭を抑えることができない。そのため、患者は前述のように特定の食物の摂取を控えることで体臭の抑え、社会生活や共同生活をおくるようにしている。この点、においが強くなる傾向を示す食物は、数多くあり、魚介類の他、野菜や果実など多品目にわたる。そのため、摂取を控える対象の食物は非常に多く、場合によっては、必要な栄養素の摂取量が確保できないことも考えられる。そこで、食品の摂取を制限しなくてもよいように、皮膚に塗布など適用することで簡便に体臭を抑えることができるいわゆる外用物が望まれる。
そこで、本発明は、トリメチルアミン尿症の患者の皮膚に適用することにより体臭を抑える、トリメチルアミン尿症用の外用組成物を提供することを目的とする。
本発明のトリメチルアミン尿症用の外用組成物は、アルミニウムイオンAl3+と、マグネシウムイオンMg2+ とが水に含まれている水溶液である。アルミニウムイオンAl 3+ はミョウバンから生成しており、マグネシウムイオンMg 2+ はにがりから生成している。水の体積をVWmLとし、ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度でミョウバンを少なくとも1%含有する。
本発明のトリメチルアミン尿症用の外用組成物は、ミョウバンとにがりとが溶解している水溶液である。水の体積をVWmLとし、ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度でミョウバンを少なくとも1%含有する。
上記トリメチルアミン尿症用の外用組成物は、100mL当たりにマグネシウムを少なくとも950mg含有しているにがりを、水100mL当たり少なくとも6.25mL含有していることが好ましい。
本発明のトリメチルアミン臭の消臭液は、ミョウバンとにがりとが溶解している水溶液である。水の体積をVWmLとし、ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度でミョウバンを少なくとも1%含有する。
トリメチルアミン臭の消臭液は、100mL当たりにマグネシウムを少なくとも950mg含有しているにがりを、水100mL当たり少なくとも6.25mL含有していることが好ましい。
本発明のトリメチルアミン尿症用の外用組成物によれば、トリメチルアミン尿症の患者の皮膚に適用することにより体臭を抑えることができる。また、本発明のトリメチルアミン臭の消臭液によれば、トリメチルアミン臭を抑えることができる。
デオドラント液の説明図である。 デオドラント液を用いる身体部位の説明図である。 実験方法の説明図である。
本発明の一実施形態である、図1に示すデオドラント液11は、トリメチルアミン尿症(魚臭症)用の外用組成物であり、皮膚から発せられるにおい、すなわち体臭を低減させるためのものである。デオドラント液11は、トリメチルアミン尿症の患者の皮膚に適用する液体組成物である。
デオドラント液11は容器12に収容されており、デオドラント液11と容器12とはデオドラントパッケージ13を構成している。容器12はデオドラント液11を収容する容器本体14と蓋15とを備え、蓋15は容器12の内部を気密及び液密にする。容器本体14は、底面が円形とされた円筒状であるが、容器本体14の形状は円筒状に限られず、底面が正方形または矩形の角筒状などでもよい。
容器12は、図1に示すように、さらに内蓋16を備えることが好ましい。内蓋16を備える場合の蓋15は、いわゆる外蓋に相当する。内蓋16は容器本体14の上部の開口(図示無し)に、着脱自在に設けられている。内蓋16には、デオドラント液11を出すために厚み方向に貫通して形成された開口16aが設けられている。開口16aは、この例では、円形の内蓋16の中央に形成されているが、開口16aの形成位置は中央よりも周縁16eに寄った位置でもよく、特に限定されない。また、開口16aの数は、この例では1個であるが、2個以上でもよい。開口16aの径Dは、容器12を傾けた姿勢または天地逆の姿勢にした場合に、デオドラント液11が液滴状に出るような寸法でもよいし、液流として出るような寸法でもよい。このように、開口16aを形成した内蓋16を備える容器12に収容されることで、デオドラント液11は、容器12から所望の量が、より出しやすくなっている。容器12の素材は、容器12がデオドラント液11によって変質したり変性することなく、また、容器12によってデオドラント液11を変質させたり変性させたりすることがない限り特に限定されず、本例ではポリエチレンとしている。
デオドラント液を収容する容器は、この例の容器12に限られない。容器は、例えばスプレー容器(図示無し)でもよい。スプレー容器は、デオドラント液11を収容する容器本体と、デオドラント液11を霧状に噴出するノズルとを備える。
