(第1実施例)
図1は包装容器100の斜視図を示す。包装容器100は、直方体形状を有する。包装容器100は、包装容器100の上方部分に配置されている上方部材101と、上方部材101の下方に配置されている下方部材103と、によって構成されている。なお、本実施例では、前後上下左右を規定しているが、理解を容易にするために便宜上規定したものである。また、前後上下左右の各方向は、図1で示す方向に合わせて、図2以降の図面の方向が規定されている。
図2は、上方部材101の展開図を示す。上方部材101は、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製(例えば厚紙、段ボール紙等)のブランク101aから作製されている。この構成によれば、ブランク101aを作製するために、1枚の平板をカットすればよく、複数枚の平板をつなぎ合わせて作製せずに済む。なお、ブランク101aでは、包装容器100を組み立てた際に内側に位置する面が描かれている。即ち、図1の上方部材101を裏返して、展開した状態で描かれている。従って、図1と比較して、左右方向が逆転している。図3以降の展開図においても、包装容器100を組み立てた際に内側に位置する面が描かれている。なお、以下で説明する各板が有する2個の面について、包装容器100の内側に向いた面を「内面」と呼び、外側に向いた面を「外面」と呼ぶことがある。
上方部材101は、天板10と、右側板12と、左側板14と、前板16と、後板18と、を備える。天板10は、包装容器100の上面を画定する平板形状を有する。天板10の右の端辺には、右側板12が連結されている。右側板12は、平板形状を有する。天板10の右端辺に位置する天板10と右側板12との境界は、包装容器100の前後方向の全長に亘って延びている。
天板10の左の端辺には、左側板14が連結されている。左側板14は、平板形状を有する。上方部材101が組み立てられると、左側板14は、右側板12と間隔を有して平行に対向する。天板10の左端辺に位置する天板10と左側板14との境界は、天板10と右側板12との境界と同様に、包装容器100の前後方向の全長に亘って延びている。
天板10の前の端辺には、前板16が連結されている。前板16は、平板形状を有する。天板10の前端辺に位置する天板10と前板16との境界は、包装容器100の左右方向の全長に亘って延びている。天板10の後ろの端辺には、後板18が連結されている。後板18は、平板形状を有する。上方部材101が組み立てられると、後板18は、前板16と間隔を有して平行に対向する。天板10の後端辺に位置する天板10と後板18との境界は、天板10と前板16との境界と同様に、包装容器100の左右方向の全長に亘って延びている。
上方部材101は、さらに、一対の右側フラップ20、22と、一対の左側フラップ24、26と、を備える。右側フラップ20、22及び左側フラップ24、26は、それぞれ平板形状を有する。右側フラップ20は、右側板12の前端辺に連結されている。右側フラップ22は、右側板12の後端辺に連結されている。後述するが、ブランク101aが組み立てられて、上方部材101が作製されると、右側フラップ20、22のそれぞれは、右側板12に対して直角に配置され、左側板14に向かって延びる。
左側フラップ24は、左側板14の前端辺に連結されている。左側フラップ26は、左側板14の後端辺に連結されている。後述するが、ブランク101aが組み立てられて、上方部材101が作製されると、左側フラップ24、26のそれぞれは、左側板14に対して直角に配置され、右側板12に向かって延びる。
図3は、下方部材103の展開図を示す。下方部材103は、上方部材101と同様に、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製(例えば厚紙、段ボール紙等)ブランク103aから作製されている。
下方部材103は、底板30と、右側板32と、左側板34と、前板36と、後板38と、を備える。底板30は、包装容器100の底面を画定する平板形状を有する。底板30の右の端辺には、右側板32が連結されている。右側板32は、平板形状を有する。底板30の右端辺に位置する底板30と右側板32との境界は、天板10と右側板12との境界と同様に、包装容器100の前後方向の全長に亘って延びている。
右側板32は、略四角形の輪郭に沿った2個のカットラインC3、C4を有する。カットラインC3、C4は、前後方向に互いに離間して配置されている。カットラインC3、C4のそれぞれは、断続的なスリット、即ちミシン目によって構成されている。カットラインC3、C4のそれぞれの下端は、底板30と右側板32との境界に位置している。カットラインC3の下端では、前後方向に延びる細長い孔54によって、底板30と右側板32とが部分的に切り離されている。細長い孔54は、底板30に配置されている。同様に、カットラインC4の下端では、底板30に配置されている細長い孔56によって、底板30と右側板32とが部分的に切り離されている。
