JP6735373B2 - 防水扉 - Google Patents

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Description

本発明は、防水扉に関するものである。
近年、異常気象によるゲリラ豪雨が頻繁に発生し、都市部において、地下鉄構内やビル地階への雨水の浸水事故が発生している。非常時に建築物等の入り口等に設置して、外部の水が建物内に浸水するのを防ぎたい場合がある。また、ゲリラ豪雨時に限らず、建物開口部を止水状態で閉鎖して内部への浸水を防止したい場合がある。
建物開口部を止水状態で閉鎖する防水扉においては、特に、幅方向両端部及び下端部の三方において浸水を防ぐ止水ラインを確保する必要がある。止水ラインは、扉体の三方をゴムからなる止水材に押し付けることで形成される(特許文献1、2)。
このような防水扉は、典型的にはパネルシャッターから構成され、止水構造を得るためには、全閉状態にあるシャッターカーテンを、垂直圧迫手段を用いて垂直方向に圧迫する必要がある。垂直圧迫手段は開口部上方のパネル収納空間に設けてあり、当該垂直圧迫手段をパネル収納空間内に位置するシャッターカーテンの上端面に当接させて、垂直方向に圧迫する。
ところが、建物開口部の開口高は現場によって異なるものであり、当該開口高に合わせてシャッターカーテンの全高が設定され、開口部上方のパネル収納空間内におけるシャッターカーテン上端面の高さ位置も変化する。シャッターカーテン上端面の高さ位置の変化に対して、垂直圧迫手段の取付位置を変えることで対応することが考えられる。しかしながら、パネル収納空間内において、シャッターカーテン上端面の高さ位置が高くなると、垂直圧迫手段の取付位置をその分上方に上げる必要があり、パネル収納空間の高さ寸法が大きくなってしまうか、あるいは、パネル収納空間をコンパクトにしたい場合やパネル収納空間の高さ寸法が制限されている場合には、垂直圧迫手段の取り付けが困難となる。また、垂直圧迫手段のアクチュエータとしてシリンダを採用することが考えられるが、現場毎でシリンダストロークを設定し直すことは手間がかかって作業性が悪く、シャッターカーテン上端面の高さ位置の変化にシリンダストロークの調整で対応することは避けたい。
実用新案登録第3163288号 実用新案登録第3185150号
本発明は、全閉状態にある扉体を垂直方向に圧迫する垂直圧迫手段を備えた防水扉において、垂直圧迫手段の高さ方向の位置調整にのみ依存することなく、パネル収納空間における最上位パネルと垂直圧迫手段の多様な位置関係に対応可能な防水扉を提供することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
建物開口部を閉鎖して第1側と第2側とに仕切る扉体と、
全閉状態にある扉体を垂直方向に圧迫する垂直圧迫手段と、を備え、
前記扉体は、複数枚のパネルを上下方向に連結することで構成されており、
前記垂直圧迫手段の押圧部は、建物開口部上方のパネル収納空間において、全閉状態にある扉体の最上位パネルの幅方向の1つ以上の所定部位に位置して1つ以上配置されており、
前記最上位置パネルの前記1つ以上の所定部位には、当該最上位パネルの上端面よりも低い当接部を備えた凹部が形成されており、垂直圧迫時には、前記押圧部が前記当接部に当接するように構成されている、
防水扉、である。
1つの態様では、前記最上位パネルは、第1側の第1面部と、第2側の第2面部と、を備え、
前記凹部は、前記所定部位において、前記上端面、及び、前記第1面部と第2面部を所望深さまで切り欠くことで形成され、当該凹部の底部が前記当接部となっている。
1つの態様では、前記最上位パネルにおいて、前記第1面部と前記第2面部との間には、高さ方向に間隔を存して複数の中間片(典型的には、当該中間片の上面は水平状である)が形成されており、
前記最上位パネルの前記所定部位は、複数の中間片から選択された中間片が前記凹部の底部となるように切り欠かれている。
1つの態様では、当接部は、凹部の底部あるいは底側に設けた当接プレート(典型的には、水平状のスチール板)である。後述する実施形態では、底部として選択された中間片上に当接プレートを重ねて固定しているが、例えば中間片が無い場合に、第1面部及び第2面部に切り欠き形成した凹部間に当接プレートを架け渡すように設けてもよい。
1つの態様では、前記最上位パネルに形成される凹部の深さは、
前記パネル収納空間における、全閉状態にある扉体の最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、及び、
前記パネル収納空間における、前記垂直圧迫手段の押圧部の相対的な高さ位置、
を条件として、決定される。
すなわち、パネル収納空間における最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、垂直圧迫手段の押圧部の相対的な高さ位置、及び、これらの相対的な高さ位置に基づく最上位パネルの上端面と垂直圧迫手段の押圧部の相対的な位置関係、に応じて、最上位パネルに形成される凹部の深さが決定される。
床面と天井面間に前記建物開口部が形成され、前記天井面の上方に前記パネル収納空間が形成されている場合には、1つの態様では、前記パネル収納空間における相対的な高さ位置は、前記天井面を基準とする位置である。
前記パネル収納空間がシャッターケースから構成されている場合には、1つの態様では、前記パネル収納空間における相対的な高さ位置は、前記シャッターカーテンの下面を基準とする位置である。
建物開口部の直ぐ上にパネル収納空間が位置していると考えると、前記パネル収納空間における全閉状態にある扉体の最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置は、建物開口部の開口高と、全閉状態にある扉体の全高と、によって決定される。
1つの態様では、前記パネル収納空間における、前記垂直圧迫手段の押圧部の相対的な高さ位置は、上下方向に調整可能である。
本発明が採用した他の技術手段は、
建物開口部を閉鎖して第1側と第2側とに仕切る扉体と、
全閉状態にある扉体を垂直方向に圧迫する垂直圧迫手段と、を備え、
前記扉体は、複数枚のパネルを上下方向に連結することで構成されており、
前記垂直圧迫手段の押圧部は、建物開口部上方のパネル収納空間において、全閉状態にある扉体の最上位パネルの幅方向の1つ以上の所定部位に位置して1つ以上配置されており、
前記最上位置パネルの前記1つ以上の所定部位には、当該最上位パネルの上端面よりも高い当接部を備えた凸部が形成されており、垂直圧迫時には、前記押圧部が前記当接部に当接するように構成されている、
防水扉、である。
1つの態様では、上記防水扉は、垂直圧迫状態にある扉体を第1側から第2側へ水平方向に圧迫する水平圧迫手段を備えている。
1つの態様では、前記第1側が室外側であり、前記第2側が室内側である。
本発明では、最上位パネルにおいて、垂直圧迫手段の押圧部に対応して、当該最上位パネルの上端面よりも低い当接部を備えた凹部が形成されており、垂直圧迫時には、前記押圧部が前記当接部に当接するようにしたので、現場毎のパネル収納空間内におけるシャッターカーテン上端面の高さ位置の変化の一部ないし全部を、前記凹部の深さによって対応することができる。
例えば、パネル収納空間内における垂直圧迫手段の上下方向の調整範囲が制限されている納まり(コンパクトな納まり、あるいは、最上位パネルの相対的高さによって制限される場合等)であっても、最上位パネルの凹部の深さの選択によって、垂直圧迫手段の押圧部の当接部を確保することができる。
したがって、パネル収納空間内における垂直圧迫手段の上下方向の調整範囲が限定的な場合であっても、良好に垂直圧迫動作を行うことができ、
また、パネル収納空間内における垂直圧迫手段の上下方向の移動量を大きく確保しておく必要が必ずしも無いので、パネル収納空間の納まりをコンパクトにすることができる。
また、垂直圧迫手段のアクチュエータとしてシリンダを採用した場合に、現場毎のシャッターカーテン上端面の高さ位置の変化に凹部の深さ(一定のシリンダストローク)で対応することができるので、現場毎でのシリンダストロークの調整が不要である。
本発明では、最上位パネルの凹部の深さと垂直圧迫手段の高さ調整を適宜組み合わせることによって、垂直圧迫手段の高さ調整のみに依存する場合に比べて、高さ位置調整のパターンが多種多様となり、パネル収納空間内における最上位パネルと垂直圧迫手段の多様な納まり(パネル収納空間内における最上位パネルと垂直圧迫手段の多様な相対的位置関係)に良好に対応することができる。
本実施形態に係る防水扉を室内側から見た正面図である。 他の実施形態に係る防水扉を室内側から見た正面図である。 本実施形態に係る防水扉の縦断面図である。 上図は、本実施形態に係る防水扉の開口部上方の収納空間における部分横断面図、下図は、本実施形態に係る防水扉の開口高さの中間部位における部分横断面図、である。 本実施形態に係る防水扉の開口部上方の収納空間における縦断面図である。 複数枚のパネルを上下方向に連設してなるシャッターカーテンの側面図であり、(A)は垂直圧迫状態、(B)は全閉状態、(C)は下降状態(最下端のパネルが着床する直前)を示す。 図5(C)の部分拡大図であって、上下隣接するパネルの位置関係を示す。 図6に対応する図であって、ガイド体内に位置するパネルの幅方向端部の縦断面図である。 図7と類似の図であって、図5(B)に対応する図である。 図7、図8と類似の図であって、図5(A)に対応する図である。 ガイド体内に位置するパネルの幅方向端部の正面図であって、上から順に図7(下降状態)、図8(全閉状態)、図9(垂直圧迫状態)に対応している。 水平非圧迫状態における、ガイド体内に位置するパネルの幅方向端部(上下隣接するパネルのオーバーラップ部分)の横断面図である。 第1圧迫機構を示し、上図は平面図、下図は、正面図である。 第1圧迫機構の側面図であり、第1圧迫機構のパワーシリンダは非作動時(非圧迫姿勢)にある。 第1圧迫機構の側面図であり、第1圧迫機構のパワーシリンダは作動時時(圧迫姿勢)にある。 第1圧迫機構の側面図であり、押圧部(リンク機構)の移動軌跡を示す。 第2圧迫機構のパワーシリンダを主として示す部分正面図である。 第2圧迫機構の側面図であり、第2圧迫機構のパワーシリンダは非作動時(非圧迫姿勢)にある。 第2圧迫機構の側面図であり、第2圧迫機構のパワーシリンダは作動時時(圧迫姿勢)にある。 本実施形態に係る防水扉の第2圧迫機構を構成する水平方向押圧部材を示す図である。(A)は水平方向押圧部材の一部省略拡大図、(B)は水平方向押圧部材の全体図であり、左図は圧迫姿勢、中央図は非圧迫姿勢、右図は側面から見た図である。 図19(B)の左図、中央図の下方部位の拡大図、及び、それぞれに対応するガイド体の横断面図である。 水平方向押圧部材の拡大平面図である。 本実施形態に係る防水扉の開口部上方の収納空間における横断面図であり、可動中柱を示す図である。 上図は、スイッチボックスの正面図及び縦断面図であり、下図は、各種操作スイッチが搭載された操作パネルの正面図である。 防水扉の圧迫動作、圧迫解除動作を示すブロック図である。 本実施形態に係る圧迫スイッチ入力から圧迫解除スイッチ無効化までのフロー図及び圧迫解除スイッチ無効化状態の解除のフロー図である。 図1に対応する最上位パネルを室内側から見た正面図、側面図、凹部の上面図である。 図1Aに対応する最上位パネルを室内側から見た正面図、側面図、凹部の上面図である。 異なる深さの凹部を備えた最上位パネルの側面図であり、(A)は深さd1の凹部、(B)は深さd2の凹部、(C)は深さd3の凹部に対応している。 異なる深さの凹部を備えた最上位パネルを室内側から見た部分正面図であり、(A)は深さd1の凹部、(B)は深さd2の凹部、(C)は深さd3の凹部に対応している。 パネル収納空間における納まり(第1圧迫機構の相対的な高さ位置、最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、最上位パネルの凹部の深さ)の第1実施形態(開口高2500mm)を示す縦断面図及び最上位パネルを室内側から見た部分正面図である。 パネル収納空間における納まり(第1圧迫機構の相対的な高さ位置、最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、最上位パネルの凹部の深さ)の第2実施形態(開口高2500mm)、第3実施形態(開口高2600mm)、第4実施形態(開口高2700mm)を示す縦断面図である。 パネル収納空間における(納まり第1圧迫機構の相対的な高さ位置、最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、最上位パネルの凹部の深さ)の第5実施形態(開口高2800mm)、第6実施形態(開口高2900mm)を示す縦断面図である。 パネル収納空間における納まり(第1圧迫機構の相対的な高さ位置、最上位パネルの上端面の相対的な高さ位置、最上位パネルの凹部の深さ)の第7実施形態(開口高3000mm)を示す縦断面図及び最上位パネルを室内側から見た部分正面図である。 他の実施形態に係る最上位パネルを室内側から見た正面図及び側面図である。
