JP6238683B2 - 導電性粒子 - Google Patents

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本発明は、導電性粒子及びその製造方法に関する。
従来、プラスチック等の非導電性材料に導電性を付与する方法として、導電性を付与する材料を添加する方法が知られている。このような導電性を付与する材料としては、例えば界面活性剤、金属粉末、カーボンブラック等が知られている。しかし、界面活性剤を例えばプラスチックに添加すると、得られるプラスチックの導電性が温度及び湿度によってばらつくことがある。金属粉末やカーボンブラックをプラスチックに添加すると、得られるプラスチックが黒色になり、プラスチックの用途が限定されることがある。
前記の技術とは別に、アンチモン等の元素をドープした酸化スズ粉末を導電性材料として用いることが知られている。また、酸化スズの表面を有機シラン化合物で被覆して粒子の分散性を高めることも提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。しかし、例えばアンチモンをドープした酸化スズ粉末をプラスチックに添加すると、プラスチックが青黒色になり、カーボンブラック等と同様にやはりプラスチックの用途が限定されることがある。またアンチモンの使用に起因する環境負荷の問題もある。
酸化スズにアンチモン等の元素をドープすることによる不都合を解消する目的で、ノンドープの酸化スズに酸素欠損を生じさせて、酸化スズの導電性を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。同文献には、酸化スズ粉末の表面を有機シラン化合物で表面処理することで、導電性の経時的な安定性を高めている。
特開2006−339113号公報 特開2009−155440号公報 特開2010−123302号公報
しかし、前記の各文献に記載されている導電性粒子は酸化スズとシラン化合物との密着性が十分とは言えず、そのことに起因して、粒子を分散させるときにシラン化合物が剥離し易く、分散性を向上させることが容易でない。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る導電性粒子を提供することにある。
本発明は、少なくとも表面域が導電性酸化スズを含む導電性粒子において、
前記導電性酸化スズが存在する部位は、該部位中に、前記導電性粒子の質量に対して0.005質量%以上0.50質量%以下のケイ素を含有し、
前記表面域の表面に、有機シラン化合物を含む有機表面処理層を有する、導電性粒子を提供するものである。
また本発明は、無機化合物の芯材表面にスズ及びケイ素を含む共沈物を生成させることを特徴とする、導電性粒子の製造方法を提供するものである。好ましくは、無機化合物の芯材を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物と、ケイ素源化合物とを混合し、
得られた混合スラリーをpH調整して、前記芯材の表面にスズ及びケイ素を含む共沈物を生成させて、共沈物付着粒子を製造し、
前記共沈物付着粒子を還元雰囲気下で焼成して、前記共沈物から、ケイ素を含有する導電性酸化スズの表面域が芯材の表面に生成した前駆体粒子を製造し、
前記前駆体粒子と有機シラン化合物とを混合して、前記表面域の表面に有機シラン化合物を含む有機表面処理層を形成する、導電性粒子の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、分散性が良好な導電性粒子が提供される。また本発明によれば、そのような導電性粒子を容易に製造し得る導電性粒子の製造方法が提供される。
以下、本発明の導電性粒子を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の導電性粒子は、少なくとも表面域が、SnOで表される導電性酸化スズを含んでいる。表面域よりも中心側に位置する中心域は、導電性酸化スズを含んで構成されているか、又は導電性酸化スズ以外の物質から構成される芯材からなる。導電性粒子がその中心域に芯材を有する場合、導電性酸化スズを含む表面域は、芯材の表面に形成されている。この場合、導電性酸化スズを含む表面域は、芯材の表面全域を被覆している。表面域は、導電性酸化スズからなっていてもよく、あるいは導電性酸化スズ及びその他の物質を含んで構成されていてもよい。
