JP3822284B2 - 導電性酸化スズ粉末及びその製造方法ならびにそれを用いてなる導電性懸濁組成物、導電性塗料組成物、帯電防止材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末及びその製造方法ならびにそれを用いてなる導電性懸濁組成物、導電性塗料組成物、帯電防止材に関する。
【0002】
【従来の技術】
二酸化スズにアンチモンやフッ素をドープすると良好な導電性を有する物質が得られる。この導電性酸化スズは、種々のものに導電性を付与する物質として広く用いられている。たとえば、導電性酸化スズを樹脂に配合して、記録フィルムやクリーンルーム内壁などに用いられる帯電防止膜としての利用、また、繊維に配合して衣類やカーテンなどに用いられる帯電防止繊維としての利用、そのほか感光ドラム、トナー、センサーなどへの利用がある。
しかし、ドーパントとして用いるアンチモンやフッ素の毒性が懸念されており、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約において、規制対象物質に指定されている。このため、アンチモンやフッ素を実質的に含有しない導電性酸化スズの開発が行われつつあり、例えば、特開平6−345430号公報にはニオブ、タンタルをドーパントとした導電性酸化スズ粉末が、また、特開平6−92636号公報にはリンをドーパントとした導電性酸化スズ粉末が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アンチモンやフッ素に代えてニオブやタンタルをドーパントとして用いた場合には、得られる酸化スズの導電性が低いこと、透明導電性膜を得るための比表面積の大きい微粒子が得られないなどの問題がある。また、リンをドーパントとして用いた場合には、得られる酸化スズの導電性の経時安定性が低いなどの問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、種々探索を行った結果、リン元素をドーパントとして含有し、更に第三成分元素としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなるアンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末は、優れた導電性を有し、その経時安定性に優れたものであって、しかも塗膜とした時の透明性に優れた比表面積の大きいものであることなどを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、アンチモンを実質的に含有せず、しかも、優れた導電性を有し、かつ、その経時安定性にも優れた微粒子状酸化スズ粉末を提供することにある。また、本発明は、前記の導電性酸化スズ粉末を効率よく得る方法を提供することにある。更に、本発明は、前記の導電性酸化スズ粉末を用いてなる導電性懸濁組成物、導電性塗料組成物、帯電防止材を提供することにある。
【0006】
本発明の導電性酸化スズ粉末は、100kg/cm2 の圧力をかけた時の粉体体積抵抗率が10-2 〜104 Ω・cm程度、好ましくは10-2 〜103 Ω・cm程度の優れた導電性を有するものである。本発明は、ドーパントとして0.1〜20モル%のリン元素と、第三成分として0.01〜5モル%のニオブ元素及び/又は0.01〜15モル%のケイ素元素を含有してなり、比表面積が5〜200m2 /gであることを特徴とするアンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末である。ドーパントとして用いるリン元素の量は、酸化スズに対して、0.1〜20モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10モル%の範囲、もっとも好ましくは1〜7モル%の範囲である。リン元素の含有量が前記範囲より少ないと優れた導電性が得られにくいため好ましくなく、また、前記範囲より多くしても導電性の改善が認められにくいため好ましくない。また、ニオブ元素の量は、酸化スズに対して、0.01〜5モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜4モル%の範囲、もっとも好ましくは0.2〜3モル%の範囲である。更に、ケイ素元素の量は、酸化スズに対して、0.01〜15モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10モル%の範囲、もっとも好ましくは1〜7モル%の範囲である。ニオブ元素及び/又はケイ素元素の含有量が前記範囲より少ないと導電性の経時安定性に優れたものが得られなかったり、また、比表面積の大きなものが得られなかったりするため好ましくなく、また、前記範囲より多いと、導電性を低下させやすいため好ましくない。本発明の導電性酸化スズ粉末の比表面積は5〜200m2 /gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜200m2 /gの範囲である。導電性酸化スズ粉末の比表面積が前記範囲より小さいと塗膜としたときの透明度や平滑度が低下しやすいため好ましくなく、また、前記範囲より大きいと塗料化の際の分散がしにくいため好ましくない。