底板30の左の端辺には、左側板34が連結されている。左側板34は、平板形状を有する。下方部材103が組み立てられると、左側板34は、右側板32と間隔を有して平行に対向する。底板30の左端辺に位置する底板30と左側板34との境界は、天板10と左側板14との境界と同様に、包装容器100の前後方向の全長に亘って延びている。左側板34は、略四角形の輪郭に沿った2個のカットラインC1、C2を有する。カットラインC1、C2は、カットラインC3、C4と同様の構成を有する。カットラインC1、C2のそれぞれの下端では、底板30に配置されている細長い孔50、52によって、底板30と左側板34とが部分的に切り離されている。
底板30の前の端辺には、前板36が連結されている。前板36は、平板形状を有する。底板30の前端辺に位置する底板30と前板36との境界は、天板10と前板16との境界と同様に、包装容器100の左右方向の全長に亘って延びている。底板30の後ろの端辺には、後板38が連結されている。後板38は、平板形状を有する。下方部材103が組み立てられると、後板38は、前板36と間隔を有して平行に対向する。底板30の後端辺に位置する底板30と後板38との境界は、天板10と後板18との境界と同様に、包装容器100の左右方向の全長に亘って延びている。
下方部材103は、さらに、右側フラップ40、42と、左側フラップ44、46と、を備える。右側フラップ40は、右側板32の前端辺に連結されている。右側フラップ42は、右側板32の後端辺に連結されている。後述するが、ブランク103aが組み立てられて、下方部材103が作製されると、右側フラップ40、42のそれぞれは、右側板32に対して直角に配置され、左側板34に向かって延びる。
左側フラップ44は、左側板34の前端辺に連結されている。左側フラップ46は、左側板34の後端辺に連結されている。後述するが、ブランク103aが組み立てられて、下方部材103が作製されると、左側フラップ44、46のそれぞれは、左側板34に対して直角に配置され、右側板32に向かって延びる。
図4は、包装容器100全体の展開図を示す。包装容器100の展開形状100aは、ブランク101aと、ブランク103aと、が接着されることによって、作製されている。詳細には、左側板34のカットラインC1及び孔50で画定された範囲に位置する接着領域G1の外面と、左側板34のカットラインC2及び孔52で画定された範囲に位置する接着領域G2の外面と、に塗布された接着剤によって、左側板34の外面に左側板14が接着されている。これにより、下方部材103が上方部材101に接着されている。接着領域G1、G2は、下方部材103の左側板34の外面の下端近傍に前後方向に分かれて配置されている。左側板12は、左側板34の外側に重複して接着されている。また、左側板14の下(図4では右)の端辺が、左側板34の下(図4では右)の端辺に重なるように配置されている。
次いで、展開形状100aから包装容器100を組み立てる工程について説明する。なお、以下で説明する工程の順序は、適宜入れ替えてもよい。ブランク101aにおいて、右側フラップ20、22を右側板12に対して回動するように折り曲げるとともに、左側フラップ24、26を左側板14に対して回動するように折り曲げる。次いで、天板10の前後左右の端辺に連結されている左右側板12、14及び前後板16、18を、天板10に対して直角に配置されるまで、天板10の前後左右の端辺で回動させる。このとき、右側フラップ20と左側フラップ24とが前板16の内側に配置され、右側フラップ22と左側フラップ26とが後板18の内側に配置される。各フラップ20、24の外面の接着領域G3、G5のそれぞれに塗布された接着剤によって、フラップ20、24が前板16に接着される。また、各フラップ22、26の外面の接着領域G4、G6のそれぞれに塗布された接着剤によって、フラップ22、26が後板18に接着される。これにより、ブランク101aから上方部材101が作製される。
ブランク103aにおいても、ブランク101aと同様に、右側フラップ40、42を右側板32に対して回動するように折り曲げるとともに、左側フラップ44、46を左側板34に対して回動するように折り曲げる。次いで、底板30の前後左右の端辺に連結されている左右側板32、34及び前後板36、38を、底板30に対して直角に配置されるまで、底板30の前後左右の端辺で回動させる。このとき、右側フラップ40と左側フラップ44とが前板36の内側に配置され、右側フラップ42と左側フラップ46とが後板38の内側に配置される。各フラップ40、44の外面の接着領域G7、G9のそれぞれに塗布された接着剤によって、フラップ40、44が前板36に接着される。また、各フラップ42、46の外面の接着領域G8、G10のそれぞれに塗布された接着剤によって、フラップ42、46が後板38に接着される。これにより、ブランク103aから下方部材103が作製される。
上方部材101及び下方部材103が作製されると、上方部材101が下方部材103の上方に位置している。上方部材101及び下方部材103とは、前板16の下端辺に配置されている挿入部17が前板36の内面に沿うように挿入され、後板18の下端辺に配置されている挿入部19が後板38の内面に沿うように挿入されることによって重ね合わせられる。