本発明の導電性粒子は、前記の表面域に、後述する有機表面処理層を有していることに起因して、有機溶媒中での分散性に優れたものとなる。したがって本発明の導電性粒子は、有機溶媒、例えば1−ペンタノール中に分散させた状態で、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって測定された累積体積50容量%における体積累積粒径D50が微粒のものとなる。具体的にはD50は、好ましくは0.1μm以上1.0μm以下であり、更に好ましくは0.1μm以上0.8μm以下であり、一層好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。粒径D50がこの範囲であると、導電性粒子が樹脂等の中に分散し易いものとなるので好ましい。
本発明の導電性粒子は、BET比表面積が15m/g以上80m/g以下であることが好ましく、20m/g以上75m/g以下であることが更に好ましく、22m/g以上73m/g以下であることが一層好ましい。導電性粒子のBET比表面積は、例えば(株)島津製作所製のモノソーブMS−17を用いて測定することができる。
導電性粒子が、上述した芯材を含んでいる場合、該芯材の材質としては、例えばアルミナ、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム、雲母、タルク、ホウ酸アルミニウム及びチタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。特に金属酸化物又は金属硫酸塩を用いることが好ましく、とりわけアルミナ、二酸化チタン、二酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を用いるか、又は硫酸バリウムなどの水難溶性金属硫酸塩を用いることが、導電性粒子の白色度を高める観点及び導電性粒子を樹脂等の中に分散し易くする観点から好ましい。芯材の形状は、その表面に導電性酸化スズを形成することが可能な形状であればよく、導電性粒子の具体的な用途に応じて適宜選択することができる。例えば球状、フレーク状、針状等の形状のものを用いることができる。
芯材の粒径D50は、上述した導電性粒子の粒径D50、及び導電性粒子の具体的な用途を考慮して適切な値が選択される。例えば芯材はその粒径D50が好ましくは0.10μm以上0.90μm以下であり、更に好ましくは0.15μm以上0.80μm以下である。芯材のD50がこの範囲内にあれば、導電性粒子が樹脂等の中に分散し易いものとなるので好ましい。芯材の粒径D50は、上述した導電性粒子の粒径D50と同様の方法で測定される。
導電性粒子を樹脂等の中に一層分散し易いものとする観点から、芯材は、BET比表面積が2m/g以上100m/g以下であることが好ましく、4m/g以上80m/g以下であることが更に好ましく、4m/g以上60m/g以下であることが一層好ましい。芯材のBET比表面積は、例えば(株)島津製作所製のモノソーブMS−17を用いて測定することができる。
導電性粒子が、上述した芯材を含んでいる場合、該導電性粒子における導電性酸化スズの含有割合は15質量%以上99質量%以下であることが好ましく、15質量%以上60質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上58質量%以下であることが一層好ましい。導電性酸化スズの含有割合を、この範囲内に設定することによって、導電性粒子の導電性を十分に高いものとすることができる。また、芯材と導電性酸化スズとの密着性を十分なものとすることができる。更に、導電性粒子の分散性を十分なものとすることができる。
本発明の導電性粒子は、導電性酸化スズが酸素欠損型の導電性酸化スズであり、酸化スズ中にドープ元素を実質的に非含有であることが好ましい。このような導電性酸化スズを用いれば、先に背景技術の項で述べたアンチモンをドープした酸化スズのようにプラスチックが青黒色となることなく、導電性粒子の導電性を高めることができるので、導電性の向上と白色度の向上とを両立させることができる。酸素欠損型の導電性酸化スズは、例えば、後述する導電性粒子の製造の際に、スズ及びケイ素含有する共沈物を還元焼成することによって得ることができる。なお、ドープ元素を実質的に非含有とは、酸化スズの導電性を高める作用を有する元素を意図して含有させないことを言う。したがって、原料中の不純物や製造工程におけるコンタミネーション等に起因して、導電性酸化スズ中に、酸化スズの導電性を高める作用を有する元素が不可避的に混入している場合には、そのような導電性酸化スズは「ドープ元素を実質的に非含有」のものである。例えば導電性粒子に含まれるスズの質量に対して、ドープ元素の合計量の割合が0.004質量%以下である場合には、「ドープ元素を実質的に非含有」と言うことができる。