[A]防水扉を構成するパネルシャッターの基本構成
本実施形態に係る防水扉の基本構造は、パネルシャッターから構成される。図1、図2に示すように、パネルシャッターは、複数枚のパネル1から構成されたシャッターカーテンと、建物開口部の幅方向両端に立設され、垂直姿勢のパネル1の幅方向両端部を案内する左右のガイド部2と、を備えている。図2において、パネル1、すなわちシャッターカーテンの左側が室外側、右側が室内側である。図3において、パネル1の上側が室外側、下側が室内側である。
パネル1は、所定厚みを備え、開口幅方向に延びる横長方形状の要素であり、開口部全閉状態では、一方の面部が室外側に面し(室外側面部100)、他方の面部が室内側に面する(室内側面部101)。図3、図10(パネル1の幅方向の一方の端部を示し、他方の端部も同様の構成を有する)に示すように、各パネル1の幅方向両端部位には、ガイドローラ11を設けた支軸10が突設されており、各パネル1は支軸10を介してチェーン3(図4、図10参照)に連結されて吊持されることでシャッターカーテンを形成する。図2等においてチェーンは省略されているが、パネルシャッターにおいて、各パネルをチェーンによって吊持する構成は当業者に良く知られていることに留意されたい。
ガイド部2の上端は、開口部上方の収納空間内まで延びており、パネル1の幅方向両端部のガイドローラ11を案内する上側延出部2´(図4参照)を備えている。上側延出部2´は、ガイドローラ11に室外側及び室内側の両側から接触可能に構成されている。開口部上方の収納空間には、上側延出部2´の略上端に位置してチェーン3を巻き掛けするためのスプロケット4が設けあり、開閉機Mによってスプロケット4を回転させて、チェーン3を吊上げ、あるいは、繰り出すことで、パネル1を上昇、あるいは、下降させて建物開口部を開閉するようになっている。
開口部上方のパネル1の収納空間は開口部上方から室内側に向かって延びており、当該収納空間には、前方から後方(シャッター芯Cから室内側)に向かって緩やかに下向き傾斜状に延出する収納レール5が設けある。チェーン3の吊上げによって、収納空間内まで移動したパネル1は、スプロケット4を介して収納レール5に継送され、パネル1はガイドローラ11が収納レール5に案内されながら収納空間の後方へ順次送られて、互いに平行状に垂下した状態に保持され収納される。
このように構成されたパネルシャッターにおいて、開口部全閉状態において、開閉機Mによりスプロケット4をチェーン吊上げ方向に回転駆動すると、全閉状態の垂直姿勢にある各パネル1は、チェーン3の上昇にしたがって、幅方向両端部が垂直状のガイド体2に案内されながら、上昇していき、上位のパネル1から、ガイド体2の上側延出部2´から横方向に延びる収納レール5に順次受け渡され、収納空間で平行状に収納されていき、開口部が開放される。
開口部全開状態において、開閉機Mによりスプロケッ4をチェーン繰り出し方向に回転駆動すると、平行状に収納されていたパネル1は幅方向両端部のガイドローラ11が収納レール5に案内されながら順次収納空間の後方から前方のスプロケット4側へ引き出され、スプロケット4を通過する時に、高さ方向に互いに上下に垂直姿勢となってガイド体2に案内されながら降下していき、開口部が閉鎖される。
シャッターカーテン降下時には、上下に隣接する2枚の任意のパネル1において、下側のパネルの上端と上側のパネルの下端とは離間した状態にある(図5(C)、図6、図7等参照)。シャッターカーテン降下時に、最下位のパネル1の下端が着床した後に、シャッターカーテンがさらに所定距離下降を継続することで、上下に隣接する2枚の任意のパネル1において、下側のパネルの上端と上側のパネルの下端とが接触して全閉状態となる(図5(B)、図8等参照)。さらに、後に詳述するように、全閉状態にあるシャッターカーテンを垂直方向に圧迫することで垂直圧迫状態となる(図5(A)、図9等参照)。
開口部の下方部位には、床面から所定高さに位置して障害物検知手段として例示する光電センサ6が設けてある。図示の態様では、室外側、室内側にそれぞれ位置して、床面から150mmの高さ位置、500mmの高さ位置に合わせて4つの光電センサ6が設けてある。本実施形態では、シャッターカーテン下降中に、障害物検知があった場合には、降下中のシャッターカーテンは1秒間停止後、1.5秒間反転上昇する。なお、障害物検知手段の具体的構成や、障害物検知後の動作手順はこれらに限定されない。
図面を参照しつつパネルシャッターの基本構成について説明したが、パネルシャッターの基本構成は当業者において公知であり、さらなる詳細な説明は省略する。また、パネルシャッターについては、幾つも変形例、改良例が当業者に知られており、本発明に係る防水扉に適用され得るパネルシャッターの構成は、図示の態様に限定されるものではないことに留意されたい。
[B]防水扉の止水構造
[B−1]パネルの止水構造
図6〜図10を参照しつつ、上下に隣接するパネル同士の止水構造について説明する。図6、図7に示すように、パネル1は、アルミ押出形材から一体成形されており、室外側面部100、室内側面部101、上端面102、下端面103を備えている。パネル1の下端面103は、側面視において、上向き湾曲状の凹面1030と、凹面1030の室外側、室内側にそれぞれ位置する室外側水平面1031、室内側水平面1032と、からなる。パネル1の上端面102は、側面視において、上向き湾曲状の凸面1020と、凸面1020の室外側、室内側にそれぞれ位置する室外側嵌合溝1021、室内側嵌合溝1022と、からなる。
最上位のパネル1を除く各パネル1の上端面102には、幅方向全体に亘って水密ゴム12(図4〜図9参照)が設けてある。図6、図7に示すように、水密ゴム12は、側面視において、上向き湾曲部120と、上向き湾曲部120の室外側、室内側にそれぞれ位置する室外側水平部121、室内側水平部122と、室外側水平部121、室内側水平部の122下面にそれぞれ一体形成された嵌合突条123、124と、からなる。水密ゴム12は、嵌合突条123、124をパネル1の上端面102の室外側嵌合溝1021、室内側嵌合溝1022にそれぞれ嵌合させることで、パネル1の上端面102に固定される。
シャッターカーテンが垂直圧迫状態にある時には、パネル1の水密ゴム12の室外側水平部121、室内側水平部122には、パネル1の下端部103の室外側水平面1031、室内側水平面1032がそれぞれ圧接されるため(図9参照)、パネル1の水密ゴム12の室外側水平部121、室内側水平部122の上側部位(図6〜図9に斜線で示す部位であり、図示の態様では上側に僅かに膨らんでいる部位)のゴムの硬度を小さくして圧接時の密着度を高めている。また、水密ゴム12の上向き湾曲部120には、全長に亘って複数の突起1200が形成されている。突起1200は、全閉状態(非垂直圧迫状態)では、上側のパネル1の下端面103の上向き湾曲状の凹面1030と僅かに離れている(図8参照)。垂直圧迫状態では、上側のパネル1の下端面103の上向き湾曲状の凹面1030と、下側のパネル1の上端面102に固定した水密ゴム12の上向き湾曲部120とが、突起1200を介して線状に接触するので(図9参照)、面同士が接触する場合に比べて止水効果が向上する。図示の態様では、平行状の2本を突起1200が示してあるが、突起1200の本数は限定されない。
開口部全閉時において、上下隣接する2枚のパネル1の上側パネル1の下端と下側パネル1の上端とを水密ゴム12を介して圧接させることで、上下隣接するパネル間の止水構造が得られるようになっている。最下位のパネル1の下端には、幅方向全体に亘って水密ゴム13(図1、図2、図5参照)が設けてあり、開口部全閉時において、水密ゴム13が床面に圧接されることでシャッターカーテン下端の止水構造が得られるようになっている。すなわち、全閉状態のシャッターカーテンを上端から床面に向かって垂直に圧迫することで上下に隣接するパネル1間及び最下位のパネル1と床面間の止水状態が得られる。
なお、上下隣接する2枚のパネル1間の止水構造を形成する水密ゴムは、パネル1の上端に設けられるものに限定されるものではなく、パネル1の下端あるいは/および上端に幅方向全体に亘って水密ゴムが設けられ、開口部全閉時において、上下隣接する2枚のパネル1の上側パネル1の下端と下側パネル1の上端とを水密ゴムを介して圧接させることで、上下隣接するパネル間の止水構造が得られるようになっていればよい。
次に、主として、図3、図6〜図11を参照しつつ、パネル1の指挟み防止構造及びそれに伴う止水構造について説明する。上述のように、パネルシャッターのシャッターカーテンの降下中において、上下隣接する2枚のパネル1の下側のパネル1の上端面102(水密ゴム12)と上側のパネル1の下端面103とは離間した状態にある(図5(C)、図6、図7参照)。よって、パネル1に指挟み防止構造を設けて、降下中のシャッターカーテンの室外側及び室内側において隙間が形成されないようにしている。以下具体的に説明する。
図6、図7に示すように、下パネル1の室外側面部100の上端側には、室外側面部100から当該パネル1の上端面102を越えて上方に垂直に伸びる立ち上がり片(室外側垂直片1000)が形成されており、上パネル1の室外側面部100の下端側には、当該室外側面部100を凹ませて室外側段差部1001が形成されており、パネル1の室外側垂直片1000がパネル1の室外側段差部1001の垂直面1002にオーバーラップするようになっている。室外側垂直片1000の厚さと室外側段差部1001の段差寸法(深さ)は略同じである。図6〜図9から明らかなように、降下中、全閉状態、垂直圧迫状態のいずれの場合にも、室外側垂直片1000と室外側段差部1001の垂直面1002がオーバーラップしており、上下隣接するパネル1間の室外側に隙間が生じることがない。室外側垂直片1000及び室外側段差部1001は、パネル1の全幅に亘って形成されている。