【0007】
次に、本発明は、アンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法であって、(1)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とスズ化合物とを含み、アンチモン化合物を実質的に含まない溶液から、中和反応によってニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とスズ元素とを含む共沈殿物を生成させたり、(2)スズ化合物を含み、アンチモン化合物を実質的に含まない溶液から、中和反応によってスズ元素を含む沈殿物を生成させ、次いで、該沈殿物を含む液にニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とを添加し、該沈殿物の表面にニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物を得たり、(3)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とスズ化合物とを含み、アンチモン化合物を実質的に含まない溶液から、中和反応によってニオブ元素及び/又はケイ素元素とスズ元素とを含む共沈殿物を生成させ、次いで、該共沈殿物を含む液に(i)リン化合物、若しくは(ii)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物を添加し、該共沈殿物の粒子表面に(i)リン元素を析出させた生成物、若しくは(ii)ニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物を得たりして、ニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とスズ元素とを含む共沈殿物若しくは生成物を得、次いで、該共沈殿物若しくは生成物を回収し、300〜1100℃の温度で焼成することを特徴とするアンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法である。
【0008】
前記(1)の方法において、ニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とスズ元素とを含みアンチモン元素を実質的に含まない共沈殿物は、中和反応によって生成させることができる。具体的には、1)ニオブ化合物を含む溶液及び/又はケイ素化合物を含む溶液、リン化合物を含む溶液、スズ化合物を含む溶液をそれぞれ調製し、それらと必要に応じて酸又はアルカリとを、混合液のpHが1〜10になるように同時に添加し混合して中和反応を行う方法、2)スズ化合物を含む溶液に、ニオブ化合物を含む溶液及び/又はケイ素化合物を含む溶液、リン化合物を含む溶液、必要に応じて酸又はアルカリを、pHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法、3)リン化合物を含む溶液に、ニオブ化合物を含む溶液及び/又はケイ素化合物を含む溶液、スズ化合物を含む溶液、必要に応じて酸又はアルカリとをpHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法、4)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物を含む溶液に、リン化合物を含む溶液、スズ化合物を含む溶液、必要に応じて酸又はアルカリを、pHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法を用いることができる。特に、前記1)、2)又は3)の方法が、導電性の経時安定性に優れた導電性酸化スズが得られやすいため好ましい方法である。
【0009】
前記(2)の方法において、スズ元素を含みアンチモン元素を実質的に含まない沈殿物の粒子表面にニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物は、該沈殿物を含む液にニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とを添加し、中和反応、加水分解反応又は吸着反応によって得ることができる。ここで、スズ元素を含みアンチモン元素を実質的に含まない沈殿物は、中和反応によって生成させることができる。具体的には、1)スズ化合物を含む溶液を調製し、それと酸又はアルカリとを、混合液のpHが1〜10になるように同時に添加し混合して中和反応を行う方法、2)スズ化合物を含む溶液に、酸又はアルカリを、pHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法を用いることができる。
【0010】