本発明の導電性粒子は高い分散性を有する。この分散性は、導電性酸化スズの存在する部位である表面域の表面に有機シラン化合物を含む有機表面処理層が形成されていることによって達成される。有機表面処理層は、表面域の表面を直接被覆していることが好ましい。「直接被覆している」とは、有機表面処理層と表面域の表面との間に何らの層も介在していないことを意味する。
表面域の表面を被覆する有機シラン化合物は、例えばSiの原子に直接結合したアルキコキシ基を1個又は2個以上有する有機シランから生成する化合物である。「有機シランから生成する化合物」には、例えば有機シランの加水分解生成物や脱水縮合生成物等が包含される。有機シラン化合物は好ましくはSiの原子に直接結合した疎水性基を有している。疎水性基としては、例えば炭素数2以上10以下のアルキル基、メタクリロキシアルキル基等のメタクリル基含有基、アクリロキシアルキル基等のアクリル基含有基、ビニル基、エポキシアルキル基等のエポキシ基含有基、アミノアルキル基等のアミノ基含有基、スチリル基などが挙げられる。特に疎水性基としてアルキル基含有基、メタクリル基含有基及びアミノ基含有基を用いることが、導電性粒子の分散性を一層向上させる点から好ましい。このような有機シラン化合物を生成させるための有機シランとしては、例えばアルコキシシランや、シランカップリング剤として知られる化合物が挙げられる。例えば有機シランとしてR Si(OR4−xで表されるものを用いることができる。式中Rは、同一の又は異なる前記疎水性基を表し、Rは短鎖のアルキル基、例えば炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。xは好ましくは1以上3以下の整数、更に好ましくは1又は2、一層好ましくは1を表す。また、有機シランとして、光重合性官能基を有するアルコキシシランや、シランカップリング剤を用いることも好ましい。光重合性官能基としては、例えばアクリル基、メタクリル基、ビニル基及びアリル基などが挙げられる。
前記の有機シラン化合物を生成するアルキル基含有有機シランの具体例としては、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、iso−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、iso−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、iso−デシルトリメトキシシラン、tert−デシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、iso−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、iso−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、iso−デシルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。
また、前記の有機シラン化合物を生成するメタクリル基含有有機シランの具体例としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
更に、前記の有機シラン化合物を生成させるアミノ基含有有機シランの具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
有機シラン化合物としては、シリコーンオイルを用いることも好ましい。シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシロキサン、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイル等が挙げられる。
本発明の導電性粒子中に含まれる前記の有機シラン化合物の量は、該有機シラン化合物に含まれるカーボン換算で、導電性粒子の質量に対して0.1質量%以上2.5質量%以下、特に0.2質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。有機シラン化合物の含有量がこの範囲内であることによって、導電性を損なうことなく、粒子の分散性を向上させ得るという有利な効果が奏される。導電性粒子中に含まれる前記の有機シラン化合物の量(カーボン換算)は、例えば炭素分析装置(堀場製作所、EMIA−110)によって測定される。
