JP6743371B2 - 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品 - Google Patents
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Description
例えば、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換により、ポリカーボネート樹脂を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、イソソルビドと他のジヒドロキシ化合物との共重合ポリカーボネートとして、ビスフェノールAを共重合したポリカーボネート樹脂が提案されており(例えば、特許文献2参照)、更に、イソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することにより、イソソルビドからなるホモポリカーボネート樹脂の剛直性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、特許文献8では、コア・シェル構造からなるエラストマーとして、コア層が(
メタ)アクリル酸アルキルであるエラストマーを用いることが記載されている。しかしながら、特許文献8では、遮光性を向上させようとするものであり、本発明のように、より高い透明性を求める発明とは思想が異なっている。したがって、特許文献8に記載された発明では、今般の透明プラスチック成型品の要求を満足できるものではない。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物とを含有し、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物の屈折率が1.495以上1.505未満であり、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物を、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して1重量部以上、20重量部以下含有し、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物の屈折率と前記ポリカーボネート樹脂の屈折率との差が0.010以下であり、
前記ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位100モル%に対する前記構成単位(a)の含有割合が、30モル%以上、95モル%以下である、熱可塑性樹脂組成物。
<全光線透過率測定>
熱可塑性樹脂組成物のペレットを、熱風乾燥機を用いて、90℃で6時間乾燥する。次に、乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度240℃、金型温度60℃、成形サイクル40秒間の条件で、射出成形板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する。
上記射出成形板についてJIS K7105(1981年)に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH2000)を使用し、D65光源にて前記試験片の全光線透過率を測定する。
[4][1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
[5][1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるプレート。
本発明において、「重量%」と「質量%」、「重量ppm」と「質量ppm」、及び「重量部」と「質量部」は、それぞれ同義である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以下のとおりである。
下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含有するポリカーボネート樹脂と、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物とを含有し、
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物の屈折率が1.495以上1.505未満である熱可塑性樹脂組成物。
前記ポリカーボネート樹脂(A)は、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(これを、適宜「構成単位(a)」という)を含むポリカーボネート樹脂
である。ポリカーボネート樹脂(A)は、構成単位(a)のホモポリカーボネート樹脂であってもよいし、構成単位(a)以外の構成単位を共重合したポリカーボネート樹脂であってもよい。耐衝撃性により優れるという観点からは、共重合ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
ジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、リモネン等の、テルペン化合物から誘導されるジヒドロキシ化合物等に例示される、脂環式炭化水素の1級アルコールであるジヒドロキシ化合物;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−アダマンタンジオール、水添ビスフェノールA、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等に例示される、脂環式炭化水素の2級アルコール又は3級アルコールであるジヒドロキシ化合物。
オキシアルキレングリコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等を採用することができる。
)以外の構成単位を更に含んでいてもよい。このような構成単位(その他のジヒドロキシ化合物)としては、例えば、芳香族基を含有するジヒドロキシ化合物等を採用することができる。ただし、前記ポリカーボネート樹脂(A)に芳香族基を含有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多く含まれる場合には、前述の理由により高い分子量のポリカーボネート樹脂が得られなくなり、耐衝撃性の向上効果が低下するおそれがある。したがって、耐衝撃性をより向上させるとく観点からは、全ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位100モル%に対して、芳香族基を含有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の含有割合は、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることより好ましい。
トリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩及び2セシウム塩等。
1族金属化合物としては、重合活性と得られるポリカーボネート樹脂の色調の観点から、リチウム化合物が好ましい。
2族金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物又はバリウム化合物が好ましく、重合活性と得られるポリカーボネート樹脂の色調の観点から、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましく、カルシウム化合物が最も好ましい。
はカルシウム化合物を用いる場合は、重合触媒の使用量は、該金属を含む化合物の金属原子量として、反応に使用した全ジヒドロキシ化合物1mol当たり、0.1μmol以上が好ましく、0.3μmol以上がより好ましく、0.5μmol以上が特に好ましい。また上限としては、10μmol以下が好ましく、5μmol以下がより好ましく、3μmol以下が特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)は、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物等のように原料として用いられるジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、重合触媒の存在下、エステル交換反応により重縮合させることによって得られる。