前記(3)の方法において、ニオブ元素及び/又はケイ素元素とスズ元素とを含み、アンチモン元素を実質的に含まない共沈殿物の粒子表面に(i)リン元素を析出させた生成物、若しくは(ii)ニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物は、該共沈殿物を含む液に(i)リン化合物、若しくは(ii)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とを添加し、中和反応、加水分解反応又は吸着反応によって得ることができる。ここで、ニオブ元素及び/又はケイ素元素とスズ元素とを含み、アンチモン元素を実質的に含まない共沈殿物は、中和反応によって生成させることができる。具体的には、1)ニオブ化合物を含む溶液及び/又はケイ素化合物を含む溶液、スズ化合物を含む溶液をそれぞれ調製し、それらと必要に応じて酸又はアルカリとを、混合液のpHが1〜10になるように同時に添加し混合して中和反応を行う方法、2)スズ化合物を含む溶液に、ニオブ化合物を含む溶液及び/又はケイ素化合物を含む溶液、必要に応じて酸又はアルカリを、pHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法、3)ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物を含む溶液に、スズ化合物を含む溶液、必要に応じて酸又はアルカリとをpHを1〜10に調整しながら添加して中和反応を行う方法を用いることができる。特に、前記1)又は2)の方法が、導電性の経時安定性に優れた導電性酸化スズが得られやすいため好ましい方法である。
【0011】
前記(1)〜(3)の方法において、リン化合物としては、例えば、三塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化物、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素アンモニウム、亜リン酸、亜リン酸二水素ナトリウム、亜リン酸三ナトリウム、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、トリリン酸、ポリリン酸などのリン酸若しくはそれらの塩を用いることができる。また、ニオブ化合物としては、例えば、五塩化ニオブ、五フッ化ニオブなどのハロゲン化物、硫酸ニオブ、ニオブ酸、ニオブ酸塩などの無機ニオブ化合物、ニオブアルコキシドなどの有機ニオブ化合物などを用いることができる。なお、無機ニオブ化合物の水溶液に加水分解を抑制するため、過酸化水素、シュウ酸、クエン酸などを共存させてもよい。また、ケイ素化合物としては、例えば、ケイ酸又はその塩、酸化ケイ素、含水酸化ケイ素などの無機ケイ素化合物、ケイ素アルコキシド、シリコン樹脂などの有機ケイ素化合物を用いることができる。また、スズ化合物としては、例えば、塩化スズ(IV)、塩化スズ(II)、オキシ塩化スズ、スズ酸、スズ酸塩などの無機スズ化合物、スズアルコキシドなどの有機スズ化合物を用いることができる。
【0012】
次いで、前記(1)〜(3)の方法で得られた共沈殿物若しくは生成物を濾別し、必要に応じて、洗浄したり、30〜300℃の温度で乾燥したりして、液から共沈殿物若しくは生成物を回収した後、焼成する。焼成の温度は、300〜1100℃の温度範囲が好ましく、より好ましくは400〜1000℃、もっとも好ましくは600〜950℃の範囲である。焼成温度が前記範囲より低くても高くても、リン元素がドープしにくいため好ましくない。前記の焼成は、不活性雰囲気下、還元性雰囲気下、酸素含有雰囲気下で行うことができる。窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で焼成すると、優れた導電性酸化スズが得られるため好ましい方法である。また、本発明では、大気などの酸素ガスを含有する雰囲気下で焼成することもでき、特殊な焼成炉を必要とせず廉価に製造することができるため好ましい方法である。このようにして、本発明の導電性酸化スズ粉末が得られる。
【0013】
次に、本発明は、前記のドーパントとしてリン元素と、第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる、アンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末を溶媒中に懸濁させてなることを特徴とする導電性懸濁組成物である。溶媒としては、水、四塩化炭素などの無機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンゼン、アセトン、エーテル、トルエン、キシレン、エチレングリコール、ヘキサンなどの有機溶媒を用いることができる。導電性酸化スズを懸濁させるには、粉末を懸濁させたり、分散させたりする際に常用するボールミル、サンドミルなどの器具を用いることができる。その導電性酸化スズの濃度は、その使用に応じて適宜調整することができるが、好ましい濃度範囲は0.01〜80重量%、より好ましい濃度範囲は0.5〜70重量%である。
【0014】
次に、本発明は、前記のドーパントとしてリン元素と、第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる、アンチモン元素を実質的に含有しない導電性酸化スズ粉末とバインダと溶媒とを主成分とすることを特徴とする導電性塗料組成物である。バインダとしては種々のものを用いることができ、たとえば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル、エチルシリケート、シリコーンなどを用いることができる。また、溶媒としては、水、四塩化炭素などの無機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンゼン、アセトン、エーテル、トルエン、キシレン、エチレングリコール、ヘキサンなどの有機溶媒を用いることができる。導電性酸化スズの濃度は、その使用に応じて適宜調整することができるが、好ましい濃度範囲は0.01〜80重量%、より好ましい濃度範囲は0.5〜70重量%である。
