JP6198799B2 - 有害物質付着防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有害物質付着防止剤に関し、より詳細には、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を有効成分として含む、有害物質付着防止剤に関する。
近年、花粉等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、及びPM2.5等の微小粒子状物質などの有害物質への関心が高まっており、それらが人体に取り込まれるのを防止する多数の製品が開発されている。例えば、これら有害物質の体内への取り込みを防止するマスクや、生活環境の空気中からこれら有害物質を除去する空気清浄機などは広く用いられている。
しかしながら、マスクの着用は呼吸を遮るなど使用者の負担になるため、そのような負担がない有害物質からの防護可能な手段が求められている。また、空気清浄機による場合には、限られた空間でのみ有害物質からの防護を可能にするが、日常生活のあらゆる空間で有害物質からの防護が可能となる手段が求められている。
これらの要求に対して、有害物質の多くが帯電していることに着目し、カチオン化セルロース等の荷電粒子を鼻孔周辺又は顔に付着させ、これに有害物質を吸着又は反発させることで、体内への取り込みを抑制する製品が提案されている。また、荷電粒子と伴に酸化チタン等の有害物質を破壊又は不活化する物質を鼻孔周辺又は顔に付着させ、荷電粒子に吸着された有害物質を更に不活化する製品が提案されている(特許文献1及び2)。
しかしながら、これらの製品は、電気的に有害物質を体表面に付着した状態にするため、体表面上で有害作用が起こる可能性が有る。また、何らかの物理的な力によって有害物質が体表面から剥離して体内へ取り込まれる可能性が有る。さらに、同様の点から、体表面に付着した有害物質が室内へ持ち込まれ、体表面から剥離した後、再度空気中に浮遊し、再び体表面に付着ないし体内に取り込まれる要因になり得る。
特開2014-58479号公報 特開2014−577247号公報
本発明は、上記のような従来技術に対し、噴霧等の簡単な方法で体や衣服への有害物質の付着を防止することを目的とする。
本発明者らは、電荷を持たないヒドロキシアルキルキトサン又はその塩が有害物質の付着防止効果を奏することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を有効成分として含む、有害物質付着防止剤を提供する。
また、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を対象表面に付着させる有害物質付着防止方法を提供する。
本発明による有害物質付着防止剤は、花粉、インフルエンザウイルス、PM2.5等の有害物質が体の表面及び/又は衣服に付着することを防止することができるため、体内に取り込まれる有害物質を低減することができる。また、有効成分とするヒドロキシアルキルキトサン又はその塩は、有害物質の荷電状態に関わらず、有害物質の付着を防止できるため、いろいろな有害物質の体内への取り込みを低減することができる。後述する実施例に示す通り、本発明による有害物質付着防止剤は、荷電物質を有効成分にした場合と比較して、優れた付着防止効果を有する。
また、本発明による有害物質付着防止剤は、化粧をした顔面に付着させても化粧が落ちることはなく、有害物質付着防止剤以外の化学品が塗布された対象表面であっても付着防止効果を発揮することができ、使用感に優れるといった利点も有する。
図1は、実施例1の試料と比較例1乃至3の試料との有害物質の付着防止率を示すグラフである。 図2は、日頃から花粉症に悩む被験者に、実施例2の試料を単回使用させた後に、花粉症の症状改善効果の度合いについて質問した際の回答結果を示すグラフである。 図3は、日頃から花粉症に悩む被験者に、実施例2の試料を連用させた後に、花粉症の症状改善効果の度合いについて質問した際の回答結果を示すグラフである。 図4は、長期連用試験において普段通り化粧をした状態で実施例2の試料を噴霧させた女性被験者に化粧落ちについて質問した際の回答結果を示すグラフである。
本発明による有害物質付着防止剤は、対象表面への有害物質の付着を防止するため、有効成分としてヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を含有するものである。
本発明の有害物質付着防止剤によって体等への付着を防止する対象になる有害物質は、人体に有害ないろいろな物質が含まれ、例えば、花粉、ハウスダスト、真菌等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、PM2.5、PM10等と称される微小粒子状物質が含まれる。これらの有害物質は、通常、粒子状であり、空気中に浮遊している。また、多くの有害物質は、荷電粒子であり、プラス又はマイナスの電荷を有することが多い。本発明による有害物質付着防止剤は、電荷の有無に拘らず付着を防止することができるため、荷電粒子にも非荷電粒子にも有効であり、いろいろな有害物質の体内への取り込みを低減できる。従って、本発明の有害物質付着防止剤によれば、上述した有害物質に起因する症状を予防することができる。例えば花粉症、ハウスダスト、真菌等に起因するアレルギー、インフルエンザ、その他のウイルス感染症、及びPM2.5、PM10等に起因する気管支炎、ぜんそく等の呼吸器系疾患などの症状を予防するのに有効である。
