JP6734564B2 - シラン処理フォルステライト微粒子及びその製造方法、並びにシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液及びその製造方法 - Google Patents

シラン処理フォルステライト微粒子及びその製造方法、並びにシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シラン処理フォルステライト微粒子及びその製造方法、並びにシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液及びその製造方法に関する。
従来、集積回路の封止材等として、絶縁性セラミックス(例えばシリカ)微粒子をエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂に充填したものが実用化されている。一方、近年の集積回路の高集積化・高容量化に伴い、集積回路内での信号の損失を小さくするため、特に高周波領域での誘電損失の低い絶縁材料の開発が進められている状況がある。ここで、フォルステライト(ケイ酸マグネシウム;MgSiO)は、高周波領域での誘電損失が小さく、また高い絶縁性を示すため、マイクロ波領域で使用される誘電体セラミックスの材料として注目を集めている。
このようなフォルステライトに関しては、Mg(OH)粉末又はMgO粉末と、平均一次粒子径10μm以下のSiO粉末と、を水中で混合粉砕し、スプレードライヤーによる噴霧乾燥後に1100℃で焼成し、その後、更に湿式粉砕、噴霧乾燥をすることにより、平均一次粒子径が0.05〜0.15μmのMgO−SiO系酸化物粉末を得る方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、マグネシウム量とケイ素量とがモル比で2:1になるように硝酸マグネシウム水溶液及びケイ酸エチル溶液を混合した混合液を、噴霧熱分解法により900℃にて熱分解することにより、フォルステライト粉末を得る方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。また、微小中空体無機材料若しくはその前駆物質が液状媒体中に溶解した溶液、又は液状媒体中に分散した分散液を微小液滴化し、その微小液滴化したものを、該無機材料が焼結又は溶融する高温雰囲気に供給することにより、結晶質微小中空体を得る方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。
更に、フォルステライトの表面を、シリコーンオイルやシランカップリング剤等によって疎水化処理することも記載されている(例えば特許文献4参照)。
特開2003−327470号公報 特開2003−2640号公報 特開平7−96165号公報 特開2007−240825号公報
しかしながら、特許文献1〜3の何れも、フォルステライト微粒子を有機溶媒に分散させるには至っていない。すなわち、例えば絶縁材料用のフィラーとしてフォルステライト微粒子を用いる場合、フォルステライト微粒子及び耐熱性樹脂の相溶性や、耐熱性樹脂へのフォルステライト微粒子の充填密度の観点から、フォルステライトのコロイド粒子が有機溶媒中で分散していることが強く要求されるのに対し、特許文献1〜3の何れも、かかる要求に応えることができていない。
また、特許文献4は、その実施例では、フォルステライト100質量部に対して比較的大過剰(20質量部)のシリコーンオイルを加えて疎水化処理するようになっている。このような手法では、フォルステライト表面の化学的な疎水化処理を効率よく進行させることはできず、しかも疎水化処理剤に由来する成分が系内に不要に残存する可能性も高くなる。よって、絶縁特性等の各種特性の発揮が阻害されることがあり、絶縁材料用のフィラーとして好適に用いることができる態様を提供するのが困難であった。
尚、このような課題は、絶縁材料用のフィラーに限られず、絶縁材料以外の複合材料用のマイクロフィラー、各種陶磁器、透光性装飾材等、他の用途における場合にも同様に存在するものである。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、各種陶磁器、透光性装飾材及び電子部品等、各種の用途に有用であり、一例として電子部品用に用いた場合には高周波領域での誘電損失の低い絶縁材料用に使用可能であって、且つエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂との相溶性及び充填密度の向上を図ることができるシラン処理フォルステライト微粒子及びその製造方法、並びにシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の態様であるシラン処理フォルステライト微粒子は、5〜100m/gの比表面積を有し、且つその表面積1nmあたり1〜5個のシリル基が結合してなるシラン処理フォルステライト微粒子であり、10GHzにおける誘電正接が0.01未満であることを特徴とする。
ここで、前記シリル基は、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
[式1]
−Si(R(X)3−n ・・・ (1)
(式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーター(SP値)が5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
上記目的を達成する本発明の他の態様であるシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液は、上記何れかに記載のシラン処理フォルステライト微粒子と、有機溶媒を含有する分散媒と、を含むことを特徴とする。
ここで、前記有機溶媒を含有する分散媒は、溶解パラメーター(SP値)が8〜15であることが好ましい。
また、前記有機溶媒は、メチルアルコール(SP値=14.5)、エチルアルコール(SP値=12.7)、イソプロピルアルコール(SP値=11.5)、ジメチルホルムアミド(SP値=12.0)、メチルセロソルブ(SP値=11.4)、エチルセロソルブ(SP値=9.9)、ブチルセロソルブ(SP値=8.9)、エチレングリコール(SP値=14.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.5)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=8.7)、1−ペンタノール(SP値=11.0)、メチルエチルケトン(SP値=9.3)、メチルイソブチルケトン(SP値=8.3)、シクロヘキサノン(SP値=9.8)、酢酸エチル(SP値=9.1)、酢酸ブチル(SP値=8.5)、トルエン(SP値=8.9)、メタクリル酸メチル(SP値=9.9)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値=10.0)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値=9.1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(SP値=10.4)、及びビスフェノールF型樹脂(SP値=10.8)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である第1の態様のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法は、下記(a)工程及び(b)工程を有することを特徴する。