上パネル1の室内側面部101の下端側には、室内側面部101から当該パネル1の下端面103を越えて下方に延びる垂下片(室内側垂直片1010)が形成されており、下パネル1の室内側面部101の上端側には、当該室内側面部101を凹ませて室内側段差部1011が形成されており、上パネル1の室内側垂直片1010が下パネル1の室内側段差部1011の垂直面1012にオーバーラップするようになっている。
室内側垂直片1010の厚さと室内側段差部1012の段差寸法(深さ)は略同じである。図6〜図9から明らかなように、降下中、全閉状態、垂直方向圧縮状態のいずれの場合にも、室内側垂直片1010と室内側段差部1011の垂直面1012がオーバーラップしており、上下隣接するパネル1間の室内側に隙間が生じることがない。
室内側段差部1011は、パネル1の全幅に亘って形成されているのに対して、室内側垂直片1010の幅方向両端は切り欠かれている(図10上図参照)。パネル1の幅方向両端部はガイド部2内に受け入れられており、室内側垂直片1010の切り欠き部は、ガイド部2内に位置して形成されている。室内側段差部1011の幅方向両端(ガイド部内に位置する部位)には、室内側垂直片1010の切り欠きに対応して水密ゴム17がそれぞれ設けてある(図7〜図10参照)。
水密ゴム17は、切り欠き部にほぼ対応する形状(図示の態様では横長の方形)・面積、室内側段差部1011の段差寸法より僅かに大きい厚さ(図7〜図9に示すように、パネルの室内側面部101よりも僅かに突出する厚さ)を備えており、室内側段差部1011の幅方向両端部位をそれぞれ覆うように取り付けられている。水密ゴム17の上端部位は、水密ゴム12の室内側水平部122に接触ないし一体化されており、これらの間の(水密ゴム12と水密ゴム17が別体で形成されている場合であっても)水密性を確保している。図9に示すように、垂直圧迫状態では、上側のパネル1の下端面103の室内側水平面1032が、水密ゴム12の室内側水平部122及び水密ゴム17の上端に圧接している。
図示の態様では、開口部上方のパネル1の収納空間は開口部上方から室内側に向かって形成されており、収納空間内まで移動したパネル1はガイドローラ11が収納レール5に案内されながら、上側のパネル1の室内側垂直片1010が、下側のパネル1の室内側段差部1011から離れるようにして、収納空間の後方へ順次送られるようになっている。なお、上下隣接する2枚のパネルにおいて、室外側垂直片、室外側段差部が形成されるパネル、室内側垂直片、室内側段差部が形成されるパネルは、図示の態様に限定されるものではなく、例えば、収納空間が開口部上方から室外側に向かって形成されている場合には、室内側段差部1011は上側のパネル1に形成され、室内側垂直片1010は下側のパネル1形成された立ち上がり片であり、水密ゴム17は上側のパネルの室内側段差部の幅方向両端に設けられる。あるいは、室外側垂直片、室内側垂直片を同じ側のパネル(例えば上側パネル)に、室外側段差部、室内側段差部を同じ側のパネル(例えば下側パネル)に形成してもよい。これらの場合に、必要に応じて、水密ゴム17が設けられる態様が適宜変更され得ることが当業者に理解される。
図3、図11に示すように、ガイド部2は、離間対向する室外側辺20及び室内側辺21と、底辺22と、から断面視コ字状に形成された長尺部材であり、室外側辺20と室内側辺21の先端側は互いに対向するように折り曲げ片200、210が形成されており、折り曲げ片200、210の先端間の開口溝にパネル1の幅方向端部を受け入れるようになっている。より具体的には、室外側辺20の先端側の内面には断面視長方形状を備え、高さ方向に延びる長尺部材である水平方向押圧部材23(水平方向押圧部材23の上端は収納空間までは達していない)が設けてあり、室内側辺21の先端側の内面には高さ方向に延びる長尺部材である水密ゴム部材24が設けてあり、底辺22には高さ方向に延びる長尺部材であって、ガイドローラ11の室外側周面に接触して案内するガイド部材25が設けてある。水平方向押圧部材23は、平面視において、折り曲げ片200に沿って室内外方向に延びており、先端面(圧迫時に、パネル1の室外側面部100に当接する部位)は、常時(圧迫時及び非圧迫時)、折り曲げ片200の先端を越えて突出している。なお、非圧迫時には、水平方向押圧部材23の先端面が折り曲げ片200の内側に位置し(先端を越えない)、圧迫時に、水平方向押圧部材23の先端面が折り曲げ片200の先端を越えて突出するようにしてもよい。室外側辺20と室内側辺21の先端側の折り曲げ片200、210の外側には、それぞれ高さ方向に延びる長尺状の弾性ゴムからなるフィン26が形成されている。また、ガイド部2は、開口部上方の収納空間に延びる上側延出部2´を備えている。
図3、図11に示すように、各パネル1の幅方向端部は、室外側の水平方向押圧部材23と、室内側の水密ゴム部材24と、の間の開口に受け入れられており、幅方向端部から突出する支軸10の先端のガイドローラ11の室外側周面は、ガイド体2の底部側に設けたガイド部材25に接触ないし近接している。チェーン3を上下動させることで、各パネル1は、室外側面部、室内側面部がそれぞれフィン26と接触しながら、幅方向両端の支軸10のガイドローラ11の室外側周面がガイド部材25に、幅方向両端が水密ゴム部材24に、それぞれ案内されて、垂直方向に上下動する。ガイドローラ11の室外側周面がガイド部材25に接触することによって、通常開閉時及び通常の全閉状態において、金属製の水平方向押圧部材23とパネル1の幅方向端部との接触が規制されている。
水平方向押圧部材23と水密ゴム部材24とは、これらの間にパネル1の幅方向端部を介在して対向しており、また、ガイドローラ11の室内側周面はフリー(部材によって案内されない)であり、パネル1が室内側へ移動することに応じてガイドローラ11も室内側へ移動可能となっており、水平方向押圧部材23によってパネル1の端部を室内側へ押圧することで、パネル1の室内側面部の幅方向端部(水密ゴム17を含む)が水密ゴム部材24に圧接され、シャッターカーテン幅方向両端部の高さ方向に亘る止水構造が得られる。この時、パネル1の室内側面部101よりも僅かに突出する厚さを備えた水密ゴム17が水密ゴム部材24に圧接して厚さ方向に圧縮して、室内側面部101と水密ゴム17が面一となる。図20の下方の図において、左図(止水状態)では、水平方向押圧部材23がパネル1の室外側面部100に押圧接触しており、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24に圧接されており、右図(非止水状態)では、水平方向押圧部材23とパネル1の室外側面部100、パネル1の室内側面部101と水密ゴム部材24は、それぞれ近接しているものの押圧状態にはない。このように、ガイド体2の内部に、ガイドローラ11に室外側からのみ接触可能なガイド部材25を設けたことで、第2圧迫機構8の圧迫動作によるパネル1の室内側面部101(水密ゴム17を含む)と水密ゴム部材24との圧接を許容する一方、ガイドローラ11がガイド部材25に接触することで、パネル1の昇降時に水平方向押圧部材23とパネル1の室外側面部100が接触することが規制されている。
シャッターカーテンの垂直圧迫状態において、水密ゴム12が上下隣接するパネル1間を水密状態に閉塞し、水密ゴム13が最下端のパネル1の下端と床面との間の水密状態に閉塞する。垂直圧迫状態にあるシャッターカーテンがさらに水平方向に圧迫されて、水平圧迫状態となると、パネル1の室内側面部101及び水密ゴム17が水密ゴム部材24に圧接されて、開口幅方向両端部を水密状態に閉塞する。このようにシャッターカーテンが圧迫状態(垂直圧迫状態兼水平圧迫状態)となると、上下のパネル間が水密状に閉塞されると共に、シャッター装置の三方(左右のガイド体2内に位置するシャッターカーテンの幅方向両端部及びシャッターカーテン下端)の水密ゴム13、24によって室内側空間への浸水を防ぐ止水ラインが形成される。
[B−2]圧迫機構
全閉状態のパネルシャッターに対して止水構造を付与することで防水扉を構成することができる。本実施形態では、全閉状態のパネルシャッターを止水状態とする手段は、全閉状態にある各パネル1を垂直方向に下方に圧迫する第1圧迫機構7と、第1圧迫機構7によって垂直方向に圧迫された全パネル1を一体で室内側へ向かって水平方向に圧迫する第2圧迫機構8とからなる。
図1に示すように、開口部上方の収納空間には開口幅方向に亘って複数の第1圧迫機構7が設けてある。図12〜図15に示すように、第1圧迫機構7は、開口部上方の収納空間に配置したアクチュエータとして例示するパワーシリンダ70と、パワーシリンダ70のピストンロッド71の先端に設けられ、全閉状態の最上位のパネル1の上端に当接して押圧する押圧部(リンク機構からなる)72と、を備えている。開口部全閉状態において、ピストンロッド71を下降させ、押圧部72を最上位のパネル1の上端に当接させて下方に向かって押圧することで、全閉状態にある各パネルを下方に向かって垂直に圧迫する。
図4に示すように、第1圧迫機構7は、開口部上方の収納空間におけるパネル1の昇降を妨げないように、パネル1の昇降経路に対して室外側に偏倚して設けてある。したがって、全閉状態の最上位のパネル1の上端を押圧するために、パワーシリンダ70のロッド71は斜め下方に向かって突出するが、リンク機構からなる押圧部72によって、最上位のパネル1の上端に対して垂直方向に押圧力が作用するようになっている。
図12に示すように、第1圧迫機構7(パワーシリンダ70、ピストンロッド71、押圧部72)は、アクチュエータブラケット75に固定されており、アクチュエータブラケット75は、ベースフレーム76に取り付けられている。アクチュエータブラケット75は、高さ方向に延びる長孔760(ベースフレーム76に形成されている)を介して螺子750でベースフレーム76に取り付けられるようになっており、長孔760の高さ範囲内で上下位置の調整が可能である。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において、ベースフレーム76を躯体Wの所定高さに位置させて取り付けられる。パネル収納空間S内における躯体Wの高さ寸法がベースフレーム76の高さ寸法よりも大きい場合には、ベースフレーム76の上下方向の取付位置が選択可能である。パワーシリンダ70のピストンロッド71のストロークを一定とした場合には、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の押圧部72(第3リンク723)の高さ位置は、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置によって決定される。そして、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置は、ベースフレーム76の取付位置、及び、ベースフレーム76に対するアクチュエータブラケット75の取付位置によって上下方向に調整可能となっている。ベースフレーム76の水平プレート761とアクチュエータブラケット75の水平プレート751間には、垂直方向に延びるボルトBが設けてあり、ボルトBの軸には、水平プレート761、751間に位置してナット762、752が設けてあり、水平プレート751の下面に位置して固定ナット753が設けてあり、ナット762、752を緩めることで、ボルトBの回転によりベースフレーム76に対するアクチュエータブラケット75の上下位置が調整可能となっている。アクチュエータブラケット75の上下位置を決定した上で、螺子750で本締めする。