デオドラント液11は、皮膚に接触させて使用する。すなわち、皮膚に対する塗布、吹き付け、湿布などにより使用する。これにより、トリメチルアミン尿症の患者にみられる皮膚からのにおい、すなわちトリメチルアミンのにおい及び/またはトリメチルアミンのようなにおいが抑えられる。塗布や吹き付けなどでデオドラント液11を皮膚上に載せた(付与した)後に、デオドラント液11で濡れた皮膚の箇所を上から軽い力で面状に押さえることにより、においを抑える効果がより高まる。においを抑える効果がより高まるとは、例えば、においがより弱まったり、においが抑えられる時間が長くなるなどである。
デオドラント液11は、皮膚の同じ箇所に対して複数回付与させてもよく、におい抑制の効果をより高める観点では複数回付与する方が好ましい。例えば、皮膚にデオドラント液11を塗布して面状に押さえる工程を、複数回繰り返すとよい。トリメチルアミン尿症の患者は、食べ物を摂取してから概ね12時間経過したときから21時間経過したときまでの間ににおいが発生しており、この時間帯にデオドラント液を用いることが好ましい。
デオドラント液11は、水のように粘度が低く、かつ、透明な液である。ただし、外界の温度、例えば、デオドラント液11を保存している環境の温度によっては、非常に小さな粒子が、ごくわずかに視認される場合もあり、これでも構わない。
デオドラント液11は、ミョウバンとにがりとの少なくともいずれか一方が溶解している水溶液である。においの抑制の観点では、ミョウバンとにがりとの両方が溶解している水溶液であることがより好ましく、本例でもそれら両方が溶解した水溶液としている。
ミョウバンとしては、カリウムミョウバン(以下、カリミョウバンと称する)AlK(SO・12HOとアンモニウムミョウバン(以下、アンモニウムミョウバンと称する)(NH)Al(SO・12HOとを挙げることができる。水に溶解してデオドラント液11をつくる原料としてはカリミョウバンと、アンモニウムミョウバンと、これらカリミョウバン及びアンモニウムミョウバンの各無水物(以下、両者を総称して焼きミョウバンと称する)とのいずれを用いてもよく、これらのうち少なくとも2つを併用してもよい。本例では、原料として焼きミョウバンを用いている。
カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、焼きミョウバンはそれぞれ市販されており、市販品でもよく、本例でも市販の焼きミョウバンを原料として用いている。本例で用いている焼きミョウバンは、例えば、(株)三幸製の商品名「焼みょうばん60g」、大洋製薬(株)製の商品名「焼ミョウバン100g」、健栄製薬(株)製の商品名「焼ミョウバン100g」であり、これらを併用することもできる。これら各焼きミョウバンの市販品には、成分表記について各メーカから下記のように報告されている。
(a)焼きミョウバン((株)三幸製)
成分表記は「焼アンモニウムミョウバン」
(b)焼きミョウバン(大洋製薬(株)製)
成分表記は「硫酸アルミニウムカリウム(乾燥)95%以上」
(c)焼きミョウバン(健栄製薬(株)製)
成分表記は「本品を200℃で4時間乾燥したものは、硫酸アルミニウムカリウム96.5%以上を含む。」
にがり(苦汁)は、周知のとおり、海水を濃縮し,食塩を析出させたあとの残液である。にがりは市販されており、市販品でもよい。本例でも市販品をデオドラント液11の原料として用いている。本例で用いているにがりは、例えば、(株)天塩製の商品名「天塩の天日にがり」、赤穂化成(株)製の商品名「天海のにがり」、(株)小谷穀粉製の商品名「海のミネラル天然にがり」であり、これらを併用することもできる。これら各にがりの組成、性状は、各メーカから下記のように報告されている。
(a)「天塩の天日にがり」 150ml入り ((株)天塩製)
・15ml(=15cm)中 Mgは142.5mg(ICP発光分光分析装置(Inductivity coupled plasma optical emission spectrometer)にて測定、商品の平均値である)、食塩相当量は0.004g以上0.05gである
・カリウム,ナトリウム,カルシウムについては分をかけていない
・この商品は、オーストラリアから輸入している飽和状態のにがりを8倍の体積に薄めて販売しているものである。すなわち、飽和状態のにがりの体積をVN、水の体積をVWとするときに、この商品は、{VN/(VN+VW)}×100で求める濃度(単位は%)が1/8%である。
・オーストラリア輸入元が、カルシウム、カリウムの%を表示しているため、そこから求めた濃度(%)は、カリウム0.025%、カルシウム0.00025%である。これらの濃度は、カルシウムの体積をVC、カリウムの体積をVLとするときに、それぞれ{VC/(VC+VW)}×100、{VK/(VK+VW)}×100で算出している。
・ナトリウムの濃度については、ばらつきが大きいため非公開、とされている。
(b)「天海のにがり」(赤穂化成(株)製)
100ml(=100cm)当たりナトリウム330mg、マグネシウム950mg
(c)「海のミネラル天然にがり」((株)小谷穀粉製)