この結果、右側板32の外側に右側板12が重複する。右側板32と右側板12とは、右側板32のカットラインC3及び孔54で画定された範囲に位置する接着領域G11の外面と、右側板32のカットラインC4及び孔56で画定された範囲に位置する接着領域G12の外面と、に塗布された接着剤によって、右側板32の外面に右側板12が接着されている。接着領域G11、G12は、右側板32の外面の下端近傍に前後方向に分かれて配置されている。
包装容器100を開封するための構造について詳しく説明する。左右側板12、14のそれぞれは、左右側板32、34のそれぞれに重複しており、接着領域G1、G2、G11、G12において接着されている。各接着領域G1、G2、G11、G12の下端には、前後方向に沿って孔50、52、54、56が設けられている。各接着領域G1、G2、G11、G12の周囲(ただし下端を除く)には、カットラインC1〜C4が配置されている。カットラインC1〜C4は、接着領域G1、G2、G11、G12と、下方部材103内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。
側板12、14の下端には、使用者の手指を係止可能な切欠き13、15が設けられている。図1に示すように、切欠き13は、右側板12の下端辺の一部が、上方に切りかかれている。これにより、右側板12の下端辺の一部が、包装容器100の下端よりも上方に位置する。同様に、左側板14の下端辺の一部が、切欠き15によって、包装容器100の下端よりも上方に位置する。切欠き13は、接着領域G11、G12の間に位置し、切欠き15は、接着領域G1、G2の間に位置する。
使用者は、包装容器100を開封する際に、図5に示されるように、切欠き13、15に手指を係止し、左右側板12、14のそれぞれを、左右方向に開くように引っ張る。これにより、左右側板12、14のそれぞれは、左右側板32、34のそれぞれから離間するように変位される。この結果、カットラインC1〜C4が破断する。なお、図5には、カットラインC3、C4の位置が仮想的に示されている。包装容器100が切欠き13、15を備えるので、使用者は、切欠き13、15に手指を係止し易くなる。これにより、左右側板12、14を容易に引っ張ることができる。また、切欠き13が接着領域G11、G12の間に位置するので、使用者が切欠き13に手指を係止して引っ張ると、2個の接着領域G11、G12に均等に力を作用させることができる。これにより、カットラインC3、C4をスムーズに破断させることができる。切欠き15も同様に、接着領域G1、G2の間に位置するため、カットラインC1、C2をスムーズに破断させることができる。
図6は、包装容器100の底面図であり、切欠き13、15が示されている。カットラインC1〜C4が切り離された結果、接着領域G1、G2、G11、G12が側板32、34から切り離され、包装容器100が上部と下部に分離して開封される。この場合、接着領域G1、G2、G11、G12は、側板32、34から分離されるが、側板12、14には接着されたままである。そのため、カットラインC1、C2、C3、C4が破断しても、カットラインC1、C2、C3、C4に囲まれた部分がその他の部分から分離しない。従って、包装容器100を開封した際に分離される個数を減少させることができる。
図7は、開封後の包装容器100の下部105を示す。下部105は、下方部材103から、カットラインC1、C2、C3、C4に囲まれた部分が切り取られた形状である。下部105は、包装容器100に収容されていた商品を陳列する際に用いることができる。また、側板32、34、前板36、及び、後板38の高さを低くすれば、陳列時に、商品を見やすくすることができる。
(第2実施例)
図8は包装容器200の斜視図を示す。包装容器200は、直方体形状を有する。包装容器200は、包装容器200の上方部分に配置されている第1上方部材201及び第2上方部材203と、上方部材201、203の下方に配置されている下方部材205と、によって構成されている。
図9は、第1上方部材201の展開図を示す。第1上方部材201は、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製ブランク201aから作製されている。第1上方部材201は、左側板214と、一対の左側フラップ224、226と、上端フラップ225と、を備える。左側板214は、平板形状を有する。左側板214の前端辺には、左側フラップ224が連結されている。左側板214の後端辺には、左側フラップ226が連結されている。上方部材201が組み立てられると、左側フラップ224、226のそれぞれは、左側板214に対して直角に配置され、右側板212(図10参照)に向かって延びる。左側板214の上の端辺には、上端フラップ225が連結されている。上端フラップ225は、第1上方部材201が組み立てられると、右側板212に向かって延びる。