また、本発明の導電性粒子中に含まれる前記の有機シラン化合物の量は、該有機シラン化合物に含まれるケイ素換算でも表すことができる。ケイ素換算で表した導電性粒子中に含まれる前記の有機シラン化合物の量は、導電性粒子の質量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下、特に0.15質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。ケイ素換算した有機シラン化合物の量は、例えばICP分析装置(島津製作所、ICP8000E)によって測定される。
表面域の表面に有機表面処理層を形成することに起因する導電性粒子の高分散性は、表面域を構成する導電性酸化スズ中にケイ素が含まれていることによって一層向上することが、本発明者らの検討の結果判明した。ここで言う「ケイ素」とは、単体のケイ素及びケイ素を含む化合物の双方を包含するケイ素化学種の総称である。
後述するとおり、表面域におけるケイ素の存在割合は微量なので、ケイ素がどのような形態で存在しているかは明らかではない。本発明者の仮説ではあるが、ケイ素は、例えば酸化物の形態で、表面域の表面及びその近傍に存在しているのではないかと思われる。表面域に含まれるケイ素が導電性粒子の分散性の向上に寄与する理由としては、該表面域の表面に存在する有機シラン化合物と、該表面域を構成する酸化スズとの化学的及び/又は物理的な結合をケイ素が仲立ちしているからではないかと本発明者らは考えている。
導電性粒子がその中心域にBaSOやTiO等をはじめとする各種の芯材を含む場合、導電性酸化スズからなる表面域に含まれるケイ素の割合は、導電性粒子の質量に対して0.005質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、0.007質量%以上0.45質量%以下であることが更に好ましく、0.01質量%以上0.40質量%以下であることが一層好ましい。一方、導電性粒子が芯材を含まず、その全体が、ケイ素が含有された導電性酸化スズを含む場合にも、導電性酸化スズに含まれるケイ素の割合は、上述の範囲内であることが好ましい。導電性酸化スズに含まれるケイ素の含有量をこの範囲内に設定することで、該表面域の表面に存在する有機シラン化合物と、該表面域を構成する酸化スズとの密着性を十分なものとすることができる。導電性酸化スズからなる表面域に含まれるケイ素の割合は、有機シラン化合物で処理する前の粒子を対象として、ICP分析装置(島津製作所、ICP8000E)を用いて測定することができる。
なお、導電性粒子が芯材を含まず、その全体が、ケイ素が含有された導電性酸化スズを含む場合、該粒子におけるケイ素が含有された導電性酸化スズの割合は95質量%以上であることが好ましい。最も好ましくは、導電性粒子の全体が、ケイ素が含有された導電性酸化スズからなる。導電性粒子に占める酸化スズの割合は、ICP分析装置(島津製作所、ICP8000E)を用いて測定することができる。
本発明の導電性粒子は導電性の高いものである。具体的には、本発明の導電性粒子は、25℃、55%RHにおける粉体抵抗が、好ましくは1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であり、更に好ましくは1.0×10Ω・cm以上5.0×10Ω・cm以下であり、一層好ましくは1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下である。粉体抵抗は、当該環境下で試料を24時間放置した後、圧力500kgf/cmで圧縮し、得られたサンプルについて、三菱化学社製ロレスタPAPD−41を用い、四端子法に従い抵抗を測定した。
導電性粒子に含まれる導電性酸化スズ中にドープ元素がドープされていない場合には、該導電性粒子は、ドープ元素に起因する着色が生じないので、白色度が高いものとなる。具体的には、本発明の導電性粒子はその明度L値が、70以上であることが好ましく、72以上であることが更に好ましく、74以上であることが一層好ましい。L値に上限値に制限はなく、100に近ければ近いほど好ましい。導電性粒子のL値は例えば日本電色工業(株)製の分光色差計SE600によって測定することができる。
次に、本発明の導電性粒子の好ましい製造方法について説明する。ここでは、中心域に芯材を含む導電性粒子の製造を例に挙げて導電性粒子の製造方法を説明する。この製造方法では、芯材を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物と、ケイ素源化合物とを混合した後、該スラリーをpH調整してスズの中和反応を行って芯材の表面にスズ及びケイ素を含む共沈物を生成させて、共沈物付着粒子を製造し、該共沈物付着粒子を還元雰囲気下で焼成して、前記共沈物から、ケイ素を含有する導電性酸化スズの表面域を生成させる。これによって前駆体粒子を得る。前駆体粒子は、芯材と、該芯材の表面に位置し、かつケイ素を含有する導電性酸化スズの表面域からなる。このようにして得られた前駆体粒子と有機シラン化合物とを混合して、前記表面域の表面に有機シラン化合物を含む有機表面処理層を形成する。