ここで、上述のように、現場において第1圧迫機構7の高さ位置を調整できるが、現場毎でシリンダストロークを設定し直すことは手間がかかって作業性が悪い。特に、図13、図14等に示すように、本実施形態では、第1圧迫機構7は、パネル1の移動を妨げないように、傾斜姿勢で配置されており、傾斜状に突出するピストンロッド71の下端の高さ位置及び室内側方向の位置を調整する作業は煩雑である。
図13〜図15に示すように、押圧部72は、第1圧迫機構7のフレームに固定された水平状のベース720と、ベース720の基端側に一端が連結された第1リンク721と、ベース720の先端側に一端が連結された第2リンク722と、第1リンク721と第2リンク722の他端同士を連結する第3リンク723と、を備えている。ピストンロッド71の先端は第3リンク723に連結されており、第3リンク723の下面が全閉状態の最上位のパネル1の上端に当接して押圧するようになっている。図15に示すように、ピストンロッド71は傾斜姿勢で往復動するが、往復動時において、第3リンク723の下面は常に水平を保つようになっている。なお、図示のリンク機構は1つの実施形態であって、他の構成の押圧部を用いてもよい。図13、図14を対比すると明らかなように、第1圧迫機構7のパワーシリンダ70が非作動時(非圧迫姿勢)にある時には、パワーシリンダ70はシャッター芯Cから離れて位置しており、シャッターカーテンの通常の昇降動作を妨げないようになっており、第1圧迫機構7のパワーシリンダ70が作動時時(圧迫姿勢)にある時には、パワーシリンダ70はシャッター芯C上に位置しており、全閉状態にあるシャッターカーテンの上端を良好に押圧できるようになっている。
図12〜図14に示すように、第1圧迫機構7は、第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74を備えている。図12に示すように、正面視において、第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74は、ピストンロッド71を挟んで反対側に設けてある。第1圧迫機構7が非作動時にある時は、第1圧迫機構7の可動部の部分が第1リミットスイッチ73に接触しており、第2リミットスイッチ74は非接触状態にある。第1圧迫機構7が作動して、ロッド71が所定の圧迫位置まで突出すると、第1リミットスイッチ73が非接触状態となり、可動部の部分が第2リミットスイッチ74に接触する。本実施形態では、第1リミットスイッチ73がOFF→ONとなった時が第1圧迫機構7の圧迫解除時であり、第2リミットスイッチ74がOFF→ONとなった時が第1圧迫機構7の圧迫完了時である。本実施形態では、第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74に接触する第1圧迫機構7の可動部は、ロッド71に連動して動く押圧部72(図示の態様では、リンク機構の第2リンク722)であるが、ロッド71が直接リミットスイッチに接触するものでもよい。
第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74は、垂直圧迫状態検知手段を構成する。具体的には、第1リミットスイッチ73がON(第2リミットスイッチ74がOFF)の場合は非垂直圧迫状態であり、第1リミットスイッチ73がOFF、第2リミットスイッチ74がOFFの場合は垂直圧迫動作中あるいは垂直圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチ74がON(第1リミットスイッチ73がOFF)の場合は垂直圧迫状態であることが検知される。
図1に示すように、本実施形態では、開口幅方向に間隔を設けて3つの第1圧迫機構7が設けてある。より詳しくは、開口幅方向の中央に1つの第1圧迫機構7が設けてあり、左右のガイド体2側に寄った位置にそれぞれ第1圧迫機構7が設けてあり、中央の第1圧迫機構7と左側の第1圧迫機構7との間隔と、中央の第1圧迫機構7と右側の第1圧迫機構7との間隔は同一である。第1圧迫機構7の数は限定されず、パネル1の幅寸法(開口幅寸法)等に応じて適宜数が選択される。図1Aに示す態様では、開口幅方向に間隔を設けて2つの第1圧迫機構7が設けてある。
図1に示すように、開口部上方の収納空間には開口幅方向の左右端部に位置してそれぞれ第2圧迫機構8が設けてある。図4に示すように、第1圧迫機構7と同様に、第2圧迫機構8は、開口部上方の収納空間におけるパネル1の昇降を妨げないように、パネル1の昇降経路に対して室外側に偏倚して設けてある。図16〜図18に示すように、第2圧迫機構8は、開口部上方向の収納空間に配置したアクチュエータとして例示するパワーシリンダ80と、パワーシリンダ80のピストンロッド81の上下動に連動する水平方向押圧部材23と、を備えている。水平方向押圧部材23は、全体として断面視長方形状に形成されており、ガイド体2の室外側辺20の先端側の内面に位置して設けられている。
図19〜図21に示すように、水平方向押圧部材23は、ガイド体2に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第1部材(室外側部材)230と、ガイド体2に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第2部材(室内側部材)231と、を備えている。第1部材230はガイド体2の室外側辺20に図示しない螺子で連結されており、第1部材230が固定要素、第2部材231が可動要素となっている。第2部材231は、垂直状の押圧面2310を備えており、圧迫時には、押圧面2310がパネル1の室外側面部100に当接して室内側へ向かって押圧する。図17、図18に示すように、押圧面2310の上端部位はテ―パ状の傾斜面2311となっている。傾斜面2311を設けたことで、シャッターカーテンの通常の昇降時に、仮に開口部上方部位に位置するパネル1が室外側方向に揺れても、パネル1と第2部材231(非圧迫状態)が接触することが無いようになっている。また、傾斜面2311を設けたことで、シャッターカーテンの下降時に、下降するパネル1の下端が第2部材231の上端に引っ掛らずスムーズに下降する。第2部材231は、以下に述べるリンク機構、作動機構を介して第1部材230に対して水平方向に離間・接近するようになっている。
リンク機構は、第1リンク232と、第2リンク233と、を備え、第1リンク232と第2リンク233の角度を変えることによって、第1部材230に対して第2部材231が水平方向に離間・接近するようになっている。第1部材230には、高さ方向に所定間隔で第1リンク232の第1端部が第1軸2320を介して回転自在に連結されており、第2部材231には、高さ方向に所定間隔で第2リンク233の第1端部が第2軸2330を介して回転自在に連結されており、第1リンク232の第2端部と第2リンク233の第2端部は、第3軸2340を介して回転自在に連結されている。
図21に示すように第1リンク232、第2リンク233は共にブロック状のリンクブロックである。第1リンク232の第1端部には、ブロックを貫設するように第1軸2320が設けてあり、第2リンク233の第1端部には、ブロックを貫設するように第2軸2330が設けてある。第1リンク232の第2端部は離間対向する一対の片からなり、当該一対の片の間に、第2リンク233の第2端部を回転可能な状態で挟持している。第2リンク233の第2端部は離間対向する一対の片からなり、当該一対の片の間に作動ロッド234を挟持しており、作動ロッド234に対しする第2リンク233の第2端部の回転は許容されている。
作動ロッド234は、ガイド体2に沿って垂直に延びる長尺状の部材であり、1つの態様では、複数の長尺状部材を上下方向に接続することで形成されている。作動ロッド234には、高さ方向に所定間隔で第3軸2340が連結されており、上端側がパワーシリンダ80のピストンロッド81の先端に連結されている。すなわち、作動ロッド234と作動ロッド234を上下動させるパワーシリンダ80から作動機構が構成されている。パワーシリンダ80はピストンロッド81を下方に向けて配置されており、ピストンロッド81は、連結機構を介して作動ロッド234の上端に連結されている。図16〜図18に示すように、連結機構は、リンク82と、リンク82の長さ方向中途部位を軸82´を介して回動自在に支持するベース820と、からなり、シリンダロッド81の下端はリンク82の第1端部に回転自在に連結され、作動ロッド234の上端はロッドヘッド2341、吊持ロッド2342を介して、リンク82の第2端部に回転自在に連結されており、ピストンロッド81の下方への突出動作に連動して、作動ロッド234が引き上げられるように構成されている。第1端部と軸82´との距離は、第2端部と軸82´との距離よりも大きく、てこの原理で、より大きい力で作動ロッド834を引き上げるようになっている。
第1部材230には、リンク機構に対応するように、高さ方向に所定間隔で一対のガイド235が設けてあり、ガイド235に形成されたガイド溝236によって、第2軸2330、第3軸2340が案内されるようになっている。より具体的には、図20右図に示すように、ガイド溝236は、室内側に向かう水平溝2360と、水平溝2360の室外側に位置して形成された傾斜溝2361と、からなり、傾斜溝2361は、室内側に向かって上向き傾斜状となっている。第2軸2330は水平溝2360に案内され、第3軸2340は傾斜溝2361に沿って移動する。第2軸2330にはガイドローラ2331が設けてあり、第2軸2330はガイドローラ2331が水平溝2360に案内されて水平方向に往復動するようになっている。すなわち、作動ロッド234の上動に連動して第2部材231が水平方向に移動して押圧面2310によってパネル1の室外側面部100を押圧し、室内側面部101を水密ゴム部材24に圧接するように構成されている。
本実施形態では、図17の姿勢から、ピストンロッド81を下方に突出させて図18の姿勢とすることで、作動ロッド234が垂直状に引き上げられ、作動ロッド234の上動に連動して、第2部材231が第1部材230から離れるようにパネル1に向かって押し出されてパネル1の幅方向端部の室外側面部100に当接し、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24を圧迫することで、第1圧迫機構7によって垂直方向に圧迫された全パネル1を一体で室内側に向かって圧迫する。
本実施形態では、第2圧迫機構8の圧迫動作時には、パワーシリンダ80が作動ロッド234を引き上げることで、作動ロッド234が引張力を受けながら水平方向押圧部材23(第2部材230)によりパネル1を水平方向に圧迫するように構成されている。このように、シャッターカーテンの水平方向圧迫時には、作動機構の1つの要素である作動ロッド234に引張力が作用するので、作動ロッドを垂直方向に押圧して当該作動ロッドに圧縮力を作用させる場合に比べて、作動ロッド234の座屈を考慮する必要がなく、作動ロッド234をより強度が小さい(断面寸法がより小さく、より省スペースで済む)、より軽量な部材から構成することが可能となる。
図16〜図18に示すように、第2圧迫機構8は、第1リミットスイッチ83及び第2リミットスイッチ84を備えている。第2圧迫機構8が非作動時にある時は、第2圧迫機構8の可動部の部分(リンク82に突設させた突起821)が第1リミットスイッチ83に接触しており、第2リミットスイッチ84は非接触状態にある。第2圧迫機構が作動して、ロッド81が所定の圧迫位置まで突出すると、第1リミットスイッチ83が非接触状態となり、可動部の部分(リンク82に突設させた突起821)が第2リミットスイッチ84に接触する。本実施形態では、第1リミットスイッチ83がOFF→ONとなった時が第2圧迫機構8の圧迫解除時であり、第2リミットスイッチ84がOFF→ONとなった時が第2圧迫機構8の圧迫完了時である。第1リミットスイッチ83、第2リミットスイッチ84に接触する第2圧迫機構7の可動部の部分としてリンク82に突設させた突起821を示したが、可動部の部分は、ロッド81、リンク82自体、リンク82と作動ロッド234との連結機構等であってもよい。