子量体をより確実に得ることが可能になる。さらに炭酸ジエステルの使用量を前記範囲内に調整することにより、エステル交換反応の速度が低下を抑制することができ、所望の分子量のポリカーボネート樹脂(A)のより確実な製造が可能になる。また、この場合には、反応時の熱履歴の増大を抑制することができるため、ポリカーボネート樹脂(A)の色調や耐候性をより一層良好なものにすることができる。さらにこの場合には、ポリカーボネート樹脂(A)中の残存炭酸ジエステル量を減少させることができ、成形時の汚れや臭気の発生を回避又は緩和することができる。以上と同様の観点から、全ジヒドロキシ化合物に対する炭酸ジエステル使用量は、モル比率で、0.95〜1.10であることがより好ましい。
残存低分子成分を低減することができる。しかし、この場合には、片方の末端が少なくなりすぎると、末端基バランスが少し変動しただけで、極端に反応性が低下し、得られるポリカーボネート樹脂(A)の分子量が所望の分子量に満たなくなるおそれがある。かかる問題を回避するため、最終段の重合反応器で得られるポリカーボネート樹脂(A)は、ヒドロキシ基末端とカーボネート基末端とも10mol/ton以上含有することが好ましい。一方、両方の末端基が多すぎると、重合速度が速くなり、分子量が高くなりすぎてしまうため、片方の末端基は60mol/ton以下であることが好ましい。
<ポリカーボネート樹脂(A)の物性>
本発明のポリカーボネート樹脂(A)の好ましい物性について、以下に示す。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、145℃未満である。この範囲を超えてポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度が高すぎる場合には、着色し易くなり、衝撃強度を向上させることが困難になるおそれがある。また、この場合には、成形時において金型表面の形状を成形品に転写させる際に、金型温度を高く設定する必要がある。そのため、選択できる温度調節機が制限されてしまったり、金型表面の転写性が悪化したりするおそれがある。
また、本発明のポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度は通常90℃以上であり、好ましくは95℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度を145℃未満とする方法としては、ポリカーボネート樹脂(A)中の構造単位(1)の割合を少なくしたり、ポリカーボネート樹脂(A)の製造に用いるジヒドロキシ化合物として、耐熱性の低い脂環式ジヒドロキシ化合物を選定したり、ポリカーボネート樹脂(A)中のビスフェノール化合物等の芳香族系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合を少なくしたりする方法等が挙げられる。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度は、後述の実施例に記載の方法で測定されたものである。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)の重合度は、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒を用い、ポリカーボネート樹脂(A)濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した還元粘度(以下、単に「還元粘度」と記す場合がある。)として、好ましくは0.40dl/g以上、更に好ましくは0.42dl/g以上、特に好ましくは0.45dl/g以上である。また、本発明のポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度は、好ましくは2.0dl/g以下、更に好ましくは1.7dl/g以下、特に好ましくは1.4dl/g以下である。ポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度が過度に低いと、機械的強度が弱くなる場合があり、ポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度が過度に高いと、成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させ、成形品の歪みが大きくなり熱により変形し易い傾向がある。
本発明の樹脂組成物はアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)を含有する。アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)は、ゴム状重合体であるコアと、ゴム状重合体へグラフト重合することにより得られるシェルからなる、コアシェル型重合体であることが好ましい。コアシェル型重合体とすることにより、ポリカーボネートへの分散性が良好となり、高い衝撃強度が得られる傾向にある。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の平均粒子径は、10〜500nmであることが好ましい。より好ましくは30〜300nmであり、さらに好ましくは50〜200nm、最も好ましくは50〜180nmである。平均粒子径が10nmでは十分な衝撃強度が得られない傾向にある。一方、平均粒子径が500nmを超えると得られる樹脂組成物の透明性が低下する傾向にある。なお、平均粒子径はゴム状重
合体、およびグラフト共重合体のラテックス状態で測定する。測定装置として、日機装株式会社製のMICROTRAC UPA150を用いて体積平均粒子径を測定した。
ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)は0℃以下であることが耐衝撃改良の点から好ましい。より好ましくは−20℃以下であり、さらに好ましくは−40℃以下である。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)のシェル部は、少なくとも1種のビニル系単量体である。シェル部は、少なくとも1種のビニル系単量体でグラフト重合することにより形成することができる。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の屈折率が1.495以上1.505以下である。下限値としては、透明性の点から、1.496以上が好ましく、1.497以上がさらに好ましく、1.498以上が特に好ましい。上限値としては、透明性の点から、1.504以下が好ましく、1.503以下がさらに好ましく、1.502以下が特に好ましい。
また、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の屈折率とポリカーボネート(A成分)との屈折率の差が0.010以下であることが好ましい。また、透明性の点から0.008以下がより好ましく、0.006以下がさらに好ましく、0.004以下が特に好ましい。下限値としては、0以上が好ましい。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれを採用してもよいが、乳化重合、すなわち、乳化グラフト重合が好ましい。具体的には、攪拌機を備えた反応容器に、ラテックスを加え、さらにビニル系単量体、重合開始剤、水を加え、必要に応じて連鎖移動剤や酸化還元剤を仕込み、加熱攪拌すればよい。
ここで使用する重合開始剤、連鎖移動剤、酸化還元剤の種類には特に制限がなく、公知のものが使用できる。また、各原料の反応容器への添加方法についても特に制限がなく、重合開始前の一括添加の他、分割添加してもよい。また、グラフト重合は、一段または二段以上で行われ、各段の単量体組成が同一であっても異なっていてもよく、また、単量体を一括添加しても、連続的に添加しても、あるいはこれらを組み合わせてもよい。