100ml(=100cm)当たり、炭水化物19.5g、ナトリウム3.04g、カルシウム8mg、マグネシウム6260mg、カリウム1660mg、リン80μg、銅6μg、ヨウ素27μg、マンガン44μg、亜鉛24μg、鉄0.028mg、クロム4μg
デオドラント液11は、ミョウバンとにがりとの両方を含有することがさらに好ましく、本例でもこれら両方を含有している。ミョウバンとにがりとの両方を含有することにより、同じ体積濃度でいずれか一方を含有する場合よりも、においの抑制効果が高いからである。
にがりとミョウバンとの両方を含有している場合には、水の体積をVWmL(ミリリットル)とし、ミョウバンの質量をMMg(グラム)とするときに、デオドラント液11は、(MM/VW)×100で求める濃度(単位は%)でミョウバンを少なくも1%含有することが好ましい。すなわち、にがりとミョウバンとの両方を含有する場合のデオドラント液11は、水100mLあたりミョウバンを少なくとも1g含有することが好ましく、1gを超えてできるだけ多量に含有することがより好ましい。水100mLあたりミョウバンを少なくとも1g含有することにより、ミョウバンの濃度が1%未満の場合と比べて、適用(例えば塗布)の回数を例えば1回というように少なく抑えても、においを抑制する効果がより確実に得られる。ただし、ミョウバンの濃度が低くても、回数を重ねて塗布などすれば、回数分だけ効果が高まる。なお、本例ではデオドラント液11をつくるための原料として焼きミョウバンを前述の通り使っており、このため、上記式における質量MM(単位はg)は無水物である焼きミョウバンの質量である。また、ミョウバンは、室温(25℃)では溶けにくいが、水100mLあたり1gならば溶かしやすい。なお、室温で2日程度静置した後に攪拌することで溶けるミョウバンの量の上限は、水100mLあたり概ね2gである。本例では、焼きミョウバンを市販の精製水に溶かしてデオドラント液11をつくっているため、精製水のメーカ推奨の使用期限を考慮して、ミョウバンを溶かす間の温度条件を高くても室温とし、静置する時間を2日程度に抑えてある。
にがりとミョウバンとの両方を含有している場合には、デオドラント液11は、水100mL(ミリリットル)あたり、にがりを少なくとも6.25mL含有することが好ましい。すなわち、水の体積を100とするときににがりの体積が少なくとも6.25となるように、デオドラント液11はにがりを含有することが好ましい。これにより、水100mLに対してにがりが6.25mL以上であることにより、6.25mL未満の場合と比べて、適用(例えば塗布)の回数を例えば1回と少なく抑えても、においを抑制する効果がより確実に得られる。ただし、にがりの濃度が低くても、回数を重ねて塗布などすれば、回数分だけ効果が高まる。
デオドラント液11は、グリセリンなどの他の物質を含有してもよい。また、デオドラント液11を皮膚上に適用(塗布など)した後に、その適用箇所にワセリンを重ねて適用(塗布)してもよい。ワセリンを重ねることにより、デオドラント液11が皮膚にとどまりやすく、においの抑制の保持時間が長くなる傾向がある。
デオドラント液11は、水溶性の軟膏や外用のジェルなどと混ぜて、皮膚へ適用してもよい。水溶性の軟膏やジェルと混合することにより、皮膚上で液だれしにくく、その結果、塗り回数や噴霧回数を少なく抑えても十分な効果を発現しやすい。
ところでこれを検証するために、デオドラント液11を、トリメチルアミン(CAS登録番号は75−50−3、以下TMAと称する)の試薬(関東化学(株)製の30%水溶液に加えたところ、デオドラント液11を加えることにより、白い粉末が析出し、TMAの試薬のにおいが感じられなくなることが確認されている。この結果より、デオドラント液11は、ミョウバンのアルミニウムイオンAl3+と、にがりのマグネシウムイオンMg2+とが、それぞれ、においの基とされるTMAないしはTMA様物質と塩をつくることにより、においを抑制していると推測している。
この推測から、アルミニウムイオンAl3+と、マグネシウムイオンMg2+との少なくともいずれかが水に含まれている水溶液であれば、デオドラント液として用いることができると考えらえる。なお、銀イオン(Ag)はにおいの抑制効果は確認されていない。
そして、上記のアルミニウムイオンAl3+はミョウバンから生成し、上記のマグネシウムイオンMg2+はにがりから生成していれば、より確実ににおいの抑制効果があるといえる。
デオドラント液11を適用する対象は、粘膜を除く皮膚である。適用する身体の箇所は、特に限定されず、全身の皮膚表面である。ただし、発汗量が多い箇所に適用することで、最も顕著な効果がみられる。例えば、図2に示すように、脇W、首N、背中Bの中央BC、一の腕OAと二の腕UAとの間の前腕部(ひじの内側)AF、手の平P、膝の裏KBは、身体の中でも発汗量が多い部位とされており、これらの皮膚にデオドラント液11を適用することにより、より効果的ににおいが抑えられる。また、肩Sに適用することも効果がある。