第1リミットスイッチ83、第2リミットスイッチ84は、水平圧迫状態検知手段を構成する。具体的には、第1リミットスイッチ83がON(第2リミットスイッチ84がOFF)の場合は非水平圧迫状態であり、第1リミットスイッチ83がOFF、第2リミットスイッチ84がOFFの場合は水平圧迫動作中あるいは水平圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチ84がON(第1リミットスイッチ83がOFF)の場合は水平圧迫状態であることが検知される。
図1、図2、図22に示すように、本実施形態では、防水扉は可動の中柱9を備えている。本実施形態では、開口幅を3等分した位置に、2本の中柱9を備えているが、中柱9の本数は限定されず、パネル1の幅寸法(開口幅寸法)等に応じて適宜数が選択される。図1Aに示す態様では、開口幅方向の中央部位に1本の中柱9が設置されている。開口部上方には、各中柱9に対応して2本の中柱用レール90が設けてある。中柱用レール90は、水平状に延びる長尺部材であり、一端が中柱9の設置位置、他端が中柱9の収納位置(開口部の幅方向端部)となっている。図22において、収納位置にある中柱を「9´」で示す。中柱9の上端にはハンガーローラ91が設けてあり、中柱9は中柱用レール9に沿って可動となっている。床面には、中柱の設置位置に対応して、中柱受材92が埋設されており、中柱9を設置位置まで移動させて、操作レバー95を回動操作することで、上側係止ロッド92の上端が開口部上方の中柱受材の係止受孔920に係止し、下側係止ロッド93、94の下端が床面に埋設した受部材ユニット99に形成された係止受孔930、940にそれぞれ係止するようになっている。
全閉状態のシャッターカーテンの室内側に位置して中柱9を配置することで、止水状態において、シャッターカーテンに作用し得る水圧に対抗するようにしている。室外側からの水圧によってシャッターカーテンが室内側に膨出状に変形した時には、シャッターカーテンの室内側面部(パネル1の室内側面部)が中柱9に当接支持されることによって、それ以上の変形が防止される。中柱9は、断面視長方形状の長尺部材であり、本実施形態では、図2、図22に示すように、設置姿勢では、断面視長手方向が室内外方向となっており、室外側から室内側へ作用する水圧に十分に対抗できるようになっている。
[C]防水扉の動作制御装置
本実施形態に係る防水扉は、建物開口部を閉鎖するシャッターカーテン(複数枚のパネル1から構成される)と、複数枚のパネル1から構成されるシャッターカーテンを垂直方向に圧迫する第1圧迫機構7と、複数枚のパネル1から構成されるシャッターカーテンを水平方向に圧迫する第2圧迫機構8と、シャッターカーテンが開口部全閉状態となったことを検知する全閉状態検知手段(例えば、下限リミットスイッチから構成される)と、シャッターカーテンが垂直圧迫状態となったことを検知する垂直圧迫状態検知手段(第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74)と、シャッターカーテンが水平圧迫状態となったことを検知する水平圧迫状態検知手段(第1リミットスイッチ83、第2リミットスイッチ84)と、を備えている。
第1圧迫機構7の圧迫動作は、前記全閉状態検知手段により開口部全閉状態が検知されていることを条件として作動し、前記垂直圧迫状態検知手段により垂直圧迫状態が検知された時に停止する。第1圧迫機構7は、当該第1圧迫機構7を圧迫動作させるための第1入力信号に基づいて圧迫動作を行い、前記第1入力信号は、前記全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時あるいは前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態検知時には無効であり、前記全閉状態検知手段による開口部全閉状態検知時かつ前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態非検知時に有効である。すなわち、動作制御装置は、前記全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時あるいは前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態検知時に前記第1入力信号を無効とする第1圧迫機構の圧迫動作無効手段を備えている。
第2圧迫機構8の圧迫動作は、前記垂直圧迫状態検知手段により全閉状態にある扉体の垂直圧迫状態が検知されていることを条件として作動し、前記水平圧迫状態検知手段により水平圧迫状態が検知された時に停止する。第2圧迫機構8は、当該第2圧迫機構8を圧迫動作させるための第2入力信号に基づいて圧迫動作を行い、前記第2入力信号は、前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態非検知時あるいは前記水平圧迫状態検知手段による水平圧迫状態検知時には無効であり、前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態検知時かつ前記水平圧迫状態検知手段による水平圧迫状態非検知時に有効である。すなわち、動作制御装置は、前記垂直圧迫状態検知手段による垂直圧迫状態非検知時あるいは前記水平圧迫状態検知手段による水平圧迫状態検知時に前記第2入力信号を無効とする第2圧迫機構の圧迫動作無効手段を備えている。1つの態様では、後述するように、前記第1入力信号及び前記第2入力信号は、1つのスイッチ(圧迫ボタンS4、非常閉鎖ボタンS6)からの1つの圧迫動作入力に基づいて生成される。前記1つの圧迫動作入力は、全閉状態検知時から垂直圧迫状態検知時までは第1入力信号として機能し、垂直圧迫状態検知時から水平圧迫状態検知時までは第2入力信号として機能する。垂直圧迫状態で前記1つの圧迫動作入力が行われた場合には、当該1つの圧迫動作入力は第2入力信号として機能する。
本実施形態に係る電動防水扉は、いわゆる管理用のパネルシャッターとして用いられるものであり、建物開口部の通常の開閉にも用いられ、豪雨が予想される非常時等には、防水扉として機能する。以下に述べるように、防水扉の開閉制御は、操作スイッチからの入力によって行われる。
図2に示すように、本実施形態に係る防止扉は、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3、すなわち3つの操作スイッチ、を備えている。第1室外側スイッチボックスSB1、室内側スイッチボックスSB3は、立った姿勢で操作し易いように、床面から1500mmの高さに位置して配置されている。第2室外側スイッチボックスSB2は、床面から2000mm(想定最大水位W.L.)を越える高さに位置して配置されている。
防水扉はその用途からして、シャッターカーテンによって仕切られた室外側部位に水が溜まることを前提としている。床面から2000mmを想定最大水位W.L.とした場合には、第1室外側スイッチボックスSB1は、止水時に水没ないし浸水する可能性がある。本実施形態では、第1室外側スイッチボックスSB1は、通常のスイッチボックスと同様であり、特段防水処理を施してはいない。なお、本実施形態において、第1室外側スイッチボックスSB1と室外側の光電センサ6は水没ないし浸水するおそれがあるため、第1室外側スイッチボックスSB1及び室内外側の光電センサ6の電源系統を、他の要素(第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3)の電源系統から分離することで、他の電気系統へ影響を及ぼさないようにしている。具体的な態様例では、防水扉には主電源としてAC200Vが供給され、開閉機のモータはAC200Vを用いて作動する。主電源は少なくとも2つのレギュレータを介して第1電源系統(DC24V)、第2電源系統(DC24V)に変換され、第1室外側スイッチボックスSB1及び室内外側の光電センサ6は第1電源系統によって作動し、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3は第2電源系統によって作動する。水没等によって第1電源系統に不具合が生じても、第2電源系統及び主電源に影響を及ぼさないようになっている。
図23にスイッチボックスを示す。スイッチボックスは、正面が開口状の箱体14と、箱体14の正面の開口を開閉する蓋体15と、箱体14に設けた操作パネル16と、を備え、操作パネル16には、複数の操作スイッチが設けてある。本実施形態では、操作パネル16には、開放ボタンS1、閉鎖ボタンS2、停止ボタンS3、圧迫ボタンS4、圧迫解除ボタンS5、非常閉鎖ボタンS6、が設けてある。防水扉の動作はこれらのボタンからの入力に基づいて制御される。より具体的には、ボタン入力による指示に従って、制御部を介して開閉機M(パネル1の昇降動作)、第1圧迫機構7(全閉状態にあるパネル1の垂直圧迫動作、垂直圧迫解除動作)、第2圧迫機構8(垂直圧迫状態にあるパネル1の水平圧迫動作、水平圧迫解除動作)の動作制御が行われる。以下、各ボタンについて説明する。
[開放ボタンS1(開放スイッチ)]
シャッターが圧迫解除状態(垂直圧迫解除状態かつ水平圧迫解除状態)、かつ、全開位置でない時、開放ボタンを押すとシャッターカーテンが上昇し、全開位置で停止する。本実施形態では、開放ボタンS1を押すと、開閉機Mによってチェーンを吊上げる方向にスプロケット4が回転駆動され、全閉状態(非垂直圧迫状態かつ非水平圧迫状態)あるいは半開状態にあるパネル1が上昇する。パネル1が予め決定された上限位置まで上昇すると、上限リミットスイッチにより上限位置信号が生成され、開閉機Mによる駆動が停止する。本実施形態に係る動作制御装置は、開放動作無効手段を備えており、シャッターが圧迫状態(垂直圧迫状態および/あるいは水平圧迫状態)にある時には、当該開放動作無効手段によって、開放ボタンを押しても開放動作が行われない。
[閉鎖ボタンS2(閉鎖スイッチ)]
シャッターが全閉位置でない時、閉鎖ボタンS2を押すとシャッターカーテンは下降し、全閉位置で停止する。本実施形態では、閉鎖ボタンS2を押すと、開閉機Mによってチェーンを繰り出す方向にスプロケット4が回転駆動され、全開状態あるいは半開状態にあるパネル1が下降する。パネル1が予め決定された下限位置まで下降すると、下限リミットスイッチにより下限位置信号が生成され、開閉機Mによる駆動が停止する。
[停止ボタンS3(停止スイッチ)]
シャッターの動作中もしくは、圧迫動作中および圧迫解除中に停止ボタンS3を押すと、作動中のシャッターカーテンは任意の位置で動作を停止する。より具体的には、パネル1の上昇中に停止ボタンS3が押されると上昇が停止し、パネル1の下降中に停止ボタンS3が押されると下降が停止し、圧迫動作中に停止ボタンS3が押されると圧迫動作が停止し、圧迫解除中に停止ボタンS3が押されると圧迫解除動作が停止する。
[圧迫ボタンS4(圧迫スイッチ)]