(a)工程:5〜100m/gの比表面積を有するフォルステライト微粒子を、有機溶媒を含有する分散媒中でビーズミルにより湿式粉砕することにより、有機溶媒分散液を得る工程。
(b)工程:前記(a)工程で得られた有機溶媒分散液に、下記式(2)
Si(R(X)4−n ・・・ (2)
(式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーター(SP値)が5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
で表される有機珪素化合物及び/又はその加水分解物を、前記フォルステライト微粒子に対する有機珪素化合物の質量比(有機珪素化合物/フォルステライト微粒子)が0.01〜0.50となるように添加して、下記式(1)
−Si(R(X)3−n ・・・ (1)
(式中、R、X及びnは前記と同様である。)
で表されるシリル基を、前記フォルステライト微粒子の表面に結合させる工程。
ここで、前記有機溶媒を含有する分散媒は、溶解パラメーター(SP値)が8〜15であることが好ましい。
また、前記有機溶媒は、メチルアルコール(SP値=14.5)、エチルアルコール(SP値=12.7)、イソプロピルアルコール(SP値=11.5)、ジメチルホルムアミド(SP値=12.0)、メチルセロソルブ(SP値=11.4)、エチルセロソルブ(SP値=9.9)、ブチルセロソルブ(SP値=8.9)、エチレングリコール(SP値=14.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.5)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=8.7)、1−ペンタノール(SP値=11.0)、メチルエチルケトン(SP値=9.3)、メチルイソブチルケトン(SP値=8.3)、シクロヘキサノン(SP値=9.8)、酢酸エチル(SP値=9.1)、酢酸ブチル(SP値=8.5)、トルエン(SP値=8.9)、メタクリル酸メチル(SP値=9.9)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値=10.0)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値=9.1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(SP値=10.4)、及びビスフェノールF型樹脂(SP値=10.8)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、下記(c)工程を更に有することが好ましい。
(c)工程:前記(b)工程で得られた有機溶媒分散液における前記分散媒の少なくとも一部を、他の有機溶媒に置換する工程。
また、前記有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
上記の目的を達成する本発明の更に他の態様であるシラン処理フォルステライト微粒子の製造方法は、下記(A)工程及び(B)工程を有することを特徴する。
(A)工程:上記の何れかに記載の製造方法によりシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液を得る工程。
(B)工程:前記有機溶媒分散液に含まれる前記分散媒を除去する工程。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である電線被覆剤は、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である絶縁塗料は、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である碍子は、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である電子管部品は、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である回路部品基板は、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の更に他の態様である半導体用パッケージは、上記に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする。
本発明によれば、シラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液を、例えば絶縁材料用のフィラーとして用いる場合において、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂との相溶性や耐熱性樹脂への充填密度の向上を図ることができる。しかもそれだけでなく、シラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液を、高屈折率コーティング剤、反射防止剤、金属、プラスチックス及びセラミックス等の複合材料用のマイクロフィラーとしても好適に用いることができる。その上、シラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液を、マイクロ波領域で使用される誘電体セラミックス焼結体用に用いる場合には、その焼結温度を下げることも可能となる。特にガラス成分との併用により、電気抵抗の低いAg系導体と同時焼成することができる900℃以下の低温域での焼結が可能であると共に、低い誘電正接(tanδ)を有する低温焼成基板を作製することができるので、高周波回路に十分対応することができる基板を提供することもできる。