図10は、第2上方部材203の展開図を示す。第2上方部材203は、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製ブランク203aから作製されている。上方部材203は、天板210と、右側板212と、前板216と、後板218と、を備える。天板210は、包装容器200の上面を画定する平板形状を有する。天板210の右の端辺には、右側板212が連結されている。右側板212は、平板形状を有する。天板210の右端辺に位置する天板210と右側板212との境界は、包装容器200の前後方向の全長に亘って延びている。
天板210の前の端辺には、前板216が連結されている。前板216は、平板形状を有する。天板210の前端辺に位置する天板210と前板216との境界は、包装容器200の左右方向の全長に亘って延びている。天板210の後ろの端辺には、後板218が連結されている。後板218は、平板形状を有する。第2上方部材203が組み立てられると、後板218は、前板216と間隔を有して平行に対向する。天板210の後端辺に位置する天板210と後板218との境界は、天板210と前板216との境界と同様に、包装容器200の左右方向の全長に亘って延びている。
第2上方部材203は、さらに、一対の右側フラップ220、222と、を備える。右側フラップ220、222は、それぞれ平板形状を有する。右側フラップ220は、右側板212の前端辺に連結されている。右側フラップ222は、右側板212の後端辺に連結されている。第2方部材203が組み立てられると、右側フラップ220、222のそれぞれは、右側板212に対して直角に配置され、左側板214に向かって延びる。
図11は、下方部材205の展開図を示す。下方部材205は、第1上方部材201及び第2上方部材203と同様に、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製(例えば厚紙、段ボール紙等)ブランク205aから作製されている。
下方部材205は、底板230と、右側板232と、左側板234と、前板236と、後板238と、を備える。底板230は、包装容器200の底面を画定する平板形状を有する。底板230の右の端辺には、右側板232が連結されている。右側板232は、平板形状を有する。底板230の右端辺に位置する底板230と右側板232との境界は、天板210と右側板212との境界と同様に、包装容器200の前後方向の全長に亘って延びている。
右側板232は、前後方向の中央部に、1個のカットラインC21を有する。カットラインC21は、断続的なスリット、即ちミシン目によって構成されている。カットラインC21は、右側板232の前後方向の中央において、一部の領域を囲んでいる。カットラインC21の上端(図11では右端)は、右側板232の上端辺まで延びている。カットラインC21の下端辺には、上下方向(図11では左右方向)に延びる2本のスリット231が、前後方向に互いに離間して配置されている。
底板230の左の端辺には、左側板234が連結されている。左側板234は、平板形状を有する。下方部材205が組み立てられると、左側板234は、右側板232と間隔を有して平行に対向する。底板230の左端辺に位置する底板230と左側板234との境界は、底板230と右側板232との境界と同様に、包装容器200の前後方向の全長に亘って延びている。左側板234は、前後方向の中央部に、1個のカットラインC22を有する。カットラインC22は、カットラインC21と同様に、断続的なスリット、即ちミシン目によって構成されている。カットラインC22は、左側板234の前後方向の中央において、一部の領域を囲んでいる。カットラインC22の上端(図11では左端)は、左側板234の上端辺まで延びている。カットラインC22の下端辺には、上下方向(図11では左右方向)に延びる2本のスリット233が、前後方向に互いに離間して配置されている。
底板230の前の端辺には、前板236が連結されている。前板236は、平板形状を有する。底板230の前端辺に位置する底板230と前板236との境界は、天板210と前板216との境界と同様に、包装容器200の左右方向の全長に亘って延びている。底板230の後ろの端辺には、後板238が連結されている。後板238は、平板形状を有する。下方部材205が組み立てられると、後板238は、前板236と間隔を有して平行に対向する。底板230の後端辺に位置する底板230と後板238との境界は、天板210と後板218との境界と同様に、包装容器200の左右方向の全長に亘って延びている。
下方部材205は、さらに、一対の右側フラップ240、242と、一対の左側フラップ244、246と、を備える。右側フラップ240は、右側板232の前端辺に連結されている。右側フラップ242は、右側板232の後端辺に連結されている。下方部材205が組み立てられると、右側フラップ240、242のそれぞれは、右側板232に対して直角に配置され、左側板234に向かって延びる。
左側フラップ244は、左側板234の前端辺に連結されている。左側フラップ246は、左側板234の後端辺に連結されている。下方部材205が組み立てられると、左側フラップ244、246のそれぞれは、左側板234に対して直角に配置され、右側板32に向かって延びる。
