JP6198799B2 - 有害物質付着防止剤 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を有効成分として含む、有害物質付着防止剤を提供する。
また、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩を対象表面に付着させる有害物質付着防止方法を提供する。
また、本発明による有害物質付着防止剤は、化粧をした顔面に付着させても化粧が落ちることはなく、有害物質付着防止剤以外の化学品が塗布された対象表面であっても付着防止効果を発揮することができ、使用感に優れるといった利点も有する。
本発明の有害物質付着防止剤は、特に花粉の付着を防止する効果に優れ、例えば、スギ花粉、ヒノキ花粉、カモガヤ花粉、ブタクサ花粉、ハンノキ花粉、シラカンバ花粉、イネ花粉、カナムグラ花粉、コナラ花粉、イチョウ花粉、ヒメガマ花粉、スズメノテッポウ花粉、セイタカアキノキリンソウ花粉、ケヤキ花粉、オオアワガエリ花粉及びヨモギ花粉が対象となる。
本発明による有害物質付着防止剤では、1種のヒドロキシアルキルキトサンを含有してもよく、2種以上のヒドロキシアルキルキトサンを含有してもよい。
表1に示す検体を調製した。実施例1として、キトフィルマー(一丸ファルコス株式会社製、重量平均分子量80万)をヒドロキシプロピルキトサンの含有量が0.0004質量%となるように精製水を加えて溶液を調製した。また、比較例1および比較例2として、カチナールLC−100(東邦化学工業株式会社製、別称:カチオン化セルロース、カチオン化度:約1.1)、カチナールHC−100(東邦化学工業株式会社製、別称:カチオン化セルロース、カチオン化度:約1.8)の含有量がそれぞれ0.0004質量%となるように精製水を加えてそれぞれの溶液を調製した。比較例3としては、精製水のみを使用した。
2−1.試験方法
被着対象として5cm×5cmのポリエステル布(JIS L 0803準拠 コードNo.670110)を用い、各実施例及び比較例で得られた溶液200μlを含浸し風乾した。次いで、市販ティッシュペーパーでポリエステル布表面を1度摩擦した。その後、有害物質として疑似花粉である石松子(ヒゲノカズラの胞子、APPIE標準粉体)0.5gを入れた段ボール箱(25cm×25cm×22cm)の中心部に位置するように、糸及び粘着テープを用いてポリエステル布を吊るした。段ボール箱を、上下を反転させて連続して10回転し(約18秒間)、箱内で有害物質を舞い上げ、ポリエステル布の表面への有害物質の付着を促した。対照として、溶液を含浸しない無処理のポリエステル布を用い、同様の試験を行った。処理後、ポリエステル布上に付着した有害物質数をマイクロスコープで観察し(観察したモニター面積:5.8mm×8.0mm=46.4mm2)、ポリエステル布の表面上の有害物質付着数をカウントした。試験を3回繰り返し、有害物質平均付着数を求め、以下の計算式で、有害物質付着防止率を求めた。以下、有害物質平均付着数を平均付着数、有害物質付着防止率を付着防止率とする。
[数1]
有害物質付着防止率(%)=[(無処理の有害物質の平均付着数-試験体の有害物質の平均付着数)/無処理の有害物質の平均付着数]×100
試験結果を以下の表2及び図1に示す。
表2及び図1に示す通り、ヒドロキシプロピルキトサンを有効成分とする実施例1の付着防止剤では、付着防止率は94.5%であった。一方、カチオン化度の低いカチオン化セルロースを有効成分とする比較例1の付着防止剤では、有害物質付着防止効果が全く認められず、カチオン化度が高いカチオン化セルロースを有効成分とする比較例2の付着防止剤では、付着防止率が22.3%と、わずかに有害物質付着防止効果が見られたものの、実施例1のような顕著な効果は見られなかった。従って、本発明の付着防止剤が、電荷を持つ物質を有効成分とする付着防止剤と比較し、非常に高い有害物質付着防止効果を奏することが示された。
3−1.試験試料(実施例2)