乳化重合法を採用する場合には、公知の重合開始剤、すなわち2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の熱分解型重合開始剤を用いることができる。また、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキサイド等の有機過酸化物、もしくは過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物といった過酸化物と、必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコース等の還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)等の遷移金属塩、更に必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等のキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウム等のリン系難燃剤等を併用したレドックス型重合開始剤として使用することもできる。
レドックス型重合開始剤系を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができることから、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。中でもクメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の芳香族環含有過酸化物をレドックス型重合開始剤として用いることが好ましい。前記重合開始剤の使用量、またレドックス型重合開始剤を用いる場合の前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤等の使用量は、公知の範囲で用いることができる。
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)を乳化重合により合成する際、重合乳化剤としては、不均化ロジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸のアルカリ金属塩等、あるいはリン酸系化合物のアルカリ金属塩、さらにはスルホン酸や硫酸系化合物のアルカリ金属塩など、従来公知の重合乳化剤を使用することができる。
乳化重合によりアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)を得た場合には、例えば、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)のラテックスと塩酸等の酸、あるいは塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、酢酸カルシウムなどの二価以上の金属塩を混合することにより凝固した後に、公知の方法に従って、熱処理・脱水・洗浄・乾燥することにより、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)を水性媒体から分離することができる(凝固法ともいう)。または、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等の水溶性有機溶剤をラテックスに添加してアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)を析出させ、遠心、または濾過等により溶剤と分離した後、乾燥させ、単離することもできる。別の方法として、本発明に用いる耐衝撃改良剤を含むラテックスにメチルエチルケトン等の若干の水溶性を有する有機溶剤を加えてラテックス中の耐衝撃改良剤成分を有機溶剤層に抽出し、有機溶剤層を分離した後、水などと混合して耐衝撃改良剤成分を析出させる方法等を挙げることができる。また、ラテックスを噴霧乾燥法により直接粉体化することもできる。
本発明のアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の具体例としては、特に制限されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
例えば、カネカ社製、商品名カネエースM−590、三菱レイヨン社製、商品名メタブレンメタブレンW−341、W−377、メタブレンW−341、三菱レイヨン社製、商品名アクリペットIR377、IR441、IR491などが挙げられる。
これらの中でも、屈折率が高く、耐熱性が高いことから、カネカ社製、商品名カネエースM−590が最もに好ましい。
<アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の含有量>
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の含有量としては、本発明のポリカーボネート樹脂100重量部に対して、1重量部以上、20重量部以下含有することが、透明性、低いヘーズ、低いYI、高い耐衝撃性の点において、好ましい。また、下限値としては、2重量部以上がより好ましく、3重量部以上が特に好ましい。さらに、上限値としては、15重量部以下がより好ましく、12重量部以下が特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、本発明のポリカーボネート樹脂(A)及びアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)の合計重量が熱可塑性樹脂組成物全体の重量の50%以上であることが、耐衝撃性が高いことから好ましい。また、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂(A)と本発明のアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)とを混合することにより製造することができる。
具体的には、例えばペレット状の本発明のポリカーボネート樹脂(A)と、本発明のアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(B)とを押出機を用いて混合し、ストランド状に押出し、回転式カッター等でペレット状にカットすることにより本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)と本発明のアクリル酸ブチル・メタクリル酸メチ
ル・スチレン共重合物(B)との混合時には、必要に応じて適宜下記の酸化防止剤、離型剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤の1種又は2種以上を配合することができる。
酸化防止剤を用いる場合には、本発明のポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常0.0001重量部以上1重量部以下であり、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上であり、また、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。
酸化防止剤の含有量が上記下限以上であると成形時の着色抑制効果が良好となる傾向があるが、酸化防止剤の含有量が上記上限より多いと射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどの化合物が挙げられる。
プロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、シート成形時の冷却ロールからのロール離れ、或いは射出成形時の金型からの離型性をより向上させるなどのために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤が配合されていてもよい。
かかる離型剤としては、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
は多価アルコールとステアリン酸との部分エステル又は全エステルとしては、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、ブチルステアレート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレートなどがより好ましい。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレートが更に好ましく、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノグリセリドが特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、紫外線による変色は従来の熱可塑性樹脂組成物に比較して著しく小さいが、更に改良の目的で、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