図12は、包装容器200全体の展開図を示す。包装容器200の展開形状200aは、ブランク201aと、ブランク203aと、ブランク205aと、が接着されることによって、作製されている。詳細には、左側板234のカットラインC22に囲まれた領域の接着領域G22の内面の上端近傍に塗布された接着剤によって、左側板234の内面に、左側板214が接着されている。これにより、ブランク205aがブランク201aに接着されている。左側板214は、左側板234の内側に重複して接着されている。また、左側板214の下(図12では右)の端辺が、左側板234の下(図12では右)の端辺に重なるように配置されている。同様に、右側板232のカットラインC21に囲まれた領域の接着領域G21の内面の上端近傍に塗布された接着剤によって、右側板232の内面に、右側板212が接着されている。これにより、ブランク205aがブランク203aに接着されている。右側板212は、右側板232の内側に重複して接着されている。また、右側板212の下(図12では左)の端辺が、右側板232の下(図12では左)の端辺に重なるように配置されている。
次いで、展開形状200aから包装容器200を組み立てる工程について説明する。なお、以下で説明する工程の順序は、適宜入れ替えてもよい。展開形状200aにおいて、右側フラップ220、222を右側板212に対して回動するように折り曲げるとともに、左側フラップ224、226を左側板214に対して回動するように折り曲げる。次いで、底板230の前後左右の端辺に連結されている左右側板232、334及び前後板236、238を、底板230に対して直角に配置されるまで、底板230の前後左右の端辺で回動させる。前板236の内面の接着領域G23、G24のそれぞれに塗布された接着剤によって、前板236がフラップ244、240に接着される。後板238の内面の接着領域G25、G26のそれぞれに塗布された接着剤によって、後板238がフラップ246、242に接着される。これにより、ブランク205aから下方部材205が作製される。
また、天板210を右側板212に対して直角に配置されるまで、右側板212の上(図12では右)の端辺で回動させる。次いで、上端フラップ225を左側板214に対して直角に配置されるまで、左側板214の上(図12では左)の端辺で回動させる。このとき、天板210が上端フラップ225の内側に配置される。天板210の外面の接着領域G31に塗布された接着剤によって、天板210が上端フラップ225に接着される。これにより、左側板214が、天板210の左の端辺に連続して配置される。また、右側板212が、左側板214と間隔を有して対向する。次いで、天板210の前後の端辺に連結されている前後板216、218を、天板210に対して直角に配置されるまで、天板210の前後の端辺で回動させる。フラップ220、224の外面の接着領域G27、G29のそれぞれに塗布された接着剤によって、前板216がフラップ220、224に接着される。フラップ222、234の外面の接着領域G28、G30のそれぞれに塗布された接着剤によって、後板218がフラップ222、226に接着される。これにより、ブランク201a、203aから第1上方部材201及び第2上方部材203が作製されるとともに、包装容器200が作製される。
包装容器200を開封するための構造について詳しく説明する。側板212、214のそれぞれは、側板232、234のそれぞれに重複しており、接着領域G21、G22において接着されている。各接着領域G21、G22の周囲(ただし下端を除く)には、カットラインC21、C22が配置されている。カットラインC21、C22は、接着領域G21、G22と、下方部材205のその他の領域と、を切り離すために配置されている。上方部材201、203には、カットラインC21、C22に重なる位置にカットラインC23、C24が配置されている。また、カットラインC23、C24の下端に孔213、215が設けられている。
使用者は、包装容器200を開封する際に、図13に示されるように、2本のスリット231の間に指を挿入する。これにより、2本のスリット231と、カットラインC21、C22の下端が破断し、切欠きが形成される。次いで、使用者は、図14に示されるように、切欠きに手指を係止し、左右側板232、234に接着されている左右側板212、214のそれぞれを、左右方向に開くように引っ張る。これにより、カットラインC21〜C24が完全に破断する。カットラインC21〜C24が破断された結果、接着領域G21、G22が側板232、234から切り離され、包装容器200が上部と下部に分離して開封される。この場合、接着領域G21、G22は、側板232、234からは離脱するが、側板212、214には接着されたままである。そのため、カットラインC21〜C24が破断しても、カットラインC21〜C24に囲まれた部分がその他の部分から分離しない。従って、包装容器200を開封した際に分離される個数を減少させることができる。