また、本発明によれば、各種陶磁器、透光性装飾材及び電子部品等(更に具体的には、電線被覆剤、絶縁塗料、碍子、電子管部品、回路部品基板及び半導体用パッケージ等)、各種用途に有用であり、一例として電子部品用に用いた場合には高周波領域での誘電損失の低い絶縁材料として使用可能であって、且つ耐熱性樹脂との相溶性及び充填密度の向上を図ることができる上記シラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液を、好適に製造できる。特に本発明で得られるシラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液を用いて調製されるエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂との複合体は、具体的には、例えば、衛星放送関連機器等に代表される高周波機器や情報処理機器のプリント回路基板材料として極めて好適に使用できる。更に本発明の耐熱性樹脂との複合体は、例えば、チップキャリアやピングリッドアレイ等の半導体パッケージの分野、抵抗器、スイッチ、コンデンサ、フォトセンサ等のベース部品からICソケットやコネクタ等の機構部品に至るまで、幅広い範囲で応用可能である。また身近なところでは、電子レンジ用の容器類にも使用が可能である。
以下、本発明の実施形態に係るシラン処理フォルステライト微粒子及びその製造方法、並びにシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液及びその製造方法について詳述する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変更が可能である。
本実施形態に係るシラン処理フォルステライト微粒子(以下「本実施形態に係る微粒子」と略記する場合がある。)は、5〜100m/gの比表面積を有し、且つその表面積1nmあたり1〜5個のシリル基が結合してなる。このような本実施形態に係る微粒子は、ビーズミルによる湿式粉砕によって所定のフォルステライト微粒子を得て、そのフォルステライト微粒子の表面に露出するOH基をシラン処理(疎水化処理)することで作製できる。
フォルステライトは、高周波領域での誘電損失が小さく、絶縁性に優れ、また絶縁破壊電圧耐性にも優れるものである。ここでのフォルステライトは、MgSiO(珪酸マグネシウム)の組成からなるものをいうが、フォルステライトとしての上記特性が発揮される範囲内でMgSiOを主成分としている限り、本明細書にいうフォルステライトに含まれる。つまり、「フォルステライト」は、本発明の要旨を変更しない範囲内であれば、本実施形態に係る微粒子の用途等に応じ、MgSiO以外の組成からなるものを含んでいてもよい。
本実施形態に係る微粒子の比表面積は、5〜100m/gである。比表面積が上記範囲より小さい(粒子径が大きい)と、微粒子としての特性が発揮されず、有機溶媒を含有する分散媒中で分散状態を実現できない等の不具合が生じる。一方、比表面積が上記範囲より大きい(粒子径が小さい)と、その表面をシラン処理するシランカップリング剤の使用量が増大するため現実的でなくなり、またフォルステライト化合物の湿式粉砕に過度な労力を要することにもなる。
本明細書にいう比表面積は、シラン処理フォルステライト微粒子の単位質量あたりの表面積である。尚、このような比表面積は、例えば窒素吸着法により測定できる。
本実施形態に係る微粒子の表面積1nmあたりのシリル基の結合数は、1〜5個である。シリル基の結合数が上記範囲より小さいと、ビーズミルによる湿式粉砕によってフォルステライト微粒子の表面を疎水化しきれず、シラン処理による疎水化機能が発揮されなくなる。一方、上記比表面積との関係で、該フォルステライト微粒子の表面に上記範囲より大きい結合数のシリル基を結合させるのは困難である。
従って、本実施形態に係る微粒子において、表面積1nmあたりのシリル基の結合数は、1〜3個が好ましく、2〜3個がより好ましい。シリル基の結合数が上記範囲であることで、シラン処理による疎水化機能が好適に発揮される。しかも、必要に応じて実施される後の工程で、本実施形態に係る微粒子の有機溶媒分散液を得たとき、その有機溶媒を他の有機溶媒に置換して疎水性を更に高める処理を進行させることができる。尚、後述する比較例において、本実施形態に係る微粒子のように疎水化処理を施したフォルステライト微粒子でないと、有機溶媒を置換したとき、所定時間の経過によって微粒子の沈降が生じ、分散状態を維持できなくなることが確かめられている。
このようなシリル基の結合は、フォルステライト微粒子に応じた割合(すなわち表面積1nmあたりシリル基が1〜5個に相当する割合)でシランカップリング剤を配合することにより、効率よく実現できる。逆に、疎水化のための処理剤をフォルステライト微粒子に対して大過剰に配合するのは、処理剤同士の意図しない重合等が引き起こされて疎水化処理効率が低下する場合があり、また過剰量の処理剤に由来する成分が系内に不要に残存しやすくなるため、好ましくない。
本明細書にいうシリル基の結合数は、フォルステライト微粒子の表面に化学的に結合しているものを指す。従って、例えば疎水化のための処理剤がフォルステライト微粒子の表面に単に物理的に吸着しているものは、本実施形態にいうシリル基の結合数に含まれない。このような吸着は、疎水化のための処理剤をフォルステライト微粒子に対して大過剰に配合したときに生じやすいので、本実施形態のように、フォルステライト微粒子に応じた割合(フォルステライト微粒子の表面積1nmあたりシリル基が1〜5個に相当)でシランカップリング剤を配合するのが好ましい。尚、シラン処理フォルステライト微粒子の表面積1nmあたりのシリル基の結合数は、例えばICP発光分光分析法やCHN元素分析法により測定できる。
ここで、本実施形態に係る微粒子において、シリル基は下記式(1)で表される。
[式1]
−Si(R(X)3−n ・・・ (1)
(式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーターが5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
上記式(1)中、Rは、溶解パラメーターが5.5〜11.5である。溶解パラメーターの差が小さいほど溶解度が大きくなる傾向があり、溶解パラメーターが上記範囲内にあることで、有機溶媒を含有する分散媒中にフォルステライト微粒子を分散させやすくなる。
ここでのFedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーター(SP値)は、溶解度パラメーターや溶解性パラメーターとも称されることがあり、例えば下記式により算出される。
溶解パラメーター(δ)=(Ev/v)1/2=(ΣΔei/Δvi)1/2(Ev:蒸発エネルギー、v:モル体積、Δei:i成分の原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:i成分の原子又は原子団のモル体積である。)
溶解パラメーターの算出に使用する原子又は原子団の蒸発エネルギーやモル体積は、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,147(1974)を参照して得ることができる。勿論、本発明の要旨を変更しない範囲において、他の方法により得られた値を用いるようにしてもよい。