シャッターが全閉位置、かつ、圧迫状態(垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態)でない時、圧迫ボタンS4を押すと止水構造を得るための圧迫動作を開始する。圧迫動作が完了すると圧迫ボタンS4が点灯する。本実施形態では、全閉状態(圧迫動作中に停止ボタンS3が押された場合を含む)において、圧迫ボタンS4が押されると、先ず、第1圧迫機構7が押圧作動し、全閉姿勢にある各パネル1を下方に向かって垂直に圧迫する。第1圧迫機構7の押圧作動が完了すると(第1圧迫機構7の第2リミットスイッチ74がONとなると垂直圧迫状態信号が生成される)、第2圧迫機構8が押圧作動を開始し、高さ方向に圧迫された全パネル1を一体で室内側へ向かって圧迫する。第2圧迫機構8の押圧作動が完了すると(第2圧迫機構8の第2リミットスイッチがONとなって水平圧迫状態信号が生成される)、圧迫ボタンS4が点灯(例えば、赤色点灯)する。
[圧迫解除ボタンS5(圧迫解除スイッチ)]
シャッターが圧迫状態にある時、もしくは全閉位置かつ圧迫解除状態でないとき(圧迫解除ボタンが消灯中)に、圧迫解除ボタンS5を押すと、圧迫解除動作を開始する。圧迫解除動作が完了すると圧迫解除ボタンS5が点灯する。本実施形態では、圧迫状態(圧迫解除動作中に停止ボタンS3が押された場合を含む)において、圧迫解除ボタンS5が押されると、第1圧迫機構7及び第2圧迫機構8が解除作動し、圧迫状態が解除される。1つの手順としては、圧迫解除ボタンS5が押されると、先ず、第2圧迫機構8が解除作動を開始し、第2圧迫機構8の解除動作が完了すると(第1リミットスイッチがONとなると水平圧迫状態解除信号が生成される)、第1圧迫機構7が解除作動を開始する。第1圧迫機構7の圧迫解除動作が完了すると(第1圧迫機構7の第1リミットスイッチ73がONとなると垂直圧迫状態解除信号が生成される)、圧迫解除ボタンS5が点灯(例えば、緑色点灯)する。
[非常閉鎖ボタンS6]
シャッターが全閉位置でないとき、非常閉鎖ボタンS6を押すことで、シャッターカーテンを押切動作で下降させることができる。下降中は光電センサ6の入力及びエマーゼンシスイッチ入力は無効となる。全閉位置まで下降すると自動的に圧迫動作を開始し、圧迫動作完了後、圧迫ボタンS4が点灯する。全閉位置で非常閉鎖ボタンS6を押した場合には、圧迫ボタンS4と同様の動作を行う。すなわち、非常閉鎖ボタンS6は、圧迫スイッチとしての機能を備えている。
操作スイッチ(操作部)についてまとめると以下の通りである。操作スイッチは、扉体を止水状態とするための第1スイッチ(圧迫ボタン、非常閉鎖ボタン)と、止水状態を解除するための第2スイッチ(圧迫解除ボタン)と、を備えている。なお、上記の複数のボタンは操作スイッチの1つの好ましい実施形態であって、例えば、非常閉鎖ボタンは任意でもよい。第1スイッチには、全閉状態にある扉体を止水状態とするためのスイッチ、全開状態あるいは半開状態にある扉体を全閉状態かつ止水状態とするためのスイッチが含まれる。後者の場合、例えば、第1スイッチからの入力があると、全開状態あるいは半開状態にある扉体が全閉状態(非止水状態)となり、ついで、この全閉状態の検知に基づいて自動的に止水状態とするものが考えられる。すなわち、防水専用扉の場合に、閉鎖ボタンと圧迫ボタンを共通のボタンから構成して第1スイッチとし、この共通のボタンからの操作によって、一連で閉鎖・圧迫が実行されてもよい。本実施形態では、通常使用時における扉体の全閉状態は非止水状態であるが、防水扉において、扉体の全閉状態が止水状態であってもよい。例えば、全開状態にある時に閉鎖スイッチを押すと全閉状態(止水状態)となり、全閉状態(止水状態)にある時に開放スイッチを押すと全開状態(非止水状態)となるようなものでもよく、この場合、閉鎖スイッチが第1スイッチであり、開放スイッチが第2スイッチである。第1スイッチと第2スイッチは、1つのボタンから構成してもよい。例えば、止水状態にある場合にボタンが押されると第2スイッチとして機能し、非止水状態にある場合にボタンが押されると第1スイッチとして機能するようにしてもよい。あるいは、入力操作(押し時間、回数、これらの組み合わせ等)によって第1スイッチと第2スイッチを識別するようにしてもよい。
本実施形態では、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3からの操作入力に加えて、管理室等からの遠隔操作入力(監視カメラ等で安全を確認しながらの操作)が可能となっている。遠隔操作信号(DC24V有電圧a接点)によりシャッターの一連の動作制御が可能であり、遠隔操作によって圧迫動作・圧迫解除動作を行うことも可能である。
障害物検知手段による検知の他にも、シャッターが異常を検知した場合には、以下のような動作制御が行われる。
ガイドレール安全スイッチ入力により、ガイドレール異常が検知された場合には、シャッター動作(上昇・下降・圧迫・圧迫解除)は禁止される。
チェーン緩み検知スイッチ入力により、チェーン緩み異常が検知された場合には、シャッター動作(上昇・下降・圧迫・圧迫解除)は禁止される。
エマーゼンシスイッチ入力中は、上昇動作が禁止となり、下降動作は押し切り操作で可能である。圧迫・圧迫解除動作は、条件(シャッター全閉位置)が満たされていれば可能である。
サーマル異常の場合には、上昇・下降動作が共に禁止される。圧迫・圧迫解除動作は、条件(シャッター全閉位置)が満たされていれば可能である。
オーバータイム異常(上昇・下降)の場合、具体的には、上昇動作・下降動作が所定時間(例えば90秒以上)継続するとオーバータイム異常となり、上昇動作・下降動作を停止する。オーバータイム異常時の上昇動作・下降動作は禁止される。圧迫・圧迫解除動作は、条件(シャッター全閉位置)が満たされていれば可能である。
オーバータイム異常(圧迫・圧迫解除)の場合、具体的には、圧迫動作・圧迫解除動作が所定時間(例えば20秒以上)継続するとオーバータイム異常となり、圧迫動作・圧迫解除動作を停止する。オーバータイム異常時の圧迫動作・圧迫解除動作は禁止される。操作スイッチの停止ボタンを1秒以上押すことでオーバータイム異常は解除される。
漏電検知器が作動した場合には異常出力を行うが、上昇・下降・圧迫・圧迫解除の各動作は可能である。
本実施形態に係る防水扉の動作制御に用いられる移報接点出力について説明する。移報接点出力は、例えば、防水扉の動作制御信号を、防水扉に対して遠隔の管理室の制御装置へ出力するものである。防水扉では、シャッターの状態に応じて以下の移報接点出力(無電圧c接点出力)が行われる。
上限位置信号:シャッターが全開状態の時に出力される。
下限位置信号:シャッターが全閉状態の時に出力される。
垂直圧迫解除状態信号:垂直圧迫が解除されている状態の時に出力される。
垂直圧迫状態信号:垂直圧迫完了状態の時に出力される。
水平圧迫解除状態信号:水平圧迫が解除されている状態の時に出力される。
水平圧迫状態信号:水平圧迫完了状態の時に出力される。
異常信号:上記シャッター異常の発生時に出力される。
本実施形態に係る防水扉の基本的な動作制御の流れについて図24に基づいて説明する。開口部全開状態ないし半開状態において、操作部(いずれかのスイッチボックスSB1、SB2、SB3)の閉鎖ボタンS2が押されると、開閉機Mが作動して、パネル1が降下を開始する。シャッターカーテンが全閉位置まで降下したことを下限リミットスイッチが検知して下限位置信号が生成され、開閉機Mの作動が停止して開口部全閉状態となる。
圧迫ボタンS4が押されると、下限位置信号が生成されていることを条件として、第1圧迫機構7が作動して、垂直圧迫動作を開始する。シャッターカーテンが垂直圧迫状態まで下方に押圧されたことを第2リミットスイッチ74が検知して垂直圧迫状態検知信号が生成され、第1圧迫機構7の作動が停止する。これと同時あるいは直ぐ後に、垂直圧迫状態検知信号の入力に基づいて第2圧迫機構8が作動して、水平圧迫動作を開始する。シャッターカーテンが水平圧迫状態まで室内側に押圧されたことを第2リミットスイッチ84が検知して水平圧迫状態検知信号が生成され、第2圧迫機構8の作動が停止し、圧迫状態が完了する。シャッターカーテンが全閉状態に無い(下限位置信号が生成されていない)場合、あるいは、シャッターカーテンが垂直圧迫状態にある(垂直圧迫状態検知信号が生成されている)場合には、第1圧迫機構7の圧迫動作無効手段によって、圧迫ボタンS4からの圧迫動作入力による垂直圧迫動作が無効となる。シャッターカーテンが垂直圧迫状態に無い(垂直圧迫状態検知信号が生成されていない)場合、あるいは、シャッターカーテンが水平圧迫状態にある(水平圧迫状態検知信号が生成されている)場合には、第2圧迫機構8の圧迫動作無効手段によって、圧迫ボタンS4からの圧迫動作入力による水平圧迫動作が無効となる。
圧迫解除ボタンS5が押されると、シャッターカーテンが圧迫状態にあることを条件(水平圧迫状態検知信号が有効である)として、第2圧迫機構8が作動して、水平圧迫状態の解除を開始する。シャッターカーテンの水平圧迫状態が解除されたことを第1リミットスイッチ83により検知し、水平圧迫状態解除信号が生成され、第2圧迫機構8の作動が停止する。これと同時あるいは直ぐ後に、水平圧迫状態解除信号の入力に基づいて第1圧迫機構7が作動して、垂直圧迫状態の解除を開始する。シャッターカーテンの垂直圧迫状態が解除されたことを第1リミットスイッチ73により検知し、垂直圧迫状態解除信号が生成され、第1圧迫機構7の作動が停止する。シャッターカーテンが水平圧迫解除状態にある(水平圧迫状態解除信号が生成されている)場合には、第2圧迫機構8の圧迫解除動作無効手段によって、圧迫解除ボタンS5からの圧迫解除動作入力による水平圧迫状態の解除動作が無効となる。シャッターカーテンが非水平圧迫解除状態にある(水平圧迫状態解除信号が生成されていない)場合、または、シャッターカーテンが垂直圧迫状態に無い場合(垂直圧迫状態解除信号が生成されている)には、第1圧迫機構7の圧迫解除動作無効手段によって、圧迫解除ボタンS5からの圧迫解除動作入力による垂直圧迫状態の解除動作が無効となる。
開口部全開状態ないし半開状態において、非常閉鎖ボタンS6が押された場合には、下限位置信号の入力(圧迫ボタンを押すことに置き換わる)に基づいて、自動的に圧迫動作が開始される。
圧迫ボタンS4ないし非常閉鎖ボタンS6が押されて、あるいは、遠隔操作によって防水扉が圧迫状態にある時には、圧迫解除ボタンS5以外のボタンからの操作は無効である。すなわち、原則として、防水扉が圧迫状態にある時には、圧迫解除ボタンS5のみが操作可能な有効なボタンとして機能する。ここで、本実施形態に係る防水扉は、第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5の無効化手段を備えている。
本実施形態では、全閉状態のシャッターカーテンの圧迫が完了した時点で、第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5からの入力を無効化する。具体的には、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3のいずれかの圧迫ボタン4が押されると、第1圧迫機構7、第2圧迫機構8が順次圧迫動作を行い、第2圧迫機構8の圧迫動作が完了した時点、すなわち、第2圧迫機構8の第2リミットスイッチがONとなった時点で(水平圧迫状態信号が出力された時)、第1室外側スイッチボックスSB1は、圧迫解除スイッチS5からの入力ができない無効化状態ないしロック状態となる。このようにすることで、止水状態で第1室外側スイッチボックスSB1が水没ないし浸水した際の誤作動(圧迫解除スイッチS5の誤入力)を防止している。