本発明の有害物質付着防止剤は、特に花粉の付着を防止する効果に優れ、例えば、スギ花粉、ヒノキ花粉、カモガヤ花粉、ブタクサ花粉、ハンノキ花粉、シラカンバ花粉、イネ花粉、カナムグラ花粉、コナラ花粉、イチョウ花粉、ヒメガマ花粉、スズメノテッポウ花粉、セイタカアキノキリンソウ花粉、ケヤキ花粉、オオアワガエリ花粉及びヨモギ花粉が対象となる。
本発明において有効成分として含有される「ヒドロキシアルキルキトサン」は、キトサンの酸化アルケン付加物である。カニ、エビ、オキアミ等の甲殻類の甲皮、カブトムシ、バッタ等の昆虫類の甲皮などから炭酸カルシウムとタンパク質などを除去してキチンを得た後、得られたキチンを脱アセチル化し得られたキトサンに酸化アルケンを付加することによって得られる。
ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩は、好ましくは0.01〜0.5質量%の窒素を含有し、より好ましくは0.05〜0.5質量%の窒素を含有し、特に好ましくは0.1〜0.25質量%の窒素を含有する。
ヒドロキシアルキル基は、直鎖状若しくは分岐状又は環式のアルキル基を有することができるが、水への溶解性の点で、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基が好ましく、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基がより好ましく、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。
具体的には、本発明において有効成分として含有されるヒドロキシアルキルキトサンとしては、例えば、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサン、ヒドロキシペンタンキトサン、ヒドロキシヘキサンキトサン、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシプロピルキトサン及びそれらの塩等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシプロピルキトサンが特に好ましい。
ヒドロキシアルキルキトサンの塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等のモノカルボン酸塩;フマル酸塩、マレイン酸塩等の多価カルボン酸塩;乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等のオキシカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;アンモニウム塩等の有機塩基との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム等の金属との塩等の無機塩基との塩が挙げられる。
ヒドロキシアルキルキトサンは、一般的に1〜1000万と広範囲の重量平均分子量を有するが、本発明の有害物質付着防止剤では、何れの重量平均分子量を有するヒドロキシアルキルキトサンでも含有し得る。但し、本発明における有害物質付着防止効果を奏するものとして、10〜500万の重量平均分子量を有するものが好ましく、10万〜200万の重量平均分子量を有するものがより好ましい。
ヒドロキシアルキルキトサンは、市販製品を用いてもよく、例えば、ヒドロキシエチルキトサン液(商品名:アクアクラスター、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン液(商品名:キトフィルマー、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:ヒドロキシプロピルキトサン、大日精化工業株式会社製)、ヒドロキシブチルキトサン(商品名:ヒドロキシブチルキトサン、大日精化工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明による有害物質付着防止剤では、1種のヒドロキシアルキルキトサンを含有してもよく、2種以上のヒドロキシアルキルキトサンを含有してもよい。
本発明の有害物質付着防止剤に含まれる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、ヘキサン等の他の有機溶媒等が挙げられる。これらは1種単独、もしくは2種以上組合せて配合することができ、剤型や他の成分との相溶性を考慮して適宜選択すればよい。本発明の有害物質付着防止剤に含まれる溶媒としては、特に水およびエタノールのいずれか又は組合せが好ましい。
本発明の有害物質付着防止剤は、有効成分であるヒドロキシアルキルキトサン以外に、有効成分との相溶性、剤型、使用方法、適用対象等に応じて、アルコール類、多価アルコール類、油脂類、界面活性剤、保湿剤、pH調整剤、増粘剤、精油及び香料、清涼剤、防腐剤、顔料、色素、無機塩類及び無機酸類等を含有してもよい。
アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等の低級アルコール類;セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の高級アルコール類等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1、3−ブチレングリコール、1、2−ペンタンジオール、1、5−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ソルビトール、ヘキシレングリコール、1、2−ヘキサンジオール、1、6−ヘキサンジオール、マルチトール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、大豆油、アーモンド油、パラフィン、セタノール、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヌカ油、卵黄油、ひまし油、スクワラン、ラノリン、流動パラフィン、白色ワセリン等の植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワラン等の動物性油脂;メチルポリシロキサン、トリカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、流動パラフィン等の合成油脂等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤;α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル;セラミド、セラミド誘導体、セラミド類似物質等のセラミド類;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ムチン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー等のたんぱく質並びにその誘導体、加水分解物及び塩;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類及びその塩;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム、リン酸アスコルビン酸マグネシウム等のビタミン類及びその誘導体;グリシン、アラニン、アルギニン、システイン、グルタミン酸、サルコシン等のアミノ酸類及びその塩等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、りんご酸、安息香酸、クエン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の有機酸、無機酸、その塩類等が挙げられる。
精油及び香料類としては、例えば、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョウ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール、シトロネラール、オイゲノール、リモネン、ミカン油、トウヒ、シトロネロール等の天然及び合成香料等が挙げられる。また、清涼剤としては、メントール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸等が挙げられる。
顔料としては、例えば、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカ、タルク、ベントナイト等が挙げられる。
色素としては、例えば、青色1号、青色2号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、緑色3号、クロロフィル、リボフラビン、ベニバナ等が挙げられる。
無機塩類及び無機酸類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ホウ酸、ほう砂、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、硫黄、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、無水ケイ酸、メタケイ酸等が挙げられる。
本発明の有害物質付着防止剤において、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩は、対象物へ適用した際に付着防止効果を奏し得る量含有すればよく、剤型にもよるが、通常有害物質付着防止剤の全成分に対して0.00001質量%以上含有すればよい。また、製剤化のしやすさから1.0質量%以下で含有するのが好ましい。
本発明の有害物質付着防止剤は、その剤型について特に制限はなく、その用途、適用部位に応じて適宜好適な剤型を選択することができる。例えば、固形剤、液剤、クリーム剤、エアゾール剤、ジェル剤等の種々の形態にすることができる。また、使用時の形態も適宜選択することができる。例えば、エアゾール剤、ポンプ剤等で噴霧して使用、或いは化粧水、ローション、乳液などのように液状にしたものをコットン、不織布等の基材に含浸させて使用することができる。