【0015】
次に、本発明は、前記の導電性懸濁組成物又は導電性塗料組成物を支持体に塗布又は吹き付けしてなることを特徴とする帯電防止材である。支持体としては種々のものを用いることができ、たとえば、ガラス、金属、セラミックスなどの無機物質やプラスチック、樹脂、板、紙などの有機物質を用いることができる。塗布又は吹き付けした後に10〜300℃の温度で乾燥して、帯電防止材とすることができる。支持体が耐熱性を有する場合には、300〜1100℃の温度で焼成してもよい。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
まず、以下に示す各溶液を調製した。
▲1▼Sn溶液:3規定の塩酸96mlに塩化第二スズ(SnCl4 ・5H2 O:関東化学社製)95.3gを溶かした水溶液
▲2▼Nb溶液:35%の塩酸300mlに五塩化ニオブ(NbCl5 :ナカライテスク社製)5gを溶かし氷温に冷却した水溶液
▲3▼Nb−P溶液1:前記Nb溶液59mlに60%のオルトリン酸0.99mlを添加し氷温に冷却した水溶液
▲4▼Nb−P溶液2:前記Nb溶液59mlに60%のオルトリン酸1.28mlを添加し氷温に冷却した水溶液
▲5▼Si溶液:5規定の水酸化ナトリウム水溶液にSi/Snが5モル%となるようにケイ酸ナトリウムを溶かした水溶液
▲6▼Sn−P溶液:前記Sn溶液に60%のオルトリン酸0.99mlを溶かした水溶液
【0018】
実施例1
前記▲1▼のSn溶液と5規定の水酸化ナトリウム水溶液とを、90℃に加熱した1.5リットルの純水に液のpHを7に保持しながら20分かけて分散同時添加して、スズ元素を含有する沈殿物を得た。次いで、前記の沈殿物を含む懸濁液に、前記▲3▼のNb−P溶液1と5規定の水酸化ナトリウム水溶液とを、懸濁液のpHを7に保持しながら20分かけて分散同時添加し、その後、20分間熟成した後、塩酸でpHを2.5に下げて、スズ元素を含有する沈殿物の粒子表面にリン元素及びニオブ元素を析出させた生成物を得た。引き続き、放冷後、生成物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で4時間乾燥して、生成物を回収した。次いで、得られた生成乾燥物を大気中で1000℃の温度で焼成して、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料A)を得た。なお、試料Aの酸化スズに対するリン元素及びニオブ元素のモル比は各々、5.3モル%、1.3モル%であった。
【0019】
実施例2
実施例1において、5規定の水酸化ナトリウム水溶液に代えて前記▲5▼のSi溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に処理して、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素及びケイ素元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料B)を得た。なお、試料Bの酸化スズに対するリン元素、ニオブ元素及びケイ素元素のモル比は各々、5.3モル%、1.3モル%、5.0モル%であった。
【0020】
実施例3
前記▲6▼のSn−P溶液と前記▲5▼のSi溶液とを、90℃に加熱した1.5リットルの純水に液のpHを7に保持しながら40分かけて分散同時添加し、その後、20分間熟成した後、塩酸でpHを2.5に下げて、スズ元素とリン元素とケイ素元素との共沈殿物を得た。引き続き、放冷後、生成物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で4時間乾燥して、生成物を回収した。次いで、得られた共沈殿乾燥物を大気中で1000℃の温度で焼成して、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてケイ元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料C)を得た。なお、試料Cの酸化スズに対するリン元素及びケイ元素のモル比は各々、5.3モル%、5.0モル%であった。
【0021】
実施例4
前記▲1▼のSn溶液と前記▲4▼のNb−P溶液2とを混合し、氷温に冷却した。次いで、前記氷温に冷却した水溶液と5規定の水酸化ナトリウム水溶液とを、90℃に加熱した1.5リットルの純水に液のpHを7に保持しながら40分かけて分散同時添加し、その後、20分間熟成した後、塩酸でpHを2.5に下げて、スズ元素とリン元素とニオブ元素との共沈殿物を得た。引き続き、放冷後、生成物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で4時間乾燥して、生成物を回収した。次いで、得られた共沈殿乾燥物を窒素雰囲気下で800℃の温度で焼成して、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料D)を得た。なお、試料Dの酸化スズに対するリン元素及びニオブ元素のモル比は各々、6.9モル%、1.3モル%であった。