ここで、紫外線吸収剤としては、紫外線吸収能を有する化合物であれば特に限定されない。紫外線吸収能を有する化合物としては、有機化合物、無機化合物が挙げられる。なかでも有機化合物はポリカーボネート樹脂との親和性を確保しやすく、均一に分散しやすいので好ましい。
3’−t−ブチル−5’−ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ドデシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−ドデシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
マロン酸エステル系化合物としては、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類、テトラエチル−2,2’−(1,4−フェニレン−ジメチリデン)−ビスマロネートなどが挙げられる。
シュウ酸アニリド系化合物としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(Clariant社製、SanduvorVSU)などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、黄色味を打ち消すためにブルーイング剤の1種又は2種以が配合されていてもよい。ブルーイング剤としては、従来のポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
iolet31[CA.No.68210]、一般名Solvent Violet33
[CA.No.60725]、一般名Solvent Blue94[CA.No.61500]、一般名Solvent Violet36[CA.No.68210]、一般名
Solvent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]、及び一般名Solvent Blue45[CA.No.61110]等が代表例として
挙げられる。
のポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.1×10−4〜2×10−4重量部
が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の添加剤の他、本発明の目的を損なわない範囲で、周知の種々の添加剤、例えば、難燃剤、難燃助剤、加水分解抑制剤、帯電防止剤、発泡剤、染顔料等を含有した樹脂組成物であってもよい。また、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン等の合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の生分解性樹脂等が混合された樹脂組成物であってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物への上述のような各種の添加剤等の配合方法としては、例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合・混練する方法、或いは、例えば塩化メチレン等の共通の良溶媒に溶解させた状態で混合する溶液ブレンド方法等があるが、これは特に限定されるものではなく、通常用いられるブレンド方法であればどのような方法を用いてもよい。
[熱可塑性樹脂組成物の物性]
以下に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の好ましい物性について示す。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、透明淡色着色時の明度を考慮すると、240℃で溶融成形して得られた3mmの厚さの成形品を、JIS K7105に従って測定したYIが5以下であることが好ましく、より好ましくは4以下である。このYIの下限値としては、同様の理由で、好ましくは−5以上、より好ましくは0以上である。
このYIは重合触媒の種類、添加量や触媒失活剤の種類、添加量により制御することができる。
なお、上記YIは、より具体的には後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の全光線透過率およびヘーズが低い場合には、建築材料分野、電気・電子分野、自動車分野、光学部品分野等において好適に用いることが困難になるおそれがある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の全光線透過率は85%以上であることが好ましく、86%以上がより好ましく、87%以上が特に好ましい。
また、実現の困難性という観点から、全光線透過率の上限は94%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のヘーズは5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下が特に好ましい。
ヘーズは、低ければ低い方が好ましく、下限値は0%以上である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の全光線透過率およびヘーズは、本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いるジヒドロキシ化合物の種類とそのモル比率、本発明のシリコン−アクリル複合ゴム・アクリロニトリル・スチレン共重合体(B)の種類とその含有量等を調整することにより制御することができる。
なお、熱可塑性樹脂組成物の全光線透過率は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のノッチ付シャルピー衝撃強度は、12kJ/m2以上が
好ましく、13kJ/m2以上がより好ましく、14kJ/m2以上が特に好ましい。また、実現の困難性という観点から、本発明の熱可塑性樹脂組成物のノッチ付シャルピー衝撃強度の上限は200kJ/m2である。
なお、熱可塑性樹脂組成物のノッチ付シャルピー衝撃強度は、具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は100Pa・s以上が好ましい。溶融粘度が上記下限よりも低すぎる場合には、機械的強度が不足し、射出成形等の成形後に金型から取り出す際に成形品が割れたり、成形品の使用時にクラックが発生したりするおそれがある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は、より好ましくは200Pa・s以上、さらに好ましくは500Pa・s以上がよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は、より好ましくは700Pa・s以下、さらに好ましくは640Pa・s以下がよい。
なお、熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は、キャピログラフを用いて、測定温度240℃、剪断速度912sec−1にて測定される。
本発明のポリカーボート樹脂組成物を成形することにより、本発明のポリカーボネート樹脂成形品を得ることができる。
好ましくは、本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、射出成形法により成形されたものである。
この場合には、複雑な形状の本発明のポリカーボネート樹脂成形品が作成可能となる。そして、複雑な形状に成形すると応力集中部が発生し易くなるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては上述のごとく衝撃強度の向上効果が得られるため、応力集中による破断を抑制することができる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、射出成形法又は押出成形法等により成