デオドラント液11は、トリメチルアミン尿症用の外用組成物以外にも用いることができ、トリメチルアミン臭を抑制する消臭液としても用いることができる。例えば、研究機関の実験室などでトリメチルアミン試薬を用いてその試薬が他のものに付着してしまった場合などに有効である。このような場合には、試薬が付着してしまった箇所にデオドラント液11を吹き付けて布などで拭き取ったり、あるいは、デオドラント液11を含ませた布や紙でふき取るとよい。
実施例と、実施例と比較した比較例とを、以下に説明する。なお、実施例及び比較例を行う際に、評価方法の検討も以下の通り実施した。
においの評価方法、すなわち評価の仕方を以下の通り検討した。トリメチルアミン尿症の人のにおいを、市販のにおい検出器が検出するか否かを検証した。トリメチルアミン尿症の患者のにおいは、TMAのにおいと同じまたはTMAが混在しているようなにおいであるので、まず、TMAのにおいの検出方法を検討し、その後、トリメチルアミン尿症の患者のにおいの検出方法を検討した。
TMAのにおいの検出方法は、以下の方法で検討し、決定した。まず、TMAの試薬(以下、TMA試薬と称する)を準備した。準備したTMA試薬は、TMAの30%水溶液であり、市販品(関東化学(株)製、Cat.No40289−02)である。濃度30%は、TMAの体積をV1(単位はm)とし、水の体積をVW(単位はm)とするときに、{V1/(V1+VW)}×100で算出される濃度(単位は%)である。
[実験1]
TMAのにおいの有無及び程度(レベル)を、入手した市販のにおい検出器が検出するか否かを調べ、実験1とした。用いた器具等は以下であった。におい検出器は、(株)タニタ製のにおいチェッカーES−100であり、においを0〜10の11段階で検出するガス検出器である。この数値が高いほどにおいが強いことを意味する。なお、この実験1は1月に行っており、このときの室温は16.9℃、相対湿度は38%であった。
シャーレ;アサヒガラス製、スチロールシャーレ(10個入)、直径90mm
ろ紙 ;東洋濾紙(株)製のFILTER PAPER Lot 80605101
駒込ピペット;ガラス製
図3に示すように、上記のシャーレ41内の底にろ紙42を敷き、駒込ピペット(図示無し)によりTMA試薬0.5mL(=0.5cm)をろ紙に滴下した。におい検出器43の検出センサ43aがろ紙の上方10mmの高さHとなるようににおい検出器43を配して、においの検出を、滴下した時点から30分まで10分間隔で、室内にて行った。室温は16.9℃、相対湿度は38%であった。結果は表1に示す。なお、シャーレ41には、においの検出時を除き、蓋(図示無し)をした。
Figure 0006744969
表1の結果により、(1)水の揮発(上記室温での蒸発)とともにTMAも揮発してしまっている可能性と、(2)におい検出器43がTMAを検出しない可能性とが示唆された。
[実験2]
そこで、実験1を行った同日に、実験1に続けて、下記の実験2を行った。新たなろ紙42及びシャーレ41を準備し、同様に、シャーレ41内の底にろ紙42を敷いた。このろ紙42に対して、上記実験1と同様に、市販の消臭剤(デオドラント剤)であるリセッシュ(登録商標)除菌EX(以下、単に「リセッシュ」と称する)(花王(株)製)0.5mL(=0.5cm)とTMA試薬0.5mL(=0.5cm)とを滴下した。実験2においては、においの確認を、実験1で用いたにおい検出器43と、患者ではない健常者の嗅覚との両方で行った。においを確認した評価タイミングと、各結果は表2に示す。表2の評価タイミングは、消臭剤を付与した時点からの経過時間として示している。なお、表2において、「嗅覚評価」欄は、嗅覚での評価結果であり、TMAのにおいが確認された場合には「有」と記載し、確認されなかった場合には「無」と記載し、確認評価をしなかった場合には「−」と記載する。
実験2の結果からも、におい検出器43がTMAを検出しない可能性が示唆された。また、表2の実験2の「嗅覚評価」結果から、リセッシュでは、TMAのにおいが弱まらず、TMAのにおいを全くマスキングできないことがわかった。そのため、実験2の実験及び嗅覚評価結果を比較例1とした。
[実験3]〜[実験8]
実験1及び実験2を行った翌日(室温は20.4℃、相対湿度は27%)に、実験3〜8を行った。実験1から、TMA試薬を単体で使用した場合には、TMAが揮発してしまう可能性が示唆されているから、実験3〜8では、TMA試薬0.5mL(=0.5cm)と精製水0.5mL(=0.5cm)との混合物をつくり、この混合物をコントロールサンプルとして用いた。コントロールサンプル単体で、においの評価を行い、これを実験3とした。実験2のリセッシュの代わりに、実験4では2%重曹水を、実験5では「リフレア(登録商標)」(ロート製薬(株)製)を、実験6では銀イオンを含有する「エージーデオ24パウダースプレー」((株)資生堂製)を、実験7では「魔法のバイオ消臭・除菌KESCO」((株)丹羽久製)を、実験8では「デオナチュレソフトストーンW」((株)シービック製)を用いた。2%重曹水は、重曹の体積をVJとし、水の体積をVWとするときに、{VJ/(VJ+VW)}×100で求める濃度(単位は%)が2%の重曹水溶液である。