本製造方法では、まず、芯材を液媒体中に分散させてスラリーを調製する。ここで、芯材としては、先に説明したものを用いることができる。また、液媒体としては、芯材の種類や、共沈物を形成するときの反応等に応じて適切な液体が選択される。一般的には水が用いられる。
スラリーにおける液媒体と芯材との配合比率は、液媒体1リットルに対して芯材が40g以上250g以下、特に60g以上200g以下であることが好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面に共沈物からなる均一な被覆層が容易に形成されるからである。
得られたスラリーに、スズ源化合物及びケイ素源化合物を添加する。スズ源化合物及びケイ素源化合物としては、芯材の表面にスズ及びケイ素を含む共沈物の被覆層を形成し得るものが用いられる。例えば水溶性スズ化合物や水溶性ケイ素化合物を用いることができる。水溶性スズ化合物としては、スズ酸ナトリウム及び四塩化スズ等が挙げられる。水溶性ケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。これらの水溶液化合物は水への溶解が容易なので好適に用いられる。
スラリーにおける液媒体とスズ源化合物との配合比率は、液媒体100質量部に対するスズ源化合物中のSn量が2質量部以上20質量部以下、特に4質量部以上15質量部以下であることが好ましい。一方、スラリーにおける液媒体とケイ素源化合物との配合比率は、液媒体100質量部に対するケイ素源化合物中のSi量が0.005質量部以上0.10質量部以下、特に0.007質量部以上0.09質量部以下であることが好ましい。配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面にスズ及びケイ素を含む共沈物の均一な被覆層が容易に形成されるので好ましい。なお、前記の液媒体と前記の水溶性スズ化合物との配合比率は、及び媒体と水溶性ケイ素化合物との配合比率は、中和開始時点における配合比率である。
次に、スズ源化合物及びケイ素源化合物を添加した混合スラリーのpHを調整してスズの中和反応を行う。中和反応は、混合スラリーのpHを例えば酸性域に調整することで行う。この目的のために各種の酸、例えば、硫酸、硝酸、酢酸等を混合スラリー中に添加することができる。また酸を用いる代わりに、中和反応に水酸化ナトリウム、アンモニア水等の塩基性化合物を用い、混合スラリーのpHを塩基性域に調整してもよい。
中和を行った状態でのスラリーのpHは、通常0.5以上5以下であり、好ましくは2.0以上4.0以下であり、更に好ましくは2.0以上3.0以下である。中和の際のpHをこの範囲内にすることにより、芯材の表面がスズ及びケイ素を含む共沈物で被覆された共沈物付着粒子が生成する。
次に、生成した共沈物付着粒子を、水で洗浄し、乾燥する。そして、乾燥した共沈物付着粒子を焼成する。この場合、酸素欠損型の導電性酸化スズを生成させる場合には、焼成雰囲気として非酸化性雰囲気中を用いることが有利である。非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、爆発限界未満の濃度の水素を含有した窒素雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等が挙げられる。このうち、水素を含有した窒素雰囲気は安価なので工業的観点から好ましい。水素を含有した窒素雰囲気を用いる場合、水素の濃度は、爆発限界未満の濃度である好ましくは0.1体積%以上10体積%以下、更に好ましくは1体積%以上3体積%以下である。水素の濃度がこの範囲内にあると、スズを金属に還元させることなく、酸素欠損を有する導電性酸化スズの被覆層を形成し易いためである。
焼成温度は、好ましくは300℃以上800℃以下、更に好ましくは400℃以上700℃以下である。焼成時間は、好ましくは20分以上220分以下、更に好ましくは40分以上150分以下である。焼成温度及び時間がこれらの範囲内にあると、酸化スズに酸素欠損を生じさせるのに十分であり、かつ凝集を起こし難いからである。この焼成を行うことによって、ケイ素を含有する導電性酸化スズの表面域が芯材の表面に生成した前駆体粒子を得る。