本発明の有害物質付着防止剤は、所望の対象表面に付着させることで効果を発揮する。例えば、顔や髪を含む体の一部又は全身、場合によって更に衣服等に付着させることで効果を発揮する。この際、顔や髪を含む体の一部又は全身に、化粧品、整髪料、日焼け止め剤などを塗布したり、衣服に防水剤を塗布した状態であってもよい。本発明の有害物質付着防止剤は、有害物質付着防止剤以外の化学品が塗布された対象表面であっても付着防止効果を奏する。また、本発明の有害物質付着防止剤は、典型的にはヒトに用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、イヌ、ネコ等の他の動物に用いて、有害物質による症状を予防することができる。また、衣服の他、ハンカチ、タオル、マスク等の携帯品、或いは、カーテン、カーペット、布団、ソファー等の室内用品に適用することで、これらの室内用品を介する有害物質の体内への取り込みを低減することができる。また、ハンカチ、タオル、マスクなど口を覆うことが可能であり、口を覆うことによって有害物質の体内への取り込みを低減することができる用品については、本発明の有害物質付着防止剤を付着させることで、より有害物質の体内への取りこみを低減することができる。
本発明の有害物質付着防止剤の有効成分であるヒドロキシアルキルキトサン又はその塩は、顔や髪を含む体の一部又は全身、場合によって更に衣服に付着させることが効果的に有害物質の体内への取り込みを低減する好ましい実施形態である。この様な実施形態においては、対象表面に有害物質付着防止剤を隈無く付着させることができる点で、エアゾール剤とポンプ剤が好ましく、エアゾール剤がより好ましい。ここで、本願明細書におけるエアゾール剤とは、液化ガス又は圧縮ガスからなる噴射剤と共に、本発明の有害物質付着防止剤をエアゾール容器に封入し、噴射剤と共に有害物質付着防止剤を噴霧する剤である。
噴射剤は、公知のものを広く使用でき、例えば、ジメチルエーテル、液化石油ガス、フルオロカーボン、液化炭酸ガス等の液化ガス;並びに窒素ガス、炭酸ガス、これらの混合ガス、圧縮空気、亜酸化窒素等の圧縮ガスが挙げられる。
噴射剤は、圧縮ガスでは、充填される内容物全量に対して0.001〜10質量%充填させるのが好ましく、0.05〜5.0質量%がより好ましい。また、液化ガスでは、充填される内容物全量に対して10〜90質量%含有させることが好ましく、20〜80質量%充填させることがより好ましい。
有害物質付着防止剤を対象表面に効率的に付着させる点で、噴霧する際の一回の使用量は、0.3〜30gが好ましい。同様に、噴霧の粒径は、1〜500μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。また、噴射量は0.5〜50g/10秒が好ましく、1〜10g/10秒がより好ましい。有害物質付着防止剤及び噴射剤を加圧充填する際、エアゾール容器の内圧は、0.1〜1.0MPa(3〜10kg/cm2、25℃)とするのが好ましい。
エアゾール製品の具体例としては、例えば、ステム径0.1〜1.0mm、ハウジング径0.1〜3.0mm、噴射剤が液化ガスの場合にはベーパータップが有り又は無しで、噴射剤が圧縮ガスの場合にはベーパータップが無しのバルブ、噴口穴径0.1〜2.0mmの広角噴射タイプのボタン(例えば、メカニカルブレイクボタンなど)を有するエアゾール容器が挙げられる。エアゾール容器の材質について特に制限はないが、例えば、アルミ缶、ブリキ缶、プラスチック容器、特殊容器(二重構造容器)などが挙げられる。エアゾール容器は、内面にポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂がコートされていてもよい。
以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.各試料の調製
表1に示す検体を調製した。実施例1として、キトフィルマー(一丸ファルコス株式会社製、重量平均分子量80万)をヒドロキシプロピルキトサンの含有量が0.0004質量%となるように精製水を加えて溶液を調製した。また、比較例1および比較例2として、カチナールLC−100(東邦化学工業株式会社製、別称:カチオン化セルロース、カチオン化度:約1.1)、カチナールHC−100(東邦化学工業株式会社製、別称:カチオン化セルロース、カチオン化度:約1.8)の含有量がそれぞれ0.0004質量%となるように精製水を加えてそれぞれの溶液を調製した。比較例3としては、精製水のみを使用した。
2.基礎試験
2−1.試験方法
被着対象として5cm×5cmのポリエステル布(JIS L 0803準拠 コードNo.670110)を用い、各実施例及び比較例で得られた溶液200μlを含浸し風乾した。次いで、市販ティッシュペーパーでポリエステル布表面を1度摩擦した。その後、有害物質として疑似花粉である石松子(ヒゲノカズラの胞子、APPIE標準粉体)0.5gを入れた段ボール箱(25cm×25cm×22cm)の中心部に位置するように、糸及び粘着テープを用いてポリエステル布を吊るした。段ボール箱を、上下を反転させて連続して10回転し(約18秒間)、箱内で有害物質を舞い上げ、ポリエステル布の表面への有害物質の付着を促した。対照として、溶液を含浸しない無処理のポリエステル布を用い、同様の試験を行った。処理後、ポリエステル布上に付着した有害物質数をマイクロスコープで観察し(観察したモニター面積:5.8mm×8.0mm=46.4mm2)、ポリエステル布の表面上の有害物質付着数をカウントした。試験を3回繰り返し、有害物質平均付着数を求め、以下の計算式で、有害物質付着防止率を求めた。以下、有害物質平均付着数を平均付着数、有害物質付着防止率を付着防止率とする。
[数1]
有害物質付着防止率(%)=[(無処理の有害物質の平均付着数-試験体の有害物質の平均付着数)/無処理の有害物質の平均付着数]×100