また、上記式(1)中、アルキル基は、有機溶媒を含有する分散媒への溶解性の観点から、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜18のものである。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、デシル基、ドデシル基及びオクタデシル基等が挙げられる。
また、上記式(1)中、アリール基は、フェニル基やナフチル基等である。有機溶媒を含有する分散媒への溶解性の観点から、好ましくはフェニル基である。
このようなR1は、置換又は無置換のものである。R1が有していてもよい置換基は特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族へテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルケニル基(ビニル、1-プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
また、上記式(1)中、Xは、加水分解可能な基であり、例えば水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。このうちアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基が挙げられる。更に、上記式(1)中、nは、好ましくは1〜2であり、特に好ましくは1である。
このようなシリル基において、すべてのシリル基が同一構成である必要はなく、複数のR1、X及びnは、それぞれ互いに異なってもよい。異なるRを含む場合には、その存在割合を考慮してRの実質的な溶解パラメーターを定めることができ、この実質的な溶解パラメーターが5.5〜11.5であればよい。よって、本発明の要旨を変更しない範囲において、Rの実質的な溶解パラメーターが5.5〜11.5となる限り、溶解パラメーターが5.5〜11.5から外れたRを含むことが許容される。
以上説明したシラン処理フォルステライト微粒子と、有機溶媒を含有する分散媒と、を含むことにより、本実施形態に係るシラン処理フォルステライトの有機溶媒分散液(以下「本実施形態に係る有機溶媒分散液」と略記する場合がある。)となる。
このうちシラン処理フォルステライト微粒子は、上記の本実施形態に係る微粒子を用いることができる。本発明の要旨の範囲内において、本実施形態に係る有機溶媒分散液の用途等に応じ、他の微粒子を含んでいても構わない。
また、有機溶媒を含有する分散媒は、溶解パラメーターが8〜15であることが好ましい。エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂と混合する場合、溶解パラメーターが耐熱性樹脂に近いことが好ましく、上記範囲の溶解パラメーターを有する分散媒が用いられることで、フォルステライトのコロイド粒子が分散媒中で分散している態様を実現しやすくなり、しかも上記耐熱性樹脂に好適に充填できる。よって、複合材料用のマイクロフィラー、各種陶磁器及び透光性装飾材等、各種用途に用いやすくなり、特に絶縁材料用のフィラーとしての用途に有利となる。
溶解パラメーターが8〜15である有機溶媒としては、メチルアルコール(SP値=14.5)、エチルアルコール(SP値=12.7)、イソプロピルアルコール(SP値=11.5)、ジメチルホルムアミド(SP値=12.0)、メチルセロソルブ(SP値=11.4)、エチルセロソルブ(SP値=9.9)、ブチルセロソルブ(SP値=8.9)、エチレングリコール(SP値=14.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.5)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=8.7)、1−ペンタノール(SP値=11.0)、メチルエチルケトン(SP値=9.3)、メチルイソブチルケトン(SP値=8.3)、シクロヘキサノン(SP値=9.8)、酢酸エチル(SP値=9.1)、酢酸ブチル(SP値=8.5)、トルエン(SP値=8.9)、メタクリル酸メチル(SP値=9.9)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値=10.0)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値=9.1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(SP値=10.4)、及びビスフェノールF型樹脂(SP値=10.8)等が挙げられる。ただし、有機溶媒は前記の例に限定されず、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
分散媒は、水を含有していてもよい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水や超純水等が挙げられる。このような水は、本実施形態に係る有機溶媒分散液の用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、電子材料用に高純度な有機溶媒分散液を製造する場合には、特に不純物の少ない純水や超純水を好適に用いることができる。ただし、水は前記の例に限定されず、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
このような本実施形態に係る有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることが好ましい。水分含有量が上記範囲内であれば、耐熱性樹脂への溶解性が損なわれることがなく、従って、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂に好適に混合できる。
このような本実施形態に係る有機溶媒分散液は、シラン処理フォルステライト微粒子の全金属酸化物の合計に対して0.1〜50質量%であり、好ましくは1〜30質量%である。全金属酸化物の合計に対する有機溶媒分散液の割合が上記範囲より大きいと、フォルステライト(MgSiO)に対して分散媒が過剰状態となる一方、全金属酸化物の合計に対する有機溶媒分散液の割合が上記範囲より小さいと、フォルステライト(MgSiO)に対して分散媒が不足状態となる。このような過剰状態や不足状態であると、本実施形態に係る有機溶媒分散液の用途等によっては、本発明の機能が有効に発揮されにくくなる。ただし、前記の例に限定されず、必要に応じて、例えば全金属酸化物の合計に対して50質量%より高くすることも可能である。
次に、本実施形態に係る微粒子の製造方法、及び本実施形態に係る有機溶媒分散液の製造方法について説明する。
本実施形態に係る有機溶媒分散液の製造方法は、下記(a)工程及び(b)工程を有するものである。
(a)工程:5〜100m/gの比表面積を有するフォルステライト微粒子を、有機溶媒を含有する分散媒中でビーズミルにより湿式粉砕することにより、有機溶媒分散液を得る工程。