図15は、開封後の包装容器200の下部207を示す。下部207は、下方部材205から、カットラインC21、C22に囲まれた部分が切り取られた形状である。下部207は、包装容器200に収容されていた商品を陳列する際に用いることができる。また、側板232、234、前板236、及び、後板238の高さを低くすれば、陳列時に、商品を見やすくすることができる。
本実施例の包装容器200は、さらに、運搬を容易にするための構造を有している。前板216の下端辺が下方に突出している突出部217は、フラップ220、224に重なる。フラップ220、224では、突出部217に重なる領域の外周にカットラインC25、C26が設けられている。包装容器200の組み立て後に、使用者は、突出部217を包装容器200の内側に向かって押し込むことによって孔221を形成することができる。後板218の下端辺が下方に突出している突出部219、カットラインC27、C28は、突出部217、カットラインC25、C26と同様の構造を有している。使用者は、突出部217、219の押し込みによって形成された2個の孔に手指を挿入し、包装容器200を容易に運搬することができる。
(第3実施例)
図16は包装容器300の斜視図を示す。包装容器300は、直方体形状を有する。包装容器300は、包装容器300の上方部分に配置されている第1上方部材301及び第2上方部材303と、上方部材301、303の下方に配置されている下方部材305と、によって構成されている。
図17は、第1上方部材301の展開図を示す。第1上方部材301は、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製ブランク301aから作製されている。第1上方部材301は、天板310と、左側板314と、前板316と、後板318と、を備える。天板310は、包装容器300の上面を画定する平板形状を有する。天板310の左の端辺には、左側板314が連結されている。左側板314は、平板形状を有する。天板310の左端辺に位置する天板310と左側板314との境界は、包装容器300の前後方向の全長に亘って延びている。
天板310の前の端辺には、前板316が連結されている。前板316は、平板形状を有する。天板310の前端辺に位置する天板310と前板316との境界は、包装容器300の左右方向の全長に亘って延びている。天板310の後ろの端辺には、後板318が連結されている。後板318は、平板形状を有する。第1上方部材301が組み立てられると、後板318は、前板316と間隔を有して平行に対向する。天板310の後端辺に位置する天板310と後板318との境界は、天板310と前板316との境界と同様に、包装容器300の左右方向の全長に亘って延びている。
第1上方部材301は、さらに、一対の左側フラップ324、326と、側面フラップ311と、を備える。左側フラップ324、326は、それぞれ平板形状を有する。左側フラップ324は、左側板314の前端辺に連結されている。左側フラップ326は、左側板314の後端辺に連結されている。第1方部材301が組み立てられると、左側フラップ324、326のそれぞれは、左側板314に対して直角に配置され、右側板312に向かって延びる。側面フラップ311は、天板310の右端辺に連結されている。
図18は、第2上方部材303の展開図を示す。第2上方部材303は、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製ブランク303aから作製されている。第1上方部材303aは、右側板312と、一対の右側フラップ320、322と、を備える。右側板312は、平板形状を有する。右側板312の前端辺には、右側フラップ320が連結されている。右側板312の後端辺には、右側フラップ322が連結されている。第2上方部材303が組み立てられると、右側フラップ320、322のそれぞれは、右側板312に対して直角に配置され、左側板314(図17参照)に向かって延びる。
図19は、下方部材305の展開図を示す。下方部材305は、第1上方部材301及び第2上方部材303と同様に、接着部分を有さないひとつながりの1枚の平板状の紙製(例えば厚紙、段ボール紙等)ブランク305aから作製されている。
下方部材305は、底板330と、右側板332と、左側板334と、前板336と、後板338と、を備える。底板330は、包装容器300の底面を画定する平板形状を有する。底板330の右の端辺には、右側板332が連結されている。右側板332は、平板形状を有する。底板330の右端辺に位置する底板330と右側板332との境界は、天板310と右側板312との境界と同様に、包装容器300の前後方向の全長に亘って延びている。
右側板332は、前後方向の中央部に、1個のカットラインC32を有する。カットラインC32は、断続的なスリット、即ちミシン目によって構成されている。カットラインC32は、右側板232の前後方向の中央において、一部の領域を囲んでいる。カットラインC32の下端(図19では左端)は、底板330と右側板332との境界に位置している。カットラインC32の下端では、前後方向に延びる細長い孔350によって、底板330と右側板332とが部分的に切り離されている。細長い孔350は、底板330に配置されている。