実験4と実験5とでは、2%重曹水とリフレアとを、それぞれ0.5mL(=0.5cm)、コントロールサンプルを0.5mL、ろ紙に対して滴下した。実験6では、エージーデオ24パウダースプレー(以下、単に「エージーデオ」と称する)を、コントロールサンプルを0.5mL滴下したろ紙に対して、3秒間噴射した。実験7では、魔法のバイオ消臭・除菌KESCO(以下、単に「魔法のバイオ消臭」と称する)を、コントロールサンプルを0.5m滴下したろ紙に対して、0.5mL滴下した。実験8では、デオナチュレソフトストーンW(以下、単に「デオナチュレ」と称する)を、コントロールサンプルを0.5mL滴下したろ紙に対して、押し付けた状態で円を描くように一周塗りつけた。
においの確認を、実験1で用いたにおい検出器43と、患者ではない健常者の嗅覚との両方で行った。においを確認した評価タイミングと、各結果は表2に示す。
実験6では、噴射した「エージーデオ」のガスににおい検出器43が反応したようであった。また、実験7では、90分ほど経過した時点ではコントロールサンプルのTMAが揮発してしまったようであった。以上の実験2〜8の「嗅覚評価」結果から、におい検出器43をTMA試薬でのTMAのにおいの評価方法として用いることは適当ではないと判断し、TMA試薬におけるTMAのにおいには嗅覚による官能評価で評価を行うことがよいとした。また、実験4〜実験8の重曹水及びいずれの消臭用市販品は、滴下直後から20分経過時まで、TMAのにおいが全く弱まらず、においの抑制効果が全くなかった。そのため、実験4〜実験8の実験及び嗅覚評価結果を、比較例2〜比較例6とした。
Figure 0006744969
[実験9]〜[実験11]
実験3〜8を行った翌日に、トリメチルアミン尿症の患者(日本人の成人女性)の皮膚のにおいの有無及び程度(レベル)を、におい検出器43で検出できるか否かを評価し、実験9とした。患者は、評価の前日に、エビ、イカを含む寿司を食しており、これら食品の摂取から表3に示すタイミングでにおい検出器43と実験1〜8を評価した健常者の嗅覚とにより評価した。なお、評価は、入浴後にそれぞれ行った。評価した部位は、肩S、脇W、前側の首N、耳の裏BE(図2参照)であった。嗅覚による評価結果は、表3の「嗅覚評価」欄に示している。嗅覚評価を行った健常者は、患者と同居している非血縁者の成人である。また、実験9の6日後に、同様に評価し、実験10とした。実験10では、評価の前日に、患者はホッケの開きとタコの刺身を食した。また、実験10の翌日に、同様に評価し、実験11とした。実験11では、評価の前日に、患者はイカの寿司6貫と、エビのマヨネーズ付きの寿司とを食した。
嗅覚評価は、評価を行った健常者にとってそれまでの生活において最もにおいが強いと感じたときのにおいのレベルを10とし、においが弱いほど小さな数値とし、においが全くなかった場合を0とする11段階評価としている。評価結果は表3に示す。
Figure 0006744969
実験9〜実験11の結果から、におい検出器43は、TMA試薬でのにおいの評価の場合と同様に、患者のにおいの評価にも、用いることが不適当であることがわかった。そして、実験9〜11の結果から、患者のにおいの評価も、TMA試薬でのにおいの評価の場合と同様に、以降は嗅覚によって行うこととした。
[実施例1]〜[実施例45]
前述のTMA試薬を精製水で5倍希釈(全量がTMA試薬の5倍の体積になるように希釈)し、得られた混合物であるTMA溶液をコントロールサンプルとした。このコントロールサンプルは、嗅覚による前述の11段階評価ではレベル10であった。コントロールサンプルを100mLの三角フラスコに入れ、この中に、デオドラント液11を加え、10秒程度攪拌し、実施例1〜45とした。コントロールサンプルの量と、デオドラント液11の量とは、表4及び表5に示す。実施例1〜29は3月に実施し、実施例30〜45は6月に実施(気温は22.1℃、相対湿度は56%)した。
焼きミョウバンを水に溶解して2%の濃度のミョウバン水溶液にした。この濃度は、水の体積をVWmL(ミリリットル)、焼きミョウバンの質量をMMg(グラム)とするときに、(MM/VW)×100で求めている。実施例1〜実施例12,実施例24,実施例27,実施例38,実施例40,実施例42,実施例44では、このミョウバン水溶液をデオドラント液11として用い、このデオドラント液11の体積(単位はmL(ミリリットル))を、三角フラスコに加えた量として、表4及び表5の「ミョウバン」の「水溶液の量」欄に示している。表4及び表5において、「ミョウバン」の「使用品」欄の「Ma」は前述の(株)三幸製の焼きミョウバン、「Mb」は前述の大洋製薬(株)製の焼きミョウバン、「Mc」は前述の健栄製薬(株)製の焼きミョウバンである。