(b)工程:前記(a)工程で得られた有機溶媒分散液に、下記式(2)
Si(R(X)4−n ・・・ (2)
(式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーターが5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
で表される有機珪素化合物及び/又はその加水分解物を、前記フォルステライト微粒子に対する有機珪素化合物の質量比(有機珪素化合物/フォルステライト微粒子)が0.01〜0.50となるように添加して、下記式(1)
−Si(R(X)3−n ・・・ (1)
(式中、R、X及びnは前記と同様である。)
で表されるシリル基を、前記フォルステライト微粒子の表面に結合させる工程。
(a)工程において、5〜100m/gの比表面積を有するフォルステライト微粒子は、それ自体は公知の方法、例えば固相法や噴霧熱分解法により得ることができる。勿論、他の方法によりかかるフォルステライト微粒子を得るようにしてもよい。
有機溶媒を含有する分散媒は、上記で説明したものを用いることができる。そして、ビースミルによる湿式粉砕(以下「ビーズミル処理」と称する場合がある)に使用する装置は特に限定されるものではなく、それ自体は公知の手法、ボールミル、サンドグラインダー、連続式ビーズミル等を使用することができる。
ビーズミル処理時のフォルステライト微粒子の濃度は、1〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。これによれば、フォルステライト微粒子の表面を、後の工程で効率よくシラン処理(疎水化処理)できるようになる。ただし、ビーズミル処理時のフォルステライト微粒子の濃度は、前記の例に限定されない。
(b)工程において、上記式(2)で表される化合物(有機珪素化合物)としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。特にメチルトリメトキシシラン(上記式(1)中、RのSP値=5.8)、フェニルトリメトキシシラン(上記式(1)中、RのSP値=10.3)、メチルトリエトキシシラン(上記式(1)中、RのSP値=5.8)、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(上記式(1)中、RのSP値=9.5)、アミノプロピルトリメトキシシラン(上記式(1)中、RのSP値=9.9)が好ましい。
更に、上記式(2)で表される化合物(有機珪素化合物の加水分解物)として、上記に例示した有機珪素化合物の加水分解物も挙げられる。特にメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物が好ましい。ここでの有機珪素化合物の加水分解物は、上記式(2)中のR1及びXの一部又は全部が水素原子に置換された化合物である。このような有機珪素化合物の加水分解は、有機珪素化合物に水を添加し、又は所望により塩酸水溶液、硫酸水溶液若しくは酢酸水溶液の酸性水溶液を添加することで得られる。
上記式(2)で表される有機珪素化合物やその加水分解物は、それぞれ、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。有機珪素化合物とその加水分解物とを併用することも可能である。
(b)工程で用いられる上記式(2)の化合物の例示は上記の通りであり、このような上記式(2)で表される化合物を、(a)工程で得られたフォルステライト微粒子の親水性有機溶媒分散液に添加して熟成することにより、上記式(1)で表されるシリル基が、フォルステライト微粒子の表面に結合される(疎水化処理)。このような疎水化処理を経ることで、必要に応じて実施される後の(c)工程において、有機溶媒の置換により疎水性を更に高める処理を進行させることができる。後述する比較例において、本実施形態に係る微粒子のように疎水化処理を施したフォルステライト微粒子でないと、有機溶媒を置換したとき、所定時間の経過によって微粒子の沈降が生じ、分散状態を維持できなくなることが確かめられている。
上記式(2)で表される化合物から上記式(1)で表されるシリル基が生成するためには、有機珪素化合物及び/又はその加水分解物1モルに対し、好ましくは1〜4モルの水が必要となる。このような水は、あらかじめ有機溶媒分散液に含有させてもよく、また有機珪素化合物の添加後に加えてもよい。
有機珪素化合物及び/又はその加水分解物が添加された後は熟成が行われる。熟成温度は常温から用いられる親水性有機溶媒の沸点の範囲で行うことができ、有機溶媒の沸点付近で行う方がシリル基の反応効率がよく、好ましい。上記の熟成は、大気圧下で行うことができ、還流下で行うことが好ましい。また、上記式(2)の有機珪素化合物は予め加水分解を行ったものを添加してもよい。
このような(b)工程を行うことにより、フォルステライト微粒子の表面積1nmあたり1〜5個のシリル基が結合しているシラン処理フォルステライトの有機溶媒分散液が得られる。得られる親水性有機溶媒分散液の固形分濃度は、シラン処理フォルステライト微粒子の全金属酸化物濃度として10〜70質量%が好ましい。
ここで、本実施形態に係る有機溶媒分散液の製造方法は、下記(c)工程を更に有することが好ましい。
(c)工程:上記(b)工程で得られた有機溶媒分散液における分散媒の少なくとも一部を、他の有機溶媒に置換する工程。
分散媒を他の有機溶媒に置換する際、分散媒の温度は、室温から他の有機溶媒の沸点の範囲で行われる。この(c)工程で得られる分散媒の全金属酸化物濃度は、シラン処理フォルステライト微粒子の全金属酸化物濃度として10〜70質量%である。
ここでの他の有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(SP値=12.0)、メチルセロソルブ(SP値=11.4)、エチルセロソルブ(SP値=9.9)、ブチルセロソルブ(SP値=8.9)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.5)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=8.7)、メチルエチルケトン(SP値=9.3)、メチルイソブチルケトン(SP値=8.3)、シクロヘキサノン(SP値=9.8)、酢酸エチル(SP値=9.1)、酢酸ブチル(SP値=8.5)、トルエン(SP値=8.9)、メタクリル酸メチル(SP値=9.9)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値=10.0)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値=9.1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(SP値=10.4)、及びビスフェノールF型樹脂(SP値=10.8)等が挙げられるが、前記の例に限定されない。分散媒を置換する他の有機溶媒は、1種単独でも用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る有機溶媒分散液の水分含有量が多い場合、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂に混合する場合において、耐熱性樹脂の溶解性が損なわれる可能性がある。従って、本実施形態に係る有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[物性の測定方法]