圧迫スイッチが入力されてから室外側操作部の圧迫解除スイッチの入力が無効化されるまでの流れを図25に基づいて説明する。先ず、本実施形態において、圧迫スイッチの入力により所定の圧迫動作が作動されるためには、扉体が全閉状態かつ非圧迫状態であることが条件となる。この条件が満たされる場合には、第1圧迫機構(垂直圧迫機構)が作動する。扉体が全閉状態にあるか否かは、下限位置信号の出力の有無によって判定することができる。扉体が圧迫状態にあるか否かは、水平圧迫状態信号の出力の有無によって判定することができる。
第1圧迫機構が作動して、垂直圧迫状態が完了すると、第2圧迫機構(水平圧迫機構)が作動を開始する。扉体が垂直圧迫状態にあるか否かは、垂直圧迫状態信号の出力の有無によって判定する。なお、第2圧迫機構の作動中に停止スイッチが入力され、その後に圧迫スイッチが入力された場合には、既に垂直圧迫状態は完了しているため、第2圧迫機構が再び作動することになる。
扉体が水平圧迫状態となると第2圧迫機構の作動は終了する。扉体が水平圧迫状態にあるか否かは、水平圧迫状態信号の出力の有無によって判定することができる。扉体が水平圧迫状態にある場合には、扉体は止水状態(圧迫完了状態)にある。
扉体が圧迫完了状態となると、室外側操作部(第1室外側スイッチボックスSB1)の圧迫解除スイッチからの入力が無効化となる。したがって、扉体が圧迫完了状態にある時に、室外側操作部の圧迫解除スイッチ入力が行われてもスイッチ入力が無効となる。ここで、室外側操作部(第1室外側スイッチボックスSB1)の圧迫解除スイッチの無効化には幾つかの態様が考えられ、少なくとも圧迫解除スイッチを含む個別のスイッチを無効とする場合、あるいは、室外側操作部全体を無効とする場合が例示される。また、スイッチの無効化には、当該スイッチ操作によって所定の信号自体が生成されない場合、あるいは、生成された所定の信号に基づく所定の作動自体を無効とする場合が例示できる。
シャッターカーテンが垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態となった場合、すなわち、止水状態において、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3の圧迫解除ボタンS5は有効であり、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3のいずれかの圧迫解除ボタンS5を押すことで、シャッターカーテンの圧迫状態を解除することができる。
本実施形態に係る防水扉は、無効化された第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5の有効化手段ないしロック解除手段を備えている。第1室外側スイッチボックスSB1のロック解除操作について説明する。図25に示すように、予め設定したスイッチの組み合わせ操作によって、圧迫解除スイッチの無効化状態が解除される。圧迫解除スイッチ無効状態の解除は一定時間だけ行われ、当該一定時間内に圧迫解除スイッチの入力があった場合には、圧迫解除スイッチ入力が有効であり、当該一定時間内に圧迫解除スイッチの入力が無い場合には、圧迫解除スイッチ無効化状態に戻る。1つの実施態様では、以下の手順によりロック解除が行われる。
(ア)第1室外側スイッチボックスSB1の停止ボタンS3を押しながら、非常閉鎖ボタンS6以外のボタン(開放ボタンS1、閉鎖ボタンS2、圧迫ボタンS4、圧迫解除ボタンS5)を同時に、5秒間押し続ける。
なお、上記操作は一例に過ぎず、その他の任意の組み合わせを採用することができる。
(イ)非常閉鎖ボタンS6と圧迫ボタンS4が交互に2回点滅し、ロック解除を知らせる。
ロック解除を知らせる手段は、これには限定されず、例えば、所定時間だけ音を出力してもよい。
(ウ)ロック解除は、(イ)の交互点滅開始後5秒間である。5秒以内に圧迫解除ボタンS5の押し操作により、圧迫解除ボタンS5が有効に入力され、圧迫状態が解除される。圧迫状態解除後は、再び圧迫ボタンS4を押さない限り、ロック状態となることはない。5秒以内に圧迫解除ボタンS5の操作が行われない場合には、再びロック状態となる。
上記態様では、第1室外側スイッチボックスSB1について予め設定したスイッチの組み合わせ操作が行われた時にのみ第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除スイッチ無効化状態が解除される。
なお、第1室外側スイッチボックスSB1以外のスイッチ、すなわち、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3のいずれかの圧迫解除ボタンS5の入力操作が行われた時に、第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除スイッチ無効化状態が解除されるようにしてもよい。
防水扉を圧迫状態とした後で、結果的に第1室外側スイッチボックスSB1が水没ないし浸水しなかった場合には、上記ロック解除によって、室内側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5のロック状態を解除し、当該圧迫解除ボタンS5を押すことで、防水扉の圧迫状態が解除される。その後の第1室外側スイッチボックスSB1は有効なものとして継続使用することができる。また、ロック状態の解除が行われたことをもって当該第1室外側スイッチボックスSB1の信頼性を確認することができる。第1室外側スイッチボックスSB1が浸水した場合やロック状態解除が良好にできなかった場合には、新しいスイッチと交換すればよい。
[D]最上位パネルの構成
図26〜図34を参照しつつ、最上位パネル1の実施形態について詳細に説明する。最上位パネル1の幅方向の所定部位には、第1圧迫機構7の押圧部72に対応して、凹部(R1、R2、R3)が形成されている。凹部(R1、R2、R3)の幅寸法は、押圧部72の第3リンク723の下面の幅よりも大きく、凹部(R1、R2、R3)の底部が押圧部72の第3リンク723の下面の当接面(図示の態様では、前記底部に固定された当接プレート105)となっている。垂直圧迫時には、第1圧迫機構7の押圧部72の第3リンク723が前記当接部に当接するように構成されている。図示の態様では、1つの第1圧迫機構の押圧部に対して1つの凹部が形成されているが、1つの凹部(大きい幅寸法を備える)が複数の押圧部に対応するものでもよい。図示の態様では、最上位パネルに凹部が切り欠き形成されているが(凹部の左右部位を残して)、最上位パネルの上端側を幅方向全体に亘って切り落とすと共に、所定部位(例えば、幅方向両側)に、収納レール5(図4参照)に案内されるガイドローラ11(図10参照)の装着部位を確保するためにブロックやプレートを突設させることで凹部を形成してもよい。
図26、図27、図28に示すように、最上位パネル1は、アルミ押出形材から一体成形されており、室外側面部100、室内側面部101、上端面102、下端面103を備えている。室外側面部100と室内側面部101の間には、水平状の複数の横片104が高さ方向に間隔を存して一体成形されている。上から3つの横片104のパネル厚方向の中間部位は肉厚に形成されている。最上位パネル1の室外側面部100の上端側には、室外側面部100から当該パネル1の上端面102を越えて上方に垂直に伸びる室外側垂直片1000が形成されており、最上位パネル1の室内側面部101の上端側には、当該室内側面部101を凹ませて室内側段差部1011が形成されている。なお、最上位パネル1の構成は、上端側の幅方向の所定部位に凹部(R1、R2、R3)が切り欠き形成されている点を除いて、他のパネル1と同様であり、必要な場合には、パネル1についての既述の記載を適宜援用することができる。
図26に示す態様では、3つの第1圧迫機構7を備えた図1に対応しており、凹部R1は、第1圧迫機構7の押圧部72に対応するパネル幅方向の3ヶ所において、上端面102、室外側面部100(室外側垂直片1000を含む)、室内側面部101(室内側段差部1011を含む)を、複数の中間片104のうちの最上位の中間片104が凹部R1の底部となるように切り欠くことで形成され、水平状の底部と垂直状の切り欠き縁107、107から凹部R1が形成される。凹部R1の底部を形成する中間片104上にスチール製の当接プレート105を載置し、中間片104の肉厚部位に螺子106で止着することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部が形成されている。
図27に示す態様では、2つの第1圧迫機構7を備えた図1Aに対応しており、凹部R1は、第1圧迫機構7の押圧部72に対応するパネル幅方向の2ヶ所において、上端面102、室外側面部100(室外側垂直片1000を含む)、室内側面部101(室内側段差部1011を含む)を、複数の中間片104のうちの最上位の中間片104が凹部R1の底部となるように切り欠くことで形成され、水平状の底部と垂直状の切り欠き縁107、107から凹部R1が形成される。凹部R1の底部を形成する中間片104上にスチール製の当接プレート105を載置し、中間片104の肉厚部位に螺子106で止着することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部が形成されている。
図28(A)及び図29(A)に示す態様は、図26、図27に示す凹部R1に対応しており、凹部R1は、第1圧迫機構7の押圧部72に対応するパネル幅方向の所定部位において、上端面102、室外側面部100(室外側垂直片1000を含む)、室内側面部101(室内側段差部1011を含む)を、複数の中間片104の最上位の中間片104が凹部R1の底部となるように切り欠くことで形成され、底部を形成する中間片104上にスチール製の当接プレート105を載置し、中間片104の肉厚部位に螺子106で止着することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部が形成されている。凹部R1は、上端面102を基準として深さd1を有している。
図28(B)及び図29(B)に示す態様では、凹部R2は、第1圧迫機構7の押圧部72に対応するパネル幅方向の所定部位において、上端面102、室外側面部100(室外側垂直片1000を含む)、室内側面部101(室内側段差部1011を含む)を、複数の中間片104のうちの上から2番目の中間片104が凹部R2の底部となるように切り欠くことで形成され、底部を形成する中間片104上にスチール製の当接プレート105を載置し、中間片104の肉厚部位に螺子106で止着することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部が形成されている。凹部R2は、上端面102を基準として深さd2を有している。
図28(C)及び図29(C)に示す態様では、凹部R3は、第1圧迫機構7の押圧部72に対応するパネル幅方向の所定部位において、上端面102、室外側面部100(室外側垂直片1000を含む)、室内側面部101(室内側段差部1011を含む)を、複数の中間片104のうちの上から3番目の中間片104が凹部R3の底部となるように切り欠くことで形成され、底部を形成する中間片104上にスチール製の当接プレート105を載置し、中間片104の肉厚部位に螺子106で止着することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部が形成されている。凹部R3は、上端面102を基準として深さd3を有している。