実施例13〜実施例22,実施例25,実施例28,実施例30,実施例32,実施例34,実施例36では、にがりをデオドラント液11として用い、このデオドラント液11の体積(単位はmL(ミリリットル)を、三角フラスコに加えた量として、表4及び表5の「にがり」の「量」欄に示している。デオドラント液11として用いたにがりは、市販品であり、水で希釈することなく市販品のまま使用した。市販品の中には既に水で希釈された状態のものがあり、そのような希釈された市販品は希釈されたままで、また、希釈されていない飽和状態のにがりである市販品は飽和状態のままで、それぞれデオドラント液11とした。すなわち、市販品の体積をにがりの体積とみなした。表4及び表5において、「にがり」の「使用品」欄の「Na」は前述の(株)天塩製の「天塩の天日にがり」、「Nb」は前述の赤穂化成(株)製の「天海のにがり」、「Nc」は前述の(株)小谷穀粉製の「海のミネラル天然にがり」である。
実施例23,実施例26,実施例29,実施例31,実施例33,実施例35,実施例37,実施例39,実施例41,実施例43,実施例45では、実施例1でつくったミョウバン水溶液と実施例13で用いたにがりとを、表5の「ミョウバン」の「水溶液の量」欄と「にがり」の「量」欄とに示す体積で混合し、得られた混合液をデオドラント液11として用いた。
各実施例について、嗅覚により、においの程度を評価した。評価結果は表4及び表5に示す。なお、いずれの実施例においても、白い析出物が生成し、液が白く濁った。実施例13〜22では、フラスコの内壁に白い析出物が貼り付いた状態が確認された。
Figure 0006744969
Figure 0006744969
[比較例7]〜[比較例16]
実施例1〜29でのデオドラント液11の代わりに、市販の「きえーる」((株)環境ダイゼン製)と「フリマキーノ」((株)Global Style Japan製)とを用いて、比較例7〜16とした。コントロールサンプルに加えたきえーるとフリマキーノとの各量は表6に示す。これら比較例7〜16は、実施例1〜29と同日に実施した。
実施例と同様に、各比較例でにおいの評価を嗅覚で行った。結果は表6に示す。
Figure 0006744969
[実施例46]
実験9〜11と同じ患者の皮膚に、実施例29で用いたデオドラント液11を塗布した。なお、患者は、評価の前日に、あん肝、ホタテの寿司6貫、イカの寿司3貫(ヤリイカのげそ、耳、体の各1貫)、ウニの寿司1貫、豚肉のあぶり焼きを食した。デオドラント液11の塗布の前に、患者は30分入浴し、体を洗った。入浴後の、健常者による嗅覚で、右側の肩Sと、背中Bとにおけるにおいの評価結果は5であった。ただし、患者はこのとき自分のにおいは感じなかった。
デオドラント液11を浸した化粧用コットンにより、右側の肩Sを拭くように塗布した。また、背中Bにデオドラント液11を振りかけるように塗布した。
塗布した直後の右側の肩Sと、背中Bとのにおいを嗅覚で評価したところ0(ゼロ)だった。塗布した時点から10分経過したときに同様に評価したところ、右側の肩Sは2、背中は0だった。塗布した時点から60分経過したときに同様に評価したところ、右側の肩Sは、塗布直前と同じ5の結果であり、背中は0だった。
[実施例47]
2019年5月1日の14:30に、実施例46と同じ患者の手の平Pに実施例29で用いたデオドラント液11を塗布した。なお、患者は、評価の前日の22:30に、イカそうめんを約50g食している。3人の健常者を評価者とし、これら評価者の嗅覚での評価を行った。第1評価者は、実験1〜11などで評価を行った前述の健常者である。第2評価者は、患者と非同居である患者の血縁者であり、成人の女性である。第3評価者は、患者と非同居である患者の血縁者であり、成人の男性である。これら第1〜第3評価者により、デオドラント液11の塗布直前と、塗布直後との両方において、患者の手の平Pのにおいを評価した。評価基準は以下とした。評価結果は表7に示す。なお、表7の「塗布前」欄は塗布直前での評価の結果を示し、「塗布後」欄は塗布直後での評価の結果を示している。
A;TMAのにおいを感じない。
B;TMAのにおいが下記Cよりは弱まっているものの感じられる。
C;TMAのにおいをはっきりと感じる。
Figure 0006744969
[実施例48]〜[実施例50]
2019年5月25日に、前述の患者の身体の一部に、デオドラント液11を塗布してにおいの抑制効果を評価した。これらの実施例は、短時間におけるにおいの抑制効果を検証するために行った。実施例1〜46で評価を行った健常者により、嗅覚で評価を行った。なお、患者は、評価の前日20:30に、エビ1尾、カワハギ4切れ、シシャモ1匹を食した。デオドラント液11の塗布の前に、患者は入浴して、体を洗った。塗布量は、皮膚科医が患者を指導する際に軟膏剤ローション剤の塗布方法として用いるフィンガーチップユニットに準じて塗布した。この塗布手法は、軟膏剤の場合にはチューブから出す薬剤の量を手の指先から第一関節までの量(1フィンガーチップユニット(以下、FTUと称する))としたときに、この量で、概ね、手のひら2枚分の面積を塗ることができるという手法である。