物性の測定方法は以下のとおりである。
水分含有量:カールフィッシャー滴定法にて求めた。
動的光散乱法粒子径:分散液を分散溶媒で希釈し、溶媒のパラメーターを用いて、動的光散乱法測定装置(ゼータサイザーナノS(商品名):マルバーン社製)で測定した。
比重:浮き秤法にて求めた(20℃)。
粘度:BL型粘度計にて求めた(25℃)。
比表面積:窒素吸着法にて求めた。
尚、シラン処理フォルステライト微粒子の表面積1nmあたりシリル基の結合数は、CHN元素分析により算出した。
[製造例1(フォルステライト微粒子の製造)]
純水2058.2gにクエン酸一水和物(昭和電工(株)製、16M、100質量%)252.2gを溶解し、10.0質量%クエン酸水溶液を得た。得られたクエン酸水溶液を撹拌しながら水酸化マグネシウム(宇部マテリアルズ(株)製、UD−653、MgO含有量65.7質量%)108.3gを添加し、室温下で1時間撹拌することにより、クエン酸マグネシウム水溶液を得た。得られたクエン酸マグネシウム水溶液の固形分濃度(MgO換算)は3.0質量%であった。
コロイダルシリカ(スノーテックス(登録商標)OXS、日産化学工業(株)製、シリカ濃度10.6質量%、電子顕微鏡観察による一次粒子径5nm)425.2gに純水190.9gを混合後、上記のクエン酸マグネシウム水溶液2022.4gを添加し、室温下で30分間撹拌した。得られた混合液2639gをスプレードライヤー(パルビスミニスプレーGA−22型、ヤマト科学(株)製)を使用して、入口温度180℃、アトマイジングエアー圧力1.35kgf/cm、アスピレーター流量0.30m/分、混合液の送液速度5g/分の条件にて乾燥を行った。このときのスプレードライヤーの出口温度は80±2℃であった。上記の操作を2回繰り返すことにより、計407.5gの白色乾燥粉が得られた。
得られた乾燥粉185gを坩堝に入れ、電気炉を使用して大気中で500℃の温度で2時間焼成し、次いで大気中で800℃の温度で2時間焼成を行った。上記の焼成操作を2回繰り返すことにより計108.9gの白色粉末を得た。得られた白色粉末をX線回折分析により同定したところ、生成相はフォルステライトのほぼ単一相であり、窒素吸着法による比表面積は15.5m/gであった。
[実施例1]
製造例1にて得られたフォルステライト微粒子99gにジルコニアビーズ(ビーズ径1mm)1240gとイソプロパノール231gとを添加し、45時間ボールミル処理を行った後、ビーズを除去することにより、337gのフォルステライト微粒子スラリーを得た。得られたフォルステライト微粒子スラリーの300℃焼成による固形分濃度は28.4質量%であった。次いで、該フォルステライト微粒子スラリー332gにイソプロパノール139gを添加し、連続式湿式粉砕機(商品名:ウルトラアペックスミルUAM015、寿工業(株)製)を使用して、ビーズミルによる湿式粉砕を行った。尚、ビーズはジルコニアビーズ(ビーズ径0.05mm)を使用し、周速は10m/s、循環流量は100mL/分とし、処理時間は1時間とした。湿式粉砕後、30時間静置し、未粉砕物を除去して、フォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液367gを得た。得られたフォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液の固形分濃度は12.2質量%、水分は0.7質量%であり、300℃にて1時間乾燥した乾燥粉の比表面積は21.0m/gであった。
得られたフォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液246.3gを500mLナス型フラスコに収容し、これに水0.85gと、シランカップリング剤としての3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越化学工業(株)製)0.78g(フォルステライト微粒子の表面積1nmあたり3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが3個に相当)を添加し、オイルバス中で加熱し還流加熱を5時間行うことにより、シラン処理フォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液143gを得た。得られたイソプロパノール分散液は、水分0.5質量%、動的光散乱法粒子径313nm、比重0.938、粘度4.6mPa・sであった。また、800℃にて焼成することにより求めた固形分濃度は21.3質量%であった。
[実施例2]
実施例1で得られたシラン処理フォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液118gを、エバポレーターを用いて150Torrでメチルエチルケトン3.3Lを添加しながらイソプロパノールを留去することにより、イソプロパノールをメチルエチルケトンに置換して、シラン処理フォルステライト微粒子のメチルエチルケトン分散液131gを得た。得られたメチルエチルケトン分散液は、水分0.1質量%、動的光散乱法粒子径180nm、比重0.912、粘度0.8mPa・sであった。また、800℃にて焼成することにより求めた固形分濃度は15.4質量%であった。
上記で得られたシラン処理フォルステライトのメチルエチルケトン分散液を130℃に設定したホットプレート上で乾燥させ、さらに100℃で真空乾燥した。得られた乾燥粉をアルミナ乳鉢で解砕することで粒度を細かくした後、150℃でおよそ10時間乾燥させた。得られたシラン処理フォルステライト微粒子の乾燥粉の比誘電率・誘電正接測定を専用の装置(ベクトルネットワークアナライザ Anritsu37225C、キーコム社製)を用い、摂動方式共振器法にて、試験周波数1GHzまたは10GHz、試験温度約24℃、湿度約45%、測定回数3回として実施した。シラン処理フォルステライトの比誘電率は10.3(@1GHz)、7.7(@10GHz)であり、誘電正接(tanδ)は0.005(@1GHz)、0.007(@10GHz)であった。一般に、誘電正接は微粒子化により悪化することが知られているが、本発明においては1GHz及び10GHzの高周波域においても0.01未満と低い値を維持しており、高周波域での誘電損失が小さく、絶縁材料や絶縁性フィラーとしての応用が期待される。
[比較例1]