【0022】
比較例1
前記▲1▼のSn溶液と5規定の水酸化ナトリウム水溶液とを、90℃に加熱した1.5リットルの純水に純水のpHを7に保持しながら20分かけて分散同時添加しスズ元素を含有する沈殿物を得た。引き続き、放冷後、沈殿物を濾過し、洗浄し、120℃の温度で4時間乾燥して、沈殿物を回収した。次いで、得られた沈殿乾燥物を大気中で1000℃の温度で焼成して、酸化スズ粉末(試料E)を得た。
【0023】
比較例2
比較例1において、焼成を窒素雰囲気下で800℃の温度で行ったこと以外は比較例1と同様に処理して、酸化スズ粉末(試料F)を得た。
【0024】
比較例3
実施例3において、Si溶液に代えて5規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いたこと以外は実施例3と同様に処理して、ドーパントとしてリン元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料G)を得た。なお、試料Gの酸化スズに対するリン元素のモル比は5.3モル%であった。
【0025】
比較例4
実施例4において、Nb−P溶液2に代えてNb溶液を用いたこと以外は実施例4と同様に処理して、ドーパントとしてニオブ元素を含有した導電性酸化スズ粉末(試料H)を得た。なお、試料Hの酸化スズに対するニオブ元素のモル比は1.3モル%であった。
【0026】
比較例5
市販のアンチモンドープ導電性酸化スズ粉末(SN−100P:石原産業社製)を比較試料(試料I)として用いた。
【0027】
実施例及び比較例で得られた試料(A〜H)10gを10分間ライカイ機でそれぞれ粉砕した後、得られた粉体1gを、銅を電極とする容器に詰め、ハンドプレス機により100kg/cm2 の圧力をかけて成形した。この成形物の抵抗をマルチメーターで測定し、その厚みから粉体体積抵抗率(初期値)を求めた。また、前記の粉砕して得られた粉体を80℃の温度に設定した乾燥器に1週間保管した後、前記と同様に成形して粉体体積抵抗率(経時後)を求めた。次に、前記の粉砕して得られた粉体の比表面積をBET法により測定した。これらの結果を表1に示す。この結果から、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる導電性酸化スズ粉末は優れた導電性を有し、かつ、比表面積の大きい微粒子状のものであることがわかった。また、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる導電性酸化スズ粉末は、同じ比表面積を有するものと比較して、導電性の経時安定性にも優れたものであることがわかった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例5
実施例1で得られた試料A20g、アクリル樹脂(アクリディック、大日本インキ社製)16.3g、トルエン、n−ブタノールの混合有機溶媒13.2gとジルコニアビーズ64gをマヨネーズ瓶に入れ、ペイントシェーカーで1時間振とうした後、前記のアクリル樹脂とトリエン、n−ブタノールの混合有機溶媒を加えて、P.W.C.が50%、60%である本発明の導電性塗料組成物(試料J、K)を得た。
【0030】
実施例6
実施例5において、実施例4で得られた試料Dを用いること以外は実施例5と同様に処理して、本発明の導電性塗料組成物(試料L、M)を得た。
【0031】
実施例5、6で得られた試料(J〜M)をそれぞれドクターブレード(厚み30μm)を用いてPETフィルム上に塗布し、風乾して、本発明の帯電防止材を得た。得られた帯電防止材のシートの表面抵抗値とヘーズ率との測定結果を表2に示す。なお。シートの表面抵抗は、JIS規格(C−2122)に基づく電極を有する常温測定箱(P−601、川口電気製作所製)を用いて、JIS規格(K−6911)に準拠した方法で測定した。前記の常温測定箱の主電極とリング電極の上にシートを置き、電極間に100Vのバイアス電位を印加し、その時に流れる電流値をエレクトロメーター(617、ケースレー社製)を用いて測定した。この測定値からシートの表面抵抗値を算出した。また、ヘーズ率は、550nmの波長の光の透過率を分光光度計(日立製作所製)で測定して算出した。この結果から、本発明の導電性塗料組成物、帯電防止材は優れた導電性を有し、かつ、透明性に優れていることがわかった。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例1及び比較例5で得られた試料A及びI各々3gを錠剤成型器に入れ、ハンドプレス機により300kg/cm2 の圧力をかけて、直径2cmの錠剤を得た。得られた錠剤を色彩色差計(X−Rite社製:938)を用いて明度(L* )、色度(a* 、b* )を測定した結果を表3に示す。この結果から、本発明のドーパントとしてリン元素を含有し、更にニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる導電性酸化スズ粉末は、比較のドーパントとしてアンチモン元素を含有した導電性酸化スズ粉末と比べ、青みが抑えられており、うすい色をしていることが分かった。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