このようにして得られた前駆体粒子と有機シラン化合物とを混合して、前記表面域の表面に有機シラン化合物を含む有機表面処理層を形成する。この目的のために、例えば上述した有機シランを用い、この有機シランから前記の有機シラン化合物を生成させることができる。具体的には、上述した有機シランを前駆体粒子の表面で加水分解させて、その加水分解物や脱水縮合物等からなる前記の有機シラン化合物を生成させ、これによって前駆体粒子の表面を被覆することができる。あるいは有機シランを予め加水分解させ、生成した有機シラン化合物を前駆体粒子の表面に被覆してもよい。有機シランを加水分解させて有機シラン化合物を生成させ、それを前駆体粒子の表面に被覆する方法には、湿式法と乾式法がある。湿式法では、水を媒体とし、前駆体粒子を含み、pHが所定の範囲に設定されたスラリーに有機シランを添加して前駆体粒子の表面を被覆する。乾式法では、前駆体粒子と有機シランとを、液媒体の実質的な非存在下に混合して該前駆粒子の表面を被覆する。
例えば乾式法を採用する場合、前駆体粒子と有機シランとの混合には、公知の混合攪拌装置を用いることができる。例えば、ヘンシェルミキサ、ハイスピードミキサ、エッジランナー、リボンブレンダー等を用いることができる。これらの装置の運転条件としては、混合攪拌時の温度を10〜50℃、特に10〜40℃に設定することが好ましい。これによって、両者が十分に混合される前に有機シランが意図せず加水分解してしまうことや、有機シランがコア粒子と十分に混合される前に揮発してしまうことを効果的に防止できる。前駆体粒子と有機シランとの配合の割合は、前駆体粒子100質量部に対して、有機シランを0.1〜10質量部、特に0.3〜3質量部とすることが、得られる導電性粒子に含まれる有機シラン化合物の量が適切になり、導電性粒子の疎水性が十分に高くなる点から好ましい。
乾式混合が完了したら、有機シランの脱水縮合が生じる温度にまで混合物を加熱して該有機シランの脱水縮合を生じさせる。有機シランの種類にもよるが、加熱温度は100〜160℃、特に105〜150℃という比較的低温とすることが好ましい。加熱をこの温度範囲で行うことで、前駆体粒子の過度の凝集を防止しつつ、有機シランの脱水縮合を行うことができる。加熱時の雰囲気に特に制限はない。一般的には大気下で加熱を行えばよい。
このようにして、目的とする導電性粒子が得られる。得られた導電性粒子は、この粒子においては、その表面が上述の有機シラン化合物で被覆されているので、疎水性が極めて高くなっている。得られた導電樹脂中に高度に分散するので、良好な樹脂組成物が得られる。したがって本発明の導電性粒子は、例えばプリンタや複写機関連の帯電ローラー、感光体、トナー、静電ブラシ等の分野、フラットパネルディスプレイ、CRT、ブラウン管等の分野、塗料、インク、エマルジョンの分野等など、幅広い用途に適用できる。本発明の導電性粒子とともに用いられる樹脂としては、例えば各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。そのような熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エステル及びポリメタクリル酸やポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂と本発明の導電性粒子とを、必要に応じ有機溶剤及びレベリング剤とともに混合して樹脂組成物となす。この樹脂組成物は、その粘度を調整することによって、例えば流動性の高い塗工液の形態や、粘稠なペーストの形態にすることができる。
前記の樹脂を得るためのモノマーとしては、例えば1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを用いることが好ましい。多官能性モノマーとしては、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2、3‐ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1、2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1、2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3、8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1、4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリンサンエステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、必要であれば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。