キトフィルマー(一丸ファルコス株式会社製)と、エタノール、フローラル系の香料及び防腐剤(メチルパラベン、フェノキシエタノール)を精製水に加え、以下の表3に示す組成で実施例2の原液を調製した。得られた原液75mlをステム径0.5mm、ハウジング径0.4mmのバルブ、噴口径0.3mmのメカニカルブレイクボタンを備えた、φ40mm×H118mmであり、ポリアミドイミド樹脂で容器内をコーティングしたアルミ製の容量133mLのエアゾール容器に充填し、窒素ガスで内圧を約0.7MPaになるように調整した。
A.試験方法
試験は、花粉が比較的多い2014年5月上旬に実施し、日頃から花粉症に悩む8名を対象として行った。
試験方法として、実施例2の試験試料を対象者の頭上から、顔、髪などを含め上半身に浴びるように約5秒間噴霧した。噴霧量に換算すると平均3.7gに相当する。噴霧後、被験者は通常に生活させ、約7時間経過後に以下の評価項目の質問をし、回答を得た。
[評価項目]
質問1:「サンプルを使用して、花粉症の症状改善効果を感じましたか?」
回答選択肢:
1.感じた
2.感じなかった
図2に示すように、「感じた」と回答した被験者が6名、「感じなかった」と回答した被験者が2名と、8名中6名、すなわち75%の試験対象者が改善効果を「感じた」と回答した。これにより、実施例2の試験試料によって被験者の表面への有害物質の付着が防止され、被験者の体内に取り込まれる花粉が低減することが確認された。
A.試験方法
試験は、花粉が比較的多い2015年4月上旬〜5月下旬の間に、花粉症に悩む30名を対象として行った。
試験方法として、実施例2の試験試料を対象者の頭上から、顔、髪などを含め上半身に浴びるように約5秒間噴霧させた。噴霧量は1.7〜5.1gに相当する。また、30名のうち20名の女性被験者には、普段通り化粧をした状態で試験試料を噴霧させた。被験者には2週間以上連用させ、通常通り生活させた。連用後、以下の評価項目の質問をし、回答を得た。
[評価項目]
質問2:「サンプルを連用して、花粉症の症状改善効果を感じましたか?」
回答選択肢:
1.感じた
2.あまり感じなかった
3.感じなかった
1.化粧落ちしなかった
2.化粧落ちした
3.分からない
質問2に対して、図3に示すように、68%の被験者が「感じた」と回答した。被験者数が増えても2014年に行った試験の単回使用のみならず、長期連用をしても効果が落ちることなく、継続して効果が得られることが分かった。従って、この連用試験でも、実施例2の試験試料によって被験者の表面への有害物質の付着が防止され、被験者の体内に取り込まれる花粉が低減されることを確認できた。
また、質問3に対して、図4に示すように、普段どおり化粧している状態で試験試料を噴霧させても、女性被験者全員が「化粧落ちしなかった」と回答した。従って、有害物質付着防止剤以外の化学品が塗布された対象表面であっても付着防止効果を得られ、化粧をしている場合でも違和感なく使用できることも確認された。
Claims (2)
- ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩(但し、重量平均分子量が600〜130000であるヒドロキシアルキルキトサン及びその塩を除く)を有効成分として含む、花粉、ハウスダスト、真菌等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、PM2.5、PM10からなる群から選択される少なくとも1種の空気中に浮遊している有害物質の付着防止剤。
- ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩(但し、重量平均分子量が600〜130000であるヒドロキシアルキルキトサン及びその塩を除く)を対象表面に付着させる、花粉、ハウスダスト、真菌等のアレルゲン、インフルエンザウイルス等のウイルス、PM2.5、PM10からなる群から選択される少なくとも1種の空気中に浮遊している有害物質の付着防止方法。
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