また、ローション剤(液体)の場合にはローション剤の広がりで1円玉程度の面積の量を軟膏剤の場合の指先から第1関節までの量とみなして1FTUとし、この量を手のひら2枚分に塗る量とするものである。デオドラント液11は液体であるため、1円玉程度の面積の量で手のひら2枚分の面積とし、この面積の塗布を肩及び背中にそれぞれ行った。なお、FTUについては、例えばFinlay AY, Edwards PH, Harding KG. “Fingertip unit" in dermatology.” Lancet. England 1989 Jul 15;2(8655):155.に記載されている。1FTUは概ね0.5gである。
各実施例で用いたデオドラント液11の処方と、塗布した箇所と、入浴直後,塗布直後,塗布から10分経過したときの各評価の結果とを表8に示す。なお、評価基準は、実施例1〜46と同じとした。表8において、デオドラント液11におけるミョウバンの「水溶液の量」と、にがりの「量」とは、体積(単位はFTUである)である。
Figure 0006744969
[実施例51]〜[実施例52]
実施例48〜50の後に、両肩Sを洗い、その後、実施例51〜52を実施した。これら2つの実施例は、ミョウバンを含む水溶液とミョウバンとにがりとの両方を含む水溶液との効果を比較するために行った。用いたデオドラント液11の処方と、塗布した箇所と、肩を洗った直後,塗布直後,塗布から10分経過したときの各評価の結果とを表8に示す。なお、評価基準は、実施例1〜46と同じとした。
[実施例53]〜[実施例56]
2019年6月8日に、前述の患者の身体の一部に、デオドラント液11を塗布してにおいの抑制効果を評価した。これらの実施例は、長時間におけるにおいの抑制効果を検証するために行った。実施例1〜46で評価を行った健常者により、嗅覚で評価を行った。なお、患者は、評価の前日20:00に、イカの一夜干と、明太子とチーズとが含まれる玉子焼きと、サバの刺身と、アジの刺身と、チーズが含まれる豆腐とを食した。塗布量は、前述のフィンガーチップユニット(FTU)に準じて塗布した。
各実施例で用いたデオドラント液11の処方と、塗布した箇所と、塗布前,塗布直後,塗布から90分経過したときの各評価の結果とを表9に示す。なお、患者は塗布直後から90分間、外出し、90分経過時の評価は帰宅後に行った。評価基準は、実施例1〜46と同じとした。表9において、デオドラント液11におけるミョウバンの「水溶液の量」と、にがりの「量」とは、体積(単位はFTU)である。
Figure 0006744969
塗布から90分後の時点で、左の一の腕OAと二の腕UAとの間の前腕部(左のひじの内側)AFは乾いていたが、右の同箇所は汗で濡れていた。患者は、右利きであり、外出の際にひじを曲げた右腕にバッグ(鞄)の持ち手を下げて持ち歩くため、汗をかき、その汗のためにトリメチルアミン臭が感じられるようになったと考えられる。また、長時間でのにおいの抑制効果を検証する場合には、汗をかきやすい部位での評価よりも汗をかきにくい部位での評価が好ましいとの結論を得た。
[実施例57]〜[実施例58]
実施例53〜56の後に、両肩Sを洗い、その後、実施例57〜58を実施した。これら実施例は、長時間におけるにおいの抑制効果を検証するために行い、塗布から60分経過した時点まで患者は外出せずに屋内で汗をかかないように過ごした。用いたデオドラント液11と、塗布した箇所と、肩を洗った直後,塗布直後,塗布から10分経過したとき,40分経過したとき,60分経過したときの各評価の結果とを表9に示す。なお、評価基準は、実施例1〜46と同じとした。
[実施例59]〜[実施例78]
2019年7月12日に、アルミニウムイオンAl3+とマグネシウムイオンMg2+との効果を評価するために、実施例1と同様の方法で、実施例59〜78を行った。実施例59〜68は、実施例1のデオドラント液11の代わりに、塩化アルミニウム水溶液をデオドラント液11として用いており、用いた量は表10に示す。実施例69〜78は、実施例1のデオドラント液11の代わりに、酸化マグネシウム水溶液をデオドラント液11として用いており、用いた量は表10に示す。実施例59〜78は、コントロールサンプルを1.0mLとした。その他の条件は実施例1と同じである。
塩化アルミニウム水溶液は、市販品である下記の試薬2gを、100mL(=100cm)の精製水に溶かすことによりつくった2%水溶液であった。これに対し酸化マグネシウムは水に対する溶解度が低いため、酸化マグネシウム水溶液は市販品である下記の試薬1gを、100mL(=100cm)の精製水に入れて溶かし、溶け残しがある状態で、上澄みを飽和水溶液とみなして取り出したものとした。用いた試薬は以下の通りである。
「塩化アルミニウム試薬(III)六水和物」;関東化学(株)製の塩化アルミニウム試薬(III)六水和物98%、ロット番号は105Y4034