前記の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;n−ヘキサンなどの炭化水素類;ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類;メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;並びに水等を用いることができる。
前記のレベリング剤としては、例えばアクリル基を骨格として分子内に含むアクリル系レベリング剤を好適に用いることができる。アクリル基を有する化合物は活性度が低くリコート性が良好であるという利点を有する。そのようなレベリング剤の具体例としては、BYK−350、BYK−352,BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−380、BYK−392、BYK−394等(いずれもビックケミー社製)が挙げられる。
本発明の導電性粒子と、重合性モノマー又は重合性オリゴマーと、有機溶剤とを含む組成物からなる塗工液を調製することもできる。この塗工液を対象物の表面に塗工し、それによって得られた塗膜にエネルギーを加えることで、重合性モノマー又は重合性オリゴマーを重合させると、重合によって生じた樹脂と本発明の導電性粒子とを含む樹脂組成物からなるハードコート導電性膜が得られる。加えるエネルギーとしては、例えば熱や紫外線などが挙げられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。本発明の他の実施形態の導電性粒子としては、例えば、芯材を有さず、粒子全体が導電性酸化スズからなるものであること以外は、前記の実施形態と同様の導電性粒子が挙げられる。このような導電性粒子を製造するには、前記の導電性粒子の製造方法において、芯材を分散させたスラリーに中和反応を行う代わりに、スズ源化合物及びケイ素源化合物を溶解させた媒体に、中和反応を行う以外は、前記の製造方法と同様の製造方法を用いればよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
本実施例では、芯材表面を、ケイ素を含む導電性酸化スズで被覆した導電性粒子を製造した。芯材である硫酸バリウム粒子(BET比表面積26m/g、粒径D500.12μm)150gを、水1500mlに分散させた。得られた分散スラリーを75℃まで加熱した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、分散スラリーのpHを12程度に調整した。pH調整後の分散スラリーに、ケイ酸ナトリウム1gを添加した。次いで、スズ酸ナトリウム(NaSnO、純度96%)270gを水500mlに溶解してなるスズ酸ナトリウム水溶液を全量、分散スラリーに添加した。その後、分散スラリーを30分間攪拌した後、20%硫酸水溶液を90分間かけて添加してpH2.5まで中和した。中和後のスラリーをpH2.5、75℃に保持しながら3時間熟成した。熟成後のスラリーをろ過し、固形分を水で洗浄した後、乾燥した。得られた乾燥物を、横型チューブ炉中で、2体積%H/N雰囲気下で500℃、2時間還元焼成して、ケイ素を含む導電性酸化スズからなる表面域を芯材の表面に有する前駆体粒子を得た。
得られた前駆体粒子150gを、ハイスピードミキサ(深江パウテックLFS−2型)に投入して2500rpmにて攪拌しながら、メタクリル基含有アルコキシシラン(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)3.8gを含む液を5分間にわたって滴下して、5分間攪拌した。その後、150℃に加温した後、1時間熱処理を行い、目的とする導電性粒子の粉末を得た。
〔実施例2ないし6〕
以下の表1に示す条件(芯材の種類、ケイ酸ナトリウム量、スズ酸ナトリウム量及び有機シランの種類)に代えた以外は実施例1と同様にして導電性粒子の粉末を得た。
〔比較例1及び2〕