本発明は、ドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる導電性酸化スズ粉末であって、アンチモンを実質的に含有していないため毒性の点で問題なくアンチモンに起因するような青黒味が無く、しかも、優れた導電性を有し、かつ、その経時安定性にも優れたものであることから、ドーパントとしてアンチモン元素を含有した酸化スズ粉末に代わる導電性付与剤として有用なものである。
【0036】
また、本発明は、ドーパントとしてリン元素を含有し、更に第三成分としてニオブ元素及び/又はケイ素元素を含有してなる導電性酸化スズ粉末の製造方法であって、前記の導電性酸化スズ粉末を簡便、かつ、効率よく得ることができる有用な方法である。
【0037】
更に、本発明は、前記の導電性酸化スズ粉末を含有してなる導電性懸濁組成物、導電性塗料組成物であって、導電性膜を支持体上に簡単に形成することができる。また、本発明は、前記の導電性懸濁組成物、導電性塗料組成物を支持体に塗布又は吹き付けしてなる帯電防止材であって、優れた導電性を有し、しかも、高い透明性を有することから、種々の用途に用いることができる有用なものである。
Claims (9)
- ドーパントとして0.1〜20モル%のリン元素と、第三成分として0.01〜5モル%のニオブ元素及び/又は0.01〜15モル%のケイ素元素とを含有してなり、比表面積が5〜200m2/gであることを特徴とするアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末。
- ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とスズ化合物とを含み、アンチモン化合物を含まない溶液から、中和反応によってニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とスズ元素とを含む共沈殿物を生成させ、次いで、該共沈殿物を回収し、300〜1100℃の温度で焼成することを特徴とするアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法。
- スズ化合物を含み、アンチモン化合物を含まない溶液から、中和反応によってスズ元素を含む沈殿物を生成させ、次いで、該沈殿物を含む液にニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とを添加し、該沈殿物の表面にニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物を得、次いで、該生成物を回収し、300〜1100℃の温度で焼成することを特徴とするアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法。
- ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とスズ化合物とを含み、アンチモン化合物を含まない溶液から、中和反応によってニオブ元素及び/又はケイ素元素とスズ元素とを含む共沈殿物を生成させ、次いで、該共沈殿物を含む液にリン化合物を添加し、該共沈殿物の粒子表面にリン元素を析出させた生成物を得、次いで、該生成物を回収し、300〜1100℃の温度で焼成することを特徴とするアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法。
- ニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とスズ化合物とを含み、アンチモン化合物を含まない溶液から、中和反応によってニオブ元素及び/又はケイ素元素とスズ元素とを含む共沈殿物を生成させ、次いで、該共沈殿物を含む液にニオブ化合物及び/又はケイ素化合物とリン化合物とを添加し、該共沈殿物の粒子表面にニオブ元素及び/又はケイ素元素とリン元素とを析出させた生成物を得、次いで、該生成物を回収し、300〜1100℃の温度で焼成することを特徴とするアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法。
- 焼成を酸素含有雰囲気下若しくは不活性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のアンチモン元素を含有しない導電性酸化スズ粉末の製造方法。
- 請求項1に記載の導電性酸化スズ粉末を溶媒中に懸濁させてなることを特徴とする導電性懸濁組成物。
- 請求項1に記載の導電性酸化スズ粉末とバインダと溶媒とを主成分とすることを特徴とする導電性塗料組成物。
- 請求項7又は8に記載の導電性組成物を支持体に塗布又は吹き付けしてなることを特徴とする帯電防止材。
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