2−2.試験結果
試験結果を以下の表2及び図1に示す。

表2及び図1に示す通り、ヒドロキシプロピルキトサンを有効成分とする実施例1の付着防止剤では、付着防止率は94.5%であった。一方、カチオン化度の低いカチオン化セルロースを有効成分とする比較例1の付着防止剤では、有害物質付着防止効果が全く認められず、カチオン化度が高いカチオン化セルロースを有効成分とする比較例2の付着防止剤では、付着防止率が22.3%と、わずかに有害物質付着防止効果が見られたものの、実施例1のような顕著な効果は見られなかった。従って、本発明の付着防止剤が、電荷を持つ物質を有効成分とする付着防止剤と比較し、非常に高い有害物質付着防止効果を奏することが示された。
3.実使用試験
3−1.試験試料(実施例2)
キトフィルマー(一丸ファルコス株式会社製)と、エタノール、フローラル系の香料及び防腐剤(メチルパラベン、フェノキシエタノール)を精製水に加え、以下の表3に示す組成で実施例2の原液を調製した。得られた原液75mlをステム径0.5mm、ハウジング径0.4mmのバルブ、噴口径0.3mmのメカニカルブレイクボタンを備えた、φ40mm×H118mmであり、ポリアミドイミド樹脂で容器内をコーティングしたアルミ製の容量133mLのエアゾール容器に充填し、窒素ガスで内圧を約0.7MPaになるように調整した。
3−2.単回使用試験(2014年実施)
A.試験方法
試験は、花粉が比較的多い2014年5月上旬に実施し、日頃から花粉症に悩む8名を対象として行った。
試験方法として、実施例2の試験試料を対象者の頭上から、顔、髪などを含め上半身に浴びるように約5秒間噴霧した。噴霧量に換算すると平均3.7gに相当する。噴霧後、被験者は通常に生活させ、約7時間経過後に以下の評価項目の質問をし、回答を得た。
[評価項目]
質問1:「サンプルを使用して、花粉症の症状改善効果を感じましたか?」
回答選択肢:
1.感じた
2.感じなかった
B.試験結果
図2に示すように、「感じた」と回答した被験者が6名、「感じなかった」と回答した被験者が2名と、8名中6名、すなわち75%の試験対象者が改善効果を「感じた」と回答した。これにより、実施例2の試験試料によって被験者の表面への有害物質の付着が防止され、被験者の体内に取り込まれる花粉が低減することが確認された。
3−3.長期連用試験(2015年実施)
A.試験方法
試験は、花粉が比較的多い2015年4月上旬〜5月下旬の間に、花粉症に悩む30名を対象として行った。
試験方法として、実施例2の試験試料を対象者の頭上から、顔、髪などを含め上半身に浴びるように約5秒間噴霧させた。噴霧量は1.7〜5.1gに相当する。また、30名のうち20名の女性被験者には、普段通り化粧をした状態で試験試料を噴霧させた。被験者には2週間以上連用させ、通常通り生活させた。連用後、以下の評価項目の質問をし、回答を得た。
[評価項目]
質問2:「サンプルを連用して、花粉症の症状改善効果を感じましたか?」
回答選択肢:
1.感じた
2.あまり感じなかった
3.感じなかった
質問3(20名の女性被験者のみ):「サンプルを使用して、化粧落ちすることがありましたか?」
1.化粧落ちしなかった
2.化粧落ちした
3.分からない
B.試験結果
質問2に対して、図3に示すように、68%の被験者が「感じた」と回答した。被験者数が増えても2014年に行った試験の単回使用のみならず、長期連用をしても効果が落ちることなく、継続して効果が得られることが分かった。従って、この連用試験でも、実施例2の試験試料によって被験者の表面への有害物質の付着が防止され、被験者の体内に取り込まれる花粉が低減されることを確認できた。
また、質問3に対して、図4に示すように、普段どおり化粧している状態で試験試料を噴霧させても、女性被験者全員が「化粧落ちしなかった」と回答した。従って、有害物質付着防止剤以外の化学品が塗布された対象表面であっても付着防止効果を得られ、化粧をしている場合でも違和感なく使用できることも確認された。
以上の通り、本発明は、外出先において、有害物質の対象表面への付着を防止し、体内への取り込みを低減し得る簡易な手段を提供することができる。

Claims (2)

  1. ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩(但し、重量平均分子量が600〜130000であるヒドロキシアルキルキトサン及びその塩を除く)を有効成分として含む、花粉、ハウスダスト、真菌等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、PM2.5、PM10からなる群から選択される少なくとも1種の空気中に浮遊している有害物質付着防止剤。
  2. ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩(但し、重量平均分子量が600〜130000であるヒドロキシアルキルキトサン及びその塩を除く)を対象表面に付着させる、花粉、ハウスダスト、真菌等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、PM2.5、PM10からなる群から選択される少なくとも1種の空気中に浮遊している有害物質付着防止方法。
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