本実施形態では、図14に示す垂直圧迫時(ピストンロッド71が最大伸長姿勢にある)に、第1圧迫機構7の押圧部72の第3リンク723の下面が凹部R1、R2、R3の底部の当接部に当接してシャッターカーテンを垂直方向に押し込んでいるように、第1圧迫機構7の取付位置、最上位パネル1に形成した凹部R1、R2、R3(深さd1、d2、d3)が決定される。なお、本実施形態では、異なる現場においてもシリンダ70のストロークは一定に保つようにし、シリンダ70のストロークの調整は行わない(ストローク調整の手間がかからない)。したがって、パネル収納空間Sにおける全閉状態にある扉体の最上位パネル1の上端面102の相対的な高さ位置、パネル収納空間Sにおける第1圧迫機構7の押圧部72(第3リンク723)の相対的な高さ位置、及び、これらの相対的な高さ位置に基づく最上位パネル1の上端面102と第1圧迫機構7の押圧部72の相対的な位置関係、に応じて、最上位パネル1に形成される凹部R1、R2、R3(深さd1、d2、d3)が決定される。以下、図30〜図33を参照しつつ具体的に説明する。
図30〜図33に示すように、建物開口部の開口高(床面F.L.と天井面C.L.間の距離)は、現場によって異なり得る。通常、パネルシャッターのシャッターカーテンは同じ高さ寸法の複数枚のパネル1から構成されるため(そもそも、図4に参照されるように、パネル収納時にはパネル1の上下が案内されるので、パネル1の高さを変えることは困難である)、全閉状態にあるシャッターカーテンの全高が、所与の開口高を越えるようにパネル1の枚数が選択される。例えば、図30、図31左図、中央図、右図、図32左図では、7枚のパネル1からシャッターカーテンが構成されており、図32右図、図33では、8枚のパネル1からシャッターカーテンが構成されている。すなわち、全閉状態にある最上位パネル1の上端面102の高さ位置は、シャッターカーテンを構成するパネル1の高さh(上端面102と下端面103間の距離、図26、図27参照)及び枚数によって決定され、そして、パネル1の枚数は、開口高に応じて決定される。最上位のパネル1の一部あるいは全体が天井面C.L.を越えてパネル収納空間S内に位置しているが、全閉状態にあるシャッターカーテンの最上位パネル1の上端面102の天井面C.L.を基準とする相対的な高さ位置(パネル収納空間Sにおける最上位パネル1の上端面102の相対的高さ位置)は、開口高(天井面C.L.の高さ)と全閉状態にあるシャッターカーテンの全高(床面F.L.と最上位パネル1の上端面102間の距離)とによって決定される。パネル収納空間Sにおける最上位パネル1の上端面102の相対的高さ位置(例えば、天井面C.L.を基準とする高さ)は、第1圧迫機構7の取付位置、及び、凹部R1、R2、R3の選択に影響を与え得る。最上位パネル1の凹部R1、R2、R3を選択する際に、パネル収納空間Sにおける最上位パネル1の上端面102の相対的高さ位置が重要な条件となる。
図30において、開口高2500mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×7枚であり、最上位のパネル1の略全体が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。図30に示す態様のように、パネル収納空間S内において、最上位パネル1の上端面102が比較的高い位置にあると、その分、第1圧迫機構7を上方に取り付ける必要があり、パネル収納空間Sの高さが決まっている場合には、第1圧迫機構7の取付位置が極めて限定される。図30に示す態様では、第1圧迫機構7をパネル収納空間S内で最も高い位置に配置すると共に、最上位パネル1に深さd3の凹部R3を形成することで第1圧迫機構7の押圧部72の当接部を確保するようになっている。
図31左図において、開口高2500mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×7枚であり、最上位のパネル1の略全体が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において上側に位置しており、最上位パネル1には、深さd2を有する凹部R2が形成されている。図31左図に示す態様において、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置を少し下げ、最上位パネル1に深さd3を有する凹部R3を形成することも可能である。
図31中図において、開口高2600mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×7枚であり、最上位のパネル1の略全体が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において上側に位置しており、最上位パネル1には、深さd1を有する凹部R1が形成されている。図31中図に示す態様において、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置を少し下げ、最上位パネル1に、深さd2を有する凹部R2、あるいは、深さd3を有する凹部R3を形成することも可能である。
図31右図において、開口高2700mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×7枚であり、最上位のパネル1の略上側半部が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において下側に位置しており、最上位パネル1には、深さd1を有する凹部R1が形成されている。図31右図に示す態様において、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置を少し下げ、最上位パネル1に深さd2を有する凹部R2を形成することも可能である。
図32左図において、開口高2800mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×7枚であり、最上位のパネル1の略上側半部が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において下側に位置しており、最上位パネル1には、深さd1を有する凹部R1が形成されている。32左図に示す態様では、第1圧迫機構7はパネル収納空間Sの最下位に配置されており、さらに下方に移動させることができない。そこで、最上位パネル1に深さd1の凹部R1を形成することで、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部を確保している。なお、図32左図に示すように、パネル収納空間S内において、最上位パネル1の上端面102が比較的低い位置にあると、最上位パネル1において、凹部R2、R3を選択することは困難である。
図32右図において、開口高2900mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×8枚であり、最上位のパネル1の略全体が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において上側に位置しており、最上位パネル1には、深さd3を有する凹部R3が形成されている。
図33において、開口高3000mmであり、シャッターカーテンの全高は、パネル1の高さh×8枚であり、最上位のパネル1の略全体が天井面よりも上方のパネル収納空間Sに位置している。第1圧迫機構7は、パネル収納空間S内において上側に位置しており、最上位パネル1には、深さd1を有する凹部R1が形成されている。図33に示す態様において、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7の高さ位置を少し下げ、最上位パネル1に、深さd2を有する凹部R2、あるいは、深さd3を有する凹部R3を形成することも可能である。
このように、本実施形態では、3つの異なる深さd1、d2、d3を備えた3つの凹部R1、R2、R3の選択肢が用意されていると共に、パネル収納空間S内における第1圧迫機構7(押圧部72)の高さ位置は、ベースフレーム76の取付位置、及び、ベースフレーム76に対するアクチュエータブラケット75の取付位置によって上下方向に調整可能となっており、凹部R1、R2、R3の選択と、第1圧迫機構7(押圧部72)の高さ位置の調整と、を組み合わせることで、高さ位置調整のパターンが多種多様となり、図30〜図33に例示するような、パネル収納空間Sにおける最上位パネル1と第1圧迫機構7の多様な納まり(パネル収納空間Sにおける最上位パネル1と第1圧迫機構7の多様な相対的位置)に良好に対応することができる。最上位パネルに当接部を備えた凹部R1、R2、R3を形成することで、パネル収納空間Sにおける第1圧迫機構7の上下方向の調整範囲が限定的な場合であっても、第1圧迫機構7の押圧部72の当接部を確保して良好に垂直圧迫動作を行うことを可能とし、また、パネル収納空間内における垂直圧迫手段の上下方向の移動量を大きく確保しておく必要が必ずしも無いので、パネル収納空間の納まりをコンパクトにすることができる。
図34に他の実施形態に係る最上位パネルを室内側から見た正面図及び側面図を示す。最上位パネル1には、第1圧迫機構7の押圧部72に対応して、凸部108が形成されている。凸部108の上面は、最上位パネル1の上端面102よりも高い当接部を形成しており、垂直圧迫時には、第1圧迫機構7の押圧部72が前記当接部に当接するように構成されている。凸部108は、例えば、所定高さのブロックを複数種類用意しておき、図示しない螺子で最上位パネル1の上端面102に設けられる。
1 パネル
100 室外側面部
101 室内側面部
2 ガイド体
7 第1圧迫機構
70 パワーシリンダ
71 ピストンロッド
72 押圧部
R1、R2、R3 凹部
d1、d2、d3 凹部の深さ

Claims (5)

  1. 建物開口部を閉鎖して第1側と第2側とに仕切る扉体と、
    全閉状態にある扉体を垂直方向に圧迫する垂直圧迫手段と、
    全閉状態にある扉体を第1側から第2側へ水平方向に圧迫する水平圧迫手段と、
    扉体を動作させる操作部と、
    を備え、
    前記扉体を構成する複数枚のパネルの最上位パネルの幅方向の1つ以上の所定部位には、当該最上位パネルの上端面よりも低い当接部を備えた凹部が形成されており、垂直圧迫時には、前記垂直圧迫手段の押圧部が前記当接部に当接するように構成されており、
    前記操作部を用いて、前記垂直圧迫手段および/あるいは前記水平圧迫手段による圧迫動作・圧迫解除動作が操作可能となっており、
    前記操作部とは別に遠隔操作部を備え、前記垂直圧迫手段および/あるいは前記水平圧迫手段による圧迫動作・圧迫解除動作が遠隔操作可能となっている、
    防水扉。
  2. 前記遠隔操作部は、前記建物開口部から遠隔する管理室に設けてある、請求項1に記載の防水扉。
  3. 前記管理室の制御装置には、防水扉の動作制御信号が移報接点出力される、請求項2に記載の防水扉。
  4. 前記動作制御信号には、扉体が全閉状態の時に出力される下限位置信号、垂直圧迫が解除されている状態の時に出力される垂直圧迫解除状態信号、垂直圧迫完了状態の時に出力される垂直圧迫状態信号、水平圧迫が解除されている状態の時に出力される水平圧迫解除状態信号、水平圧迫完了状態の時に出力される水平圧迫状態信号、が含まれる、請求項3に記載の防水扉。
  5. 前記管理室からの遠隔操作時には監視カメラを用いた安全確認が可能である、請求項2〜4いずれか1項に記載の防水扉。
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