「重質酸化マグネシウム」;日医工(株)製の酸化マグネシウム、ロット番号はD01100
Figure 0006744969
実施例59〜78について、実施例1と同じ方法及び基準で、においの程度を評価した。評価結果は表10に示す。なお、いずれの実施例においても、白い析出物が生成し、液が白く濁った。塩が生じたと思われる。
[比較例17]〜[比較例26]
実施例59〜78を行った同日に、実施例59〜68のデオドラント液11の代わりに、炭酸カリウム水溶液を用いて、比較例17〜26を行った。その他の条件は、実施例59〜68と同じである。
実施例59〜68と同じ方法及び基準で、においの程度を評価した。評価結果は表10に示す。
[実施例79]〜[実施例87]
2019年8月6日に、アルミニウムイオンAl3+とマグネシウムイオンMg2+との効果を評価するために、実施例1と同様の方法で、実施例79〜87を行った。実施例79〜87は、実施例1のデオドラント液11の代わりに、塩化アルミニウム水溶液と塩化マグネシウム水溶液とをそれぞれデオドラント液11として用いており、用いた量は表11に示す。コントロールサンプルの量は1.0mLとした。その他の条件は実施例1と同じである。
塩化アルミニウム水溶液をつくるために、塩化アルミニウム6水和物AlCl・6HO(241.43g/mol,関東化学(株)製,特級 JIS K 8114,Lot No.105Y4034)を用いた。ここで、実施例1のデオドラント液11は、焼きミョウバンAlNH(SO(236.98g/mol)を用いており、焼きミョウバンは製造元によると純度はほぼ100%とのことだった。実施例1では焼きミョウバン2gを100mLの精製水に溶解したことから、そのモル計算に基づき、2.04g(2.03755gの小数第2位を四捨五入)の塩化アルミニウムを100mLの水に溶解してデオドラント液11とした。なお、塩化アルミニウム6水和物は、制汗剤にも使用されており、比較的安全性が認められている物質である。
塩化マグネシウム水溶液をつくるために、塩化マグネシウム6水和物MgCl・6HO(203.3022g/mol,藤井薬品(株)製,純度99.0%,ロットナンバ1901130)を用いた。にがりとして商品名「天塩の天日にがり」を用いている実施例13のデオドラント液11と同程度のマグネシウム量(15mLあたり142.5mg)となるように、塩化マグネシウム水溶液をつくった。すなわち、Mgは24.305g/molであるから、精製水15mLあたり1.191gの質量で塩化マグネシウム6水和物を溶解することにより、塩化マグネシウム水溶液とした。なお、塩化マグネシウムは食品添加物としても利用されており、人体に使用しても安全な物質である。
Figure 0006744969
実施例5と同じ方法及び基準で、においの程度を評価した。評価結果は表11に示す。これらの実験からは、表11に示すように、ミョウバンを用いたデオドラント液及びにがりを用いたデオドラント液11とほぼ同じ結果になることがわかる。
11 デオドラント液
12 容器
13 デオドラントパッケージ
14 容器本体
15 蓋
16 外蓋
16a 開口
16e 周縁
41 シャーレ
42 ろ紙
43 におい検出器
43a 検出センサ

Claims (5)

  1. アルミニウムイオンAl 3+ と、マグネシウムイオンMg 2+ とが水に含まれている水溶液であり、
    前記アルミニウムイオンAl 3+ はミョウバンから生成しており、前記マグネシウムイオンMg 2+ はにがりから生成しており、
    前記水の体積をVWmLとし、前記ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度で前記ミョウバンを少なくとも1%含有するトリメチルアミン尿症用の外用組成物。
  2. ミョウバンとにがりとが溶解している水溶液であり、
    水の体積をVWmLとし、前記ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度で前記ミョウバンを少なくとも1%含有するトリメチルアミン尿症用の外用組成物。
  3. 100mL当たりにマグネシウムを少なくとも950mg含有している前記にがりを、前記水100mLあたり少なくとも6.25mL含有している請求項1または2に記載のトリメチルアミン尿症用の外用組成物。
  4. ミョウバンとにがりとが溶解している水溶液であり、
    水の体積をVWmLとし、前記ミョウバンの質量をMMgとするときに、(MM/VW)×100で求める濃度で前記ミョウバンを少なくとも1%含有することを特徴とするトリメチルアミン臭の消臭液。
  5. 100mL当たりにマグネシウムを少なくとも950mg含有している前記にがりを、前記水100mLあたり少なくとも6.25mL含有している請求項4に記載のトリメチルアミン臭の消臭液。
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