以下の表1に示す条件を用いた以外は実施例1と同様にして導電性粒子の粉末を得た。比較例1は、導電性酸化スズの表面域にケイ素を含有させなかった例である。比較例2は、有機表面処理層を形成しなかった例である。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた導電性粒子について、BET比表面積、圧粉抵抗、粒径D50、明度L値を上述の方法で測定した。また、導電性粒子に含まれる酸化スズ及び炭素の割合を上述の方法で測定した。更に、酸化スズからなる表面域に含まれるケイ素の割合(対導電性粒子の質量)、及び有機表面処理層に含まれるケイ素の割合(対導電性粒子の質量)を上述の方法で測定した。更に導電性粒子から形成された導電膜の抵抗及びヘイズを以下の方法で測定した。これらの結果を以下の表2に示す。
〔導電膜の抵抗〕
導電膜は以下の方法で成膜した。容積50mLのプラスチック製容器を用意し、その中に導電性粒子7.41gを入れた。次に、この容器内にトルエンとn−ブタノールとの混合溶媒を9.64g入れた。トルエンとn−ブタノールとの容積比は7:3とした。更に、この容器内に三菱レイヨン製のアクリル系コーティング樹脂であるダイヤナールLR−167を6.41g入れた。LR−167は樹脂成分が約46%であり、残部がトルエンとn−ブタノールとの混合溶媒であった。トルエンとn−ブタノールとの容積比は7:3であった。次いでペイントシェーカー(浅田鉄鋼製)を用い、1時間分散を行った。ペイントシェーカーの運転条件は、60Hz環境下の標準運転条件とした。分散によって得られた塗工液を、ポリエチレンテレフタレート製のOHPフィルム(株式会社内田洋行製のトランスペアレンシー OHP用フィルム)に塗工した。塗工にはバーコーター#10( テスター産業株式会社製のROD No.10)を用い、使用液量約1mLで塗膜を形成した。塗膜形成後、大気下に80℃で15分間にわたり乾燥を行い、導電膜を得た。このようにして得られた導電膜の表面抵抗を、三菱アナリテック製のハイレスタを用いて測定した。測定にはUPプローブを用いた。測定電圧は10Vとした。
〔導電膜のヘイズ〕
上述の方法で形成された導電膜を測定対象として、日本電色工業(株)製のヘイズメータであるMODEL 1001DP(商品名)によってヘイズを測定した。測定はJIS K7105に準拠し、積分球式測定法により行った。ヘイズは(散乱光/全光線透過光)×100から算出した。
Figure 0006238683
Figure 0006238683
表1及び表2に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた導電性粒子は、比較例で得られた導電性粒子に比べて、導電膜の抵抗が低く、かつ透明なものであることが判る。具体的には、各実施例で得られた導電性粒子を用いて導電膜を製造すると、該導電膜はその表面抵抗値(Ω/□)が10オーダー〜10オーダーになり、本発明の効果が奏されていることが判る。

Claims (8)

  1. 少なくとも表面域が導電性酸化スズを含む導電性粒子において、
    前記導電性酸化スズが存在する部位は、該部位中に、前記導電性粒子の質量に対して0.005質量%以上0.50質量%以下のケイ素を含有し、
    前記表面域の表面に、有機シラン化合物を含む有機表面処理層を有し、
    前記導電性酸化スズが、ドープ元素を実質的に非含有である酸素欠損型の導電性酸化スズである、導電性粒子。
  2. 芯材からなる中心域と、芯材の表面に形成された前記表面域とを有する請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 前記導電性粒子における導電性酸化スズの含有割合が15質量%以上99質量%以下である請求項2に記載の導電性粒子。
  4. 前記芯材が、金属酸化物又は金属硫酸塩である請求項2又は3に記載の導電性粒子。
  5. 前記芯材が、アルミナ、二酸化チタン、二酸化ケイ素若しくは酸化ジルコニウムであるか、又は硫酸バリウムである請求項4に記載の導電性粒子。
  6. 前記有機シラン化合物が、アルキル基含有有機シラン化合物、メタクリル基含有有機シラン化合物、アミノ基含有有機シラン化合物又はシリコーンオイルである請求項1ないし5のいずれか一項に記載の導電性粒子。
  7. 1−ペンタノール中に分散させた状態で、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって測定された累積体積50容量%における体積累積粒径D50が100nm以上1000nm以下である請求項1ないしのいずれか一項に記載の導電性粒子。
  8. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の導電性粒子と樹脂とを含有する樹脂組成物。
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