底板330の左の端辺には、左側板334が連結されている。左側板334は、平板形状を有する。下方部材305が組み立てられると、左側板334は、右側板332と間隔を有して平行に対向する。底板330の左端辺に位置する底板330と左側板334との境界は、底板330と右側板332との境界と同様に、包装容器300の前後方向の全長に亘って延びている。左側板334は、前後方向の中央部に、1個のカットラインC31を有する。カットラインC31は、カットラインC32と同様に、断続的なスリット、即ちミシン目によって構成されている。カットラインC31は、左側板334の前後方向の中央において、一部の領域を囲んでいる。カットラインC31の下端(図19では右端)は、底板330と左側板334との境界に位置している。カットラインC31の下端では、前後方向に延びる細長い孔351によって、底板330と左側板334とが部分的に切り離されている。細長い孔351は、底板330に配置されている。
底板330の前の端辺には、前板336が連結されている。前板336は、平板形状を有する。底板330の前端辺に位置する底板330と前板336との境界は、天板310と前板316との境界と同様に、包装容器300の左右方向の全長に亘って延びている。底板330の後ろの端辺には、後板338が連結されている。後板338は、平板形状を有する。下方部材305が組み立てられると、後板338は、前板336と間隔を有して平行に対向する。底板330の後端辺に位置する底板330と後板338との境界は、天板310と後板318との境界と同様に、包装容器300の左右方向の全長に亘って延びている。
下方部材305は、さらに、一対の右側フラップ340、342と、一対の左側フラップ344、346と、を備える。右側フラップ340は、右側板332の前端辺に連結されている。右側フラップ342は、右側板332の後端辺に連結されている。下方部材305が組み立てられると、右側フラップ340、342のそれぞれは、右側板332に対して直角に配置され、左側板334に向かって延びる。
左側フラップ344は、左側板334の前端辺に連結されている。左側フラップ346は、左側板334の後端辺に連結されている。下方部材305が組み立てられると、左側フラップ344、346のそれぞれは、左側板334に対して直角に配置され、右側板332に向かって延びる。
図20は、包装容器300全体の展開図を示す。包装容器300の展開形状300aは、ブランク301aと、ブランク303aと、ブランク305aと、が接着されることによって、作製されている。詳細には、左側板334のカットラインC31に囲まれた領域の接着領域G41の外面に塗布された接着剤によって、左側板334の外面に、左側板314が接着されている。これにより、ブランク305aがブランク301aに接着されている。左側板314は、左側板334の外側に重複して接着されている。また、左側板314の下(図20では右)の端辺が、左側板334の下(図20では右)の端辺に重なるように配置されている。また、接着領域G42、G43に塗布された接着剤によって、左側フラップ324、326のそれぞれが、左側フラップ344、346のそれぞれに接着されている。
同様に、右側板332のカットラインC32に囲まれた領域の接着領域G44の外面に塗布された接着剤によって、右側板332の外面に、右側板312が接着されている。これにより、ブランク305aがブランク303aに接着されている。右側板312は、右側板332の外側に重複して接着されている。また、右側板312の下(図20では左)の端辺が、右側板332の下(図20では左)の端辺に重なるように配置されている。また、接着領域G44、G45に塗布された接着剤によって、右側フラップ320、322のそれぞれが、右側フラップ340、342のそれぞれに接着されている。
次いで、展開形状300aから包装容器300を組み立てる工程について説明する。なお、以下で説明する工程の順序は、適宜入れ替えてもよい。展開形状300aでは、展開形状200aと同様に、右側フラップ320、322及び左側フラップ324、326を折り曲げる。また、左右側板332、334及び前後板336、338を、底板330に対して直角に配置されるまで回動させる。前板336の内面の接着領域G47、G48のそれぞれに塗布された接着剤によって、前板336がフラップ344、340に接着される。後板338の内面の接着領域G49、G50のそれぞれに塗布された接着剤によって、後板338がフラップ346、342に接着される。これにより、ブランク305aから下方部材305が作製される。
また、展開形状200aと同様に、天板310を左側板314に対して回動させる。次いで、側面フラップ311を天板310に対して直角に配置されるまで回動させる。このとき、右側板312がフラップ311の内側に配置される。フラップ311の接着領域G55に塗布された接着剤によって、フラップ311が右側板312に接着される。右側板312は、天板310の右の端辺に連続して配置される。また、右側板312は、左側板314と間隔を有して対向する。これにより、ブランク301a、303aから第1上方部材301及び第2上方部材303が作製されるとともに、包装容器300が作製される。