実施例1で得られたシラン処理前のフォルステライト微粒子のイソプロパノール分散液100gを、エバポレーターを用いて150Torrでメチルエチルケトン1.0Lを添加しながらイソプロパノールを留去することにより、イソプロパノールをメチルエチルケトンに置換したが、1時間の静置によりフォルステライト微粒子が沈降し、フォルステライト微粒子のメチルエチルケトン分散液を得ることはできなかった。
[実施例3]
実施例1で得られたシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液を利用して、シラン処理フォルステライト微粒子を含む各種製品の製造を試みた。ここでは、電線被覆剤、絶縁塗料、碍子、電子管部品、回路部品基板及び半導体用パッケージの製造を試みた。その結果、何れも好適に製造することができた。上記のように、実施例1に例示される本実施形態のシラン処理フォルステライト微粒子やその有機溶媒分散液等は、一例として電子部品用に用いた場合には高周波領域での誘電損失の低い絶縁材料として使用可能であって、且つエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂との相溶性及び充填密度の向上を図ることができるので、これらの各種製品についても同様に各種特性に優れるものと予想される。
なお、一例として電子部品用のエポキシ樹脂複合体として用いた場合の具体的手順は以下の通りである。
実施例2で得られたシラン処理フォルステライト微粒子のメチルエチルケトン分散液114.9gに対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170C、新日鉄住金化学(株)製)41.3gを添加し、スターラーで1時間撹拌した。その後、エバポレーターを用いて60℃、80Torrで1時間、60℃30Torrで1時間脱溶媒した。さらに窒素流通下で60℃、30Torrで30分間脱溶媒し、メチルエチルケトンを完全に除去することで、シラン処理フォルステライト微粒子のビスフェノールF型樹脂分散液59.0gを得た。得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂分散液に含まれるシラン処理フォルステライト微粒子の濃度は30.0質量%であり、凝集や増粘等は見られず、分散性や流動性の高い分散液であった。
[実施例4]
実施例2に記載の手法で得られたシラン処理フォルステライト微粒子のメチルエチルケトン分散液(800℃にて焼成することにより求めた固形分濃度は15.6質量%)113.5gに対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170C、新日鉄住金化学(株)製)26.5gを添加し、実施例3に記載の手法と同様に操作することで、シラン処理フォルステライト微粒子のビスフェノールF型樹脂分散液44.3gを得た。得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂分散液に含まれるシラン処理フォルステライト微粒子の濃度は40.0質量%であり、凝集や増粘等は見られず、分散性や流動性の高い分散液であった。
[実施例5]
実施例2に記載の手法で得られたシラン処理フォルステライト微粒子のメチルエチルケトン分散液(800℃にて焼成することにより求めた固形分濃度は15.5質量%)114.2gに対して、ヘキサヒドロフタル酸系無水物(リカシッド MH−700、新日本理化(株)製)26.5gを添加し、実施例3に記載の手法と同様に操作することで、シラン処理フォルステライト微粒子のヘキサヒドロフタル酸系無水物分散液44.3gを得た。得られたヘキサヒドロフタル酸系無水物分散液に含まれるシラン処理フォルステライト微粒子の濃度は40.0質量%であり、多少の粘度上昇は見られたが、凝集等は見られず、分散性の高い分散液であった。
[実施例6]
実施例3で得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂分散液59.0gに対して、硬化剤としてヘキサヒドロフタル酸系無水物(リカシッド MH−700、新日本理化(株)製)39.2gを添加し、スターラーで撹拌した後、さらに硬化促進剤としてジメチルベンジルアミン0.4g(ビスフェノールF型エポキシ樹脂に対して1質量%)を添加し、撹拌することでワニスを得た。得られたワニスを真空脱泡した後、縦約180mm、横約145mm、厚さ約1mmの型に流し込み、オーブン中で90℃で2時間、150℃で10時間加熱処理することで硬化処理を行った。徐冷後、型から取り出すことでシラン処理フォルステライト微粒子/エポキシ樹脂複合体を得た。得られたエポキシ樹脂複合体に含まれるシラン処理フォルステライト微粒子の濃度は19.0質量%であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂分散液でのように、シラン処理フォルステライト微粒子の凝集は見られず、均一な分散性を保っていた。
得られたシラン処理フォルステライト微粒子/エポキシ樹脂複合体の耐電圧試験を絶縁破壊試験器(YST―243WS形、ヤマヨ試験器製)を用い、JIS―C2110―1等に準拠した形で、試験電圧20kV、試験周波数200Hz、試験温度約20℃、破壊検出電流値10mA、試験片数2点として実施した。シラン処理フォルステライト微粒子/エポキシ樹脂複合体の絶縁破壊時間は平均で43.5時間と、フィラーを含まないエポキシ樹脂硬化物と同等以上の絶縁破壊時間を示し、絶縁性に優れた電子部品用のエポキシ樹脂複合体としての応用が可能であった。
[比較例2]
メチルエチルケトン102.0gに、市販の高純度合成フォルステライト粉末(HFF−SO、比表面積8.7m/g、丸ス釉薬製)18.0g、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170C、新日鉄住金化学製)42.0gを添加し、実施例3に記載の手法と同様に操作することで、フォルステライト粉末のビスフェノールF型樹脂分散スラリー60.0gを得た。ここに硬化剤としてヘキサヒドロフタル酸系無水物(リカシッド MH−700、新日本理化(株)製)39.9gを添加し、実施例6に記載の手法と同様に操作することでフォルステライト粉末/エポキシ樹脂複合体の調製を試みたが、オーブン中での加熱処理の際にフォルステライト粉末が型内で沈降してしまい、分散性の均一なエポキシ樹脂複合体は得られなかった。
[比較例3]