形されたプレートであってもよい。
(1)試験片の作成方法
熱可塑性樹脂組成物のペレットを、熱風乾燥機を用いて、90℃で6時間乾燥した。次に、乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度240℃、金型温度60℃、成形サイクル40秒間の条件で、射出成形板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)及び機械物性用ISO試験片を成形した。
前記(1)で得られた射出成形板についてJIS K7105(1981年)に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH2000)を使用し、D65光源にて前記試験片の全光線透過率及びヘーズを測定した。なお、全光線透過率は、85%以上を合格とし、ヘーズは5%以下を合格とした。
前記(1)で得られた射出成形板についてJIS K7105(1981年)に準拠し、分光色差計(日本電色工業社製SE2000)を使用し、C光源透過法にて前記試験片のイエローインデックス(YI)値を測定した。YI値が小さい程、黄色味がなく品質が優れることを示し、5以下を合格とした。
上記で得られた機械物性用ISO試験片について、ISO179(2000年)に準拠してノッチ付シャルピー衝撃試験を実施した。この値が高いほど耐衝撃性が高いことを示し、12kJ/m2以上を合格とした。
全光線透過率は85%以上、かつヘーズは5%以下、かつYI値は5以下、かつシャルピー衝撃強度12kJ/m2以上の場合を合格「○」、それ以外を不合格「×」とした。
(ポリカーボネート樹脂混合物((A)成分)用材料)
ISB:イソソルビド、ロケットフルーレ社製:POLYSORB。
CHDM:シクロヘキサンジメタノール、イーストマン社製。
DPC:ジフェニルカーボネート、三菱化学(株)製。
酢酸カルシウム:和光純薬工業(株)製:酢酸カルシウム1水和物。
カネエースM−590:アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(カネカ社製、屈折率:1.50)
メタブレンW−377:ブタジエン・アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(三菱レイヨン社製、屈折率:1.49)
メタブレンKC−3127:ブタジエン・アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(三菱レイヨン社製、屈折率:1.50)
カネエースM−210:アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物(カネカ社製、
屈折率:1.49)
メタブレンC−223A:ブタジエン・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(三菱レイヨン社製、屈折率:1.52)
パラロイドEXL2603:ブタジエン・アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物(ダウ・ケミカル日本社製、屈折率:1.51)
ユニスターE−275:ジステアリン酸グリコール(日油社製)
イルガノックス1010(BASFジャパン社製)
アデカスタブ2112(ADEKA社製)
撹拌翼及び100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとCHDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPC及び酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換して、酸素濃度0.0005〜0.001体積%に調節した。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。
製造例1において、仕込み組成をISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.50/0.50/1.00/1.3×10−6になるように変更した以外は、製造例1と同様にカーボネート共重合体のペレットにした。なお、このポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、99℃、還元粘度は、0.60dl/g、屈折率は、1.50であった。
製造例1において製造したカーボネート共重合体のペレットを用いて表1に示す熱可塑性樹脂組成物配合で各成分を配合し、2つのベント口を有する日本製鋼所社製2軸押出機
(LABOTEX30HSS−32)を用いて、押出機出口の樹脂温度が250℃になるようにストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。得られた熱可塑性樹脂組成物について、上記の方法により全光線透過率、ヘーズ、色相および、ノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定・評価した。その結果を表1に示す。
製造例1及び製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレットと弾性重合体とを、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、熱可塑性樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a)と、脂肪族炭化水素のジヒドロキシ化合物、脂環式炭化水素のジヒドロキシ化合物、及びエーテル含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(b)とを含有するポリカーボネート樹脂と、
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物とを含有し、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物の屈折率が1.495以上1.505未満であり、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物を、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して1重量部以上、20重量部以下含有し、
前記アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物の屈折率と前記ポリカーボネート樹脂の屈折率との差が0.010以下であり、
前記ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位100モル%に対する前記構成単位(a)の含有割合が、30モル%以上、95モル%以下である、熱可塑性樹脂組成物。
- 以下の測定方法で測定した全光線透過率が85%以上かつヘーズは5%以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<全光線透過率測定>
熱可塑性樹脂組成物のペレットを、熱風乾燥機を用いて、90℃で6時間乾燥する。次に、乾燥した熱可塑性樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度240℃、金型温度60℃、成形サイクル40秒間の条件で、射出成形板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する。
上記射出成形板についてJIS K7105(1981年)に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH2000)を使用し、D65光源にて前記試験片の全光線透過率を測定する。 - 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるポリカーボネート樹脂成形品。
- 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるプレート。
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