包装容器300を開封するための構造について詳しく説明する。側板312、314のそれぞれは、側板332、334のそれぞれに重複しており、接着領域G41、G44において接着されている。接着領域G41、G44に接着される側板332、334の領域(以下では「対象領域」と呼ぶ)の下端には、前後方向に孔350、351が設けられている。対象領域の周囲(ただし下端を除く)には、カットラインC31、C32が配置されている。カットラインC31、C32は、対象領域と、下方部材305内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。
接着領域G42、G43のそれぞれと左側板314との間に切れ込みが形成されている。接着領域G45、G46のそれぞれと右側板312との間に切れ込みが形成されている。接着領域G42、G43、G45、G46の上方には、カットラインC33〜C36が配置されている。カットラインC33は、接着領域G42と、左側フラップ324内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。カットラインC34は、接着領域G43と、左側フラップ326内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。カットラインC35は、接着領域G45と、右側フラップ320内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。カットラインC36は、接着領域G46と、右側フラップ322内のその他の領域と、を切り離すために配置されている。
使用者は、包装容器300を開封する際に、図21に示されるように、側板312、314の上端と、側板332、334の孔350、351の外縁と、に手指を係止し、左右側板312、314に接着されている左右側板332、334のそれぞれを、左右方向に開くように引っ張る。これにより、カットラインC31、C32が破断する。次いで、使用者は、前板316の下端と、前板336の上端と、に手指を係止し、前板316を前板336から引きはがすように引っ張る。これにより、カットラインC33〜C36が破断する。カットラインC31〜C36が破断された結果、上記の対象領域が側板332、334から切り離され、接着領域G42、G43、G45、G46がフラップ324、326、320、322から切り離され、包装容器300が上部と下部に分離して開封される。この場合、対象領域は、側板332、334からは離脱するが、側板312、314には接着されたままである。また、接着領域G42、G43、G45、G46は、フラップ324、326、320、322からは離脱するが、フラップ344、346、340、342には接着されたままである。そのため、カットラインC31〜C36が破断しても、カットラインC31〜C36に囲まれた部分がその他の部分から分離しない。従って、包装容器300を開封した際に分離される個数を減少させることができる。
図23は、開封後の包装容器300の下部307を示す。下部307は、下方部材305から、カットラインC31、C32に囲まれた部分が切り取られた形状である。下部307は、包装容器300に収容されていた商品を陳列する際に用いることができる。また、側板332、334、前板336、及び、後板338の高さを低くすれば、陳列時に、商品を見やすくすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)第1実施例では、カットラインC1〜C4は、側板32、34上にのみ配置されている。変形例では、カットラインC1〜C4は、側板32、34の下端を越えて底板30にも配置されていてもよい。この場合、カットラインC1〜C4のそれぞれは、接着領域G1、G2、G11、G12のそれぞれを囲うように配置されている(即ち、接着領域G1、G2、G11、G12をその他の領域と切り離すことが可能となっている)。第2及び第3実施例でも同様の変形例を採用可能である。一般的に言うと、「カットライン」は、右側接合領域及び左側接合領域のそれぞれと一方の部材のその他の領域とを切り離すことが可能なように配置されていればよい。
(2)第1実施例において、前板16及び後板18の上下方向の長さが包装容器100の上下方向の長さに等しくてもよい。この場合、前板36、後板38、及び、フラップ40、42、44、46がなくても、包装容器100を密閉することができる。即ち、「右側フラップ」、「左側フラップ」、及び、「前後板」のそれぞれは省略可能である。なお、第2及び第3実施例でも同様の変形例を採用可能である。
(3)上記の各実施例では、上方部材と下方部材とは、接着剤を用いて接着されている。しかしながら、上方部材と下方部材とは、例えば、テープ等に接合部材を用いて、接合されていてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。