メチルエチルケトン102.0gに、市販の溶融シリカ粉末(SFP−20M、比表面積11.3m/g、電気化学工業(株)製)18.0g、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170C、新日鉄住金化学製)42.0gを添加し、実施例3に記載の手法と同様に操作することで、溶融シリカ粉末のビスフェノールF型樹脂分散スラリー60.0gを得た。ここに硬化剤としてヘキサヒドロフタル酸系無水物(リカシッド MH−700、新日本理化(株)製)39.9gを添加し、実施例6に記載の手法と同様に操作することで溶融シリカ粉末/エポキシ樹脂複合体を得た。得られたエポキシ樹脂複合体に含まれる溶融シリカ粉末の濃度は19.0質量%であり、溶融シリカ粉末の凝集は見られず、均一な分散性を保っていた。しかし、実施例6に記載の方法で同様に測定した溶融シリカ粉末/エポキシ樹脂複合体の絶縁破壊時間は平均で34.9時間と、フィラーを含まないエポキシ樹脂硬化物よりも短い絶縁破壊時間を示すと共に、測定のバラつきが大きく、絶縁性の優れたエポキシ樹脂複合体は得られなかった。

Claims (18)

  1. 5〜100m/gの比表面積を有し、且つその表面積1nmあたり1〜5個のシリル基が結合してなるシラン処理フォルステライト微粒子であり、10GHzにおける誘電正接が0.01未満であることを特徴とするシラン処理フォルステライト微粒子。
  2. 前記シリル基は、下記式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載のシラン処理フォルステライト微粒子。
    −Si(R(X)3−n ・・・ (1)
    (式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーター(SP値)が5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
  3. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子と、有機溶媒を含有する分散媒と、を含むことを特徴とする、シラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液。
  4. 前記有機溶媒を含有する分散媒は、溶解パラメーター(SP値)が8〜15であることを特徴とする請求項3に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液。
  5. 前記有機溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ペンタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メタクリル酸メチル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3又は4に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液。
  6. 前記有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液。
  7. 下記(a)工程及び(b)工程を有することを特徴する、請求項1記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法:
    (a)工程:5〜100m/gの比表面積を有するフォルステライト微粒子を、有機溶媒を含有する分散媒中でビーズミルにより湿式粉砕することにより、有機溶媒分散液を得る工程。
    (b)工程:前記(a)工程で得られた有機溶媒分散液に、下記式(2)
    Si(R(X)4−n ・・・ (2)
    (式中、Rは、Fedorsの推算法に基づき計算される溶解パラメーター(SP値)が5.5〜11.5であって、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも1種である。Xは、水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基の少なくとも一方である。nは、0〜3の整数である。)
    で表される有機珪素化合物及び/又はその加水分解物を、前記フォルステライト微粒子に対する有機珪素化合物の質量比(有機珪素化合物/フォルステライト微粒子)が0.01〜0.50となるように添加して、下記式(1)
    −Si(R(X)3−n ・・・ (1)
    (式中、R、X及びnは前記と同様である。)
    で表されるシリル基を、前記フォルステライト微粒子の表面に結合させる工程。
  8. 前記有機溶媒を含有する分散媒は、溶解パラメーター(SP値)が8〜15であることを特徴とする請求項7に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法。
  9. 前記有機溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−ペンタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メタクリル酸メチル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は8に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法。
  10. 下記(c)工程を更に有することを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法:
    (c)工程:前記(b)工程で得られた有機溶媒分散液における前記分散媒の少なくとも一部を、他の有機溶媒に置換する工程。
  11. 前記有機溶媒分散液の水分含有量は、5質量%以下であることを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載のシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液の製造方法。
  12. 下記(A)工程及び(B)工程を有することを特徴する、シラン処理フォルステライト微粒子の製造方法:
    (A)工程:請求項7〜11の何れか一項に記載の製造方法によりシラン処理フォルステライト微粒子の有機溶媒分散液を得る工程。
    (B)工程:前記有機溶媒分散液に含まれる前記分散媒を除去する工程。
  13. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする電線被覆剤。
  14. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする絶縁塗料。
  15. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする碍子。
  16. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする電子管部品。
  17. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする回路部品基板。
  18. 請求項1又は2に記載のシラン処理フォルステライト微粒子を含むことを特徴とする半導体用パッケージ。
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